« 2012年12月 | トップページ | 2013年2月 »

2013年1月

2013-01-30

「一代宗師/THE GRANDMASTER」 王家衛/ウォン・カーウァイ × 梁朝偉/トニー・レオン 章子怡/チャン・ツィイー

Odoru300113

香港映画界の巨匠 王家衛/ウォン・カーウァイ監督が、李小龍/ブルース・リーの師匠である葉問/イップ・マンの半生を描いた期待の新作映画「一代宗師/The Grandmaster」(2013年1月10日香港公開)は、カンヌ国際映画祭の審査委員長も務めた王家衛らしくただの功夫/クンフー映画で終わってはいない。

そのスローモーションも駆使したスタイリッシュな映像は正にアート!冒頭の雨の中の戦いのシーンだけでも魅了されてしまう。

これを観ると甄子丹/ドニー・イェン版「イップ・マン/葉問」は中学生向けに見えてしまうほど。大人向けの深い陰影の映像とドラマが続く。

だが、純粋にクンフー・アクション・エンタテインメントを期待すると期待ハズレだろう。

これはクンフー映画に名を借りた想いを通じ得なかった男女の話。

葉問の他の伝記映画(既に香港では3本製作されている「葉問」「葉問2」「葉問前傳」)では語られていないので、実話なのかどうかはわからないが、王家衛らしい切ない男女の恋愛感情が(実は)描かれているのだ。

ストーリーは、第二次大戦の混乱の中で、詠春拳の達人・葉問(梁朝偉/トニー・レオン)の半生を描いていくというもの。そして、そこに登場するのが、武術家の娘・宮若梅(章子怡/チャン・ツィイー)と、一线天(張震/チャン・チェン)。中国から香港へ渡り、戦前・戦後を生き抜いた武道家たちの話。

2時間10分。素晴らしい映像の連続に、まばたきもしたくないほど見惚れたが、面白いかどうかは別。現在・過去と飛ぶ構成もそうだが、字幕とナレーションの説明を入れ、単調なペースで映画は進む。

製作発表から7〜8年も待たされたからだろうか、映像は期待以上、面白さは中くらいかな?といったところ。

ところどころで説明不足か唐突な展開も感じたが、それもそのはず、オリジナル編集版は4時間あるというのだ。サイドストーリーも含め4時間全長版を観てみたい。けど劇場公開したら香港では熟睡する人続出かも?と思ったりして(笑)

特に説明不足なのが、張震/チャン・チェン演ずる八極拳の名手である刃物(Razor)というニックネームの武術家の話。チャン・ツィイーとの出会いも一瞬で、その後香港で理髪店を開くのだが、アクション・シーンは面白いのだが、なんのことやらよくわからず、これではただ<強いだけの散髪屋>である(笑)

チャン・ツィイーの話も仇討ちがメインとなる。馬三(張晉/マックス・チャン )との夜の駅での戦いのシーンでは、ホームを通過する列車が延々続き、一体何百両編成なんやねん!?と心の中でツッコミを入れた自分がいた(笑)

ま、それでも映画を見慣れた人(映画オタク)は必見です。

「グリーン・デスティニー」や「マトリックス」シリーズのアクション監督・袁和平/ユエン・ウーピンのワイヤーアクションによる功夫シーンも、美術や衣装、音楽(梅林茂も)含め素晴らしいから。

香港人の友人がこんなジョークを言っていた。
「なんでこの映画、撮影にこんなに時間がかかったか知ってる?(撮影期間3年)」
「だって、スローモーションばっかりだから!」
これ、映画観た人なら笑えると思うあるよ。

この映画、香港では「中文字幕」と「中英文字幕」の2種類で公開されており、何でだろう?と思ったら、梁朝偉/トニー・レオンのセリフは広東語。章子怡/チャン・ツィイーは普通語(中国語)でそれに答えるというけったいな作りになってた⁉  なんじゃこれ、であるが、どうも吹替版を作るのが(公開に)「間に合わなかった」のだと聞いた。王家衛/ウォン・カーウァイらしい話である(笑)

【追記】

公開後の監督・出演者の記者会見によると、4時間版には、公開作でカットされたチャン・チェンとツィイーの対決シーンや、2人が戦後の香港で再会する感動的なシーンも存在するとのこと。

4時間版の公開は、王家衛によれば「10年後くらいかな」だと。ガクッ!

香港での公開が終わる前にもう一度観に行こうと思っとります。2月にはベルリン国際映画祭のオープニング作品として上映される。日本でも公開は決定しているとのこと(時期は知りましぇん)。

てなことで。

一代宗師 The Grandmaster ザ・グランドマスター (2013)

30-Jan-13-Tue by nobu

2013-01-29

第19回(SAG)全米映画俳優組合賞 2013 19th Annual Screen Actors Guild Awards

第19回(SAG)全米映画俳優組合賞2013の模様が、当地香港のFoxMoviePremiumでも生中継された(2013年1月28日)。

当日ぼくはこの中継のことを忘れていて、9PMからの再放送を見ようと思っていたが、考えたらその日は日本からお客さんがあり、夕食をとらねばならず、結局帰って見れたのは助演男優・女優賞の後からだった。

受賞者は以下の通り(映画のみ)

助演男優賞 トミー・リー・ジョーンズ(「リンカーン」)

助演女優賞 アン・ハサウェイ(「レ・ミゼラブル」)

主演男優賞 ダニエル・デイ・ルイス(「リンカーン」)

主演女優賞 ジェニファー・ローレンス(「世界にひとつのプレイブック」)

ベスト・キャスト賞 「アルゴ」

アン・ハサウェイは、この勢いだとおそらくオスカーもとるんじゃなかろうか。喜ばしい傾向である。

ダニエル・デイ・ルイスがノミネートされたら(他の候補者は)勝ち目なし、とぼくはいつも思ってるのだが、今回もそうなった。オスカーもまた彼がとるのかと思うと、ちと新鮮味にかけるかな。

ジェニファー・ローレンスはゴールデン・グローブ賞に続く受賞である。勢いが増してきたね。この映画「世界にひとつの~」そんなにいいのか?観てみたい。

ベスト・キャスト賞は、いつも書いているが、この賞が俳優組合のものなので、作品賞なのだがこう呼ばれている。
それで「アルゴ」が選ばれたのはちと意外だったな。

「アルゴ」はゴールデン・グローブ賞も取ったし、アカデミー賞の大本命の「リンカーン」を脅かし始めた感じ。この作品で高い評価を受けたベン・アフレックは、受賞後壇上で「自分の力は何もなくて、この映画に携わった全ての人々が素晴らしかったのだ」と話した。

ベンは、アカデミー賞では監督賞にノミネートされていない。これはオスカー85年史の中でも4回目の珍しいケース。その<呪い>がどんな結果をもたらすのだろうか(笑)

今回嬉しかったのは、生涯功労賞(Life Achievement)をディック・ヴァン・ダイクが受賞したこと(プレゼンターはアレック・ボールドウィン)。今年87歳の彼は、古くはTVの「ディック・ヴァン・ダイク・ショー」や、「チム・チム・チェリー」を歌った映画「メリー・ポピンズ」、「チキ・チキ・バン・バン」で知られる、歌って、踊って、笑わせることができるエンターティナー。最近では「ナイト・ミュージアム」でミッキー・ルーニーと共演してたっけ。

「私はコックニー・アクセントで世界的に有名な男です」と言って笑わせる。実際は、英国生まれのジュリー・アンドリュースに「あなたのアクセントは全然違うわ」と言われていたというのに。

中三の娘がリビングにたまたま来て、「受験が終わったら『チキ・チキ・バン・バン』また観たいな」と話してて、親としては情操教育はうまくいったかも知れないとちょっと嬉しくなったのでした(笑)

てなことで。

19th Annual Screen Actors Guild Awards

29-Jan-13-Tue by nobu

2013-01-15

第70回ゴールデングローブ賞授賞式 70th Annual Golden Globe Awards

第70回ゴールデングローブ賞をNow TVで観る。
ドラマ部門の作品賞は「アルゴ」。監督賞もベン・アフレックが取って、ノミネートされなかったアカデミー賞に一矢報いた感じ。
ミュージカル・コメディ部門は、「レ・ミゼラブル」が作品賞、主演男優賞 ヒュー・ジャックマン、助演女優賞 アン・ハサウェイが取ってくれて個人的に嬉しかった。ひょっとしたらアン・ハサウェイはアカデミー賞も取るかもね。
今年はプレゼンターにクリントン元大統領、スタローンとシュワちゃんなどが登場。X-JAPANのYOSHIKIも授賞式のテーマ曲を作曲したので壇上へ。笑ったのはサシャ・バロン・コーエンがヒュー・ジャックマンのことを"ヒュー・ジャクソン"と言ったこと。「レ・ミゼ」の共演者なのにね。"ああ無常"
セシル・B・デミル賞のジョディ・フォスターはいささか緊張気味に同性愛をカミングアウトして、観客を驚かせ、皆を感動させた。
賞の主催者代表のおばあちゃんが、イケメンのブラッドリー・クーパーに"Call me, baby"と言ったのが可笑しかった。
全体的にちとおとなしめな授賞式でした。

15-Jan-13-Mon by nobu

2013-01-09

「LOOPER/ルーパー」

正月休みに香港へ戻っていた大学生の息子が見たいというので、Blu-rayを買って来て映画「LOOPER/ルーパー」を鑑賞。

ジョセフ・シモンズ(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)は、未来の犯罪組織の依頼で過去にタイム・トラベルしてくる標的を処理する殺し屋、通称「ルーパー」だ。しかしある依頼で処理することになったのは、30年後の未来からやってきた自分自身(ブルース・ウィルス)だった。未来の自分を殺せずに取り逃がしてしまったシモンズは、彼が標的にしている相手が30年後に未来の犯罪王「レインメーカー」となる幼い子供であることを知る。

ふむ、これは思っていたよりも面白くて泣けるSFアクションだった。30年後の自分に狙われる自分。低予算だが、アイデアが面白く最後まで楽しめた。テイストは「ミッション:8ミニッツ」に近いかな。ラスト切ない気分にさせるところもよく似ている。

男の子は気に入る映画だろう。木の切りかぶのある畑。男の子と住んでるワケありの母親を好きになる主人公。「ドライヴ」といい、この映画といい、どちらも「シェーン」がお手本なのだろう。

"若い映画作家は「シェーン」がお好き"ということがわかった次第(笑)。監督・脚本のライアン・ジョンソンの名前は覚えておこう。

LOOPER (2012)

B005LAII8K Looper (+ UltraViolet Digital Copy) [Blu-ray]
Sony  2012-12-31

by G-Tools

2013-01-08

「レ・ミゼラブル」"Les Miserables"

Odoru080113

ミュージカル映画「レ・ミゼラブル」"Les Miserables" は香港でもヒット中で、12月25日の公開から2週間後の日曜日も満員の盛況。

この映画の素晴らしさは、出演者が歌えるだけでなく、映像演技も出来る人を選んでるので感情が直接伝わってくるところ。

主演のジャン・バルジャン役のヒュー・ジャックマンはもちのろんだが、コゼットの母ファンテー二役のアン・ハサウェイの歌う"I Dream A Dream"はその切なさに涙が出た(中国語の字幕も画面左下に出て、ハサウェイの歌唱を邪魔しない心くばりがイイ)。このシーンがスゴいのは、ワンカットで撮っているところ。ここはこの映画のハイライトと云える。

ジャベール役のラッセル・クロウも味のある歌い方だ。彼のピカピカの革靴にはあの時代の役人のプライドが見てとれる。コミカルなサシャ・バロン・コーエンとヘレナ・ボナム=カーターは役得だろう(笑)。

2時間38分の朗々たる大作だが、だれないトム・フーバー監督の演出も見事。中三の娘も大感動の一作でありましたとさ。

Les Miserables (2012)

Director : Tom Hooper

Cast : Anne Hathaway, Hugh Jackman, Russell Crowe

Duration : 158 mins

08-Jan-13-Tue by nobu

B009ZYAGGK レ・ミゼラブル~サウンドトラック
サントラ ラッセル・クロウ エディ・レッドメイン アマンダ・セイフライド サマンサ・バークス ヒュー・ジャックマン アン・ハサウェイ イザベル・アレン サシャ・バロン・コーエン アーロン・トヴェイト ダニエル・ハトルストーン
ユニバーサル インターナショナル  2012-12-26

by G-Tools

« 2012年12月 | トップページ | 2013年2月 »

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ