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2012-03-06

「アーティスト」 The Artist ジャン・デュジャルダン / ベレニス・ベジョ

Odoru 0603128

本年度(2012年)アカデミー賞最優秀作品賞受賞の映画「アーティスト」"The Artist" である。

観る前から予感はあったが、想像通り「愛すべき見事な傑作!」だった。これは映画ファンにはたまらない作品だ。

ぼくは既に、ニューヨークで1度、香港へ帰ってからもう1度観た。ニューヨークでは、アカデミー賞授賞式の行われる当日(2月26日)の午後に観て、「作品賞はコレで決まりやな」と確信を持った。観た人の多くが、(おそらく)この映画に賞をあげたい!という気分になるだろう。そんな映画だ。

モノクロ、サイレント、画面サイズはスタンダードである。デジタル上映のシネコンで、こんな古臭いタイプの映画が受け入れられていることがまず嬉しい。

1927年、ジョージ・ヴァレンタインはサイレント映画の大スターだった。だが、トーキー映画の出現によって、彼のキャリアは終わりを告げる。エキストラをやっていた若い女優ペピィ・ミラーは、新しいトーキー映画のスターとなる。引き潮のような人生を送るかつての大スターと、上げ潮の若き女優。男はプライドを大事にしすぎ、女はそんな男を助けようとする。その二人の織りなすドラマは、せつなくそして感動的だ。

セリフのない映画で、こんなに泣かされるとは思わなかった。正確には「泣き笑い」と云った方がいい(特に犬のアギーの演技に泣かされたよ)。
2度目に香港で一緒に観た中2の娘も、「こんなに深い映画とは思わなかった」と生意気なことを云った。

古臭いと書いたが、カメラワークは往年の映画のテクニックを多用しながら、とても凝ったものである。二人が再会する階段のシーンなど、とてもイイ場面だ。
音の工夫も随所にあり、サイレントならでは工夫もされているのが面白い。

セリフを喋らないので、感情表現は音楽によってなされる。またこの音楽がいいのだ。アカデミー賞作曲賞はじめ各映画賞を総なめにした、ルドヴィック・ブールスの情感あふれる音楽は、サントラ盤を聴くだけで、(おっさんの心も)ちとキュンとなるほど(笑)。

ぼくが香港で買ったサントラ盤は、DVDもついていて、メイキングと音楽の録音風景が収録されている。ブールスは「20〜30年代の映画音楽を研究した」と語り、参考にした作曲家の中にバーナード・ハーマンも入っていたのを知り、劇中流れる音楽の一部がハーマンのそれと酷似していることに納得がいった。

オスカーはじめ主演男優賞を総なめにしたジャン・デュジャルダンは、フランス人だが、笑うとアイリッシュ・スマイルのジーン・ケリーを思い出させる。その辺りもアメリカ人のハートをがっちり掴んだ原因かも知れない。

ペピィ・ミラー役のベレニス・ベジョは、本当にキュートな女優さんで、この役に合っている。一途にヴァレンタインを想う気持ちは、へたすればストーカーだが(笑)、あそこまで想われれば男は嬉しいはず。”白馬に乗った王子様”を待ちわびてるような、世間知らずなお嬢さんじゃないところがいい。

共演の、ジョン・グッドマン、ジェームズ・クロムウェルといったベテランもいい味を出している。ロディ・マクドウェルの出演も嬉しかった。

映画愛にあふれる監督のミシェル・アザナヴィシウスは、アカデミー賞受賞式の最後に、「ビリー・ワイルダーへ感謝します!(I Want to Thank, Billy Wilder!)」と3回連呼した。ぼくはその時、劇中に「アパートの鍵貸します」のとあるアイデアがあったのを思い出し、にやりとした。できれば、この監督で、この映画の続きのミュージカル映画を〈トーキー〉で観てみたい(笑)。

ラストのタップダンスは、往年のミュージカル映画さながら、殆どワンカットで撮影しており、ファンの心を踊らせる(ここだけタップの音が出る)。最後の最後に〈オチ〉もあって完璧な終わり方だ。

日本では2012年4月7日から公開。期待して劇場に行っていいと思う。存分に楽しめる人生讃歌。見逃すべからず!

The Artist (2011)

Director : Michel Hazanavicius
Cast : Jean Dujardin, Bérénice Bejo
Duration : 100 mins

06-Mar-12-Tue by nobu

B005LL4U54 Artist
Soundtrack
Sony Classics  2012-01-17

by G-Tools

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