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2010年10月

2010-10-31

「アート・オブ・アクション マーシャル・アーツ・フィルムの変遷」The Art of Action: Martial Arts in Motion Picture

アート・オブ・アクション マーシャル・アーツ・フィルムの変遷 [DVD]

東京から香港へ戻り、一日置いて今度は出張で上海へ行った。その時に泊まったホテルで Cable TVをつけっぱなしにしてたら、画面にブルース・リーやらジャッキー・チェンのクンフー・シーンを繋いだ映像が映し出され、何やらこれから番組が始まる気配だったので、そのまま見続けた。すると、スタジオの場面になり、登場口から出て来たのが、あんとサミュエル・L・ジャクソンじゃん。これからクンフー映画(Martial Arts Movie)の歴史を見せるという。これは得した気分になり、しばし楽しんだのだった。

後でIMDB (Internet Movie Database) で調べたら、これは2002年に制作されたTVドキュメンタリー”The Art of Action: Martial Arts in Motion Picture”という1時間45分の作品とわかった。

香港発祥のクンフー(功夫)映画のルーツは意外に古くて、1700年代後半までさかのぼる。つまり、京劇(Beijing Orera = 北京オペラ)である。京劇はご存じの通り、男が女の格好をして演じる劇で、その中に剣劇のようなものがあったのだ。1800年代には、少林寺の「型」も使われ、その様式が形作られて行く。

100年ほど前に映画が誕生したころ、中国でもご多分にもれず、演劇界から人材を集めて来た。だが京劇の人間は映画に興味を示さなかったこともあり、本当の女性を使って撮影は行われた。その中で、女剣劇のスターが生まれ出る。メモをとってなく名前を忘れたが、彼女はかのサモ・ハン・キンポーのおばあちゃんだという。さすれば、京劇出身でクンフー・スターとなったサモ・ハンは「血筋」なんだなというのがわかり興味深い。

1970年代に不世出の大スター ブルース・リーが出て来るまで、香港では数々の剣劇映画が量産されていた。その製作の中心となったのは、大手の映画会社ショウ・ブラザーズである。
1950年代、このスタジオ内では毎日のように黒沢明の映画(及び日本の活劇映画)を製作スタッフに観せて、その哲学や映画技法、アクション・シーンの撮り方を研究させていたという。

ショウ・ブラザーズを辞めて、独立したレイモンド・チョウは、ゴールデン・ハーベスト社で、当時、アメリカのTV「グリーン・ホーネット」で人気だった東洋の男を主演に映画を撮る。タイでロケした「ドラゴン危機一発」だ。このブルース・リー(李小龍)主演の映画は大ヒットとなり、リーの人気は香港のみならず、世界中に知れ渡る。

リーの死後、香港ではジャッキー・チェンやジェット・リーが出現し、クンフー映画は製作され続け、2000年にはアカデミー賞作品賞ノミネートという快挙を成し遂げる『グリーン・デスティニー』という傑作がアン・リー監督のもと生まれる。

クンフー映画は、ハリウッドにも大きな影響を与え、その昔フランク・シナトラが『失われた時を求めて』(’62)でヘタくそな空手チョップを見せてから(笑)、『マトリックス』『チャーリーズ・エンジェル』などでは、もろクンフー(マーシャル・アーツ)が使われ、香港映画の巨匠ジョン・ウーがトム・クルーズ主演で『ミッション・インポシブル2』を監督するまでになる。

このドキュメンタリーには、生前のブルース・リーはじめ、ジャッキー・チェン、デビッド・キャラダイン、レイモンド・チョウ、アン・リー、ジョン・ウーなどのインタビューが入っていて、面白いのは面白いのだが、後半は香港クンフー(功夫)映画を離れ、ハリウッド・アクションの話になっていくのがちと残念。
2002年製作なので、2010年現在大ブレイクしたドニー・イェンはインタビューだけ登場するのも惜しいと云えば惜しい。

調べてみたら、日本でも「アート・オブ・アクション マーシャル・アーツ・フィルムの変遷」という題名でDVDが出ていた。来年(2011)1月に再発売されるようなので、興味がある方はご覧になったらと思う。

The Art of Action: Martial Arts in Motion Picture (TV 2002)

31-Oct-10-Sun by nobu

B0049WAO24アート・オブ・アクション マーシャル・アーツ・フィルムの変遷 [DVD]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2011-01-12

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2010-10-30

「植木等ショー!クレージーTV大全」 佐藤利明・編著

植木等ショー!クレージーTV大全

先日、ぼくが日本へ一時帰国したのは仕事もあったのだが、2010年11月24日(日)に東京會館で行なわれた「小林桂樹さんお別れの会」へ出席する目的もあった。
午後4時から行なわれたその会には、小林桂樹さんゆかりの俳優・監督さんたちが大勢集まり、生前の親交の幅広さと共にお人柄が偲ばれる、とても素敵な会であった。

その会の世話人の一人でもあった 娯楽映画研究家・佐藤利明さんと会の後、寿司屋で一杯やった。その時に頂いたのが、10月23日に発売されたばかりの新刊本「植木等ショー! クレージーTV大全」(佐藤利明・編著)である。

香港へ戻り、やっと時間がとれ一読して思った。「佐藤さん、またやってくれたな」と。
佐藤利明氏の関わった書物は、雑誌の記事でも、パンフレットの原稿でも、やり過ぎじゃない?と思うほど、微にいり細にいり詳しく書かれている。つまり「濃い」のだ。

寅さんの本も、若大将の本も、そしてクレージー本の名著「クレージー映画大全―無責任グラフィティ」(フィルムアート社)もそうであったように、今回も貴重な写真満載、豊富なインタビュー、それに、これでもか!の凄いデータベース。これ一冊で植木等ならびにクレージー・キャッツのTV時代の歴史が全てわかる見事な研究本になっている。

髙田文夫氏の特別寄稿で始まるこの本は、幻と云われたTV番組「植木等ショー」からのスティル写真の数々、クレージー・ギャラリーに続き、以下のような構成になっている。

第一章 植木等ショー
「植木等ショー」全エピソード解説
●インタビュー=鴨下信一、砂田実、園まり
●プレイバックインタビュー=植木等、小松政夫

第二章 クレージーTV全史
「おとなの漫画」から「スーダラ90分」まで、クレージー・キャッツとTVバラエティの黄金時代
●インタビュー=いとうせいこう
●寄稿=加藤義彦、鈴木啓之、河﨑実

第三章 復活・植木等
「スーダラ伝説」と90年代の植木等復活の舞台裏
●インタビュー=砂田実、溝渕新一郎、斎藤薫、泉麻人
●座談会=草野浩二、芝池一郎、堀越勝広

●クレージーTV完全データベース(メンバーが単独で出演した番組も全て網羅している)

これを読むと、2010年11月3日に発売されるDVD「植木等 スーダラ BOX」を早く見たくなる。幻と云われた1967年の「植木等ショー」はじめ貴重な映像が収録されているからだ。この本を片手にDVDを見るのはコアなファンには至福の時となろう。

植木等及びクレージー・キャッツのTVバラエティ時代の貴重な(濃い)研究本。マニアは必須、そうでない人もぜひ!

30-Oct-10-Sat by nobu

486248624X 植木等ショー!クレージーTV大全
佐藤 利明
洋泉社  2010-10-23

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B003X9R6MA 植木等 スーダラ BOX [DVD]
ポニーキャニオン  2010-11-03

by G-Tools

クレージー映画大全―無責任グラフィティ
佐藤 利明
4845997703

2010-10-29

『FLOWERS -フラワーズ-』

Odoru2910108

東京からの帰り、香港行きのキャセイ機内で日本映画『 FLOWERS -フラワーズ-』を観た。

当初、アメリカのコメディ映画『CYRUS』を見始めたのだが、もともと主役のジョン・C・ライリーがあんまり好きでないのと、モキュメンタリーの手法で撮られてるため、手持ちキャメラが落ち着かないこと、それに(一番の理由は)30分たっても、クスリとも笑えるところがなかったので(コメディなのに!)、チャンネルを変えたのだった。

そしたら、小津安二郎の映画か?と思う古めかしい映像が目に飛び込んで来た。トリス・バーのスツールに座った若い男女が軽い喧嘩をするシーンなのだが、出てるのが、田中麗奈と次長課長の河本準一ではないか。「え、何?」とガイドブックをひろげたら、この『FLOWERS -フラワーズ-』だったのである。

いやー、びっくりした。これ品のあるイイ映画じゃないか。

まず映像が素晴らしく凝ってるのがいい。製作費が潤沢にあるのか、どの場面もこだわった絵作りがなされている。

昭和11年から平成21年まで、3世代に渡る女性たちの生き様を描くこの映画、おばあさんの代の映像はモノクロで、子供たちの時代は60年代の総天然色映画を思わせ、孫の代はブルーを基調としたシックな絵作りになっているのだ。

いいシーンもある。鈴木京香がすべての辛い現実を飲み込むかのようにゆっくりと煙草を吸うところ。ハンガーに吊るした亡くなった夫のスーツに顔をあて泣く竹内結子のシーンなど。

親に決められた結婚相手に納得がいかないと式の日に家を飛び出す凛(蒼井優)。
尊敬する夫(大沢たかお)に先立たれても、彼に対する愛情が消えない薫(竹内結子)。
男社会の中でも勝ち気に強い女であろうとするが、プロポーズを受け心が揺れる翠(田中麗奈)。
心臓が弱く、二人目の子供の出産を反対されるが産むことを決意する慧(仲間由紀恵)。
現在は子供もいて幸せに暮らしているが、自分を産んで母が死んだことで、母の分まで強く生きようとする佳(広末涼子)。
つきあっていた男と別れ、お腹にいる子供をどうするか?そしてピアニストとして夢を諦めるのか?自分の人生を見つめ直す奏(鈴木京香)。

大スポンサーが資生堂ということもあり、TSUBAKIのCMに出てた女優総出演ということで、日本では顔見せ興行のように思われがちかと思うが、ぼくのように何の予備知識もなく、たまたま巡り会ったという人間には、そんなオトナの事情は考えずに、1本の映画として観れたのが幸いしたと思う。

主役級の女優陣が揃っているので、演技はどれも素晴らしい。女性の人生の様々な辛苦、喜びを美しい映像で見せる。ラストにオリビア・ニュートン・ジョンの「そよ風の誘惑」(Have you never been mellow)がかかるのもぼくらおっさん世代には嬉しい。これは、30代くらいから上の大人になった女性への応援歌。

エピソードの中では、田中麗奈の話が一番気に入った。このパートは、往年の東宝などのコメディ映画を思わせる楽しさなのだ。音楽もアメリカのシット・コムのそれを連想させる。
田中麗奈が出版社につとめる男勝りのOLという設定もいい。原稿をもらいに行く、鎌倉あたりに住む、今は官能小説を書いてるという宇能鴻一郎のような役の長門裕之もイイ味を出している。
主人公の美少女の相手役をコメディアンに演じさせるというのも、昔の映画の伝統で、これも次長課長の河本準一にやらせているところなど、製作サイドが「わかってるなぁ」と思うのだ。
彼氏からの電話に喜ぶ田中麗奈の(彼女の)ラスト・カットの"笑顔"は名場面と云えよう。

モノクロの場面は音声もステレオではなくモノラルにしているという。そういうこだわりが、映画好きには嬉しい作品だ。機内上映の小さな画面ではなく、大画面でもう一度観たい映画である。

FLOWERS -フラワーズ- (2010)

監督: 小泉徳宏
110 mins

29-Oct-10-Fri

(香港でも2010年10月7日から公開中。広東語題名『恋恋凡花 (Flowers)』 予告編 ↓)

2010-10-26

『プレデターズ』 Predators エイドリアン・ブロディ

Odoru2610105

東京出張の往路キャセイ航空機内で観たのがコレ。映画『プレデターズ』"Predators"。

ロバート・ロドリゲスが製作したと聞いてたので、面白そうだなと思いチョイスした。

だが、これ意外につまんなかったな。監督はロドリゲスではなく、ニムロッド・アーントル。

傭兵の一人ロイス(エイドリアン・ブロディ)が落下傘で落ちて来るシーンから始まる。その後、ジャングルの中で次々と落下してくる人間たち。彼らは皆、元軍人だったり殺し屋だったりする。その8人がジャングルから逃れようとすると、そこに様々な敵が襲来してくる。

やがて、この地球ではない惑星で10年以上住んでいるノーランド(ローレンス・フィッシュバーン)と出会い、彼と共にプレデターの宇宙船を襲うことを計画する…。

夜のシーンが主なため、全体的に暗く、最初の30分くらいは動きが殆どない。静かな幕開けだ。そして、それがラストまで続く感じなのだ(笑)

特にフィッシュバーンに会ってからの後半が、ぼくには余計退屈になってしまった。アクション・シーンもCGも、目を見張るというほどのものでもない。なんかおとなしいし、意味ありげに高尚なものにしようとし過ぎてるのではないかと勘ぐってしまう。

これじゃあ、中坊向けかも知れないが、『エイリアンVSプレデター』の方がよっぽど面白かったな(笑)

8人のグループの中に「マチェーテ(ダニー・トレホ)」がいたが、すぐにやられる。日本人ヤクザも登場。英語では「いながわかい」とか云ってたと思う。
ハンゾー(ルイ・オザワ)が、刀を使ってプレデターと戦う草むらのシーンは、日本の時代劇を思わせ、この映画の中で唯一面白い場面だった。

ロドリゲスだから、もっとヤンチャやってほしかったな。ティム・バートン版『猿の惑星』観たときのガッカリ感にも似た脱力感を覚えた。SFアクション映画なのに、スカッとしないのはなんじゃこれ。はぁ。

Predators (2010)

Directed by Nimród E. Antal
107 mins

26-Oct-10-Tue

2010-10-21

ミュージカル 『グリース』 香港公演 London's West End Smash Hit Musical GREASE in Hong Kong

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香港で始まったミュージカル『グリース』"Grease"(油脂)に中1の娘と行って来た。 英国のチャンネル4で、全てのミュージカルの中でNo.1になったという傑作である。

いやー、これは楽しかったゾ!ポスターにも"NO.1 PARTY MUSICAL"と書いてあるが、本当に学校の体育館でパーティのノリであった(笑)

ぼくらが行ったのは、日曜の午後(2:00〜)だったもので、家族連れが多かった。
「こんな、真面目な娘が不良になるってストーリーのミュージカルに、子供連れて来てええのかい?」と腕組みして娘に語りかけてる俺。こっちもそうじゃん!(爆)

香港のこの手の公演はいつもそうだが、西洋人が大半だ。2階席の1番前だったので、客席を見渡すと、白髪まじりの老カップルも何組かいて、幕が開く前に劇場内に流れる50年代の、バディ・ホリーなんかのオールディーズを一緒に口ずさんでる。微笑ましい光景だ。

開演前にDJの声で「今は50年代なので、携帯電話はない。だからスイッチは切ってくれ」とアナウンスされる。
幕が開くと、舞台奥のバンドが「グリース・メドレー」を演奏。軽快な幕開けだ。もうこれだけで(ぼくのような)ファンは嬉しい。そして「サンディ」のデュエットソング。その後、合唱で「グリース」、「サマー・ナイツ」と続く。

曲順は、映画とは違うし、何曲か映画では使われなかったものもある。だがどれもこれも、映画『グリース 』('78)で何度も何度も観て、サントラを聴いた曲ばかりである。どのナンバーも聴いていて楽しいったらない。

車を回転させて歌い踊る「グリースド・ライトニン」もやっぱりカッコいいし、「ウイ・ゴー・トゥゲザー」は、座ったまま一緒に手だけで踊りたくなる。

そして、ラストでは、主役のダニー・ズーコが客席に「一緒に立ち上がって、歌って踊ろうぜ!」と声をかけ、客席は総立ちで手拍子をし、歌い踊る。おっさんのぼくもツイスト踊っちゃったよ(笑)。娘が恥ずかしそうな顔してましたが(爆)

客席の一番前で、4〜5歳の女の子が踊ってるのがカワイかった。主役のダニーが最後、万来の拍手を受けている時に、その子に手招きして、自分の使ったコームをあげていた。

Photo_oct_21_17_04_55

帰りがけ、オリジナル・ロンドン・キャストのCDを買った。
ラジオDJの始まり方からとてもイイ出来だ。親子で気に入ってる。

パンフレットも買ったが、1973年のロンドン公演では、主役のダニーを(まだ映画で売れる前の)リチャード・ギアが演じていたのだと。そのことをぼくは知らなかった。
今公演のダニー役は、Jonathan Roxmouth サンディは、Bethany Dickson。

アメリカでは、今、高校のグリークラブを舞台にしたTVドラマ「GLEE」がヒットしてて、そのおかげで、夏休みに映画『グリース 』シング・アロング・ヴァージョン(歌詞付き版)がリバイバル公開されたやに聞く。劇場でみんなで唄えば楽しいだろうな、とうらやましく思ったが、今回劇場で思いっきり歌って踊れたので、ぼくは満足だった。

ともかく、ぼくのような映画『グリース』世代の人も、そうでない人も、楽しめること請け合いである。こんな、後になーんにも残んないミュージカル・コメディはないからね(←ホメてるのだ!)。

いやあ「やっぱ『グリース』はイイなぁ」と何度も何度も娘と言いあいながら、Dan Ryan's Chicago Grillでハンバーガー食べて帰ったのだった。幸せになれるミュージカルです。元気が出るよ!

香港公演は2010年11月7日まで。チケットは、ココ

(余談だが、来年(2011年)5月の香港でのミュージカル公演は、「ウエスト・サイド物語」だと)

GREASE
The HK Acacemy for Perfoming Arts - Lyric Thatre
Sun 10 Oct 2010 2:00 PM

【関連記事】 2度目の『グリース』香港公演

21-Oct-10-Thu by nobu

B000024XA5 Grease: Original London Cast Recording
Original Cast Recording
Sony  1993-09-20

by G-Tools

2010-10-18

「松本人志のコントMHK」と「プロフェッショナル 仕事の流儀 松本人志スペシャル」を見た。

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NHK総合で放送された「松本人志のコントMHK」(2010年10月15日放送)と「プロフェッショナル 仕事の流儀 松本人志スペシャル」(2010年10月16日放送)をロケフリで見た。

MHKとは「まつもと ひとしの こんと」の頭文字をとったもの。NHKをもじった、いいネーミングだ(けどコントは、フランス語"Conte"だが・笑)。
宣伝のため、メイキングを見せ、本編を放送するという民放のような方法をとらず、先に本編を放送して、メイキングをやるのはNHKの良心か(笑)

「松本人志のコントMHK」は、放送時間が夜10時からというのもあり、大人が楽しめる番組になっていた。コントの内容は、通販で買ったモノがわけがわからない代物だったというもの。7畳ほどの狭い宇宙船の中を「匠」が改造するという「ビフォーアフター」のパロディ。おばけを見たカップルが(小津映画のように)冷静に語りあうものや、「逆に」ばかり繰り返す高校生の答辞など。

どれもシュールな笑いで、松ちゃんの意表をつくボケがなかなか面白かった。ぼくは特に、昭和30年代頃のセットで、昔のTV映像を見て松ちゃんが一言おもろいことを云う短いコントが面白かったな(わしゃ吹き出したよ・笑)。

「プロフェッショナル」で松ちゃんが語っていたが、「笑いは(トランプの)7ならべだ」という理論は興味深い話だった。どのタイミングで、切り札を出すのかをいつも考えているという。
フジTVで時々深夜に放送されてる「IPPONグランプリ」での松ちゃんの解説を聞いていても、その笑いのタイミングの難しさがよくわかる。

さすがNHKだなと思ったのは、セットが立派なこと。不況で製作費を削られている民放ではこれだけのセットや小道具を用意するのは今では難しいかも知れない。そーゆー点でも、「ごっつええ感じ」以来、9年ぶりのTVでのコントをNHKでやったというのは、正解だったと思う。

「プロフェッショナル」で、高須光聖氏始めブレーンを集めての企画会議の様子を見ても、松ちゃんはコントをやりたかっんだな、というのは見てとれた。「ごっつ」であまりに(むずかしく)シュールに走りすぎた感のある笑いをやったため、その後コントをやらずに、バラエティでお茶を濁していたが、本当はこういう作り込む笑いにもう一度挑戦したかったんだろう。映画でも挑戦しているようだが(ぼくは観てないもので、というか、香港では公開されなかったもので)、やはりTVでのコントにこだわりがあったのではなかろうか。

面白い番組だったので、今後も第2弾、第3弾と続けてほしい。「過去の笑いを捨て続ける」という松本人志のチャレンジをもっと見てみたいと思ったからね。

「松本人志のコントMHK」再放送は、2010年11月10日(水)午前0:15(つまり9日深夜)から、NHK総合にて。

オフィシャルページは→ ココ

18-Oct-10-Mon by nobu

2010-10-15

やったね!映画『キック・アス』(KICK-ASS)日本公開!

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映画『キック・アス』"Kick-Ass" が、第3回したまちコメディ映画祭に続き、2010年12月18日からシネセゾン渋谷で正月第1弾ロードショーとして公開される(全国順次公開)。

ぼくのついったーに公式サイトがフォローしてくれたので知った→ ココ

これめちゃおもろいので、ヒットを祈念している。

行け!ヒット・ガール!(笑)

映画『キック・アス』公式サイト

15-Oct-10-Fri by nobu

 

2010-10-09

『ウォール・ストリート』 WALL STREET: MONEY NEVER SLEEPS オリバー・ストーン × マイケル・ダグラス

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映画『ウォール・ストリート』"Wall Street: Money Never Sleeps" が香港でも公開になったので行く(2010年9月23日より)。

1987年に公開された映画『ウォール街』の23年振りの続編である。前作は社会派オリバー・ストーンの傑作と云っていい出来だったので、期待して行って来た。

で、感想を一言で云うと、「え?ラストそうくるか?」って感じ。そこまでは硬派な映画なのになんでやねん?というのが正直なトコロ。これは賛否あると思う。

前作で、アカデミー賞主演男優賞を得たマイケル・ダグラス扮する「欲の塊」ゴードン・ゲッコーが、8年振りに刑務所から出所するところから映画は始まる。所持品の中にある携帯電話が時代を感じさせる。

それから7年後、NYの投資銀行で働く、若く有能なサラリーマン ジェイコブ(シャイア・ラブーフ)は、自身のメンターである投資銀行のトップ(フランク・ランジェラ)の突然の自殺に疑念を抱いていた。

ゲッコーと疎遠になった娘ウィニー(キャリー・マリガン)と同棲しているジェイコブは、今や投資話の講演をして本を売りさばいているゲッコーに、自分はあなたのお嬢さんの彼氏だと話し、近づいて行く。

ウィニーの最近の情報を渡すことを条件に、ゲッコーの協力を得たジェイコブは、自殺の影に、巨大投資銀行のCEOであるブレトン(ジョシュ・ブローリン)などの存在があることに気づくのだが……。

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ほぼ四半世紀を経て続編が作られるというのも珍しいこと。この間に世界の経済情勢も大きく変わった。リーマンショック前後のウォール街を時代背景にしたこの映画は、(有能であろう)エリート銀行家や投資家たちが描かれている。だが、ニューヨーク連邦準備銀行(Federal Reserve Bank of New York)に集まった彼らウォール街の重鎮の会議の様子は、ぼくには『ゴッド・ファーザー』のマフィアの会合と何ら変わらぬ光景に見えた。

ゴードン・ゲッコーが売り歩いている本の題名は「GREED IS GOOD」(欲望は美徳)。前作で(たしか?)彼が発したセリフである。今回の原題"Money Never Sleeps"も彼のセリフだ。24時間世界中どこかで証券市場や為替市場が動いてるので、「金は眠らない」というわけである。(正確には、Money is a bitch that never sleeps!)

思えば、まだ20代で前作『ウォール街』('87)を観た頃のぼくは、まだ拝金主義を「善」としてたので、チャーリー・シーンの、悪いことをしてでもノシ上がって行こうとする若者の姿を(一種)憧れの目で眺めていたように思う(そのチャーリー・シーンもカメオ出演している)。

当時寿司がニューヨークで流行り始めた頃でもあり、自宅で自動寿司製造機のようなもので寿司を握り美女(ダリル・ハンナ)と豪華なアパートで過ごすチャーリー・シーン。あの頃は、「寿司」もそうだが、日本が世界を席巻していた。

映画を観ていても、『ゴースト/ニューヨークの幻』('90)や『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』('89)などで、日本の脅威を揶揄する場面もあったものだ。

今回、2010年になり、投資家として映画に登場するのは、中国人だ。時代は確実に(斜陽の)日本から中国へシフトしている。シャイア・ラブーフは中国語で挨拶するし、おみやげに「西洋の白酒(バイチュウ)だ」と云って、ジョニー・ウォーカー・ブルー・ラベルを渡すのだ。

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『ウォール街』が公開された、1987年頃から90年代初旬にかけて、日本は円高を背景にバブルの時代に突入していく。その後バブル経済の(当たり前な・笑)終焉があり、長銀や山一証券の破綻、日銀の迷走、政治の貧困(総理大臣が何人変わった?)などのお陰で、日本経済は未だに後遺症にあえぎ疲弊してしまっているような気がする。

「額に汗しないで大金稼いでるから」と検察に捕まった経済界の寵児、村上ファンドとホリエモン。その検察も無茶苦茶な奴らだったというのが露呈しては暗澹たる気分になるわな。(この映画のゲッコーは、日本ではさしずめホリエモンか)

前作では(額に汗する)空港で働く実直な父親(マーティン・シーン)がモラルの象徴だった。今回は、ゲッコーの生き方に反発する娘がその象徴となる。
セントラル・パークで、子供たちが遊ぶシャボン玉を映し出すそのシーンが、何を云わんとしているかは、(バブルを経験した)日本人ならすぐに理解できると思う。

今回ぼくは(何ら)憧れの気持ちでこの映画を観れなかった。それだけ年を重ね、大人になったということか(笑)

日本では、2011年1月28日より公開。

Wall Street: Money Never Sleeps (2010)

Director : Oliver Stone
Cast : Michael Douglas, Shia LaBeouf
Duration : 132 mins

09-Oct-10-Sat by nobu

ウォール街 [Blu-ray]
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2010-10-04

ブルーノ・マース / ジャスト・ザ・ウェイ・ユー・アー (マティーBラップス・カバー) Bruno Mars / Just the Way You Are (Cover by MattyBRaps ft. Tylar Ward) 7歳のラッパー!

iPadで、SoundHoundという音楽アプリを開いてつらつら眺めていたら、"Just the Way You Are" という曲が目についた。
ぼくらおっさん世代では、この題名を聞くとビリー・ジョエル(邦題:「素顔のままで」)であるが、これはブルーノ・マース(Bruno Mars)の楽曲。

んで、今回紹介するのは、それのカバーである。

歌ってるのは、7歳のラッパー・マティーBラップス(MattyBRaps)。

「ぼくは彼女が世界で一番かわいいと思う…」とダウン症の4歳の自分の妹に捧げて唄う。

素敵な歌である。

MattyBRaps | facebook

Bruno Mars / Just the Way You Are (Cover by MattyBRaps ft. Tyler Ward)

04-Oct-10-Mon by nobu

2010-10-02

『精舞門2(原題)』(クンフー・ヒップホップ2) [DVD] "KUNG FU HIP-HOP 2"

精舞門2 (香港版) (DVD リージョンALL)

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映画『精舞門2(原題)』(クンフー・ヒップホップ2)"KUNG FU HIP-HOP2" をDVDで観たので紹介しよう。

先日中一の娘と観に行った映画『ステップ・アップ3D』『ストリート・ダンス3D』が、両方共とっても面白かったので、我が家は”にわかヒップホップ系”になりそうなんである(笑)。で、Hong Kong RecordsでこのDVDを発見した時にはすぐに手が出てしまったのだ。
香港では、2010年6月24日に公開されており、その頃は全く興味がなかったのだが、この数ヶ月で趣味が随分変わっちまった(単細胞だからな。あはは)。

この映画に惹かれたのは題名もある。「精舞門 」とは、ブルース・リーの『ドラゴン怒りの鉄拳』の原題『精武門』のもじり。それに英語題が KUNG FU HIP-HOP とくれば、クンフー映画好きで、ヒップホップ系の自分(笑)としては、食指が動こうというもの。

で、映画を観たが、なんかテイストが違う。それもそのはず、コレ、香港映画とばかり思っていたが中国映画だったのだ。

いきなりクラブで踊る場面から始まるこの映画。チームの対抗戦のようだ。まぁ、踊りが(正直)たいしたことない。上で書いたアメリカとイギリスの"ホンモノ"のヒップホップ映画を観た後だと、ちとつらい(苦笑)。

物語は、Encoreというタレント性のあるヒップホップ・チームが、芸能事務所に誘われるが、自分たちは自由に踊りたいという気持ちからそれを断る。だが、チームメイトの一人は母親の病気で金が必要なためチームを脱退。チームリーダーのLTは、ダンス教室でヒップホップを習いに来たお嬢様を好きになってしまう。だが、彼女は結婚の約束をしているソーシャル・ダンスのパートナーから命じられ、ヒップホップを習いに来ていたのだった。やがてチームの練習にも参加するお嬢様だが、果たして、彼らの恋とチームの友情は……、というもの。

見終わって、なんでこれが「クンフー・ヒップホップなの?」と口あんぐりになった。
前半、ちょこっと、喧嘩のシーンでヒップホップになるのはなるのだが、ぜんぜんクンフー(功夫)じゃないのだ。それ以降、(フリーランニングなどあるものの)普通にヒップホップ踊って、恋をして、ダンスバトルがあって、それでおしまい(はぁ)。

ま、どっちかというと、チームリーダーとお嬢様の恋物語が主軸となり、ダンスは二の次って感じなのである。この手の映画は、ダンス主体にするためにストーリーはシンプルでいいと思うが、ダンス・シーンが(イマイチ)盛り上がらないから、ただの恋愛ものになっちゃった、って感じなのだ(苦笑)

キャストは、チームリーダーに、台湾の若手人気俳優・陳柏霖/チェン・ボーリン、お嬢様を周奇奇/チョウ・チーチー、アイドルグループ棒棒堂(Lollipop)の王子/プリンスなど。中国圏では人気があるのだろうが、(おっさんの)わしゃ知らんという面々だった(笑)

だが、かの中国が、かようなヒップホップ系の映画を製作するとは、ぼくらが若い頃には想像も出来なかったことだ。時代は確実に変わっている。
これを観て、ぼくが映画プロデューサーなら、エイベックス辺りにかけあって、かっこいい音楽と共に、ダンス甲子園に出てるような奴らを使って、渋谷を舞台に映画作んのにな、と思った。スター映画として面白いものが出来そうな気がするけどね。

これ、パート2であるが、YesAsia見たら紹介文に「第1作を上回るダンスシーンを展開している」とあったので、范冰冰/ファン・ビンビンが出てるとはいえ、もうあんま観る気がしません。てなことで(笑)

精舞門2 Kung Fu Hip-Hop 2 (2010)

Directer : 劉寶賢/Liu Bao Xian
Cast : 陳柏霖/Bo-lin Chen, 周奇奇/Zhou Qi Qi, 王子/Prince Chiu
Duration: 89 mins

02-Oct-10-Sat by nobu

精舞門2 (香港版) (DVD リージョンALL)

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精舞門(香港版)(DVDリージョンALL)

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2010-10-01

フレッド・アステア ゴルフ・スイング&ダンス Fred Astaire Swinging Golf and Dance in "Carefree"

今日(2010年)10月1日は、香港は国慶節で休みである。昨夜は久しぶりに家でゆっくりしてたのだが、ロケフリで見た「とんねるずのみなさんのおかげでした」がとても面白かった。

とんねるず(タカさん のりさん)チーム対ビートたけし、所ジョージ チームのゴルフ・ガチンコ対決。
1ホール毎に負けたチームが罰ゲームをするというもので、ラストホールで負けた たけしチームは、熱湯風呂に入るハメに。

たけしが、おもむろに服を脱ぎ、パンツ一丁でバスタブにまたがる。ダチョウ倶楽部(上島竜兵の代わりに出川が来てた)に、「押すなよ」と”お約束”の指示を出し、熱湯の中へ落っこちるたけし(笑)。その後、風呂から出て来たらフルちんになってて、隠すためあそこの部分に「世界のたけし」とテロップも出て、もう大笑い。

久しぶりに「芸人」たけしのプロ魂を見た気がした。もう64歳なのに、フルちんになって、フランスで芸術文化勲章もらった人とは(とうてい)思えない(笑)。本当に「尊敬出来る人」である。この人には”人間国宝”をあげたいなぁ(マジで)。

で、アメリカの”人間国宝”「芸人」の一人 フレッド・アステアである。

今回はゴルフ・スイングの妙技を見せてくれた『気儘時代』"Carefree"('38)から。
アステアがジンジャー・ロジャースに見せるため、ダンスを踊りながら次々にボールを打って行く。こんな難しいダンスをいとも簡単にやってのけるアステアは、やっぱり天才だったと思う。

伝記などを読むと、アステアのゴルフの腕前は大したものだったと書いてあるが、本当に上手だったというのは、このフーテージを見るとよくわかる。

タップ・ダンスの世界最高峰に登り詰めた彼だから、ゴルフ・スイングも優雅でやわらかい。
アステアのみならず、(一流の)踊りのプロフェッショナルたちは、踊ってる最中に頭がブレない。つまり「芯」がしっかりしているのだ。
その目で見ると、ゴルフ・スイングした時のアステアも頭がブレてないのだ。スポーツもダンスも、そのタイミングとリズムが大事ということがわかる。

これからは、ぼくも「踊りながら」ゴルフをすることにしよう!”スイングしなけりゃ意味がない”からね(笑)。やってもやってもうまくなんないから(涙)、せめて楽しんでやろうと思う今日この頃であったとさ。ジャン、ジャン!

Fred Astaire Swinging Golf and Dance in "Carefree" (1938)

気儘時代 [DVD]
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