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2018-04-11

『ゲティ家の身代金』“All The Money In The World” 巨額な身代金の誘拐事件と大富豪の晩年の孤独

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東京へ来るJAL機内で観たのが、リドリー・スコット監督の『ゲティ家の身代金』”All The Money In The World” 。1973年に実際に起こった、巨額な身代金を要求された誘拐事件を映画化した、重厚なサスペンス溢れる作品である。

17歳のポール(チャーリー・プラマー)は、ローマの街で娼婦を買おうとしていたところ、いきなり男たちに拉致られ、連れ去られる。
ポールは、石油で当て一代で〈世界一の大富豪〉となったジャン・ポール・ゲティ(クリストファー・プラマー)の孫。誘拐犯は母親(ミシェル・ウィリアムズ)に身代金1700万ドルを要求する。しかし、母親は既に離婚しゲティ家の人間ではないため、そんな金額が払えるはずもない。
ゲティは、マスコミを通じて身代金をビタ一文払わないと宣言する。そんなことをしたら、14人いる孫が、もしまた誘拐されたら自分は破産するというのだ。しかし、ゲティはその裏で、元CIAのチェイス(マーク・ウォルバーグ)を使い、犯人と交渉をするように命ずる。遅々として進まない犯人側との交渉。やがて、ポールの切り取られた耳が新聞社へ届く。

ゲティはケチで、強欲な守銭奴として描かれる。毎朝テレックスの紙テープを眺めては、金がたまっていく様子に一気一様する。彼は言う「本を書けと言われた時に、タイトルは『金持ちになる方法』で、と言われたが、そんなものはバカでもなれる。大変なのは、金持ちであり続けることだ」と、高価な美術品を収集することについては「物は変わらない。文句も言わない。いつまでも美しいままだ」と話す。そして「大金を得てから、自分は深淵を見た。人を破滅させたり、離婚したり、一番の深淵は、子供をダメにしたことだ」と。

なるほど、金持ちのボンボンがみんなダメになるのはそういうことなんだろう。お金の「苦労」をさせないからな。この映画でも、息子は見事にダメ人間ぶりを発揮している。
だが、お金がいくらあっても、原題の通り〈世界中の金〉を手に入れても、ゲティの晩年は孤独なものだった。果たしてそれは幸せなことと言えようか?この孤独な老人を見て、強欲の果てにあるものを見せられた気がする。

そのゲティを演じたのは、現在80歳のクリストファー・プラマー。(当時14歳の男の子にセクハラをした)ケヴィン・スペイシーの降板により、公開1ヶ月前のオファーで、これだけの役を演じ切ったのは見事なことだ。スペイシーの場合は、老けメイクで老人となっていたが、プラマーはそのままで老人役を演じられたのも結果的にリアリティがあり良かったのではないか。オファーから2ヶ月後には、オスカーの助演男優賞候補になってたんだからすごいね(しかも最年長のノミネートだった)。
笑ったのは、ダメ息子役の役者(アンドリュー・バカン)がとてもケヴィン・スペイシーに似てること。ここまでは再キャスティングできなかったようだ。

ポールの母親は、この事件では、犯人側とゲティ側双方と交渉しなければならなかった。それは沈痛なものだったろう。チェイスとの連携で、ゆっくりとだが、徐々に進展していく過程は見応えがある。実際の事件なので、結末をググるのは容易なことだが、何も知らないで観る方がサスペンスが効いて面白く観れると思いマス。

All The Money In The World (2017)
Directed by Ridley Scott

11-Apr-18 by nobu


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コメント

<スペイシーの場合は、老けメイクで老人となっていたが、プラマーは
<そのままで老人役を演じられたのも結果的にリアリティがあり良かった

私も同意見です。
似ていることよりも、俳優のキャラを生かすのが大事だということが判りました!

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