『レクイエム 最後の銃弾』(掃毒/White Storm) ラウ・チンワン+ニック・チョン+ルイス・クー
香港映画『レクイエム 最後の銃弾』(掃毒/White Storm)が、当地のNowTV(衛視電影台)で先週土曜日の夜放送された(2014年7月19日 21:30〜)。映画が始まる前にニック・チョンが登場。「TVでは初放送です。お楽しみください」と話す。
香港でも麻薬の問題は根が深い。原題の「掃毒」は、その漢字の通り、毒を掃除するということだ。香港警察のティン(ラウ・チンワン)とワイ(ニック・チョン)、それにチョウ(ルイス・クー)は、昔からの親友である。チョウは香港マフィアのボス・ハク(ベン・ラム)の元で潜入捜査を行い、タイでの麻薬王”八つの顔のブッダ”(ロー・ホイパン)との大取引の情報を得る。タイへ向かった3人だが、様々なアクシデントから捜査は頓挫してしまう。
前半は、『インファナル・アフェア』のような、香港映画にありがちな潜入捜査を取り入れたアクション。後半は、(これもありがちな)男の友情物語+ドンパチとなる。
まぁ、中盤のタイでの戦闘シーンは、火薬の量が『西部警察』も口あんぐりの凄さ。敵のヘリコプターから麻薬取引現場への機銃掃射がド迫力。そのまま、車のチェイスから、敵との心理戦となり、麻薬王を取り逃がし、皆心を傷つけたまま5年の歳月が流れる。
その後のことはネタバレになるので書かないが、というか話が二転三転するので、何も書けないというのがホントのところ(笑)。日本でも公開されるとのこと(2014年10月4日より)なのでなおさら書かない方がいいだろう。
親友の3人、ラウ・チンワン(劉青雲)、ルイス・クー(古天楽)、ニック・チョン(張家輝)は、苦しい時も皆で古い歌「誓要入刀山」を歌って笑い合う。これが伏線になるのはわかってるが、香港では誰でも知ってるポピュラーな歌だから、香港の観客はしみじみしてしまうと聞いた。
ジョン・ウー(『男たちの挽歌』)やジョニー・トー(『エグザイル/絆』)なんかの影響がよくわかる。監督のベニー・チャン(陳木勝)は、前作『新少林寺』がよかったので、ぼくの期待値も上がったためか、正直ちょっともの足らなさを感じてしまった。
主役の3人は皆熱演だから、来年の香港映画大賞でノミネートされるかも知れんな。だけど、誰が主演になるんだろう?この中では今年『激戰/Unbeatable 』で主演男優賞もらったニック・チョンがぼくには一番よかったけどね。
タイへ行った後に登場する、麻薬王の”娘”役のポーイ=タリーチャダー・ペッチャラットは本当のニューハーフ。コンテストで世界一になっただけあって、まぁ、その美しさに驚くよ。ある意味ココが見所かも知れんな(笑)。
てなことで。
掃毒/White Storm (2013)
導演 :陳木勝
演員 :張家輝, 劉青雲, 古天樂
片長 :2小時14分
23-Jul-14-Wed by nobuyasu