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2011年8月

2011-08-15

「チコ&リタ」(原題) Chico & Rita [DVD]

スペインのアニメ映画「チコ&リタ」"Chico & Rita"である。

今年(2011年)の香港国際映画祭で上映され、すぐにソールドアウトとなったため、観れなかったぼくはこの映画のDVDをAmazon.co.ukに発注した。
年をとってから、こんなに来るのを待ちわびた映画はなかった。そして、ぼくのカンは当たった。

これは紛れもなく、近年にない傑作ジャズ映画だったのだ!

小粋なジャズにノって始まるこの物語は、一人の靴磨きの老人が家に帰るところから始まる。彼の名前はチコ。アパートに戻り、酒を注ぎ葉巻に火をつけラジオをつける。そこへ流れるのはチコ&リタの唄う60年前の懐かしのメロディ…。

そして男は思い出す。かつて愛した女、美貌のシンガー・リタのことを…。

二人の出会いは、1948年。キューバ革命前、ハバナのバーであった。客として来ていた若き才能あるピアニスト・チコと、舞台で「ベサメ・ムーチョ」をセクシーな声で唄うリタ。二人はやがて愛し合うが、ささいな行き違いで仲違いをしてしまう。リタはやがてニューヨークで歌手として成功し、ラスベガス、ついにはハリウッド進出も果たす。チコもニューヨークへ渡り、ディジー・ガレスピー・バンドの一員としてパリへ行くのだが…。

流れるのは、キューバン・サウンドを始めとするジャズ。時代設定が、ちょうどビバップが流行り出した頃というとジャズ・ファンにはその「粋さ」がわかってもらえるかと思う。
映画ファンには、この主役二人の設定が「ニューヨーク・ニューヨーク」を連想させるだろう。

アニメであるが、これは決して子供用ではない。ヌードも出て来る大人用のものなのだ(英国では15歳未満は観れない)。
登場するミュージシャンは、ガレスピーはじめ、チャーリー・パーカー、セロニアス・モンク、チャノ・ポソ、ウディ・ハーマン楽団、ナット・キング・コール等々なのだが、アニメなので逆に違和感がない。
嬉しかったのは、演奏旅行の最中に各国のジャズ雑誌が映る中、昨年休刊になった日本の「スイング・ジャーナル」もあったこと。

監督は、「ベルエポック」('92)でアカデミー外国語映画賞受賞のフェルナンド・トルエバと、著名なデザイナーであるハヴィエル・マリスカル。音楽はベボ・バルデス(Bebo Valdes)。
メイキングを見ると、ハバナの役者に実際に演じさせてそれをアニメにしていた。だから、動きがスムースなのだ。
今年のゴヤ賞(スペイン・アカデミー賞)でも最優秀アニメ映画賞を受賞している。

この線の太い絵もぼくは気に入った。素晴らしいアートだと思う。ストーリーテリングも巧みで、ラストは泣ける。ぼくのようにジャズが好きで、映画が好きな人は、この映画に「恋」をするだろう。

日本でもぜひ公開してもらいたい、見事な逸品!である。

"Love is a song you never forget"

【追記】 24-Aug-11

日本でもラテンビート映画祭(東京、横浜、京都)で上映決定!(2011年9月15日〜)ココ 

Chico y Rita (Chico & Rita) (2010)

Directed by Fernando Trueba and Javier Mariscal
Duration 90 mins

Aspect Ratio 1.85: 1
Dolby Digital 5.1 / 2.0 PCM
Language Spanishi / English

15-Aug-11-Mon by nobu

B004MEZOKG Chico and Rita [DVD]
Icon Home Entertainment  2011-05-09


by G-Tools

サントラ盤もすごくイイ!

B004SRLGSQ Chico & Rita Original Soundtrack
Bebo Valdéz
Sony Music  2011-05-02


by G-Tools

2011-08-10

スパゲッティ・ウエスタン・オーケストラ 香港公演 Spaghetti Western Orchestra Live in Hong Kong 2011

香港で毎年夏に行われる"国際芸術カーニバル"(International Arts Carnival)。今年は、スパゲッティ・ウエスタン・オーケストラ(Spaghetti Western Orchestra)がやってきたので、行って来た(2011年8月4日)。

「スパゲッティ・ウエスタン」って何?と思われるだろうが、日本では「マカロニ・ウエスタン」と呼ばれるイタリア製西部劇のことだ。英語圏ではスパゲッティで、日本ではマカロニと名前がついたのは、一説には、かの淀川長治先生が「スパゲッティは日本人には言いにくいのでマカロニにしなはれ」と言ったとか言わないとか。

ポスターを見ると、「荒野の用心棒」「続・夕陽のガンマン」などのエンニオ・モリコーネの音楽を演奏とある。これはぼくらのような年代(40〜50代)で、マカロニ・ウエスタンを観て来た映画ファンなら行きたくなるわな。

夏休みなので中二の娘も行くかな?と思い、聞いてはみたが、「スパゲッティ」と聞いて、「なんじゃそら?」と笑って「行かない」と。「家でスパゲッティ食べて待ってるわ」と云われ、おっさん一人で会場へ。

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会場の沙田大會堂(Sha Tin Town Hall)へ行ってみて、ビツクリ。ロビーに子供があふれているではないか!
違う会場に来たかな?とチケットを見ても、ここである。中に入ったら、半分くらいの客は子供連れで、残りの半分はぼくのようなおっさん(その多くは西洋人)だった。

満員の会場で、開演を待つ。子供がうるさい。まるでチルドレンズ・コンサートだ。

ナレーションからコンサートが始まる。「俺たちは一人の男を捜している。その男の名は”ボブ・ロバートソン”…」
ボブ・ロバートソンと聞いて、この会場のガキンチョの誰がわかるんだ?これは、名匠セルジオ・レオーネ監督のアメリカ時代の名前なのだ。これは現代の〈マエストロ〉エンニオ・モリコーネの音楽にのせて、西部劇風ストーリー仕立てのコンサートだったのである。

「続・夕陽のガンマン」の、あの「アイヤイヤー♫」の歌声に、会場の子供たちが笑う笑う。彼らはこの楽団をコミック・バンドと思って見に来ているようだ。どうも、小学校などで宣伝し、色んなものを使って音を出す変わったバンドという触れ込みだったようで、コントみたいな時はまた子供らはケラケラ笑う。で、音楽になると飽きる(笑)。廻りにいるガキンチョたちを観察してたら、それなりに面白かったが、やっぱりモリコーネの音楽を愛するものとしては、もう少し大人の観客たちと味わいたかったというのが本音。

このオーストラリア人5名のバンドの面々が、顔を白塗りにしているのは、サイレント映画時代の役者を模している。その当時、映画に音はなく、音楽は生演奏だった。昔の映画館の雰囲気でコンサートを作り上げているのだ。

効果音を出すために、いろんなものを使う。コーンフレークにマイクをつっこみ、砂利の上を歩く音を出す。風船の空気を少しずつ抜いて風の音を出す。ハーモニカを静かに吹いて、西部劇によくある夜のシーンを連想させるなど、アイデアは面白いと思う。

2007年に、モントリオール・ジャズ・フェスティバルで衝撃のデビューを飾り、世界中を演奏旅行しているという面々。彼らにしてみれば、香港のガキンチョなど手慣れたもんなのだろう。ラストは、会場を右と左にわけて、「アイヤイヤー♫」「ワーワーワ♫」(←「続・夕陽のガンマン」のあの歌でっせ)を歌わせて、多いに盛り上げたのだった。子供らがまた元気に歌うんだ、コレが(笑)。
約90分のコンサートは、途中で子供らが泣いたり帰ったりということもなく無事に終わった。

静かに聞きたかったと思う反面、香港の子供らの記憶の中に、モリコーネ音楽の一小節がインプットされたのだな、と思うとそれはそれでよかったかなと思った。HPを見ると、彼らの次の演奏は、BBCプロムスで、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールである。やっぱりそっちで聞きたかったかな(笑)

SPAGHETTI WESTERN ORCHESTRA official site → here

2011/08/04 (THU) 07:30PM
SHA TIN TOWN HALL AUDITORIUM

演奏曲目 (Song List) 作曲:エンニオ・モリコーネ (All compositions by Ennio Morricone)

The Man With The Harmonica 「ウエスタン」(Once Upon A Time In The West)
The Good, The Bad and The Ugly 「続・夕陽のガンマン」(The Good, The Bad and The Ugly)
A Gringo Like Me 「赤い砂の決闘」(Gunfight At Red Sands)
Farewell To Cheyenne 「ウエスタン」(Once Upon A Time in The West)
Chi Mai (Maddalena)
A Medley - A Fistful of Dollars 「荒野の用心棒」, Valkyries 「ミスター・ノーボディ」(My Name is Nobody), For a Few Dollers More 「夕陽のガンマン」
Ecstacy of Gold 「続・夕陽のガンマン」
Two Mules for Sister Sara 「真昼の死闘」
Death Rides A Horse (Theme) 「新・夕陽のガンマン/復讐の旅」主題曲
60 Seconds To What? 「夕陽のガンマン」
Duck You Sucker (Theme) 「夕陽のギャングたち」(主題曲)
Once Upon A Time in West (Theme) 「ウエスタン」(主題曲)
Marcetta 「続・夕陽のガンマン」
The Chase 「荒野の用心棒」
A Professional Gun 「豹/ジャガー」

10-Aug-11-Wed by nobu

2011-08-07

「武侠 / Wu Xia (ウー・シャ)」(原題) ドニー・イェン/金城武/タン・ウェイ/ジミー・ウォング

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香港では2011年7月28日から公開になった期待の新作クンフー映画「武侠 / Wu Xia (ウー・シャ)」(原題)へ行く。
監督ピーター・チャン、主演ドニー・イェン、金城武のこれは大傑作であったのだ!

1917年、雲南省のとある小さな村。紙職人である劉金喜(甄子丹/ドニー・イェン)と妻・阿玉(湯唯/タン・ウェイ)は二人の男の子と共に静かに暮らしていた。ある日、村の雑貨屋に二人の盗賊が現れる。その場に居合わせた劉は、店の主人である老夫婦を助けるため、身体を張って助けようとする。必死の戦いの後、盗賊二人は死んでいた。検死に立ち会った警視(金城武)は、その男の一人が賞金がかるほど屈強な盗賊だったと知り、なぜこんな寒村の紙職人が、彼らを殺すことが出来たのか?と疑念を持つ…。

映画が始まってすぐ、雑貨屋での格闘はドニー・イェンは相手にしがみついているだけに見える。だが、その後丸メガネをかけた金城武扮する探偵の検証では、そうではなく、明らかに急所を攻撃していたのがわかる。
生理学に詳しい彼は、身体のこの部分をヒットすると、それは神経や血管を通り相手にこういうダメージを与えるということを説明する。それをあたかも「ナショナルジオグラフィック」みたいな映像で見せてくれるのだ。

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前半は、ドニー・イェンがいったい何者なのか?10年前に違う村で起きた大虐殺事件との関連は?という「名探偵コナン」のような展開。後半は、クンフーアクション満載だが、なんとうれしや「片腕ドラゴン」へのオマージュになるのである!

中盤、ドニーの怒りがついに爆発し、抑えていたクンフーの妙技を見せる。ここから見ている観客は、アドレナリンがぶりぶり出だすが、そこに登場するドニーが戦わざるを得ない、最大にして最強の敵に扮するのが、(「片腕ドラゴン」主演の)王羽/ジミー・ウォングなのだ!彼の怪物ぶりは見ていて怖いほどの迫力。その新旧クンフー・ムービー・スターが闘うクライマックス・シーンは、クンフー映画ファンなら鳥肌もののはず。ぼくも息を殺して見入ってしまった。

往年のレディ・クンフー・スターである惠英紅/クララ・ウェイとの、フリーランニングからの格闘場面も素晴らしい出来。
アクション監督でもあるドニー・イェンのこの新たな〈型〉のクンフーの殺陣は見事といえる。

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武侠映画は、香港はじめ中華圏では古くから親しまれてきたものだが、あえて「武侠」と題名をつけたほど、これは武侠映画のエッセンスが詰まっている。
だが、監督のピーター・チャンは、この映画を決して古くさいものにせず、スタイリッシュな映像で飽きさせない面白い映画に仕上げた。中国の山や川が美しい撮影をはじめ、アートディレクションも音楽も全て一級品の出来。クンフー映画とはいえ、何か「気品」さえ漂う。

ほぼスッピンのようなメイクで挑んだタン・ウェイとドニーの夫婦物語も、サイドストーリーとして胸を打つ。これは、「イップ・マン 葉問」以来の傑作。大画面でぜひ味わって欲しい。日本でも早期公開を望んでマス。

武侠 Wu Xia (Cantonese Version)(2011)

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Director : Peter Ho-sun Chan
Cast : Donnie Yen, Takeshi Kaneshiro, Tang Wei, Jimmy Wang-Yu
Duration : 115 mins

07-Aug-11-Sun by nobu

(香港版・予告編↓)

武俠 Wu Xia (Blu-ray) (香港版)

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2011-08-02

「カンフー・パンダ2」 3D "Kung Fu Panda 2" ジャック・ブラック / アンジェリーナ・ジョリー / ジャッキー・チェン

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夏休み中、東京から香港へ戻った最初の日曜日。中二の娘と二人で3D映画「カンフー・パンダ2」 "Kung Fu Panda 2"(3D English Version)へ行く。

娘の日本人学校では一学期最後の英語の授業で、この映画の前作「カンフー・パンダ」を英語音声で観たそうで「行こう」と云ったらノって来た。最近、娘は子供用の映画はなかなか行こうとは言わなくなった。「ハリー・ポッター」でさえノって来ない。

映画館に着いて、コーラを買ってやったら「お父さんが一人で来れないから誘ったんでしょ?」と言われた。あいたたた。当たってる。コレ観たくて仕方なかったのは、お父さんのほうでした。あはは。

だが、映画を見終わって、北京楼(Peking Garden)で小龍包をパクつきながら、娘は「すんごい面白かった!想像以上!」と喜んでいた。お父さんは、まさか「カンフー・パンダ2」で涙腺がゆるむとは思いもよらなかったのである。

パンダのポー(声:ジャック・ブラック)及び龍の戦士(Dragon Warriors)たちは、どんなカンフーをも吹き飛ばす武器を開発し中国全土を自分の手に収めようとするクジャクのシェン大老(ゲイリー・オールドマン)に戦いを挑む。だが、ポーはその戦いの中で、自分がガチョウのピン(ジェームズ・ホン)に育てられる以前、親に捨てられた瞬間がフラッシュバックしてしまう。本当の親は今どこに?自分は何者なんだ?心にその思いを抱いたまま、巨大な敵との戦いに突入する。

のっけからスピード感のあるクンフー場面を見せられスカッとする。しかも今回は3Dだ。相変わらず中国の町並みの絵が素晴らしく美しい。コメディとして大笑いする場面も多々あり、前作にも増して、本当に楽しめるアニメである。

今回は、主人公のパンダ・ポーの出生の秘密が明かされるが、なぜ捨てられなければならなかったのか?育ての親、麺屋を営むガチョウはなぜポーを育てたのか?そのシークエンスは、親の立場で観ると泣かされる。

冒頭、クジャクのシェンもその武器開発のため親に勘当され、その辛い思いを中国征服のモチベーションへとかえて行く。その過程を描く美しい影絵も悲しい。

つまりこれは親子の絆を描いた映画なのだ。ただ単に楽しいだけのアニメではなく、生きて行く中での厳しい現実も見せ、だがしかし(どんな形であれ)親の「愛」というものは必ずあるのだということを教えてくれる素敵な作品になっている。

ダスティン・ホフマンが声をやるマスター・シーフー(Master Sifu)って、中国語の「師父」つまりマスター(師匠)から来てるんだね。面白いネーミングだ。今回、嬉しかったのは、伝説のカンフーの使い手として登場するワニの声を、あのジャン=クロード・ヴァン・ダムがやっていること(ワニの動きもヴァン・ダムに似せている)。ジャッキー・チェンも猿の声をやってるし、ミッシェル・ヨーも出てる。アンジェリーナ・ジョリー、セス・ローゲン、ルーシー・リューと英語版はスゴいキャストだな、と改めて思った次第。

「カンフー・パンダ」は、1も2も傑作だった。どうも、ラストシーンを見ると、3も出来そうな気配。だが、その時には娘は一緒に行ってくれないであろう。一人で行くのもハズカしいが、やっぱ3Dで観たいしな…と今から心配するおとーさんであったとさ(笑)

日本では2011年8月19日より公開。

Kung Fu Panda 2 (2011) 3D English Version 功夫熊貓2

Director: Jennifer Yuh
Cast: Jack Black, Angelina Jolie and Jackie Chan
Duration: 91 mins

02-Aug-11-Tue by nobu

B003V27SY0 カンフー・パンダ [Blu-ray]
ジョナサン・エイベル
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン  2010-09-16

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2011-08-01

「これでいいのだ!!映画★赤塚不二夫」 "That's The Way!!" 浅野忠信 堀北真希

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羽田からの帰路、キャセイ機内で「これでいいのだ!!映画★赤塚不二夫」を観たのだ。

原作は「赤塚不二夫のことを書いたのだ」。作者は「少年サンデー」の元編集者・武居俊樹。かの「レッツラゴン」に出て来た武居記者だ。ぼくは原作を読みたいなと思いつつ、海外暮らしのためままならず、今回の映画化でいつか観たいなと思ってたのでありがたかったのだ。

観終わって一言で感想を云うと…「ひどい」。以上なのだ。

演出も脚本(佐藤英明、君塚良一)もなってない。この人たちは「笑い」とは何か?がまったくわかってないようだ。ギャグ漫画家の半生を描いてるのに、ただの一度も笑えない。にやにやもできない。ただ口あんぐりで、機内で飲んだビールもあるのか、ぼくは途中で寝てしまったのだ(巻き戻してまた観たのだ)。

お笑いってライヴ感というか、旬の野菜みたいなもので、新鮮さが大事だとぼくは思うが、このただコスプレを見せたら客が笑うだろう(出落ちだが笑えない)という古いセンスからついていけない。映像で笑わすテンポや「間」が全くない撮影・編集の古臭さ、昭和のニオイ。東映のロゴを見た瞬間から悪い予感がしたが、それが当たってたのだ。

中盤、母親の死後以降ちょっとシリアスなところもあり、そういうテイストも期待したが、後半は「レッツラゴン」をまんま映像化するという暴挙に出て、支離滅裂になってしまうのだ。

1960年代、小学館の新入社員・武居(堀北真希)は、入社式にイヤミの格好で来て「シェー!」を強要する漫画家・赤塚不二夫(浅野忠信)を殴ってしまう。それが縁で「少年サンデー」編集長(佐藤浩市)から赤塚担当の編集者にされた彼女は、最初は破天荒な赤塚に振り回され大変な目に合うが、やがて彼の才能と人間に魅せられ、創作に深く関わって行くことになる。

ぼくは「少年マガジン」で「天才バカボン」が始まった頃、丁度小学生だったので、赤塚不二夫の全盛期を知ってる世代である。当時の赤塚漫画は本当に本当に面白かった。子供ながら、その頭抜けた面白さに「この人は天才だ」と思ったほど。今でもニャロメやケムンパスなどは何も見ないでも描ける。そんなぼくらのヒーローの半生をこんなダメな映画にされて悲しかったのだ。

せっかく芸達者の役者が集まってるのに、ホントにもったいない。浅野忠信がどんなに熱演しても浮かばれない。あんなにカワイイ堀北真希ちゃんなんてSMの女王みたいなコトをやらされて、こんなに頑張ってるのに笑いが取れないんだからトホホなのだ。

カメオで森田芳光監督や内藤陳が出て来る。そんな場面を眺めながらぼくは思った。「多分これは今年のワーストだろう」と。だが、こうも思った。「コレ、ひょっとしたら20年後くらいにカルトになるんじゃなかろうか?」と。そう思えばこの映画を観るために使った時間も無駄にはならんかな?と少し楽な気持ちになったのだ。これでいいのだ!

「タリラリラーンと、108回言ってみ。そしたらバカになれる」(赤塚の台詞)

That's The Way!! (2011) 

Director Eimei Sato
Cast: Tadanobu Asano, Maki Horikita, Koichi Sato
112 mins

01-Aug-11-Mon by nobu

B005DQ1SLG これでいいのだ!!映画★赤塚不二夫 スペシャル版 [DVD]
アミューズソフトエンタテインメント  2011-11-11

by G-Tools

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