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2011-04-27

「ザ・カンパニー・メン(原題)」 The Company Men ベン・アフレック/トミー・リー・ジョーンズ/クリス・クーパー

Odoru2704115

今回東京へ出張した際、羽田行きのキャセイ機内で見たのが、映画「ザ・カンパニー・メン(原題)」"The Company Men"。

主演はベン・アフレック、トミー・リー・ジョーンズ、クリス・クーパー。題名(「会社人間」)を見てわかる通り、サラリーマンの物語である。彼らがリストラにあっちまう。とてもシビアな話だが、考えさせられる映画だったのだ。

エリート社員ボビー(アフレック)は、今朝も高級な背広にネクタイ、腕時計をして、さっそうと白いポルシェに乗り込み、家族と暮らす庭付きの家をあとにする。会社は、物流(Logistics)のコングロマリット。ボビーの職場はその造船部門だ。秘書に「昨日は46、42で廻ったんだぜ」とゴルフ自慢をしたのだが、人事がすぐ来いと云っている。会議室へ行ってみると、造船部門の縮小に伴い、あなたはクビだ、といきなり云われる。

彼らに悪態をついたものの、逆らってもどうにもならない。段ボールに私物を入れて会社をあとにするボビー。
残った上司のフィル(クリス・クーパー)も、造船部門トップのジーン(トミー・リー・ジョーンズ)もいたたまれない気持ちでいる。特にジーンは、自分が講演で会社を留守にしている時に縮小案を実行され怒り心頭でいた。

だが、30年間一緒に会社を大きくしたCEOのジェームズ(クレイグ・T・ネルソン)は、「会社の存続のため」と意に返さない。
人事部のリストラ担当サリー(マリア・ベーロ)と不倫関係にあるジーンは、奥さんがガン治療を行っているフィルは切らないでくれと頼むが、それも実行されず、あげく自分までもリストラにあってしまう。

自分はエリートで有能、利益もあげていると信じて疑わなかったホワイトカラーの男たちが、会社から突然切られ路頭に迷う。年齢も上がり、それに伴いプライドも上がった男たちは、その悲惨すぎる現実と向き合わなければならなくなる。

ボビーは、(自己啓発付きの)職業安定所に行くがろくな職は見つからない。失業保険も打ち切られ、ポルシェも売り、家も売った。唯一の楽しみのゴルフ会員権までも売られてしまう。

「オレは37歳の負け犬だ」("I am 37 years loser.")と妻の前で涙を流すボビー。

「いいえ、あなたには私がいるわ」("No…You have me.")と答える妻(←良い嫁じゃ!・涙)

ボビーは決心する。自分とそりの合わない、妻の兄(ケビン・コスナー)の大工仕事を手伝うと。日給のなれない力仕事。へとへとになる毎日。それでも女房子供のために働かなゃならん。だが、その中で、今まで以上に息子・娘とふれあい、妻マギー(ローズマリー・デウィット)との絆も強くなる。家族みんなで頑張ることで、彼自身も父として、夫として、そして男として変わっていく。

映画は、ラスト少しばかりの希望を持った終わり方をするので救われるが、それまで再就職になかなかつけない描写は身につまされる。職業安定所で、今まで何十人もの部下を使い、大きい会社でそれなりの地位につき、デカいプロジェクトをやってきた、そのプライドをズタズタにされ「このオレ様がそんな仕事出来るか!」と怒る気持ちも男としてよくわかる。

この映画が描こうとしたのは、そんなリストラ後の男たちのつらい姿を見せることだけが目的ではない。アメリカという国が、モノ作りというものを放棄してきている現在、国自体がどうなるのか?という警鐘でもある。

誰もいないさびれた造船所でジーンはボビーにこう語る。

「30年前は、6,000人の仲間とこの造船所で働いた。そして30年後には誰もいなくなった…」

ぼくは海運関係の仕事に従事しているので、アメリカの造船所事情も理解している。この映画では、リーマンショック後云々と語られるが、もう随分前から造船所は閉鎖・縮小を繰り返している。日本、韓国、そして今は中国の台頭。労働集約的装置産業は、人件費の安いところ安いところへとシフトしていく。

実利主義の経営者から見ると、不採算なものはカットするに限るわけで、この映画のように金融・保険部門の充実を計ることが会社の収益を上げることに貢献するならばその部門に特化していくのは当然の成り行きである。

だが、アメリカをはじめ世界の企業が国外へ国外へとその生産拠点を移してしまった。モノは安くなり、消費者はハッピー、結果企業も儲かるという図式が出来上がっているが、そのために国内の多くの労働者は職を失い、培って来た「技能」は次の世代へとつないでいけない。重厚長大なものは不要で、軽薄短小なものだけでその国は果たして良いのか?収益、そしてマネー、マネーだけが目的の経営で果たして良いのか?

ケヴィン・コスナー演じる不器用で、人付き合いが決していいとは云えない初老の大工。彼に象徴されるモノ作りの重要さ。(汗を流す)労働の尊さ。それをなくした国は、国民は幸せなのか?

これは決して対岸の火事なんていうのんきな話ではない。日本でもとっくに起きている労働力のシフトがもたらす後遺症。そしてそれはホワイトカラーをも飲み込んでいるという現実。

資本主義のトップランナーとして走り続けるアメリカで、かような映画が製作されるというのは、大国としての社会の変化が(ゆっくりとだが)起きている兆候かもしれない。そんなことを思わせる映画だった。

サラリーマンはじめ社会人は、この映画と「インサイド・ジョブ」は、このところのビジネスマン向けの映画として面白いのでおすすめです。といっても日本でいつ公開になるのやら?なのだが(笑)

The Company Men (2010)

Written and Directed by John Wells
Cast: Ben Affleck, Chris Cooper and Tommy Lee Jones
Duration: 104 mins

27-Apr-11-Wed by nobu

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コメント

とても魅力的な記事でした!!
また遊びにきます。
ありがとうございます!!

>ビジネスマナーさん

お褒めに預かりまして
こっぱずかしいですが
ありがとうございます。

この記事へのコメントは終了しました。

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