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2010年6月

2010-06-30

『監督・ばんざい!』 Glory To The Filmmaker!

監督・ばんざい! VCD (香港版)

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日本では北野武監督の新作映画『アウトレイジ』(2010年6月12日公開)がヒットしていると聞く。これで、次回作は高倉健主演でいけるかも?との記事も週刊文春で読み、ちょっと嬉しくなった。

香港でも北野作品は、HMVなどでもDVDは並んでいるのだが、ぼくが当地へ来て以来、北野作品は劇場ではかかっていない。『アウトレイジ』はぜひ公開してほしいが、どうだろうか。

2007年に日本で公開されたこの『監督・ばんざい!』のDVDは、香港ではやっと2009年12月に発売された。『アキレスと亀』はまだ名前さえ聞かない。

早く買わなきゃと思ってたのだが、日本での(低い)評価もある程度はわかってたので、ずるずると時間が経ってしまった。

そのうち、HMVなどでもDVDを見かけなくなった。それで、VCDを買って来たのだ。
このVCD(ビデオCD)は、CDに映画を焼いているので、画質・音質もDVDに比べ悪いし、字幕も消せない。ディスク2枚なので、途中で入れ替えねばならないなど不便も多いが、それでもこのディスクが香港ですたれないのは、理由がある。

それは値段が安いのだ。ぼくがHMVで買ったこのVCDはHK$20(約230円)である。それにリージョンなどないので、パソコンでも何でもディスクをかけられるのも魅力だ。

で、映画である。冒頭、人間ドックを<たけしの人形>が受診している。そして、医師がこう言う、「今度は当人に来てもらってください」。ここからもうぼくはわからない(苦笑)。前作、『TAKESHI'S』が分裂症ぎみのものだったので、またそんなものに付き合わされるのかと思ったが、今回はもう少し映画っぽくなっていた。

過去、映画を12本撮ったが、たった1本しかヒットしてないキタノ・タケシ監督(ビートたけし)。
(得意の)暴力映画を自ら封印してしまったので、何を撮ればいいか悩むキタノ監督。恋愛もの、小津安二郎のようなホームドラマ、ホラー、昭和30年代のノスタルジックなもの、忍者アクションと撮り始めてみるがどれも上手くいかない。そして、詐欺師の親子を主人公にSFものを撮り始めるのだが…。

作家性が強くて、天才と云われる映画監督の作品は、ともすればわけがわからないものを作る傾向があると思う。フェデリコ・フェリーニの(悪しき)影響だと思うが、作家の心の内へ内へと入って行き、その答えが見つからず、行き場がなくなったようなものを見せられても「なんだかなぁ…」とぼくは思ってしまうのだ。

『フェリーニの 8 1/2』なんて、なまじ名作なもんで、成功し、スランプに陥った作家性の強い監督たちはみんな同じような作品を撮ってしまう傾向を感じてしまう。

今回はコメディ映画ということになっているが、(正直)全然笑えない。「言葉」を武器に、「テレビ芸人」の先頭を走って来たビートたけしでさえも、映画で観客を笑わせることは難しいのだ(『みんな〜やってるか!』も笑えなかったし)。というより、これは北野武の内面の葛藤を見せることに照れた江戸っ子の監督が、コメディというオブラートに包んで見せようとした作品なのではないか?と邪推してしまう。

海外、というよりヨーロッパでの北野監督の高い評価。それは、個人主義が徹底し、文化的に長い歴史の中で、作家の個性を重視する「見る目」を持った人たちよって見いだされてしまった才能ゆえに、日本での低い評価、及び興行に繋がらないジレンマを感じてしまうのだろう。

映画は、やっぱり<監督のモノ>である。この映画の名前をそのままつけた賞(「監督・ばんざい!賞」 Glory to the Filmmaker! award)がヴェニス国際映画祭に出来たというからスゴいよね。タケちゃんマン世代のぼくら日本人の感覚ではとうていわからないほど北野武監督の評価は高い。

当地香港でも、一般受けがまるでない王家衛(ウォン・カーウァイ)監督も同じようなジレンマを感じていると思う。ひょっとしたら、我々がフェリーニやベルイマンを「芸術」として、ありがたがって観ていたように、ヨーロッパ人は北野武やウォン・カーウァイを同じような感覚で、スノビッシュに受け入れているのではなかろうか。そんなことを考えさせる映画『監督・ばんざい!』は、やはりただものではないのかもしれないな(笑)

「監督・ばんざい!」 Glory To The Filmmaker! (2007)

104 minutes

【余談】昨日パラグアイに負けはしたが、南ア・ワールドカップでのサッカー日本チームはよくやった。やっぱりチームでやるスポーツも監督の力が大きいと思う。これも「(岡ちゃん)監督・ばんざい!」やね。

30-Jun-10-Wed by nobu

監督・ばんざい! <同時収録> 素晴らしき休日 [DVD] 監督・ばんざい! <同時収録> 素晴らしき休日 [DVD]

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by G-Tools

2010-06-29

第64回トニー賞授賞式 2010 Tony Awards

のっけから恐縮だが、今年(2010年)のトニー賞授賞式、BS放送(6月20日)を録画したもののなかなか見れなくて、その間にちらほらトニー賞ネタも見聞きしていた。
その中で、一番笑ったのは、アメリカで授賞式をCBSが放送した次の日(6月14日)の「デイヴィッド・レターマン・ショー」。
冒頭のスタンダップ・ジョークで、「昨夜はトニー賞を楽しんだかい?」(会場、拍手と歓声)。そしたらレターマンが、「お前ら、全員ゲイか!?」(笑)

日曜日の夜、中一の娘とPizzaHutのピザをパクツキながら、録画を見ようとつけたら、NHKのアナウンサーと共に、演劇評論家の影山雄成先生が登場。マイクを両手でおつかみになる立居振舞を見て、娘が「この人、ホモ?」(失敬!)

今年のトニー賞、オープニング・アクトで見事なピアノを披露した司会のショーン・ヘイズ。数年前に、シーズン1,2だけNHKで深夜に放送された爆笑コメディ「ふたりは友達? ウィル&グレイス」でエキセントリックなゲイ役(最高!に面白かった)でブレイクしたが、彼自身も最近ゲイだとカミングアウトしたばかり。

ミュージカル・パフォーマンスでは、リバイバル作品賞受賞「ラ・カージュ・オ・フォール」で、大量のゲイ(に扮した男)たちが歌い踊る。主演男優賞も同作品のゲイ役ダグラス・ホッジが受賞。
プレゼンターとして、これまたツイッターでカミングアウトしたばかりのリッキー・マーティンも登場となれば、レターマンのジョークもまんざら外れてない(笑)。正に"ゲイの祭典"みたいで、(ある意味)大いに楽しめた今年の授賞式だった(笑)

(リバイバル・ミュージカル作品賞「ラ・カージュ・オ・フォール」のパフォーマンス)

今年は映画ファンにも充分楽しめる内容だった。演劇部門では、主演男優賞をデンゼル・ワシントンが受賞(受賞スピーチで、トニー賞の正式名称が云えず、今後彼の受賞はないだろうと思った・笑)。主演女優賞は、『ダウト~あるカトリック学校で~』で圧倒的な演技を見せたヴィオラ・デイビス。助演女優賞は、スカーレット・ヨハンセン。ミュージカル部門の主演女優賞は、キャサリン・ゼダ・ジョーンズだった(旦那のマイケル・ダグラスも来てた)。

演劇作品賞は、ベテランと若い芸術家を描いた「レッド(RED)」。ミュージカル作品賞は、50年代に白人DJが黒人音楽と黒人の女性に恋をするという「メンフィス(Memphis)」が受賞。パフォーマンス場面を見ると、「ヘアスプレー」みたいで、娘が「見たいー!」と叫んでた。
ぼくは、フランク・シナトラの歌で踊りまくる「Come Fly Away」が見たいな。それと、リバイバルだが、ビリー・ワイルダー監督の大傑作『アパートの鍵貸します』のミュージカル化「Promises, Promises」も見たいなぁ。主役が、司会をしたショーン・ヘイズ(主演男優賞ノミネート)というのも良さそうだね。

ミュージカル作品賞ノミネートの「American Idiot」はグリーン・デイ(Green Day)の楽曲で構成されているため、本物のグリーン・デイがオープニングで歌っていた。この手のロックはぼくはあまり聞かないのだが、主張があってなかなかのモノだった。ミュージカル・アクトの時には、放送コードのため、ところどころ(わざと)歌わないところがあり、これはこれで珍場面だったな(笑)。あきらかにFuxxと歌ってた(爆)

BS放送では、会場内には元劇団四季の俳優・石丸幹二さんだけが入りレポートしたが、娘が「こっちの解説の人を入れてあげればいいのに」と云ってた。その解説の影山先生は、トニー賞のチケットやPLAYBILLを「さわっていいですか?」と言って、愛おしそうにナデナデしてたのが、印象的でした(笑)。来年もぜひ出演してください!娘が待ってます。てなことで。

(ミュージカル作品賞「メンフィス」のパフォーマンス)

トニー賞オフィシャルサイト = TonyAwards.com

The 64th Annual Tony Awards 2010

29-Jun-10-Tue by nobu

2010-06-28

『葉問(イップ・マン)2』 [Blu-ray][DVD] Ip Man 1+2

香港で映画『葉問(イップ・マン)2』"Ip Man 2"のブルーレイとDVDが発売になった(2010年6月25日)。
ドニー・イェンが、ブルース・リーの師匠である葉問(イップ・マン)を演じたクンフー映画の傑作である。

香港版は、色んなバージョンが発売になったので紹介しよう。

どのソフトも、音声は、広東語・中国語。字幕は、英語・中国語である。日本語字幕はない。
DVDは、NTSC、リージョン・オール。Blu-rayは、リージョンAなので、日本のプレーヤーでも再生可能だ。
映像は、ワイドスクリーン(アスペクト比 2.35: 1)。本編 109分。

まず『葉問2』DVDは2枚組のものと通常版がある。通常版(1枚)は、本編と予告編などの特典映像付。2枚組は更に、監督・キャストへのインタビュー、メイキング、カットされたシーンなどのボーナスディスクが入っている。2枚組の特典映像は合計約113分。
オーディオは、6.1, DTS Digital Surround, Dolby Surround Pro-Logic(TM), Dolby Digital EX(TM) / THX Surround EX(TM)。

葉問2 (2枚組) (香港版)

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葉問2 (通常版) (香港版)

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『葉問2』ブルーレイは、特典映像などはDVD2枚組と同じだが、FULL HD 1920 x 1080 progressive scan の高画質映像。オーディオは 7.1, Dolby TrueHD, DTS-HD Master Audio, LPCM となっている。

葉問2 (Blu-ray) (香港版)

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今回、おすすめなのは、『葉問』と『葉問2』が一緒になったボックスセット。パート1とあわせると特典映像が、約238分のボリュームである。Blu-rayとDVDで発売。

葉問1+2 (Blu-ray) (香港版)

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葉問1+2 (2枚組) (DVD) (香港版)

葉問1+2 (通常版) (DVD) (香港版)

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日本では公開されない可能性も高いと思うので、お好きなディスクでお楽しみあれ。

葉問 + 葉問2 "Ip Man" and "Ip Man 2"

28-Jun-10-Mon by nobu

2010-06-27

『セックス・アンド・ザ・シティ2』 Sex And The City 2

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映画『セックス・アンド・ザ・シティ2』"Sex And The City 2"である。香港でも2010年6月10日から公開中。

ぼくはTVシリーズも観た事がなく、映画版の前作もTV放映の時に用事をしながら眺めたくらいで、思い入れはないのだが、彼女が観たいと云うので付き合って行って来た。

そういうわけで、今回は一人のおっさんが初めて観た「SATC」(←ファンはこう呼ぶらしい)の感想である。

アメリカの人気映画サイト Rotten Tomatoes では、16%という、ドえらい低い評価(2010年6月25日現在)。メディアも、主人公たちがアラブへ行ったため、カラーが違うと散々の評価だったので、どんなものかと思ったが、(彼女とも話したが)ぼくらは意外と楽しめたな。面白かった。

主人公はNYに暮らす4人の女性。80年代に田舎からNYに出て来た彼女たちは、現在それぞれに成功した女性となっていた。が、みんなストレスを抱えているのだ。

コラムニストのキャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)は、結婚2年目の夫との価値観のズレが気になり始め、広告会社の社長サマンサ(キム・キャトラル)は更年期障害でホルモン剤が手放せない。弁護士のミランダ(シンシア・ニクソン)は上司とウマが合わずキャリアの危機となり、今は2児の母となっているシャーロット(クリスティン・デイヴィス)は夫がベビーシッターと浮気してるのでは?と疑い始めていた。

そんなある日、サマンサがアラブの大金持ちからの仕事をからめ、皆でアブダビへの「ゴージャスなご招待旅行」へ行こうと誘う。そして旅行に出掛けた4人だが…。

主人公たちは、はっきり云っておばさんである(笑)。正直、大スクリーンで見るには、もはやちとつらい(爆)。
だが、それ故に彼女たちが話すガールズ・トーク(おばはんトーク?)がぶっ飛んでて面白いのだろう。

サマンサなどは、もう52歳で、アブダビへ行ってから、薬がなくってホット・フラッシュになるなど、とてもリアルである。彼女は<肉食系キャラ>で、オーストラリアの若い男たちをホテルのプールで見て「オージー・ソーセージよ」と言ったり、水パイプをフェラのように舐めたりと、<やる気まんまん>なのが可笑しい。

主役であるキャリーは、40歳はゆうに超えているのに、いつまでも夢見る乙女のような女性だ。だから世の女性たちの共感を得られるのだろう。
シャーロットの家に来るベビーシッターの巨乳は男の目線を釘付けにする大きさだ。おっさんであるぼくには彼らの気持ちがわかる(爆)。

映画は、男同士の結婚式(ゲイ・ウェディング)のシーンで始まる。このヒット作を創ったマイケル・パトリック・キングは、カミングアウトしたゲイだと云う。
それを聞いて納得がいった。彼女たちが語るズケズケとしたオトコの話は、ゲイ・バーで聞く話みたいなんである。それにカメラワークは、完全にオトコを見る目線なのだ(笑)。若いオトコの股間のアップなんて、ストレートの男性監督なら撮らないようなショットだ。

女性がこのシリーズを好きなのは、上述の会話の面白さもあるが、個性的なキャラの面々が着飾るおしゃれなファッションもあると思う。高級な靴、洋服、ブランド物をさりげなくとりいれるそのセンスは、女性の憧れなんであろう。

それに成功した女性ゆえに、キャリーなど高級マンションに住み、セクシーなパートナーと暮らす。経済的に裕福なのも、女性にはウラヤマしい世界なのだろう。

そんな「オンナ心」をくすぐる要素があるのはよくわかるが、この映画では、(おそらく宣伝を依頼されたのだろうと思うが)アラブへ旅行へ行くので、都会的なテイストが変わってしまっている。これがパリだったり、ロンドンだったらあまり違和感なく見れたのかも知れない。制作者サイドのロケ地選定間違いがこのヒドい評価に繋がったのだろう。アメリカの評価の一つに「差別的」というのもあったしね。

カメオ出演は豪華で、ペネロペ・クルスや、「ハンナ・モンタナ」ことマイリー・サイラス。それに、ライザ・ミネリ!である。
ゲイ・ウェディングに本人役で出演のライザは、「Liza's at The Palace」のような衣装で「Single Ladies」を唄う。ぼくにはここがハイライトだった。

それに、キャリーがアブダビのホテルに入った瞬間に、「We are not in Kansas anymore」と云うが、これは<夢の場面>に移った時に映画『オズの魔法使い』のドロシーが云うセリフ。そのドロシーを演じたのは、(いわずと知れた)ライザの母、ジュディ・ガーランドである。
『或る夜の出来事』を始め、ケイリー・グラントの白黒映画も登場し、オールド映画ファンも、にやりとさせられる場面もある。

これでこのヒット・シリーズも終了となるやも知れないが、この終わり方はファンには残念だろう。ぼくには意外に楽しめるラブ・コメだったので、続きが観たいなと思っているけど。
広東語の題名は『色慾都市2』と書く。寺の坊主もびっくりの題名だ。出来れば<パート69>まで行ってほしいね(笑)。

Sex And The City 2 (2010)

146 minutes (←意外に長い・笑)

27-Jun-10-Sun by nobu

セックス・アンド・ザ・シティ・ザ・ムービー[SEX AND THE CITY THE MOVIE]<¥1,500廉価版> [DVD]
セックス・アンド・ザ・シティ・ザ・ムービー[SEX AND THE CITY THE MOVIE]<¥1,500廉価版> [DVD]ei

2010-06-26

『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』 The A-Team

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昨日早朝(2010年6月25日)、南ア・ワールドカップでの日本VSデンマークの試合は素晴らしかったね。
日本は決定力不足とマスコミに散々叩かれていたけど、結局一番必要だったのは、選手一丸となる「チームワーク」だったのだ。それって、日本人は(元来)得意としていたのに、小泉改革の後遺症<個人責任の蔓延>なのか、最近とんと忘れてたなぁと思わされた。決勝リーグもぜひ頑張って欲しい。

で、チームワークと云えば、映画『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』 "The A-Team"だ(←ちょっと強引な文章だな。イエローカード・笑)

この映画、日本では2010年8月20日から公開となるが、香港ではアメリカとほぼ同時・6月10日から公開となっている。

元々80年代のTVシリーズの映画化である。TVを見てないとわからないかというとそんなことはない。これも最近流行りの「こんな理由でこの物語は始まるのです」というものだから。

映画は、メキシコから始まる。そこで後にAチームと呼ばれる面々は出会う。リーダーはハンニバル(リーアム・ニースン)、部下は、二枚目のフェイス(ブラッドリー・クーパー)、黒人で喧嘩の強いB.A.(クイントン・”ランベイジ”・ジャクソン)、ちょっといかれてるパイロット マードッグ(シャルト・コプリー)だ。

それから8年後、彼らAチームはイラク戦争の特殊任務で活躍していた。CIA捜査官(パトリック・ウィルソン)からの依頼を受け、アメリカドル紙幣の偽札作りの証拠をつかむが、何者かにハメられ、軍法会議により刑務所へ入れられてしまう。ハンニバルたちAチームは無実を証明するため、国防調査局のソーサ(ジェシカ・ビール)の追跡をかわしながら、謎の黒幕へ迫って行く…。

ぼくは、アクション映画って云うのは日頃の憂さを忘れさせてもらうためにあると思っている。あんまりモノを考えないで、ポップコーン片手に楽しく見れるのが良いアクション映画だと思うのだが、メキシコ・アメリカ・イラク・ドイツと世界的なスケールで展開されるのはいいのだが、この映画の場合、物語がちと凝り過ぎで、楽しさが半減するように感じた。

アクション・シーンも、空中戦から、ビルの銃撃戦など多彩なのだが、何か物足りないのが残念。クライマックスの、コンテナ船上でのドンパチは大画面で観るには面白かったが。

キャストは、リーダー役のリーアム・ニースンは貫禄の演技。女たらしのフェイス役は大傑作『ハングオーバー 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』でブレイクした感のあるブラッドリー・クーパー。B.A.役は、日本のPRIDEでヴァンダレイ・シウバと戦い、UFCに行った格闘家 クイントン・”ランペイジ”・ジャクソン。マードッグ役は『第9地区』でエビになった(笑)シャルト・コプリーである。

個性的なキャストは面白いと思うし、マードッグなんかはなぜ彼がキャスティングされたかがわかるギャグもあり(彼は南アフリカの俳優なので)楽しめたが、全体としてはまぁまぁの出来。AチームとBチームの中間って感じかな。

アメリカでも大ヒットとはいかなかったようで、このままでは続編(を作るつもりだったのだと思う)の製作はどうなんだろう?監督(ジョー・カーナハン)やスタッフ・キャストを含め全体のチームワークがもう一つだったのでこーゆー結果になったのであろう。やっぱ何事も「チームワークが一番大事!」てなことで(笑)

The A-Team (2010)

117 minutes

26-Jun-10-Sat by nobu

2010-06-25

AirPort Extreme と AirMac

Apple AirMac Extremeベースステーション MC340J/A
Apple AirMac Extremeベースステーション MC340J/A

日本では既に発売(2010年5月28日)となったiPadだが、香港では未だ発売されていない。
7月下旬だとか、8月だとか、発売日の噂だけ先行し、まだ正式な発表はAppleからはない。

ぼくもiPad欲しいな、と思ってる一人だが、香港版はSimフリーになるやも知れず(iPhoneがそうだから)、日本での購入をぐっと我慢している今日この頃である。

そんな状況だから、いつの日か購入した時に、我が家でも快適に無線LANでiPadを使いたくて、銅鑼湾に出来た新しいAppleの専門店(Studio A)で、「無線LANくれ」と云って買って来たのであった。

AirPort Extreme って書いてあるけど、これ新ネタかな?と思いながらパッケージ開けて説明書読んだら、Mac OS X 10.5 以上って書いてあり泣きそうになった。我が家の白マック(macbook)は10.4 なんである。

その時に気づいたのは、「考えたら俺の白マックのワイヤレスは、AirMacと書いてあるな?ひょっとして、AirMacってAirPortの一世代前なのか?」と思ったら冷や汗が出た。

なら買っても仕方なかったな… よく調べて買うべきやったと後悔したが、幸い事務所のmacbook pro は10.6 なので、これを自宅に持ち帰りセッティングしてみた。(10.4では出来ないので、念のため)

セッティング自体は、ユーティリティ・セットアップCDで簡単に出来た。で、無線LANも快適、というより驚くほど早い。それに繋がる範囲も広い。iPhoneもバッチリだ。

んで、自宅で使ってる白マックで試してみたら、なんのことはない快適に使えるじゃん!ホッとしたぼくはそのまま「AirPort AirMac」でググってみた。

そしたら、あーた、これ日本では他の会社が「AirPort」を商標登録してて使えないから、「AirMac」になってるだけなんやね(by Wikipedia =AirMac )。おんなじモノやったことが判明してホッとしたおっさんでした。

で、せっかくなので、白マックに IEEE 802.11nを入れた(AirMac Extreme 802.11n* Enabler for Mac )。アップルストアで250円也。

Apple AirMac Extremeベースステーション MC340J/A

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アップルコンピュータ AirMac Express ベースステーション with Air Tunes MB321J/A
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25-Jun-10-Fri by nobu

2010-06-24

マイケル・ジャクソン 「ゴースト」 Michael Jackson's GHOSTS [YouTube][VCD]

マイケル・ジャクソンの一周忌が近づいており、WOWOWでは2010年6月25・26日に、マイケル・ジャクソン フォーエバーという特集を組む。その中で放送予定の「ゴースト」"Michael Jackson's Ghosts"(6月26日PM6:00)をぼくは見たことがなく、香港へいるものだからWOWOWも見れない。弱ったなと思ってたが、現代の「文明の利器」であるYouTubeにアップされてたので見ることができた。

約40分のショートフィルム。マイケルは不気味な屋敷に住むマエストロ。町長始め、町民たちが屋敷をたずね、あなたは化け物みたいで気味が悪いからこの町から出て行け、と云われる。まるで、自分自身のセルフパロディみたいだ。怖がらせる場面が何カ所かあるが、意外と怖い。

曲は、「2 Bad」「Ghosts」「Is It Scary」の3曲が使われている。「スリラー」を思わせる亡霊たちとのダンス。ガイコツになって踊るシーンもある。特殊メイクで白人の太った町長になったマイケルも踊る。

作品の出来は、同じホラーものでも(正直)「スリラー」の方が良いと思う。脚本は、マイケル自身とスティーブン・キング。監督はヴィジュアル・イフェクツが専門のスタン・ウィンストン(『ターミネーター』『エイリアン』等)。マイケルの「趣味」が前面に出た作品。

(↓広告が出たら右上の×マークをクリックすれば消える)

”幻のショートフィルム”と云われているようだが、香港ではVCDが買える(笑)
ビデオCDなので画質はイマイチだが、(当然ながら)リージョンフリーだ。

Michael Jackson's Ghosts (1997)

GHOSTS (VCD)

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24-Jun-10-Thu by nobu

2010-06-22

2度目の「シカゴ・ザ・ミュージカル」香港公演 CHICAGO The Musical in Hong Kong

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中一の娘の誕生日が近くなり、「プレゼントは何がいい?」と聞いたところ、「シカゴをも一回観たい」という答え。あちゃー、去年もそのノリで「CATS 香港公演」2回観たなと思い出し苦笑したが、そのリクエストを受け2度目の観劇と相成った。

その日が「シカゴ」香港公演最終日(2010年6月20日)だったのだが、今我が家に遊びに来ているお客さんも一緒に行って楽しんで来た。

それにしても「行こう!」と決めたのが開演1時間30分前。ネットで予約して、着替えて車に乗って、会場についたのが20分前。BOX OFFICEでチケットもらうのに並んだが、充分間に合った(チケットはクレジットカードを読み取るだけで発行された)。香港はなんとも便利なトコロだ。

前回は前から2列目という至近距離だったのだが、今回は1階の後方だったので、舞台の全体的な構成もよく見てとれた。
中央のひな壇のオーケストラが奏でるジョン・カンダー作曲のジャズを生演奏で聴けるだけでも嬉しくなる。これは楽しいミュージカル・(辛口)コメディ。
ロブ・マーシャルの映画版『シカゴ』に足りないのは、この「コメディ」の部分やな、と今回改めて思った。
もちろん、この舞台も1996年のリバイバル版なので、大分明るくなっており、1975年のボブ・フォッシーのオリジナルはちと暗かったようではあるが。

映画と舞台でのキャストの大きな違いは、新聞記者のミス・サンシャインである。映画ではホントのおばはん(クリスティーン・バランスキー)が演じたが、舞台では「おかま」さんが演じるのだ。この「おかま」さんが出て来るので舞台にスパイスが効いた感じになる。

現在東京で公演中の、米倉涼子さんがロキシー・ハートを演じる日本人キャストの「CHICAGO The Musical」 でも、このミス・サンシャインは登場するが、その役を演じるのが、Hisato Masuyamaさんといって、現在アメリカでダンサー/ミュージカル映画評論家としても活躍されている方である。その昔、東京ディズニーランドのパレードで踊っていたが、ぼくはその頃からちょっとした縁で知り合いになった。彼からミュージカル映画の事を色々教わったものだ。もしこの日本公演を観に行かれる方がいたらぜひご覧頂きたい。

前回「シカゴ・ザ・ミュージカル 香港公演」のレビューでも書いたが、主役二人のたっぱ(身長)が低いのがやっぱり残念だった。バックのアンサンブルが全員大きいものだから、余計に小さく感じるのだ。歌も踊りも素晴らしいのであるが、そういった身体的条件でブロードウェイなどではオーディションに通りにくいのかも、などと想像した。

前回観た時にはアンサンブルに黒人もいて、かっこよかったのだが、今回は出てなかったのも残念。(キャスト表の写真を載せておく)

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次回は今年(2010年)10月に同じ劇場に「グリース」がやって来る。娘が今から楽しみしている。また2度行きますか(苦笑)

CHICAGO The Musical

The HK Academy for Performing Arts - Lyric Theatre
Sunday 20 June 2010
2:00 PM

21-Jun-10-Mon by nobu

2010-06-21

ナタリー・コール・ライヴ・イン・香港 An Unforgettable Evening with Natalie Cole

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ナタリー・コールの香港でのコンサートへ行って来た。
会場は湾仔(Wanchai)にあるコンベンション・センター。"An Unforgettable Evening with Natale Cole"と銘打ったコンサートは、ちょうど父の日の前々日の金曜日(2010年6月18日)だったこともあり、"父の日を祝して"(Celebrate an unforgettable Father' s Day)という触れ込みで、ファンにはちと期待させるものであった。

言うまでもないが、ナタリー・コールは、20世紀の偉大な歌手ナット・キング・コールの愛娘である。子供の頃から父の歌声を間近に聴いて育ち、5歳から歌い始め、11歳でステージ・デヴューを飾った彼女。その歌声は父親にもらった大事な財産。

8時から始まるコンサートだが、会場に着いたのは8時10分頃。香港では「遅れる」のが当たり前(笑)なので、遅れて行ったら案の定始まっていない。きっちり30分遅れの午後8時30分、ナタリー・コールが銀色のスパンコールのイブニング・ドレスで登場。「Almost Being Love」を歌いだすが、イヤホンの調子が悪いのか歌いづらそうだ。歌い終わりスタッフを呼んで直させるナタリー。

「今夜は、アンフォゲタブル(忘れられない)名曲の数々を歌います。楽しんでください」と話し、「家族のような友人」であった、フランク・シナトラの「Nice and Easy」を歌う。舞台のライティングは、「Ol' Blue Eyes」の愛称で親しまれたシナトラにちなんでブルーだ。

思えば、ぼくが初めてナタリー・コールを見たのは、1994年11月20日 福岡ドームでのシナトラ・コンサートの前座だった。年老いて「危なげな」シナトラと違い、グラミー賞をとって波にのるナタリーは元気いっぱいだったのを覚えている。

その後もペギー・リーやアレサ・フランクリンなどの曲を歌い、アルバム「Still Unforgettable」に収録されている父とのデュエット「Walkin My Baby Back Home」と続く。

父、ナット・キング・コールの名曲「Mona Lisa」を歌う前には、「父がこの歌を家で練習している時に、モナ・リサさんという人の歌だと思ってました。絵とは思いませんでした」と笑わす。
香港のスペシャル・リクエストに答えてと、「When I Fall In Love」を父とのデュエット・ヴァージョンで披露するナタリー。このデュエットが素晴らしく、ぼくにはこの夜のハイライトだった。(曲の最後にナット・キング・コールが「I Love You」と歌うが、これは「I Love You for Sentimental Reasons」の一節を引用していた)

「Route 66」「枯葉」などに続き、「L-O-V-E」で盛り上げ、モニターに父親の映像が映し出され、「Unforgettable」になる。
久しぶりに見たこの曲。ビデオがとても凝った作りに変わってた。2010年ヴァージョンなのか?(笑)
それにしても… いつもはラストに歌い上げるこの歌を、コンサートの中盤に持って来て大丈夫かいな?と思ったが、それからコンサートは意外な展開を見せるのであった。

「ここからはOld Guys (おっさん?)たちに!」と、なんと「Mr. Melody」を歌いだす。この曲は、ナタリーの1976年のヒット曲。70年代後半にお父さんのナット・キング・コールが好きになったぼくは、その流れでナタリーも聴いていたので、これがかかった時には鳥肌ものだった。

最近(といっても1991年から)のナタリーは、「Unforgettable... with Love」というお父さんの曲の名作カバーアルバム以降、主にジャズ・ヴォーカリストとしてコンサートをすることが多く、日本でもブルーノートへの出演が多かったりして、しっとりと歌うばかりだが、彼女は元々R&B・シンガーとしてデビューしたのである。

その後も「Pink Cadillac」「This Will Be (An Everlasting Love)」など70年代ディスコ曲を歌うナタリー。そのノリノリの彼女とは裏腹に、意表をつかれたような観客。まるで、長山洋子の演歌を聴きに来たら、着物を来たままユーロビートの「ヴィーナス」を歌ったような衝撃だったのだろう。特に年寄りの客には、腹にズンズン響くようなビートはお気に召さなかったようで、客がぞろぞろと帰りだしたのだ!

ぼくらの席は、会場を横切る通路の一番前だったので、その光景がよく見える。こんなに客が途中で帰るコンサートをぼくは初めて見たよ!

客がぞろぞろ帰る中のアンコールは、なんとまた70年代R&B。ビル・ウィザーズの「Lovely Day」ではないか!最後まであんたは「客のニーズを裏切るのだな」と苦笑しながらコンサートは終わった。

20年振りに香港公演を行ったというナタリー・コール。御年60歳の彼女は、円熟味を増した歌声でコンサート前半は観客を魅了した。後半は、客を帰してしまったが、それでもそれまでとは打って変わって「楽しそう」に歌う彼女を見て、「あー本当は、彼女はR&Bを歌いたいんだな」と感じてしまった。

お父さんの名曲をカバーするという「伝家の宝刀」を抜いて以来、彼女に求められるのはお父さんの歌ったジャズ・スタンダードばかり。あきあきしたのか、自分のやりたいことをやろうとしてるのか、この日の後半のナタリーは、開き直ってさえいるかのようにノっていた。まるで「父離れ」をしたいかのように…

コンサートの後、隣接するGrand Hyatt Hotel のChanpagne Barで、一緒に行った彼女とシャンペンを飲んだ。彼女も「"L-O-V-E"が聴けて嬉しかったけど、後半は全然わからなかった」と話していた。
大半の観客も同じように感じてたと思う。

そのバーで、フィリピンの女性シンガーが「Unforgettable」を歌っていた。「本物」を聴いたばかりのぼくたちには、格の違いを改めて感じさせる歌声だった。

その超一流の歌声を持ってしても、客をあれだけ帰したナタリー・コール。ある意味、本当に"An Unforgettable Evening"でした(笑)

An Unforgettable Evening with Natalie Cole

Date & Time:      18 June 2010 (Friday) 8pm
Venue:                Hong Kong Convention & Exhibition Centre, Hall 5BC

21-Jun-10-Mon by nobu

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2010-06-18

『スージー・ウォンの世界』 再び The World of Suzie Wong

George Duning & Muir Matheson

今回東京への出張の際、キャセイの機内誌"DISCOVERY"を眺めていたら、ナンシー・クワンのインタビューが載っていた。ナンシー・クワンとは、映画『スージー・ウォンの世界』"The World of Suzie Wong"(1960)で主役のスージー・ウォンを演じた女優である。今年(2010年)はその映画『スージー・ウォンの世界』製作50周年。それを記念して、キャセイ航空では機内でこの映画を上映しているのである。

インタビューでもクワン女史が答えているが、”いまだにこの映画を見て香港へ行こうと思った”という便りが届くというほど、この映画には昔の香港が冷凍パックのように保存されている。そのエキゾチックなオールド香港のムウドは、何度見ても味わい深いものがある。

以前ぼくがココで紹介したように、この『スージー・ウォンの世界』のDVDは日本では発売されていない。今後も発売予定はないだろうから(?)、今回はストーリーを中心にこの映画を紹介してみようと思う。時代は今から50年前、1960年である。

画家志望だったアメリカ人の建築家ロバート・ロマックス(ウィリアム・ホールデン)は、画家として自分が生きていけるかどうか試そうと香港へやってきた。
九龍から香港島へのフェリーに乗ったロバートは、そこでミー・リン(ナンシー・クワン)と名乗る高飛車な若い香港女性に出会う。彼女はピークやレパルスベイといった高級地に家を持つ大金持ちの娘だと云う。だが、船を降りた彼女をロバートは見失ってしまう。

経済的な理由から、香港でも西洋人向けの高級ホテルが立ち並ぶセントラル地区ではなく、ワンチャイ地区の安ホテルに住むことにしたロバート。その晩、階下に降りてみると、ロビーと隣接したところにバーがあり、そこにはアメリカの兵士や水兵たちに身体を売る、通称「ワンチャイ・ガール」があふれていた。そう、このホテルはその女性たちが商売に使う場所だったのだ。

そのバーでロバートは、シルクのチャイナドレスで水兵と踊るミー・リンを発見する。彼女に話しかけるが「人違いです。私の名前はスージー・ウォンよ」と相手にされない。

(バーで水兵とチャチャを踊るスージー・ウォン。それを見つめるロバートとベン)

ロバートはスージーを部屋に呼び、彼女を抱くかわりにモデルになってくれるように頼む。ロバートは何枚も彼女の絵を描き続けるが、モデルと画家の関係以上にはならない。10才の頃から生活のために働かざるを得なかったスージー。読み書きの出来ない彼女をロバートは決してバカにしたりしない。スージーはロバートに恋心をいだく。

ある日ロバートは、紹介された銀行へ出向き、その銀行の頭取オニール(ローレン・ネイスミス)と秘書である娘ケイ(シルビア・シムズ)に出会う。ケイはロバートに一目惚れし、父親に彼を支援してあげるよう嘆願し、自らも絵の売り出しに奔走する。

ケイの住む豪邸に招待されたロバートは、そのディナーの席で、先日スージーにバーでちょっかいを出していた男ベン(マイケル・ワイルディング)に出会う。
彼はその後スージーに愛人になってほしいと云い出し、スージーは(ロバートが煮え切らないため)その申し出を受ける。
やがてスージーのことが妻にバレたベンは、ロバートに「別れたいと告げてくれ」と頼む。その役割を果たし、スージーの傷心の姿を見たときロバートは彼女を愛していることを知る。

二人は幸せな日々を過ごすが、ある日、スージーが一人で外出したところをロバートが追いかけてみると、山の上の貧しい家で赤ちゃんを抱くスージーを見つける。彼女は子供がいることを隠していたのだ。ロバートはその事実もやさしく受け入れる。

絵が売れないロバートは、ケイから前払いで絵を買うと云われるが断る。その日、スージーも自分のお金を使ってと子供のための貯金を差し出す。ロバートは自分のプライドから、怒りにまかせ、娼婦で稼いだ金はいらないと云う。ショックを受けたスージーは部屋を出て、その後行方知らずになってしまう。

スージーが自ら進んで娼婦に身を落としたわけではないのに、なじってしまったことを後悔するロバート。香港中をあてどなく捜しまわるが、彼女は見つからない。
だが、ある大雨の日、憔悴しきったロバートの前に、スージーが現れる。そして、避難勧告の出た家にまだ子供がいることを告げる。必死の思いで家にかけつける二人、だが子供は不幸にも亡くなってしまう。葬式の後、傷心のスージーにロバートはプロポーズするのだった。

ナンシー・クワン演じるスージー・ウォンは、プライドの高いオンナだ。自分をより高く見せるために嘘をつき、気性も荒く、他のオンナと取っ組み合いの喧嘩もする。ブロークン・イングリッシュを喋り、アメリカの水兵に声をかける。それもこれも、当時まだ貧しかった香港の下層階級の逞しさであろう。

香港の女性が総じて気位が高いのは、もともと中国から命からがら逃げてきた人々の中で、女性の割合が少なかったから(男性が甘やかしたから)だと聞いた事がある。
身長が総じて低いのは南方系だから。中国本土では北に行く方が背が高いのだ。

そんな(当時の)国民性の中でのスージー・ウォンのキャラクターはとても合点がいく設定に思える。そんな生意気な女性を包容力を持って受け入れる西洋のやさしい白人男ロバート。

ウィリアム・ホールデンのこれはベストではないが、『慕情』や『トコリの橋』のようにアジアを舞台にした映画に出演していたホールデンだから、なんとなく説得力があるようにも思えるキャスティングである。

ロバートの描く絵も味わい深く、部屋のセットデザインもいい。画家とパトロンの関係は『巴里のアメリカ人』に似てる。娼婦との恋話は『プリティ・ウーマン』に影響を与えたかも(?)

この映画の中に映し出された香港は、今の超高層ビルの立ち並ぶ香港とは比べ物にならないほど、質素で貧しく田舎である。だが、それだからいい雰囲気を醸し出してると思うんだなぁ。

ナンシー・クワンも、上述のインタビューで、”香港は当時とは比べ物にならないくらい変わった”と話しているが、”一つだけ変わらないものがあるわ。それは「臭い」よ”と答えてるので笑った。たしかにワンチャイ(湾仔)は歩いてて臭いからねぇ(笑)

香港在住の方はぜひ一度、この『スージー・ウォンの世界』をご覧になるといいと思います。西洋人が持つ香港イメージのルーツであり、昔の香港と今の香港の比較も楽しめます。それに、ウィリアム・ホールデンのヒドい広東語も聞けるしね(←人のコトは絶対言えまへんが・爆)

The World of Suzie Wong (1960)

17-Jun-10-Thu by nobu

B00274SJ4GThe World Of Suzie Wong / スージー・ウォンの世界 北米版DVD [Import] [DVD]


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WORLD OF SUZIE WONG / (WS SUB DOL)
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2010-06-17

『ゴールデンスランバー』 Golden Slumber

Odoru1606106_2

東京から香港への復路、キャセイの機内上映で観たのが、日本映画『ゴールデンスランバー』。前日(というより当日朝まで)の二日酔いの頭では英語や英語字幕で映画を見るのがキツイと思ったので、日本語の映画にした。「見ないで寝ろよ」とも心の中で思ったが、それは映画好きのサガ。映画が目の前にあると、もったいなくて見ちゃうのだよ(笑)

映画を見始めた時は、まだ頭が痛かったが、映画が終わった頃には痛みもひいていた。機内食を食べながらだったが、集中して観てると痛みも忘れて良いのかもね。わかんねーけど。

仙台の街を凱旋パレード中の金田新首相が爆弾テロで暗殺された。犯人の濡れ衣を着せられた宅配便のドライバー青柳(堺雅人)は、大学時代の恋人(竹内結子)や友人たちに助けられながら必死に逃走する。

「お前オズワルドにされちまうぞ」「ぶざまでも何でもいい。生きてろ」と友人森田(吉岡秀隆)に云われ、首相暗殺現場から逃げる青柳。見るからに人の良さそうなあんちゃんが、何か大きな力によって犯人にされてしまうという薄ら寒さ。テンポのよい展開で、飽きずに最後まで一気に観た。

第21回山本周五郎賞受賞という伊坂幸太郎の原作は読んでないが、その個性的な脇役たちに助けられながらの「大掛かりな鬼ごっこ」は観ててとても面白かった。だけど原作には出てくるのか、これ結局、誰が何のために青柳という一人の青年を陥れようとしているのかがよくわからなかった。ま、だから余計に不気味だというのもあるが。

出演者は、みんな芸達者で安心して観ていられた。主人公の堺雅人はほんとに頼りなくって、人が良さそうで、絶対悪いことしなさそうで、そう見せる彼はうまいと思う。宅配便の先輩役の渋川清彦や連続刺殺犯キルオを演じる濱田岳は初めて見たがいい味を出していた。特にキルオは気色悪くていい(褒めてるのだ・笑)。「びっくりした?」

伊東四朗演じる主人公の父親は、世界中を敵に廻しても、自分の息子を信じているという立派な親父だ。痴漢だけは許せないという頑固親父だが、ラスト近くの親子の繋がりがわかる<ある場面>は泣かせる。

他にも、主人公の後輩の劇団ひとりもよかったし、香川照之も柄本明も相変わらずうまかったな。

ビートルズの名盤「アビイ・ロード」に収められた楽曲「ゴールデンスランバー」をタイトルにしたこの作品。その曲が入ったiPodが小道具として重要な意味も持つところもハードボイルドっぽいね。

二日酔いで、頭の痛いおっさんでも機内で楽しんで観れたのだから、これは本物である。「たいへんよくできました」とさ(笑)

ゴールデンスランバー (2010)

監督:中村義洋
130 minutes

16-Jun-10-Wed by nobu

B003HC70I8ゴールデンスランバー [DVD]
アミューズソフトエンタテインメント 2010-08-06

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2010-06-16

『エリックを探して』 Looking for Eric ケン・ローチ監督 × エリック・カントナ

Odoru1506105

日本では南アのワールドカップ、初戦のカメルーン戦(2010年6月14日)で勝利を収め大騒ぎだが、ぼくはその時東京に出張中で、試合中お客さんと銀座で飲んでてこの「歴史的な」試合を見れなかった(爆)

その東京行きのキャセイ航空の機内上映で観た、この映画『エリックを探して』"Looking for Eric"もサッカーがらみでハートウォーミングな作品だったのである。

監督は、ぼくが好きな監督の一人であるケン・ローチ。英国の下層階級の人間をやさしく見つめるような映画を得意とする彼は、本作でもダメ男の再生と生きる喜びを描いてて後味の良い映画に仕上げている。

ランナバウト(英国の円形の交差点・信号がない)を逆走する中年男エリック(スティーヴ・エヴェッツ)は、そのまま事故にあい病院へ入る。彼は精神的に参っていたのだ。
エリックは郵便局で働く労働者階級の男だ。家には二人の養子の息子がおり、こいつらはのんべんだらりと生活している。
今も想うオンナがいる。それは、元妻のリリィ。若い時に愛し合ったが、子供ができてから、彼は彼女から逃げてしまった。そのことを後悔している。

彼が住んでいるのは、マンチェスター。好きなサッカーチームはマンチェスター・ユナイテッド。友人たちも皆サポーターだ。そして彼の人生のヒーローは、エリック・カントナである。フランス人であるカントナは、マンチェスター・ユナイテッドを強いチームに蘇らせた立役者。

ある日、エリックは自分の部屋でマリファナを吸い、まどろんでいた。そして部屋に貼ってあるカントナのポスターに話しかけると、答えてくれる男が現れる。なんと、エリック・カントナその人だ!
それ以来、エリックは、カントナのアドバイスを受け、自分で自分の人生を変えて行く。エリィとの関係はとても良くなるが、ある日、息子が部屋にギャングがらみのピストルを隠し持っていることを知る……。

エリック・カントナは、(当然)他の人には見えない。エリックだけの心の中にいる「英雄」が彼に勇気を与えてくれるのだ。

これは人生のイエローカードをもらったオトコが、最後にシュートを一発かませるような映画。

エリックは、自分のヒーローであるカントナに、人生を教わり、恐れずに事を成し遂げるための勇気と励ましをもらう。本人として出演のカントナは、フランス語も交えて人生の講釈をするのが面白い。

エリックはファンとして、カントナに「あなたのサッカー人生の最高の瞬間はどの場面だったか?」を矢継ぎ早に質問する。あの試合のシュートだったか?この試合のシュートか?(その度に実際の試合場面がインサートされる)。そこでのカントナの答えは、ぼくには「意外」な答えだった(それが何かは書かないでおく)。あとパブで飲んでるサポーター仲間たちの会話も笑える。サッカー・ファンにはそんなところも楽しめるのではないか。

ケン・ローチ監督と云えば、『マイ・ネーム・イズ・ジョー』や『麦の穂をゆらす風』などが有名かも知れない。だが、ぼくが大好きなのは『ケス』(Kes/1969)である。いじめられっ子の少年が、ケスと名付けたハヤブサを飼うという、それだけの話なんだけど、いいんだなぁコレ。日本ではソフト化されてないが、これは名作である。

カンヌ映画祭60周年を記念して製作された映画『それぞれのシネマ』('07)の締めを飾った短編もケン・ローチだった。これは映画館の切符売り場でどの映画を観ようかと悩む父子が、結局映画を観ないで、サッカー観戦に行くという「オチ」で、洒落てたな(笑)

この『エリックを探して』は、昨年(2009年)の東京国際映画祭で上映されたと聞くが、日本での公開はないのかな?香港では2009年10月に公開済。ぼくは見逃してたので、今回観れてよかった。
小品だが、心暖まるケン・ローチらしい映画でした。キャセイの機内誌でもこの映画を大きく紹介していて、良い趣味だと思った次第。

Looking for Eric (2009)

116 minutes

15-Jun-10-Wed by nobu

Looking For Eric [Blu-ray] [2009]
Looking For Eric [Blu-ray] [2009]Eric Cantona

Icon Home Entertainment 2009-10-12
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2010-06-14

『ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ』 [DVD] クライテリオン・コレクション Mishima: A Life in Four Chapters

Mishima: A Life in Four Chapters - Criterion Collection
Mishima: A Life in Four Chapters - Criterion Collection

三島由紀夫の人生を扱った映画『ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ』"Mishima: A Life in Four Chapters" をクライテリオン・コレクション版で観る。

なんでこの映画を観ることになったかと云うと、同じ事務所にいる仲のいい香港人が「三島由紀夫」に興味があると言っていたので、HMVでDVDを買ってプレゼントした。その際、「私は観ていないんだけど」と話したら貸してくれたからである(笑) なんか、お土産に饅頭持って行って、「食べたことない」と言って食べさせてもらうみたいでかっこ悪かったが、まぁいいだろう(苦笑)

1985年製作のこの映画は、三島由紀夫という日本の戦後文学を代表する作家であり、センセーショナルな死をとげた男の人生を描いた意欲的な作品であるが、三島夫人の抗議などにより日本では未だ公開されていないという問題作なのだ。

製作総指揮は、フランシス・フォード・コッポラ(『ゴッド・ファーザー』)とジョージ・ルーカス(『スター・ウォーズ』)。監督は、『タクシー・ドライバー』の脚本で名をあげ、『アメリカン・ジゴロ』や『キャット・ピープル』などを撮っていたポール・シュレイダー。主演の三島を名優 緒形拳が演じる日米合作映画である。1985年カンヌ映画祭最優秀芸術貢献賞受賞作品。

三島由紀夫が割腹自殺をとげる1970年11月25日の一日をドキュメント風に描き、その中に(モノクロで)三島のそれまでの人生の回想シーンを挿み、更に文学作品『金閣寺』『鏡子の家』『奔馬』(『豊饒の海』第二部)をヴィヴィッドな映像化で見せることにより、三島の心情を表現していく。

とてもアーティスティックな映画である。出演者は全て日本人、日本でロケをし、言葉も日本語(ナレーションも緒形拳がやっている)なのだが、そこにポール・シュレイダーというフィルターがかかると日本映画らしさがなくなる(これはアメリカ人・シュレイダーによる「三島論」)。

特にアートディレクションの石川瑛子(後にコッポラの『ドラキュラ』('92)の衣装デザインでオスカー受賞)の作った、日本なのに日本らしくない斬新でスタイリッシュなセット。その中で演じられる寸劇のような三島文学の映像化は正直素晴らしい出来である。

出演者も、とても豪華である。思い出すままに書いてみると、主演の緒形拳の他に、佐藤浩市、坂東八十助、沢田研二、左幸子、加藤治子、大谷直子、萬田久子、池辺良、笠智衆、李麗仙、永島敏行、平田満、横尾忠則、烏丸せつ子、倉田保昭等々。

だが、映画として面白かったかと云われると「ノー」と答える。良い映画なのだが、あまりに芸術的すぎて観る人を選ぶ映画かも知れない。まず、三島由紀夫という人間に興味があるか、あるいは文学に触れていないと理解不能であろう。つまり予備知識がないとわけがわからんと思うのだ。

実際、上述の香港人(彼はかなりインテリ)でもわからないと話し、一緒に昼食をとりながらこの映画について、三島について、ぼくもわかる範囲で解説をしたという経緯もあったからね。

このクライテリオン版には、メイキングやBBC製作の約1時間の三島のドキュメンタリーなどが特典映像でついており、より多角的に三島由紀夫像を検証する事ができる。

実際の三島の映像を見ると、英語もフランス語も堪能なことに驚かされ、その中で、「日本は茶道や俳句などという文化も大事だが、侍スピリッツという精神的なものも世界に発信すべきだ」と述べたりしている(なのに、自分は洋風の館に住むというアンバランスさ)。ボディビルにより鍛えた身体を人に見せたい気持ち(ナルシシズム)、男色の気があるのかないのか?よくわからない一線、自分の弱さを隠そうとするが為なのかの右翼的思想、といったものが何となくだが見えてくる。

BBCのインタビューで、親交の深かった美輪明宏氏が切腹自殺の報を聞いて「ついにやったか」と思ったという話を聞いて、三島は死に際の美学への憧れが強かったのだろうと感じた。

その知り合いの香港人はご飯を食べながら、「ミシマとレスリー・チャンは似ている」と話した。その理由は、レスリーも46歳で香港のマンダリン・ホテルの屋上から身を投げた。ミシマは45歳だった。二人とも自分が老いる前に、美しいまま死にたいと思ったのではないか。それにレスリーはゲイだった。その美学が似てると思う、と云うのだ。

ぼくは正直、本も『金閣寺』くらいしか読んだことがなく、三島を研究したこともない。これからもしようと思ってない門外漢ではあるが、三島由紀夫という人はただただ自分の「美学」に正直に生きた人だったのかも知れない、と思った。賢すぎるが故に、(生きることに)息苦しさもあったのではないかと想像するが、はたしてどうだったのであろう。

その香港人はこうも言った。「緒方拳はミシマを演じるには醜男すぎる。」 あはは、これも当たってる。「(香港映画で活躍した)倉田保昭が久しぶりに見れてよかった」とも話してたな。
ぼくは、この映画を観て(正直)一番よかったのは烏丸せつ子のフルヌードが見れたことだったんだけどね(爆)

Mishima: A Life in Four Chapters (1985) Criterion Collection

120 minutes
Stereo
1.85: 1 Aspect Ratio
Region 1

13-Jun-10-Sun by nobu

Mishima: A Life in Four Chapters - Criterion Collection
Mishima: A Life in Four Chapters - Criterion Collection
Criterion Collection  2008-07-01
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Patriotism - Criterion Collection Afraid to Die The Temple of the Golden Pavilion (Everyman's Library (Cloth)) Mishima: A Biography In the Realm of the Senses

2010-06-12

『大怪獣ガメラ』 [DVD] GAMERA: THE GIANT MONSTER 北米版

Gamera: The Giant Monster
Gamera: The Giant Monster

怪獣映画のクラシック『大怪獣ガメラ』"GAMERA: The Giant Monster" である。

先日、当地香港のHMVでこのDVDを見つけ、懐かしさのあまり買ってしまった(←またかよ!)。

ぼくは、1965年の初公開の時に劇場で見ているので、45年振り、初代「ガメラ」との再会だった。

このDVDは、アメリカ(北米)で2010年5月18日に発売されたもの。アメリカでは初めての日本語オリジナル(英語字幕)バージョンでのリリースなのだ。

アメリカで、日本の怪獣映画が公開される時は、通常英語吹替でアメリカ人の俳優で追加部分を撮影したものを繋いで上映する。なので、オリジナルの怪獣が暴れるところは残すが、ストーリーなど違うものが多々ある。

このガメラも、アメリカで60年代に公開された時は、そのように改変され、DVDも今までは北米公開版「ガメラ」"GAMMERA The Invincible" (1966) (下↓)しか発売されていなかったのである。

Gammera the Invincible
Gammera the Invincible

そういった意味では、今回のリリースはアメリカ(北米)の「Kaiju」(怪獣)「Tokusatsu」(特撮)おたくたちは待ち望んだものだったかも知れない(笑)

この『Gamera: The Giant Moster(大怪獣ガメラ)』のDVDには、付録で12ページのブックレットが封入されている。湯浅憲明監督のインタビューや、キャラクター説明など、まるで日本のパンフレットみたいやな、と思ったら、それもそのはず、このDVD製作には、かつてココで紹介したアメリカの怪獣おたくの雄、オーガスト・レゴーン(August Ragone)氏が関わってるからだ。

この人、日本が誇る特撮監督・円谷英二の英語による初の評伝「円谷英二:マスター・オブ・モンスターズ (Eiji Tsuburaya: Master of Monsters)」の著者なのである。

Eiji Tsuburaya: Master of Monsters: Defending the Earth with Ultraman and Godzilla

おそらく、レゴーン氏のこだわりなのだろう。「ガメラ」のスペルも、"Gammera"から"Gamera"と、より日本語に近くなっている。そして、彼によるコメンタリーも驚くほど詳細である。

東宝のゴジラに対抗して、大映が作った怪獣キャラ、大怪獣ガメラ。
カメ + ラでは”カメラ”になっちゃうので、”ガメラ”にしたという(←本当)。

北極での核搭載機墜落により蘇ってしまったガメラ。北海道へやってきて亀好きの男の子との友情も描かれるが、人間の攻撃も受け戦わなければならないガメラ。45年ぶり、モノクロの画面を眺めながら、懐かしさとともに、ガメラのソフビで遊んだ事なんかを思い出した。

平成ガメラ3部作のラストシーン。燃えさかる東京の街を歩くガメラの姿は、この第一作へのオマージュだったのだな。今回初めてそのことに気づいた。

冒頭、エスキモー人を演じる(明らかに)日本人俳優が話す英語が楽しい。

イトイズザデビルズエンボイ・・・ガーメラ!(It is the Devil's Envoy... Gamera) 「悪魔の使者 ガメラです」

米軍の軍人たちを演じるのは、当時横田基地などにいたアメリカ人だとレゴーン氏の解説で知った。

特典映像は、予告編と日本で(おそらく)LD発売時についてたメイキング。この中で、幻となった企画『ガメラ対ガラシャープ』の映像も見れる。

こーゆーDVDを見ると、日本もアメリカもおたくの気持ちは変わらないと思う。
映像はリマスター版。怪獣映画の「クライテリオン・コレクション」だな、これは(笑)

GAMERA: THE GIANT MONSTER (1965) 『大怪獣ガメラ』

80 minutes

12-Jun-10-Sat by nobu

Gamera: The Giant Monster
Gamera: The Giant Monster
Shout! Factory  2010-05-18
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Gamera Vs. Barugon Navy Vs the Night Monsters Gamera vs. Monster X / Monster from a Prehistoric Planet Attack Of The Monsters (aka Gamera vs. Guiron) War of the Monsters (aka Gamera vs. Barugon)

(日本ではブルーレイが出てる)

B0024DGNKC 昭和ガメラ Blu-ray BOX I
角川エンタテインメント  2009-07-24

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2010-06-11

「サンダーバード・セレクション」 Thunderbirds Selection [iTunes/CD]

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iTunesストアで、中一の娘に頼まれた木村カエラの曲を探している時に、この「サンダーバード・セレクション」を見つけて衝動買いしてしまった!(10曲入 600円)

「サンダーバード」は1965年に英国で製作されたTVシリーズだが、長らくサントラ盤が発売されてなかった。

その間、組曲だの、オリジナル・スコアによるオーケストラ演奏だのが発売されていたが、1993年に作曲者バリー・グレイのファンクラブの面々により、「蔵出し」と修復が行われ、10年後の2003年、めでたくオリジナル・サウンドトラック盤が発売されたのである。

このアルバムに収められているのは、全てその時点で修復されたもの。
むろん、全ての曲が耳に馴染んだものではないし、あまりに古臭く感じるものもある。だが、これを聴いていると、(おっちゃんは)昭和の時代にタイムスリップするのだ。

iPhoneでこれをFMから聴いて、香港の街を運転すると、自分がバージル隊員(2号)になったような気がする。メインタイトルをかけると今でも胸躍る。作曲者バリー・グレイの傑作サントラである。

iTunesでは「サンダーバード・コレクション」(25曲入 1500円)も同時発売。コアなファンにはこちらがおすすめである。Digital Bookletもついてるしね。

CDでは、3枚組の「サンダーバード・コレクション」(初回限定生産)がおすすめ。現時点でのサンダーバードものサントラ盤の集大成的なアルバムだ。
ぼくは、2004年に発売された2枚組の「サンダーバード・完全盤」を買ってしまった(涙)が、こちらは未収録曲も入ってるのである。

サンダーバード・コレクション〈3枚組〉 (初回生産限定)
サンダーバード・コレクション〈3枚組〉 (初回生産限定)

けど、良い時代になったねぇ。昔はサントラがなくって、ぼくは日本人がオーケストラで録音し直したBGM集(「サンダーバードBGM for TV Program」)まで買っちまったからな(笑)。これ、頑張ってるんだけどねぇ、しょぼいんだなぁ…。主題歌も新録だとノレないし。付録でイマイのプラモデルのCM(昭和40年代のもの。白黒)がついてて、これは懐かしかったけど。

サンダーバードBGM for TV Program
サンダーバードBGM for TV Program

”バリー・グレイ TVサントラ”と銘打った「サンダーバード GO!」も買ったが、これも曲の大半は『劇場版』からのもの。オーケストラ演奏はイイが、ウリはクリフ・リチャーズ&シャドウズの歌だった。
結構カモられてるな、俺(汗)。

サンダーバード GO!
サンダーバード GO!

オリジナル・サントラ盤には(当然だが)日本で放送された時の歌は入ってない(マスターがもうないらしい)。歌はDVDなどで見るか、YouTubeで見れる。

ブルーレイは英国では2008年に発売になっているが、日本では未だ発売になってない。その理由はぼくがここで以前書いたようなことなのか?(『サンダーバード・Blu-ray』参照)

とまれ、父親のジェフ・トレイシーの声で "5,4,3,2,1 Thunderbirds are go! "爆音に続くあの胸躍る(ほんものの)タイトル曲を聴いて、今日も元気に頑張ろうではないか、昭和の少年たちよ!

Thunderbirds Selection

(日本放映版 オープニング&エンディング)

11-Jun-10-Fri by nobu

2010-06-10

Femmes, Femmes, Femmes - Imagination of Women in French Cinema 《女人、女人、女人》 イマジネーション・オブ・ウーマン・イン・フレンチ・シネマ

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香港では今フランス映画祭をやっている(2010年6月3〜23日)。題して、Femmes, Femmes, Femmes 《女人、女人、女人》。女好きのぼくとしてはぜひとも行きたいが(笑)、なかなか時間が合わなくて行けない。

シェルブールの雨傘』(6月12日・15日)や、『死刑台のエレベーター』(6月11日・21日)なんて行きたいんだけどな…

写真のジャンヌ・モローも来港したというこの催し。行ける方はぜひどうぞ。

Official Site : Femmes, Femmes, Femmes

10-Jun-10-Thu by nobu

2010-06-09

画像リンクが使えないアフィリエイト e-click

ぼくがこのブログでアフィリエイトを使う理由は、DVDなどソフトのカバーアートを載せたいからである。これで飯を食いたいということではない(実際飯など食えぬ・笑)。著作権もあるようなので、画像リンクを使っているのだ。

ぼくのブログでは、当地香港の映画やCDについても紹介している。その時に困るのが、香港版のソフトがAmazonには殆ど無いことなんである。
イエスアジア(YesAsia.com)では、アジアのソフトを多く扱っており、ぼくも当初Webgainsというアフィリエイトからここのカバーアートを載せていたのだが、商品も限られ、使い勝手が悪かったので、最近日本語対応のe-clickへ変更した。

そこでは画像リンクもオッケーだったので、ぼくはYesAsia.comから今までの記事内の香港に関するもののカバーアートを全てe-clickのものにやり変えた。

最初は問題なく画像リンクが出来たので、そのままにしていたのだが、あるページでいつのまにか画像が消えていたのだ。おかしいな、と思って、再度リンクを作り直して貼ったらすぐに復帰するのだが、またしばらくすると消えるのだ。

ネットの技術的なことがわからないぼくは、e-clickにメールで問い合わせた。

(2010年)5月17日に担当のN氏から返信があり、「YesAsia.com担当者不在のため」という理由で、確認できたら連絡くれるということであった。
その後、2週間たっても返事がないので、問い合わせたらやっと6月3日に以下の回答が来た。(抜粋)

「イエスアジア・ドットコムサイトの管理は香港スタッフにより行われており、香港側でサイトの更新や、キャンペーン終了に伴い、サイトオーナー様へ予告なしに画像が消えてしまうことは防ぐことができない、とのことです」

はぁ?…(脱力)

その日から、e-clickのイエスアジア・ドットコムの商品リンクのページでは、上のような注意書き(画像が消えるけどそのことを承知してリンクを張れ)が掲載されるようになった。

ぼくのブログから消えたe-clickの画像は、一つや二つではない。全部消えたのだ。(ちなみに前述のWebgainsでは画像が消えることはなかった)

N氏からもらったメールでは、「商品画像はリンクなしでwebサイトにご掲載頂き」云々と書いてあったので、そのように変更している。

いずれにせよ、このブログ上で、商品画像をクリックしても商品紹介ページに飛ばないのはぼくのせいではありませんので(笑)

以上、画像リンクが使えないアフィリエイトがあったのだ、というお話でありました。

09-Jun-10-Wed by nobu

2010-06-07

『シカゴ』 CHICAGO [DVD] ロブ・マーシャル

シカゴ スペシャルエディション [DVD]
シカゴ スペシャルエディション [DVD]

「シカゴ・ザ・ミュージカル」香港公演を観て、ロブ・マーシャル監督の映画版『シカゴ』"CHICAGO"を観たくなったので、棚からDVDを出してきた。

日曜日のお昼。その日は中学一年の娘も小学校のブラスバンドへ(先輩として)教えに行くというので、おとーさんは家でのんびりしていた。
グラスへ氷を入れて、ビール(Budweiser)を注ぐ。こうやって飲むと冷たいし、泡がうまいんだよな、と思いながらのんびり映画を眺めた。

2002年の劇場公開時に観て以来だから、8年振りである。銀座の映画館で亡くなった妻と一緒に観たのを思い出した。劇場名は忘れてしまったが、細長いうなぎの寝床みたいな映画館だったな。アカデミー賞作品賞をとったか、とる前だったか、その頃だった。(今考えると、この頃がMiramaxの絶頂期だったように思う)

昨日、舞台版を観たばかりなので、どうしても比較して見てしまう。冒頭の「And All That Jazz」は、映画を初めて観た時は「なんてかっこいいんだ!」と思ったものだが、今回見たらあまり高揚しない。生のステージを味わった弊害かもしれない。
その「And All That Jazz」をキャサリン・ゼダ・ジョーンズ(アカデミー賞助演女優賞受賞)が唄うナイトクラブの場面が、舞台版のセットに近い。ブロードウェイで見たら、楽団員が全員黒人ミュージシャンだったのだろうか、と想像した。

今回見終わって思ったのは、これは”ロブ・マーシャル版『シカゴ』”だったのだな、ということ。舞台のボブ・フォッシーのテイストは、刑務所内でゼダ・ジョーンズたちが踊る「Cell Block Tango」くらいしかなかったかな。音楽とプロットは一緒でも後味が全く違う。どちらかと云うと、『ムーラン・ルージュ』のバズ・ラーマンのテイストに近い。
個人的には、ぼくはフォッシー版の方が好きだ。前回書いた香港公演のレビューで、「舞台版の方がいい」と書いたのは、(ただ単に)好みの違いだったのだと気づいた。

例えば、ヴェルマがロキシーと一緒にステージをやろうと口説く「I Can't Do It Alone」は、ヴェルマが一人二役をする独断場のシーンだが、映画の振付けは舞台のそれと比較すると一本調子で、コミカルさと踊りのスゴさが伝わってこない感じ。ぼくが見たインターナショナル・キャスト版でもそのスピーディな踊りは目を見張るものがあった。

あと、(初めて観たときから思ってるが)リチャード・ギアは頑張ってるんだけどねぇ……(苦笑)。当初、ロブ・マーシャルはジョン・トラボルタを考えていたが、トラボルタのエージェントが断ったのだと。惜しい話だ。

ロブ・マーシャルのミュージカルの作り方は、ドラマが進んで行く中で、歌の場面になると、とたんに舞台上のようなセットと演出に変わる。これは彼の持ち味で、最近公開された映画『NINE(ナイン)』('09)でも同じ手法をとっていた。ただ、それだからか、「現実」なのか、「幻想」なのか、わかりにくく、ぶつ切りな印象を与えてしまうのである。『シカゴ』では成功したが、(ぼくが)『NINE(ナイン)』にノレなかったのはそのためだったかも知んない。

1920年代のシカゴを舞台に、スターを夢見ながらも、愛人を殺してしまい刑務所に収容されるロキシー(レニー・ゼルウィガー)が、悪徳弁護士(リチャード・ギア)によって刑を逃れ、やがてヴェルマ(ゼダ・ジョーンズ)と共にスターダムへのぼるという皮肉なお話。
ヤリたいだけの男や、もてないからロキシーだけを一途に愛する男など、ロキシーを巡って色んなタイプの男が登場するが、女はみんな泣き言を言わず元気いっぱいなのが面白い。(舞台版の方がホモ色が強かったが・笑)

ぼくが持ってるDVDは、2003年に発売された「シカゴ プレミアムボックス」というデカイ箱で、中身は、本編DVDと、メイキングやインタビュー集及び予告編収録の特典ディスクがついたSpecial Editionを始め、歌詞カード、豪華ブックレット、システム手帳、パフューム・ボトル(香水入れ)、シガレットケース、網タイツ(笑)が封入されている。完全初回限定生産で9,800円もした。

サントラ盤も持ってて、これは「シカゴ〜 リミテッド・エディション オリジナル・サウンドトラック」というもの。サントラCDと、「And All That Jazz」のプロモなどが入ったDVD付。これも3,675円もした。(散財してるなぁ、俺・苦笑)

「シカゴ」はジャズっぽい音楽がやっぱり最高である。サントラは聴いてて楽しい(ラスト2曲のラップはいらんが・笑)。あと、リチャード・ギアの鼻声はやっぱ、いやらしいねー(笑)

CHICAGO (2002)

113 mins

07-Jun-10-Mon by nobu

(え?今でも買えるの?プレミアムボックス ↓)

B0000AL61L シカゴ プレミアムボックス [DVD]
ビル・コンドン
ハピネット・ピクチャーズ  2003-10-31

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ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル  2003-03-05

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Happinet(SB)(D)  2009-12-18

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2010-06-06

「シカゴ・ザ・ミュージカル 香港公演」 CHICAGO THE MUSICAL in Hong Kong 2010

Chicago_100605

2010年5月20日から始まった「シカゴ・ザ・ミュージカル」"CHICAGO THE MUSICAL" の香港公演である。中一の娘と行ってきた。ぼくは映画版『シカゴ』は観ているが、舞台版は初めてだったので、楽しみにしていた。

香港は学生割引(数量限定)というのがあるので、娘は安い値段で観れたのでありがたい。3日前にチケット買いに行ったのだが、下手(しもて)だったが、前から2列目がとれた。土曜日のマチネー(6月4日)だったが、会場のリリック・シアターは9割方入っていた。

今回の「シカゴ」香港公演も去年の「CATS」と同様オーストラリア人主体のインターナショナルキャスト。主役のロキシーは、シャロン・ミラーチップ(Sharon Millerchip)、ヴェルマにディオン・ザノット(Deone Zanotto)の二人。悪徳弁護士のフリン役はクレイグ・マクラチェィン(Craig Mclachlan)。

映画版は、ちとブラックな大人のミュージカルといった印象だったので、娘にはどうかな?と思ったが、この舞台版を観ると、歌も踊りもいいし、コメディ色も強く娘も大満足だったようである。ただ、英語でわからなかったと思うが、結構大人向けのジョークもあったので、お父さんだけが笑う場面も多々あったのだ。

ボブ・フォッシーらしく、黒を貴重とした(というより黒だけ)の衣装、舞台中央にひな壇になっているオーケストラの演奏者たちの衣装も黒だ。鍛え上げられたダンサーたちが、身体に密着した衣装で歌い踊る。(オーストラリア人だからか)大柄のダンサーたちの踊りは、客席前方で見るとセクシーだし、迫力がある。
だが、主役の女性二人がたっぱ(身長)がないのが、ちと残念。高いヒールを履いての難度の高い踊りは見事であったが。

映画と舞台では曲数が違うし、出て来るキャラも違う。映画では弁護士役のリチャード・ギアがタップを踏むが、これもなかった。一番驚いたのは、映画版で圧倒的だったクィーン・ラティファのママ役を太った白人女性コリーン・ヒュエット(Colleen Hewett)が演じたこと。それと新聞記者のミス・サンシャインがおかまだったこと(笑)

映画と舞台とどっちがよかったか?と聞かれれば、「舞台版」と答える。さすがにブロードウェイでもロングランが続くだけのことはある。

1920年代ジャズ・エイジのシカゴを舞台に、ボブ・フォッシー(アン・レインキング)の見事な振付けと、素晴らしい音楽(ジョン・カンダー作曲、フレッド・エッブ作詞)を、簡単なセット(オーケストラだけ)の舞台で見せる。

日本でも時を同じく、ロキシー役を米倉涼子で再演中と聞く。このオーストラリア版の迫力を体験したので、日本版と見比べてみたいなと思ってる(娘は、生意気にも、日本版は「観る気になんない」なぞとのたまってるが・笑)。

この舞台「シカゴ・ザ・ミュージカル」は、ヴェルマ役の歌と踊りがよくないと成り立たない。今回そのヴェルマを演じたザノットは、パンフレットによると、ブロードウェイの「コーラスライン」などに出演し、香港でも上演した「サタデー・ナイト・フィーヴァー」ではステファニー役で出てたのだと。
ぼくはその「サタデー〜」観てるけど、わかんなかったな(苦笑)。こっちの方が歌と踊りが圧倒的で印象に残ったけどね。特に「I Can't Do It Alone」のダンスは素晴らしかった。

ラスト、主役二人が踊り終わった後、ロキシーがバラを客席に投げた。それを娘が受け取った。その花は造花だったが、娘は「一生大事にする」と言っていた。よかったね(微笑)。満足度の高い楽しい公演だった。

香港公演は、2010年6月20日まで。

チケットは→ CHICAGO THE MUSICAL

CHICAGO THE MUSICAL

THE HK ACADEMY FOR PERFORMING ARTS - LYRIC THEATRE
Sat 05 Jun 2010 2:00 PM

06-Jun-10-Sun by nobu

B000003G7W Chicago: The Musical (1996 Broadway Revival Cast)
1996 Broadway Revival Cast
RCA Records  1997-01-28

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シカゴ [Blu-ray]
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2010-06-04

「ラプソディ・イン・ブルー」のこと About RHAPSODY IN BLUE

今話題の「のだめカンタービレ」(映画・TV)で、エンディングに使われているジョージ・ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」"Rhapsody in Blue"はぼくの大好きな曲の一つである。

39歳の若さでこの世を去るまで、(天才)ガーシュウィンは、今なおスタンダード・ナンバーと知られるポビュラー・ソングの数々、オペラ「ポギーとベス」、交響曲 (「ラプソディ・イン・ブルー」「巴里のアメリカ人」)の作曲と多彩な活躍をした。

ブロードウェイで大成功していたガーシュウィンが、1924年に発表したこの曲は、ジャズとクラシックを融合させた「シンフォニック・ジャズ」の代表曲として知られている。ガーシュウィンはこの名曲をたった3週間で作曲したという。この曲の功績の一つは、ジャズもクラシックのようにコンサート・ホールで演奏できるということを立証したことにある。

名演は数々あれど、ぼくが好きな演奏をいくつか紹介しよう。

エッセンシャル・ジョージ・ガーシュウィン
エッセンシャル・ジョージ・ガーシュウィン

この「エッセンシャル・ジョージ・ガーシュウィン」では、ガーシュウィン自身のピアノ演奏での「ラプソディ・イン・ブルー」が聴ける。
だが、ガーシュウィンの昔の録音(1925年)の上に、オーケストラの音を(1976年に)ミックスしたもののようで、お陰でテンポが早い早い。まるで、33回転のレコードを45回転で聞いてるみたいなのだ(笑←若い人にはわからんかのを)。

2枚組全41曲のこのCDは、アル・ジョルスン、フレッド・アステア、ベニー・グッドマン、マイルス・デイビスなどの演奏が楽しめるお得盤。

ファンタジア/2000 [DVD]
ファンタジア/2000 [DVD]

ディズニーがクラシック音楽とアニメを融合させた『ファンタジア/2000』では、ジェームズ・レヴィン指揮によるシカゴ交響楽団の演奏が聴ける。
ここでの「ラプソディ・イン・ブルー」をぼくが好きな理由は、アル・ハーチフェルドの絵によるアニメが見れるから。ぼくはニューヨークのメトロポリタン美術館で、彼の画集を買って来た。イラストがとにかく都会っぽくて、センスも良いから好きなんである。

(その中に出て来るガーシュウィンの似顔絵)

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「ラプソディ・イン・ブルー」の名演の中でも、人気が高いのが、レナード・バーンスタイン指揮、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団のもの。
「ウエスト・サイド物語」の作曲者としても知られるバーンスタインだが、(クラシックにうといぼくでも)この演奏は確かに素晴らしいものだと思う。

ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー

だが、ぼくが一番好きなのは、ウディ・アレンの映画『マンハッタン』のサントラ盤で聴ける「ラプソディ・イン・ブルー」である。

クラシック・ファンは馴染みが薄いかも知れないが、これは超名盤である。
ズービン・メータ指揮によるニューヨーク・フィルの演奏。ピアノは、あのゲイリー・クラフマンである。(クラフマンは、「のだめ」のピアノを吹き替えたラン・ランのお師匠さんでもある)

Manhattan (1979 Film)
Manhattan (1979 Film)

映画のサントラ盤とは思えない充実ぶり。映画でも、オープニングで、「ラプソディ・イン・ブルー」がかかり、ニューヨークの街並を映すそのモノクロ画面は、鳥肌がたつほど素晴らしい。

このアルバムがイイのは、”ジョージ・ガーシュウィン・ソングブック”になっているところ。「'S Wonderful」「Embraceable You」「Strike Up the Band」「But Not for Me」といった名曲が、ディック・ハイマンによるトリオやクインテットの洒落た演奏で聴ける。何度聴いても、何年経っても、ちっとも飽きない名盤である。

色々書いたが、ぼくにとって一番の名演は、娘が小学校5年生の時にピアノの発表会で弾いた「ラプソディ・イン・ブルー」なのだ。
亡くなった妻が、「いつかあの娘が『ラプソディ・イン・ブルー』を弾いてくれたら、あなた泣くかもね」と言ったことがある。実際、娘が弾いた時は、泣くどころか、間違えないかとハラハラしながら聴いたのだが、これはぼくの「心の名演奏」である。永遠にね(微笑)

Rhapsody in Blue

George Gershwin (1898-1937)

04-Jun-10-Fri by nobu

2010-06-02

「のだめカンタービレ」 サウンドトラック [CD/DVD] Nodame Cantabile Soundtrack

映画『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』を観て、我が家にある「のだめ」CDを出してきた。いつもは中一の娘の部屋にあるので、聴けないのだが、けっこうあって我ながら驚いた(自分で買ってあげたくせに!・爆)

「のだめカンタービレ」オリジナル・サウンドトラック
「のだめカンタービレ」オリジナル・サウンドトラック

まずは、ドラマ「のだめカンタービレ」オリジナル・サウンドトラックである。これは香港で購入したもの。以前『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』でも書いたように、香港でも「のだめ」は地上波で放送され人気を博した。ので、このサントラも発売になったというわけである。

これ、服部隆之氏の作曲したオリジナル曲だけを収録している。ので、ドラマの中でも印象の薄い曲ばかり。「のだめ」で印象に残るのはクラシック音楽なので、もしそちらの曲が聴きたければ、次の「のだめオーケストラ」LIVE!の方がいいだろう。

「のだめオーケストラ」LIVE!
「のだめオーケストラ」LIVE!

これは、「のだめ」がアニメ化されたタイミングで出たもののようで、原作のどの部分で曲が使われたかの解説書がついている。(香港版にも日本語のまんまの解説書付)
「のだめオーケストラ」とは、「のだめカンタービレ」のフジテレビのドラマ化に際し結成された若手中心のオケで、ドラマ・アニメ内の演奏や、ライブ活動を行っているのだ。
このCDにはドラマで使用されたクラシック音楽が収録されている。
(香港版は、おまけで、のだめが持ってるケンバン・バッグが付いてた)

その「のだめオーケストラ」のコンサートDVDも我が家にあった。

のだめオーケストラ CONCERT! [DVD]
のだめオーケストラ CONCERT! [DVD]

この「のだめオーケストラ CONCERT!」DVDは、約61分とコンパクトにまとまっており、かつドラマに出て来るメジャーな曲が入ってる。真剣に見るというよりは、BGVとして流しておくには最適である。最後のピアニカの「ラプソディ・イン・ブルー」のときは、マングースのぬいぐるみも登場して、(派手さはないが)ドラマにハマった人には楽しいコンサート・ビデオだと思う。

「のだめオーケストラ」STORY!
「のだめオーケストラ」STORY!

この「のだめオーケストラ」STORY! の方が、「のだめ」のサントラと云っていいと思う。ドラマ・アニメで使われた曲を収録している。けど、サントラだけに曲がフェードアウトされたりして、曲数は多いが、クラシックを聴きたい人には不満が残ると思う(なので、上に書いた LIVE! が出たのだろう)。だが、「プリごろ太のテーマ」や「おなら体操」も入っており、これはこれで貴重である(笑)

のだめカンタービレ 最終楽章 前編&後編
のだめカンタービレ 最終楽章 前編&後編

そして、映画版「のだめ」前編・後編の3枚組サウンドトラックである。これは、映画の感動を思い出すには最適のサントラ。のだめオーケストラをはじめ、チェコ・フィル、ロンドンフィルの迫力の演奏。それに、世界的なピアニスト、ラン・ラン(郎朗)が のだめのパートを弾くという豪華版である。映画(後編)の中で、ラン・ランのポスターが出て来たのはこーゆー意味だったのだな。
上で紹介したCDは、正直中途半端な印象があったが、この映画版「最終楽章」のサントラは聴いてて満足感があった。
これも香港版だが、どうも日本版には分厚いブックレットがついているようだ。香港版にも日本語のものがついているが、写真が主体のものである。ま、値段がHKD139.00(約1640円)だったからこれで良しとしないとね。

この他にもまだまだ「のだめ」のCD/DVDは(マウンテンほど)出てるが、じっくり見極めてお買いになったらと思います。そーしないと、こうやって貯まっちゃうからね(笑)

のだめカンタービレ サウンドトラック Nodame Cantabile Soundtrack

02-Jun-10-Wed by nobu

のだめカンタービレ 最終楽章 前編&後編
のだめカンタービレ 最終楽章 前編&後編 のだめオーケストラ のだめカンタービレ

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2010-06-01

『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』 Nodame Cantabile The Movie II

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香港でも2010年5月27日から公開になった映画『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』である。日曜の午後、中一の娘と一緒に満員の劇場で鑑賞してきた。いやー、この映画、とってもよかった。感動したよ、おっちゃんは!

香港でもヒットしているようで、評判もとても良い。香港Yahooの☆を見ても、5個中4.5個(2010年5月31日現在)と高い評価だ(Yahoo電影 「交響情人夢最終樂章電影版後篇」)。香港でこんなに高評価の日本映画は『おくりびと』以来と思う。

以前、『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』の時にも書いたが、ぼくは、「のだめ」をTVシリーズの時から全部見ている。なので、この「最終楽章 後編」は、本当に楽しみにしていたのである。が、期待以上に出来がよかったのだ。

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前編は、パリで、千秋先輩(玉木宏)がボロのオケを立て直し、どんどん成長していくのに、のだめ(上野樹里)は置いてけぼりにあい、なおかつ二人の距離もひらいてしまう… というセツない終わり方だった(TV放映の「前編 特別編」とはチト違うのだ)。

千秋がついに引っ越ししてしまい、寂しくはなったが、のだめは、タチヤーナ(ベッキー)やフランク(ウエンツ瑛士)らと相変わらずの学生生活を送っていた。そこへ、日本から「ライジング☆スター」のオケ仲間、峰(瑛太)とますみ(小出恵介)がやってくる。きよら(水川あさみ)がバイオリン・コンクールに出るのを応援にやってきたのだ。
のだめの夢は、千秋先輩の指揮でピアノコンチェルトを共演すること。だが、のだめは指導教授から、まだまだ「ベイビィちゃん」と呼ばれるほど上達が遅れていた。

自分が千秋先輩と演奏したいと思った楽曲も、プロ・ピアニスト Rui(山田優)に先を越され、しかも自分がやるよりはるかに高いレベルで演奏されてしまう。のだめは、「いったいどこまでやればいいの?」と悩む。そして……

この最終楽章は、主人公”のだめ”の成長物語である。

音楽とは読んで字の如く、「音」を「楽」しむもの。
のだめはパリの地で、音楽を「理解」し、それを「楽しみ」ながら、同時に「つらさ」も知る。音符の中に込められた、ショパン、ベートーヴェンら作曲者の想い。それらを天性の表現力で見事に演奏するが、心の中はぽっかり穴が空いてしまう。

千秋もまた、悩む。本当にのだめをパリに連れて来てよかったんだろうか?と。日本で、幼稚園の先生として暮らした方が、彼女は幸せだったんじゃないか、と…

TVシリーズの時から、超おちゃらけと、シリアスな場面がミックスした独特の「のだめワールド」を見続けてきて、こんな最終章が待っていたとは驚きだった。

こんな深いテーマ(自分の才能と評価のギャップ。そしてそれを乗り越える人間の力強さ)を、最後こういう形で見せられるとは思ってもいなかった。

「結果」は自己満足でしかないかもしれない。けど、それでも高みを、もっと頂上を目指す(若き)音楽家たちの姿は、大人が見ても清々しく感動するもの。そして、二人の愛も…

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この最終章の のだめは、抱きしめてやりたいほど愛おしい。のだめになりきった上野樹里の演技、それを受け止める千秋先輩・玉木宏の絶妙のコンビ。他の若き出演者たちも、ここから大きく育って行った。役者の成長過程も見れるのが、同時代を生きてる証拠。TVの名シーンも挟みながら、(感動の)大団円に持って行くその過程も正直うまいと思った。

音楽シーンは、今回も素晴らしい。映画となり、TVとは違って自在なカメラワークで、ヨーロッパの「本物」の音楽の空気も感じさせる。千秋による(わかりやすい)曲の説明もじゃまにならず、かえって楽曲と物語の関係性を深く理解できるのでありがたい。

TV時代から、主題曲は、ベートーヴェンの「交響曲第7番イ長調作品92・第1楽章」。エンディングは、ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」と、ヨーロッパのクラシックと、20世紀のアメリカの交響曲を並べるのがイイ。若い子たちには、これらのメロディは「のだめ」の曲として(永遠に)記憶されるであろう。

ぼくは、(正直)TV局主導の、特にドラマの映画化をあまり快く思っていなかったが、この作品は、現代日本「音楽映画」の最高峰と胸を張れる名作となり得た。

考えてみると、ショパンもモーツァルトも、パトロン(スポンサー)がいたからあんな名曲を作りえたわけで、現代の日本映画も、タニマチがTV局と思えばいいわけである。こういう良質のものが製作され、ヒットもするというのは、まだ日本が健全な証拠と思いたい。

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香港の劇場でも、観客はよく笑っていた。ぼくの娘の隣に座った若者4人組は、うるさいくらいにウケてて、あの のだめがますみちゃんに頭突きを決めて、血がピューッと出るデフォルメのきつい場面や、シュトレーゼマン(竹中直人)の家にエロ本が置いてあるトコロなどでは、娘が「そんなに面白い?」と聞きたいくらい大声で笑っていたのだと(笑) 

ま、それでも、日本映画が外国人にウケるのはなんか嬉しいよね(笑)ちなみに「のだめ」は、字幕で「野田妹」となってたよ。

同名のラブコメ・コミックのドラマ化→映画化だが、ここに描かれた、楽しく、そして深い世界を味わわせてもらって、お父さんのぼくは、子供に感謝しなきゃいけないかも知れない。「老いては子に従え」じゃな(笑)

そういえば、来月、娘は中学校の合唱コンクールで、ピアノの伴奏をする。最近さぼってたから、これを気に、もっと本気になってくれればなと思ったりしているのだが(笑)。

とまれ、家族でも、カップルでもみんなで楽しめる音楽映画の傑作。のだめファンは、映画館の大画面と良い音響でご覧になることをおすすめします。

(DVDが出たら、前編・後編続けて一気に見るのが楽しみやね・笑)

のだめカンタービレ 最終楽章 後編 Nodame Cantabile The Movie II (2010)

監督:武内英樹
123 mins

31-May-10-Mon by nobu

(香港版 予告編)

のだめカンタービレ 最終楽章 前編 スペシャル・エディション [DVD]
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