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2012-03-16

「裏切りのサーカス」「寒い国から帰ったスパイ」二本立て Tinker Tailor Soldier Spy & The Spy who Came in from the Cold

Odoru 1603124

ニューヨークからの帰路、キャセイ機内で渋〜いスパイ映画の二本立てを観た。「裏切りのサーカス」"Tinker Tailer Soldier Spy" と「寒い国から帰ったスパイ」"The Spy who Came in from the Cold" である。

どちらもジョン・ル・カレ原作の冷戦時代のエスピオナージもので、その両方にジョージ・スマイリーが登場する。この2本を機内映画にラインナップしたキャセイの担当者はエラい!ホメてやりたいくらいだ。JALもANAもこのくらいのチョイスは出来ないものか。見習ってほしいぞ(笑)

「裏切りのサーカス」は香港でも2012年3月15日から公開で、ぼくがNY行った時にはまだ公開されてなかった(日本では2012年4月21日公開)。英国アカデミー賞で、最優秀英国映画作品賞と脚色賞を受賞したのをTVで見ていたので、期待していたが、これは期待以上に超渋い名品だったのだ。

1973年、東西冷戦下の英国諜報部〈サーカス〉で、策略により引退させられた老スパイ ジョージ・スマイリーが、とある極秘任務のために呼び戻される。それは長年に渡りサーカス内に潜んでいる〈もぐら〉と呼ばれるソ連の二重スパイを捜すこと。標的は組織幹部の4人。彼らはそれぞれ、ティンカー(鍵掛け屋)、テイラー(仕立て屋)、ソルジャー(兵士)、プアマン(貧乏人)と名付けられた。やがてスマイリーが見いだす裏切者は一体誰なのか?

まずタイトルバックがスタイリッシュでかっこいい。全編通して冷たい風が吹いているかのようなクールな映像。その中で繰り広げられるサスペンス。これは大人が観に行くべき映画。スパイ映画でも、007のような派手なアクションはない。推理小説のように、一つずつ積み上げて行く過程にその面白さがあるのである。

出演者のアンサンブルが見事だ。今年のオスカー・ノミネートとなったゲイリー・オールドマン始め、ジョン・ハート、コリン・ファース、トビー・エイスタハース、トビー・ジョーンズ、キーラン・ハインズ、マーク・ストロング、トム・ハーディなど。コリン・ファースなどは、去年「英国王のスピーチ」で主演男優賞とったのに、この映画では主演ではないのがまた渋いねぇ。

監督のトーマス・アルフレッドソンは、スウェーデンの監督で「ぼくのエリ 200歳の少女」で脚光を浴びた人。この才能は今後注目だな。
脚色のピーター・ストローハンは、英国アカデミー賞を受賞した時、「この賞は妻のものです」と泣きながら(感動的な)スピーチをした。奥さんのブリジット・オコーナーは、この作品を共同で脚色した人。昨年病気で亡くなったのだ。映画が終わってすぐ「ブリジット・オコーナーに捧ぐ(For Bridget O'conner)」と出るのはそのためである。

それにしても、邦題はなんで「裏切りのサーカス」なんだろうね。原作も「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」 で日本でも出版されてるのでそれの方が感じが出てよかったのに、と思うけど。
「裏切りのサーカス」なんて、ピエロやオートバイに乗った熊でも出てきそうで、 スパイ映画とは誰も思わんだろうに(笑)

Odoru 1603125

そして、「寒い国から帰ったスパイ」である。

「裏切りのサーカス」を見終わった時に、「昔、まだガキだったころにTVで観た『寒い国から帰ったスパイ』に雰囲気が似てるなぁ」と思っていたのだが、機内エンタテインメントの映画メニューを眺めていてビツクリ、”The Spy who Came in from the Cold" と書いてあるではないか!うれしくなり、そのまま鑑賞と相成ったわけである。

冷戦下のドイツ。イギリスの諜報員がベルリンの壁検問所の前で射殺される。ベルリン主任のリーマス(リチャード・バートン)はクビとなり、ロンドンの小さな図書館で働き始める。そこで知り合った女性ナン(クレア・ブレーム)と愛し合うが、酒浸りでトラブルを起こし警察のやっかいになってしまう。そんな彼にまたイギリス諜報部からお呼びがかかり、東ドイツへの潜入を命じられるのだが…

これもまた二重スパイを扱ったものである。この映画が製作された1965年当時は、まだ冷戦まっただ中で、このモノクロ作品はリアルなものとして受け取られていただろう。ガキの頃見たと書いたが、面白くなかったのは当たり前で、スパイものといっても前半は墜ちて行く男と、共産党員のワケあり女の話が続き、後半も裁判のシーンが長かったりする。だが、前半のそれも全部伏線だとわかる後半のサスペンスの面白さはガキにはわかるとは思えない。特にラストシーンは哀愁もあり印象に残るものだった。マーティン・リット監督の演出がいい。

ジョージ・スマイリーは本作品では脇役である。主人公のリーマスを監視、調査しつづけている諜報部員だ。メガネに髭と、キャラクターは変わっていない。この人が後年、サーカス内部のもぐらを捜すのかと思いながら見ると余計に面白さが増す。

チャップリンの「ライムライト」に出ていたクレア・ブレームが出ていたのを忘れていた。リチャード・バートンは、この映画でオスカーにノミネートされた。ジョン・ル・カレ原作ものは主役が高い評価をウケますな(笑)

両作品を観て、国という大きな尺度で見ると、一個人など石ころに過ぎないのかも知れないなと思った。危険な任務でも、スパイはその存在そのものが「なかったこと」になってしまうという恐ろしさがある。国際政治の裏側では表ざたにならない怖い話がいっぱいあるのだろう。本当のスパイもののテイストは、こんなにも恐ろしく冷たいものなのである。

てなことで。

Tinker, Tailor, Soldier, Spy (2011)

Directed by Tomas Alfredson
127 minutes

The Spy who Came in from the Cold (1965)

Directed by Martin Ritt
112 minutes

16-Mar-12-Fri by nobu

(日本ではDVD出てないんやな「寒い国から帰ったスパイ」)

B001K3GAOQ The Spy Who Came in From the Cold
Martin Ritt
Paramount  2011-06-15

by G-Tools
B001EOQCJE Spy Who Came in from the Cold (The Criterion Collection)
Criterion Collection  2008-11-25

by G-Tools

 

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