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2011年2月

2011-02-28

『トゥルー・グリット』 TRUE GRIT ジョエル&イーサン・コーエン

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"2011アカデミー賞ウィーク” 授賞式前日に観たのがこの映画『トゥルー・グリット』"TRUE GRIT"である。香港では2011年2月24日に公開となった。(日本では3月18日公開)

これで今年の作品賞候補のうち、『ソーシャル・ネットワーク』『トイストーリー3』『インセプション』『キッズ・オールライト』『英国王のスピーチ』『ワイルド・スワン』『127時間』『トゥルー・グリット』と10作品中8本を観たことになる(『ザ・ファイター』『WINTER'S BONE』は香港ではまだ公開されていない)。それと長編ドキュメンタリー映画候補の『INSIDE JOB』も観たので、今年はこれくらいでいいかな、と(笑)
以前、ココで書いた「仕事なんかしてられっかウィーク」というのはこういう意味です(苦笑)

コーエン兄弟が描く久々の正当派西部劇と聞いていたので期待していたが、確かに面白い映画だった。これは、ジョン・ウェインがアカデミー最優秀主演男優賞を受賞した『勇気ある追跡』('69)のリメイク。

ぼくも中学の頃だったか、田舎のテレビで深夜に放送されたので(東京12チャンネルの木曜洋画劇場のものだったと思う)観たという記憶はあるのだが、深夜に観たからか、あんまり覚えてなかった(汗)。だが、それが幸いした。おかげですこぶる楽しんで観れたのだった。

父親を殺された14歳のマティ(ヘイリー・スタインフェルド)。彼女は仇討ちを決意し、凄腕と名高い保安官コグバーン(ジェフ・ブリッジズ)を50ドルで雇い、宿敵トム・チェイニー(ジョシュ・ブローリン)を追うことにする。だが、そのアイパッチをした老保安官は酒飲みの自堕落な男で、おまけに彼女をおいて同じようにチェイニーを追うテキサス・レンジャー、 ラ・プーフ(マット・デイモン)と2人だけで先に出発してしまう。彼らを馬で追っかける気の強い少女は、やがて追いつき旅を共にする。

原作がそうなのだろうが、この二転三転する展開がとても面白い。そしてこの少女の頭のいいこと。大の男たちを前に決してひるまず、丁々発止やりあっていくのが痛快である。
演じたスタインフェルドも、今年のアカデミー賞助演女優賞にノミネートされている。若いし、役得もあるが、この演技は確かによかったな。

酒飲みで自堕落な保安官というと、ジョン・ウェインよりジェフ・ブリッジズの方がリアルだな(笑)。それに一緒に旅をするマット・デイモンも相変わらずうまい(それにしても、彼は一体一年間に何本出てんのか?「INSIDE JOB」のナレーションまでやってるし)。
悪役のジョシュ・ブローリンとその一味も、汚らしくて生々しい。

ジョエル&イーサン・コーエンにしては、とてもオーソドックスでストレートな語り口である。見せる力のある実力派監督なので、飽きずに最後まで観ることが出来る。
製作総指揮にスティーヴン・スピルバーグが名を連ねる、これは朗々たる大作。西部劇ファンは必見の新たな名作といえよう。

というわけで、アカデミー賞授賞式直前まで映画を観てきたが、ぼくの予想では作品賞と主演男優賞は『英国王のスピーチ』(主演:コリン・ファース)がとると思う。あと確実だろうと思うのは、脚色賞のアーロン・ソーキン(『ソーシャル・ネットワーク』)。監督賞はデビッド・フィンチャー(『ソーシャル〜』)に、主演女優賞はナタリー・ポートマン(『ブラック・スワン』)がとってほしいなぁ。いずれにせよ、今年の授賞式も楽しみである。

TRUE GRIT (2010)

Director : Joel and Ethan Coen
Cast : Jeff Bridges, Matt Damon, Josh Brolin, Hailee Steinfeld
Duration : 110 mins

28-Feb-11-Mon by nobu

2011-02-27

『ブラック・スワン』Black Swan ナタリー・ポートマン × ダーレン・アロノフスキー

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"2011アカデミー賞ウィーク"に観たかった一本。映画『ブラック・スワン』"Black Swan"が香港でも2011年2月24日から公開になったので行く。

ナタリー・ポートマンがアカデミー賞主演女優賞にノミネートされていることで話題になっている作品。どんな映画かと思ったが、これは意外に怖いサイコ・スリラーだったのだ。

土曜日夜遅い回で観たのだが、満員の客席から女性客の悲鳴が(何度か)聴こえた。ある意味イヤな気分にさせられる映画であるが、ラストシーンでは圧倒される。見終わって感じたのはこれは素晴らしい芸術作品(Work of Art)だったってこと。傑作である。

ハンドカメラを使い、出演者のアップを主体にした撮り方は前作『ザ・レスラー』でもダーレン・アロノフスキー監督は多用した。この作品でも、終始不安げな表情を見せるナタリー・ポートマンを追うカメラは大画面で観ると迫力さえ感じる。

ニューヨーク・バレエ団で新たに上演予定の「白鳥の湖」。そのスワン・クィーンには新人をあてることを決定していたが、その条件は、清純無垢なホワイト・スワンと情熱的で魔性を秘めたブラック・スワンを同人物が踊ること。フランス人演出家トマス(ヴァンサン・カッセル)は、主役にバレリーナのニナ(ナタリー・ポートマン)をあてることを躊躇していた。彼女はホワイト・スワンには適役だが、ブラック・スワンには内面からの魅力に乏しい。やがてスワン・クィーンに抜擢されたニーナは徐々に精神的に壊れていく……

真面目でおとなしいニナが次第に変貌していく。彼女は自分がブラック・スワン(黒鳥)に変わろうとする中で、自分自身のダークサイドを見てしまう。それは幻覚なのか、深層心理にあるの本来の自分の姿なのかわからない。演じる側の人間は役作りとして、その役になりきろうと努力する。演出家はそれを期待する。自分自身を変えようとすればするほど、もがき苦しむニナの姿。背中にいつもある消えない擦り傷は、心の痛みを表現したものかもしれない。

母親エリカ(バーバラ・ハーシー)と二人暮らしのニナは、28歳にもなって、ぬいぐるみにかこまれたかわいい寝室に住む女性。「可愛いベイビーちゃん」と呼ばれる娘と母の関係は共依存である。その母親もバレリーナの夢破れて今は絵を描いて過ごす日々だ。

実はその呪縛からも逃れたいと思っているニナ。だが、いつも白い色の服を来て(下着も白)、色気も何もない。彼女と対比されるかのように出現するヴェロニカ(セニア・ソロ)は黒ずくめ。色気ばっちり、むちむちのイイ女。背中に黒い翼のいれずみまであるから恐れ入る。これは、本来なら、ニナが白鳥で、ヴェロニカが黒鳥を演じるべきだという演出の意図が明らかにわかる。

〈完璧〉を目指し、無理に無理を重ねて精神的に破綻して行くニナ。そして本当の意味でブラック・スワンを演じられるようになった時、悲劇がおとずれる。

まぁとにかく主人公ニナの精神状態を表現する方法が痛々しい。アロノフスキー監督は、こうやって役者を痛めつけるのが好きなのか、それともサドなのか?(笑)。とにかくそれによって役者は大きな評価を得る。『ザ・レスラー』でミッキー・ロークは〈復活〉したし、今回ポートマンは大人の女優に〈脱皮〉出来たと思う。オスカーもおそらくとるだろう。

この作品で、驚いたのは元花形バレリーナ・ベス役でウィノナ・ライダーが出ていたこと。彼女も実人生で色々あったが、今回バレエ団のトップの座から無理やり降ろされ自滅していく女性を鬼気迫る迫力で演じ強烈なインパクトを残す(てゆーか、怖い)。

ダークな作品ゆえ、ぼくのように夜遅く観ると余計に怖さが増す映画。女の業を見るという意味でも男のぼくには怖かったのじゃ。

日本では2011年5月13日より公開予定。

BLACK SWAN (2010)

Director : Darren Aronofsky
Cast : Natalie Portman, Vincent Cassel, Mila Kunis
Duration : 108 mins

27-Feb-11-Sun by nobu

2011-02-26

『インサイド・ジョブ(原題)』 INSIDE JOB マット・デイモン × チャールズ・ファーガソン

”2011アカデミー賞ウィーク”に観たのは、ドキュメンタリー部門にノミネートされている『インサイド・ジョブ(原題)』"INSIDE JOB"である。

息子が日本の大学に合格したので、入学手続きもあり日本へ一時帰国した際、キャセイの機内上映で観た。前から観たいなと思っていたドキュメンタリーなのでありがたかった。そしてコレはどえらい面白いドキュメンタリーだったのだ。

まず驚いたのは、ナレーターがあのマット・デイモンだったこと。彼のようなハリウッド・スターがこのような社会性の強いドキュメンタリーのナレーションをするなんて。なんか「やるなぁ」と思ってしまう(笑)

この映画の中身は2008年におきた金融崩壊の包括的な解析である。その経済崩壊の被害総額は20兆USドル以上。何百万の人々の仕事や家を奪い、その被害は世界中に波及した。精緻な調査と、鍵となる金融界の関係者、政治家、ジャーナリスト、学者たちのインタビューを通してこの映画でつまびらかにされるのは、アメリカの金融業界がいかに政治、法律、学者たちを巻き込み利用しているかということなのだ。

「インサイド・ジョブ(Inside Job)」とは「内部のものによる犯行」という意味。

1980年代、レーガン大統領がレーガノミックスと呼ぶ経済政策を実行して以来、アメリカ政府にいかに多くのウォール・ストリート・ピープルが入り込み、利益をむさぼったのか。
「モチはモチ屋で」という考え方がCDO、デリバティブや、サブプライムローンを<合法化>させ、それによりグローバル化された世界が犠牲になる。
儲かったのはそれにインボルブしていた金融機関の一部の人間だけ。リーマン・ショックと呼ばれるバブル崩壊前にさっさとリタイアして、もらった退職金は個人で何億ドルという額。そして彼らは今ものうのうと生きている……

FRBの議長も、巨大銀行のチェアマンも、政府の財務長官もみんなグル。みんな同じ穴のムジナとして、暴利をむさぼっている。
格付け会社も投資銀行からお金をもらって格付けする。なので、企業や(国家の)格付けも、破綻寸前までAAAという評価。

今のアメリカ政府は”Wall Street Government"だ、と語る金融関係者。彼らは自分たちの利益を上げるため(それは個人的な利益も含む)法律も変え、金をかき集めることに血眼になる。

「真面目なエンジニアは橋を建て人々の役にたつ。金融マンは夢を売る。そして失敗する。それを他人が弁済するのだ」とある学者はこう解説する。これは国家を巻き込んだ大いなる犯罪ではないのか?

製作・監督のチャールズ・ファーガソンという人は相当頭がいい人だと思うし、相当経済の勉強をしている。ぼくもウォール街のエリートと呼ばれる(いつも高級スーツに身をつつんだようなインテリ)の話を聞くこともあるが、彼らの頭脳の切れ方は半端ではない。そんな彼らのかつてのボスで、政府の中枢にいたりした、今はハーバードやコロンビア大学で教鞭をとっているような金融を知り尽くした面々に、その周到にリサーチした情報をもとに、インタビューを敢行しているのもスゴいが、映画後半、彼らに「ちょっとカメラを止めてくれないか」と言わせるだけ徹底的に追いつめて行く抗戦ぶりは観ているこちらが「行けー、もっとヤレー!」とエールをおくりたくなるほど胸をすくものがある。

いまだにアメリカ政府に対する金融界からのロビー活動は続いているのだと。それにかかるコストはリーマンショック以前より現在の方が増えているという。いつまでも彼らのいいようにされていいのか?奴らを刑務所に入れるべきだという発言もインタビューの中にあった。

映画の中で、ウォール街の住人専用とも云える高級娼婦宿の女性オーナーが出てインタビューに応じるなど、ちとやり過ぎの感もあるが(笑)これは我々が自由経済の象徴として追随して来たアメリカ金融界の裏面史。経済人は観て損はない面白いドキュメンタリーであった。

これを観ると、オリバー・ストーン監督の『ウォール・ストリート』など幼稚に見える。『ウォール〜』の中でNYの金融マンの重鎮たちの会議は『ゴッド・ファーザー』のマフィアの会合のようだと以前ココでぼくは書いたが、この映画を観るとさながら奴らはハーバード大学出身の経済ヤクザだな(笑)。『ウォール街』の何倍も面白いこと請け合いである。

INSIDE JOB (2010)

A Film by Charles Ferguson
Narrator: Matt Damon
120 minutes

26-Feb-11-Sat by nobu

B004REUMJE インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実 [DVD]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント  2011-09-14

by G-Tools
B0041KKYBK Inside Job [Blu-ray] [Import]
Charles Ferguson
Sony Pictures  2011-03-08

by G-Tools

2011-02-25

『127時間』 "127 Hours" ダニー・ボイル監督 X ジェームズ・フランコ

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アカデミー賞ウィークなので、作品賞・主演男優賞にノミネートされているダニー・ボイル監督の『127時間』”127 Hours” へ行く。香港では2011年2月10日から公開になっている。

ユタ州の切り立った谷ですべり、右腕が岩に挟まっちゃって動けなくなる男の話。一言でいうとこういうことなんだけど、それ以上プロットを書きようがない(笑)

映画は、そこから127時間後までの主人公アーロン・ラルストン(ジェームズ・フランコ)の葛藤を描いて行く。これは実際にあった話。

(以下、ちとネタバレあり)

まだ岩に挟まれる前の27歳の若者アーロンは、ハツラツとマウンテンバイクで岩山を疾走する。ダニー・ボイルはシャープな映像とカッティングで躍動感を出す。小気味のいい始まり方だ。知り合った山歩きのおねーちゃんたちと遊ぶ彼もさわやかな青年だ。

ふとしたことで谷間に落ちてしまい、そこに岩が落ちて来て右腕が挟まる(ここで初めてタイトルが出る)。そこから助けを求め叫んでも誰にも聞こえない。どんどん上空に上がっていくカメラ映像を見ていると、人間はなんてちっぽけなものなのかと思わされる。地球上では一人の人間など、チリのようなもの。

リュックに入ってるのは、わずかのクラッカー、そして水。中国製の切れないナイフ、ロープなど。キャノン製のビデオで自らを録画していくアーロン。

動けない主人公の映画をダニー・ボイル監督(『スラムドッグ$ミリオネア』)はどうやって見せるのか?そのことに興味があったが、想像した通り、過去の回想シーンや妄想を挟みながら進んで行く。水が口元に流れるシーンなど映像の工夫もある。「あのゲータレード(飲物)持ってくりゃよかったなぁ…」とかそんなシーンもある。おしっこも飲んじゃうし…。

そしてクライマックスは、自らの右腕を切ってしまうシーンである。イタタタ!ここは観ててマジでイタいったらありゃしない。神経を切るトコロなぞは目をつぶりそうになったよ。ハアハア。心臓の鼓動を効果音に入れ、観てるこちらも感情移入させられる演出はさすがに上手い。

主人公が右腕を切り取っても生きたいと思うのは、「生」に対する執着というか、欲求。その原動力となったのは、家族に会いたいという純粋な思い。愛をそそがれて育ったからこそ、そんな気持ちになるのだろう。右手がなくなった手でプールを泳ぎ、水から出ると親・兄弟など、自分をとりまく人間たちがプールサイドに座って笑って見ている。そんな夢のシーンも微笑ましく映る。

主役を演じるジェームズ・フランコは殆ど出ずっぱりだ(当たり前だな・笑)。『スパイダーマン』や『デート&ナイト』に出てて、この間も『グリーン・ホーネット』で冒頭殺られる役(カメオ出演)など、マンガチックなイメージがあったが、ここでは等身大に近い若者を演じててイイ。アカデミー賞主演男優賞ノミネートも納得である。今年の授賞式は、彼とアン・ハサウェイが司会をするのだと。

個人的に嬉しかったのは、元カノの役で出てる女優がどっかで見たよなと思ったら、『イン・ブルージュ』に出てたクレマンス・ポエジーだったこと。

映画としての出来はとても良い。佳作である。点数をつけるなら80点以上だ。だが、ぼくにはそれ以上何も感じることが出来なかった。感動もないし、一番わからんちんなのは、なぜダニー・ボイルは今これを撮りたかったのか?という点。

右手を挟まれ動きを封じられた人間をどう見せて、90分以上の長編映画として成り立たせるか?という挑戦は買うし、そのことは成功していると思う。だからノミネートされているのだろうが、英国アカデミー賞でも英国映画作品賞をとれなかった(『英国王のスピーチ』が受賞)のは、「サムシング・エルス」が足らないからかなと思うのだが、どうだろう。

(日本では2011年6月公開予定)

Director : Danny Boyle
Cast : James Franco
Duration : 93 mins

25-Feb-11-Fri by nobu

2011-02-23

『英国王のスピーチ』The King's Speech コリン・ファース / ジェフリー・ラッシュ

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アカデミー賞が近づき、香港でもノミネート作品が続々公開される時期が来た。
ぼくは毎年、旧正月(春節)が終わってからこの時期を「アカデミー週間」と勝手に呼んでいて楽しみにしている(別名「仕事なんかしてられっか週間」とも云う・笑)のだが、今年も候補作がラインナップされ始めた。

そんな中、作品賞の大本命『英国王のスピーチ』"The King's Speech"が2011年3月3日からの公開前に先行上映されたので(2月19日・土)行って来た。(日本公開 2月26日)

ふむふむ、評判通りこの映画はよかった。思ったより小品だったが、プロットがとても良くって、ユーモアもある。ストーリー・テリングもキャストも申し分ないし感動もある。たぶん誰もが、観てよかったと思える映画ではないだろうか。『ローマの休日』や『アパートの鍵貸します』を観終わった時のような気持ちになれる映画というとわかってもらえるだろう。

1925年、英国・ウェンブリー・スタジアム。帝国博覧会の閉会式で、英国王ジョージ5世の代理として初めて公で演説した次男アルバート王子(コリン・ファース)。だが、聴衆は落胆する。なぜなら、王子は吃音症(stammer)だったからだ。

英国人は、現在はエリザベス女王なので、Queen's English と言われるが、元々 King's English と呼ばれる英語(English)を誇りに思っている。美しい発音とイントネーションの英語を喋るのが教養ある上流階級の人なのだという認識があるため、そのたどたどしいアルバート王子の話し方は人々を落胆させるに充分なもの。

アルバート王子もそのことを恥と思い、妻エリザベス妃(ヘレナ・ボナム=カーター)と共に高名な専門家の治療を受けるが、うまくいかない。そんなある日、エリザベス妃は自分の素性を隠し、とある専門医を訪れる。受付もないそのみすぼらしい医院は、オーストラリア出身のスピーチ・セラピスト、ライオネル・ローグ(ジェフリー・ラッシュ)が独特の療法を行うところだったのだ。

最初は反目する医師と患者だったが、やがて心を開き歩み寄って行く中で、アルバート王子は吃音症の治療を行っていく。

その後、自分の意思とは裏腹に、英国王とならなければならなくなった一人の男が、やがてヒットラーの台頭を受け、歴史に残るであろう演説をラジオを通して国民に行なわなければならなくなる。果たして彼はどもらずにスピーチが出来るのであろうか……

この史実に基づいた物語で面白いのは、英国王の英語の発音をオーストラリアの医師が直すということ。
オーストラリアはかつて英国の流刑地だったため、英国人は馬鹿にしているふしがあると聞いたことがある。

当地香港は、元々英国領だったので、今でも大勢の英国人が生活している。そしてオーストラリア人も多い。なので、英国を小馬鹿にしたジョークでは劇場内のオーストラリア人とおぼしき人たちが爆笑し、その逆は英国人が爆笑していたのが面白かった。

「ぼくは、ジョージ・どもり・6世と呼ばれるんだ…」と自分を卑下するアルバート王子が切ない。
4〜5歳の頃から始まった吃音症。母親ではなくナニー(ベビーシッター件家庭教師)に育てられ、出来のイイ長男ディビッドと比較され、ぎっちょ(左利き)を直され、X脚も矯正された。「愛情」を注がれなくて育った王子は、自信を持つことさえ恐れていた。

そんなアルバート王子を献身的に愛する妻エリザベス妃(なぜ彼と結婚したかの独白も男から見ると泣かせる)。やがて生涯の友となるライオネル医師の心を込めた治療。襟元をゆるめて話が出来る人間を持つことが出来なかったアルバート王子にとってこの治療は、吃音症のみならず人間として認められ自信を持つための「癒し」、そして「心の治療」だったのだ。

厳しい父親の前に出ると、どもりが激しくなるアルバート王子。一般的に社会的に立派で、厳しい父親に育てられた男の子は、自信を持ってなさそうに見える子が多い。だから父親は余計に厳しく育てようとしてしまいがちである。だが、それは全く反対の行動なのだ。男の子は愛情を注いでやればやるほど安心して自信を持てるものなのだ。男子は(特に)お父さんに認めてほしいのだ。その事をわかってやらなければいけない。

そーゆー意味でも、これは”父親”になった男は観ておかなきゃいけない一本と思う。男の子はもっと褒めてやるべきと思う。ぼくも反省と自戒を込めてこの文を書いているのだが(苦笑)

おそらく今年のアカデミー賞最優秀作品賞はこの作品がとるだろう。(人々に)愛されるべき逸品だからだ。主演男優賞もコリン・ファースで決まりと思う。個人的には助演男優賞もジェフリー・ラッシュにあげたいと思っている。CGを使った大作ではなく、こういうスタンダードな作法の映画が評価されるのは一映画ファンにとっては嬉しいばかりである。
日本でもぜひヒットしてほしい映画デス。

The King's Speech (2010)

Directed by Tom Hooper
Cast : Colin Firth, Geoffry Rush, Helena Bonham Carter
Duration: 118 mins

23-Feb-11-Wed by nobu

2011-02-22

エリック・クラプトン・ライヴ・イン・香港 2011 Eric Clapton Live in Hong Kong

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エリック・クラプトンのライヴが香港であったので、息子と行って来た。息子は高校でギターにハマり、大学にも合格したので、お祝いで連れて行ったのだった。

最初に「すまん」とあやまっておくが、おとーさんのぼくはクラプトンあんま知らないのだ。'Tears in Heaven'とか’Wonderful Tonight’くらいしか覚えもないおっさんのレビューなので、この文をたまたま見つけたコアなファンの方には悪いが、そんなオヤジの初クラプトン・インプレッションですので、念のため。

会場のAsia World Arenaは、香港国際空港の近くにあるおそらく香港で一番デカい屋内のスタジアム。以前、ぼくはここでビリー・ジョエルを見たし「K-1香港」でも来たことがある。

車で行き、どうやって行くか、(道が)心もとなかったのだが、Expo East の看板を目指していったら、玄関前に到着。ここで、HKD150で車を預ける。ホテルのパーキング・サービスみたいだ。公演後に車を持って来てくれて、早く帰れたのでコレは正解だった。

8時からのコンサートだが、始まったのは8時30分頃。おもむろにクラプトンとメンバーが登場し、演奏を始める(セット・リストは下を参照)。
会場は、まだ観客が入りきってない感じで始まり、場内でビールも飲めるので、トイレに行く人も多い(何度、彼らの為に席を立ったことか・笑)。

中盤、スゴいギターテクニックで、素人のぼくも見入ってしまった演奏があり、息子に曲名を聞いたら 'I Shot the Sheriff' と教えてくれた。これのソロも素晴らしかった。

クラプトンは、"Glad be back"、"Thank you"としか云わず、MCなしで黙々と演奏を続ける。

満員で、西洋人の比率が高かった会場内がだんだんあったまって行くのがわかる。有名な'Layra'がかかったころからアリーナ席は立ち始め、ラストの’Cocaine’では、スタジアム全体が総立ちで「コーケィン!」と叫ぶ。

アンコールは、'Further On Up The Road'で締めくくった。息子も大満足のスタジアム・ライヴだった。

ぼくは、最初に登場し、スクリーンにアップになった年とったクラプトンを見て、なんか哲学者のそれを思わせる雰囲気を感じた。

さすがにギター・テクニックは'Clapton is God' と云われるだけのことはある。スゴいのは素人目にもわかった。
フランス料理なんか食べたことないけど、Maxim's de Paris へ行ったら「スゲー」と思うようなもので、一流のものはやっぱ違うのだ。
付き添いで行ったが、おかげで良いものを見せてもらったと思う。「老いては子に従え」だな(笑)

息子が帰りがけ、車の中で解説してくれたのだが、「クラプトンは、演奏テクニックも<超一流>だけど、エフェクターを極力使わずにギターの原音に近い音で勝負してるのが渋いし、かっこいい」のだと。

「大学入ったら、ギター買ってやるよ」と息子に約束してたのだが、クラプトンの影響で、どうやらフェンダーを買わされそうである。とほほ。中古じゃダメかい?(笑)

余談だが、香港公演の前のシンガポール公演では、北朝鮮の将軍様の次男が現れたと新聞で読んだ。そーゆー人が将軍様になった方が国が変わっていいかもしんないかなと思ったりしたりして(笑)

香港の後は韓国・ソウルで、今回は日本公演はないそうだ。なんで日本がスルーなのか、よくわかんないが、それだけ日本の景気がよくないのかな?と案じている。

(以下はクラプトンのコアなファンHP 'Where is Eric' →ココより)

Band Lineup

Eric Clapton – guitar, vocals
Chris Stainton – keyboards
Tim Carmon - keyboards
Willie Weeks – bass
Steve Gadd – drums (スティーヴ・ガットやったんやな!)
Michelle John – backing vocals
Sharon White – backing vocals

Set List

01. Key To The Highway
02. Going Down Slow
03. Hoochie Coochie Man
04. Old Love
05. I Shot The Sheriff
06. Driftin'
07. Nobody Knows You When You're Down And Out
08. River Runs Deep
09. Rocking Chair
10. Same Old Blues (song by JJ Cale)
11. When Somebody Thinks You're Wonderful
12. Layla
13. Badge
14. Wonderful Tonight
15. Before You Accuse Me
16. Little Queen Of Spades
17. Cocaine
18. Further On Up The Road

ERIC CLAPTON & HIS BAND
Asia World Arena Hong Kong
Friday, 18th February, 2011 PM8:00

22-Feb-11-Tue by nobu

B003XLE4HS クラプトン
エリック・クラプトン
ワーナーミュージック・ジャパン  2010-09-22

by G-Tools
BEST OF BEST OF
エリック・クラプトン

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クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2010(Blu-ray通常版) クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2010(Blu-ray通常版)

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2011-02-18

グラミー賞 2011 / 53rd Grammy Awards ("TIME" のパフォーマンス評価)

今年のグラミー賞当日(香港時間2011年2月14日)、ぼくはジャネット・ジャクソンのライヴへ行っていたので、中継が見れなかった。

香港でも毎年StarWorldで授賞式を生中継しており、今年も録画したものを昨夜子供たちと一緒に楽しんだ。

もう大分年をとったので、画面に出て来る若い奴らの大半はわからなくなってきている。だが、今が旬の面々と大物アーティストが繰り広げるパフォーマンスは、アメリカのショーとしてやはり見応えのするものである。

娘(中一)はジャスティン・ビーバー世代である。彼がBest New Artist(新人賞)をとれなくて残念がっていた。(エスペランザがとったのだが)「実力はあるんだろうけど、普通ビーバーにあげるでしょう」と娘。

その授賞式に、バーブラ・ストライサンドが出て歌ったのだが、これが声は出ないしヒドイ出来だった。彼女を紹介したのがクリス・クリストファーソンだったので、歌ったのが映画『スター誕生』('76)の'Evergreen'とすぐわかった。だが、なんで今これなの?と思ったのだが、同じことをTIME誌のClaire Suddathも思ったのか、その夜の全てのパフォーマンスをA〜Dで評価してて、バーバラのは「C」という低い評価だったのだ。

コメントが面白くて、《”Love, soft as an easy chair♪"なんて… 何コレ? Hallmark製のカード?彼女は、才能あるし伝説のシンガーでもある。けど、だから何でもゴールドに変わるってわけじゃない。この夜のパフォーマンスは、ビューター(鉛みたいなもの)でした》と手厳しい。

マムフォード&サンズ、エヴェット・ブラザーズと歌ったボブ・ディランも《年寄りくさい。実年齢の69歳より老けて見える》と「B−」。

それに引き換え、大御所で高い評価だったのは、ミック・ジャガー。この日は、昨年亡くなったソロモン・バークを追悼して、’Everybody Needs Somebody to Love'を歌ったのだが、《67歳とは思えない若者のような熱唱》と、この日の最高点「A+」の評価。

その他の評価は;

レディ・ガガ 'Born This Way' 「B」
ケイティ・ペリー 'Not Like the Movies' 「B+」
ミューズ 'Uprising' 「A−」
ミランダ・ランバート 'The House That Built Me' 「C」
ノラ・ジョーンズ、ジョン・メイヤー&キース・アーバン 'Jolene' 「A」
リアーナ、ドクター・ドレー、スカイラー・グレイ&エミネム 'Love the Way You Lie' 「A」
アッシャー&ジャスティン・ビーバー(+ジェイデン・スミス)'OMG' 「A−」
リアーナ&ドレイク 'What's My Name' 「A−」
(Album of the Year受賞の)アーケイド・ファイア 'Ready to Start' 「A」 など。

気の毒なのは、レディ・アンテベラムで、今回Song of the Year(Record of the Year も)を受賞した 'Need You Now' を歌ったのに、《コレ去年も歌わなかったっけ?歌ったよね》ということで最低評価の「D」であった(笑)

詳しくは TIME.com → Best and Worst of the 2011 Grammys  

授賞式の最後はライヴ途中でブチッと切れちゃったが、これは中継したCBSが「D」だよね(笑)

53rd Grammy Awards 2011

18-Feb-11-Fri by nobu

2011-02-17

BAFTA 英国アカデミー賞 2011 Orange British Academy Film Awards 2011

英国現地時間2月13日に英国アカデミー賞(BAFTA/2011)が発表になった。

さすがに英国だけあって、作品賞と英国作品賞共『英国王のスピーチ』"The King's Speech"が受賞し、主演男優賞も含め、7部門受賞と圧勝だったようだ。

主演男優賞のコリン・ファースは昨年も『シングル・マン』で受賞しているので2年連続である。これで「サー」の称号に近くなったかもね。英国王役だしね(笑)

今回嬉しかったのは、名誉賞(Academy Fellowship)が、<サー・>クリストファー・リーに授与されたこと。プレゼンターはティム・バートンだ(パートナーのヘレナ・ボナム=カーターも助演賞もらって喜んでるだろう)。

『ドラキュラ』と云えばこの人だったし、最近では『ロード・オブ・ザ・リング』や、「スター・ウォーズ エピソード2、3」でドゥークー伯爵を演じてたね。

主な受賞作品は以下の通り。

http://www.bafta.org/awards/film/2011-film-awards,1572,BA.html

作品賞  『英国王のスピーチ』

英国作品賞  『英国王のスピーチ』

監督賞  デビッド・フィンチャー『ソーシャル・ネットワーク』

主演男優賞  コリン・ファース『英国王のスピーチ』

主演女優賞  ナタリー・ポートマン『ブラック・スワン』

助演男優賞  ジェフリー・ラッシュ『英国王のスピーチ』

助演女優賞  ヘレナ・ボナム=カーター『英国王のスピーチ』

脚本賞  デビッド・サイドラー『英国王のスピーチ』

脚色賞  アーロン・ソーキン『ソーシャル・ネットワーク』

撮影賞  ロジャー・ディーキンス『トゥルー・グリット』

外国語映画賞  『ミレニアム・ドラゴン・タトゥーの女』(スウェーデン)

アニメー作品賞  『トイ・ストーリー3』

作曲賞  『英国王のスピーチ』

編集賞  『ソーシャル・ネットワーク』

美術賞  『インセプション』

音響賞  『インセプション』

視覚効果賞  『インセプション』

新人監督賞  クリス・モリス『Four Lions』

さあ、これでアカデミー賞も楽しみになってきた。『英国王のスピーチ』と『ソーシャル・ネットワーク』それに『トゥルー・グリット』の対決のようだが、果たしてどうなりますか。

Orange British Academy Film Awards 2011

17-Feb-11-Thu by nobu

2011-02-16

ジャネット・ジャクソン・ライヴ・イン・香港 Janet Jackson "NUMBER ONES" Live in Hong Kong 2011

2011年2月14日のバレンタイン・デイ。香港でジャネット・ジャクソンのライヴ (Janet Jackson "Number Ones - Up Close and Personal" Live in Hong Kong) があったので行って来た。

チケットをネットで予約したのが、2月9日。コンサートの5日前だ。せっかくだからいい席で見ようと高い席(HKD1,480)を予約したら、若干下手だが、あんと前から2列目がとれた。5日前でこんな良い席がとれるなんて…当日ガラガラだったらどうしよう?と案じつつ会場(キャパおそらく1万人程度か)へ向かった。

香港のこの手のコンサートは開始が遅れるのが半ば<常識>になってる。なので開始予定時刻PM8:00に会場のHK Convention & Exhibition Centreに着き、席についたのが8:15頃。客は予想に反して(?)満員だ。そして、8:40頃コンサートは始まった。

冒頭、舞台上のドでかいスクリーンにジャネットが登場し(↑動画)、今回のコンサートは世界35都市で、自身のナンバーワン・ヒットだけを歌うと語る(当初は香港がツアーの最初と発表していたが、マニラ、シンガポールで先にやっちまってやんの)。

続いてミュージック・ビデオ "IF" が大音響でかかる。そして、ジャネット・ジャクソンの登場だ。銀色の身体に密着したセクシーなスーツで、"The Pleasure Principle"、 "Miss You Much"、"Nasty"などをメドレーで歌う。満員の観客は総立ちだ。日本と違い舞台前の柵まで行ってもいいので、大勢の客が前へ前へと行く。自分の2〜3メートル前で、ジャネットが歌い踊っている。それに合わせて自分も踊っている。それだけでなんか感動しているオレ(笑)

Odoru1602112_3

一旦舞台からジャネットが去り、その間スクリーンに彼女が出演したTVや映画の場面集が映る。一番最初のは70年代のシットコムに出たジャネット。あんま幼くて当人とわかんなかったよ(苦笑)。そして舞台に登場したジャネットはサーモンピンクのドレスを着て、ハイヒールを履いている。スツールに座り、"Come Back to Me"、"Again"などバラードをしっとりと歌う。

歌い終わったらまた「お色直しだ」。今度は黒いTシャツにズボン。そこからアップテンポな曲をがんがん歌う。湾仔(Wan Chai)の会場が巨大ディスコ(今はクラブというのか?)に変わる。来ている客も、蘭桂坊(Lan Kwai Fong) 辺りで遊んでそうな奴らばっかりで(西洋人が多かった)、ノリがいい。

"Escapade"、"Doesn't Really Matter"、"All for You"、"Black Cat"など歌い、そして(最後のお色直しの後)ついに、大スクリーンにマイケル・ジャクソンの映像と歌声が流れる。"Scream"だ!マイケルとジャネットの競演である。会場は沸点に達し、ラストは"Rhythm Nation"でかっこよく締める。

アンコールは白いスーツで登場し、総立ちの観客の前で、アップ・テンポの曲に乗り、また歌い、踊り始める。すると舞台上のスクリーンにマイケルとジャネットの子供の頃のスナップ写真が映し出され、数枚の二人のツーショット写真がスライドされる。ぼくはそれを眺めながら涙が出そうになった。ジャネットが歌ってるのは "Together Again"(亡くなった愛する人に天国でまた会おうねという歌)だったから…。

"Thank you HONG KONG!" と言って去って行ったジャネット。こっちこそサンキューと云いたい盛り上がったコンサートだった。

まー近くで見たら太っちゃってて、おしりなんてスイカが2個あるくらいプリプリだったが(笑)、45歳という年齢を考えても、2時間以上もあれだけ歌って踊れるのはサスガに世界のエンタティナーの一人だと思う。

それにしても、このNumber Ones・ツアーは日本には行かないんだな(今のところ発表されていない)。マイケル亡き後、ジャクソン・ファミリーで期待出来るのはこのジャネットだと思うし、"Scream"は、<平成の>"Unforgettable"(ナタリー・コールが父親のナット・キング・コールと歌う)と云っていいものだ。ジャネットのこの3年振りのコンサートで見るのがタイミング的に一番いいと思うんだけどね。

日本はそれほど不況なのか、チケットが売れないからか(ジャネットは落ち目か?)、けっこう大物外タレのコンサートが日本をスルーしているように思う。こーゆーコンサートが来れば、中高年も元気を出せるのにな。なんて。

てなことで。

(追記)それにしても香港の観客のマナーの悪さよ。写真・動画撮るなと云ってるのにガンガン撮るし(警備員もあんま怒らんし)、YouTubeにアップしてるし……。

Janet Jackson "NUMBER ONES" Live in Hong Kong
Hall 5BC, HK Convention & Exhibition Centre (Expo Drive Entrance)
Mon 14 Feb 2011, 8:00 PM

ジャネット・ジャクソン・オフィシャルHP → コンサート・レポート

16-Feb-11 by nobu

(香港ライヴのTVCM)

B002QD2RYG ザ・ベスト・オブ・ジャネット・ジャクソン(初回限定盤)
ジャネット・ジャクソン ルーサー・ヴァンドロス&ジャネット・ジャクソン ハーブ・アルパート with ジャネット・ジャクソン バスタ・ライムス feat.ジャネット ジャネット with ネリー マイケル・ジャクソン&ジャネット・ジャクソン ジャネット feat.ブラックストリート BBD Q-TIP ラルフ・トレスヴァント ジョニ・ミッチェル
USMジャパン  2009-11-18

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ザ・ヴェルヴェット・ロープ ザ・ヴェルヴェット・ロープ
ジャネット・ジャクソン Q-Tip ジョニ・ミッチェル

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2011-02-15

『アウトレイジ』 全員惡人 "OUTRAGE" [Blu-ray] (香港盤) 北野武監督

Outrage (Blu-ray) (English Subtitled) (Hong Kong Version)

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香港では、北野武監督の新作映画『アウトレイジ』"OUTRAGE"は、第7回アジア・フィルム・フェスティバル(2010年10月)にて上映され好評を博し、12月9日には一般公開された。香港の題名は、宣伝コピーそのままに「全員惡人」である。(香港では18禁で公開)

ぼくは観に行く気満々だったのだが、昨年末よりえらく忙しくて劇場へ行けなかった。この作品の上映館は全部九龍(Kowloon)サイドだったので香港島に住む人間にはちょっと時間調整が難しかったのだ(地下鉄ですぐなんだけどねぇ。当地に住んでしまうと海を超えるのは大変に思えてしまうのだよ…はぁ)。それに3週間で終わっちゃったし!

ということで、旧正月(2月初旬)に子供たちとHong Kong Recordsへ寄ったら、棚にあるではないか!「全員惡人」のブルーレイとDVDが!もう出てんのきゃ?と思わずディスクをわしづかみにして会計へと急いだオレ。

春節休日最後の日。子供たちが用事で出て行った午後。一人でワインとチーズ、ハムを切り、ディスクをプレイヤーにかけたのだった。

いやー、これえらい面白かったなぁ。久々に興奮しました。子供たちが夕方帰って来た時、「え?もう飲んでんの?」「くさっ!」とクレームされても気にならないくらい気分がよかった。映画がホントに面白かったからなぁ。あはは。

ヤクザ組織内の主導権争いを描いたこの映画は、暴対法が試行された後、どうやってヤクザがシノギを得てるのかということを見せてくれとても興味深い。北野流(痛みを観客にわざとわからせる過激な演出の)バイオレンスもあるが、時にユーモアも交え、このスゲぇキャストによる群像劇はしびれるほどよかった。

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関東の暴力団・山王会の若頭・加藤(三浦友和)は、直参の池元組組長(國村隼)がシャブでしのぎを得る村瀬組組長(石橋蓮司)と兄弟盃を交わしたことを快く思っていなかった。加藤から村瀬を締めるように命令された池元は、その役目を配下の大友組組長(ビートたけし)に押しつける。だが、やがて本家も巻き込む下克上の権力抗争へと発展する。

一人もいい奴が出てこなくて、題名通り「全員惡人」なのだが、そのキャストがスゴい。(上に書いた他には)山王会会長に北村総一朗、池元組若頭・杉本哲太、大友組若頭・椎名桔平、大友組組員・加瀬亮。刑事・小日向文世。その他、中野英雄、森永健司、塚本高史など。

「ヤクザっぽくないイメージの人が役にうまくはまり、キャスティングがうまくいった」と特典映像で北野監督が話していた。特に加瀬亮は、金庫番を担当する英語が堪能な経済ヤクザの役だが、その英語がうまくてリアルなのに感心した。

北野武監督久々のバイオレンスもので、しかも話がわかりやすい(笑)。まーともかく「馬鹿やろぅ!この野郎!」ばっかの映画。キタノ・ブルーも健在で、カメラワークも良い。これはデートには向かないが、男が観るにはイイ映画だ。『アウトレイジ2』が早く観たい!

先日『戦場のメリークリスマス』を久しぶりに観たばかりなので、四半世紀を経てビートたけしの顔の変わり様と演技の上達ぶりがよくわかった(笑)

それからこんなこと書いていいかどうかわからんが、この中国語・英語字幕付のBlu-ray、ぼくはHKD259(約2,768円)で買った。DVDならもっと安く購入できる(特典映像付2枚組が約1,380円、本編のみは約1,060円だ。リージョン3)。英語のシーン数カ所は日本語字幕がないが、ブルーレイならリージョンAなので日本のプレーヤーでもかかる。いろんな事情があるのはわかるのだが、字幕があるってだけで、日本のディスクは相変わらず高けぇなぁと思ってしまう今日この頃であったとさ(笑)

『アウトレイジ』 OUTRAGE 全員惡人 (2010)

A film by Takeshi Kitano

Duration: 109 minutes
Dolby Digital DTS, 5.1ch
Aspect Ratio: 2.35: 1

15-Feb-11-Mon by nobu

Outrage (Blu-ray) (English Subtitled) (Hong Kong Version)

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アウトレイジ [Blu-ray]
B003ZK74DI

2011-02-12

『戦場のメリークリスマス』 [Blu-ray] クライテリオン・コレクション Merry Christmas Mr. Lawrence: Criterion Collection

Merry Christmas Mr. Lawrence  (The Criterion Collection) [Blu-ray]
Merry Christmas Mr. Lawrence  (The Criterion Collection) [Blu-ray]

大島渚監督の1983年の名作映画『戦場のメリークリスマス』"Merry Christmas Mr. Lawrence"がクライテリオンからBlu-rayで発売された。(北米盤・DVDも有 2010年9月28日発売)

TV朝日が製作に関与していたので、TV放映時に観て以来だから、およそ25年振りの鑑賞である。定評あるクライテリオンのリストアなので、傷ひとつない画面と音響で堪能した。(1.78: 1のオリジナル・アスペクト。オリジナル・ステレオ・フォーマットを24ビットにリマスター。タイトルバックには「映倫」の文字も)

タイトルバック、ジャングルにある捕虜収容所内を歩くハラ軍曹(ビートたけし)とロレンス(トム・コンティ)。それにかぶさるオレンジ色の英語クレジット。坂本龍一の有名なテーマ音楽が大音響で響く。渋谷パンテオンで観た時に鳥肌がたったオープニングだ。今観ても当時のわくわくした気持ちが蘇る。

「男騒ぎの大ヒット!」 当時のこの映画の新聞広告にはこんな惹句が踊っていた。カンヌ映画祭では、同じ日本映画『楢山節考』にグランプリをさらわれたが、日本国内では評価も高く大ヒット。大学生だった自分はとても期待して観に行ったのを覚えている。

社会派の大島渚が、あのデヴィッド・ボウイを主演に、YMOの坂本龍一、(我らが)ビートたけしを使って映画を撮る。それだけでどれだけ興奮したものか。

ビートたけしの「オールナイト・ニッポン」をロケ地であるニュージーランドの孤島から生放送したのも聴いてたし(←録音だったと後に判明)、映画のプレミアの後出演者たちが六本木のディスコで打ち上げやっていたという大学の後輩の目撃談も聞いたりして、この映画を取り巻く<空気>を身近に感じていた。

この映画は当時の若者たちにとって、80年代初頭の文化的なビッグ・イベントと言ってよかった。

この戦闘シーンのない戦争映画で描かれているのは、第二次大戦中にジャワ島のジャングルという異常な環境におかれた男たち(日本兵+英国兵の捕虜)の中で芽生える男同士の愛(と友情)。戦争当時はタブーであった問題を取り上げた、これは<裏『戦場にかける橋』>だ。

冒頭から韓国人の兵士(ジョニー大倉)が捕虜のオランダ兵のカマを掘ったということでハラ軍曹からリンチを受ける。ホモ+差別の話がのっけからある。

捕虜収容所の所長であるヨノイ大佐(坂本龍一)は、己の立場と日本男子としての誇りとは裏腹に英国将校ジャック・セリアス(デヴィッド・ボウイ)の美しい金髪、顔、その体躯に一目で<惚れて>しまう。いかに武道に打ち込んでも、その思いは消えない。やがて自身が築いた男としての人格とその抑えられない気持ちで揺れ動き、日本刀を振り落とそうとした時、セリアスにハグされくずれ落ちるヨノイ。

そのセリアスも田舎にいる身障者である弟に対する贖罪の気持ちがある。キレイなボーイソプラノの弟が寄宿舎学校でいじめにあうシーンもつらい。

第二次大戦中、敵国だった日本と英国の文化・思想・宗教・道徳の違い。英国の階級社会の差別。日本の武士道に根付いた男の振る舞いと独自の組織。
原作となった「影の獄にて」の著者ローレンス・ヴァン・デル・ポストの分身であるトム・コンティ扮するロレンスの目を通して見た極限状態の中での男たち。

この映画の原作者ポストは、英国人のアフリカーナーであり、チャールズ皇太子の精神的な師で、ウィリアムズ王子の名付け親となった人物である。彼自身日本語が少し出来たために、捕虜になっても「殺されずに済んだ」と特典映像で語っていた。この映画が哲学的な難解さを感じさせるのは、この原作によるものなのだろう。僕は読んでないので何とも云えないが。

特典映像には、新撮りの坂本龍一インタビューがある。ここでは大島渚監督から出演交渉を受けた時に「音楽もやらしてくれたら」と条件をつけたこと。名曲「戦場のメリークリスマス」は、(クリスマスなので)西洋とも東洋とも云えない感じのチャペルの鐘の音を、インドネシアの楽器・ガムランを使って出そうとしたと語る。

そして、出番のないラストシーンの撮影に坂本龍一は訪れ、スタッフ一同と一緒にたけしのアップのシーンで泣いたという。鬼のようなハラ軍曹が、最後は「仏様」になった瞬間だ。
あのたけしのラストシーンは、その後どんなに(北野武監督として)名声を得ようとも超えられない、おそらく彼のベスト・ショットではないかと思う。あのワンカット観るだけでも価値がある映画かも知れない。やっぱりいい映画だったよ、「戦メリ」は。

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"Merry Christmas, Merry Christmas, Mr. Lawrence."

『戦場のメリークリスマス』 Merry Christmas Mr. Lawrence (1983) [Blu-ray] Criterion Collection

A film by Nagisa Oshima

123 minutes
Stereo
1.78: 1 Aspect Ratio
Region A

12-Feb-11-Sat by nobu

Merry Christmas Mr. Lawrence  (The Criterion Collection) [Blu-ray] Merry Christmas Mr. Lawrence  (The Criterion Collection) [Blu-ray]

Criterion Collection  2010-09-28
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Merry Christmas Mr. Lawrence (The Criterion Collection) Merry Christmas Mr. Lawrence (The Criterion Collection) [DVD]

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戦場のメリークリスマス [DVD] 戦場のメリークリスマス [DVD]

ポニーキャニオン  2004-01-21
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2011-02-11

『女が階段を上る時』 [DVD] クライテリオン・コレクション When a Woman Ascends the Stairs: Criterion Collection

When a Woman Ascends the Stairs: Criterion Collection

昨年(2010年)高峰秀子さんが亡くなり、彼女の映画を何か持ってないかなと思っていたら、買ったのに忘れていたクライテリオン・コレクション版DVD『女が階段を上る時』(北米盤)"When a Woman Ascends the Stairs" があったことを思い出した。

この映画、名匠成瀬巳喜男監督の名作の一本なのだが、ぼくは未見で、数年前に香港のHMVで見つけたので買っていたものだ。
(定評あるクライテリオンのDVDだが、ポジからリストアを行ったためか、2,3カ所画面が波打つが、充分キレイなプリントだった。[2007年発売])

見終わって思った。「俺、この映画に惚れたかも(はぁと)」と。
1960年製作のこの白黒作品。50年も前の映画だが、銀座のママの生き様を活写し、今観ても古さを感じさせない素晴らしい名品であった。まさにビンテージものである。

「女が階段を上る時」とは、働いているバー(現在でいうクラブ)の階段を一歩一歩上がり、扉をあけたとき、普通の女から、夜の女に変わるということ。

高峰秀子演じるバーのママ・圭子は、夫に早く死なれてこの仕事を始めた。実家の面倒も見なければならず、一人瀟洒なアパート暮らしをしながら生活をしている。
右腕とも云える若手マネージャー(仲代達矢)と二人、店から店へと移っていく中で映し出される様々な人間模様。ホステスだった女の子(淡路恵子)が独立して店を出す話や、銀行の支店長(森雅之)、中小企業の工場主(加藤大介)、利権屋(小沢栄太郎)、大阪の実業家(中村鴈治郎)、闇屋(多々良純)など、店のお客さんたちとの関係の中で、一人の<女>として生きていく姿を描く。

まぁ、なんといっても高峰秀子のママが魅力的なのだ。美しいが芯は強い女。だが、やっぱり女だからもろいところもある(特典映像の<新撮り>仲代達矢インタビューでは、高峰秀子のことを「ニヒル」と表現していた)。店には、いい常連さんもいれば、悪い男たちも出入りする。時代は変われど、クラブの風景というものは変わらない。この辺は、プロデューサーも兼ねる菊島隆三の脚本が見事だ。

映画としての出来も、成瀬巳喜男の円熟期の傑作として評価が高いのはよく理解できる。ストーリーもいいが、サイレント時代から「絵で語る」ことを心情とした成瀬のそのストーリー・テリングの素晴らしいこと。黛敏郎のヴィブラフォンを使ったジャズっぱい音楽もその都会の夜の雰囲気にマッチしている。驚いたのは、衣装を主演の高峰秀子が兼任していること。成瀬との信頼関係があったのがこのことからもわかる。

今は香港へ来たので、銀座のクラブには縁遠くなったが、日本にいた時にはお客さんとよく行っていたものだ。最近では、「女帝」という漫画(映画化、TV化もされた)でのし上がって行く銀座のママが描かれていたが、関西から来た金持ちに口説かれる話など、どうもこの映画の影響を受けているふしもあるかなと思った。

時代は変われど、この映画『女が階段を上る時』の中でうごめく人間模様は今見ても古さを感じさせない。ママの切ない恋の話など、これは、銀座やクラブで働く女性は必見の(上品な)名画。あ、お客さんも必見かもね(笑)お店でモテるためにも。それから俺のように金ばっかり使わされて、後悔ばっかりして、「男が階段を下る時」にならないためにもね(笑)

『女が階段を上る時』 When a Woman Ascends the Stairs (1960) Criterion Collection

A film by MIKIO NARUSE

111 minutes
Monaural
2.35: 1 Aspect Ratio
Region 1

11-Feb-11-Fri by nobu

When a Woman Ascends the Stairs: Criterion Collection When a Woman Ascends the Stairs: Criterion Collection
Masao Tamai

Criterion  2007-02-20
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菊島隆三

東宝  2005-08-26
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2011-02-06

『グリーン・ホーネット』 The Green Hornet in 3D セス・ローゲン × ミシェル・ゴンドリー

Odoru0602112

春節(旧正月)の休みの日、息子と二人で久しぶりに映画に行った。
男子二人で観るので、やっぱり『グリーン・ホーネット』"The Green Hornet"だろうということで、ポケットに3Dメガネを入れて金鐘(Admiralty)のAMCへと出向いた。

注)香港では、昨年(2010年)後半より3Dメガネが有料になり、持って行かないとHK$6取られるのである。有料になったのは、回収してから消毒にコストがかかるのと、エコのためだそうだ。幸い我が家は何度も3D観てたので、メガネは引き出しにいっぱいあるのだ(笑)

ホットドックとスプライト、ポップコーンを買って席に着く。春節だけに、午前中の回は空いている。

ロスアンゼルスの新聞社、デイリーセンチネル社主(ティム・ウィルキンソン)の一人息子であるブリット・リード(セス・ローゲン)は放蕩息子と呼んでいいダメ息子だった。偉大な父親が蜂に刺されショック死したことから社長の座についた彼は正義に目覚め、父の運転手で天才的な発明家でもあるカトー(ジェイ・チョウ)とコンビを組み、マスクにコート姿で「グリーン・ホーネット」としてスーパー・マシン"ブラック・ビューティー"に乗り、悪に挑むことを決心する。やがて父の死に、ロスの暗黒街のボス(クリストフ・ヴァルツ)が関わっていたことを知る……。

映画を見終わって息子に感想聞いたら、「まあまあ」「これって3Dにする必要があったの?」というものだった。親父の感想もほぼ一緒。

前日の夜、Viberで娯楽映画研究家・佐藤利明さんと話し、あるていど予想はしていたのだが、主役と脚本(製作総指揮も)にセス・ローゲンを据えたことで、こーなることは自明の理であった。つまり、長年コメディ作りをしてきた人に本格的なアクション映画を期待する方が(ちと)無理というものである。

監督のミシェル・ゴンドリーも、スエーディング(Sweding)な作りをしているなぁ(『僕らの未来へ逆回転』"Be Kind Rewind"のぼくのレビューを参照 →ココ)と思った(笑)

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映画はカーチェイスやガンファイト、それにクンフーのつるべ撃ちというものではなく、アクションそして笑い、またアクションという作りになってて、特に笑いの部分が残念ながらスベッてしまってて、間延びするのだ。ともかくモノをぶっ壊せばいい(車も家や会社も豪華な調度品も)という場面作りも、この不況のご時世(アメリカも日本も)だからか、面白く感じられない。彼らがスラップスティックをやりたかったのはわかるのだが…

バディものとしても、ブリットとカトーの関係があまりにべったりで、喧嘩のシーンも幼い子供の兄弟喧嘩みたいだし、コメディエンヌとしてのキャメロン・ディアスも生きていない。せっかくクリストフ・ヴァルツという昨年オスカー(助演賞)とったばかりの旬のいい俳優を悪役として使ってるのに、凄みが少なくなんかもったいない使い方だ。

評判をとったTVシリーズ(ここでカトー役をブルース・リーが演じていた)。それに豪華なスタッフ・キャストと、素材はいいのに、調理がヘタでおいしくなくなった寄せ鍋みたいな感じだった。ちと残念である。

日本ではカトーと思ってたが、英語では「ケイトー」と発音するんだね。クンフー・シーンもCG処理されちゃってチョットね。当初はチャウ・シンチーがキャスティングされていたというが、そっちの方がよかったかも。『頭文字D』のジェイ・チョウも頑張ってるんだけど。

これでは、ドニー・イェンが<カトー>の格好した香港アクション映画『精武風雲・陳真』('10)の方がよほど痛快だったよ。

ラスト近くのTV時代の「グリーン・ホーネット」のテーマ曲がかかるところ。エンドクレジットのアニメが楽しめた。ま、春節の休みに観るにはちょうどいいまったりした映画であったとさ(笑)

(香港では2011年2月2日、日本では1月22日より公開中)

The Green Hornet in 3D (2011)

Director : Michel Gondry
Cast : Seth Rogen, Jay Chou, Cameron Diaz
Duration : 119 mins

06-Feb-11-Sun by nobu

B000063CU7 ブルース・リー IN グリーン・ホーネット [DVD]
ハピネット・ピクチャーズ  2002-04-25

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2011-02-05

『ザ・タウン』 THE TOWN ベン・アフレック

Odoru0502115

東京・羽田空港から香港への帰路、キャセイ航空の機内上映で観たのが、ベン・アフレック監督・主演の映画『ザ・タウン』"The Town"である。

まずベン・アフレックという役者は、ぼくの中では、『パール・ハーバー』のあんちゃんで、ジェニファー・ロペスと婚約して、その後別れ人気がガタ落ちしたというイメージしかなかったので(はぁ)、そんな彼が監督した映画と聞いて、正直あまり期待せずに観たのだが意外や意外、これがなかなかのものだったのだ。

アフレックの生まれ故郷というボストン。ここのチャールズタウンがこの物語の舞台(The Town)だ。
この街では、銀行強盗の発生率が全米一で、父子2代に渡り、強盗を繰り返す家庭もあるという。そんな街で育ったダグ(アフレック)も同様に強盗を生業として暮らしていた。

映画が始まり、いきなり覆面軍団による銀行強盗のシーンは、まるで『ダークナイト』のジョーカーのそれに似て、プロ集団の手際の良さと、スピーディな展開に目を見張る。
そこで人質にとった銀行職員の女性クレア(レベッカ・ホール)と、後日再会したダグは、やがて彼女にひかれて行く。

クレアと出会い、自分のやってることに「?」が点滅し始めたダグ。FBIの捜査の手が徐々に迫る中、兄弟のように接している仲間ジェームス(ジェレミー・レナー)たちとの確執を経て、男はこれが最後のヤマと銀行を襲撃するのだが…

チャック・ホーガン原作の「強盗こそ、われらが宿命(さだめ)」の映画化。すさんだ街で生まれ育ち、まともな仕事をすることすら思いつかないような下層階級の、そこから脱出できないまま生きている男たちを描く。

映画はその街の様子もつぶさに映し出す。野球だけが誇りのボストンの男たち。そのボストン・レッドソックスの本拠地であるフェンウェイ・パーク駐車場内での銃撃戦は、男たちがたどりつけない憧れの地とのギャップを描こうとしたのか、絵的に最適だったので選んだのか、その辺はわからんちん(実際の駐車場だったのかもわからんちん)だが、ボストンの下層階級には野球だけが楽しみなんだということもよくわかる。

じつは<わけあり>の花屋のオヤジを演じる鼻のデカイ個性的な役者ピート・ボスルスウェイトは、今年始め(2011年1月2日)に亡くなったという。やせた姿で鬼気迫る演技であった。
『ハート・ロッカー』で印象に残ったジェレミー・レナーが、今回のチンピラ役もとってもいいなぁ、と思ってたら、これでアカデミー賞助演男優賞ノミネートだって。

ま、こうやってホメて書いてきてなんだが、正直言うと、ぼくにはこの映画、ナンにも響かなかったのである。感動もなかったし、ラストも「それがどったの?」という気分になってしまって、後になにも残んなかった。映画としての出来はそこそこ良いのはわかるのだが、ベン・アフレックの演技とたたずまいが悪いのか、俺の感性が悪いのか、伝わってこなかったのだ(はぁ)。

たぶん数年後「あ、あの映画観た」とは覚えているだろうが、忘れてる映画の一本になるだろう。ジェレミー・レナーの<最後>だけが印象に残ってる。たぶんベン・アフレックと俺は相性悪いのかもね、というのがわかっただけの映画であったとさ(爆)

(香港では2010年12月9日公開。日本では2011年2月5日より公開)

The Town (2010)

Directed by Ben Affleck
Cast: Ben Affleck, Rebbecca Hall, John Hamm, Jeremy Renner
Duration 125 minutes

05-Feb-11-Sat by nobu

2011-02-04

『全城戒備/シティ・アンダー・シージ(原題)』 City Under Siege アーロン・クォック X ベニー・チャン

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高三の息子の大学の面接があり、日本へ一時帰国した。その際、往路のキャセイ機内で観たのが香港映画『全城戒備/シティ・アンダー・シージ』"City Under Siege"である。

なぜこれをチョイスしたかと云うと、先日観たばかりのアンディ・ラウ主演『新少林寺』('11)の監督 陳木勝/ベニー・チャンの一本前の作品だったから(脚本も)。

題名(「全市包囲網」とかの意味)から想像すると、派手なアクション映画かいな?と思ったが、これがじつは、プチ・トンデモ映画だったのじゃよ(笑)

映画は1942年のインドネシアから始まる。第二次大戦時、暗い洞窟の中で、日本軍によるおぞましい人体実験が行われていた。捕虜とおぼしき数名が洞窟内の部屋に入れられると、そこにはまるで「超人ハルク」のような人間(緑色ではない・笑)の化け物がおり、奇声を上げながら次々と捕虜をなぐり捨てていく。
と、その時、敵の爆撃があり、地下の洞窟は埋まってしまう。

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時代は変わって、巡業中のサーカスでピエロのサニー(郭富城/アーロン・クォック)が舞台でナイフ投げを行おうとしている。だが、実際にナイフを投げるのは違う男だ。彼は子供の頃から訓練を受けたが、いまだにナイフ投げが上手にならないヘタレで、サーカス仲間からも馬鹿にされている存在だ。

ある夜、サニーはサーカス団の仲間たちが、洞窟へ入ろうとするところへ出くわす。彼らは中に日本軍の残した金があると噂を聞き、調べに来たのだ。いじめっ子であるリーダー(鄒兆龍/コリン・チュー)に言われ、しぶしぶ洞窟内のカプセルを開けるサニー。するとそこには噂通り金の延べ棒があった。喜んだリーダーたちは次々にカプセルを開けた。するとそこからガスが吹き出し、そのガスを吸った人間は、恐ろしいパワーを持った人間に生まれ変わってしまうのだった……

ここから、悪のモンスター集団は悪事を働き好き勝手な行動を起こす。そこに立ちはだかるのは、ガスを吸ってしまったヘタレのサニーと、リストラに合いそうなTVキャスター(舒淇/スー・チー)たちである。果たして世界は救えるのか?というおハナシ。

単純に正義VS悪の戦いにならず、サニーは悪の集団の一人をやっつけたためにヒーローとなり、TVのCMに出たりする。キャスターだったスー・チーたちも、マネージャーとなり働くという展開になるのが可笑しい。
当初ガスを吸ったサニーはぶくぶくに太ってしまい、走ることもおぼつかない。そこから自分の能力に気づくのだが、そこで職業がサーカスのナイフ投げというのが効いて来る。というか単純な設定である。もう先が読めちゃうもんね(笑)

この映画は、まず大人向きなのか?子供向きなのか?がはっきりしない。特殊メイクも、CGもそこそこだ。特殊警察役の吳京/ウー・ジンや女性警察官の張靜初/ジャン・チンチューのクンフー場面も、モンスターと<普通に>戦っている。モンスターは人間以上のパワーがあるはずなのに(笑)

香港で『X-MEN』を撮ろうとしたのかも知れないが、なんか同じ香港映画『ラスト・ブラッド』を観たときのような物足りなさを感じてしまった。新しい要素を入れようとしたが「ちょっと失敗しちゃったかなー(汗)」って感じの映画だった。この失敗があったから、ベニー・チャン監督は『新少林寺』で頑張ったのか、と妙に納得した次第でありましたとさ(笑)

余談だが、この映画、ガスを吸った後に皆がゲロゲロ吐くシーンがある。俺、機内食食ってたから参った(笑)。キャセイ航空では、『感染列島』もそれで観るの止めたし、『マチェーテ』でもそんなシーンがあった。もうちっと考えて映画の選定しろって!(←そんな映画ばっかりチョイスする俺が悪いってか?)

(香港公開 2010年8月12日)

全城戒備 City Under Siege (2010)

Directed by Benny Chan
Cast: Aaron Kwok, Shu Qi, Collin Chou, Wu Jing, Zhang Jingchu
Duration: 110 minutes

04-Feb-11-Fri by nobu

全城戒備 (Blu-ray) (香港版) Blu-ray リージョン A

P0013932059

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