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2014年8月

2014-08-15

『ポリス・ストーリー/レジェンド』警察故事2013 "Police Story 2013" ジャッキー・チェンの中国戦略?

Odoru 1408145

東京からの帰路キャセイ機内で、ジャッキー・チェンの映画「ポリス・ストーリー」を何本か上映していた。その中に最新作『ポリス・ストーリー/レジェンド』(警察故事2013)もあったので観てみた。

この作品は、香港では2014年1月16日から公開された。とても中途半端な時期である。成龍(ジャッキー・チェン)の主演作で「警察故事」とくればヒット狙いで、旧正月直前の公開もアリなのにな?と不思議だった(今年は1月31日から)。それに題名が「警察故事2013」というのもけったいやな?と思っていた。2014年に公開なのに?
映画を観たら、その謎が解けた。なんじゃい、コレ中国映画やん!こっちが勝手に想像していた「ポリス・ストーリー」シリーズは、「香港警察故事」で、ぼくはてっきり香港警察の話だと思っていたが、この作品はまるっきり関係がない。ジャッキー扮する中華人民共和国の公安当局刑事の話だった(中国での公開は2013年12月)。

仕事に没頭するあまり家庭を顧みなかった刑事ウェン(ジャッキー・チェン)は、妻の最後も看取ることが出来なかった。それ以来一人娘ミャオ(ジン・ティエン)の恨みを買い、親子の仲は良くない。そんなある日、グレた娘に呼び出され、ナイトクラブ「ウー・バー」を訪れたウェンは、そのオーナー・ウー(リウ・イエ)と娘がつき合っていると聞かされる。交際に反対する父だが、店内で襲われ気を失ってしまう。やがて気がつくと、彼は他の客と娘と共に店内に人質として取られていることを知る。

さすがに60歳のジャッキーにド派手なアクションを期待しろという方が無理。この映画では誘拐された人質がいる店内と、外部の警察の駆け引きで話を引っ張って行く。やがて人質に取られた面々が、5年前のとある事件と関わりがあることがわかる仕組みになっているが、昔の「ポリス・ストーリー」を観ていた世代の客からすると、とても物足りなさが残る。

なるほどだから当地香港ではあまり宣伝もせず、印象として「あっという間に終わってた」という感じの興行だったのか、と思っていた。興行成績を調べてみても、US$194,777止まり(Box Office Mojoより)。シンガポールの興行成績US$1,941,030にも遠く及ばない。なんでこんなに力が入ってないんだ?と思ったが、中国での興行成績を見てびっくり。なんとUS$86,340,000もあるではないか!日本円で換算すると、約88億3千万円である。桁が一つどころか二つ違うわな。こらぁー香港なんか眼中にないのも当たり前である。

中国では年々スクリーン数が増えている。実際にぼくも、昨年揚州で見たショッピングモール内のシネコンの大きさに驚いた覚えがある。今では買い物に行って映画を観るという文化的な生活を中国の人民は楽しめるようになっているのだ。中国国内では、外国映画の上映は自国の映画産業を守るため年間34本と決められている。だが、ジャッキーのように、中国映画として製作すれば無問題。人口の少ない香港でどんなに製作費をかけ、ヒットしたってせいぜい10億円ほどだが、中国なら100億円も夢ではない。(失礼ながら)たかだかこんな「ポリス・ストーリー/レジェンド」でも88億円行くんだから。やっぱり13億人という人口の持つパワーはスゴい。香港も、ハリウッドも、世界中の映画人は今中国を目指している。ある意味ゴールドラッシュであろう。そこに早くから入り込んでいったジャッキー・チェンはやはり抜け目がない。やっぱ”成龍"は中国でもビッグ・ネームだからね。

警察故事2013
導演 :丁晟
演員 :成龍, 劉燁, 景甜, 殷桃, 那威, 劉儀偉 
片長 :110分

15-Aug-14-Fri by nobuyasu

ポリス・ストーリー/レジェンド Blu-ray (香港版)

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2014-08-13

『猿の惑星: 新世紀 ライジング』3D Dawn of the Planet of the Apes (猿は猿を殺さない "Apes Not Kill Apes")

Odoru 1308148

香港では2014年7月17日より公開になった映画『猿の惑星: 新世紀 ライジング』”Dawn of the Planet of the Apes”。香港でもヒットとなったが、内容的にもこれは凄い映画だった。

オリジナル版『猿の惑星』シリーズから、フランチャイズとしては8作目となるが、これはオリジナルの1作目『猿の惑星』(’66)に次ぐ傑作と呼んでいい出来だ。アメリカの評論家が『スター・ウォーズ』シリーズで云えば「帝国の逆襲」だ、と書いていたが、見終わった今それは本当にうなずける。

ハリウッド映画の中には時折、こういった娯楽アクション大作の中に、荘厳なシェイクスピア悲劇を思わせるような深い内容を持った作品があるが、この映画はまさにそれ。人間の欲、恨み、裏切り、弱さ、それらを猿の世界から見せつける。大人の鑑賞に耐える作品であるし、特にインテリ層が騒ぎそうな映画といえる。とにもかくにも面白いのだ。

ウィルスの流行で地球上から絶滅したと思われた人類。この星を牛耳っているのは新世代の猿たちだ。あれから10年、猿のリーダー・シーザーは、森の中で平穏な日々を過ごしていた。だが、ある日自分たちの領域に人間どもが入り込み、猿を銃で撃つという事件が起きる。街には生き残った人間たちが、電力発電のための水力を必要としていたのだ。穏健な人間の代表と、人間の言葉を理解するシーザーの間には「信頼関係」が結ばれたかに見えたが、お互いを憎しみあう勢力の台頭により無意味な戦いに突入してしまう。

猿のリーダー・シーザーの右腕として登場するコバは、人間に〈恨みという感情を植え付けられた猿〉である。猿たちが、そんな感情を持つに至ったのは前作『猿の惑星: 創世記(ジェネシス)』の中で実験用の猿として檻の中に入れられ、いたぶられたからだ。前作で猿が反乱を起こす前の、人間により育てられていたというプロットは、実際に人間が犯した罪を題材にしている。それはドキュメンタリー映画『プロジェクト・ニム / Project Nim』に詳しい。生まれてから人間のように育てられたチンパンジー・ニムは、5歳になったらおっぽり出され、檻に入れられ、あげくは薬の実験道具にされてしまう。そんな猿が人に恨みを持つのは当然のこと。『猿の惑星: 創世記』では人間に対する虐げられた猿たちの反乱を映画後半で描いた。

本作『猿の惑星: 新世紀』では、”Apes Not Kill Apes”(猿は猿を殺さない)が全編を通してのモチーフとなっている。これは前シリーズの『最後の猿の惑星』の中に出てくる台詞”Ape Shall Never Kill Ape”(猿は猿を殺してはならない)を基にしている。『最後の猿の惑星』では、人間と猿の共存というエデンの園のような甘ったるい終わり方になってしまったが、この『猿の惑星: 新世紀』では、その言葉の重みがずっしりと伝わってくる。

この映画はまさに猿が主役。特にシーザーとコバ(トビー・ケベル)の二匹の演技は素晴らしかった。シーザーを演じるアンディ・サーキスは、『ロード・オブ・ザ・リング』ではゴラム、ピーター・ジャクソンの『キング・コング』、そしてわれらが『GODZILLA ゴジラ』も演じたモーション・アクターの名優。今回のシーザーは、立ち姿のたたずまいから貫禄を感じさせる名演技。オスカーの概念からは逸脱しているかも知れないが、主演男優賞をあげてもいいくらい。

愚かな人間たちが、また無謀な戦いをしてしまう。また〈高貴な〉猿も人間のような愚かな失敗を犯す。この身につまされる攻防は成熟した(と自分で思っている)人間たちへの警告と理解しよう。「今年見といたらええで」の一本である。見逃すべからず。

日本では2014年9月19日より公開。

Dawn of the Planet of the Apes (2014)

Odoru 1308142

Directed by Matt Reeves
Cast: Andy Serkis, Jason Clarke, Gary Oldman, Toby Kebbell, Keri Russell, Kodi Smit-McPhee, Kirk Acevedo
Duration: 131 minutes

13-Aug-14-Wed by nobuyasu

B005743LUK 猿の惑星:創世記(ジェネシス) 2枚組ブルーレイ&DVD&デジタルコピー(ブルーレイケース)〔初回生産限定〕 [Blu-ray]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2012-02-22

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