音楽

2014-05-23

「寅さんのことば 風の吹くまま 気の向くまま」 佐藤利明 著 + CD 「男はつらいよ 寅次郎音楽旅〜寅さんのことば」

寅さんのことば 風の吹くまま 気の向くまま
寅さんのことば 風の吹くまま 気の向くまま

佐藤利明さんの著書「寅さんのことば 風の吹くまま 気の向くまま」は、「男はつらいよ」ファンはページをめくるのがとても楽しい粋な本である。そして、同コンセプトで発売されたCD「男はつらいよ 寅次郎音楽旅〜寅さんのことば」は、その本に書かれたセリフをそのまま聞けて、かつサントラが聴けるという、これも粋なCDである。

このCDをかけて、この本を読む。どっぷりと寅さんワールドにひたる。そうすると、海外暮らしの身には「銭さえあれば、私は今すぐにでも土産を買い込んで故郷へ帰りたいのでございます」という心境になるのだ。

男はつらいよ 寅次郎音楽旅~寅さんのことば~
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2011年4月に始まった文化放送ラジオの「みんなの寅さん」。当初は朝の吉田照美さんの番組内の1コーナーだったが、その後独立した番組となり、2014年4月からは「新・みんなの寅さん 」として毎週日曜日夕方17:00〜17:27 に放送中である。そのパーソナリティを務める"寅さん博士"こと娯楽映画研究家・佐藤利明氏が、東京新聞、中日新聞、北陸中日新聞の夕刊へ連載していたものを一冊にまとめたものが「寅さんのことば 風の吹くまま 気のむくまま」。そして、その本で紹介された「寅さんのことば」をオリジナル音源で収録し、かつ山本直純氏のサントラが聴けるのがこのCD「男はつらいよ 寅次郎音楽旅〜寅さんのことば」なのである。

おなじみのセリフを読んで、それを聴けるのは楽しいもんである。
「よお、備後屋、あいかわらずバカか?」
「それを言っちゃおしまいよ」
「俺か?恋をしていたのよ」
「おまえと俺とは別の人間なんだぞ。早え話がだ、俺が芋食って、おまえの尻からプッと屁が出るか!」
「おい、まくら、さくらとってくれ」(おいちゃんのセリフ)等々。

このCD「男はつらいよ 寅次郎音楽旅」は映画同様シリーズとなっており、これも佐藤利明氏(プロデュース&コンセプト)の労作である。

男はつらいよ 寅次郎音楽旅~寅さんの“夢”“旅”“恋”“粋”~
男はつらいよ 寅次郎音楽旅~寅さんの“夢”“旅”“恋”“粋”~

「男はつらいよ 寅次郎音楽旅〜寅さんの"夢””旅""恋””粋”」は「男はつらいよ」全48作品の中で使用された〈天才〉山本直純作曲のもの、及びクラシック作品の音源をそのまま収録した2枚組。

男はつらいよ 続・寅次郎音楽旅~みんなの寅さん~
男はつらいよ 続・寅次郎音楽旅~みんなの寅さん~

「男はつらいよ 続・寅次郎音楽旅〜みんなの寅さん」は、文化放送のラジオも始まり、上述のCDに未終録の音源と、ラジオでBGMとして流したものを収録した"続篇”。2枚組。

男はつらいよX徳永英明 新・寅次郎音楽旅
男はつらいよX徳永英明 新・寅次郎音楽旅

「男はつらいよ×徳永英明 新・寅次郎音楽旅」は、第42作目以降、満男(吉岡秀隆)と泉(後藤久美子)の「恋のテーマ」となった徳永英明さんの名曲がフィーチャーされたコラボアルバム。

もうこの4作品の「寅次郎音楽旅」CDを持っていれば、寅さんの音源はほぼ自分のものに出来たことになる(と思う)。我が家で「寅さんワールド」に浸るには最適なシリーズである。これを聴いていると、「じゃあまた夢の続きを見るとするか」という気になる。

このオレンジ色のカバーの「寅さんのことば 風の吹くまま 気の向くまま」が出版された時、友人でもある著者の佐藤利明さんから、上野の焼肉屋でご本を受け取った時、「ほら見て、左上の寅さんの絵がパラパラ漫画になってるんだよ」と嬉しそうに教えてくれたのを思いだす。ぜひ皆さんも手に取って見てみてください。

てなことで。

23-May-14 Text by nobuyasu

4808309823 寅さんのことば  風の吹くまま 気の向くまま
佐藤利明
東京新聞出版局  2014-01-20

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2014-05-08

香港フィルハーモニー管弦楽団演奏によるチャップリンの『街の灯』上映会 "Charlie Chaplin's CITY LIGHTS" performed by Hong Kong Philharmonic Orchestra (with film screening)

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なんとも豪華な映画イベントへ行って来た。香港フィルハーモニー管弦楽団演奏によるチャップリンの名作『街の灯』"Charlie Chaplin's CITY LIGHTS"上映会 (Friday 02-May-14)。
会場は、香港最高の音響と云っていい香港文化中心(Hong Kong Cultual Centre)のコンサートホール。指揮は映画音楽に造詣が深いフランク・ストローベル(Frank Strobel)。チャップリン生誕125年、放浪紳士(The Tramp)誕生100周年を記念して行われたコンサート。入場料が一番高い席でHKD280(約3,700円)というのもありがたかった。
(公演は3度行われ、3度目は日曜日の午後、"Chaplin for Kids"という子供向けの上映会だった)

なんという至福の時間だったろう。香港フィルの奏でるチャップリン・メロディを生演奏で聴きながら『街の灯』を観れるとは! これはどんなに素晴らしい映画館や豪華なホームシアターでもなしえない贅沢。7.1chサラウンドシステムやDTSなど、このオーケストラの前ではモノラルのようなもの。

スポンサーがSwire Denimなので、ジーンズにTシャツという軽装で演奏したためか、アジアでも屈指といわれる実力を持つ香港フィルにしてみれば、この86分ノンストップの(あたかも交響曲のような)映画に合わせた演奏はお茶の子さいさいなのか。淀みなく続く音楽が映像とピッタリ合って、ラストの感動もひとしおだった。(しかし、拳銃の音などはどうやったのだろうか)

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当日は2本立て。1本目はキーストーン社の短編『ヴェニスの子供自動車競争』"Kid Auto Race at Venice"。この作品が映画史的に重要なのは、ちょび髭、山高帽、タキシード、ステッキという、いわゆる《チャップリン・スタイル》で初めて公開された映画だからである。時間は10分ほどだったと思う(というか、ネットでみても全部時間がまちまちなのでホントのところがわからず)。1914年製作だから、今年が放浪紳士"チャーリー"100周年というワケ。
映画は、カーレースを撮影しているニュース・カメラに、チャップリンがわざと映り込み、カメラマンに蹴られたり、殴られたりするが、すぐに戻って来てまた映っちゃうというもの(笑)。チャーリーは、映画デビュー時から、こういう権力や強いものに逆らっちゃう精神があったというのも〈歴史の必然〉だったのだろう。
プリントはレストアされ、新しく入れた音楽は、ティモシー・ブロック(Timothy Brock)によるもの(←チャップリン家から依頼を受け、サイレント時代の音楽を作り直している)。だからYouTube等で見れるこの作品の音楽は(現在では)まがい物ということになる。

そして『街の灯』"CITY LIGHTS"(1931)だ。舞台下手から再度指揮者のフランク・ストローベルが登場。舞台中央、右、左サイドのスクリーンに映像が映り、タクトが振られる。開巻、除幕式の彫刻の上で寝てるチャップリン。ここからもう会場は笑い声であふれ、有名なボクシングのシーンは大爆笑だった。今回何度目かの『街の灯』を観て、改めて思ったのは、映画としてなんてうまく繋がっているかということ。一つの笑いから一つの笑いへ繋いで行く術が本当に見事。そのリズムがまた笑いを誘う。これこそがコメディ映画のお手本というものだろう。80年以上前の作品で笑わせるチャップリンはやっぱりスゴい。

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1931年の映画産業は既にトーキーの時代だった。だが、1928年に製作を開始したこの映画はサイレントとして公開された。ただし、全編音楽をつけて。作曲はチャップリン自身が鼻歌で歌ったものを、アーサー・ジョンストンが楽譜にし、アルフレッド・ニューマンが編曲した(今回演奏されたバージョンは、上述のティモシー・ブロックが手を加えたもの)。

現在では到底考えられないが、この作品からチャップリンは、製作費・製作期間無制限という破格の扱いを受ける。だから、たったワンシーン撮るのに一年以上もかかり(盲目の花売り娘とチャーリーの出会いの場面。300テイク以上撮影した)、そんなかんだで、美容院の予約があるからと撮影を早く上がろうとしたヒロイン役ヴァージニア・チェリルに激怒し、一旦クビにしたというから恐れ入る。

それでもやはりこの映画のラストシーンの美しいこと。そのストリングスの見事な音色もあいまって、また泣いてしまった。
乞食同然のチャーリーは盲目で薄幸の花売り娘にホレてしまう。自分がお金持ちと勘違いされ、彼女の前でだけはそのように振る舞おうとする。酒が入った時だけ自分を友達と思ってる大金持ち(酒が抜けると「お前だれ?」と言われてしまう・笑)から手にした大金で、彼女の目を治してやるチャーリー。だが、彼は警察に捕まり、彼女の前から姿を消す。

今までぼくはこの映画のラストで、二人がまた会えてよかったよかったと単純に感動していたが、今回の上映後「考えてみたらこれは残酷な終わり方だったんだな」と思った。それは、目が見えた彼女からすれば、夢見て恋焦がれた紳士は実は乞食だったという事実。またそれがバレてしまった乞食姿のチャーリーのみじめさ。夢は夢のままで終わらせた方がいいこともある。突きつけられた真実。現実はキビしいのだ。"Yes, I can see now"というラストのセリフはそういう意味だったのかと思った次第。

てなことで。

Hong Kong Philharmonic Orchestra
"Charlie Chaplin - CITY LIGHTS"
Hong Kong Cultural Centre Concert Hall
Friday 02 May 2014 PM 09:00

Frank Strobel, conductor

"Kid Auto Races at Venice" (1914)
Director: Henry Lehrman
Cast: Charles Chaplin, Henry Lehrman
Music: Timothy Brock (2013)

"City Lights" (1931)
Director, Producer, Writer: Charles Chaplin
Cast: Charles Chaplin, Virginia Cherrill, Henry Myers, Florence Lee, Allan Garcia
Music: Timothy Brock arranged after the original score by Charles Chaplin (1931/2004)

Instrumentation
One flute (doubling piccolo), one oboe (doubling cor anglais),  three clarinets (one doubling bass clarinet), one bassoon, two horns, three trumpets, two trombone, one tuba, timpani, percussions, three saxophones, piano/celesta, banjo/guitar and strings.

08-May-14 by nobuyasu

(今日現在最高の画質(4Kトランスファー)、最高の音質で楽しめるBlu-ray。クライテリオン盤『街の灯』)

B004OOL73W City Lights (Criterion Collection) (Blu-ray + DVD)
Criterion Collection  2013-11-12

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(日本ではまだDVDのみ発売)

B0046ECN3S 街の灯 (2枚組) [DVD]
チャールズ・チャップリン
紀伊國屋書店  2010-12-22

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2014-04-29

ステイシー・ケント・イン・マカオ Stacey Kent The Changing Lights Concert in Macau

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お気に入りのジャズ・ヴォーカリスト、ステイシー・ケント(Stacey Kent)のコンサートがマカオであったので行って来た(Saturday 26-Apr-14)

香港から夕方のフェリーに乗り、約1時間でマカオ・タイパ・フェリーターミナルへ。そこから会場のヴェネチアン・ホテルまで、無料の送迎バスで移動。
そのヴェネチアン・マカオって、初めて行ったけど、無駄に広い(笑)。大げさに言うと小さな町くらいの広さ。ドでかいカジノもあり、会場のヴェネチアン・シアターへはそのカジノを通り抜けて行かなければならない。煙草の匂いがもうもうとする中、歩いて歩いてやっと会場に着いた。

15分ほど前に入場すると、ロビーでお酒やソフトドリンクを配っている。タダと聞いて、思わずシャンペンもらうオレ(笑)。HK$180(約2,300円)の入場料でドリンク付きとは! さすがオトナの社交場を目指すマカオだのぉ。

劇場は、天井が高くて広い。キャパはどれくらいだろう。2,000/3,000といったところか? 7:45PM開演だが、(香港と同じで)予定通りには始まらない(笑)。20分くらいして、会場が暗くなる。舞台にピアノ、ベース、ドラムス、サックスがセッティングしてある。バックには星空が光る。そこへステイシー・ケントが黒いワンピース姿で登場。"This Happy Madness"をピアノ伴奏だけで歌いだす。静かな幕開けだ。歌い終わったら「Thank you!」と言ったのだが、その声の甲高いこと(笑)緊張してるのかと思ったが、その後もそういう声を出してたので、地声やな(笑)

ジャズ・スタンダード、ボサノヴァ、それにフランス語のアルバム「パリの詩」(Raconte-moi...) から"Jardin D'Hiver"。彼女のあまりビブラートのない歌い方はボサノヴァによく合う。
先週南青山のブルーノート東京で、マルコス・ヴァーリのデビュー50周年記念で共演してきたと、ギターを弾きながら(彼の作曲した)"So Nice"を歌う。
尊敬するアントニオ・カルロス・ジョビンのことを語って"Dreamer"を、これまた〈尊敬する〉旦那でもあるサックスのジム・トムリンソンと"The Ice Hotel"を歌うトレイシー。(サックスと歌手の夫婦なんて『ニューヨーク・ニューヨーク』やな。映画みたいに別れなきゃいいけど・笑)

なんと彼女、(ブラジル)ポルトガル語もペラペラなんですな。マカオは元ポルトガル領だったので、彼女が話すとみんな喜んでた。英語、ポルトガル語、フランス語の歌とごちゃまぜチャンポン。

"One Note Samba"や"The Changing Lights"も歌って、アンコール最後は"What a Wonderful World"で締めくくった。

うーむ、アルバム6枚持ってるぼくは彼女のまっすぐな歌声を心地よく聴けたけど、それでも途中ちょっと退屈したよ(苦笑)。ロックじゃないから盛り上がりはしないにせよ、MCが優等生すぎて面白みにかける。「もっと客を笑わせるようなおもろい話はないんかい!」とツッコんでるオレ。
ブルーノートくらいのライブハウスなら、ワンステージ1時間なのでこれでも持つのだろうが、2時間超のコンサートなんだから、観客をエンタテインするのも大事だと思う。ま、その真面目さが良いという人もいるのだろうが…

けど後半の"Smile"もよかったから、まあええか。オブリガード、ありがーと!

Stacey Kent - The Changing Lights
Venetian Theatre, The Venetian Macau
Saturday 26 April 2014 7:45 PM

29-Apr-14 by nobuyasu

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ステイシー・ケント
ワーナーミュージック・ジャパン  2013-12-03

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パリの詩 パリの詩
ステイシー・ケント

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Breakfast on the Morning Tram Breakfast on the Morning Tram
Stacey Kent

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マルコス・ヴァーリ&ステイシー・ケント・ライヴ~マルコス・ヴァーリ・デビュー50周年記念 マルコス・ヴァーリ&ステイシー・ケント・ライヴ~マルコス・ヴァーリ・デビュー50周年記念
マルコス・ヴァーリ&ステイシー・ケント

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Dreamer in Concert Dreamer in Concert
Stacey Kent

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2014-04-04

ブルーノ・マーズ香港公演 Bruno Mars Live in Hong Kong 2014 と 「アメリカン・グラフィティ」 American Graffiti

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高一の娘が春休みで香港へ戻って来た。今回一番の目的はブルーノ・マーズの香港公演を見るため(Bruno Mars "The Moonshine Jungle Tour" Live in Hong Kong 2014)。

3月29日(土)の香港はラグビー・セブンスで街中が沸いていたが、ブルーノのコンサート会場Asiaworld Expoも大盛り上がり。お父さんのぼくも久しぶりにええもん見せてもろたよ。ブルーノの曲は、ロックンロール、ドゥアップ、ゴスペル、ソウル、ディスコなどが融合したフュージョンで、だからぼくのようなおっさんでも聞き心地が良いのだろう。それにトランペットなどホーンセクションの奴らと踊るのがカッコいいったらない。声も良いし歌もうまい。ギターもドラムも上手。それに踊りもつくのだから、若い女子がキャーキャーいうのもわかる。

"Do you love me?"と観客に歌わせといて、"I love you"とブルーノが応えると、会場は黄色い声援で大変なことになった。そして、"I love you so"といきなり歌い踊る"Runnaway baby"のカッコよさ。ラストの"Just the way you are"もイイ。アンコール入れても2時間ほどのコンサートだが(だってまだアルバム2枚しかないんだもん)、娘は充分満足して家路についた。

家に帰ってから、ブルーノが山下達郎が好きだと聞き「はぁ?」と思ったが、父親に「On the Street Corner」という達郎のアカペラ・アルバムを聴かされて好きになったのだと。さっそくCDを引っぱりだして聴かせたら気に入ったようで、「もっとこの手の音楽を聴きたい」という。ならば、オールディーズがいっぱい聴ける映画があるから見ようとなって「アメリカン・グラフィティ」"American Graffiti"を観ることになったのだ。

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1973年に製作されたこの(通称)「アメ・グラ」は、当時の日本でもヒットして、今でも人気のある青春映画だ。大学へ行くことに決めた高校生の、故郷から旅立つ前日のたった一晩の話。全編カーラジオから聞こえてくるのは、DJウルフマン・ジャックが紹介するフィフティーズの名曲の数々。4人の男子と3人の女子のそれぞれの一夜をスケッチ風に描いた若きジョージ・ルーカス監督の傑作。

ぼくがこの映画を初めて観たのは、確か高一か高二の時。地元の名画座(たぶん福山グリーン劇場)で観たと思う。その映画をBlu-rayで、高一の娘と観ることになるとは思ってもみなかったよ(笑)。香港で売ってる本作のBlu-rayは日本語字幕がついていたのでありがたかった。

ビル・ヘイリーの「ロック・アラウンド・ザ・クロック」に始まり、「シクスティーン・キャンドル」「悲しき街角」「シーズ・ソー・ファイン」「シー・ユー・イン・セプテンバー」「サーフィン・サファリ」「煙が目にしみる」「グレート・プリテンダー」「ジョニー・ビー・グッド」……キラ星の如くオールディーズ・バット・グッディーズの曲が入ったサントラ盤も何度聴いたことか。ウルフマン・ジャックの声も入ってて、当時画期的なサントラだった。LPを広げたら一枚の絵になってたのも洒落てたね。

映画音楽として全編既製の曲を使うということ。特にストーリーはなくて、いろんなエピソードをつなげていって一本の映画にする。エンディングで出演者のその後を知らせる。こういった手法は「アメ・グラ」以前にはなく、全てここから始まった。「グローイング・アップ」も「グリース」も、はたまた北野武の「キッズ・リターン」も「アメ・グラ」がなければ産まれてなかったかもしれない。

低予算の作品なのでキャストの面々は殆どみんなこれが映画デビュー。だーれも知らないから、余計にリアルで、映画を観終わった後「あいつらとダチになりてぇな」と思ったものだ(笑)
だが、ほぼ40年を経て、リチャード・ドレイファスは「グッバイ・ガール」でアカデミー主演男優賞に輝きスターに。チャールズ・マーティン・スミスは「アンタッチャブル」など味のある脇役となった。ロン・ハワードは「ビューティフル・マインド」でアカデミー監督賞に輝き(頭もすっかり禿げてカガヤキを増しているが・笑)、2013年には「ラッシュ/プライドと友情」という佳作を送り出す名監督となっている。
撮影当時大工をしていたハリソン・フォードはこの映画で俳優復帰、そしてハン・ソロとなり、ついにはインディ・ジョーンズになっていく。
監督のジョージ・ルーカスは、前作「THX-1138」の興行的な大失敗から、この青春映画に賭け、そして成功を納め、「スター・ウォーズ」に取りかかることが出来た。この映画の卒業生はその後大成功した人が多い。
ただ、一番目立ってたジョン・ミルナー役のポール・ル・マットは、その後もうひとつなのが残念。覚えてるのはあの〈脱力した〉「アメリカン・グラフィティ2」くらいか…。ぼくは昔、映画の彼をまねてタバコをTシャツの肩のところへひっかけてたのにな(←それがどうした・笑)

娘がローリー(シンディ・ウィリアムス)が着てるアイビー・ファッションは「今流行ってる」と騒いでた。男子もコッパンやギンガムチェックのボタンダウンなど、アメカジもこの映画から学んだ。そういう人も多いと思う。フォード・T-Birdや、シボレー・インパラなど当時の車が出て来るのも車好きにはたまらんだろう(ちなみにジョンの乗ったフォード・デュース・クーペのナンバープレートは"THX-138")。どれもこれも、ベトナム戦争直前で、ビートルズ(英国のロック)が全米を席巻する前の、アメリカが輝いていた1962年の夏のこと。アメリカの観客がノスタルジックな気分になるのもうなずけるし、だからこそ戦争の悲惨さがラスト・クレジットで際立つのだ。

自分の青春時代に観て夢中になった映画のことを書くと、思い出話ばっかりになってしまうな(苦笑)。今回久しぶりに観ても、やっぱりイイ映画だった。娘も面白かったと喜んでくれた。人間はとどまらず旅立つことで大人になり成功出来ることを教えてくれる名作。そーいえばあの当時、日本でもFENでウルフマン・ジャックが聴けたなぁ…。あー、やっぱり止まりそうもないから今日はこの辺で!

American Graffiti (1973)
Directed by George Lucas, Produced by Francis Ford Coppora
Cast: Richard Dreyfuss, Ron Howard, Paul Le Mat, Charles Martin Smith, Cindy Williams, Candy Clark, Mackenzie Phillips, Wolfman Jack, Harrison Ford
Duration: 110mins

04-Apr-14-Fri by nobu

2012-05-22

ドナ・サマー 追悼 "Queen of Disco" Donna Summer

ドナ・サマーが亡くなった。享年63。肺がんだったという。

ぼくはその訃報を、中国へ出張する前の香港空港のキャセイ・ラウンジのCNNで知った(2012年5月18日)。

上にアップした映像は、2010年10月15日のラスベガスでのライヴ。デイヴィッド・フォスターがそうそうたる顔ぶれで行ったコンサート(David Foster and Friends - Hitman Returns)のもの。

「プロデューサーはぼくじゃなかったけど、スローバラードから始まって、アップテンポになるというアホみたいな曲を作ろうってことになって、これを一緒にやったんだよね」とフォスターが話しかけ、ドナ・サマーが歌うのはアカデミー賞歌曲賞を受賞した名曲"Last Dance"。

これを去年見た時に、まだまだ元気で声も出てて、またコンサートやってくれたら行きたいなと思っていたのに、残念だ。

Bad Girls
Bad Girls

ドナ・サマーは、"Queen of Disco"だった。今はクラブと云うが、その昔はディスコと云った。70年代後半から80年代前半までがドナ・サマーの全盛だったように思う。で、その頃がぼくにとっても青春時代だった。

"I Feel Love", "MacArther Park", "Hot Stuff", "Bad Girls", "I Love You", "On the Radio", "Love is In Control", "She Works Hard for the Money", 等々で踊りまくってた頃を思い出す。バーブラ・ストライサンドとの"No More Tears (Enough is Enough)ってのもあったな。

プロデューサーのジョルジオ・モロダーと作り上げていった数々のサウンドは、R&Bやロックの色あいもあり、とても都会的で洗練されたものだった。

彼女の天性の声と、圧倒的な歌唱力はいつまでもぼくの心に残ってる。"Last Dance"になってしまったドナ・サマー。合掌。

"Queen of Disco" Donna Summer 1948 - 2012

22-May-12-Tue by nobu

B000001F8POn the Radio
Donna Summer
Mercury Import 2007-01-23

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B000CBNZTUホット・スタッフ~ドナ・サマー・グレイテスト・ヒッツ
ドナ・サマー
ユニバーサル インターナショナル 2006-01-25

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B0052VI2PCデイヴィッド・フォスター&フレンズ ライヴ2
デイヴィッド・フォスター&フレンズ
ワーナーミュージック・ジャパン 2011-08-03

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2012-05-14

「フェリーニのアマルコルド」オリジナル・サウンドトラック [CD] & NYフィルの演奏 Federico Fellini AMARCORD

B0071VAZ1K フェリーニのアマルコルド (1974年作品) (Amarcord) (Huit et Demi) [日本語帯付輸入盤]
ニーノ・ロータ
CAM Original Soundtracks / King International 2012-02-20

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フェリーニのアマルコルドのCDが再発売された。Amazonで発見したのですぐに注文して取り寄せた。

映画のレビューは以前書いたが(→「フェリーニのアマルコルド」DVD)、この映画のキモは、ニーノ・ロータの甘美な音楽にある。このテーマ曲の旋律を聴くと心が少しキュンとする。たった30分ほどしかないが、これは原盤がLP時代の録音だから仕方がないのだろう。音は悪くない。1974年の作品だから、ノスタルジックな気分にもなりますな。

先日Hong Kong Recordのジャズ・クラシックのコーナーへ立ち寄った時、モニターに映ったオーケストラの演奏に足が止まり、目が釘付けになった。流れて来るのは「フェリーニのアマルコルド」その曲に合わせてフェリー二映画の名場面のスティルが映し出されていたのだ。

「なんじゃこれは!?」と、レジの横に飾ってあるDVDを見たら、"Andrea Boccelli - Concerto: One Night in Central Park"というものだった。日本でも「アンドレア・ボチェッリ- 奇蹟のコンサート~セントラルパークLIVE」として発売されている。

このニューヨーク・フィルの演奏はとろけるよ(指揮:アラン・ギルバート)。いっぺん聴いてみなはれ。

Federico Fellini AMARCORD (1974)

11-May-12-Fri by nobu

B004CGUC06 Amarcord (The Criterion Collection) [Blu-ray]
Criterion Collection 2011-02-08

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B005S1Y494 奇蹟のコンサート~セントラルパークLIVE [DVD]
アンドレア・ボチェッリ セリーヌ・ディオン デイヴィッド・フォスター アナ・マリア・マルティネス
ユニバーサル ミュージック クラシック 2011-12-21

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奇蹟のコンサート~セントラルパークLIVE(初回限定盤)(DVD付) 奇蹟のコンサート~セントラルパークLIVE(初回限定盤)(DVD付)
クリス・ボッティ アンドレア・ボチェッリ セリーヌ・ディオン アナ・マリア・マルティネス ブリン・ターフェル プリティ・イェンデ トニー・ベネット

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2012-05-08

レディー・ガガ・ライヴ・イン・香港 LADY GAGA Live in Hong Kong 2012

2012年5月5日(土)中三の娘とLADY GAGAの香港コンサートに行って来た。

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香港では、5月2日、3日、5日、7日と計4回コンサートが開かれた。チケットは当初5月2日分だけ発売され、その後順次追加公演が売り出されたが、全て1時間足らずで売り切れた。ぼくもネットで買おうと試みたが、まずサイトにも行き着かなかった。

香港人の友人とも話したが、LADY GAGAクラスの大物が香港へ来るのは久々で、チケットは転売目的もあり手に入れるのは不可能だろうとの話。すっかり諦めていたのだが、出張先の中国・揚州で、コンサート初日の夕方、iPadで何気にHK Ticketingへ行ってみたら、"Restricted view tickets on sale"とあるではないか!?つまり、舞台横から裏手の本来売ってなかった席も売り出したのだ。

なんかキツネにつままれたような気分で、「ほんまに買えんのか?」とキーボードを叩いたら、「ほんまに買えてしまった」のだった(笑)。

ぼくが泊まった揚州のホテルは、WiFiがロビーでしか使えない。お客さんが車で迎えに来てくれるので待ってた時に遭遇したので、ホントにラッキーなことだったのである。

そして、コンサート当日。興奮して鼻血を出しそうなリトル・モンスターの娘を乗せて、GAGAのアルバムを聴きながら会場へと車を走らせた。

1時間ほど前から会場はごった返している。アリーナのスタンディング席は、早くから並んでる人が多いからだ。みんなビールを飲んで待ってる。お陰で、女子トイレは長蛇の列。7:30始まりなのに、10分くらい前にやっと入場が始まる。ぼくらの席は、舞台の真横だったが、ステージ上にはDJがいて、GAGAの曲をかけて、スタンディングの客を盛り上げている。30分くらいのパフォーマンスが終わっても、なかなかコンサートは始まらない。キャパ14,000人のAsiaWorld-Arena超満員の客は、足を踏み鳴らし、ウェーブをしながら待っている。場内にビールも持ち込めるので、もう既にお祭り騒ぎだ(笑)。

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そして約1時間遅れでコンサートが始まる。舞台にかかっていた幕がおろされると、そこには巨大な古い城が建っている。スモークの中、馬に乗って登場する女性騎士。顔は見えないがLADY GAGA(のはず)。そこからこの"Born This Way Ball”の物語は始まる。

城の門が開くとそこには、巨大な妊婦が股を開いている。そこから生まれ出る人間たち。そして歌うのは"Born This Way"(こうなる運命のもとに生まれてきた)。レディー・ガガの、人種や同性愛などの差別に対する強い思い。「我々は今夜生まれ変わるのよ」というメッセージ性の強いステージだ。

そうはいっても、観客を楽しませるという点でも趣向を凝らしている。何度衣装替えをしただろうか。ブラジャーにマシンガンが着いたもの、肉屋につり下げた肉の衣装、ピアノの乗ったバイク等々。それに圧倒的な歌と踊りが重なる。会場の熱狂は最初から最後まで途絶えることがなかった。ホントにスゴいパフォーマンスだった。

約2時間半のステージを観て、家に帰っても娘は「震えが止まらない」と興奮して言っていた。お父さんのぼくも、トランス状態から抜け出すのに少々アルコールの力が必要であった。「ありのままの自分でいいんだ」というLADY GAGAの思いは多くの人々に希望と救いを与えることだろう。彼女は偏見と闘う騎士なんだな。

TIME OUT Hong Kongのサイトにレビューとセットリストが載っていたので記しておく。個人的には黒いスーツ姿で踊ったScheibeが良かったな。

LADY GAGA

THE BORN THIS WAY BALL

ASIAWORLD - ARENA, Hong Kong

Sat 05 May 2012 7:30PM

Set List

Highway Unicorn
Government Hooker
Born This Way
Bloody Mary
Bad Romance
Judas
Fashion of His Love
Just Dance
Love Game
Telephone
Heavy Metal Lover
Bad Kids
Hair
You & I
Electric Chapel
Americano
Poker Face
Alejandro
Paparazzi
Scheibe
Black Jesus
The Edge of Glory
Marry The Night

08-May-12-Tue by nobu

B004RED9SK ボーン・ディス・ウェイ (初回完全限定盤スペシャル・プライス盤)
レディー・ガガ
ユニバーサルインターナショナル  2011-05-23

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B007FGQS80 ザ・モンスター・ボール・ツアー・アット・マディソン・スクエア・ガーデン [Blu-ray]
レディー・ガガ
ユニバーサル インターナショナル  2012-05-02

by G-Tools

2012-02-20

「大脱走」オリジナル・サウンドトラック 3枚組リマスター完全盤 [CD] The Great Escape - Complete Original MGM Motion Picture Soundtrack (3cd's)

【3枚組リマスター完全盤】大脱走 (The Great Escape)
【3枚組リマスター完全盤】大脱走 (The Great Escape)

スティーヴ・マックイーン主演、ジョン・スタージェス監督の大傑作映画「大脱走」"The Great Escape" のサントラがリマスター完全盤となってリリースされた。

アメリカのINTRADAから2011年1月に発売されていたのだが、ぼくは最近まで知らなかった。たまたま日本のAmazonで見つけたので、あわてて購入したのだ。

この3枚組のCD、何がスゴいかというと、本物のサウンドトラックが収録されているのだ!って、今までも発売されてたじゃないか?と思うだろうが、そうじゃないんだよ、チミ。

1963年の映画公開時に作られたLP盤以降の、ぼくらが「サントラ」と信じて呼んでいたUAレーベルのものは、作曲のエルマー・バーンステイン指揮による再録音盤なのだ。LP盤のカバー・デザインをみると "Elmer Bernstein's Original Motion Picture Score" となっている。つまりオリジナル・スコア(楽譜)により演奏されたものであり、時間も約33分しかない。

オリジナル・サウンドトラック「大脱走」
オリジナル・サウンドトラック「大脱走」

実際に映画で使われたサウンドトラック音源は、長らく紛失したものと思われていたが発見され、映画公開から40年以上経過した2004年にVarese Sarabandeから3,000枚限定でCD2枚組として発売された。

今回、このCDが完全盤と銘打っている理由は、サウンドトラックとオリジナル・スコアの両ヴァージョンが収録されているからだ(しかもリマスターで!)。

CD1と2のサウンドトラックは、映画とおんなじ音源で、ステレオサウンドで聴けるのが嬉しい。CD1は、39分24秒、CD2は、50分56秒である。CD3はオリジナル・スコア盤(32分34秒)。

CD1は、あのまずい"芋焼酎"を作って収容所内で飲む時にヒルツ(マックイーン)が吹いた"Yankee Doodle"の笛が最後あたりに入ってて、ちょうど70年代に、かのゴールデン洋画劇場でやった時の「前編」まで。CD2は、ヒルツがオートバイでスイスの山を走り回る時のバックの音楽が聴け、エンドクレジットもそのまま。TVでいうと「後編」である。

ぼくは中学生の時、このTV放送をカセット・テープに録音して、何度も何度も何度も聞いていたものだからよく覚えているのです。解説は前田武彦氏のモノ(笑)。

その頃、なけなしの小遣いで買ったのが「大脱走」のドーナツ盤サントラ。キングレコードから出てて、B面は「砦の29人」だった。これもすり切れるほど聞いたなぁ。

大脱走 オリジナル・サウンドトラック CD
大脱走 オリジナル・サウンドトラック

その後、キングレコードLP盤(永遠のサウンドトラック・エリート・シリーズ)を買って、1998年には、ビデオアーツから出てるCD盤を買った。これは、スコア盤の13曲に、映画の会話が3場面入ったものだった。

The Great Escape

The Great Escape

香港へ来て、HMVで見つけたのが、2004年発売のオリジナル・スコア盤。このアメリカ盤はカバーアートが違うので思わず手が出てしまった。

思えば、中学生の頃、地方に住むぼくは、ボーイスカウトのキャンプ地から、自転車を立ちこぎして早めに帰宅し、この映画「大脱走・後編」を日曜日のお昼に観た。作りかけのプラモデルを片手に見出したが、あまりに面白く、プラモを作る手が止まってしまった。以来ぼくは映画が大好きになった。

その時から、エルマー・バーンステインの「大脱走マーチ」はぼくの心の応援曲だ。ちなみに、サッカーの英国チームのサポーターもこのテーマ曲をみんなで歌う。アメリカ映画なのになぜ?と思っていたが、この物語の主たる登場人物がBritishだからだろう。

ぼくのような「大脱走」ファンは、今回の3枚組を持っていればもう充分。買えて良かった逸品でしたとさ。

Odoru1902126

The Great Escape (1963) - Complete Original MGM Motion Picture Soundtrack (3cd's)

Composed and Conducted by Elmer Bernstein

20-Feb-12-Mon by nobu

2012-02-14

ホイットニー・ヒューストン追悼と2012年グラミー賞 Whitney Houston Tribute / 54th Grammy Awards

Odoru 1402128

昨日、当地香港のStarWorldで放送された、2012年のグラミー賞"54th Grammy Awards"は、前日にホイットニー・ヒューストンの急死があったので、あたかもホイットニーの追悼式のようであった。
授賞式の冒頭、登場したLL・クール・Jは、ホイットニー・ヒューストンの死を悼み、皆で黙祷を捧げた。

授賞式は、相変わらず豪華なパフォーマンスが繰り広げられる。ブルーノ・マースも、リアーナも、コールドプレイも、ケイティ・ペリーも、グレン・キャンベルも、ビーチボーイズもイイ。ラストのラストに、ポール・マッカートニーを取り囲んで、ブルース・スプリングスティーン始め、出演したギタリストたちの競演もしびれた。

ダイアナ・ロスがアルバム・オブ・ザ・イヤーのプレゼンターで登場したもの嬉しい。85歳のトニー・ベネットと28歳のキャリー・アンダーウッドの「It Had Be You」もデュエットなのに、お互い目を合わせないという出し物で笑わせてくれた。後半出ずっぱりで受賞したアデル(6冠)が、23歳とは思えない貫禄で驚いちゃったのもいい。

だけど、今年のグラミー賞はホイットニー・ヒューストンの追悼だったよ。

この一年の間に亡くなった音楽業界の人々を追悼するコーナーの最後に、ホイットニーの写真が映る。その前で、アカペラで歌いだすジェニファー・ハドソン。

"I Will Always Love You" ピアノをバックに朗々と歌う。最後に、"Whitney, We Love You” と歌い上げた時に、ぼくは涙があふれた。

後ろを振り向いて、投げキッスをするジェニファー。

いい追悼だった。おそらく、2日前まで、ジェニファーはグラミー賞で歌うなんて思ってなかっただろう。あまりに急な訃報にも関わらず、グラミーは動いた。ジェニファーは期待以上の歌唱でそれに応えた。感動的だった。

2年前の2010年。ジェニファーは、ホイットニー・ヒューストンの目の前で同じ "I Will Always Love You" を歌っていた。

場所は、ワシントンのワーナー・シアター。第3回BET Honorsの受賞式。BETとは、ブラック・エンタテインメント・テレビジョンのこと。その功績を讃える賞のパフォーマンスでジェニファーが歌い、舞台前で立ち上がって応えるホイットニー…。今見ると(余計に)感涙にむせんでしまうシーンだ。

(そのジェニファー・ハドソンのBET Honorsでの"I Will Always Love You")

48歳で逝ってしまったホイットニー・ヒューストン。

"Saving All My Love For You" でその美貌と歌声にとろけてしまったぼくは、以来ファンになった。絶頂期は映画「ボディガード」('92)の頃だっただろうか。
ボビー・ブラウンとの結婚で、薬物依存となってしまい、歌を忘れていたディーバ。2009年にやっとニュー・アルバム「I Look To You」で復帰しライヴ活動も再開したが、その声は全盛期のものではなかった。

だが、ファンとしては、復活に期待していた。フランク・シナトラも人気が低迷して、自殺未遂までした後、見事に復活した。そしてその後の方が歌がよくなった。彼女もそれが出来るはずと思っていた。

マイケル・ジャクソンも、復活を目前に逝ってしまった。50歳だった。ホイットニーも、メンターであるプロデューサーのクライヴ・デイヴィスのグラミー賞前のパーティ出席のため宿泊していたホテルの浴槽で倒れた。

クライヴは、いつもホイットニーにこう言って励ましていたという。

「世界は君の歌声を待っている」

ぼくらもそれを待っていた…。本当に残念である。合掌。

Whitney Houston 1963 - 2012

Odoru 1402127

 

 

 

 

 

 

 

 

14-Feb-12-Tue by nobu

2012-02-12

マイケル・フォーエバー / トリビュート・コンサート Michael Forever - The Tribute Concert

昨年(2011年)10月8日に英国ウェールズ、カーディフのミレニアム・スタジアムで行われた、マイケル・ジャクソン追悼コンサート "Michael Forever - The Tribute Concert" の模様が香港のnowTVで放送されたので見た(2012年2月11日・土)。

のっけから「Blame It On The Boogie」のパフォーマンスで、ぼくはごきげんになったのだが、JLS &The Jacksons となってるのに、7人しか舞台にいない。ジャクソンズだけでも5人のはずなのにな、と思いつつ見ていた。

クリスティーナ・アギレラが「Smile」を歌い、ラトーヤ・ジャクソンが「In The Closet/Jam」を歌い踊る。司会はジェイミー・フォックスだ。スモーキー・ロビンソン、グラディス・ナイト、Ne-Yo、レオナ・ルイス、アレクサンドラ・バーク、ヨランダ・アダムスなどが出演し、マイケルの3人の子供たちも登場し、ビデオ出演のビヨンセを紹介するんだけど、なんか会場の熱気が伝わってこないし盛り上がらない(グラディス・ナイトは歌に入るタイミングを間違えてるし・笑)。

それはビデオ編集が、パフォーマンスの後、必ずインタビューやリハーサル風景を入れているので、ぶつ切れになってしまい、たった90分の放送時間なのに、バックステージの模様があるものだから、ステージ中継は本編の半分くらいしかない感じになっちゃってるからなのだ。

Odoru 1202127

それでも、マイケルの曲を聴いていると、良い曲が多かったなと思う。やっぱり生きていたらな、と改めて思ったのだけど、なんでこんな編集の放送(ダイジェスト版みたいな)になったのか疑問が残り、ググってみたところ、このコンサート、けっこう問題が多かったんですな。

まず、コンサート開催日が10月8日だったこと。その2週間前の9月20日からマイケルの元専属医師、コンラッド・マーリーの裁判が始まっていたことで、「そんなつらい時期にコンサートやるなんて」と怒った兄弟のランディとジャーマイン・ジャクソン、それに妹のジャネットがキャンセルをしていたこと(マイケルのオフィシャル・ファン・クラブもこれに同調)。

チケット販売も、ネット予約の際「チケット代以外に寄付(このコンサートはAids Project LA と Prince's Trust へのチャリティもあった)の額が大きいほど取れる確立が高くなります」と書かれていた。それでなくても高いチケット代(高い席で£240)なので、ファンは反発して、怒ったファンはFacebookにコンサート反対のページを作ってしまったほど。

結局75,000人収容のでかいコンサート・ホールも40,000人ほどしか入らず、世界30カ国への生中継もならず、このコンサートを企画・運営した会社もあっさり倒産を申請したのだと(この会社Global Live Events LLPは、2011年3月29日に設立したばかりだった)。

結果、金儲けやったんやね。こんな話を聞くと、ファンとしては脱力するし、マイケルも草葉の陰で泣いてるだろうと想像してます。マイケルのお母さんはこのプロジェクトに関わっていたようだが、またファミリーがうまくいかなくなる火種になるコンサートになったかも知んないね。ま、そういう意味で〈歴史に残る〉コンサートを俺は見ちゃったのだろうか?(笑)。

この後続けて、FoxMoviePremiumチャンネルでは、マイケルの「This is It」をやっていた。こっちの方がよっぽど面白かったぜ、何度も見てるけど(笑)。

Michael Forever - The Tribute Concert

12-Feb-12-Sun by nobu

 

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