2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

Amazon Music Unlimited

無料ブログはココログ

« 2018年2月 | トップページ | 2018年4月 »

2018年3月

2018-03-28

『スター・ウォーズ・エピソード8/最後のジェダイ』”STAR WARS Episode 8 The Last Jedi”のことを考えてみるの心だ

E79c1388702542e5ab9394a1575b7bb0

『スター・ウォーズ・エピソード8/最後のジェダイ』”STAR WARS Episode 8 The Last Jedi”の劇場公開も終わりと聞いた。やっぱり一人のSWファンとしては、この映画のこともここに書いておきたい。先日スター・ウォーズ/新たなる希望 IN コンサートに行って、その思いを強くしたもんだから。

香港では、2017年12月14日(木)から公開となったエピソード8「最後のジェダイ」。ぼくは、尖沙咀で行われたイベント「スター・ウォーズ・エピソード7+8 二本立興行!」”Star Wars EP 7 & 8 Double Feature”へ行き楽しんできた。

この二本立は、まず12月13日(水)の午後9時20分からエピソード7「フォースの覚醒」を上映、その後休憩を挟んで、エピソード8の予告篇。そして、12月14日(木)午前0時01分よりエピソード8本編を上映するというSWファンにとっては感涙ものの企画であった。

会場のIMAXシアター(iSquare)は満席。客層は香港人と西洋人が半々といったところ。ダース・ベイダー、ストゥーム・トルーパーのコスプレはもちろん、手製のC3PO、R2D2コスプレもいる。多くの観客が、スターウォーズのロゴ入りのTシャツやジャンパーをはおり、色とりどりのライトセーバーを振っている。もう上映前から劇場内はホットすぎるくらいの盛り上がり。

エピソード7の”LUCAS FILM LTD”ロゴ~オープニングから拍手喝采。その後も、ミレニアム・ファルコンが映っただけで大拍手。ハン・ソロ(ハリソン・フォード)、チューバッカ(ヨーナス・スオタモ)登場でも大拍手。ハン・ソロの”I have a bad feeling about this”(嫌な予感がする)のセリフでまた大拍手。レイア姫(キャリー・フィッシャー)の登場でまたまた大盛り上がり。もう、どんだけスター・ウォーズが好きやねん!?というのがよくわかる反応の仕方だ。そして、拍手喝采の中終わったエピソード7。既に何度も観たこの映画だが、2年振りにIMAX 3Dで観ると、やっぱり面白い!という表現しかなかった。

スター・ウォーズ/フォースの覚醒 MovieNEX(初回限定版) [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
B01DCXDZ8A

そして、エピソード8である。(以下ちとネタバレあり)

オープニングはまた大拍手で始まったが、冒頭、ポー(オスカー・アイザック)がハックス長官(ドーナル・グリーソン)の名前をわざと間違えておちょくるシーンは、爆笑の連続。ルーク(マーク・ハミル)が、レイ(デイジー・リドリー)から受け取ったライトセーバーを、ぽいと放り投げるシーンは大爆笑。フィン(ジョン・ポイエガ)が登場したところの水がピューピュー出てるところや、ローズ(ケリー・マリー・トラン)がレジスタンスのヒーローとなったフィンに会って感動しているところでの”May the Force be with you”(フォースと共にあらんことを)や、チューバッカが鳥肉を食う場面も爆笑、と前半は「おれ、今日コメディ観に来たんだっけ?スターウォーズだよな、これ」と勘違いするほどウケていた。

中盤より、カイロ・レン(アダム・ドライバー)が、最高指導者スノーク(アンディ・サーキス)をやっちゃう場面でも大拍手、ルークが大射撃攻撃の後、肩を手で払うところなど拍手・爆笑の場面もあったのだが、映画が終わった時の拍手は意外なほど静かだった。観客の心に「ビミョーな」何かがあったのはすぐに感じ取れた。

ぼくも正直「ビミョーな」気分のまま劇場を後にしたのだった。

なぜそんな気持ちになったのだろう?おそらく、ぼくも当日の観客も、想像していたスター・ウォーズとかけ離れたものを見せられたからそう感じたんではなかろうか。観客の多くは、古くからのSWマニアたち。”フォース”があまりに便利になったり、ジェダイの教典を焼き払ったりと、ここでは我々の愛したSWの否定をしている。今後もSWサーガを作り続けていくためには、色々な変更は仕方がないのだろうが、コアで保守的なファンたちには、ちと受け入れがたいものがあったのかも知れない。

それから2本続けて観ると、面白さという点でもエピソード7に負けている。エピソード7はドラマとアクションのバランスが最高で、飽きずにラストまで観ることができる。それに比べてエピソード8は、全体の構成がうまくいってなくて、夜中の上映ということもあり、少し眠くなった自分がいた。それに、個人的にはローズの登場が、やっぱりねぇ…。今年のアカデミー賞を見てもわかる通り、ハリウッドではマイノリティーに対する偏見や差別をなくそうという動きがあるのはよくわかる。アジア系を入れないとバランスがとれないのもよくわかる。だけど、なんでフィンとレイの邪魔をするのが、〈天童よしみ〉似の女優やねん! (←失敬)これでSWの持つ独自のカラーが変わったような気がする。そもそもこのキャラ必要か?。

ラストシーンでは、馬小屋で育った子供がホウキをライトセーバーに見立てて夜空を眺めるところで終わる。これはイエス・キリストの誕生を意味するのだと解釈した。エピソード9以降、新たな救世主が活躍することを暗示していると思う。

エピソード7は、今までのSWサーガの継承、エピソード8は、新たなサーガへの転換という風に理解した。実際、本作の監督ライアン・ジョンソンは、エピソート9の後、ニュー・スター・ウォーズを取り仕切ると聞く。

『スター・ウォーズ』初公開から付き合ってきたが、そろそろ〈ぼくの好きなスター・ウォーズ〉も終わりになるのかな?と感じさせるエピソード8だった。そんな一抹の寂しさを感じさせるSWイベントであった。

その後色々な記事を読んだが、アメリカ国内の評価も賛否両論で、驚いたのは、Rotten Tomatoesの評価が、評論家の評価は91%もあるのに、観客の評価が48%と低いものになっていたことだ。あの爆睡するエピソード1でも59%あるのに(笑)。コアな観客に受け入れられなかったという証明かもしれない。だけど映画は大ヒットしてるから、製作側は気にとめないかも知れないが。

Rotten Tomatoes: Star Wars EP 8 The Last Jedi

しかし、ぼくは中国での惨敗ぶりを聞くにつけ、今後のSWは変化を強いられると思う。今や(好むと好まざるは別として)世界最大のマーケットとなった中国の動向を無視してハリウッドも映画は作れないのだ。

スター・ウォーズ」が中国で絶不調、各地で上映打ち切りに

エピソード9は、コアなファン向けにルーカス路線に戻すのか?中国にすり寄った作品になるのか?スター・ウォーズの世界は、まだまだ続きがありそうだ。てことは、まだ見続けるのか?オレ(爆)

Star Wars Episode 8 The Last Jedi (2017)

Directed by Ryan Johnson

28-Mar-18- Wed by nobu

スター・ウォーズ/最後のジェダイ MovieNEX(初回版) [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
B079ZW5K6M

2018-03-22

『ワンダー 君は太陽』 "Wonder" 親子で楽しめる感動作

7e4accd4751f4e0cb8d6f2f9568156b1


映画『ワンダー 君は太陽』”Wonder”は親子で楽しめる感動作である。

簡単なあらすじは、生まれつき顔に障害があり何度も手術を繰り返してきた10歳の主人公オーギー(ジェイコブ・トレンブロイ)が、普通の小学校へ入学することになり、周囲の偏見と戦いながら成長し、やがて周囲も変わっていく、というもの。

小学校へ入る日に、オーギーは校門の前でフルフェイスのヘルメットを脱ぎ、そして学校へと向かって行く。親の立場でみるとそれだけでも涙が出る。

この映画の原題は”Wonder”。意味は、不思議な、とかだが、この映画ではWonderfulの意味もあると思う。 親の心配、子供の勇気、どちらも理解できる。だけど、主人公のオーギーが皆の心に起こした〈化学反応〉こそが、一番のWonderだったのだ。

障害を持つ親、そんな弟を持つ姉の気持ち、心ならずも友人を傷つけてしまった事で心を痛めるクラスメイトや、受け入れた学校側の姿勢等、オーギーを取り巻く環境を多角的に捉えている事で、通り一遍の作品では終わっていないところも良い。

この映画、上の娘が「感動するよ」と教えてくれた。家に帰ったら、末の娘が通ってる学校の担任に勧められたと言って、ベストセラーになってる原作本を読んでいた。老いては子に従え、と見に行ってよかった映画の一本でした。

アメリカでは予想を上回るヒットとなったと聞く。香港での評判も良かった。今年のアカデミー賞では、オーギーの顔の特殊メイクでノミネートされていた。

お母さん役のジュリア・ロバーツ、お父さん役のオーウェン・ウィルソンと、らしくない役柄だが(笑)、とてもいい味を出していると思う。

これは子供の映画ではあるが、親がどうあるべきかも教えてくれる。子を持つ親は必見の映画だ。
主人公が「スター・ウォーズ」ファンなので「最後のジェダイ」公開中に観れたのも奇縁であった。
家族、愛する人とぜひ!

日本では、2018年6月公開。

Wonder (2017)

Directed by Stephen Chbosky

22-Mar-18 by nobu

2018-03-13

「スター・ウォーズ/新たなる希望 in コンサート」”STAR WARS A NEW HOPE IN CONCERT” in Hong Kong

02e9869b71dc407281b1f728a6fbd563

香港で、「スター・ウォーズ/新たなる希望 in コンサート」”STAR WARS A NEW HOPE IN CONCERT”が開かれたので行ってきた。

会場の香港文化中心は、香港で一番音響のよいホールだ。そこで総勢70名のオーケストラでスター・ウォーズを見ながら、音楽を生演奏で聴く。これは行かなければ一生後悔しただろう。

まず会場に着くと、スター・ウォーズのキャラクターたちがロビーでお出迎えしてくれる。どのキャラも(きさくに・笑)一緒に記念撮影をしてくれる。

僕たちは、音楽を聴きに行くのだからと、ホールの後ろの席を買っていたのだが、会場案内係にチケットを見せたところ、「アップグレードします」と言われて、連れて行かれたのが、前から3列目の席だった。こんなこと、香港でコンサート行って初めてだったので、面食らった。金額も倍くらい違うので、得した気分だった。

定刻8時ちょうどにコンサートが始まる。舞台真ん中のスクリーンに映像が映る。指揮棒を振ってすぐに、20世紀フォックス・ファンファーレがかかる。もう会場は大興奮、大拍手。「そうそう、スター・ウォーズの始まりはこれだよな!」ってみんな思ったのだろう。そして、A Long Time Ago… からの「メイン・タイトル」で、またまた拍手喝采。

そこからは、もう何度も何度も何度も聴いた、耳に馴染んだあのスター・ウォーズの交響曲が生音で聴こえてくる。ストリングスとホーン・セクションの素晴らしい音色。なんと至福の時だろう。

まだ10代の頃、なけなしの小遣いで買った、「スター・ウォーズ」オリジナル・サウンドトラック盤(まだエピソード4とは呼んでいない時代)。LP 2枚組をカセット・テープに録音して、ラジカセやウォークマンで毎日のように聴いていた、あの懐かしい日々。どの旋律も自分の頭の中に残っている。ルークが二つ輝く夕陽を見るシーンの音楽が聞こえた時はジーンとしてしまった。

ルークたちがハン・ソロに出会うシーンの「酒場のバンド(Cantina Band)」は、どうやって演奏するのだろう?と思ったが、さすがにここは出来なかったようで、オーケストラは休んでいた(笑)。原曲はカリビアン・ドラムみたいなものも使ってると思うので、仕方ないか。ちなみに、指揮者はデカいiPadみたいなもので本編を見ながら指揮をしていた。

ミレニアム・ファルコンが、デス・スターに吸い込まれたところで、「休憩」となる。

後半、あの興奮の活劇が、美しい生演奏とともに繰り広げられる。何度観ても面白い映画だ。だが、エピソード8を見た後では、ルーク(マーク・ハミル)が若者というより、子供に近い感じがしたし、ラスト近くの、ダース・ベイダー(デヴィッド・プラウズ)とオビ・ワン・ケノビ(アレック・ギネス)のチャンバラは、見てらんないくらいヘタだったと改めて思ったよ。オビ・ワンはやっぱり三船敏朗がやるべきだったね(笑)

そして、レイア姫(キャリー・フィッシャー)からのメダル授与式の大団円で、映画は終わる。Directed by George Lucasでまた大拍手。エンド・クレジットが終わって、アンコールがあるかと思ったが、3回指揮者が登場して礼をして帰って行った。さすがに、アンコール用に曲を用意してなかったか(苦笑)。

やっぱりスター・ウォーズの音楽は素晴らしいね。作曲のジョン・ウィリアムスは、米国のジョージ・ガーシュウィン・クラスの「クラシック作曲家」になっていると思う。そのシンフォニーをフル・オーケストラで聴きながら、本編を楽しむ。これは本当に贅沢な時間でした。アップグレードしてもらったので、帰りは(贅沢に)タクシーで帰りましたとさ(笑)

"Force will be with you, always"

STAR WARS A NEW HOPE IN CONCERT

Hong Kong Cultural Centre Concert Hall
Wednesday, 28th February, 2018. PM 8:00

13-Mar-18 by nobu

2018-03-07

『女と男の観覧車』 "Wonder Wheel" なぜ大熱演のケイト・ウィンスレットはオスカーにノミネートされなかったのか?

28899b9a5aa24de79a5829c1a6b0daf8

ウディ・アレンの新作映画『女と男の観覧車』”Wonder Wheel”である。

香港では2018年2月8日から公開されたが、2週間で主な劇場では終了してしまい、残りのBroadway Cinemathequeでも終わるというので最終日に駆けつけた。

「なぜケイト・ウィンスレットはオスカーにノミネートされなかったんだ?」ぼくはエンドロールを眺めながら考えた。それほどの熱演であった。『ブルー・ジャスミン』のケイト・ブランシェットを思い出した。
ノミネートされなかったのは、一つは映画自体の評価が低いこと。もう一つは監督ウディ・アレンの養女への性的虐待疑惑が影響しているんじゃないかな?と考えている。
ケイト自身も、この映画に出たことを後悔していること匂わせる発言しているようだし… だけど、これだけの演技だからなぁ。それを自分で「なかったこと」にするのは勿体ないなと思う。実際、2017年11月にはハリウッド・フィルム・アワードで主演女優賞を受賞しているんだけどね。2018年1月のウディの幼児虐待疑惑が起きて、全ての潮目が変わったように思う。

ケイト・ウィンスレット、ウディ・アレン監督作への出演を後悔?

原題の”Wonder Wheel”は、コニー・アイランドに実際にある大きな観覧車のこと。物語は、その遊園地で働く父ハンプティ(ジム・ベルーシ)を訪ねて、駆け落ちしてた娘キャロライン(ジュノー・テンプル)が帰ってくるところから始まる。娘はギャングと付き合い、今は追われる身となり、かくまってくれという。ハンプティの妻ジニー(ケイト・ウィンスレット)は、元女優だが、今はウエイトレスをしながら面白くもない日々を過ごしている。ある日、NY大に通い、脚本を勉強しているというライフガードの青年ミッキー(ジャスティン・ティンバーレイク)に出会い、恋に落ちてしまうのだが…

もう身を焦がすような嫉妬にかられる、アラフォー女ケイトのむき出しの演技がすごい。それを名匠撮影監督、ヴィットリオ・ストラーロがワンカットで撮る。
だが、残念なのは、その熱演に、夫役のジム・ベルーシや、恋人役のジャスティン・ティンバーレイクがついてきてくれないこと(苦笑)。ストーリーもちょっと中途半端なところもあり、全体としてのまとまりがあまりよろしくない。この辺りがこの映画の評価が低い原因だろう。(その評価にもウディのスキャンダルが影響したと考えるのは邪推のしすぎか?)

だけどぼくは、これはなかなかの出来だと思う。ケイト・ウィンスレットじゃなければ、これだけ見応えのある映画にはならなかっただろう。オスカー取った『愛を読むひと』より、こっちの方が名演と思ったけどな。
時代設定が1950年代なため、ジョー・スタッフォードの”You belong to me”など、流れる音楽も当時のもの。ミルス・ブラザーズの”Cony Island Washboard”が耳に残る映画でした。

日本では2018年6月23日公開。

Wonder Wheel (2017)

Written & Directed by Woody Allen

07-Mar-18 by nobu

Wonder Wheel [Blu-ray] [Import]
Wonder Wheel [Blu-ray] [Import]

売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

2018-03-04

「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」”Darkest Hour” ゲイリー・オールドマンの見事な演技と驚愕の特殊メイク!

52867562997a4627bf744fa618b45889

明日(日本時間2018年3月5日)行われるアカデミー賞で、主演男優賞を確実視されているゲイリー・オールドマン主演の「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」”Darkest Hour”である。
一言で云うと、ゲイリー・オールドマンお見事!って感じ。それに映画も想像していたよりはるかに感動的で、笑えるところも多く、見事な出来だった。

1940年10月イギリス議会は紛糾し、内閣は総辞職、総理大臣に”嫌われ者”のウィンストン・チャーチルが指名される。第二次大戦のさなか、ナチス・ドイツは勢力を拡大し、フランスは陥落寸前。英仏軍はダンケルクの海岸に追い込まれていた。チャーチルは就任早々大きな決断をせまられる。ヒトラーに屈して条約にサインするか、それとも戦うのか?
原題の”Darkest Hour”とは、そのヒトラーに屈するかどうか、せめぎ合いの暗い時間のことを指す。

チャーチルは政敵に追い詰められつつ究極の決断をするわけだが、その際に彼が何をしたかが政治家としても、人間的にも素晴らしいと思うのだ。それは「庶民の声を聞く」こと。これこそが、政治家が忘れてはならない一番大事な事だと思う。日本のエラそーな政治家たちに見せてやりたいと思ったよ。

主演のゲイリー・オールドマンは、声も姿も話し方も変えて、チャーチルになりきっている。それも素晴らしいが、この特殊メイクの技術には驚き桃の木山椒の木だった。ただの一場面もメイクアップしてることを感じさせない。ゲイリー・オールドマンだな、と認識できるのは、目だけという驚愕の技術である。これは日本人アーティスト辻一弘によるもの。アカデミー賞のメイクアップ部門にノミネートされているが、おそらく彼が受賞するだろう。

昨年の夏に公開されたクリストファー・ノーランの「ダンケルク」の裏では、英国内でかような政治家たちのドラマがあったことがわかる。「ダンケルク」を観た人はこれも合わせて見ると、第二次大戦当時の歴史が多面的に見えてくる。考えてみると今年のアカデミー賞は、ダンケルク関連で2本が作品賞にノミネートされてるんですな。どちらも秀作で、見る価値があると思いますです、はい。

てなことで。

Darkest Hour (2017)

04-Mar-18 by nobu

2018-03-03

「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」”I, Tonya” ナンシー・ケリガン襲撃事件の真相とは!?

79de3fc4dd294318a06366d1117e3500

今年(2018年)のアカデミー賞では、主演女優賞、助演女優賞でノミネートされている映画「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」”I, Tonya”である。
香港では、1月19日から公開になっていたが、なかなか観れなくて、もうそろそろ上映が終了なので、アカデミー賞授賞式の前に観ておこうと思い行ってきた。
アカデミー賞予想としては、おそらく助演女優賞はトーニャのひどい母親役のアリソン・ジャニーが取るだろう。主演女優賞のマーゴット・ロビーは、殴られ、蹴られ、スケートもやって相当頑張ってるんだけどね… 、彼女はまだ若いし。「スリー・ビルボード」のフランシス・マクドーマンドの貫禄にはやっぱ負けるかなぁ。

先ごろ行われた平昌オリンピックでは、日本の羽生结弦が二連覇を達成するなど、大きな話題となったが、1980年代くらいまでは、フィギュア・スケートと云えば、西洋人のモノだったように思う。アジア系が活躍するのは、伊藤みどりが、女子としては世界初のトリプルアクセルを成功させて以降だろう。この映画はそんな1990年代初頭、アメリカで初めてトリプルアクセルを成功させたトーニャ・ハーディングの伝記映画である。

若い人は知らないだろうが、1994年、リレハンメル・オリンピックのアメリカ代表を決める直前に、トーニャ・ハーディングが、ライバルだったナンシー・ケリガンを襲撃した(と云われる)事件は、世界中で大きな話題となった。オリンピックでも演技中に靴の紐が切れたと訴えて、やり直しをさせた場面も多くの人の記憶に残ってるはずだ。世界中がトーニャのことを嫌って、悪役となり、未だにその汚名は晴れてはいない。

だが、この映画を観ると、トーニャに同情したくなる。彼女の生い立ち、母親、そして結婚した相手。一言で云うと、環境と相手が悪すぎた。だが、彼女はよく頑張ってるよ、と言ってあげたくなる。そんな気分になる映画だ。

ふしだらな母親ラヴォナ(アリソン・ジャネイ)は男を何度も替え、トーニャ(マーゴット・ロビー)は4番目の男の間に産まれた子。4歳からスケートをやらせ厳しく育てるが、酒とタバコ(細長い茶色の”MORE”)を離せない。言う事を聞かないトーニャにも暴力を振るう。思春期になり、そんな母親から逃れたくて、3歳年上のジェフ(セバスチャン・スタン)と結婚、だが彼も日常的に暴力を振るうDV男だったのだ。それでも彼女は「私が悪い」と考え、彼から離れられない(←典型的な共依存だ)。彼女は、育ちと品行の悪さから、スケート審査員の心証もよくない。だが、1991年アメリカの女子スケーター初のトリプルアクセルを成功させ、アルベールビル・オリンピックにも出場し、一躍有名になるのだが‥

この映画は多くの当事者の(食い違う)証言を基に製作されたという。構成も、あたかも当事者へのインタビュー形式の場面と、ドキュメンタリー・タッチのドラマ・パートで構成されている。特筆すべきは、スケートの場面だ。あたかも観客がスケートリンクにいるかのような臨場感。劇場で観ると、シューズが氷を滑る音も聞こえて、迫力があった。アカデミー賞編集賞のノミネートも納得である。

日本では、2018年5月4日に公開。ナンシー・ケリガン襲撃事件に興味がある人はぜひ。

I, Tonya (2017)

03-Mar-18 by nobu


2018-03-02

「スリー・ビルボード」 "Three Billboards Outside Ebbing, Missouri" 今年(2018年)アカデミー賞作品賞はこれでしょう

F0255fcae0b6483999dcb9e432d3c543

今年のアカデミー賞作品賞の本命「スリー・ビルボート」"Three Billboards Outside Ebbing, Missouri" である。おそらくこの映画が作品賞を取るだろう。主演女優賞フランシス・マクドーマンド、助演男優賞サム・ロックウェル、それからオリジナル脚本マーティン・マクドナーも受賞するだろう。これがぼくの予想である。
助演男優賞は、署長役のウディ・ハレルソンもノミネートされているが、役が「良い人」すぎて、ちょっと損した感じですな。

「シェイプ・オブ・ウォーター」と比較してみると、こちらの方がオーソドックスで年寄りが多いアカデミー賞の会員受けすると思う。個人的には、オタク大好き映画「シェイプ・オブ・ウォーター」に取ってほしいのだが(笑)

ミズーリ州エビング、7ヶ月前に娘を殺されたシングル・マザー、ミルドレッド・ヘイズ(フランシス・マクドーマンド)が、町の古びた道路沿いの看板3枚に広告をだす。「娘はレイプされ焼き殺された」「まだ犯人は捕まらない」「なぜ、ウィロビー署長?」。それは真っ赤なバックに黒文字のシンプルなものだった。ウィロビー署長(ウディ・ハレルソン)は、ミルドレッドに会いに行き、事情を説明する。だが、署長自身も人にいえない苦痛を抱えていた。やがて、ミルドレッドの心の中にも大きな後悔があり、粗野で差別主義者の警官ジェイソン・ディクソン(サム・ロックウェル)の心にも色んな思いがあることがわかっていく。

この映画の面白いところは、主役のミルドレッドが、娘の無念を晴らすために警察をガンガン攻めていく物語と思わせておいて、それが二転三転するところだ。登場人物それぞれが、それぞれの悩みや精神的な闇を抱えている。人は多面性があるのだ、ということを上手に描けていると思う。人間誰しもカッとして行動してしまい、それを反省したり、後悔することがある。それをミズーリ州の片田舎におきた、地域住民だけがざわざわしているという、ちょっとした事件設定の中で、うまい演技陣によって上手に群像劇として成り立たせている。決してスカッとする物語ではないが、見終わったあとに「なるほどねぇ」と思ってしまう映画であった。

香港では、2018年1月18日から公開になっていたが、ぼくはスルーしていた。そしたらゴールデン・グローブ賞を取ったので、あわてて観に行ったのだった。うーん、この監督・脚本のマーティン・マクドナーは才能があるのぉ。今後要チェックですな。

Three Billboards Outside Ebbing, Missouri (2017)

Text by nobu 02-Mar-18

« 2018年2月 | トップページ | 2018年4月 »