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2014-05-16

『GODZILLA』ゴジラ (2014) ギャレス・エドワーズ × 渡辺謙

Odoru1605142

香港でも2014年5月15日から始まったハリウッド版『GODZILLA』"ゴジラ"(2014)。初日の初回にIMAX 3Dで楽しんで来た。

いやー、この年になって、こんなに興奮するとは思わなかった。IMAX 3Dの大画面の中、暴れまくるゴジラ!大迫力!大興奮!見終わってもエンドクレジットの最後まで席を立てなかった。(ほぼ無名と言っていい)監督ギャレス・エドワーズ、やるなぁ。なにか『ダークナイト』を観た時と同じような余韻を味わっている。この『GODZILLA』は、ゴジラ映画史上最高傑作かも知れない。

【以下ちとネタバレ注意】

ワーナー・ブラザーズのロゴの後、記録映画の断片、新聞記事のスクラップが映る。それらは1954年のビキニ環礁での水爆実験のものとわかる。そしてタイトル”GODZILLA"。
1999年、芹沢博士(渡辺謙)は助手のヴィヴィアン(サリー・ホーキンス)とフィリピンへ飛ぶ。工事現場が陥没し、大きな穴の中に奇妙な物体があるというので。
同じ頃、日本の富士山に近い場所(架空の町・JANJIRA)にある原子力発電所で地震が起きる。そこで働く原子物理専門のエンジニア、ジョー・ブロディ(ブライアン・クランストン←見事な演技)は、同じ原発で働く妻サンドラ(ジュリエット・ビノシュ)をその事故で亡くしてしまう。最愛の一人息子を残して。

15年後、成人した息子フォード(アーロン・テイラー=ジョンソン←男らしくなった『キック・アス』)はアメリカ海軍で働く兵士となり、妻エル(エリザベス・オルセン)と幼い息子と幸せに暮らしていた。父が日本で警察に捕まったと連絡を受け、引き取りに行くフォード。父はメルトダウンした原発事故の後、一人その原因を究明することに執念を燃やしていた。かつて暮らし、今は放射能汚染の為立ち入り禁止となっている我が家へ行き、捕まってしまった二人は、元原子力発電所で、異様な光景を目にすることになる…。

ゴジラの登場まで、1時間くらいかかったかな? だが、後半の大バトルまで、ぼくは飽きずに観ることができた。この映画で凄いのは、そのVFXとカメラワークである。視点が、兵士の目線だったり、窓から見えるゴジラだったりするものだから、余計にリアリティを感じるのだ。兵士のフォードの目線で、煙の中に消えて行くゴジラのショットは芸術的とも言える名場面だ。ゴジラのフォルムもわれらが"東宝ゴジラ"と呼べるものだから嬉しい(これでやっと1998年のエメリッヒ版『GODZILLA』を「無かったもの」に出来る・笑)。

小学生の頃、東宝チャンピオン祭りでゴジラを友達と連れ立って観に行き、成人し子供が生まれてからは、平成ゴジラへ連れて行った。自分の生涯の大半を付き合ってきたゴジラである。この年になって、こんな迫力ある”ゴジラ"に出会えるとは思ってもみなかった。ゴジラが吼えた時は鳥肌が立ったよ。

実はこの作品が《怪獣映画》として成り立ってるのは、MUTO(ムゥトーと発音してた)という怪獣が出現し、ゴジラが戦うからである。このMUTOは放射能をエサにしてるというふとどきもの。しかもこいつらが強い!だから後半の大バトルが胸をすくのだ。(詳しくは書かないが、印象をいうと「ゴジラ対ギャオス」だ・笑)

本作は昭和29年のオリジナル『ゴジラ 』へのリスペクトも見てとれる。渡辺謙の役名が科学者で芹沢一郎というのもそのひとつ。エンド・クレジットで宝田明の名前もあったが、ぼくは全然思い出せなかった(それもそのはず、劇場版ではカットされ、DVDで復活するんだと)。ハワイでのアクション・シーンがあるのも、南国の島がゴジラ映画でよく舞台になっていたからか。TVニュース中継の場面で、"King of the Monsters "と字幕が出るのもご愛嬌。
渡辺謙は、日本人らしく「ゴジラ」と発音してくれたのも嬉しい。英語だと「ゴッジィーラ」となり、なんか違う生き物のようだから(笑)

ぼくは1954年のビキニ環礁での水爆実験の時はまだこの世に生を受けてなかった。その直後に製作された怪獣映画『ゴジラ』('54)は、なので後年観ることになる。
想像してみると、ゴジラは〈原水爆の恐怖〉というものが生んだ「怪獣」だったわけで、その時代に映画館でゴジラを観るというのは、観客はとても現実的な怖さを感じたのではないだろうか。そういった意味で、今回の『GODZILLA』(2014)は震災での原発事故後の日本がおかれている状況下で、恐怖を身にしみて感じてしまうものになっているといえる。
そういう意味でも、本作はオリジナル『ゴジラ』の持つフィロソフィーに近いのではないだろうか。

人それぞれ好きなゴジラ映画があると思う。ぼくも『キングコング対ゴジラ』が一番好きだ。だが、映画としてカタルシスを得られたかというと疑問な部分もある。それは子供向け映画として後年は製作されてきたから。今回の『GODZILLA』は、やっと大人の鑑賞に耐えうるゴジラが(しかも超大作として)出現したという意味で、ぼくは「史上最高のゴジラ」と呼びたいのである。

日本では、2014年7月25日公開。見逃すべからず。

Dr. Serizawa: "Let them fight."

GODZILLA (2014)
Directed by Gareth Edwards
Cast: Aaron Taylor-Johnson, Ken Watanabe, Bryan Cranston , Juliette Binoche, Elizabeth Olsen, Sally Hawkins, David Strathairn
Duration 123 mins

16-May-14 Text by nobuyasu (おそらくこの文章が、『GODZILLA』公開後日本語で書かれた最速のレヴューだと自負してます(^_^))

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映画 2014年」カテゴリの記事

コメント

nobuyasuさん、こんにちは。
日本での興業は、夏休み期間に合わせた為か7/25から。残念至極、待ちどおしいです。
ひとつお尋ねしたいのは、本家ゴジラのように本作のGODZILLAは口から放射能熱戦を吐くのでしょうか?ネタバレかも知れませんがご教示くださいますようお願いいたします。

AIKICHI'S PAPAさん こんにちは
コメントありがとうございます。ちとネタバレですが、放射能熱戦吐きますよ。ココも興奮でした。しっぽを持って空は飛びませんが(笑)

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