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2010年7月

2010-07-28

『トイ・ストーリー3』 Toy Story 3 トム・ハンクス + ティム・アレン

Odoru2807102

夏休みになった最初の日曜日。中一の娘と二人でピクサーの新作映画『トイ・ストーリー3』”Toy Story 3”(英語版)へ行った。香港でもIMAX 3Dでの上映もやってるが、時間の関係もあって通常版の3D(通常のってのも変だが・笑)で観た。

おそらくこの映画をご覧になった皆さんと同じように、ぼくも(とても)感動した一人である。娘は、「超面白かった!」を連発していた。
子供は満足して帰り、大人は(子供以上に)感動して帰る、そんな映画じゃなかろうか。

以下、ちとネタバレあり。

いつも通り、ピクサーの短編映画から始まる。タイトルがなく始まるこの作品は、昼と夜が交差しながらの一日を描いているユーモラスなもの。タイトルは『デイ&ナイト』。

そして、本編だ。今回は、ウッディ(声・トム・ハンクス)とバズ(ティム・アレン)たち”おもちゃ”の所有者であるアンディが大学進学のため、部屋を片付ける必要に迫られ、子供の頃の思い出深いおもちゃたちが、託児所「サニーサイド」に<誤って>寄付されることで起きる騒動を描く。

テンポといい、アクション&アドベンチャーといい、コメディとしても申し分ない面白さ。ちゃんと悪役もいて、キャラが立っているのもわかりやすい。そして、ラスト5分の感動…。
アメリカの人気サイト”Rotten Tomatoes”で99%という圧倒的支持を受けているのもうなずける。これは本当に人々に愛される映画であろう。

我が家では『トイ・ストーリー』も『トイ・ストーリー2』も日本に居たころ劇場で観た。まだ幼稚園へ行っていた長男を連れて1を観て、2の時は娘も連れていったように思う。
この「3」でアンディと我が家の長男が同じ年だったのが今回わかって、余計に感慨深いものがあった。(息子は今高三で受験勉強中である。欧米では同じ年の生徒は、夏休み明けに大学生になる)

「1」の時も「2」の時も、トイざらスでは、ウッデイやバズたちのアクション・フィギアで壁面がいっぱいになっていたのを思い出す。今考えれば、その時に買っておけばよかったなと思う、お父さん用に(苦笑)

Odoru2807105

オトナになれば、誰だって子供の頃遊んだおもちゃを捨てたり、箱の中に入れてそのまま封印する。けど、おもちゃたちは、いつまでも持ち主に遊んでもらいたいのだ。
この映画は、おもちゃたちが、まるでリストラにあったかのような扱いを受ける。そして、自ら望んで託児所へ行くが、そこはまるで牢獄のような場所だったという現実。

その牢獄を仕切っている老ベアのぬいぐるみロッツォ(ネッド・ビューティ)や赤ちゃん人形も、持ち主に置き忘れられた過去がトラウマになっているのが悲しい。
おもちゃたちが人間に対してもつ恨みは、まるで労働者が雇い主に対する恨みにも似ている。そこには、行き違いがつきもの。この映画では、忠誠心にとんだおもちゃたちがやがて、持ち主と幸せな別れを遂げることができる。このことは「よかった」と心から思える。
人やモノとの別れには、こういう幸せな別れと、悲しいだけの別れがある。別れとはつらいことだけではないんだ、ということを教えてくれる。

Odoru2807108

エンタテインメントの娯楽作品として、冒頭から西部劇を見せてくれるのが心地よい。ランディ・ニューマンの主題歌も今や懐かしい。

バービー人形の恋人ケンも登場。吹替えは、ティム・バートン版「バットマン」のマイケル・キートンである。にやついた感じがイイし、70年代後半のディスコの傑作「おしゃれフリーク」(Le Freak / Chic)にノッて踊るところも大笑い。

今回一番驚いたのは、おもちゃの中に「トトロ」のぬいぐるみが出て来たトトロ、もとい、ところ。
ピクサーとスタジオ・ジブリの提携関係からすると問題ないのはわかるのだが、著作権に特にうるさい配給のディズニー映画の中に、他の映画のキャラが登場するのは極めて異例と思える(だから、スゴい事だと思う)。
製作総指揮のジョン・ラセターが、ジブリ作品のアメリカ版DVDのコメンテーターを自ら買って出るほどの宮崎駿マニアであることは知ってるが、これはリスペクトというより、「偏愛」と云っていいのではないか(笑)と思った。

ラスト・シーンの青空と、『トイ・ストーリー1』ファースト・シーンのアンディの部屋越しの青空が重なる。これは3部作の見事な大団円。
「2」もよかったけど、この「3」だけ見に行っても楽しめると思う。この夏休みは、3Dでぜひ(ご家族でもカップルでも)楽しんでください、セニョリータ!

香港では2010年7月15日より公開中(日本では7月10日より)。

Toy Story 3 (2010)

Directed by Lee Unkrich
102 minutes

28-Jul-10-Wed by nobu

(予告編)

トイ・ストーリー ブルーレイ(本編DVD付) [Blu-ray]
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トイ・ストーリー2 ブルーレイ(本編DVD付) [Blu-ray]
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2010-07-24

『ソルト』 SALT アンジェリーナ・ジョリー!!!

Odoru2407102

アンジェリーナ・ジョリー主演のアクション映画『ソルト』"SALT"が香港でも公開になったので行く(2010年7月22日から)。

金鐘(Admiralty)のAMCでは、HKD75.00(約847円)と高額。ぼくが持ってるAMEXでは通常15%割引があるが、この映画はナシ。なんと強気な興行だろうと思ったが、映画を観て理由がわかった。

これ、ジョリー姐さん大爆発!ムービーだったのだ。

ソルトとは主人公の名前である。英語でSALTと書く。意味は「塩」。この作品はそんなしょっぱい(つまりガチンコな)映画であった。

冒頭、北朝鮮の軍人に、下着姿で拷問を受けるジョリー姐さん。「わたしはスパイなんかじゃない!」そう叫ぶ、あの姐さんのキレイな顔がボコボコ。世界一色っぽいあの唇にもキズがある。

その2年後。CIAエージェントでロシア系のイヴリン・ソルト(アンジェリーナ・ジョリー)は尋問中のロシアの密告者オルロフから衝撃の言葉を聞く。大統領暗殺のため、ロシアからスパイが送り込まれる。そのスパイの名はソルト。彼女の名前だ。

「これは誰かの陰謀よ!」CIAの仲間に話してもらちがあかない。彼女はその場から逃亡する。仲間であるCIAから追われる身となったソルトは、金髪を黒髪に染め直し、逃走する。
彼女はなぜ逃げるのか?真の目的は何なのか?

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もうアクションのつるべ打ち。逃げるジョリー姐さん。追うCIA。次から次からノンストップの逃走劇。まったくユーモアもなく、緊張感たっぷりで、どんどん変わる展開。それに姐さんの強いこと強いこと。

彼女のアクション映画は、『トゥームレイダー』も『ウォンテッド』も楽しめたが、この『ソルト』はジョリー姐さんのアクション映画中ナンバー1の当たり役になるかも知れない。彼女は女性で最初の<客が呼べる>アクション俳優となったと思う。

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映画館の紹介文に、a contemporary espionage thriller と書いてあった。ユル・ブリンナーの『エスピオナージ』なんていう冷戦時代の諜報戦の映画もあったな、と思い出したが、こっちはアクションがド迫力の映画。

先日観た『ナイト&デイ』のキャメロン・ディアスは、老けたなぁ、と思ったが、ジョリー姐さんますます美しく、しかもかっこいい。
スーツ姿で、ハイヒールを脱ぎ、裸足で走るとこなんかもサマになってるしなぁ。

上でも書いたが、ユーモアが全くない映画なので、見終わっていささか疲れた。それもあってか映画としてのコクはない。けど、ジョリー姐さんが好きな人、アクション映画ファンは楽しめる映画です。ひょっとして、シリーズになるかもね(笑)

SALT (2010)

Director : Philip Noyce
Cast : Angelina Jolie、Liev Schreiber、Chiwetel Ejiofor
Duration : 100 mins

24-Jul-10-Sat by nobu

(予告編)

2010-07-23

「ライフ・イン・ア・デイ」 "YouTube - Life In A Day" リドリー・スコット + ケヴィン・マクドナルド

明日、2010年7月24日(土)。

この日、あなた自身が撮影した動画をYouTubeに投稿したら、その中で魅力的なものを編集し一本のドキュメンタリー映画にするというプロジェクト 「Life In A Day」。

選出し、編集するのは監督ケヴィン・マクドナルド(『ラストキング・オブ・スコットランド』)。製作総指揮は、かの名匠・リドリー・スコット(『エイリアン』『ブレード・ランナー』『グラディエーター』)。

出来上がった映画は、2011年のサンダンス映画祭で上映されるという。あなたも参加してみては?

詳しくは "YouTube - Life In A Day"

23-Jul-10-Fri by nobu

2010-07-22

『不思議な世界の物語』 The Wonderful World of the Brothers Grimm (TCM)

The Wonderful World of the Brothers Grimm

香港のTCM(ターナー・クラシック・ムービーズ)で、映画『不思議な世界の物語』”The Wonderful World of the Brothers Grimm”をやっていたので、録画して観た。

この映画、シネラマとして製作されたものとして有名だが、ぼくは未見だった。LD(レーザーディスク)ではソフト化されていたが、DVDは発売されておらず、なかなか観るチャンスがなくなっていた映画だったのだ。

なぜDVD化されないのかというと、IMDBによると、この映画のネガを保管していた倉庫の火災により、ネガが水浸しになってしまい、リストアが出来なくなってるからなのだと。
シネラマは、35mmフィルムを3本同期させて映写するが、(現存するフィルムでは)このA,B,Cパネルのうち、左のAと右のCパネルに欠損があるため、完全な形での修復はほぼ不可能なのだそうだ。

で、今回の放送はどんな形なのか?と興味を持って観たが、やはり既存、というかTV用にトリミングされたヴァージョンであった。
タイトルバックだけは、シネラマ画面(縦に2本ラインがある)で、その後はTVサイズ(1.33: 1)になる。70年〜80年代のテレビ「洋画劇場」を思い出してもらうとわかると思う。あれと同じ。

邦題は『不思議な世界の物語』だが、英語題を訳すと「グリム兄弟の素晴らしい世界」。そうこれはグリム童話を映画にしたものなんである。

映画の構成は、グリム兄弟が執筆活動しながら織りなす伝記ドラマの中に、童話をそのまま映像化した劇中劇を入れているというもの。
グリム兄弟に扮するのは、ローレンス・ハーヴェイとカール・ベーム。童話部分は、3つの話が挿入される。

The Wonderful World of the Brothers Grimm

まず「踊るお姫さま」は木こりのラス・タンブリンがお姫様のイベット・ミミューの心を射止める為に踊る。タンブリンは『略奪された七人の花嫁』のようなトンボを切る。
「くつ下直しと小妖精」は、働き者の靴屋(ローレンス・ハーヴェイ)が寝静まった後に人形たちが働きだすというお話。この人形たちが動くところは、製作のジョージ・パルが得意とするパペトーン(人形アニメ)となる。

「歌う白骨」も同様に、真珠をちりばめた竜が出て来るが、これもパペトーンと実写の合成となる。このお話は、竜退治にでかけたへたれな騎士(テリー・トーマス)が、実際は部下(バディ・ハケット)が竜をやっつけたのに、手柄をとって部下を殺してしまう。ある日羊飼いが拾った骨で笛を作ったところ、その音色が騎士が部下を殺したことを語り出すというもの。

ジョージ・パルは、ハンガリー生まれのアニメーターだが、ナチスを嫌ってアメリカに移住した。SF映画制作や特撮技術に多大な貢献をした人である(かのレイ・ハリー・ハウゼンもパペトーン・スタッフだった)。バイロン・ハスキン監督とのコンビで『宇宙戦争』(後にスピルバーグがリメイク)、それからぼくが大好きな『黒い絨氈』や『タイム・マシン 80万年後の世界へ』などを作った才人なのだ。

ジョージ・パルは新しい試みとして、シネラマに飛びついたのだろう。ドラマ部分の監督ヘンリー・レビンも、シネラマを意識してのカメラワーク(奥行きを意識した、縦に見せる撮り方)で工夫していると思う。

最近では「本当は怖いグリム童話」や、テリー・ギリアム監督の映画『ブラザーズ・グリム』もそうだったようにグリム童話はダークなイメージもあるが、この映画が製作された1962年当時は、まだグリム童話は健全なものとして受け入れられていた。そういった意味で、この映画は、ドイツの美しい自然の中での、ファミリー・ピクチャーとして製作されたのも当然のこと。

今となっては、IMAXや3Dを見慣れた子供たちには、この映画は古臭く映ると思う。映画自体も名作とは言い難いが、これを子供の時に観た人たちの心にはやさしい気持ちが残ったのではないか?そんなことを思わせる映画だった。

THE WONDERFUL WORLD OF THE BROTHERS GRIMM (1962)

Directed by Henry Levin
Produced and Fairy Tale Directed by George Pal
129 minutes

22-Jul-10-Thu by nobu

(予告編)

2010-07-21

『ナイト&デイ』 KNIGHT AND DAY トム・クルーズ + キャメロン・ディアス

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トム・クルーズ、キャメロン・ディアス主演のアクション・コメディ大作『ナイト&デイ』”Knight and Day”へ行く。
香港では2010年6月24日から公開されたが、香港島の映画館では軒並み上映回数が減ったので、あせって観に行ったのだった。

アメリカでの興収は、過去20年のトム・クルーズ映画の中で最低のオープニング記録だったらしい。理由の一つはポスター(写真は香港版)。まるでヒッチコックの『北北西に進路を取れ』を思わせるような渋いものだが、トム・クルーズの顔を出さなかったので、観客に気づかれなかったのだと。20世紀フォックスの広報が正式にお詫びしてたのを何かで読んだ(その後新しいポスターが出来た)。

映画の評価は、アメリカの人気サイト”ROTTEN TOMATOES”でも55%とあまり芳しいものではない。だが、ぼくは気に入ったし、面白いと思ったのだ。

物語は、キャメロン・ディアス扮するジューンが、たまたま同乗した飛行機で知り合ったハンサムな男ロイ(トム・クルーズ)と会話し、ちょっとその気になるが、なんと彼はミステリアスなスパイで、それから彼女は思ってもみないトラブルとびっくりアドベンチャーに巻き込まれてしまうというもの。

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気に入った理由は、これがアクションのみならずラブコメとしても面白かったからだ。主演の二人は共にビッグ・ネームなので、激しすぎる過激なバイオレンスもないし、ポップコーン片手に安心して見ていられる。つまり健全なのだ。アクションものとしてはゆるいと云われるかも知れないが、そのまったり感が妙に心地よかったのだ。

主人公たちは、アメリカ、オーストリア、南の孤島、スペインとテンポよく動き回る。なんかこの辺も007を見ているかのよう。観光映画としても楽しめた。

思えば『バニラ・スカイ』で共演した二人。あの時、キャメロン・ディアスは、トム・クルーズに「あなたが好きだから、(あなたのを)飲んであげたのに」と切なく言ってたっけな(笑)
そのトムは48歳、キャメロンも38歳である。年齢的に派手なアクションというのはキツくなってきてるんだろう。頑張ってるんだけど、「目を見張る」というほどのものではないのが映画としてはつらいかもしんない。

あと、正直書くと、やっぱりキャメロン・ディアスがねぇ… 老けたなぁ…。キレイだし、かわいいし、ぼくは好きなんだけど、大画面で見る真っ赤なビキニ姿は、(ある意味)目のやり場に困ったな(苦笑)。時は残酷ナリ。

Odoru2107109

他の共演者は、ピーター・サースガード(『17歳の肖像』)、ヴィオラ・ディヴィス(『ダウト-あるカトリック学校で-』と芸達者が揃う。特にディヴィスは、先日トニー賞で最優秀主演女優賞をとったばかり(なんか、こんな役で出すのはもったいないなと思う。ホントに上手な人だから)。
監督は、ジェームズ・マンゴールド。前作『3時10分、決断のとき』も面白かったよね。

トム・クルーズはiPhoneで、キャメロン・ディアスはBlackBerryを使ってる。キャメロンは男物の腕時計をしてる(オメガかな?)。こういう小道具の使い方もかっこよかった。

「ナイト&デイ」と聞くと、ぼくは"パブロフの犬"の如く、コール・ポーターの名曲「Night and Day」が、フレッド・アステアの歌声と共に頭の中に流れるが、この映画は”Night”(夜)ではなく、”Knight”(騎士)なのでお間違いなく(洒落だね)。

これは、(中坊ではなく)大人のカップルが見に行くには最適の映画と思う。ホール&オーツの「プライベート・アイズ」にノレる感覚の人におすすめの映画です(笑)

日本では2010年10月9日公開。

"With me, without me, with me, without me."

Knight and Day (2010)

Directed by James Mangold
130 minutes

21-Jul-10-Wed by nobu

(予告編)

2010-07-19

ステーブ・ジョブズ氏 2005年 スタンフォード大学での演説 [YouTube] Steve Jobs 2005 Stanford Commencement Address

今日はちょっと真面目なスピーチを紹介しよう(っていつも不真面目なつもりもないが・笑)。

高校3年の息子が授業で習ったというので、教えてくれたのだが、これはAppleのCEOスティーブ・ジョブズ氏が2005年にスタンフォード大学の卒業式で演説したもの。

たった15分ほどの演説だが、とても感動的である。若い人にぜひ聞いて欲しい。人生にとってとても大切なことを教えてくれる。

スピーチの内容は詳しくは書かないが、彼が人生で学んだ、シンプルな3つの話である。過去と現在が繋がっていること。栄光と挫折の中で得たもの、など。

英語のスピーチだが、下に英語字幕が出るので、聞き取れなくても充分追えると思う。
夏休みの英語学習にも最適のテキストだと思う。

若い人に、と上で書いたが、若くない人も教わることが多い名スピーチ。この15分は人生の無駄に決してならないと思う。

Steve Jobs 2005 Stanford Commencement Address

19-July-10-Mon by nobu

2010-07-16

「ポートレイト・イン・ジャズ」 Portrait in Jazz 和田誠・村上春樹 著 (爵士群像) 

香港のJUSCOの中にあるヴィレッジ・バンガードへ行った。そこで何気に本を眺めていたら、見覚えのあるイラストが表紙の本に出会った。大好きな和田誠さんの絵だからすぐにわかった。
そうこれは「ポートレイト・イン・ジャズ2」の中国語版である。

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タイトルからわかる通り、ジャズの本である。だがそんじょそこらの本とは違う。
ぼくが大好きで、尊敬してやまない和田誠さんのイラスト。文章は、あの!村上春樹さんである。

もともと和田誠さんのジャズ・ミュージシャンのイラストがあり、それを個展で見た村上春樹さんがエッセイを書くことになったというこの本。
読んで楽しい、眺めて楽しいとはこういう本のことをいう。

ぼくがジャズを好きになったのも、和田誠さんの書かれた映画とジャズの文章をいっぱい読んだからに他ならない。その尊敬する和田誠さんが、村上春樹さんを評して「ジャズへの想いは、ぼくより熱く深い」というのだから、どれほどスゴい方なんであろうか。

村上春樹さんのこのエッセイを読むと、本当に本当に本当にジャズが好きなんだなぁというのがよくわかる。人間、誰しも好きなことを書くと楽しい気分になる。その楽しさや喜びが文章から伝わって来る。で、それを読むとこっちも楽しくなる。

この中国語版出版によって、ジャズの楽しさを、ジャズがもっと好きになる中国人が増えたらいいのにな、と思う。ぼくがジャズを好きになったようにね。

この「ポートレイト・イン・ジャズ」は、1、2 がある。

4103534079 ポートレイト・イン・ジャズ
和田 誠 村上 春樹
新潮社  1997-12

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「ポートレイト・イン・ジャズ2」は日本のオリジナル版は、表紙が違う。
中国語版はクリフォード・ブラウンだが、日本版はホレス・シルヴァーである。

4103534125 ポートレイト・イン・ジャズ〈2〉
和田 誠 村上 春樹
新潮社  2001-04

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こんな「粋な本」めったにありません。Highly Recommended!

(中国語版は台湾の時報文化出版企業有限公司から発売)

16-Jul-10-Fri by nobu

(CD もある↓)

B00005681R ポートレイト・イン・ジャズ 和田誠・村上春樹セレクション
マイルス・デイビス オムニバス ビリー・ホリデイ
ソニーレコード  1998-06-20

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2010-07-14

「スター・ウォーズ: ア・ミュージカル・ジャーニー」 [DVD] STAR WARS: A MUSICAL JOURNEY 

スター・ウォーズ エピソード3:シスの復讐

先日NHKで放送された「This is “MY STAR WARS”」を見て、(この番組はBS-hiにて全エピソード一挙放送の宣伝だったので)ぼくもまた「スター・ウォーズ」を観たくなってしまった。罪作りな番組でした、あれは(笑)

全エピソードを観る時間もなかなかとれないので、ぼくが棚から出して来たのは、「スター・ウォーズ  エピソード3 シスの復讐」(STAR WARS EPISODE Ⅲ REVENGE OF THE SITH)のサントラ盤CD。

なんでかというと、これについてる おまけのDVDを見たくなったからだ。
「スター・ウォーズ: ア・ミュージカル・ジャーニー」(STAR WARS: A MUSICAL JOURNEY) と題するこのDVDは、おまけとは思えないほどの出来。「スター・ウォーズ」サーガのストーリーを追いながら、ジョン・ウィリアムスの名スコアとともに、サーガの名場面が見れる。

「遠い昔…」(A Long Time Ago) から「新たなる夜明け」(A New Day Dawns) まで、約70分、16のチャプターに分けられたミュージック・ビデオ。ご案内役は、ダーク・シディアス(パルパティーン)を演じたイアン・マクディアミド。(当たり前だが)映画とはうってかわり、紳士的に穏やかに語る。

BGVとして、これを眺めていると「スター・ウォーズ」サーガのシャワーを浴びたような、いい気分になれるから不思議だ。ラスト、ルークたちの表彰台からワイプアウトすると、ジョージ・ルーカスの名前ではなく、作曲・指揮 ジョン・ウィリアムズの名前になるのも心地いい。

この「ア・ミュージカル・ジャーニー」は、30年にも及び「スター・ウォーズ」シリーズの音楽を担当したジョン・ウィリアムズへのジョージ・ルーカスからのプレゼントではないだろうか。

現実問題として、昨今CDが売れなくなっている時代、シリーズ最後のサントラとなった「エピソード3 シスの復讐」へのルーカス・フィルム・リミテッドからの援護射撃という様相もあるだろう。

今回久しぶりに見て気づいたのは、これは”「スター・ウォーズ」版『ファンタジア』”ではないか?ということ。曲に合わせてサーガの名場面を繋いでいってるし、解説もつくしね。

肝心のサントラ盤そのものだが、この「エピソード3 シスの復讐」がシリーズ中ぼくは一番好きだ。
思えば、「スター・ウォーズ(エピソード4)」が最初に公開された時にはLPレコードだったものが、今はCDとなった。
ロンドン交響楽団も、最初に比べて音に厚みが出て来たように思う。「エピソード1」公開時にサントラを聴いて、その音の違いに感心したものだが、この「エピソード3」はシリーズ集大成と云っていい出来だと思う。30年という年月が、音楽からも伺える、その変遷を楽しめるのもまた魅力である。

このサントラ盤はおまけもイイのでおすすめです。

ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRUCK
STAR WARS EPISODE Ⅲ REVENGE OF THE SITH
MUSIC COMPOSED AND CONDUCTED BY
JOHN WILLIAMS

INCLUDES EXCLUSIVE BONUS DVD
STAR WARS: A MUSICAL JOURNEY

14-Jul-10-Wed by nobu

(字幕付の日本盤がおすすめ)

スター・ウォーズ エピソード3:シスの復讐
ジョン・ウィリアムズ サントラ
B00092QUE4

2010-07-13

「シカゴ・ザ・ミュージカル (CHICAGO The Musical)」 2010 香港公演を観劇した方用映像

我が家の中一の娘が、YouTubeで発見した「シカゴ・ザ・ミュージカル (CHICAGO The Musical)」の映像を見せてくれた。

コレ、香港でやった時と同じキャストじゃん!

香港公演を観た人は楽しめると思います。ミス・サンシャインも出てるしね(笑)

この映像は2009年のヘルプマン・アワード授賞式の時のもの。

ヘルプマン・アワード (Helpmann Awards) とは、オーストラリアの演劇賞で、アメリカのトニー賞のようなものである。

2009年のミュージカル主演女優賞は、この「シカゴ(CHICAGO)」でロキシー・ハートを演じた、シャロン・ミラーチップ(Sharon Millerchip)が受賞したので、その時のパフォーマンスだろうと思う。

それにしても… 我が家の娘は「シカゴ」をとても気に入って、2回観に連れて行った。親としては、見せるのはちと早かったかな、と思うのだが(苦笑)

from CHICAGO The Musical
"We Both Reached For The Gun" Performance

(おまけ)

そのシャロン・ミラーチップのインタビューもYouTubeで見つけた。「ロキシー(Roxie)」を唄う場面が見れる。

13-Jul-10-Tue by nobu

2010-07-12

『父ありき』 クライテリオン・コレクション [DVD] There Was a Father (Two films by Yasujiro Ozu - Criterion Collection) 小津安二郎

The Only Son/There Was a Father: Two Films by Yasujiro Ozu (Criterion Collection)
The Only Son/There Was a Father: Two Films by Yasujiro Ozu (Criterion Collection)

前回の『一人息子』に続き、クライテリオン・コレクションDVD (Two films by Yasujiro Ozu) での小津安二郎監督作品『父ありき』である。

まず、映画の紹介の前に、このクライテリオン版のリストアについて書いておく。
ぼくは以前、この作品をTSUTAYAのレンタルビデオで借りて観たのだが、映像もヒドいが音声はもっとヒドく閉口したのを覚えている。サウンドトラックに傷があり、シャーシャーとノイズが入り、会話が全く聞き取れないのだ。
テレビのボリュームを上げてもムリで「日本語の字幕をつけろや!」と怒りながら観た覚えがある(笑)

で、今回のクライテリオン版である。ネガが消失しているため、ポジからリストアをするしかない。映像もカビが生えたような場面もあるし、大雨が降ってるようなキズだらけの場面もある(欠損部分も数カ所あった)。だがぼくが以前日本で観たものとは比べ物にならないくらいキレイなのだ。特筆すべきは音声である。あいかわらずノイズはあるものの、会話がキチンと聞き取れるのだ。

英語の字幕がついているアメリカ製DVDが会話が聞き取れ、(もし以前のヴァージョンのままなら)日本で観られるものが会話が聞き取れないなんておかしな話だ。

なぜぼくがクライテリオン版を買うかというと、このように、たとえ日本版DVDがあっても独自にリストアを行うからだ。本作も、現存する35mm版と16mm版のポジを比較して、状態のよい16mm版を最新のデジタル修復技術を使ってリストアしたという(前回書いた『一人息子』も16mm版をリストアしていた)。
これでやっと『父ありき』に出会えたと思った。

『父ありき』 There Was a Father (1942)

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金沢の中学で数学教師をしている父・堀川周平(笠智衆)は、小学校高学年の息子・良平と二人暮らし。妻は数年前に他界している。
学校の修学旅行の引率で、伊豆へ行った際に、一人の生徒を湖のボート事故で溺死させてしまったことを悔やみ責任を感じた周平は、退職し息子を連れて出身地の信州に戻る。

父・周平は役所での仕事を得て、息子の良平は中学生となり寄宿舎生活を送っていたが、息子の将来の教育費もあり、人生をやり直そうと父は一人東京へ出て工場勤めをすることにする。

やがて息子は仙台の帝大を出て秋田で理科の教師として働くことになる。久々に再会し、温泉宿へ行く二人。そこで、息子の良平(佐野周二)はお父さんと暮らしたいから、学校をやめて東京へ行くと訴える。だが、父は「教師という責任ある仕事を投げ出してはいかん」と諭す。

金沢時代の生徒(佐分利信)たちが、周平が東京へいることを知り、同窓会を開いてくれる。
休暇で東京へ来ていた息子に「今夜は楽しかった」と話した翌朝、父・周平は突然倒れてしまうのだった…

前回書いた『一人息子』の母親、この『父ありき』の父親と、まるで対をなすような作品である。父を想う、というより父親が大好きな息子。息子のことを思い、息子のために仕事をしている父親。二人は中々一緒に暮らす事が出来ない。それでもお互いを思いやる強い絆が画面を通して伝わって来る。だから何気ない場面でも泣かされるのだ。

小津安二郎の父性感、それに死生感も見て取れる映画。何度もインサートされる墓石は死を連想させる。
父親とは、かように厳格で、たとえ物理的に距離をおいたとしても、子供にとって、経済的・精神的支柱となるものだという考え。とはいえ、(有名な)二人で川釣りを楽しむ何気ないシーンで、しみじみとした親子の情愛を描く。「小津安二郎の最高傑作」と呼ぶ人も多いと聞く。

1942年製作の本作。第二次大戦真っ盛りの中、軍の検閲がよく通ったものだと思う。威厳のある父親や礼儀正しい子供や生徒が描かれていたからだと云うが、戦意高揚映画でないところがスゴい。(この後、小津は戦地シンガポールで従軍する)

父親役の笠智衆は、この時あんと32歳。見事な老け役だ。初めての主演だった。以来、笠智衆は小津映画にかかせない俳優となる。”笠智衆抜きでは小津映画のあの独特の雰囲気は出せなかったし、彼は小津のペルソナだった”とドナルド・リッチーはこのDVDのブックレット(“There Was an Actor...” )で書いている。

個人的には、父親となり、妻を亡くした自分には、笠智衆の心情がよく理解できた。ただ、息子は父と一緒にいたいのに、あんなに我慢を強いるのはどうかと思うけど…(現代の子供なら確実にグレるな・笑)。
ラスト「できるだけのことはやった…」とつぶやく父の気持ちは痛いほどわかる。それでいいんだよ、と思う。

アメリカでは、2003年にAFIが選んだ、映画史上最高のヒーローに『アラバマ物語』でグレゴリー・ペックが演じた父親が選ばれた。強い正義感のある弁護士役。子供から見た尊敬すべく父を描いた名作である。
日本とアメリカと違えど、この『父ありき』の笠智衆も<フェアネス>を貫いた。理想の父親像とは、(妻亡きあとも)かように気高く、子育てをする父親のことなのだろう。

古臭いと思われるかも知れないが、お父さんになった男は「観ておく映画」の一本であろう。たとえそうなれなくてもね(笑)

『父ありき』 There Was a Father (1942)

87 minutes
Black and White
1.33: 1
Region 1

12-Jul-10-Mon by nobu

The Only Son/There Was a Father: Two Films by Yasujiro Ozu (Criterion Collection)
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IMAGE ENTERTAINMENT  2010-07-13
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star傑作、でも音声が。。。
star肉親とは何か
star男達の「仕事と家庭」、そして。。

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2010-07-11

『一人息子』 クライテリオン・コレクション [DVD] The Only Son (Two films by Yasujiro Ozu -Criterion Collection) 小津安二郎

The Only Son/There Was a Father: Two Films by Yasujiro Ozu (Criterion Collection)

2010年夏の参議院議員選挙。ぼくは香港で在外選挙へ行った。
日本領事館のある中環(Central)へ行き、帰りがけにHMVへ寄ってみた。

日本のDVDの棚を眺めている時にこの小津安二郎監督のBOX (『一人息子』『父ありき』)(Two flims by Yasujiro Ozu - Criterion Collection) を見つけた。

まず、このカバーアートを見て欲しい。
イラストを見た瞬間にこのBOXが買いたくなった。
障子とふすまのある畳の部屋。小津さんの映画でよく見る光景がここに描かれている。
裸電球、こうもり傘、鏡台、座布団、長火鉢、赤いやかん…。これは『父ありき』での父子の金沢の家のセットを描いたもの。

中を開けてみる。同じようにイラストによるカバーアート。これもまたいい。ブックレットも詳細だ。

アメリカ映画が大好きで、影響も受けた小津安二郎監督の古い映画が、こんなパッケージで、アメリカから発売された。とても「大事にされてる」感じがして、ぼくは日本人として嬉しかった。

『一人息子』 The Only Son (1936)

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信州に住む母と一人息子の物語。生糸工場の女工として働く母(飯田蝶子)は、貧しい暮らしの中、勉強の出来る一人息子を中学へ行かせることを決断する。その後苦労して息子を東京の学校を卒業させた母は、工場の仲間に暖かくなったら東京へ行ってみようと語る。

上京してみると息子の良助(日守新一)は、結婚してもう子供もいるという。仕事は役所務めと聞いていたが、じつは夜間学校の数学教師であった。暮らしているところも長屋の小さな家だ。

仲間に借金をして、母をいろんなところへ観光に連れて行く良助。まだめずらしいトーキー映画へも連れて行くが、年老いた母は途中で居眠りをはじめてしまう。

息子は、自分は十分頑張ってるが、東京は競争が激しくて「出世できない」という。
母は、そんな性根(根性)のないことでどうする、と激しくののしる。息子の出世を楽しみにして、田んぼや家を売って教育費にあてた自分の気持ちを考えろと。

東京での数日間を過ごし、信州に帰る母。息子の良助は、まだ乳飲み子がいるが、妻にもう一度勉強をし直すと誓う。母は今は清掃婦として働く工場で、自分の気持ちを隠し、仲間に息子の自慢をするのだった。

小津さんの映画はいつもキビしい。
小市民を描くホームドラマを撮り続けた小津監督だが、その中にいつも親と子の「孤独」が内包されている。

母は自分の人生を子供にかける。だが、子供は東京でうだつが上がっていなかった。親の期待に子供は応えていないのだ。ラスト、母は工場裏手の閉ざされた扉を見ながらうなだれる。自分の人生はいったい何だったのか?女手ひとつで、苦労して学校へ行かせた息子の出世だけを生き甲斐に今まで頑張って来たのに…

若い時は、親の期待に応えられない息子に同情したものだが、自分が親になってから観直してみると、母の気持ちがよくわかった。時代は変われど、子供に対する期待値が高ければ高いほど、親は落胆するものだ。けどそれが現実なのだ。それを受け入れる努力を親はしなければならないことを教えられる。

この『一人息子』は、1936年の小津安二郎監督 初めてのトーキー映画である。
残念ながら小津さんの初期の映画の殆どはネガが消失している。この映画もポジからリストアを行っている。
定評あるクライテリオン・コレクションのリストア技術を持ってしても、モノクロ画面の汚れと傷、音の悪さは残っている。だが、かなり改善されているのも確か。

クライテリオン版のための(信頼に足る)映画評論家・佐藤忠雄氏のインタビュー(約21分)もとても興味深かった。

もう一本の『父ありき』については後日また。

『一人息子』 The Only Son (1936) (Criterion Collection - Two films by Yasujiro Ozu)

82 minutes
Black and White
1.33: 1
Region 1

11-Jul-10-Sun by nobu

The Only Son/There Was a Father: Two Films by Yasujiro Ozu (Criterion Collection)
The Only Son/There Was a Father: Two Films by Yasujiro Ozu (Criterion Collection)
IMAGE ENTERTAINMENT  2010-07-13
Sales Rank : 1095

Average Review  star
starTwo more from one of the masters of Japanese cinema

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B00009XLL9 小津安二郎 DVD-BOX 第三集
小津安二郎
松竹  2003-11-22


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一人息子 [DVD] COS-016
一人息子 [DVD] COS-016
おすすめ平均
stars??
stars人生の悲劇の第1章は(T_T)
starsセンチメンタルなリアリズム
starsトーキー第一作目にしてすでに高度な完成度を誇る名作

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2010-07-10

This is “My STAR WARS” を見た

スター・ウォーズ STAR WARS/stormtrooper ポスター(100403)

NHKで2010年7月9日(金)深夜0:45 から放送された「This is “My STAR WARS”」をロケフリで見た。

13名のスター・ウォーズ・ファンの著名人がSWの魅力について語る。出演は, 浅草キッド, 東貴博,  春風亭昇太, 佐藤可士和,  山崎貴,  デーブ・スペクター,  市川亀治郎,  NIGO,  鴻上尚史,  速水もこみち,  冲方丁,  山口晃。司会は小池栄子。

この番組は、7月17日(土)よりエピソード1から6までBS-hi で一挙放送されるので、その番宣だった。
1から6までの全話放送は、「世界初!」と云っていたが、香港では2007年に放送されたけどな?と思った(記事「スター・ウォーズ:フィール・ザ・フォース」参照)。けど、HDマスターは観てみたいな(観れないけど…)。

番組では、幼い頃にSWに出会った皆さんが、何を学び自分の人生にどんな影響があったかを語る。
NIGOさんのSWグッズのコレクションのスゴさ、速水もこみちさんのフィギア好き、浅草キッドの玉ちゃんは、SWを子供と観に行けた喜びを語り、 鴻上尚史さんはエピソード4の編集の妙を熱く語る。そして、「エピソード1から見直すと、エピソード4でダース・ベイダーが登場する場面で涙が出る」とも。なるほど、時間がある時にもう一度全作見直してみたいなと思わされた。

ぼくも若い頃出会ったSWに夢中になった世代なので、皆さんの話を聞いててとても面白かった。

1977年5月にアメリカで公開された映画『スター・ウォーズ』(エピソード4)は、日本では公開が1978年6月30日だった。つまりぼくらは1年以上待たされたのだ。理由は、20世紀フォックスが夏休み公開にこだわったから。その時、ぼくは日本では夏興行が一番大事なのだということを知った。

月刊誌「ロードショー」では確か「惑星大戦争」と最初に紹介されたSW。アメリカで史上空前のヒットを飛ばし、リピーター続出という記事ばかり目にして、早く見たいなと思ったものだ。

だが、やっぱり1年は長過ぎた。その間、ずっと待たされたぼくら映画ファンは、公開の頃にはスティル写真や紹介記事で満腹になっていたのである。
初日に観に行ったSWは、面白かったのだが、一年以上待たされた分(期待にあそこを、もとい胸をふくらませ過ぎたからだろう)正直「こんなものか」と思ったのだ。

その後ぼくは、イギリスへ行き、住んでた町の名画座で再びSWに出会った。
英語の勉強も兼ね、映画を見続けていたぼくは、ぶっとんだ。これ超面白いじゃないか!
まだビデオなどない時代。興奮したぼくは3日続けて観に行ったのだ。

日本で観た時は(当然)字幕で観たのだが、その時に、この映画のキーワード「Force」を字幕の岡枝慎二さんは、「理力」と訳した。

今でこそ、「フォース」とそのまま呼ぶようになったが、英英辞典で調べると、その意味は、”Power from body or mind” とある。元々日本語にない「理力」という造語は苦肉の策だったが、このたった一つの言葉の意味がわかるかどうかで、映画の印象も変わるものなのだと痛感したのだった。

SWの想い出は色々語りだすと止まらないので、今回はこの辺で。

"May the Force be with you."

NHK オフィシャルHP BS-hi 「スター・ウォーズ」一挙放送

10-Jul-10-Sat by nobu

2010-07-09

『ザ・ランナウェイズ(原題)』 THE RUNAWAYS

The Runaways 2010 27x40 MOVIE POSTER

”ザ・ランナウェイズ”(The Runaways)というバンドをご存知か?

1970年代のガールズ・ロック・バンドで、ボーカルのシェリー・カーリーが、コルセットとガーターベルトの下着姿で「チェリー・ボンブ!」(邦題:悩殺爆弾)と歌い、当時日本でも人気があったバンドである。
今、40代から50代の男たちは、若い時に篠山紀信の「激写」で「お世話になった」輩も多いのではないか(笑)

その『ザ・ランナウェイズ』”The Runaways”が伝記映画になった。「お世話になった」男の一人として、これは観にいかざるばなるまい(笑)

原作は、ボーカルのシェリー・カーリー自身が書いた「A Memoir of a Runaways」。これは少女たちがランナウェイズというバンドを通して墜ちて行き、そして再生するまでの話。

主役のボーカリスト、シェリー・カーリーに扮するのは、『アイ・アム・サム』や『宇宙戦争』ではあんなに可愛かった子役のダコダ・ファニング。ギタリストのジョアン・ジェットには、『トワイライト』サーガで今人気のクリステン・スチュワート。

スージー・クワトロの「ワイルド・ワン」(Wild One)がかかり、映画は始まる(これもおっさん世代には懐かしい曲だ)。
離婚した父はアルコール中毒、母は違う男とインドネシアに行ってしまうので、姉と祖母と暮らすシェリー(ダコダ・ファニング)は、満たされない日々を送っていた。学校の舞台でロックをバックにダンスを踊ってもブーイングを浴びる始末。

ジョーン・ジェット(クリステン・スチュワート)は、革ジャンを着てギターを弾くボーイッシュな娘。ディスコの前でレコード・プロデューサーのキム・フォーレィ(マイケル・シャノン)に出会い自分を売り込む。キムは即座にドラムのサンディ・ウエスト(ステラ・メーヴ)を紹介し、二人はバンド練習を開始する。

金髪のホットなオンナをボーカルにしようと、キムはディスコでデヴィッド・ボウイのような髪型のシェリーに声をかけ、オーディションに来いという。トレーラーハウスでのオーディションでは、普段ペギー・リーなんかを聴いているシェリーを汚い言葉でののしり、反抗的なロック・ボーカリストに変えて行く。

やがてマーキュリー・レコードと契約し、ザ・ランナウェイズとしてデビュー。成功の階段を上がり始め、日本にも公演旅行でやってくるが、平均年齢が16歳という若いメンバーたちはドラッグ、セックス、アルコールに溺れて行くのだった…

それぞれに不幸をかかえているティーン・エイジャーの娘たちが、バンドとして成功するが、その裏にはひどく、そしてただれた生活があった。
バンドが解散するのは「音楽性の違い」とよく云うが、自分たちは音楽ではなく、キワモノとして扱われている事実を、シェリーが日本人カメラマンに「激写」されたことにより知る。

まだ16歳のシェリーが、だんだんジャンキーになっていくつらい場面が続く。レズであるジョーンはシェリーとも寝る。シェリーは男ともセックスし、酒を飲み、薬を吸い、そしてステージで歌う。

映画は、インディペンデント系の映画らしく、予算も限られ、日本でのライヴ・シーンなどもあまり高揚感はない。過激な映画を想像するかも知れないが、映画はスローペースで淡々と進む。

ダコダ・ファニングとクリステン・スチュワートのキスシーンもあり、今をときめく二人がなんでこんな小品の映画に出演したのかと思うが、実際のザ・ランナウェイズのメンバーたちもそうであったように、大人に翻弄されてしまった少女たちの心情が、子役から始めたダコダとクリステンにはよく理解できたからかなと想像した。
だが、アイドルに近い二人の競演ゆえ、過激なシーンはNGだったのだろう。映画自体のインパクトは弱くなっているのも否めない。

ザ・ランナウェイズが解散となり、その後一人で曲作りをしたジョーン・ジェットは、苦しみの中でビルボードNo.1ヒットとなる「アイ・ラヴ・ロックン・ロール」(I Love Rock ‘n’ Roll)という名曲を生み出す。
結果、ジョーン・ジェットには、ザ・ランナウェイズが通過点だった。シェリーにはそこがひとつのゴールであり、そこから抜け出すのにその後の人生を浪費してしまったのである。

香港では2010年6月17日から公開された映画『ザ・ランナウェイズ』だが、2週間で上映が終わっちゃった(残念)
日本では公開されるかどうかわかんないな。この映画なら、見たがるおっさん、おばちゃんたちも多いと思うんだけどなぁ。曲も懐かしいし。

実際のセクシーで悪っぽいシェリー・カーリーを知っていると、ダコダ・ファニングはちと物足りない(笑)。男みたいなジョーン・ジェットより、クリステン・スチュワートの方が断然カワイイのだけど(爆)

Hello Daddy, hello Mom
I’m your ch ch ch ch ch cherry bomb !!
Hello world I’m your wild girl
I’m your ch ch ch ch ch cherry bomb !!

The Runaways (2010)

Directed by Floria Sigismondi
106 minutes

09-Jul-10-Fri by nobu

B0034G4P76 The Runaways [Blu-ray]
Sony  2010-07-20

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(予告編)

(実際のザ・ランナウェイズ/日本での映像)

2010-07-08

KUROSAWA ON KUROSAWA (Sight & Sound)

201007

英国の映画雑誌「Sight & Sound」 2010年 7月号は、今年生誕100年の映画監督・黒澤明の特集である。

Sight & Sound: Kurosawa on Kurosawa

Japanese Cinema's Last Emperor
KUROSAWA
Century Tribute

08-Jul-10-Thu by nobu

2010-07-07

『デート・ナイト』 DATE NIGHT スティーヴ・カレル + ティナ・フェイ

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シンガポールからの帰路、キャセイ航空内で観たのがスティーヴ・カレル、ティナ・フェイ主演のコメディ映画『デート・ナイト』”DATE NIGHT” である。
香港では2010年4月に公開されていたのだが、ぼくは見逃してたのでありがたかった。

ニュージャージーに住む、税理士の夫フィル(スティーヴ・カレル)と不動産屋で働く妻クレア(ティナ・フェイ)は、ベビーシッターを雇い時々二人でデートを楽しんでた。いつもは映画へ行き、レストランで食事をして帰ってくる。
夫婦生活もデートもマンネリ気味の二人は、ある日思い切ってニューヨークにある超人気レストランへ予約なしで行き、別人になりすまし、まんまと席をゲットして食事を楽しむことに成功する。
だが、その予約を入れていた別人は、じつは殺し屋に追われるヤバい奴らだったのだ…。

モラルもちゃんとある中年夫婦が、たった一回スリリングなデートを楽しもうとしたら、殺し屋に命を狙われるという、違った意味でのスリリングなデートになってしまったというお話。
巻き込まれ型コメディとでも言おうか、こんなはずじゃなかったのに、という中で二人は事件の真相を探っていく。テンポもよくって会話も面白い。カー・アクションもあって、結構楽しめるコメディだった。

『40歳の童貞男』や『ゲット スマート』のスティーヴ・カレルは、あいかわらずの可笑しさ。エンド・クレジットが終わった後のヘンテコなフランス語を喋るところも大笑い。
「サタデー・ナイト・ライブ」に出てたというティナ・フェイは初めて見たが、コメディエンヌとして実力がある人なんやね。最初はメガネをかけてて、共和党のペイリンみたいだが、外したら(案外)美人なのだ(笑)

夫婦を(いやいやながら)助けるセクシーなイケメンをマーク・ウォルバーグが演じる。出演シーンは殆ど上半身裸なのが笑わせる。

倦怠期を迎えた夫婦のおかしさもあり、これは中年夫婦やオトナならわかるコメディ。
『ゲット スマート』を楽しめた人なら充分楽しめると思う。88分という長さも「ちょうどええ」。監督は『ナイト・ミュージアム』シリーズのショーン・レヴィ。
日本では公開の話を(まだ)聞かないのは、こーゆー若い人に受けそうにないものは敬遠されるからだろう。
けど、こんな小品のスクリューボール・コメディが観れる方が文化的だと思うんやけどねぇ …20世紀フォックスさん(笑)

DATE NIGHT (2010)

88 minutes

07-Jul-10-Wed by nobu

(予告編)

2010-07-06

『錦衣衛』 14ブレード(原題) 14 Blades ドニー・イェン

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シンガポール行きキャセイ航空の機内で、ドニー・イェン主演の歴史ものクンフー映画『錦衣衛』”14 Blades”を観た。

この作品は、香港では2010年2月に封切られており、ぼくも見逃した一本だったので、キャビンアテンダントからビールをもらってゆったりと鑑賞したのだった。

だが、中国史にうといぼくは、錦衣衛(きんいえい)のことなど何も知らなかったのがいけなかった。さっぱりストーリーが追えず、ビールも効いて来て、途中から眠くなってしまったのだ(苦笑)

ま、その大きな原因は、字幕にあった。インタラクティブで見れた機内上映だが、中国語(北京語)の音声で、中国語・英語の字幕付。その字幕のスピードがあまりに早くてついて行けないのだ(笑)。日本のように、字幕を読み易くする工夫などなく、言葉を発してる秒数にあわせて上に中国語、下に英語の字幕をつけてある。しかも、映画の冒頭の説明(これが大事)はナレーションで、ここが特に字幕のスピードが早い(1秒ほどで字幕が消える箇所もあった)ので、北京語がわからない身にはつらい。
それに英語字幕でも、”jinyiwei”だの”Qinglong”だの、すぐに読めない字が出て来る。

結果、わからないまま映画は進み、この人は誰?ここはどこ?の世界が展開される。そら寝るわな(笑)の世界だった。

悔しいので、香港への帰路、時間があったので(途中までだが)また観た。それでようやく「ストーリーが追えた」のであったとさ(とほほ)。

明朝の時代。皇帝に直属する秘密部隊・錦衣衛のリーダーであり、皇帝への忠誠を誓う隊長の青龍(甄子丹/ドニー・イェン)は、宦官である賈精忠にだまされ、反逆罪として命を狙われる身となってしまう。暗殺の命令を受けた相手が、実は皇帝の味方で、謀反を企てているのは賈精忠たちだとわかった青龍は、彼らから皇帝の実権を取り戻すため、正義団の娘・喬花(趙薇/ヴィッキー・チャオ)や、盗賊の首領(呉尊 /ウーズン)らと共に追っ手を逃れつつ、賈精忠へ戦いを挑むのであった…

英語題は ”14 Blades”(14本の刃)という。これは、錦衣衛のリーダー青龍が肩から下げて持ち歩いている木箱の中にある14個の武器のこと。飛び出す刀や、弓矢、剣など様々な仕掛けがあるこの箱には、14番目の武器として、任務に失敗した時に自ら命を絶つための刃も入っているのである。

映画は、青龍が喬花を人質という形で奪い、荒野を馬に乗って逃げ、それを暗殺団が追っかけるという展開になるのだが、これがまるで西部劇のようなのだ。砂漠の中を馬で走る青龍たちのバックは夕陽だし、立ち寄る村々の雰囲気もなんかメキシコみたい(笑)なんである。

ストーリーが追えても、映画として、では面白かったか?と聞かれたら、正直「まぁまぁやったな」と答える。
傑作『葉問2』の前に出演したドニー・イェン。時代劇でもあり、身体に入れ墨を彫ったウォリアー役なのだが、どちらかというと刀などの武器を使ったアクションが主体なため、バトル・シーンもおとなしめ。

暗殺者の魔術使いの女、脱脱(徐子珊/ケイト・チョイ)と青龍のラスト・バトルもCGもあり面白いのだが、見てて高揚するような戦いではなかった。

それにしても、主人公の青龍はじめ、錦衣衛として集められ、訓練された男たちは、みな孤児だったために、皇帝への忠誠を誓わされるのも史実としてかわいそうではあるな。

中国の歴史に興味がある人には面白く見れるだろうが、そうでもない人には(正直)ちょっと退屈な映画と思える。中国人なら(歴史として)常識でわかるのだろうが、外国人にはわかりづらい場面も多いように感じた。ストーリー展開も含め、説明不足の感が否めないのだ。どんな理由にせよ、2回見なきゃわかんない映画ってのは、なんだかなぁ、と思うのだけど(笑)

「錦衣衛」 14 Blades (2010)

Director - Daniel Lee
113 minutes

06-Jul-10-Tue by nobu

2010-07-05

ボン・テンポ/セルジオ・メンデス [CD] Bom Tempo / Sergio Mendes

ボン・テンポ

南アフリカで行われている、サッカー・ワールドカップ。アルゼンチンがドイツに0−4で負けた日(2010年7月3日)、ぼくはシンガポールにいた。
翌日のシンガポールの新聞の見出しは、”CRY FOR ME ARGENTINA”。ミュージカル 「エビータ (Evita)」の名曲"Don't Cry For Me Argentina"のもじりである。
その前日は、ブラジルがオランダに1−2で破れた。南米の優勝候補と云われた2強が、ベスト8で去ってしまったのだ。マンマミーア…

そのブラジルで今なお活躍するサンバの巨匠と云えば、セルジオ・越後、もとい、セルジオ・メンデスだ。
もうすぐ70歳になろうとしているのに、いまだにCDを出している元気なおじいちゃん。最初の(そして最大の)ヒットは、セルジオ・メンデス&ブラジル '66 時代の「マシュ・ケ・ナダ」(Mas Que Nada)。

映画「オースティン・パワーズ」でも使われたその曲を、セル・メンおじさんは、何度も何度もアレンジし直して世に出して来た。まるで、「女のみち」を歌い続けるぴんから兄弟の宮史郎のようだが、2006年の「タイムレス(Timeless)」では、ウィル・アイ・アムなど大物とコラボし、またヒットを飛ばす。この辺が、宮史郎と違うところだ(笑)

で、今回の「ボン・テンポ (Bom Tempo)」は、セルフ・プロデュースで、かつ半分くらいの楽曲は、自身の60年代、70年代のセルフ・カバーとなっている。サンバなのだが、(聴き易く)現代風の味付けをして、また世に出して来た。この辺、彼は商売がうまい。

ともかく暑い毎日(南国の香港はこのところ、連日33度くらいの暑さだ)には、こういう熱いブラジリアン・ミュージックがよく合う。前作のボサ・ノヴァ・アルバム「モーニング・イン・リオ(Encanto)」もよかったが(日本版は吉田美和が入ってるのだな、知らなかった!)、今年の夏は、車のCDチェンジャーにこれを入れて聞くつもり。

日本版は、「Bon Tempo」の1枚組だが、ぼくが香港のHMVで買ったのは2枚組で、「Bon Tempo Brasil 〜Remixed〜」がついている。これはゴキゲンなクラブのノリだ。「マシュ・ケ・ナダ」(Mas Que Nada - Nervo Remix)もまた入ってるしね。
(日本では、「ボン・テンポ・ブラジル〜リミックス」として1枚組CDで発売)

Bon Tempo / Sergio Mendes

05-Jul-10-Mon by nobu

ボン・テンポ
グラシーニャ・レポラーセ セルジオ・メンデス ミルトン・ナシメント ブラック・アイド・ピーズ ナヤナ・ホリー セウ・ジョルジ ケイティー・ハンプトン
B00338T64M
ボン・テンポ・ブラジル~リミックス
セルジオ・メンデス グラシーニャ・レポラーセ&セルジオ・メンデス ナヤナ・ホリー グラシーニャ・レポラーセ カルリーニョス・ブラウン セウ・ジョルジ ザップ・ママ ケイティー・ハンプトン ジェシカ・テイラー
B003AL7PIG

モーニング・イン・リオ
モーニング・イン・リオ

タイムレス
タイムレス

女のみちパート2
女のみちパート2

2010-07-02

『葉問前傳(ザ・レジェンド・イズ・ボーン: イップ・マン) 』 (原題) The Legend is Born: Ip Man

Odoru0207102_2

以前、ココで予告編を紹介した『葉問前傳(ザ・レジェンド・イズ・ボーン: イップ・マン) 』 (原題)"The Legend is Born - Ip Man"。
これもブルース・リーの師匠である葉問(イップ・マン)の伝記である。

当初、香港では2010年6月10日公開と喧伝されていたのだが、6月24日に公開が延びた。ま、当地ではよくあることなので、さして驚かなかったのだが、公開されてみたらぼくの事務所近くの金鐘(Admiralty)や中環(Central)の映画館で上映されなかったのだ。

ま、この映画ならしばらくやってるだろうと思ったのが大間違い。公開から1週間後には、映画館も上映回数も驚くほど減ってしまったのだ。これも香港ではよくあることだが、客が入らない(もしくは超大作が公開になる)とすぐ終わるのだ。銅鑼湾(Causeway Bay)でも観れなくて、あわてて、魚涌(Quarry Bay)のMCL Kornhill Cinemaへ行った。

7月1日は香港は休日だったので、場内はほぼ満席だった(1日に2回しか上映しないからかも)。ぼくは前から2番目の席で観た。料金がHKD45(約510円)と安いのも嬉しい。香港では同じ映画でも映画館の場所で値段が違うのである。

1900年初頭の中国広東省仏山市。葉問(杜宇航/トー・ユー・ハン)は義兄・葉天賜(樊少皇/ルイス・ファン)と共に、道場で最初の師父(師匠)となる詠春拳の達人・陳華順(洪金寶/サモ・ハン・キンポー)に教えを乞う。やがて病に倒れた師父に代わり、一番弟子の吳仲素(元彪/ユン・ピョウ)と共に道場を続ける葉問たちだったが、ある日、祭りで喧嘩に巻き込まれた(後に妻となる)美しいが気の強いお嬢様 張永成(黄奕/クリスタル・ホァン)に出会う。だが、葉問は英国系カレッジ(St. Stephan's College)へ入学するため、香港へと旅立ち二人の仲は途切れる。

カレッジで中国人に無礼な発言をした英国人を一瞬でこらしめた葉問は、いちやく有名人となる。そんなある日、薬局へ行ったところ、その年老いた主人が実は詠春拳の達人・梁壁(葉準/イップ・チュン)であることを知り、二番目の師父として教えを乞うことになる。この師父の詠春拳と自分が教わったものとの違いが随所にある(例えばハイキックを使うことも認める)ため、葉問には刺激が多く学ぶことも多かった。

卒業し、中国へ戻った葉問は、偶然張永成と再会し愛を育んでいく。だが、しだいに戦争の影が忍びよる中、日本人の貿易商・北野の傍若無人な振る舞いがやがて大きな事件へと発展してしまうのだった……。

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大ヒットした、ドニー・イェン主演の『葉問(イップ・マン)』1&2とは、全く違うスタッフで製作された本作。題名の通り、ちょうど、ドニー版が始まる直前までの葉問の半生を描いており、ちゃんと棲み分けが出来ていたのがまずよかった(笑)。
だが、キャストに、サモ・ハン・キンポーとルイス・ファンがかぶってるので、何も知らずにこの映画を観て、ドニー版を観たらチト混乱するのでは?と思ったよ。

なんでこんなことになったかと云うと、ぼくが調べた限りでは、葉問というのは人であり、原作があるわけではないので、その人の人生を描くには著作権はいらない(家族の承諾はいる)ということだったようなのだ。

主役の新人トー・ユー・ハンはじめ、詠春拳の(実際の)使い手を起用したというので、同じキャストになったのかも知れない。なので、さすがに戦いのシーンは目を見張るものがあり、充分楽しめた。

前半、サモ・ハン・キンポーとユン・ピョウが、目隠しをして、生徒の前で組み手を披露する。ここで、サモ・ハン扮する師父が「見えているものと戦うな。感じて戦え」みたいなことを云う。これが、『燃えよドラゴン』のブルース・リーの名セリフ「Don't think, feeeeel.」に繋がるのだなと、クンフー映画ファンならピンとくる。

ドニー版『葉問』に続き、今回もまた、日本人が悪く描かれている。時代が時代だから仕方ないのだが、劇場内は殆どが香港人なので、ぼくは「一人アウェイ」の気分だった。
だが、映画的には、その悪役の日本人が<小物>なのでクライマックスの戦いもドニー版ほど盛り上がらず、意外なオチにちょっと唖然となったのだった。

詳しくは書かないが、え?そんなこと、本当に日本と中国の歴史の中であったのか?というオチである。日本人貿易商・北野(俳優の名前がわからず、失礼)の中国への(通関無視の)輸入荷物が、「はぁ?」というモノなのだ。これが本当だったら日本政府(軍部)は今からでも糾弾されるべきような事象で、にわかには信じ難い話なのである。

若き日の葉問を描き、恋人とのふれあいも通して、青春映画としても面白く観れたのだが、中盤まではとても見応えがしたが、ラストがあんなことになっちゃって、残念な出来になってしまっている。

Odoru0207108

今現在の、香港クンフー映画では、詠春拳(Wing Chun)がメジャーになった。元々必要最低限の動きで相手を倒すという地味な拳法なのだが、これをスピーディにやって見せると見事な絵になるのである(実際、香港では、詠春拳の道場は生徒が増えているという)。

本作で、葉問の2番目の師父を演じるのは、(実在の)葉問の長男・葉準(イップ・チュン)である。もうおじいちゃんなのだが、狭い薬屋で戦う場面も、型が決まってて見事だ(↑上の写真中央が葉準)。
まるで『ゴッド・ファーザーPART2』でリー・ストラスバーグが出て来たような感じと云うと(一部の人には)わかってもらえるかな?(笑)

サモ・ハン・キンポー、ユン・ピョウ、そして新人のトー・ユー・ハンと世代交代が見れるだけでも価値がある。これはクンフー映画ファンは「見ておくべき一本」と思います。ブルース・リーのメンタリティの研究にもなるしね。

ドニー版『葉問』も含め、日本での公開は難しいだろうけど、どこか「男気のある配給会社出てこいや!」と思う今日この頃である。

葉問前傳 The Legend is Born - Ip Man (2010)

Director: Herman Yau

100 mins

02-Jul-10-Fri by nobu

(予告編)

葉問前傳 (香港版) DVD リージョンALL

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