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2011年3月

2011-03-31

「バーレスク」 BURLESQUE クリスティーナ・アギレラ

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クリスティーナ・アギレラ主演のミュージカル映画「バーレスク」"Burlesque"である。日本では2010年12月18日より公開されたが、香港では2011年2月17日より公開となっている。

その日は、ちょうど中一の娘が英検3級の2次試験を受けた日だった。試験が終わり家に帰って来て、出来が悪かったようで、機嫌が悪い。なので気分転換にこの映画へ連れて行ったのだった。
で、見終わったら、もうご機嫌(笑)。(ま、その後合格通知が来たのでよかったのであるが)

クリスティーナ・アギレラという歌手のことは、グラミー賞などで知ってはいたが、あまり関心がなかった。なので、ほとんど彼女の実力を知らずに観たのだが、この映画、彼女の〈頑張り〉で持っているようなものだった。歌が上手いのは一流の歌手だから当たり前だろうが、踊りも頑張っている。映画初主演の彼女が、ともかく力でぐいぐい観客を引っ張って行くぜ!って感じで好感が持てた。

この映画のもう一本の柱、シェールもますます〈人造人間〉に拍車がかかる(笑)。もう貫禄充分だ。というか ちと怖い(笑)。

物語は、歌好きの田舎のおねえちゃんが都会へ出て、バーレスクでウエイトレスの職をみつけ、ついには舞台に立ちスターになるというもの。サイドストーリーとしてシェールが経営するバーレスク自体の買収話もからめてある。陳腐でオールドファッションだが、ミュージカルはいつも書くように、「歌と踊りを見せる」のが一番大事なことなので、これでいいのである。で、この映画は楽曲もいいので気に入った。

「ウエスト・サイド物語」以降、ミュージカルにも社会問題などを盛り込もうとするミュージカル・ドラマが評価される傾向があるようにも思うが、このバーレスクってところが、そもそも猥雑で健全とはほど遠いところ。そこで繰り広げられるバック・ステージの人間模様は、ミュージカルとして見せるにはもってこいのものだ。

なので軽演劇、ヴォードビル・ショーを眺めているような感覚でこの映画は楽しむべきで、それでいいんじゃないかと思う。ミュージカル・シーンが多いのも好感が持てるしね。

中一の娘に見せるには、ちと早かったかなとも思ったが、本人は「『シカゴ』みたいね」とあっけらかんとしたものだ。その後シンガポールへ行った際も、行きも帰りも飛行機の中でこの映画を観ていた(もう3回観てるわけだ)。

アギレラちゃんにパワーをもらえる。ちょっと元気になれる映画かも知れない。DVD出たら娘に買わされそうである(サントラはもう買わされました。はぁ)。

てなことで。

BURLESQUE (2010)

Directed by Steve Antin
Cast: Christina Aquilera, Cher, Stanley Tucci, Cam Gigandet
Duration: 119 mins

31-Mar-11-Thu by nobu

B004NNUL86 バーレスク [Blu-ray]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント  2011-04-27

by G-Tools
B0047MZLT2 バーレスク [DVD]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント  2011-04-27

by G-Tools
Burlesque Burlesque サントラ
Various Artists

by G-Tools

2011-03-30

「狄仁傑之通天帝國/Detective Dee and the Mystery of the Phantom Flame(原題)」 ツイ・ハーク × アンディ・ラウ

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アンディ・ラウが探偵となり、事件を解決していくという中国時代劇映画「狄仁傑之通天帝國/Detective Dee and the Mystery of the Phantom Flame(原題)」である。(前回日本へ一時帰国の際、キャセイ機内で観ていたのだが、ここへ書くのが遅くなった)

これを観ようと思ったのは、監督が徐克/ツイ・ハークだったし、香港でも大作として昨年公開(2010年9月29日)されていたから。それと、今年のHong Kong Film Awardsの作品賞にもノミネートされているからである。

中国は唐の時代、690年のお話。歴史上初めての女帝・武則天(劉嘉玲/カリーナ・ラウ)は即位を間近に控えていたが、側近たちが次々に謎の死を告げるという事件が頻発する。彼女は、8年前に罪人として追放していた狄仁傑(劉徳華/アンディ・ラウ)を呼び戻し事件の解決を当たらせることに。だが、捜査の中で彼は様々な危険に遭遇することになる…。

原題が「探偵ディと亡霊の炎の謎」というように、死をとげる面々が突然火を噴き燃えてしまう。この謎を解明するため、名探偵ディ・レンジエはシャーロック・ホームズよろしく、監視役として皇帝から派遣された静兒(李冰冰/リー・ビンビン)らと共に奇怪な殺人事件の謎にせまる。

ぼくは歴史にうといのだが、映画の中では武則天の就任式に間に合わせるため、彼女の超巨大な仏像が出て来る。こんなもの本当にあったんかいなと思うが、CGで作られたこの場面は劇場のスクリーンで見たらかなり迫力があったはず。最後は「サムソンとデリラ」のようになるのだが。

アクション監督は洪金寶/サモ・ハン・キンポーが担当。ラウもそうだが、美形のリー・ビンビンの格闘シーンもイイ。他の出演者は、名優 梁家輝/レオン・カーファイ、鄧超/タン・チャオなど。

アクション満載の中国製ホームズ。なかなか楽しめるエンタテインメント作品であった。

狄仁傑之通天帝國/Detective Dee and the Mystery of the Phantom Flame (2010)

Directed by Tsui Hark
Cast: Andy Lau, Carina Lau, Li Bingbing, Tony Leung Ka-fai
Duration: 122 mins

30-Mar-11-Wed by nobu

狄仁傑之通天帝國 (Blu-ray) (香港版)(リージョンA)

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狄仁傑之通天帝國 (DVD) (香港版)(リージョン3)

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2011-03-28

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序/破」 [Blu-ray] EVANGELION: 1.11 YOU ARE (NOT) ALONE / 2.22 YOU CAN (NOT) ADVANCE

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今回の東北大震災が起きた後すぐ、ツイッターなどネットで節電を呼びかける動きがあった。彼らはそれを「ヤシマ作戦」と呼んだ。ぼくはそれが何か知らなかったのだが、18歳の息子が「『エヴァンゲリオン』だよ」と教えてくれた。

「ヤシマ作戦」とは、簡単にいうと、地球外からの異星体を一撃で倒すため、全国の電気を一カ所に集める必要があり、日本中を停電にして行った作戦のこと。

そのことを聞いて興味をもった親父は、息子にDVDないの?と聞いたら「ない」という。なので、HMVへ行って「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序/破」Blu-rayを買って来たのだった。

香港では色んな国で発売されたソフトを売っており、ぼくはよく確かめずに買ったのだが、1枚組の「序」"EVANGELION: 1.11 YOU ARE (NOT) ALONE"はアメリカ盤(HK$170・約1778円)、2枚組の「破」"EVANGELION: 2.22 YOU CAN (NOT) ADVANCE"は香港盤(HK$350・約3662円/広東語名「福音戦士新劇場版:破」)であった(もちろん両方とも我が家の日本製プレステ3で観れる)。

オタクが大好物のアニメである。50歳を超えたおっさんが楽しめるかいな、と思ったが、「意外にイケル」というのが正直なところ。土曜日の午後、息子と一緒に「序」「破」と続けて観た。TVアニメ時代から見ている息子は劇場も含め、今回が6回目の鑑賞だと。

14歳の少年 碇シンジ(声:緒方恵美)がこの物語の主人公。彼はNERV総司令官 碇ゲンドウ(声:立木文彦)の息子。世界を救うための巨大兵器 人造人間ヱヴァンゲリヲンのパイロットになるべく呼び寄せられた。なぜ自分が選ばれたのか?父親との確執に苦しみ、自問自答しながらも、使徒と呼ばれる地球外からの脅威と戦って行く。

地球はセカンド・インパクトと呼ばれる大災害で、人口の半数近くを失っており、残った人間たちが必至に使徒と戦っている。ヱヴァンゲリヲンの他のパイロット 綾波レイ(声:林原めぐみ)、 式波・アスカ・ラングレー(声:宮村優子)、真希波・マリ・イラストリアス(声:坂本真綾)もシンジと同じ中学二年生だ。

国連直属のNERV(ネルフ)という特務機関の戦闘指揮官 葛城ミサト(声:三石琴乃)や、ヱヴァンゲリヲン開発責任者 赤木リツコ(声:山口由里子)の指示を受け、少年・少女は命をかけて使徒と戦うという物語。

もともとTVアニメだったものを、この「新劇場版」では新たに作り直している(Rebuild)。なのでアニメを観てなくても大丈夫な作りになっているのだ。

上述の「ヤシマ作戦」は「序」の後半に出て来る。名前の由来は古事記にでてくる日本の古い名称「大八洲国」から。第5使徒のA.T.フィールド(つまりバリアですな)が強すぎるため、射程外からヱヴァが陽電子砲により狙撃を行う。全国の電力を一カ所に集め(巨大な変圧器を使う)そのパワーで敵を倒すのだ。

まぁ、ともかくオタクが騒ぐのはよくわかる。これはとてもよくできたアニメ。ともかく絵が素晴らしく、細部にまでこだわった映像はほれぼれする。特に第三新東京市の日常を描いたなんてことのない場面など、これが本当にアニメか?と驚かされる。Blu-rayで買ってよかったと思ったほど。

これといったとりえもない中二の男子が世界を救うべくヱヴァンゲリヲンに乗り込む。彼は父親に棄てられた過去を持つ。暗い雰囲気の綾波レイもわけありの感じだ(「破」までしか見てないので、彼女が誰かまだわからない)。

ストーリーの中に巧みに新約聖書のプロットを差し挟み、深みを持たせる。悲惨な場面であえて「今日の日はさようなら」や「翼をください」の歌を入れ、感情に訴える。ヱヴァという巨大メカが人間の感情によって動くというのも男の子好きの設定。

女の子キャラも、暗くおとなしい感じのレイと、活発で気の強いアスカ、新たなメガネキャラ マリ。それにNERVのミサト、リツコというミニスカートのおねえさんたちも「萌え系」キャラである。ちょっとエッチなシーンもあり、オタクにはご馳走であろう(笑)。

息子に聞いたら、総監督の庵野秀明は大の円谷プロ・ファンとのこと。だから、ミサトの着信音が科学特捜隊のそれ(キングギドラの声)だったり、氏のスタジオ(カラー)の名前にウルトラマンが現れる時の音がかぶさるのか。
なるほど、それでヱヴァもプラグが外れると、ウルトラマンのように「あと何分」しか動けないのか。

沖縄料理の居酒屋で流れるのもピンキーとキラーズの「恋の季節」だし、シンジが聞いているラジオから流れるのもザ・ピーナッツの「ふりむかないで」だし、昭和歌謡が流れるところもおっさんには好感が持てる。それと、蝉の声や、空の青さ、山の美しさはなぜか懐かしい日本を思い出させる。

50歳を超えて、初めての「ヱヴァ」は、想像以上にすんなりと入っていけ、楽しめた。だって、これ庵野版「新・ウルトラマン」と思えばいいんだものね(笑)。日本のアニメのレベルの高さに改めて驚いたとさ。

まだ公開の発表がない、「序破急」の最終章「急」(「Q」となったようだが)の公開も楽しみになってきたゾ。劇場で観たいけど、50過ぎのおっさん一人では行きにくいな(照)。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」
EVANGELION; 1.11 YOU ARE (NOT) ALONE (2007)
98 mins

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」
EVANGELION: 2.22 YOU CAN (NOT) ADVANCE (2009)
108 mins

総監督:庵野秀明

28-Mar-11-Mon by nobu

Evangelion: 1.11 You Are Not Alone [Blu-ray]
Evangelion: 1.11 You Are Not Alone [Blu-ray]

Evangelion: 2.22 You Can (Not) Advance. (Blu-ray) (2-Disc Edition) (English Subtitled) (Hong Kong Version)

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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 (EVANGELION:1.11) [Blu-ray]
B001VNCVTI
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 EVANGELION:2.22 YOU CAN (NOT) ADVANCE.【通常版】 [Blu-ray]
B002HK3HWE

2011-03-26

「ザ・ファイター」 The Fighter マーク・ウォルバーグ/クリスチャン・ベイル/メリッサ・レオ

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香港でも2011年3月10日から公開になっていた映画「ザ・ファイター」"The Fighter"に行って来た。実在するボクサー ミッキー・ウォードの話である。

昔ぼくが電車に乗っていた時、向かい側に座った背広を着たサラリーマン風の人が「第○回全国高校野球選手権大会出場記念」という(甲子園でもらったであろう)鞄を大事そうにかかえていたのを見た。その時ぼくは「あぁ、この人は過去の栄光の中で生きてるのだろう」と思ったのだ。人は過去の栄光を捨て去って今を生きなければならない。そうじゃないと生きづらい、だがそれを出来ない人もいる。この映画に出て来る主人公の兄ディッキーもそんな男の一人だ。

クリスチャン・ベイルは、実在するディッキー・エクランドというミッキーの異兄弟を演じて本年度アカデミー賞で助演男優賞を得た。これは名演というより怪演といった方が似つかわしい。コカイン中毒のジャンキーで、たぶんボクシングをやりすぎてパンチ・ドランカーになったのか、ちょっとイっちゃってる人物になりきっているからだ。

ともかくこのお兄ちゃんの自慢は、20世紀の名ボクサー シュガー・レイ・レナードと戦い、一度ダウンをとったことがあるということだけ(レフリーはスリップと判断)。これが人生最高の〈瞬間〉で、彼はこのピークのまんま時間が止まっているかのようだ。HBOのドキュメンタリーの取材を受けるが、今は落ちぶれて、薬物中毒になったボクサーの転落を撮られているということを彼は知らない。

確かにシュガー・レイと戦ったというのはスゴいことだ。ぼくも80年代初頭だったか、トーマス・ハーンズとのウェルター級王座統一戦をTVで見たが、後にも先にもあんなスゴいボクシングは見たことがない。あれを超える試合は未だに見てないと思うくらいの名勝負だった。

そのシュガー・レイを「倒した」お兄ちゃんをマーク・ウォルバーグ扮するミッキーは尊敬している。だらしないお母ちゃん(メリッサ・レオ)はいろんな男と寝て、9人も子供を産んだ。家の中は"ニート"な姉たちが占領している。まるで"ミニ"「カッコーの巣の上で」のよう。そんな姉たちも自分のファイトマネーで養ってやらなきゃならないミッキー。

直前に変更された20ポンドも体重が違う相手と、金のために、戦わなきゃならなかったミッキーは、やがてバーで働くおねーちゃん(エイミー・アダムス)と知り合い、母、兄をさけて自分のために試合をするようにと考えるようになる。

警察による暴行で、大事な拳を痛めてしまうのも兄のせい。その兄も刑務所に入ってしまう。二人の仲は決定的に悪くなるが、この映画のキモは、その最悪の兄が「変わらなきゃ」と思うところ。
ヒーローと呼ばれた兄が、「I was, I was …」と過去形で答える後ろ姿は、過去の自分にさよならを告げる男のいい場面。

やがて、ボクシングだけは真面目だった兄も、弟のためにトレーナーとなる。そして"世界"に挑戦するんである。

マサチューセッツの田舎町で、最下層の生活をする人間たちの描写がリアルだ。最近こういうテイストの映画が多いなと思ったら、製作総指揮に、かのダーレン・アロノフスキーの名前がある。もともとこれは彼が監督する予定だったのだと(監督はデヴィッド・O・ラッセル)。だから限りなくアロノフスキーの映画に近いわけだ。

してすれば、アロノフスキーの関わった映画(「ザ・レスラー」も「ブラック・スワン」も)に出ればオスカーがもらえるってことか(笑)

映画そのものは出来はいいのであるが、平坦なドラマで感動も少ない。好き嫌いでいうと、ぼくは「好きじゃねえ」部類だ。これは、アカデミー賞で助演男優(ベール)、助演女優賞(レオ)をとった彼らの"演技を観に行く"映画。
辛辣なドラマだが、ダメなお兄ちゃんが、人生で一度だけ〈本気〉になる。それがあっただけこの映画は救いがあった。高い評価もその辺りに理由があるのかも知れぬ。

日本では2011年3月26日より公開。

The Fighter (2010)

Director : David O. Russell
Cast : Mark Wahlberg, Christian Bale, Amy Adams, Melissa leo
Duration : 114 mins

25-Mar-11-Fri by nobu

2011-03-25

エリザベス・テイラーと「陽のあたる場所」

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エリザベス・テイラーが亡くなった。享年79歳。ハリウッドのアイコンがまた一人去って行った。
女性として初めて100万ドルの出演料を手にした「世紀の女優」であり、7人の男性と8回もの結婚(リチャード・バートンとは2度結婚した)というゴシップもマスコミを騒がせ、これもハリウッドの「セレブ」らしさが残る最後の大女優だった。

「緑園の天使」「若草物語」「花嫁の父」「熱いトタン屋根の猫」「クレオパトラ」「いそしぎ」「ジャイアンツ」…… 数々の名作に出演した彼女だが、リズの出演した映画でぼくが一番印象に残っているのは、ジョージ・スティーブンス監督の「陽のあたる場所」"A Place In The Sun" (1951)である。

生まれは貧しいが工場で働く真面目な青年が、ある日パーティでお金持ちのお嬢さんに出会う。だが彼には町工場で働く同僚のカノジョがいた。身分の違いがあるが、青年は美貌のお嬢さんとの交際にかたむいていく。やがて町工場のカノジョから妊娠していることを告げられた青年は、誤ってカノジョを殺してしまう…。

青年役は、モンゴメリー・クリフト。町工場のカノジョはシェリー・ウィンタース。そして、美貌のお嬢さんがエリザベス・テイラーである。

交通事故で顔を傷つける前のモンゴメリー・クリフトのハンサムぶりもスゴいが、なんといってもリズの美しさは見惚れるほどだった。ぼくはこの映画、たしか高校の頃テレビ「月曜ロードショー」で観たのだが、解説の荻昌弘さんが「キス・シーンが美しい」と話してて、ほんと白黒の映画なんだけど、口をあんぐりあけてその場面を見つめていたのを思い出す。エリザベス・テイラーの美しさ、ここに極めり、である。

人はいい娘なんだけど、やぼったいシェリー・ウィンタースより、美人でお金持ちの娘のリズと結婚した方が「逆・玉の輿」だし、出世もできる。どっちをとるか?究極の選択は、男にとって身につまされる話であるが、うーん男ならこの〈美しさ〉をとるな、と思わせる説得力と品格がリズにはあった。

晩年のリズは、若い男と結婚・離婚を繰り返し、美貌を保つため整形手術も行っていたという。「別離」('74)で、夫の冷えきった愛を取り戻すため、若返りの全身整形をする役を演じたのも、ある意味自虐的である。仲のよかったマイケル・ジャクソンの整形も彼女の影響とか。

友人ロック・ハドソンの死をうけ、エイズ撲滅の慈善運動にも力を注いだ。皮膚がんなどの病気もあり、私生活は大変だったようだとも(「何が大変って、エリザベス・テイラーくらい大変だ」と云うジョークもあったほど)。

だが、子役から始まった彼女の人生は終生「陽のあたる場所」だったかも知れない。2011年3月23日のアメリカABCニュースは、トップで彼女の訃報を伝えた。「スーパースターの死」「一つの時代の終わり」と。バイオレットの瞳が美しかったリズ。ご冥福をお祈りします。

Elizabeth Taylor  1932 - 2011

24-Mar-11-Thu by nobu

B003M2EZC2陽のあたる場所 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン 2010-08-06

by G-Tools

2011-03-24

ネットで話題の動画「買い占めするならカネ送れ」&「枝野官房長官会見」

ツイッターで知ったこの動画「買い占めするならカネ送れ」はイイ。
ヒットラーおかんむりの元ネタは映画「ヒットラー最後の12日間」と思う。
削除される可能性が高いのでお早めに。

「枝野官房長官会見」は中一の娘に教えてもらった。
これもみんなの想い。


18歳の息子に教えてもらった → Pray for Japan

2011-03-22

劍雨/Reign of Assassins(原題) ミシェル・ヨー/チョン・ウソン

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東北大地震の報道を見るにつけ本当に心が痛み、このブログもあまり書く気がしなかったというのが正直なところだが、今日、香港赤十字社へ義援金を持って行き、香港日本領事館で記帳をしてきたので、これからぼつぼつこのブログも書いていこうと思う。

先日息子の卒業式のために行ったシンガポールからの帰路、キャセイ機内で観たのが、この中国アクション武侠映画「劍雨/Reign of Assassins(原題)」である。

古代中国、修行の末格闘技を極めたと云われた僧侶の亡骸が二つに分断され行方知らずとなっていた。その二つを合わせることが出来れば格闘技の無敵の力を授かることができると云われ、人々はその行方を追っていた。
数百年後、暗殺組織の女性戦士はその亡骸を捜す過程で、ある人物を殺してしまう。それをきっかけに暗殺組織を辞める決心をした女性戦士は、整形し姿形を変え隠者として生活するのだが……。

ミシェル・ヨー扮する女戦士は一流の暗殺者であるが、今は気弱な夫と平凡な生活をしている。そのちとバカっぽい夫を韓国のスター チョン・ウソンが演じる。なぜ彼が演じているかは、映画の最後にわかる仕掛けになっている。

プロデューサーのテレンス・チャンは、元ボンドガールのヨーのための題材を捜していたというが、前半の若い女性戦士(ケリー・リン)が、整形によってヨーに変わったとたん「老けたなぁ…」と思わせるのがご愛嬌。今回は剣劇アクションが主だが、相変わらずヨーの殺陣はキビキビと美しい。さすがに香港でカルシウムたっぷり牛乳のTVCMに出てるだけのことはある(笑)

ヨーの使ってる剣は、生きもののようにぐにゅーと曲がり人を刺す。こんな剣があったと思わせるのは中国の長い歴史があるおかげ。伝説や神話の類いは中国では腐るほどあるからね。CGのお陰でこういった〈ありえない〉ものがこれからも続々出て来るかも知れぬ。

他の出演は、台湾からバービー・スーやケリー・リン。中国からワン・シュエイン、香港からショーン・ユーなどアジアの人気俳優が顔を揃える。

名優ワン・シュエイン(「十月圍城」)は、バービー・スーにインポを見破られて怒るというなんともはやな役だったので少し笑った。

ぼくは香港公開時(2010年10月)、これはジョン・ウーが監督した映画と思ってたんだが、彼はプロデューサーで(ただ撮影所に入り浸ってアクション・シーンの演出をしていたようだが)、監督はスー・チャオピンだった。だからというわけではないが、作品としてはもうひとつだったかな。面白いのは面白いんだけどね。(ま、娯楽映画をまだ楽しめるという心境じゃなかったというものあるが)

余談だが、香港へ帰って来て、空港のスターバックスで見たこともない長蛇の列を見た。聞いたらその時間(2011年3月18日の3時から5時まで)の売上は全額日本の震災へ寄付されるとのことだった。パイロットやCAの姿もあった。「謝謝」と云った。

劍雨/Reign of Assassins (2010)

Director: Su Chao-pin
Cast:  Michelle Yeah, Jung Woo-sing
116 mins

22-Mar-11-Tue by nobu

劍雨 (Blu-ray) (香港版) リージョンA

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2011-03-20

『ヒア アフター』 Herafter (上映中止は残念だが、正当な判断と思う)

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息子の高校の卒業式出席のため、シンガポールへ行った。式では今回の大震災で亡くなられた方々へ黙祷を捧げ、校長先生はじめ先生方からも、海外で生活した人間として気概を持って日本復興のため力を尽くしてほしいとのお話があった。

そのシンガポールへ行く往路(3月16日)、キャセイ航空の機内で観たのが映画『ヒア アフター』"Hereafter"である。クリント・イーストウッド監督作品であり、見逃していた映画なのでこれをチョイスした。

香港へ戻り、ネットでこの作品が日本で上映中止となったというニュースを読んだ。スマトラ沖大地震で街が大津波に襲われるシーンがあり、配給のワーナー日本支社は「震災の被害状況を鑑みた」という(→ asahi.com)。

ぼくも津波のシーンがあることは知っていた。だが、この映画を選んだのは、作品として云わんとしていることはもっと精神的に深いものだということを(薄々)知っていたからである。

映画が始まり、すぐに大津波のシーンがあった。フランス人女性ジャーナリストが津波に巻き込まれるのだが、逃げ惑う人々が津波にさらわれ、一緒に逃げていた幼い女の子の手も離れてしまい、自身も流木か何かに頭を直撃されてしまう。

CGとはわかっているが、このシーンは観ていて辛かった。このまま観るのを止めようかとも思ったほどだ。

今回の東日本を襲った大惨事。今日2011年3月19日の朝日新聞(国際版)によれば、死者は6,911人。安否不明は18,994人。避難は403,975人である。その被災された方々の心中を察すれば、今回の上映中止は残念だが、当然のことに思える。

映画とは、〈映像で語るもの〉。そして映像は何でも映すことができる。この映画の意図は全く違ったところにあることは、映画を観終わればわかるのだが、そこに現れるリアルな津波の描写は、実際に被害にあった方々には直視出来ない映像だろう。

ぼくら被災してない人間は、彼ら被災された方々の気持ちを想像することしかできない。それを考えると、今回の上映中止の判断は〈人として〉正しいと思うのである。

監督のクリント・イーストウッドも、DVDとBlu-rayの収益を被災地へ寄付したいとワーナー側と話し合っているとの報道を読んだ。そのことから監督自身も今回の措置は納得しているものと考える。

映画そのものは、アメリカに住む霊能者(マット・ディモン)、(上述の)生死をさまよう経験をしたフランスのジャーナリスト(セシル・ド・フランス)、イギリスの貧しい家に生まれた双子の兄弟(フランキー&ジョージ・マクラレン)が、それぞれに生きて行く中でヒアアフター(死後の世界)と触れるというもの。

愛する人を亡くした人間は、その人を愛おしみ、また会いたいと願う。

妻を亡くしたぼくは、そのことは痛いほどよくわかる。だが、冷たいようだが、この映画で描かれる少年のように、残された人間は一人でその重みと辛さに耐えて生きて行かなければならないのだ。

ぼくがこの映画を観てもいいかなと思ったのは、今年で妻を亡くして4年目だからである。その〈痛み〉と〈辛さ〉が少し軽くなり、やっとこの手の映画を(徐々に)観れるかなと思えるようになってきた。映画が大好きなぼくでさえこうなのだ。

だから、被災された方々などの目に触れることは今は避けた方がいい。日本中に、その哀しみのまっただ中にいる人たちは多くいると思うから。

いつか、被災された方々がこの映画の少年のように、帽子を脱いで笑顔になれる日が来ることを心から願っている。

Hereafter (2010)

19-Mar-11-Sat by nobu

2011-03-17

香港での地震見舞広告 "WITH YOU JAPAN"

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2011-03-12

時間が戻せれば… 東日本大震災

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昨日起きたM8.8 東日本大震災の報道をNHK World Premiumで見ていると胸がつぶれそうになる。
CNN、BBC始め、中国のCCTVも昨日からすべてこの報道だ。

映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』では、戦争で亡くなった息子にもどってきてほしいと、駅に設置する大時計の秒針を逆に動かし、時間が戻るというものを作ってしまった父親のせつない話があるが、今被災された方々はみなさんそのような思いでいらっしゃるのではないだろうか。

たまたま観たばかりの『世界侵略:ロサンゼルス決戦』でも、被弾したロスの上空をヘリから眺める映像から、画面は突然「24時間前」へと戻る。若き兵士たち、軍曹たちが、それぞれ平凡な暮らしをしていることが映しだされる。それが普通の、当たり前の生活だったのだ。

もし映画のように、時間が戻せれば…、と思うのはぼくだけではないだろう。

もうこれ以上、被害がないことを心から願う。余震も続いており、福島第一原発も『チャイナ・シンドローム』のようにならないよう祈っている。

行方不明の方々の一刻も早い救出をお祈りしています。愛する方を亡くした方々にお悔やみ申し上げます。我慢なさらないでくださいね。ぼくも一緒に泣いています。

香港からぼくも出来るだけのことをするつもりです。

2011-03-11

『世界戦略:ロサンゼルス決戦』 World Invasion a.k.a Battle: Los Angels

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香港では2011年3月10日から始まった映画『世界戦略:ロサンゼルス決戦』に息子と行った。この映画、香港では"World Invasion"という原題だが、北米では"Battle: Los Angels"である。日本公開版はどちらの原題になっているのだろうか。

ぼくはAmexのカードを持っているのだが、香港発行のものは誕生月に色々送ってくれる。
その中に2人分の映画チケットもあるので使ったのであった。
男同士で行くなら、やっぱしSFアクション映画だろうと、ちょうどこの日が初日のこの作品を選んだのである。

2011年8月11日。世界中に流れ星のような閃光が走った。それは異星からの攻撃であったことはTVのニュースが伝えている。その画面を横目に軍隊は現場へと降り立つ。サンタモニカの海岸をおびただしい数のエイリアンが上陸し、殺戮を繰り返す。海兵隊の一員(アーロン・エックハート)たち小隊の面々は、かつて経験したことのない敵との戦いに挑んで行く。

モキュメンタリー・タッチで横長大画面に映し出されるロサンゼルス市街は、エイリアンからの攻撃で破壊され戦闘地帯と化している。はじめはヘリ移動、そして地上戦と、小隊の兵士たちは危険な場所へと徐々に歩を進めていく。

市街戦では「人間以外は何でも殺せ」との指令を受け、砂ぼこりの中から現れる不穏な生き物を撃とうと銃を身構えるが、犬とわかりホッとしたのもつかの間、エイリアンたちの波状攻撃を受ける。

ここからカメラは、観客を戦闘地帯へと連れて行く。いつエイリアンに攻撃されるかわからない緊迫した場面が続く。市民を助けながらの小隊の活躍ぶりはスリルもありハラハラしながら展開する。爆発場面の大音響。兵士たちの目線からのカメラ・アングルは臨場感バツグンだ。テイストは、『クローバーフィールド/HAKAISHA』『第9地区』に似ている。(ぼくは『スカイライン-征服-』は未見なものでね)

アーロン・エックハート(『ダークナイト』)演じるワケありのサージェントがかっこいい。〈ジョン・ウェイン〉と揶揄されるが、その兵士としてのプロ根性と、人々を守りたいという(古くさい)心意気がグッとくる。ミシェル・ロドリゲス(『マチェーテ』)やミュージシャンのニーヨなどが演じる小隊の若い隊員たちも徐々に彼に尊敬の念を持ちだす。

観終わって、チト疲れたがお父さん的には面白かったなと思い、18歳の息子に感想を聞いたら、「まあまあ」と意外な答えが帰って来た。

ゲーム世代の息子は、プレステで戦闘型ゲーム「コール・オブ・デューティー」なんかをやっていて、エイリアン襲撃ものでは「CRYSIS」というPCゲームがこの映画なんかより面白いのだと。
それを聞いて、お父さん世代のぼくは「映画のライバルはもはやゲームになったのか」と思わされた。若い世代はこの映画よりもっと刺激的な映像を日々見ている。CGでは何でも描けるからだ。それに対抗するため実写はどんなにCGを駆使してもかなわないところがあるのかな、と。

ここに現れるエイリアンたちがなぜ地球を攻撃したのか理由は明かされない。もの言わぬエイリアンたちにある日突然襲われ、それを迎え撃つアメリカ軍。善良な市民を守るため命を落とす兵士たち。いわゆる「ロサンゼルスの戦い」という歴史的事実をベースにしているのだろうが、こうゆう映画が製作されるというのは、10年前にアラブ諸国からテロ攻撃にあい、未だ戦いを終わらせられないアメリカの欲求不満が鬱積しているということの現れなのだろうか。

お父さん世代はSFアクションとして楽しめると思います。20歳未満のゲーム世代ヤングメンにはチトもの足んないかもね(笑)

日本では2011年4月1日公開予定。

World Invasion (2011)

Director : Jonathan Liebesman
Cast : Aaron Eckhart, Michelle Rodriguez
Duration : 116 mins

11-Mar-11-Fri by nobu

2011-03-09

マイケル・ジャクソン VISION [DVD] 〈映画ファン的考察〉 Michael Jackson's VISION

マイケル・ジャクソン VISION【完全生産限定盤】 [DVD]

2010年11月24日に発売されたマイケル・ジャクソンのショート・フィルム集「マイケル・ジャクソン VISION」"Michael Jackson's VISION” DVDである。発売からもう3ヶ月ほど経ってしまったが、マイケル・ファンであり、映画も好きなぼくのレビューを少々。

美しくリマスターされた全42曲、4時間40分のマイケルの残した映像を見ていて、ぼくはこれはマイケル版《ザッツ・エンタテインメント》だと感じた。

「ザッツ・エンタテインメント」とは、MGMミュージカル映画の名場面集。1974年に1作目が作られ、その後Part 2 ('76)、Part 3 ('94) と製作された至極のアンソロジーである。そのLDボックス日本版製作を少しばかりお手伝いしたぼくは、渋谷のタワレコでマイケルがそのボックスを買ったという話を担当の方から聞いて嬉しく思ったものだ。

マイケルがMGMミュージカルが大好きで造詣が深かったという事実。それは日本版の「ザッツ〜」を買い求めたということからも伺えるのである。

そのことを一番証明出来るのが「スムーズ・クリミナル」だ。これはマイケルが、敬愛するタップダンスの〈至宝〉フレッド・アステアに捧げたもの。30年代ギャングの衣装やバーの雰囲気など、まんまアステア主演の傑作『バンド・ワゴン』の「Girl Hunt Ballet」へのオマージュに満ちている。この本編が収められている映画『ムーンウォーカー』は、日本では1988年に公開されているが、1987年6月22日にアステアは亡くなっているので、マイケルはアステアと同じ衣装の腕に〈喪章〉をつけて踊るのである。

(左:『バンド・ワゴン』のアステア。右:「スムーズ・クリミナル」のマイケル)

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マイケル・ジャクソンは自身の作品をミュージック・ビデオとは呼ばせず、ショート・フィルムと呼んだ。そのため、1本の製作費は並のアーティストとは比較にならないほど膨大なもので、その監督の起用も豪華なものであった。

有名な、そして彼の人気を決定的なものにしたジョン・ランディス監督(『ブルース・ブラザーズ』『狼男アメリカン』)による名作「スリラー」。この13分42秒の完全版を深夜のMTVで見た時にどれだけ感動したものか。ランディスはその後「ブラック・オア・ホワイト」でも起用され、当時『ホーム・アローン』で大人気だったマコーレー・カルキン君も出演している。

続く大物監督は、NY派の巨匠マーティン・スコセッシ(『タクシー・ドライバー』『レイジング・ブル』)による18分15秒の「BAD」。マイケルは当初スティーブン・スピルバーグを希望していたようだが、マネージャーのフランク・ディリオに説得されスコセッシに決めたそうだ。モノクロとカラーのコントラストが素晴らしいショート・フィルム。

「リメンバー・ザ・タイム」では当時若手黒人監督の有望株ジョン・シングルトン(『ボーイズ’ン・ザ・フッド』)を起用。エディ・マーフィーやマジック・ジョンソンが出演し、CGも使ったエジプトの物語になっている。

今やアメリカを代表する名監督の一人に数えられるデヴィッド・フィンチャー(『セヴン』『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』『ソーシャル・ネットワーク』)を起用した「フー・イズ・イット」はとても〈映画的〉なショート・フィルムになっている。当時ビデオの監督名は大きくとりあげられなかったが、フィンチャーが大物になったのでクローズ・アップされた。

「ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス」は黒人の社会派監督スパイク・リー(『ドゥ・ザ・ライト・シング』『マルコムX』)を起用。この撮影では『シティ・オブ・ゴッド』の影響もあり、リオの貧民街を映すことに、当時オリンピック招致をしていたブラジル政府は許可を出そうとしなかった。それだけマイケルの影響力があったということだろう。

本来は40分ある「ゴースト」短縮版は、スティーヴン・キングの脚本により、特殊メイクのエキスパート スタン・ケントン(『エイリアン2』)が監督したもの。40分版は収録できなかったのかとチト悔やまれる。

余談だが、「VISION」には収録されていないが、ディズニーランドで公開された3Dによる「キャプテンEO」は、ジョージ・ルーカス(『スター・ウォーズ』)製作、フランシス・コッポラ(『ゴッド・ファーザー』)監督という超豪華なものだった。

その他にも、「ビート・イット」は明らかに『ウエスト・サイド物語』の影響があるし、「リーヴ・ミー・アローン」では、MGMミュージカルに出演していた頃のエリザベス・テイラーも(写真だが)出て来る。今回初めてロング・ヴァージョン(13分40秒)で見た「ユー・ロック・マイ・ワールド」は、なんとマーロン・ブランドを出演させ『野郎どもと女たち』をやろうとしたのが見てとれる。

これだけの監督と仕事をしたというだけで、並のハリウッド・スターよりスゴいと思う。幼くして有名になったマイケルは、映画館へも気軽に行けなくなり、映写技師を家に呼んで、MGMミュージカルを始め映画を見まくったという。それが彼のショート・フィルムという〈短いミュージカル〉に影響を与えたのは自明の理だったろう。だからマイケルのビデオは、その卓越した歌と踊りだけではない(サムシング・エルスの)楽しさと素晴らしさがあるのである。

「スムーズ・クリミナル」撮影現場に、フレッド・アステアと長年コンビを組んだ振り付け師ハーミズ・パンが訪れた時のこと。有頂天になったマイケルに、パンは「ここにフレッドがいたら、どんなに誇りに思ったろう」と話した。マイケルはそのことを生涯自慢していたと云う。彼も本当に「映画ファン」だったのだ。もし生きていて、もし会えたらMGMミュージカルの話を始め、気が合ったろうなと思える(我々と同じ)映画好きの一人だったのである。

マイケル・ジャクソンはもうこの世にはいないが、ぼくの残りの人生はこの「VISION」があれば生きてゆける。そんな気持ちにさせる素晴らしいDVDセットである。マイケル・ファンのみならず映画ファンにもおすすめします。

Michael Jackson's VISION

09-Mar-11-Wed by nobu

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2011-03-08

『エアベンダー』 The Last Airbender 第31回ゴールデンラズベリー賞受賞!

Odoru0803117

M・ナイト・シャマラン監督の映画『エアベンダー』"The Last Airbender" が第31回ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)にて、最低映画賞、最低脚本賞、最低監督賞、最低助演男優賞、最も3Dの使い方が間違っている映画賞の5冠に輝いた!

ゴールデンラズベリー賞とは、アカデミー賞授賞式の前日に発表になる映画賞で、アメリカで毎年その年の最低の映画を投票により決めるというもの。今年(2011年)で31回目の〈由緒ある賞〉なのだ!(笑)

今年は、ノミネート作品が結構メジャーなものだったのでわかりやすかった(アメリカでしか公開されないものが受賞することも多々あるのでね)。

ちなみに今年の最低作品賞の候補は、以下の5本。

『セックス・アンド・ザ・シティ2』
『エクリプス/トワイライト・サーガ』
『バウンティ・ハンター』
『ほぼトワイライト/Vampires Suck』
『エアベンダー』

最低主演男優賞は、アシュトン・カッチャー(『キス&キル』『バレンタインデー』)
最低主演女優賞は、(『セックス・アンド・ザ・シティ2』の"女子"4人 )サラ・ジェシカ・パーカー、キム・キャトラル、クリスティン・デイヴィス、シンシア・ニクソンである。

こうなると、映画ファンなら『エアベンダー』がどうしても観たくなるよね(笑)
香港でDVDを買おうかと思ったが、なんかもったいない(爆)。で、考えたのが、昨年 iTunesで始まった映画レンタル。検索してみたら、あったあった。¥400で借りられるではないか(→ココ) 。さっそくダウンロードして、iPadへ転送したのだった。

いやー、サスガにラジー賞をもらっただけのことはある。納得の一本である!

一言で云うと「退屈」

以上… (笑)

抑揚がまるでなくって、暗ーい画面が続く。なんだかよくわかんない話なのに、続きがある終わり方になる。
出張中に飛行機の中で観たのだが、途中で寝てたよ(笑)

監督のM・ナイト・シャマランの演出作風は、(コアな映画ファンならご存知の通り)一言で表現すると〈おもわせぶり〉だと思う。なまじっか、『シックス・センス』で成功したものだから、そんなのばっかり作ってて最近の『ハプニング』なんて、何にもハプニングが起きないで終わるという観客おいてけぼりの映画も作ってしまった人である。この作品も期待はしてなかったが、今回こんな子供向けの題材で露呈したのは、彼は〈盛り上げ方〉を知らないノリの悪い監督だったんだな、ということ。

物語はこうだ。気・水・土・火の4つの王国が支配する世界。その王国にはそれぞれ「ベンダー」と呼ばれる「エレメント」を操る者がいる。そのなかでも4つの「エレメント」全てを使える「アバター」は世界調和をもたらす選ばれし者。だが、その「アバター」の能力を持つ気の国の少年アン(ノア・リンガー)は自分の宿命に耐えきれず逃げ出して氷の中に閉じ込められてしまう。100年後、水の国のサカ(ジャクソン・ラズボーン←最低助演男優賞受賞!)とカタラ(ニコラ・ペルツ)の兄弟がアンを発見。眠りから覚めたアンは気の国が火の国に滅ぼされたことを知り、今度こそ「アバター」として様々な試練に立ち向かうことを決意するのだった。

物語上、アバターであるアンの成長物語として脚本を書かなければならなかったのに、その成長の度合いがあまりに遅くて、回想場面など必要のないシーンが多い。子供向けなんだからもっとストレートにプロットを語り、クライマックスでわくわくさせる《アビルドセン・タッチ》な映画にすればよかったのに。

主人公の男子アンは、頭に入れ墨があり「三つ目がとおる」みたいだ。「エレメント」と呼ばれる超能力は水の国は水で、火の国は火を使うわけで、その出し方は「ドラゴン・ボール」の〈かめはめ波〉である。彼らがワイヤーアクションでクンフーを披露するのだが、これもどのシーンもカタルシスに至らない。中途半端なのである。CGは結構頑張ってるので余計に惜しい。

ぼくは日本語吹替版で観たのだが、少年たちの演技がボロクソに云われてて、これは字幕で観るのが正しい鑑賞方法やったなとチト後悔した(笑)

もともとこれはアメリカで人気のアニメ『アバター 伝説の少年アン』の映画化。全三部作になるという。
だが、そのアニメファンの子供たちも落胆させたシャマラン監督の罪は重いと思う。

アメリカの人気サイト Rotten Tomatoes でも(100%中)6%となんともはやの評価。

こうなったら第二作、第三作もラジー賞を狙って、全て「最低映画賞」を受賞し、違った意味で映画史上に残ってほしいと思う(笑)『ライラの冒険 黄金の羅針盤』のように続編が製作中止にならないことを願いつつ……

The Last Airbender (2010)

Written and Directed by M. Night Shyamalan
Cast: Cliff Curtis, Dev Patel, Jackson Rathbone, Noah Ringer, Nicola Peltz
Duration: 103 minutes

08-Mar-11-Tue by nobu

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2011-03-04

『ソーシャル・ネットワーク』は《市民ケーン》になれるのか?

Odoru0303115

2011年もアカデミー賞授賞式が終わり、最優秀作品賞には映画『英国王のスピーチ』"The King's Speech"が選ばれた。監督賞・主演男優賞・脚本賞と主要4部門での受賞である。

今年第83回目の作品賞を発表したのは、スティーヴン・スピルバーグ監督。賞を告げる前に彼はこう云った。「作品賞に選ばれれば『波止場』『真夜中のカーボーイ』『ゴッド・ファーザー』『ディア・ハンター』と同じ名誉。選ばれなかったら『怒りの葡萄』『市民ケーン』『卒業』『レイジング・ブル』と同じ名誉です。今年のノミネート作品は…』てな具合。

ここで彼が云おうとしたのは、本来オスカーをもらうべき〈不朽の名作〉が必ずしも受賞していないという事実である。今年は特に『ソーシャル・ネットワーク』"The Social Network"が候補にのぼっていたので余計にそう云いたかったのだろう。

昨年末頃までは、アメリカの雑誌などを読んでも『ソーシャル・ネットワーク』で決まりだと書いてあった。だが、年を越して、数々の映画賞が発表になると、形勢は一気に『英国王のスピーチ』にかたむいて行く。評論家や玄人好みの、おそらく2010年代のベストの一本になるであろう『ソーシャル〜』よりも、世の中の空気は〈人々に愛される〉映画『英国王〜』へとシフトしていったのだ。

アカデミー賞とは〈映画の都〉ハリウッドに住む映画人約6000人の投票によって決まる。いわば内輪のお祭りである。なので、この結果が決して「最高の作品」あるいは「最高の俳優」とは限らない。だが、世間一般ではアカデミー賞 =「(その年)一番の名作」という受け取られ方をしており、その栄誉を得られないとその後の評価も変わって来ると思われがちである。

だが、果たしてそうであろうか?

過去の作品賞の中でも、(時代を経てみると)本来こっちが選ばれてもいいだろうにというものは枚挙にいとまがない。

例えば(左が受賞作品。右がノミネート);

○『地上より永遠に』← ×『ローマの休日』('53)
○『恋に落ちたシェイクスピア』← ×『プライベート・ライアン』('99)
○『マイ・フェア・レディ』← ×『博士の異常な愛情』('65)
○『ダンス・ウイズ・ウルブス』← ×『グッドフェローズ』('90)
○『普通の人々』← ×『レイジング・ブル』('81)
○『我が道を往く』← ×『深夜の告白』('45)
○『タイタニック』← ×『L.A. コンフィデンシャル』('98)
○『フォレスト・ガンプ/一期一会』← ×『ショーシャンクの空に』('94)
○『夜の大捜査線』← ×『卒業』×『俺たちに明日はない』('67)
○『レベッカ』← ×『怒りの葡萄』×『チャップリンの独裁者』('40)
○『ロッキー』← ×『大統領の陰謀』×『タクシー・ドライバー』('77)

こうやって並べてみると、その後映画史上に残ると云われている名作が必ずしも作品賞に選ばれていないのがわかる。『サイコ』('60)『お熱いのがお好き』('59)『キング・コング』('33)『2001年宇宙の旅』('68)『ダークナイト』('08)にいたっては、ノミネートさえされていないのだ。

そういった中でも、過去アカデミー賞最大の汚点と呼ばれているのは、『市民ケーン』"Citizen Kane"に作品賞を与えなかったこと。いつの時代になっても《世界映画史上最高傑作》と云われる名作中の名作『市民ケーン』が選ばれず、その年(1942年)は、『わが谷は緑なりき』が選ばれているのである。

アメリカやイギリスでは、デヴィッド・フィンチャー監督の『ソーシャル・ネットワーク』の評価は(驚くほど)高い。それは、この映画が『市民ケーン』を超えようと挑戦したことが評価されているからだ。英国の雑誌では「市民ザッカーバーグ」("Citizen Zuckerberg")と呼ばれ、この映画の脚本家(本作でアカデミー賞受賞の)アラン・ソーキンは「(本作は)ジョン・ヒューズの映画のような『市民ケーン』だ」と自ら語っている。

Odoru0303117

〈天才〉オーソン・ウェルズが24歳の時製作した『市民ケーン』。パンフォーカスなど映像技巧的なもの、構成やストーリーテリングの巧みさ。その卓越したレベルの高さと面白さで、白黒映画ながら製作後70年を経ても燦然と輝く名画。主人公ケーン(オーソン・ウェルズ)のモデルは、当時マスメディアを牛耳っていた新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハースト。ハーストのネガティヴ・キャンペーンで、アカデミー賞作品賞はおろか(脚本賞のみ受賞)、興行成績も惨敗となり、ウェルズ自体のキャリアもその後台無しとなってしまったという悲劇の傑作。

今回『ソーシャル・ネットワーク』がそれに似ていると云われるのは、脚本の構成や、主人公が実在する人物で(おそらくfacebookはこれから一大メディアとなるだろう)大金持ちで変人であること。超高解像度のRED ONEによる流麗なカメラワーク。時代の寵児が人間として素晴らしいとは限らないことや、高みに登り過ぎて「孤独」になってしまう主人公の姿など映画として似通っている点は多いからだ。

今年の映画賞で『ソーシャル〜』は、ハリウッド外国人記者協会が選ぶゴールデングローブ最優秀作品賞の他は目立った賞を受賞していない。アカデミー賞でも『市民ケーン』の〈呪縛〉といったことがささやかれ、2006年の誰もがその耳を疑った『クラッシュ』の作品賞受賞(←『ブロークバック・マウンテン』が確実視されていた)のようなサプライズは起きるのか?と期待したが、今回もそれはなかった。ぼくがこのブログの授賞式のレポートで「予定調和の世界」と書いたのはそういう意味である。

『ソーシャル〜』のエグゼクティブ・プロデューサーに名を連ねる、俳優のケビン・スぺイシーは、(アカデミー作品賞を受賞できなかったので)「これで映画の〈殿堂〉入りが出来た」と語った。無冠だからゆえに輝く。そんな映画もあるのだということを知っておいた方がいい。『ソーシャル・ネットワーク』が今後どんな評価を得られるのか?(平成の『市民ケーン』と呼ばれるか?・笑) それは歴史のみが証明することになるのである。

"Rosebud."

03-Mar-11-Thu by nobu

(参考文献)
http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,1713487,00.html
http://www.time.com/time/specials/packages/completelist/0,29569,1958245,00.html
http://newsfeed.time.com/2011/02/28/the-social-network-up-there-with-citizen-kane-the-top-10-best-picture-snubs/ 

(関連記事)
『市民ケーン』DVD イギリス盤とアメリカ盤
『ソーシャル・ネットワーク』 

2011-03-01

第83回アカデミー賞授賞式 2011 The 83rd Annual Academy Awards

Odoru2802112
というわけで、今年もアカデミー賞受賞式(83rd Annual Academy Awards 2011)を生中継で楽しんだ。
香港では、アメリカABCの映像をそのまま地上波(Pearl)で見れるので毎年楽しみにしているのだ。

今年も授賞式の2時間30分前の午前7時から、the Arrivals (Evening at the Academy Awards)が、8時から The Oscar's Red Carpet が放送された。セレブたち(特に女性陣の)ドレスの気とお金の入れようは毎年見ていてスゴいものがある。インタビューするほうも、ドレスのブランド名(サンローランとかディオールとか)もずけずけ聞くし、女優もそれに答える。ひょっとして、ブランド名を話す代わりにドレス代をなんとかしてもらっちゃってんじゃないの?と考えたりするが、それは貧乏人の浅ましさか(笑)

レッドカーペットからの中継が終わると、会場内(コダック・シアター)にカメラは入っていく。TV中継のブースで、ディレクターへインタビューしていると、後ろからスティーヴン・スピルバーグがやって来て、タオルで汗を拭いて、ペットボトルの水を渡して去って行く(笑)。舞台袖のトム・ハンクスも客席を背にインタビューに答える。

そしていよいよ開幕だ。今年の司会は、フレッシュなジェームズ・フランコとアン・ハサウェイの若い二人。最初はノミネート作品の中に二人が入り込んだ映像(『インセプション』のパロディで、アレック・ボールウィンの夢に入るというもの)があり、舞台に登場。かけあいをするが、盛り上げようと元気すぎるハサウェイに比べ、(あがってるのか)フランコはどーも暗い(笑)。ハリウッドのビッグ・パーティには向いてないな。毎年オープニング・アクトを楽しみにしているのだが、今年はたいした笑いもなく、プレゼンターのトム・ハンクスが登場したのだった。

そんな感じで、今年は総じておとなしめの授賞式。そして、受賞結果も「ノー・サプライズ」な予定調和の結果だったといえよう。

(オープニング・ビデオ)

受賞結果はココで → シネマトゥデイ

以下、授賞式で印象に残ったことをいくつか。

助演女優賞のプレゼンター、カーク・ダグラスはもう95歳。見ててひやひやしたが、封筒を開けてから"You Know…"となかなか発表しないのが笑わせた。来年は彼に司会をしてもらえば盛り上がると思う(笑)

その助演女優賞を受賞したメリッサ・レオ(『ザ・ファイター』)。あまりの興奮から、スピーチでFxxxk と云ってしまった(笑)。夜の再放送も見たが、これはサスガに「ピー!」になってたよ。(正確には"When I watched Kate [Winslet] two years ago, it looked so f___ing easy!")

オプラ・ウィンフリーが長編ドキュメンタリー最優秀作品賞を『インサイド・ジョブ(INSIDE JOB)』と発表した際、壇上に上がった製作・監督のチャールズ・ファーガソンは冒頭こう話した。「申し訳ないが、これだけは云わせてください。3年前の金融崩壊で、銀行の代表者が一人も刑務所に行ってないのはおかしいです!」
この受賞を機にこの作品は日本でも公開されるべきと思う。(詳しくはぼくのつたないレビュー→ココで)

過去18回アカデミー賞の司会をしたボブ・ホープの話をしにビリー・クリスタルが出て来たのを見て、「彼が司会をしていたころのアカデミー賞はショーとしても面白かったのにな」と思った。彼が司会をしなくなってから、司会者は毎年交替となり〈迷走〉しているようにも思えるから。

映画のどんな楽曲が好きか?と街でいろんな人に聞いてビデオにまとめたものも紹介してたが、最後はオバマ大統領が「『カサブランカ』の "As Time Goes By"が好きだ」と語ってた。ケビン・スペイシーは、舞台でフレッド・アステアの"Top Hat"をひとくさり歌って「こんばんは、ジョージ・クルーニーです」と(笑)。ビートたけしかお前は!
アカデミー賞でも、こうやってビデオに編集したものも流すようになったが、作り方は MTV MOVIE AWARDS の方がずっと洒落てて面白い。

セリーヌ・ディオンが"Smile"を歌い(けどなんでディオンなの?)、去年亡くなったブレイク・エドワーズ監督、アービン・カーシュナー監督、トニー・カーティス、デニス・ホッパーなどを追悼し、最後のリナ・ホーンは、同じ黒人のハル・ベイリーが差別と戦った業績を讃えた。

今回ひとつだけサプライズがあったのは、監督賞を38歳の若きトム・フーバー(『英国王のスピーチ』)がとったこと。ぼくはてっきりデヴィッド・フィンチャーに行くものと思っていた。フィンチャーやクリストファー・ノーランといった実力ある監督はいずれもらえるだろうが、マーティン・スコセッシのように、本来の実力からほど遠い『ディパーテッド』程度の作品で晩年ようやくもらえた!ということにならないことを願う(ぼくはこれを《スコセッシ症候群》と呼んでいる・笑)。

主演男優賞コリン・ファース、主演女優賞ナタリー・ポートマンは予定調和の世界だった。ファースはなぜか、前年主演した『シングル・マン』の監督(ホモの)トム・フォードにもお礼を云った。彼にタキシードでももらったのか? (笑)

作品賞の発表では、スピルバーグが「受賞すれば『真夜中のカウボーイ』などと同じ名誉。もらえなかったとしても『市民ケーン』『レイジング・ブル』などと同じ名誉なのです」とスピーチをした(受賞すべき不朽の名作が作品賞を受賞してないことを暗に皮肉っている)。

そして作品賞は『英国王のスピーチ』へ。プロデューサーの一人は「ボーイフレンドへ感謝」と云ってた。こんな場でゲイをカミングアウトするとはな!ある意味王様級のスピーチやったね(笑)

オフィシャルHP → http://oscar.go.com/

The 83rd Academy Awards (2011)

01-Mar-11-Tue by nobu

【関連記事】 『ソーシャル・ネットワーク』は《市民ケーン》になれるのか?

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