2018年6月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

Amazon Music Unlimited

無料ブログはココログ

« 第69回ゴールデン・グローブ賞授賞式 The 69th Annual Golden Globe Awards 2012 | トップページ | 「コクリコ坂から」(紅花坂上的海) From Up On Poppy Hill »

2012-01-27

「私が、生きる肌」LA PIEL QUE HABITO / The Skin I Live In ペドロ・アルモドバル X アントニオ・バンデラス

Odoru 2701122

ペドロ・アルモドバル監督の新作映画「私が、生きる肌」"La Piel Que Habito / The Skin I Live In" へ行って来た。香港では2011年12月29日から公開となり、今(1月27日現在)も上映中なのでヒットしたのであろう(香港はアタらないとすぐ終わるからな)。

ポスターを見ても、マスクをした顔が何やら昔のフランス映画「顔のない眼」を連想させる。ぼくは子供の頃、これをTVで観てトラウマみたいになってしまってるもんだから、怖いのかな?と内心びくびくしながらチケットを買ったのだった。

アルモドバル監督自身「これはギョッとしたり、悲鳴のないホラー・ストーリーだ」と語るように、怪談もの(表現が古いね、どうも)のような、驚かす演出はないので、怖さはないのだが、ストーリーそのものはなんともはや!な話であった。

天才的な形成外科医のロベルト(アントニオ・バンデラス)は、交通事故で大やけどを負った妻のため"究極の"人工皮膚の開発に執念を燃やしていた。あらゆる良心の呵責を失ったロベルトは、監禁した“ある人物”を実験台にして開発中の人工皮膚を移植し、亡き妻そっくりの美女を創り上げていくのだった。

Odoru2701127_2

奇抜な発想である。主人公のロベルトは、天才でイケメンだがマッド・サイエンティストだ。アルモドバル映画の常連マリサ・バルデスは、この映画を「ユーモアがある」と言った。確かにこれはコメディ映画として作ったならば笑えるシーンもあるのだが、演じてるのがバンデラスで、演出がアルモドバルだもの。観客も真面目に観ちゃうわな。アートだと思ってるからね(笑)。

この映画を観てぼくが思い出したのは、ウィリアム・ワイラー監督の名作スリラー「コレクター」。人間を蝶のように捕まえて楽しむ主人公を描いた、精神異常者の性癖の映画だったが、この「私が、生きる肌」もそれに近いものがある。ある部屋に監禁された美女(エレナ・アナヤ)。天井のカメラで24時間監視されている彼女を、病院から帰ったロベルトは、自分の寝室から眺める。大スクリーンにズームアップする彼女のキレイな顔。それは皮膚の状態を確かめるというより、自分の作った作品を愛おしむようなしぐさに近い。

映画は、時間軸を飛び越え、現在から過去、過去から現在へと移り、ジグソーパズルのように、その事実を徐々につまびらかにしていく。確かに〈驚愕の事実〉がここにあり、この映画の面白さはそこにあるんだけどねぇ。それを言うのはルール違反だから言わないが、ぼくはこれは〈究極の愛〉とは思えなかったな。

言っちまえば、これは復讐劇なんである。妻を事故から救うことが出来なかった、そのことから起きる悲劇の数々。その事実を前に精神に異常をきたす主人公ロベルト…。

《映画》であるが故に描くことができる世界。だから面白い!と思うか、あんだこの話は!となるかは観客の感性次第。いつもながらのヴィヴィッドな映像美、そしてアブノーマルなアルモドバル・ワールドが全開だが、正直ぼくは〈好きにはなれない〉映画でした。エレナ・アナヤがキレイやなぁ、と画面を眺めてただけやったな(苦笑)。

ロベルトが生まれた時からメイドをやっているという(ワケありな)役で出演のマリサ・バルデスが語った「これはアルモドバルの最高傑作!」とは(残念ながら)ぼくには思えまへんでした。

日本では、2012年5月26日より公開。

(この映画が10年後、「なんでこれが問題作なの?」と云われないことを願いつつ…)

てなことで。

LA PIEL QUE HABITO (The Skin I Live In) (2011)

Director : Pedro Almodóvar
Intérpretes : Antonio Banderas, Elena Anaya, Marisa Paredes, Jan Cormet
117min.

27-Jan-12-Fri by nobu

B00009WL1R 顔のない眼 [DVD]
ジャン・ルドン
エスピーオー  2003-07-25

by G-Tools
B004E2YUOW コレクター [DVD]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント  2011-01-26

by G-Tools
B000BHHYIS オール・アバウト・アルモドバル BOX [DVD]
アミューズソフトエンタテインメント  2005-11-25

by G-Tools

« 第69回ゴールデン・グローブ賞授賞式 The 69th Annual Golden Globe Awards 2012 | トップページ | 「コクリコ坂から」(紅花坂上的海) From Up On Poppy Hill »

映画 2011年」カテゴリの記事

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

はじめまして、いつも楽しく拝読させていただいております。
この映画、香港で見逃し、やっと昨日飛行機で観ました。。感想は、同じく、好きじゃない映画、です。。後味に少しながら嫌悪感が残りました、いつもは話の内容に反して後味すっきりなのに、と。確かにコレクターを思い出しました、そして、観直したくなりました。
これからも楽しみにしておりますので、宜しくお願いします。

>あるさん

こんちは。コメントありがとうございます。
そうですか、好きじゃないですか!気が合いますね(笑)。
この映画、ホラーなのか、アートなのか、ブラックユーモアなのか、ようわからんちんな映画でしたね。
ヒッチコックの「めまい」のように、愛して亡くなった人の残像を求めるといった切なさがないのも好きになれない理由のひとつでした。
もし香港在住でらっしゃるなら、また情報交換でもしましょう。では。

早速お返事有難うございました。嬉しいです。
確かに仰る通り!切なさ不足していますね、さすがです。
あと、コレクターにはあった対象への純粋な想いがなく、自分だけ、というところも嫌、、でした。
私も香港在住なので、是非情報交換、というと私ごときでは役不足なので、どうぞご教示頂けますと嬉しいです(^o^)

>あるさん

この作品、BAFTA英国アカデミー賞で外国語映画賞とっちゃいましたね。残念です(笑)。

てなことで。今後ともよろしくです。

なんと!認められましたか。。
BAFTの方を見損なってみたりして、笑。
今週は、香港映画祭チケット発売開始なので、
嬉しい私です。これからも宜しくお願いします。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/214085/53839907

この記事へのトラックバック一覧です: 「私が、生きる肌」LA PIEL QUE HABITO / The Skin I Live In ペドロ・アルモドバル X アントニオ・バンデラス:

« 第69回ゴールデン・グローブ賞授賞式 The 69th Annual Golden Globe Awards 2012 | トップページ | 「コクリコ坂から」(紅花坂上的海) From Up On Poppy Hill »