« 2012年1月 | トップページ | 2012年3月 »

2012年2月

2012-02-26

2012 アカデミー賞直前予想 (TIME) Oscar 2012: Who will win?

今ニューヨークに来ている。現地時間で明日(2012年2月26日)行われるアカデミー賞だが、中継するabcは番宣が多くて、他の局もオスカーの話題が多いように感じる。アメリカでアカデミー賞のTV中継を見るのは初めてなので、なんか例年に増して興味があるというのが正直なところ。

で、今年も雑誌TIMEのリチャード・コルレス氏がオスカーの予想をしているので紹介しよう。

The 2012 Oscar Race: TIME Picks the Winners

作品賞:「アーティスト」
監督賞: ミシェル・アザナヴィシウス (「アーティスト」)
主演男優賞: ジャン・デュジャルダン (「アーティスト」)
主演女優賞: ヴィオラ・デイヴィス (「ヘルプ 心がつなぐストーリー」)
助演男優賞: クリストファー・プラマー (「人生はビギナーズ」)
助演女優賞: オクタビア・スペンサー (「ヘルプ 心がつなぐストーリー」)
脚本賞: ミシェル・アザナヴィシウス (「アーティスト」)
脚色賞: アレクサンダー・ペイン、ナット・ファクソン、ジム・ラッシュ (「ファミリー・ツリー」)
オリジナル・ソング賞: "Man of Muppet" (「マペット」)
長編アニメ作品賞: 「ランゴ」
短編アニメ作品賞: 「The Fantastic Flying Books of Mr. Morris Lessmore」
ドキュメンタリー賞: 「Pina/ピナ・パウシュ 踊り続ける命」)
外国語映画賞: 「別離」(イラン)

昨日(2012年2月24日)のUSA TODAYの予想も、作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞とも同じであった。

ぼくも「アーティスト」だろうと予想している。個人的な趣味だけで選べば;

主演男優賞: ジョージ・クルーニー (「ファミリー・ツリー」)
助演男優賞: ケネス・ブラナー (「マリリン7日間の恋」)
脚本賞: ウディ・アレン (「ミッドナイト・イン・パリ」)
長編アニメ作品賞: 「チコ&リタ」

こんなとこが受賞すれば嬉しい(笑)。主演女優賞もヴィオラ・デイヴィスにあげたいが、受賞すればレーガン大統領時代以来という、17回目のノミネートのメリル・ストリープ(「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」)が猛迫しているのでどうなることやら。

さあ、明日の夜はワインでも買ってホテルでアカデミー賞授賞式を見ることにしよう、オスカーの投票用氏片手に(→Oscar Ballot 2012: Printable Version)。
去年の司会(アン・ハサウェイとジェームズ・フランコ)がひどすぎたので、余計に今年のビリー・クリスタルに期待してます(笑)

The 84th Annual Academy Awards: Who will win?

25-Feb-12-Sat by nobu

2012-02-25

「マネーボール」Moneyball ブラッド・ピット / ジョナ・ヒル

ブラッド・ピット主演の映画「マネーボール」”Moneyball” が香港でもやっと公開になった(2012年2月16日より)。日本公開は2011年11月だから大分遅れての公開である。ブラピが主演しているにも関わらず公開が遅れたのは、香港には野球がないからだと思う。だが、アカデミー賞に関わってきたので、この時期に公開になったのだろう。

で、映画館に観に行ったんかというと、さにあらず。ぼくは機内上映で見たんである(笑)
NY行のキャセイ機内で観た。日本語吹替があったので、今回はそれで鑑賞。

うーん、これは野球映画であるが、ビジネスマン、特に経営者(及びマネージャー・クラス)は見なきゃいけない映画だ。

主人公は実在するGMビリー・ビーン。彼は、オークランド・アスレチックスを統計学を使って強くした。この理論はそれまでの野球業界にはなかったもので、新たな理論とその実践は、アメリカの野球界を変えたのだった。

彼がイエール大の経済を出た(野球おたくの男)ピーターの持っていた、その統計理論を採用した理由のひとつは、予算がなかったからだ。
NYヤンキースの3分の1しかない予算で、強豪チームと戦わなければならない。しかも2001年のシーズン後、主力のジェイソン・ジアンビなどは移籍してしまっている。
ピーターの分析によれば、フォームがかっこ悪い、体型が悪いなどの理由で、成績がソコソコなのに年棒の低い選手が大リーグ内にごろごろいた。彼らを使って勝てるチームに変えて行く。

ビリーの考えは、球団内のベテランのスカウトたちに猛反対される。この映画では、それらのスカウトたちは「旧勢力」のように描かれる。それまでの長いキャリアと経験に裏打ちされた彼らの考えは、もっともなこととして理解できるが、チームを強くしたいという本来の目標とはかけ離れたものと映る。つまり「老害」になってしまっているのだ。日本の企業では、年長者には面と向かって云えないという文化的違いがあるにせよ、この光景は、日本の活力を失った企業の会議のようである(で、年長者の云うことが通ってしまうのだが・笑)。

やっと集まった選手たちだが、監督も(自分が)1年契約でこんな選手を使いたくないなどと駄々をこねる。当初は低迷するアスレチックス。マスコミは、ビリーのやり方を批判しまくる。
だが、選手たちの意識改革を少しずつ始めるビリー。シーズン中でも、必要とあらば、トレードをする。解雇を告げる時のビリーは非情だ。それらがやがて身を結び、アスレチックスは20連勝という快進撃を見せる。

どんな世界でもそうだが、業界の常識というものは、目に見えない空気のようなもので、その予定調和があるから、長く居る人間には楽な世界になる。だが、それではいけないのだ。
革新者は常に批判を受けるもの。だが、それで勝ってしまえば、それは賞賛に変わる。世の中なんてそんなもの。だから、リーダーは、自分が決断して実行に移す。その勇気を持たなければならないのだ。

映画の出来もすこぶるいい。感動的だし、野球の試合のシーンもリアルだ。
ビリー役のブラピが主演男優賞ノミネートも納得できる。ピーター役のジョナ・ヒルもいいし、使えねー監督役のフィリップ・シーモア・ホフマンなぞ、もったいないような使い方だ。

野球映画だとばっかり思っていたら、意外にも教わることが多い映画だった。この映画の評価が高いのはその辺りにも理由があるのだと思う。ビジネス・リーダー必見である。

Moneyball (2011)

Directed by Bennet Miller
Cast: Brad Pitt, Jonah Hill, Philip Seymoure Hoffman, Robin Wright
Duration: 133 mins

24-Feb-12-Fri by nobu

(iPad2からだと、ココログは写真が貼れなくて不便。それ以外もココログって不便多し)

2012-02-22

「マリリン7日間の恋」 My Week With Marilyn ミシェル・ウィリアムズ / ケネス・ブラナー

Odoru2002122

香港でも映画「マリリン7日間の恋」"My Week With Marilyn"が公開されたので行く(2012年2月16日より)。

なかなか小粋なロマンチック・コメディで、クラシック映画ファンには、くすぐるところがあって楽しめる作品と思う。実話に基づいたお話である。

主人公は、23歳のイギリス青年、コリン・クラーク(エディ・レッドメイン)。彼のヒーローは、オーソン・ウェルズ、ヒッチコック、そしてローレンス・オリビエだ。裕福な家庭に育つが、映画への想いがどうしても断ち切れず、彼はロンドンにあるオリビエの事務所のドアを叩く。

「仕事なんかないよ」と門前払いを食わされるが、彼はめげずに毎日事務所へ通いつめる。やがて、オリビエ(ケネス・ブラナー)にも気に入られ、数週間後に迫った新作映画「王子と踊子」"The Prince and the Showgirl"のサード助監督とオリビエの付き人という仕事を与えられる。

憧れた映画の製作現場(Pine Wood Studio)へ行ってみると、衣装担当にかわいい娘がいる。ルーシー(エマ・ワトソン)という彼女と仲良くなるが、映画撮影現場は大わらわ。特に問題なのは、アメリカからやってきた大スター女優で、セックス・シンボルのマリリン・モンロー(ミシェル・ウイリアムズ)であった…。

Odoru2002125_2

(以下、ちとネタバレあり)

マリリン・モンローは、当時人気の頂点にいて、同時に情緒不安定だった。劇作家のアーサー・ミラーと3度目の結婚をしたが、うまくいかず睡眠薬に頼る毎日。自身が頭の弱い"セックス・シンボル"として見られることを嫌い、アクターズ・スタジオで演技を学んだりもしていた。

見ず知らずの人間ばかりのイギリスへ来て、不安にかられ、おびえるマリリン。取り巻きの人たち抱えられ、なだめられながら撮影現場に来るマリリン。そんな彼女を見て、イライラを募らせるローレンス・オリビエ…。

そんなマリリンに話し相手となり、励まし続けていたのがコリンであった。やがて、彼女はコリンと一緒につかの間のデートを楽しむ。

大スターであり、全世界の男性の憧れでもあったマリリン・モンローが見せた、一人の女性としての素顔。そこには、いたずら好きで、人に嫌われるのを怖がるかわいいオンナがいた。

31歳となり、大スターになってしまい、もう二度と戻れない一般人だった頃の青春時代を思い出すように、マリリンは服を脱ぎ捨て、イギリスの片田舎の川に入る。年下のコリンにだけ見せたそんな純粋な姿と心。

それを見て舞い上がらない男がどこにいよう。コリンもまた、マジにマリリンを好きになってしまう。だが、所詮住む世界が違うもの同士。撮影が終わり、二人の関係も(当然のことながら)終わりを告げる。

これはちょっと切なさも残る青春映画。原作のコリンの「今だからいえる話」なんだけど、なんともウラヤマしい話である。映画を観ながら「自慢かよっ!」とツッコミを入れた俺(笑)。

デートの時のイギリスの田舎の風景が美しい。そこにかかるナット・キング・コールの歌(You Stopped Out of Dream / Autumn Leaves)もいい。ノスタルジックな気分にもさせる映画だ。

モンローに扮するミシェル・ウィリアムズは、既にゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)などを受賞し、この演技は評価されているように思う。ま、モンローという20世紀最高のセックス・シンボルを演じるのは、誰であっても難しかったはず。セクシーさよりかわいさはよく出ていたように思う。

けど、この映画のキモはやっぱケネス・ブラナーだな(笑)。「第二のローレンス・オリビエ」と呼ばれているイギリスの男優がサー・ローレンス・オリビエを演じるのだもの。この演技は観てて本当に面白い。特にいらついて悪口をポンポン云うところなんざ大笑い。シェイクスピア役者の面目躍如である。今年のオスカーでもノミネートされているが、残念ながら受賞は難しいのだろう。だが、これはもっと評価されてもいいのでは?と思っている。

エマ・ワトソンが出て来たのは個人的に嬉しかった。ハーマイオニーも大人になったねぇ(笑)。ひとつだけ難があるのは、オリビエの奥さんのヴィヴィアン・リー役が似ても似つかぬおばはんやったこと(笑)。これは惜しい。

バックステージものなので、映画ファンはもちろんだが、マリリン・モンロー世代の方々も楽しめる映画なのではないだろうか。自分の青春時代を思い出すかもね。

てなことで。

日本では2012年3月24日より公開。

My Week With Marilyn (2011)

Director : Simon Curtis
Cast : Michelle Williams, Kenneth Branagh, Eddie Redmayne
Duration : 99 mins

22-Feb-12-Wed by nobu


2012-02-20

「大脱走」オリジナル・サウンドトラック 3枚組リマスター完全盤 [CD] The Great Escape - Complete Original MGM Motion Picture Soundtrack (3cd's)

【3枚組リマスター完全盤】大脱走 (The Great Escape)
【3枚組リマスター完全盤】大脱走 (The Great Escape)

スティーヴ・マックイーン主演、ジョン・スタージェス監督の大傑作映画「大脱走」"The Great Escape" のサントラがリマスター完全盤となってリリースされた。

アメリカのINTRADAから2011年1月に発売されていたのだが、ぼくは最近まで知らなかった。たまたま日本のAmazonで見つけたので、あわてて購入したのだ。

この3枚組のCD、何がスゴいかというと、本物のサウンドトラックが収録されているのだ!って、今までも発売されてたじゃないか?と思うだろうが、そうじゃないんだよ、チミ。

1963年の映画公開時に作られたLP盤以降の、ぼくらが「サントラ」と信じて呼んでいたUAレーベルのものは、作曲のエルマー・バーンステイン指揮による再録音盤なのだ。LP盤のカバー・デザインをみると "Elmer Bernstein's Original Motion Picture Score" となっている。つまりオリジナル・スコア(楽譜)により演奏されたものであり、時間も約33分しかない。

オリジナル・サウンドトラック「大脱走」
オリジナル・サウンドトラック「大脱走」

実際に映画で使われたサウンドトラック音源は、長らく紛失したものと思われていたが発見され、映画公開から40年以上経過した2004年にVarese Sarabandeから3,000枚限定でCD2枚組として発売された。

今回、このCDが完全盤と銘打っている理由は、サウンドトラックとオリジナル・スコアの両ヴァージョンが収録されているからだ(しかもリマスターで!)。

CD1と2のサウンドトラックは、映画とおんなじ音源で、ステレオサウンドで聴けるのが嬉しい。CD1は、39分24秒、CD2は、50分56秒である。CD3はオリジナル・スコア盤(32分34秒)。

CD1は、あのまずい"芋焼酎"を作って収容所内で飲む時にヒルツ(マックイーン)が吹いた"Yankee Doodle"の笛が最後あたりに入ってて、ちょうど70年代に、かのゴールデン洋画劇場でやった時の「前編」まで。CD2は、ヒルツがオートバイでスイスの山を走り回る時のバックの音楽が聴け、エンドクレジットもそのまま。TVでいうと「後編」である。

ぼくは中学生の時、このTV放送をカセット・テープに録音して、何度も何度も何度も聞いていたものだからよく覚えているのです。解説は前田武彦氏のモノ(笑)。

その頃、なけなしの小遣いで買ったのが「大脱走」のドーナツ盤サントラ。キングレコードから出てて、B面は「砦の29人」だった。これもすり切れるほど聞いたなぁ。

大脱走 オリジナル・サウンドトラック CD
大脱走 オリジナル・サウンドトラック

その後、キングレコードLP盤(永遠のサウンドトラック・エリート・シリーズ)を買って、1998年には、ビデオアーツから出てるCD盤を買った。これは、スコア盤の13曲に、映画の会話が3場面入ったものだった。

The Great Escape

The Great Escape

香港へ来て、HMVで見つけたのが、2004年発売のオリジナル・スコア盤。このアメリカ盤はカバーアートが違うので思わず手が出てしまった。

思えば、中学生の頃、地方に住むぼくは、ボーイスカウトのキャンプ地から、自転車を立ちこぎして早めに帰宅し、この映画「大脱走・後編」を日曜日のお昼に観た。作りかけのプラモデルを片手に見出したが、あまりに面白く、プラモを作る手が止まってしまった。以来ぼくは映画が大好きになった。

その時から、エルマー・バーンステインの「大脱走マーチ」はぼくの心の応援曲だ。ちなみに、サッカーの英国チームのサポーターもこのテーマ曲をみんなで歌う。アメリカ映画なのになぜ?と思っていたが、この物語の主たる登場人物がBritishだからだろう。

ぼくのような「大脱走」ファンは、今回の3枚組を持っていればもう充分。買えて良かった逸品でしたとさ。

Odoru1902126

The Great Escape (1963) - Complete Original MGM Motion Picture Soundtrack (3cd's)

Composed and Conducted by Elmer Bernstein

20-Feb-12-Mon by nobu

2012-02-17

BAFTA 英国アカデミー賞授賞式 2012 Orange British Academy Film Awards 2012

Odoru1702125

2012年の英国アカデミー賞(BAFTA)の授賞式の模様が、当地香港でもFoxMoviePremiumにて生中継された(2012年1月13日)。当日は、グラミー賞もあったので時間がバッティングする。BAFTAを朝の生中継で、グラミーは夜の再放送で、それぞれ録画しておいたものを鑑賞した。

かつては香港の地上波でも放送していたBAFTAだが、ここ数年放送がなかったので、今年はありがたかった。

授賞式前のレッドカーペットからの放送も30分あり、ここで色んなスターのインタビューが流れる。ブラッド・ピットは「野球のない国で『マネーボール』が評価されて嬉しい。私もクリケットは全然わからないからね」と語る。ジョージ・クルーニーは「『アーティスト』はイイ映画だ。」と褒めてるし(笑)。

そして授賞式。のっけから大満足のパフォーマンスがある(つーか、パフォーマンスはこれだけだけど・笑)。今年は007映画製作50周年ということで、トム・ジョーンズが「サンダーボール作戦」のテーマ曲を歌ったのだ!バック・スクリーンに007の名場面集が映し出される。それを観客席で見つめるジュディ・デンチ!

トム・ジョーンズが「サー」になってるなんて知らなかったよ。そして、トムから今夜のホスト、スティーヴン・フライが紹介される。軽妙でシニカルな司会者だ。

プレゼンターも、ダニエル・ラドクリフ、ブラッド・ピット、クリステン・ウィグ、ヘレナ・ボナム・カーター、ペネロペ・クルズなど豪華。最初に登場したキューバ・グッディング・JRは、前日急死したホイットニー・ヒューストンへ哀悼の意を捧げる。作品賞の発表は、ヒュー・ジャックマンとラッセル・クロウの二人。オーストラリア人同士のかけあいが可笑しい。

今年の作品賞の候補は、以下の5本だった。

「アーティスト」The Artist
ファミリー・ツリー」The Descendants
ドライヴ」 Drive
ヘルプ 心がつなぐストーリー」 The Help
「裏切りのサーカス」 Tinker Tailor Soldier Spy

渋いノミネートだよね。「ドライヴ」が入ってるのが嬉しい。で、作品賞 Best Film は「アーティスト」へ。

Odoru 1702128

「アーティスト」は、監督賞、主演男優賞、最優秀オリジナル脚本賞、音楽賞、撮影賞など7部門を受賞。主演のジャン・デュジャルダンは、相変わらずメモを見ながらのスピーチ。フランス人だからね。この作品はサイレント映画なので、「バスター・キートンならこう言ったでしょう」と、ポーカーフェイスをしてみせたのが洒落ている。

その次に目立ったのは、英国映画「裏切りのサーカス」。この作品は、英国映画賞 Outstanding British Film と脚色賞を受賞。それに、この映画にも出演したジョン・ハートに、長年の功績を讃え、Outstanding Contribution to British Cinema Awardが送られた。この人、エイリアンがお腹から出て来たり、エレファント・マンになったり、大変やったもんな(笑)。

Odoru1702129

助演男優賞は、「人生はビギナーズ」のクリストファー・プラマーへ送られたが、欠席。助演女優賞は、「ヘルプ 心がつなぐストーリー」のオクタビア・スペンサーへ。彼女は「アメリカの人種問題を描いた映画で評価してもらって嬉しい」と、なんか遠慮がち。

主演女優賞のメリル・ストリープは、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」での受賞である。イギリスの元首相を演じたので気に入られたのは当然かも知れない。司会者にも"メリル・サッチャー"と言われてたし(笑)。だが、スピーチの最後には「私も英国人の血が入ってますから」とこれまた恐縮したような話し方である。彼女、コリン・ファースから名前を読み上げられて、壇上へ上がる階段で、ハイヒールが脱げてしまった。それをあわてて拾って履かせるコリン・ファース。ここは拍手喝采だった。

最後の最後に、The BAFTA Fellowship が、マーティン・スコセッシ監督に送られた。クリストファー・リー、ロバート・デ・ニーロのビデオメッセージに続き、名優マックス・フォン・シドーがプレゼンターとして賞を手渡した。スコセッシは「私は英国映画にとても影響されました」と(これまた)お世辞みたいなことを話していた。アメリカの映画人は、みんな奥ゆかしいね(笑)。

その他、アニメ作品賞は、「ランゴ」。ドキュメンタリー作品賞は「アイルトン・セナ〜音速の彼方へ」。スペシャル・エフェクト賞は、「ハリー・ポッターと死の秘宝 Part 2」に送られた。

あと、放送はなかったが、外国語映画賞は、ペドロ・アルモドバルの「私が、生きる肌」だった。これはねぇ…。

てなことで。

授賞式の模様は公式 BAFTA HPで見れる → here

BAFTA Orange British Academy Film Awards 2012

17-Feb-12-Fri by nobu

 

2012-02-14

ホイットニー・ヒューストン追悼と2012年グラミー賞 Whitney Houston Tribute / 54th Grammy Awards

Odoru 1402128

昨日、当地香港のStarWorldで放送された、2012年のグラミー賞"54th Grammy Awards"は、前日にホイットニー・ヒューストンの急死があったので、あたかもホイットニーの追悼式のようであった。
授賞式の冒頭、登場したLL・クール・Jは、ホイットニー・ヒューストンの死を悼み、皆で黙祷を捧げた。

授賞式は、相変わらず豪華なパフォーマンスが繰り広げられる。ブルーノ・マースも、リアーナも、コールドプレイも、ケイティ・ペリーも、グレン・キャンベルも、ビーチボーイズもイイ。ラストのラストに、ポール・マッカートニーを取り囲んで、ブルース・スプリングスティーン始め、出演したギタリストたちの競演もしびれた。

ダイアナ・ロスがアルバム・オブ・ザ・イヤーのプレゼンターで登場したもの嬉しい。85歳のトニー・ベネットと28歳のキャリー・アンダーウッドの「It Had Be You」もデュエットなのに、お互い目を合わせないという出し物で笑わせてくれた。後半出ずっぱりで受賞したアデル(6冠)が、23歳とは思えない貫禄で驚いちゃったのもいい。

だけど、今年のグラミー賞はホイットニー・ヒューストンの追悼だったよ。

この一年の間に亡くなった音楽業界の人々を追悼するコーナーの最後に、ホイットニーの写真が映る。その前で、アカペラで歌いだすジェニファー・ハドソン。

"I Will Always Love You" ピアノをバックに朗々と歌う。最後に、"Whitney, We Love You” と歌い上げた時に、ぼくは涙があふれた。

後ろを振り向いて、投げキッスをするジェニファー。

いい追悼だった。おそらく、2日前まで、ジェニファーはグラミー賞で歌うなんて思ってなかっただろう。あまりに急な訃報にも関わらず、グラミーは動いた。ジェニファーは期待以上の歌唱でそれに応えた。感動的だった。

2年前の2010年。ジェニファーは、ホイットニー・ヒューストンの目の前で同じ "I Will Always Love You" を歌っていた。

場所は、ワシントンのワーナー・シアター。第3回BET Honorsの受賞式。BETとは、ブラック・エンタテインメント・テレビジョンのこと。その功績を讃える賞のパフォーマンスでジェニファーが歌い、舞台前で立ち上がって応えるホイットニー…。今見ると(余計に)感涙にむせんでしまうシーンだ。

(そのジェニファー・ハドソンのBET Honorsでの"I Will Always Love You")

48歳で逝ってしまったホイットニー・ヒューストン。

"Saving All My Love For You" でその美貌と歌声にとろけてしまったぼくは、以来ファンになった。絶頂期は映画「ボディガード」('92)の頃だっただろうか。
ボビー・ブラウンとの結婚で、薬物依存となってしまい、歌を忘れていたディーバ。2009年にやっとニュー・アルバム「I Look To You」で復帰しライヴ活動も再開したが、その声は全盛期のものではなかった。

だが、ファンとしては、復活に期待していた。フランク・シナトラも人気が低迷して、自殺未遂までした後、見事に復活した。そしてその後の方が歌がよくなった。彼女もそれが出来るはずと思っていた。

マイケル・ジャクソンも、復活を目前に逝ってしまった。50歳だった。ホイットニーも、メンターであるプロデューサーのクライヴ・デイヴィスのグラミー賞前のパーティ出席のため宿泊していたホテルの浴槽で倒れた。

クライヴは、いつもホイットニーにこう言って励ましていたという。

「世界は君の歌声を待っている」

ぼくらもそれを待っていた…。本当に残念である。合掌。

Whitney Houston 1963 - 2012

Odoru 1402127

 

 

 

 

 

 

 

 

14-Feb-12-Tue by nobu

2012-02-13

「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス 3D」 STAR WARS Episode I: The Phantom Menace 3D

Odoru 1302122

香港でも「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス 3D」"Star Wars Episode I: The Phantom Menace 3D" の公開が始まったので楽しんで来た(2012年2月9日より)。

公開後最初の週末に行ったんだけど、ロビーには、ストームトルーパー(服も)とダースベイダーのお面をかぶった白人の子供たちがライトセーバーを振り回して遊んでる。ぼくはそれを見ながら、ダースベイダーは赤だろう。ストームトルーパーがなんで持ってんのさ、しかも緑色を、と心でつっこみを入れながら眺めていた(笑)。そういう自分も、エピソード3が香港で公開された時に買ったSWロゴ入りのウインドブレーカー着て来てるんだけどね(笑)。

劇場に入る。白人の家族連れが多い。満員である。ポップコーン片手になにかお祭りの縁日に来たような雰囲気だ。「3Dメガネをかけてください」の画面で、ぼくはポケットから先日買った"スター・ウォーズ 3Dメガネ"を取り出す。隣に座ってた香港人の客は、場内が暗くなる前からこのアナキン・メガネをかけていた。やる気まんまんじゃん(笑)。

映画が始まる。LUCASFILM LTD の文字が浮かび上がる。「おぉ 3Dじゃ!」と(当たり前のことを)思う。何度も観た映画だが、オープニングはぞくぞくする。
初公開が、1999年だから、13年振りの大画面・大音響での「SW1」。画面を眺めてるだけで嬉しい気持ちになったのだが、いかんせん映画がつまらない(笑)。

ジャー・ジャー・ビンクスが出て来たあたりから、もう眠くなる。何度かウトウトしそうになったが、ポッド・レースで持ち直す。この「ベン・ハー」みたいな舞台で繰り広げられる「チキチキマシン猛レース」は、この作品のハイライト。若い時にカー・レースに熱中したというジョージ・ルーカスのその〈想い〉が感じられる名アクション・シーンで、3Dで観ると迫力が増す。レースを見てなかったジャバ・ザ・ハットが起こされた後は、ぼくもしっかり起きて続きを観た(笑)。だから、会議場の議席に座るE.Tたちもバッチリ確認出来た。

だが、その後も高揚感を得られないまま、ドラマは続いて行く。LD、DVD、Blu-rayで何度も観てるエピソード1である。なんでこんなにつまんないんだろう?そう考えながら観ていたら、理由がわかった。対決軸がないのだ。4,5,6には、ダース・ベイダーという巨悪がいて、その戦いの図式と登場人物たちの(意外な)ドラマを融合した面白さがあった。1,2,3は、「ダース・ベイダー誕生物語」。いかにして彼はダークサイドへ落ちて行ったか?という話なので、ドラマが中心になるのは仕方がないところ。

それにしても…、通商連合だの元老院だの話がむずかしいわな。登場人物も多すぎるし。劇場内の子供たちも完全に飽きてしまい、おしっこへ行く子が続出。しまいには通路で座って観てる子もいる(笑)。親(おとーさん)の趣味に子供が付き合わされてるって感じ。子供に罪はない。だが、これでSWが嫌いになったらどうする?といらぬ心配までしてしまう俺。

TIME.comに、この3D版公開に合わせて、「私たちがエピソード1を(今でも)キライな10の理由」というのが載ってて笑ってしまった。
10 Things We (Still) Kinda Hate About The Phantom Menace

1)でくの棒な演技
2)退屈なストーリー
3)ジャー・ジャー・ビンクス
4)幼少期のアナキン・スカイウォーカー
5)エスニックの不愉快なステレオタイプの描き方
6)セリフのクサさ
7)ミディー・クロリアン(Midi-chlorians)
8)(パペットの)ヨーダ(←3D版はBlu-rayと同様に全てCGに作り直されていた)
9)下品なユーモア
10)説得力のない(CGで作り過ぎな)世界

ジャー・ジャーの甲高い声と、うざったさは何度観ても不快である(笑)。アナキンもどうみても彼が並外れた力を持ってるとは思えないフツーの子。セリフも

(パドメに)"Are you an angel?"

などクサいし…、と、世界中、みんな同じことを思っているのですな(笑)。

ぼくが、付け足すならば、ダース・モールをあっさり殺しちゃったこと。あんなにかっこよくって殺陣も出来るのだから、オビ=ワン・ケノービとアナキンの好敵手としてエピソード2,3まで残しておくべきだったよね。2刀流のライトセーバーもよかったのに。

3Dに関して云えば、やはり「アバター」など、最初から3Dとして作られたものに比べると見劣りする。10年以上前の旧作の匂いがするのも致し方ない。

日本でも2012年3月16日からこの3D版が公開になる。ぜひお祭り騒ぎを楽しんでくらはい。映画「SWエピソード1」そのものじゃなく(爆)。

てなことで。May the Force be with you.

Star Wars Episode I: The Phantom Menace 3D (2012)

Director : George Lucas
Cast : Liam Neeson, Ewan McGregor, Natalie Portman
Duration : 136 mins

13-Feb-12-Mon by nobu

 

B004HB2KF6 スター・ウォーズ コンプリート・サーガ ブルーレイBOX (初回生産限定) [Blu-ray]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン  2011-09-16

by G-Tools
B00005NNBV スター・ウォーズ エピソードI ファントム・メナス [DVD]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン  2001-11-08

by G-Tools

2012-02-12

マイケル・フォーエバー / トリビュート・コンサート Michael Forever - The Tribute Concert

昨年(2011年)10月8日に英国ウェールズ、カーディフのミレニアム・スタジアムで行われた、マイケル・ジャクソン追悼コンサート "Michael Forever - The Tribute Concert" の模様が香港のnowTVで放送されたので見た(2012年2月11日・土)。

のっけから「Blame It On The Boogie」のパフォーマンスで、ぼくはごきげんになったのだが、JLS &The Jacksons となってるのに、7人しか舞台にいない。ジャクソンズだけでも5人のはずなのにな、と思いつつ見ていた。

クリスティーナ・アギレラが「Smile」を歌い、ラトーヤ・ジャクソンが「In The Closet/Jam」を歌い踊る。司会はジェイミー・フォックスだ。スモーキー・ロビンソン、グラディス・ナイト、Ne-Yo、レオナ・ルイス、アレクサンドラ・バーク、ヨランダ・アダムスなどが出演し、マイケルの3人の子供たちも登場し、ビデオ出演のビヨンセを紹介するんだけど、なんか会場の熱気が伝わってこないし盛り上がらない(グラディス・ナイトは歌に入るタイミングを間違えてるし・笑)。

それはビデオ編集が、パフォーマンスの後、必ずインタビューやリハーサル風景を入れているので、ぶつ切れになってしまい、たった90分の放送時間なのに、バックステージの模様があるものだから、ステージ中継は本編の半分くらいしかない感じになっちゃってるからなのだ。

Odoru 1202127

それでも、マイケルの曲を聴いていると、良い曲が多かったなと思う。やっぱり生きていたらな、と改めて思ったのだけど、なんでこんな編集の放送(ダイジェスト版みたいな)になったのか疑問が残り、ググってみたところ、このコンサート、けっこう問題が多かったんですな。

まず、コンサート開催日が10月8日だったこと。その2週間前の9月20日からマイケルの元専属医師、コンラッド・マーリーの裁判が始まっていたことで、「そんなつらい時期にコンサートやるなんて」と怒った兄弟のランディとジャーマイン・ジャクソン、それに妹のジャネットがキャンセルをしていたこと(マイケルのオフィシャル・ファン・クラブもこれに同調)。

チケット販売も、ネット予約の際「チケット代以外に寄付(このコンサートはAids Project LA と Prince's Trust へのチャリティもあった)の額が大きいほど取れる確立が高くなります」と書かれていた。それでなくても高いチケット代(高い席で£240)なので、ファンは反発して、怒ったファンはFacebookにコンサート反対のページを作ってしまったほど。

結局75,000人収容のでかいコンサート・ホールも40,000人ほどしか入らず、世界30カ国への生中継もならず、このコンサートを企画・運営した会社もあっさり倒産を申請したのだと(この会社Global Live Events LLPは、2011年3月29日に設立したばかりだった)。

結果、金儲けやったんやね。こんな話を聞くと、ファンとしては脱力するし、マイケルも草葉の陰で泣いてるだろうと想像してます。マイケルのお母さんはこのプロジェクトに関わっていたようだが、またファミリーがうまくいかなくなる火種になるコンサートになったかも知んないね。ま、そういう意味で〈歴史に残る〉コンサートを俺は見ちゃったのだろうか?(笑)。

この後続けて、FoxMoviePremiumチャンネルでは、マイケルの「This is It」をやっていた。こっちの方がよっぽど面白かったぜ、何度も見てるけど(笑)。

Michael Forever - The Tribute Concert

12-Feb-12-Sun by nobu

 

2012-02-09

「J・エドガー」 J. Edgar クリント・イーストウッド X レオナルド・ディカプリオ

Odoru 0902122

クリント・イーストウッド監督、レオナルド・ディカプリオ主演の新作映画「J・エドガー」"J. Edgar"が香港でも、2012年2月2日から公開になったので行く。

48年間にも渡り、FBI(アメリカ連邦捜査局)長官に君臨した、ジョン・エドガー・フーバーの伝記映画。今まで世間には知られていなかった、彼の私生活も描いた作品として注目されていたので、公開を楽しみにしていたんだけどねぇ…。正直、退屈な映画でした。

クリント・イーストウッド監督は、「許されざる者」辺りから秀作を連発していたので、今回も期待したんだけど残念な出来。フーバー長官自体、高いポジションにいた人なんだけど、映画に出来るようなハデなエピソードもない人物だったから、私生活を暴いたり、じつは世間のイメージとは違う人物だったんだよ、という描き方しか出来なかったんだろう。だから、物語を追うという展開も出来ず、単調な映画になってしまったのだ。

Odoru 0902128

映画が終わって、洒落たジャズがかかるエンド・タイトルを眺めながら、ぼくは思った。これは長〜い恋愛映画やったんやな、と。それもホモ・カップルの。

脚本を書いたのは、ゲイの偏見と戦う映画「ミルク」でアカデミー賞脚本賞を得たダスティン・ランス・ブラック。彼はゲイであることをカミングアウトしており、アカデミー賞を受賞した時にもそのことを話していた。

フーバーは、 副長官に任命するクライド・トルソンと終生恋人関係にあった。つまりクローゼット・ホモだったのである。表向きは悪と戦う正義の男。だが、本当の姿はゲイで、しかも異性装癖もある男だったのだ。支配的な母親に育てられ、吃音に悩まされた内気な少年が、やがて初代FBI長官となる。

我々が映画やTVで見て来たフーバー長官は、犯罪捜査に科学的な検証をいち早く取り入れ、デリンジャーを捕まえ、リンドバーグ愛児誘拐事件や赤狩りで活躍した男という(作られた)印象があるが、じつはそんな雄々しいだけの男ではなく、政治家のスキャンダルを極秘ファイルとして保存し、それを使って自分の地位を担保するような男だったのだ。

その地位を守り抜くためにフーバーは、ホモであることを隠していた。映画は、美男子のトルソンが女嫌いであることを履歴書でさらりと触れ、副長官を引き受ける時に、「あなたと、ずっと一緒に食事をすること」を条件とすることで友情以上の関係を匂わせる。そして、フーバーとベッドを共にした後、「女優のドロシー・ラムーアと結婚したい」と告げられた後のトルソンの狂信ぶり(及びキスシーン)を見せ、二人がいかに愛し合っていたかを見せる。

ゲイの人たちが映画の中でどのように〈そのこと〉を表現してきたかは、「セルロイド・クローゼット」というドキュメンタリーを見ればよくわかる。ハリウッド・メジャー作品でゲイを描くには、フーバーのような人物を題材にしたものでなければならず、ここまでが限界だったのであろう。だが、脚本のダスティン・ランス・ブラックが描きたかったのは、フーバーとトルソンの「純粋な愛」だったのだということは、ラストを見れば一目瞭然と思う。

Odoru 0902126

レオナルド・ディカプリオは、老けメイクをして熱演だ。メイクアップが大変だっただろうが、ぼくは「市民ケーン」のオーソン・ウェルズを思い出してしょうがなかった。今年のアカデミー賞の主演男優賞の候補にならなかったのは気の毒だが、映画自体がつまらないのだから仕方ないのではないか。トルソン役のアーミー・ハマーも老けメイクをしていたが、なんかかぶり物みたいになっちまってたな(笑)。だが、ナオミ・ワッツのフーバーの秘書役は、老けてからの方が(なぜか)よく感じた。

撮影のトム・スターンは、「銀残し」のような画面を作って、1919年以降の時代の印象を狙っているようだが、ぼくには、過剰な老けメイクをごまかすためなんじゃねぇ?としか映らなかった(笑)。それに現在も過去も同じ色調なので、ちとわかりづらい展開になってしまってるし。

やっぱり悪役のデリンジャーを描いた「パブリック・エネミーズ」なんかの方が映画としては面白く出来るわな。ドンパチも描けないし、リンドバーグの裁判のシーンもおとなしいものだし。クライマックスの題材がない伝記映画というは作るのが難しいですな。なるへそ、だから恋愛映画にしたのか、コレは(笑)。

"Do I kill everything that I love?"

J. Edgar (2011)

Director: Clint Eastwood
Cast : Leonardo DiCaprio, Naomi Watts, Armie Hammer
Duration : 136 mins

09-02-12-Thu by nobu

2012-02-07

フランク・シナトラ / ベスト・オブ・ザ・ベスト [CD] Frank Sinatra / BEST of the BEST

Best of the Best
Best of the Best
このフランク・シナトラのアルバム BEST of the BESTは、2011年11月に発売になったもの。
1枚のベスト盤だけのもあるが、ぼくが香港のHMVで購入したのは、ボックス版である。このボックスには2枚のCDが入っており、それにブックレット、写真などおまけもついている。

まず1枚目は、BEST of the BESTと銘打っているだけに、シナトラのベスト・ヒット集である。シナトラ・ファンは、耳に馴染みのある曲ばかりだが、シナトラを新たに聴いてみたいなと思ってる人にはこのベストがおすすめである。

というのも、今まで売り出されていたベスト盤は、それぞれシナトラのキャピトル(Capitol Records)時代のものか、自身が設立したレーベル、リプリーズ(Reprise Records)時代のものしかなかったのだが、これはその両方のレーベルの音源が収録されているのだ。これは海賊版ではない、正規なものとして初めてのことなのである。だから、BEST of the BEST と銘打っているのだ。

キャピトル時代のものが13曲、リプリーズ時代のものが10曲入っている。シナトラというと「マイ・ウェイ」と「ニューヨーク・ニューヨーク」しか知らない人も多いと思うが、それも当然入ってるし、全盛期といっていい時代の「Come Fly With Me」や「The Lady Is A Tramp」などスタンダードの名曲も入ってるのである。

2枚目はライヴ盤。”57 in Concert"と書いてあるこのアルバム。1999年にリマスター盤として発売されたが、ファンであるぼくも買いそびれて、今や日本のアマゾンでも、新品は19,000円もする代物である。それが付いて、HK$139(約1,375円)で買えたのだから、こんなに嬉しいことはなかった。

さっそくライヴを聴いてみた。オットー・プレミンジャー監督の映画「黄金の腕」のテーマ曲(エルマー・バーンステイン作曲)にのってシナトラが紹介される。そして、41歳の脂の乗り切ったシナトラがスインギーに唄う唄う。これはファンにはたまらないライヴだ。ぼくは、シナトラで一番好きなアルバムがキャピトル時代の「スイング・イージー」なので、このライヴはドンピシャだった。

シナトラのライヴは(ぼくは日本公演にも行ったが)、CDで聴けるものでは、1966年のカウント・ベイシー楽団との「ライヴ・アット・ザ・サンズ」"Sinatra at the Sands"が有名である。ぼくは今まで1962年のセクステットの"Live in Paris"が一番のお気に入りだったが、今後はこの"57 in Concert"が最高のライヴ盤として我が家の棚に飾られると思う。

60年代以降のシナトラは、ジャズ・シンガーというより、ポップス歌手となり、70年代には「マイ・ウェイ」という大ヒットを飛ばした。だが、この50年代のシナトラの歌唱を聴くと、いかに彼に潜在的なセンスの良さがあったのかがよくわかる。このライヴは「粋」なのである。シャレてるんである。スイングしてるんである。

ビートルズ、プレスリー以前のポップスの歴史に名を残す偉大なシンガーの全盛期の歌声。これはホントにお宝ライヴ盤であった。ファンは必聴。ジャズ・ヴォーカル・ファンもいっぺん聴いてみなはれ。(1957年6月9日 シアトル、シヴィック・オーディトリアムにて録音、バックはネルソン・リドル楽団)

てなことで。

Frank Sinatra / BEST of the BEST  (ベスト盤のみの日本版は「マイ・ウェイ 〜 This is Sinatra」だが、収録されている曲は数曲違うので注意が必要。)

07-Feb-12-Tue by nobu

 

2012-02-06

「戦火の馬」 WAR HORSE スティーヴン・スピルバーグ

Odoru 0402122

スティーヴン・スピルバーグ監督の新作映画「戦火の馬」"WAR HORSE" が香港でも2012年2月2日より公開になったので行く。
AMEXからもらったタダ券があったのだが、HK$75以上は実費だと云う。この映画、強気のHK$95(約940円)だったので、HK$20を払って席に着いた。

冒頭、イギリスの美しい田園風景の中で一頭の馬が生まれる。それを遠くから見つめる青年アルバート。やがてその馬は競りにかけられ、酔っぱらいの親父が、畑を耕す農耕馬として競り落とす。だが、サラブレッドのような美しい馬に30ギニーも払ってしまい、妻は怒り心頭である。青年は、その馬が我が家に来たことを喜びジョーイと名付けてかわいがる。だが、借金を返せず、農作物も天災でやられ、父親は馬をフランスの戦地へ行く騎兵隊に売ってしまう。ここから、第一次大戦を駆け抜けた一頭の馬の数奇な物語が始まる…。

原作は1982年発表のマイケル・モーバーゴの児童小説。後に舞台化され、それを観た製作者のキャスリーン・ケネディが、映画化権を誰もとってないことに驚き、スピルバーグに話し映画化の運びとなったという。

これは、なので、子供向けの題材(馬と青年の友情話)なのだ。だが、そこはスピルバーグだもの。出来上がった映画は、2時間26分の朗々たる大作になっているのであーる。

スピルバーグの作る戦争を題材にした映画は総じて面白い。「プライベート・ライアン」「シンドラーのリスト」「インディ・ジョーンズ・シリーズ」など。「1941」なんてのもあったが、あれはあれでご愛嬌(笑)。
今回は、初めて第一次大戦を扱っているのだが、その戦闘シーンは、劇場のドルビー7.1サラウンドの大音響で観ると臨場感があってスゴい。スピルバーグは戦争オタクだそうだが、この映画では、戦争で使う武器の変遷が見れるのも面白い。

Odoru 0602126

映画の印象としては、はぐれた少年が戦時中の中国をさまよう「太陽の帝国」の"馬版"という感じ(笑)。それとぼくには、往年のクラシック映画の名場面集を観ているような錯覚を受けてしまったのだった。
名手ヤヌス・カミンスキーの望遠で撮る英国の田園風景は、ジョン・フォードのアイルランドを描いた「静かなる男」や西部劇を思いださせ、途中馬がフランスの少女と出会うシークエンスは、エリザベス・テイラーの「緑園の天使」となる。戦闘シーンは、スタンリー・キューブリックの「突撃」や反戦映画の名作「西部戦線異常なし」。そして、俯瞰で戦場のシーンや傷ついた兵士を捉えたところ、後半の夕焼けなどは「風と共に去りぬ」なのである。

主演のアルバートを演じる、ジェレミー・アーヴァインは無名の新人で、何か気の弱そうな青年役にピッタリ。母親役のエミリー・ワトソン、デヴィッド・シューリスなど、見たことのある役者さんは少ないのだが、それはこの映画の主役が”馬”だから仕方がないところ。CGも使っているのだろうが、馬の頑張りは拍手ものだ。
中華圏の映画賞でゴールデン・ホース賞(台湾金馬奨/Golden Horse Award)というのがあるが、まさにそれを贈呈したいくらい(笑)。傷だらけで涙物の演技なんである。

英語は、イギリス・デヴォン州のなまりがあるのか、前半は少々ムズカしかった。だが、さすがにスピルバーグだけあって長尺でも飽きずに見せる。隣に座ってた西洋人の中年女性は、映画が終わって涙をぬぐっていた。ぼくは、映画途中で、馬をめぐって戦争をしている敵同士が交流する場面が「ええ話やな」と思った。

今年のアカデミー賞作品賞にノミネートされているが、おそらく「アーティスト」が取るだろう(?)から、この「戦火の馬」は無理であろう。日本では2012年3月2日から公開だが、春休みに子供(特に男子)を連れて行くのにイイ映画だと思う。ディズニーが配給してるだけあって、戦闘シーンも血がドバッと出たりしませんから(笑)。

War Horse (2011)

Director : Steven Spielberg
Cast : Jeremy Irvine, Peter Mullan, Emily Watson
Duration : 146 mins

06-Feb-12-Mon by nobu

2012-02-03

「ファミリー・ツリー」 The Descendants ジョージ・クルーニー X アレクサンダー・ペイン

Odoru 0302129

今年のゴールデングローブ賞、ドラマ部門で最優秀作品賞、及び最優秀主演男優賞(ジョージ・クルーニー)を受賞した「ファミリー・ツリー」"The Descendants" が香港でも公開されたので行く(2012年1月26日より)。

うーん、これはとてもいいドラマだね。監督・脚本のアレクサンダー・ペインは、「サイドウェイ」「アバウト・シュミット」など、ちょっとペインフルだが、わかるわかると思わせるような映画作りをしてきた映像作家だが、今回も笑いの中に、人生の真実を映し出す良い映画に仕上げて来た。

原題の"The Descendants"とは、末裔とか、子孫とかの意味である。この映画の主人公マット・キングは、ハワイのカメハメハ大王の娘の子孫。一族が受け継いだ広大な土地を管理しているが、売却先も見つかり、交渉も大詰めを迎えていた。そんなある日、妻のエリザベスがモーターボートによる事故で、意識不明のまま昏睡状態となってしまう。10歳の娘を連れて、17歳の長女が通う高校へ迎えに行ってみると、彼女は寮を抜け出して酒を飲んでる始末。

お父さんは、家のことはほっぽり出して仕事ばっかりだった。その間に、夫と妻、父と娘たちの関係は冷えきったものとなっていた。妻が不倫をしていたことを知らなかったのは夫だけ。近所の人も皆知っていたのだ。長女がどんなボーイフレンドがいるのかも知らず、次女が汚い言葉ばっかり使ってるのも知らなかった。

妻がもう治る見込みのないことを医者から聞かされ、友人たちにお別れを云いに病院に行ってやってくれと頼むマット。そして彼は、そのことを妻の不倫相手にも伝えて話をつけようと、娘たちと長女のボーイフレンドを連れ、オアフ島からカウアイ島の間男のところへ行く。

Odoru 0302127

一家に突然おきた不幸な出来事。それを残された家族が乗り越えるうちに芽生える新たな家族の形。そして、自分が管理する一族の土地を手放すと決まった時に芽生えた子孫としての新たな感情。現在オスカー・レースの最有力と云われているジョージ・クルーニーは、そんな50過ぎの中年男を見事に演じきっている。

ジョージ・クルーニーという役者は、かっこいい役とみっともない役を交互にやってるような印象があるが、今回は見事にみっともない役だ。妻の不倫のことを聞く為に、友人の家に走って行く場面なんかは、モモが上がらない中年男丸出しの走り方で笑わせる。おっさんの自分も、ああいうヨタヨタ走りになるので実感としてわかるのだ。これだけでも、オスカーあげたくなっちゃうね(笑)。

ぼくがこの映画で注目したのは、長女アレックスを演じるシェイリーン・ウッドリー。気が強いが、弱いところもあるティーンエイジャーをうまく演じてて、なおかつキレイなので気に入った。次女のスコッティ役のアマラ・ミラーと、長女の(おバカな)ボーイフレンド役・シド役のニック・クラウスも笑わせる脇役だ。

病室で、意識の無くなった妻に語りかけ、キスをする夫。個人的な話だが、ぼくも妻を亡くした身なので、色んなことを思い出し、この場面はつらかった。
奥さんが病気になったり、死ぬことをキレイに美しく撮ることで感動させようとするゲスな映画が多い昨今、 笑いの中に、このようなリアルな演出をさりげなく入れて来るこの監督は、本当の意味で、「人生」がわかってるんだろうなと感じる。

見終わって、しみじみとよかったなと思わせる映画。大人の観客の鑑賞に耐えうる佳作である。ラストシーンが良いんだ、これが。
アカデミー賞を取ろうが、取らまいが、その評価は変わりはしない。

日本では2012年5月18日公開。

てなことで。

The Descendants (2011)

Director : Alexander Payne
Cast : George Clooney, Shailene Woodley, Amara Miller
Duration : 115 mins

03-Feb-11-Fri by nobu

2012-02-02

第18回(SAG)全米映画俳優組合賞 2012 18th Annual Screen Actors Guild Awards

2012年の第18回全米映画俳優組合賞の授賞式 "18th Annual Screen Actors Guild Awards" の模様が、当地香港でもFoxMoviePremiumで生中継された(2012年1月30日)。過去3年ほど香港でも放送がなかったので今年はありがたかった。

SAG Awards はアカデミー賞の前哨戦の1つ。この賞は、組合に所属する俳優が投票して決める賞なので、監督賞や脚本賞などはない。劇映画とTVの演技賞で、最優秀作品賞に代わるものが、ベスト・アンサンブル賞である。

そのアンサンブル賞を受賞したのが映画「ヘルプ 心がつなぐストーリー」。ぼくはこの作品を観て、SAG賞をとるんじゃねえ?と予想していたので当たってうれしかった。(プレゼンターはブラッド・ピット)
壇上にはキャストの面々がならび、代表してヴィオラ・デイビスが、「人種差別や性差別という汚点は黒人や女性だけのものではなく、私たち皆で背負うものです。そして、私たちはそれを変えることができるのです」と述べた。

主演女優賞もヴィオラ・デイビス(ヴァイオラと発音してたな)。助演女優賞もオクタビア・スペンサーである。この「ヘルプ〜」は本当にキャストの妙があったからねぇ。二人とも次のオスカー・レースの上位に上がったと思う。

主演男優賞は、「アーティスト」のジャン・デュジャルダンが受賞。フランス語訛りの英語で「私は悪い生徒でした。授業中いつも夢をみていました。ですが、夢を見続けていてよかったです」とスピーチした。

助演男優賞は、「人生はビギナーズ」のクリストファー・プラマーが受賞。今年82歳で、先日のゴールデングローブ賞に続く受賞はよかったと思う。ぼくはまだ観てないのだが、高齢の同性愛男性を演じているのだとか。我が家では、"ミスター・エーデルワイス"(「サウンド・オブ・ミュージック」)と呼んでいたのだが、印象が変わるよね(笑)。

アンサンブル賞候補の映画は、出演者たちが出て来て映画を紹介するのだが、「ファミリー・ツリー」では、ジョージ・クルーニーと娘役のシェイリーン・ウッドリーが登場。クルーニーは主演男優賞もとれず残念。

可笑しかったのは、「ブライドメイド」の3人(クリステン・ウィグ、マヤ・ルドルフ、メリッサ・マッカーシー)。酒を片手にあらわれ、「みんなでよく飲んだわね。飲みほしてから"スコセッシ"と言って」と笑わせる。スコセッシとは、〈巨匠〉監督マーティン・スコセッシのこと。その後の受賞者スピーチでは、皆が「スコセッシ!」と云いだす始末(笑)。

他のアンサンブル賞ノミネートは、「アーティスト」「ミッドナイト・イン・パリ」だった。

今年の生涯功労賞は、メアリー・タイラー・ムーア。日本では、「普通の人々」の母親役くらいしか馴染みがないかも知れぬ。いつもながら渋い人選だ。アメリカでは自分のTVショウもあったほどの人である。プレゼンターがディック・バン・ダイクだったのが嬉しかった。

TV部門は馴染みがないのでよくわかりませぬ。ベスト・アンサンブルは、「BOARDWALK EMPIRE」でした。

詳しくはオフィシャルHPで → here

さあ、次は2月13日の英国アカデミー賞(BAFTA)である。香港では同じチャンネルで放送されるので、楽しみである。

てなことで、スコセッシ!

18th ANNUAL SCREEN ACTORS GUILD AWARDS

02-Feb-12-Thu by nobu


2012-02-01

「コクリコ坂から」(紅花坂上的海) From Up On Poppy Hill

Odoru 0102122

香港でも春節の2012年1月19日から公開された宮崎吾郎監督の新作ジブリ映画「コクリコ坂から」(広東語名:紅花坂上的海)。旧正月の休日に中二の娘と行って来た。

高度成長期、1963年の横浜を舞台に、高校生の純粋な恋物語が綴られて行く。原作は少女漫画、テイストは往年の日活青春映画。だが、これは大人のオトコが観ても感動できる名品だったのである。

亡き父を想い、海の見える家から、毎日安全旗を掲げる主人公・海(声:長澤まさみ)。それを見てタグボートから返礼する俊(岡田准一)。同じ高校に通いながらも知らないもの同士が、やがて運命の糸で結ばれて行く。新聞部、生徒会、学生集会…。60年当時の高校生たちは、青臭い哲学を語り、大人たちに反抗する強い意志も持っていた。

出会った若い男女は、自分たちの出自に戸惑い、悩む。だが、それでも自分の気持ちに素直に生きようとする。その清々しいこと。そして、父親の船員たちの、その男の友情の素晴らしいこと。絵も美しく、音楽も物語同様テンポよく進む。劇中流れる 坂本九「上を向いて歩こう」の自転車の二人乗りのシーンがいい。二人が肉屋でコロッケを買うのもいい(笑)

当地香港の満員の劇場では、皆大笑いをし、そして静かな感動に包まれていた。映画が終わってエンドロールで一人も席を立たなかったのが何よりの証拠(こんなこと当地で初めての経験だった)。日本人でよかった。そして、もう若くない年齢でこの映画を観てよかったと思った。素敵な逸品である。

Odoru 0102127

と、ここまでは、ぼくが映画を観た当日、facebookに書いたもの。ここからは、もうちっと感想と余談など。

「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」ポッドキャスティング、2011年8月4日の「映画コクリコ坂からの不思議な謎を探る…」で聞いていたのだが、この作品は娯楽映画研究家・佐藤利明さんが語るように、ホント「日活青春映画の新作」のようであった。

海ちゃんは吉永小百合、俊くんは浜田光男ではないか。石坂洋次郎原作の青春映画のそれにとても近い。プロデューサーの鈴木敏夫さんが云うように「基本は『青い山脈』」である。

だからだろう、時代設定だけではなく、我々世代にはとても懐かしい映画になっているのだ。これがぼくがこの映画を気に入った理由の一つである。

海ちゃんのヒロインの話から、このポッドキャストでは、宮崎駿監督の作る映画のヒロインは、モデルは芦川いづみじゃないのか?という話になり、これには思わず膝を叩いた。面白い話である。興味のある方はぜひ聞いてみてほしい(→ 鈴木敏夫のジブリ汗まみれ Podcast)。

一緒に行った中二の娘は、日本公開時おばあちゃんと横浜で観ていて、2度目の鑑賞だったのだが、「今回の方が感動した」と話していた。香港の観客はよく笑う。 日本ではみんな真面目に見てて笑い声がなかったのだと。ぼくはラスト近くで涙がこぼれた。正直、こんなにイイと思ってなかった。

今になって思うと、坂本九の「上を向いて歩こう」は、明日を感じることの出来る時代の応援歌だった。カルチェラタン(英語ではLatin Quarter)存続のために、高校生の男女が立ち上がる。あの当時の若者たちが持っていただろうバイタリティを、日本人はどこに忘れてきてしまったのだろうか。東京から横浜へ戻る電車の窓から見える高度経済成長の足踏み。それを見つめる海の顔(ここは名シーンだ)。これは現代に生きる日本人へのエールである。

企画・脚本の宮崎駿さんが、2011年3月11日の大震災17日後に行ったこの映画の製作記者会見で、涙ながらに語った「この映画が(被災された)多くの人たちに何かの支えになってくれたらと思っています」という強い思い。それを充分感じることの出来る映画だった。宮崎吾郎監督の今後に期待している。

「コクリコ坂から」(紅花坂上的海)香港版予告編

From Up On Poppy Hill (Japanese Version) (2011)

Directed by Goro Miyazaki
Starring Masami Nagasawa, Junichi Okada, Keiko Takeshita, Yuriko Ishida
Duration 95 mins

01-Feb-12-Wed by nobu

 

« 2012年1月 | トップページ | 2012年3月 »

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ