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2010年4月

2010-04-30

『アイアンマン2』 IRON MAN 2

映画『アイアンマン2』 "IRON MAN 2" が香港でも公開となったので(2010年4月30日)、初日に行って来た。コレ、全米公開は5月7日なので、それよりも早く観たことになる。ひょっとしたら、日本語での感想はこれが最速かも知れないね(笑)

「私がアイアンマンだ!」と衝撃の告白をトニー・スターク(ロバート・ダウニー・JR)がしてから、スターク・インダストリーズは、科学万博を開くというアナウンスをする。それは先代の夢をトニーがかなえるというもの。その頃、遠くロシアでは、一人の老人が息をひきとった。息子に「本当ならお前が(トニーのように)なっていたのに…」とつぶやいて。復讐を誓ったイワン・ヴァンコ(ミッキー・ローク)は、天才的な科学者だった父から受け継いだ知識を元に、アイアンマンに戦いを挑んで行く…。

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今回は、ドンパチも多くて、登場人物も前回に比べて多彩になり、派手な映画になっている。ストーリーも結構面白くて楽しめた。前作は、大人向きの風情で、「拾いもの感」があったのでよかったのだが、今回はハリウッド製のアメコミ映画超大作になっている。

アメコミ・ファンには楽しいのだろうが、スカーレット・ヨハンセンやサミュエル・L・ジャクソンなどがやってるキャラ(S.H.I.E.L.D)など、マーベル・コミック読んでないとちょっとわかんないトコロもあり、おっさんはやや困ってしまった(笑)

前作は、「アイアンマン」というキャラそのものがあまりメジャーじゃなかったので、説明があってわかりやすくて、アメコミ・ファンじゃなくても入り易かったんだけどね。どうも、これから、これまで出て来たマーベル・コミックのキャラたちが一同に集まるような構図になる雰囲気なのだ。まるで『怪獣総進撃』だな(笑)

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今回、アイアンマンは、アーク・リアクター(胸にガチャンとはめる奴)に毒素が入り、段々弱っていき、ちょっと自暴自棄になるという設定。それで、友人である軍人のローディ・ローズがアーマーを着て派手に喧嘩をするのだが、役者がテレンス・ハワードからドン・チードルに変更になってるので、最初は別の人かいなと思っちゃったよ(笑)

イワン・ヴァンコを演じるミッキー・ロークは、ロシア語訛りの英語を話し、不気味な雰囲気をかもし出している。圧倒的に強いのがイイ。監督でもあるジョン・ファブローも、秘書のハッピー・ホーガン役で結構出番が多い。

相変わらず、工学部へ行ってる学生さんやエンジニアの人には面白いであろう場面が続く。ぼくは理数系ではないが、トニーのラボで繰り広げられる製作行程の映像は、見てて本当に面白いのである。

映画の中では、ペンタゴンが兵士にアーマーを着させて戦争しようと企んでいるが、これって案外本当にあり得る話だよな。近未来の戦争は、ロボット対ロボットになるんだろう。

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日本では前作『アイアンマン』がコケたやに聞く。そうなると、この続編も興行的にはあまり期待出来ないかもしれない。けど、コレ面白いんだけどなぁ。前半のモナコ・グランプリから見所いっぱい。ユーモアもたっぷりで、今回は敵・味方がはっきりしててわかり易いし、大画面、大音響で楽しむには最適の映画でした。

あ、そうそう、エンド・クレジットの後にもう一場面あるから、終わっても席を立たない方がいいよ。香港ではめずらしく、みんな最後まで観てた。初日だから、オタクが集まってたんだな、映画館には。俺も居たけど(笑)

日本では2010年6月11日から公開。

IRON MAN 2 (2010)

Director : Jon Favreau
Cast : Robert Downey, Jr., Gwyneth Paltrow,  Scarlett Johansson
Duration : 126 mins
Language : English

30-Apr-10-Fri by nobu

2010-04-28

『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』 [Blu-ray] The Hangover

The Hangover (Unrated Edition) [Blu-ray]

2009年のアメリカン・コメディ映画の大傑作"The Hangover"。めでたく日本では『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』という題名で2010年7月3日に劇場公開になる。まずはよかった。コレが公開されないと日本のコメディ文化は、携帯電話のようにガラパゴス状態になると思うからね(大げさ・笑)

香港では、もう昨年(2009年)末にBlu-rayもDVDも発売になっている。ぼくはブルーレイをクリスマス・プレゼントとして彼女にもらった。こんな映画(笑)をプレゼントしてくれる彼女をぼくは「イイな」と思うのだ(のろけ)。

で、映画『ハングオーバー』であるが、コレは何度観ても面白い。ぼくは、"10年に一本のウェルメイドなコメディ映画!"と前にもココで書いたが、その印象は変わってない。

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このBlu-rayの特典映像も映画同様おもしろかった。
削除したシーンの中でも、特に、The Madness of Ken Jeong (ケン・ジョングの狂気)は大笑いだ。映画を観れば、一番印象に残るのが、謎の中国人、ミスター・チョウを演じるケン・ジョングだとわかってもらえると思うが、これは彼の出演したシーンの別テイク集。一つのシーンを何パターンものアドリブで演じる彼は抱腹絶倒なのだ。他の出演者が思わず吹き出してしまってるのもそのまま映ってる。

これを観ると、監督(トッド・フィリップス)は、出演者にどんどんアドリブで演じさせ、何テイクも撮影し、そのなかで一番おいしいトコロを本編で使ったのがわかる。

そういう目でもう一度本編を観ると、例えばラスベガスの警察署で、パトカーを盗んだ罪滅ぼしに、フィル(ブラッドリー・クーパー)たちが、子供たちの前で防犯グッズの実験台になるシーンでも、警察官たちが笑いをこらえている(実際笑ってる)のがわかる。

他にも、デジカメの中に残ってた映像(別の写真)など、「ハングオーバー・ファン」(←いるのか?・笑)には楽しめる内容のディスクになっている。

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本作は、全世界で大ヒットし、ゴールデングローブ賞作品賞(ミュージカル・コメディ部門)受賞という冠もできたので、もう既に続編が製作されることが決定したとのこと。その続編には、マイク・タイソンにつづき、(渦中の)タイガー・ウッズに出演交渉しているというから笑わせる。

とまれ、まずは本編を楽しんでから、このソフトを楽しまれんことを!劇場公開を見逃すべからず!

The Hangover (2009) Blu-ray

1080p High Definition 16x9  2 4 1
Dolby Digital TrueHD 5.1
2.40: 1 Aspect Ratio
100 mins

28-Apr-10-Wed by nobu

The Hangover (Unrated Edition) [Blu-ray]
The Hangover (Unrated Edition) [Blu-ray]

2010-04-27

『キックアス』 KICK-ASS (原題)

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現在、全米ナンバーワン・ヒットとなっている、ヒーローもののアクション・コメディ映画『キックアス(原題)』 "KICK-ASS"が香港でも公開になったので行って来た(2010年4月15日より)。期待して行ったが、これは超面白い映画だったぞ!!

日本ではまだ公開の話を聞いてないが、もし公開されないとしたら、一昨年の『ホット・ファズ』、去年の、『ハングオーバー』のように署名運動を展開してでも公開してくれないかと願う。「映画」として、それくらい面白くおすすめの作品である。

ただ、この映画、香港ではカテゴリーⅢ、アメリカでも「R」(18歳未満入場不可)であり、そのバイオレンス・アクション・シーンは(ちと)エグいところもあるので、ティーン向けではないというのが興行的には痛いかもしれない(ま、レイティングに甘ーい日本では15-Rだろうけど)。それにアメコミものの傑作『ダークナイト』も『アイアンマン』も世界中で大ヒットしたのに、日本だけではヒットしなかったという「実績」があるのも弱いところだが。

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主人公は高校生である(なのに18禁とはこれいかに!)。しかもイケてない男子。メガネをかけて髪もじゃもじゃなヘタレな青年デイブ(アーロン・ジョンソン)。アメコミ・オタクの彼は「バットマン」や「スパイダーマン」など(正義)のスーパー・ヒーローに憧れている。

思いたった彼は、ネットでスーパーヒーロー・コスプレの衣装を注文する。その緑色のかっちょわるい衣装を着て、鏡の前で戦うポーズをとってみたりするデイブ。ついには衣装を着て、車を盗難する不良どもをこらしめようとするが、反対にナイフで刺され病院送りになる(とほほ)。

ある夜、また衣装を着て外出したところ、(弱いくせに)喧嘩でボコボコにやられてる男を見て助けてやろうと必死に戦う。その様子を携帯で撮影され、名前を「キックアス(KICK-ASS)」と名乗ったビデオはYouTubeにアップされ、彼はやがてNYの「リアル・ヒーロー」と呼ばれるようになる。

憧れの美女ケイティー(リンジー・フォンセカ)に頼まれ、ドラッグディーラーのもとを訪ねるキックアスだが、喧嘩の弱い彼は殺されそうになってしまう。そこへ、現れたのは「ヒットガール」と「ビッグダディ」と名乗る本当に強いヒーローだった…。

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物語の骨子は、元警官のビッグダディ親子による、NYマフィアの大親分フランク・ダミーコ(マーク・ストロング)への復讐劇に、キックアスが巻き込まれるというもの。テイストは、タランティーノの映画、特に『キル・ビル』に近い(突然、エンニオ・モリコーネが流れるとこなんかも似てる・笑)。ヒーローにあこがれるヘタレな青年は「生身」で、ビッグダディ親子は武装&鍛え上げられている対比が面白い。

この映画のキモは、ヒットガールである。11歳の少女はバタフライ・ナイフをいとも簡単に振り回し、長刀も銃も使いこなす。身のこなしも軽い。彼女が登場してからのアクション・シーンは、いきなりハイスパートで動き出し度肝を抜かれる。最初は子供がこんなことしてエエのか!?と思う(モラルを疑う)のだが、後半、彼女が登場するシーンでは、心の中で「行け!ヒットガール!」と応援している自分がいた(笑)。同じ年頃の娘をもつ父親としては、下品なセリフも喋るので「おいおい」とは思うが、これは映画である。虚構の世界として楽しめばいいと思う。それがオトナというものだろう。

Odoru2704105

そのKICK-ASS(=キョーレツ!)なヒットガールを演じたのがクロエ・モレッツ。彼女は『(500)日のサマー』で主人公に指南する生意気な妹を演じてたね。ビッグ・ダディのニコラス・ケイジは、はまり役だ。彼はこういう一見しょぼくれた役が一番似合うと思うけど(笑)。
マフィアのボスと息子(クリストファー・ミンツ=プラッセ)も、本当にいそうなキャラである。主人公も普通の高校生っぽくて、ゲイに間違われるほどナヨっとしてて、友達もオタクだ。けど憧れの彼女はキラキラ輝いてる。この映画、キャスティングが凄くイイのだ。

監督は『レイヤー・ケーキ』を撮ったマシュー・ヴォーン(だから<信用>できる)。共同プロデューサーにブラッド・ピットの名前もある。

単純なコミック・ヒーローものではない、パロディでもない。ニュー・アクション・コメディ・ムービーの傑作誕生である。「娯楽映画」として本当に面白かった。日本で公開されたら、見逃すべからず!である。

※余談だが、ぼくが観た劇場で、隣に座ってポップコーン食べてた西洋人親子が、係の人に云われて退場した。どうも息子さんが18歳未満の青年だったようなのだ。この辺、香港はキビしいよね。ぼくなんか、高一の時に日活ロマンポルノ行ってたけど(爆)。以上、子供に云えないKICK-ASSな話でした(笑)

KICK-ASS (2010)

Director : Matthew Vaughn
Cast : Aaron Johnson, Nicolas Cage,  Chloe Moretz
Duration : 118 mins
Language : English

予告編はコレ↓

27-Apr-10-Tue by nobu

B004IEAZ18キック・アス Blu-ray(特典DVD付2枚組)
東宝 2011-03-18

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Kick-Ass (Two-Disc Blu-ray/DVD Combo Pack + Digital Copy)
Kick-Ass (Two-Disc Blu-ray/DVD Combo Pack + Digital Copy)
Lionsgate  2010-08-03
Sales Rank : 59

Average Review  star
starOff the beaten path. WAY off.
starPlease buy this so we can get a sequel!
starAWESOME FUN RIDE

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B002ZG983M Kick-Ass DVD
Lionsgate  2010-08-03

by G-Tools

Music from the Motion Picture
Music from the Motion Picture

Kick-Ass 12 Inch Action Figure Kick-Ass
B003CFAHXK

2010-04-25

『夢で逢いましょ』 DVD (スマイリー小原)

夢で逢いましょ [DVD]

以前もココで書いたが、東京の神保町シアターでは、「ニッポンミュージカル時代」という特集をやっていた(2010年4月3日〜23日)。香港へ住んでるので行けないものだから、我が家でもそれにちなんでなんか観ようと棚を探したら、「帰ってきた東宝ゴクラク座DVD・BOX」に『夢で逢いましょ』があったのでプレーヤーにかけた。

寝る前に寝室で観てたのだが、そのまま寝ちまって、まさに「夢で逢いましょ」になっちまった(笑)。その後も、続きを観ようとかけたら毎回寝てしまう(爆)。これはこれで良い睡眠薬だったが(なんで?)、お陰で最後まで観るのに1週間ほどかかってしまったのだ、たった89分の映画なのに(笑)。

歌手を夢見る伊津子(中尾ミエ)は、芸能プロダクションを経営する姉(池内淳子)を頼って東京へ家出してくる。姉に反対された伊津子は、自力でデビューまでこぎつけるが、自動車事故を起こしステージに穴をあけ、チャンスを失ってしまう……。

姉の芸能プロ社長は、当時渡辺プロダクションの副社長だった渡辺美佐がモデル。なので、60年代当時、芸能プロ最大手だった渡辺プロのスターが多く出演している。「可愛いベイビー」でヒットを飛ばした後の中尾ミエを主演に、ザ・ピーナッツ、ハナ肇とクレージー・キャッツ、田辺靖雄、水原弘等々。

これは渡辺プロのプロモーション映画といった様相であるが、ジャズ評論家役の宝田明や、「No 文句」(笑)が口癖の悪徳芸能プロ社長(加藤武)なども出てきて、当時の芸能界の光と影が(チラリと)と垣間みれる。

この映画の一番の見どころは、ぼくには、中尾ミエの歌声でも、ザ・ピーナッツの歌う、宮川泰の名曲「ふりむかないで」 でもなくって、エンディングのライブ・シーンででてくるバンド・リーダーの"スマイリー小原"だった!(笑)
若い人は知らないだろうが、この人、踊りながら指揮をするのである。その踊りが何というか「コキコキ」とした微妙な動きで、今見るとスゴく面白くて、(失礼ながら)笑えるのである。

幼稚園の頃(だったと思うが)、ぼくは白黒テレビで「ヒットパレード」を見ていた記憶がかすかにある。その時に指揮していたのがスマイリー小原で、なんか派手なおっちゃんがおるなぁ、と思ったのを覚えているが、このトシになって改めて見るとやっぱりスゴく派手だった(笑)。その辺の歌手より目立ってるかんね(笑)

この映画のスマイリー小原をYouTubeで探したがなくて、代わりに『踊りたい夜』(だと思う)のツイストも踊るスマイリー小原をどうぞ!(↓)

余談だが、先日「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」のポットキャスティングを聴いてたら、高田先生も神保町シアターの「ニッポンミュージカル時代」へ何度か足を運んだのだそうだ(2010年4月19日分)。その時、ロビーに座ってる60代、70代の老人たちが、ぶつぶつ独り言をつぶやいてて、みんなついったー状態だったんだと(笑)。それで、高田先生、トイレに行って用を足してたら、一人のおじいちゃんが入って来て「あーあ、もうちょっと早く来ればよかったなぁ……」と(これまた)小声でつぶやいたのが聞こえたんだそうだ。… 哀れ、おじいちゃん、間に合わなかったのですな…(笑)

夢で逢いましょ (1962)

監督: 佐伯幸三

89 mins
16: 9 シネマスコープサイズ
Dolby Digital Mono
Region 2

25-Apr-10-Sun

夢で逢いましょ [DVD] 夢で逢いましょ [DVD]
宝田明 中尾ミエ

by G-Tools
帰ってきた東宝ゴクラク座 DVD-BOX 帰ってきた東宝ゴクラク座 DVD-BOX
中尾ミエ

by G-Tools
B000EPFQNMKING RE-JAZZ SWING: DANCE WITH SMILEY
スマイリー小原とスカイライナーズ
キングレコード 2006-04-26

by G-Tools

2010-04-23

LOVE SONGS 〜また君に恋してる〜 FUYUMI SAKAMOTO [CD]

今、上海万博のテーマソングが、岡本真夜の楽曲「そのままの君でいて」の”カバー”だと話題になってるが、カバーって正式に許可を得たものを云うので、この場合は”パクリ”つまり盗作だわな。古くは、日本でも1980年に八神純子が「パープルタウン」を盗作し問題になったが、彼女も最初は「否定」してたもんね。 中国の作曲家も「偶然ひらめいた!」とのたまってるらしいが、これだけ似てると否定しようもないね。

八神純子も、しぶしぶだが、盗作を認め、ついには”本当の”作曲者レイ・ケネディと共演してたのをTVで見た記憶がある。中国って大国だが、まだ発展途上のところもあり、パクリが悪いと思ってないふしがあるのだろう。だが、今回盗作を「認めた」のはちょっとオトナになった証拠かも(笑)。日本も30年前はそんなことがあったのだから、中国もあと30年経てばそんなことをしない国になると思うけど(願望)。

で、今回紹介するのは、正式なカバー・アルバム。「LOVE SONGS 〜また君に恋してる〜」by FUYUMI SAKAMOTO。坂本冬美じゃなく、ローマ字で名前を書いている。それは多分、「これは演歌じゃありませんよ」ということを作り手が云いたいのだろう。

Love Songs~また君に恋してる~ Love Songs~また君に恋してる~

曲名リスト
1. また君に恋してる
2. 恋しくて
3. あの日にかえりたい
4. 会いたい
5. 言葉にできない
6. 恋
7. 夏をあきらめて
8. シルエット・ロマンス
9. 片想い
10. なごり雪
11. 時の過ぎゆくままに
12. 大阪で生まれた女
13. また君に恋してる

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by G-Tools

演歌のキモであるこぶしを封印し、日本のスタンダードとなったラブソングを坂本冬美、もといFUYUMI SAKAMOTOが歌う。もともと歌が超うまいだけにどれもイイ。特に表題曲ビリー・バンバンの「また君に恋してる」は、とろけるほど心地いい。「いいちこ」のTVCMで流れたときから、うちの12歳の娘も「いいねぇ、これ」としみじみ言うくらいのインパクト。

徳永英明の「VOCALIST」シリーズは、女性の楽曲を男性が歌うので、男がカラオケで女性シンガーの歌を歌うときの参考になるが、このFUYUMI SAKAMOTOのアルバムではその逆のことがいえるのではないか。松山千春の「恋」なんて女性が歌っても、やっぱり切々としてるのがわかるもんね。

もともと春休みに日本へ一時帰国した時に買うつもりだったのだが、友人である娯楽映画研究家の佐藤利明氏と秋葉原でコーヒー飲みながら映画の話してたら、彼の携帯が鳴り、話終わって、「また君に恋してる」が100万ダウンロードを超え、アルバムも10万枚超えたと喜びながら教えてくれた。なんでもプロデューサーからの電話で、なんでそんな電話がかかってくるのかと思ったら、彼がこのアルバムのライナーノーツを書いているのだと!びっくりしたなぁもお(笑)

LOVE SONGS 〜また君に恋してる〜 FUYUMI SAKAMOTO

23-Apr-10-Fri by nobu

Love Songs~また君に恋してる~
B002L9QGLU

VOCALIST4(初回限定盤A)(CD13曲+DVD付)
徳永英明
B003980YLA

2010-04-22

『クロッシング・ヘネシー(原題)』 Crossing Hennessy 月滿軒尼詩

Odoru2204103

愛すべき小品に出会った。香港映画『クロッシング・ヘネシー(原題)』 "Crossing Hennessy" 月滿軒尼詩 である。
香港では2010年4月1日より公開となった。今年の香港国際映画祭のオープニング(3月21日)を飾った作品である。

主演は、ジャッキー・チュン(張学友)と『ラスト、コーション』のタン・ウェイ(湯唯)。アイヴィー・ホウ(岸西)脚本・監督によるラブ・コメなのだ。

なぜ愛すべき映画なのか?それは、この作品が、ほぼ全編香港島の湾仔(ワンチャイ)地区で撮影されているからである。タイトルのヘネシーとは、お酒の名前ではなく、湾仔と銅鑼湾(Causeway Bay)の間を通る道路のこと。そのヘネシーロード(Hennessy Road 軒尼詩道)を隔てて男と女が恋をする。そんな話だ。

ロイ(ジャッキー・チュン)は40歳くらいの男だが、まだ独身。仕事は母がワンチャイで経営する電気屋を手伝っている。母親は今日もロイのためにお見合いの飲茶会を開く。お相手は、ロックハートロード(Lockhart Road 駱克道)で、水道の蛇口なんかを売ってる店でおじ・おばと働く中国生まれのオイリン(タン・ウェイ)である。その後、二人は茶餐廰(チャーチャンテン)でお茶を飲み、推理小説の話なんかをするのだが、じつはオイリンには今、刑務所に入ってる中国人のカレシがおり、ロイも離婚したという元カノと最近会ったばかりだったのだった……

もう映画に映し出される場面が、どれもこれも(だいたい)どこかわかる。ぼくは前の事務所が湾仔のヘネシーロード沿いにあったものだから、馴染んだ風景なのである。

二人がお茶を飲む、(謎のインド人がいる・笑)茶餐廰は、たぶんHSBCからMTRの間にある店。ロイの電気店は日本城からセブン・イレブンへ行く道沿いにあるマンションの中(実際にはない)。オイリンの店は、お風呂の水回りの器具を売ってる店が多く並んでる中のひとつ。西灣河(Sai Wan Ho)の裁判所のシーンでは、日本人が多く住む嘉亨湾(Grand Promenade)が見える。湾仔のホープウェル・センター(合和中心)、湾仔マーケット、MTR横の運動場、Pacific Place 3(太古廣場)から見えるクィーンズロード(皇后大道)、結婚式の場面は、紅棉路(Cotton Tree Drive)。香港公園の中のタイ料理屋(L16)……。

たぶん、香港(香港島)に住んでいる人、もしくは住んでいた人にはたまらない映像と思う。この映画には今の湾仔(ワンチャイ)がそのまま保存されているのだ(劇中、バス停のシーンで映画『モンスターVSエイリアン』の広告が見える。なので去年(2009年)の春頃撮影されたのがわかる)。DVDが出たら買っておくといい。いつか日本へ帰った時に(もう帰国した人も)香港を懐かしく思うには最適の映画と思う。

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中国人女優のタン・ウェイは、アン・リー監督の傑作『ラスト、コーション』('07)で過激なベッド・シーンを演じ、衝撃の世界デビューを飾ったが、その後、中国国内公開時に、この作品の公開を許可した政府当局に批判が集中。その余波で、(『ラスト〜』で)政治的に好ましくない役柄を演じたとして、タン・ウェイ本人にも芸能活動禁止令という異例の処置が下されてしまった。

以来彼女は中国国内では全く活動できなくなったため、香港へ移り、香港居民となり今回3年振り2作目の映画出演となったわけである。
そのことを知って観ると、劇中、我慢に我慢を重ねた彼女が、我慢しきれずに、湾仔の税務局(Inland Revenue)へ渡る陸橋の上で泣くシーンは、彼女の心情が重なり、(余計に)名シーンに思えてしまうのである。

彼女のような、「才能」をつぶすのはもったいない。「ぼくは彼女に何が出来るかわからない。けど彼女を笑顔にすることができる」というこの映画のロイの名セリフのように、タン・ウェイ自身も、そのかわいい笑顔で今後活躍してほしいと思う。

エンド・クレジットでは、湾仔の風景が映し出され、ジャッキー・チュンのニュー・アルバム「Private Corner」からの曲が流れる。

そのメロディを聴きながら劇場を出たら、そこは映画のまんまの世界。ぼくらが観たのはPacific Placeの映画館だったので、なおさらだ。夕方の湾仔を一緒に観たカノジョと共にロケ地巡りをしながら歩く。その日は彼女の誕生日。ヘネシーロードを横切り(Crossing Hennessy)、ロックハートロードの「焼き鳥屋」で二人で祝杯をあげた。思い出深い一日となりましたとさ(微笑)。

Crossing Hennessy (2010) 月滿軒尼詩

Odoru2204104

Director : Ivy Ho
Cast : Jacky Cheung, Tang Wei, Andy On
Duration : 105 mins
Language : Cantonese & Putonghua (In parts)

22-Apr-10-Thu by nobu

B001AG6CWS ラスト、コーション スペシャルコレクターズエディション [DVD]
Victor Entertainment,Inc.(V)(D)  2008-09-16

by G-Tools

http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/lust_caution_b90f.html

B0037OUYXE Private Corner (台湾盤)
張學友 ジャッキー・チュン
環球  2010-01-29

by G-Tools

http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/jacky-cheung-pr.html

2010-04-20

第二十九屆香港電影金像獎 (第29回香港映画賞) The 29th Hong Kong Film Awards 2010

Odoru1904108

第二十九屆香港電影金像獎 (第29回香港映画賞)"The 29th Hong Kong Film Awards 2010" の授賞式が昨日の日曜の夜(2010年4月18日)に行われた。香港では地上波で毎年この模様を中継しているので、ぼくも楽しんで見た。

日本ではどの程度報道されているのかわからないが、(香港以外の)最優秀アジア映画作品賞(最佳亞洲電影)を日本映画の『おくりびと』が受賞したのである。

昨年のアカデミー賞外国語映画賞受賞作というのもあるが、他の候補作『崖の上のポニョ』や、中国本土のプロパガンダ映画『建國大業』や『南京! 南京! 』を退けての受賞なので立派なものである(ま、ぼくはその中国映画は観てないが・笑)。

賞を受け取るため、舞台へ上がった滝田洋二郎監督は、興奮気味に

「トーチェ ムービー!トーチェ ホンコン!(多謝 Movie! 多謝 Hong Kong!)」

と叫んで喝采を浴びていた。

ちなみに広東語では、『おくりびと』は「禮儀師之奏鳴曲」、『崖の上のポニョ』は「崖上的波兒」という。

『おくりびと』香港公開時のぼくの感想)

香港映画賞の主要な受賞作品は、

十月圍城 (香港版) DVD リージョン 3

最優秀作品賞 『十月圍城』 (Bodyguards and Assassins)

最優秀監督賞 テディ・チャン/陳德森 (『十月圍城』)

最優秀主演男優賞 サイモン・ヤム/任達華 (『歳月神偷』)

最優秀主演女優賞 ワイ・イン・ヒン/惠英紅 (『心魔』)

というところでした。

作品賞の他の候補は、

『赤壁 決戰天下』(Red Cliff II) 「レッドクリフPartⅡ」

『音樂人生』(KJ)

『新宿事件』(Shinjuku Incident)「新宿インシデント」

『竊聽風雲』(Overheard)

今後、香港映画を観る時に参考にしてくだされ。

(香港映画賞受賞者リスト・Hong Kong Film Awards 2010)

「第二十九屆香港電影金像獎」 The 29th Hong Kong Film Awards

19-Apr-10-Mon by nobu

2010-04-18

『ヒックとドラゴン』 3D How to Train Your Dragon

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今年のイースター・ホリディに12歳の娘と一緒に行ったのがこの映画『ヒックとドラゴン』"How to Train Your Dragon"である。香港では2010年4月1日から公開中(日本では2010年8月7日より)。

3Dヴァージョンで観たのだが、はっきり言って、『アバター』の次はコレ!である。アニメの3Dでこれだけ奥行きのあるスゴい「映像」に出会えるとは思わなかった。スンバラしかったのである。

もともと観る気はあまりなかったのだが(苦笑)、Rotten Tomatoesの評価があんと98%もあり、「これ、男の子の映画じゃん」という娘を説得して一緒に行ってもらったのが実情(笑)だが、おとーさん的には観れてよかったのだ。あはは(照れ)。

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ストーリーはシンプルだ。昔々、バイキングが暮らすバーク島では島を守るため、日夜ドラゴンとの戦いに明け暮れていた。ある日、ヒック(英語ではHiccup)は山奥で傷ついて飛べなくなったドラゴンに出会う。そのドラゴンと次第に心を通じ合わせるようになったヒックの人生はその後劇的に変わっていく…

原題が「君のドラゴンの調教の仕方」という如く、これは青年とドラゴンの友情物語。強く勇敢な族長の息子であるヒックは、父親の期待に応えられない気の弱い青年。そしてドラゴンはかつて人間たちが捕獲したことのない伝説のドラゴン。まるでドラえもんのような設定だ。(ぼくは名作『チコと鮫』('62)を思い出したが)

敵だと思っていた相手が、接してみると決してそんな存在ではなかったというお話。これは全ての子供たちに見て欲しい映画だ。そしてお父さんにも。

その理由は、男として「強すぎる父」を持つと息子が萎縮してしまうということを教えてくれるから(やがてその父も息子に教えてもらうことになるのだが)。

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ドラゴンの背中に乗ってヒックが高く高く空を上がり、そこから一気に海をめがけて降りて来るシーンなんて爽快なんてもんじゃない!空、海、森などの自然の描写もとても美しくて見とれてしまうほどの映像である。これはぜひ3Dで観ることをおすすめします。(冒頭ドリームワークス・アニメーションのロゴの、釣りをしている子供がつり糸を観客の方へ投げる。これにもびっくり・笑)

お話もいいし、映像も「驚愕」する。子供から大人まで十分楽しめる作品です。来年のアカデミー賞アニメ部門にも(おそらく)ノミネートされるだろう。それくらいイイ。

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余談だが、ぼくらが観た劇場に、お孫さんを連れて前香港特別行政区長官 董建華(とう けんか)氏が現れ、香港市民の観客が皆よろこんで握手なんかしてもらってた。うちの娘は斜め後ろに座った、おじいちゃん然とした氏を見ながら「ウケるー、あんなエラい人がポップコーン食べてる!」と言った。ぼくはそれを聞いて「ウケた」(笑)

12歳の娘も先日めでたく中学生となった。もうこれからは、お父さんとこんな子供向きのアニメ映画は一緒に行ってくれなくなるだろう。そう思うと寂しいが、子供はいつか大人になって巣立っていくものだから仕方がない。逆にそうなってくれなきゃ困るしね(笑)

今度は、もしいつの日か孫が出来たら、ぼくも孫を連れて映画館で、行政長官のようにポップコーンをほうばろうと思ったオヤジであったとさ(笑)

How to Train Your Dragon (2010)

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Director : Chris Sanders, Dean DeBlois
Cast : Jay Baruchel, Gerard Butler, America Ferrera
Duration : 98 mins
Language : English

18-Apr-10-Sun by nobu

2010-04-17

「のだめカンタービレ 最終楽章・前編特別編」

のだめカンタービレ 最終楽章 前編 [Blu-ray]

フジテレビ・土曜プレミアム「のだめカンタービレ 最終楽章・前編特別編」をロケフリで見た。

娘と一緒にTVを今見終わったところだが、びっくらこいた。ラストを含め、劇場公開版(映画版)と全然違うじゃん!?

今日(2010年4月17日・土)から映画「のだめカンタービレ 最終楽章・後編」が劇場公開されるため、放送されたもので、「特別編」と銘打ってるので(違うのは)仕方がないのだろうが、映画版の感動にはほど遠かった。

ネタバレだが、TVではドラマの名場面が挿入されるところは、映画版ではオーケストラの団員たちが生活のためのアルバイトの後に練習を積み、皆が必死になっている様が描かれる。それがあるために、後半の演奏会のシーンが感動的になるのだ。

一番驚いたのは、ラストシーンだ。TVではシュトレーゼマン(竹中直人)が、最終楽章の譜面を描き終わったところで彼の死を暗示して終わるが、映画版では、千秋(玉木宏)と のだめ(上野樹里)が別れて暮らすことになるというせつない終わり方だったのだ。

新聞のラテ欄を見ると「映画後編・公開記念 新撮未公開映像と共に前編を完全復習!今夜限りの衝撃のラスト」とある。なるほど、オープニングからシュトレーゼマンが出て来て、狂言廻しをしていたのはそういうことだったのだな。

もちろん、今夜の放送は「後編」のヒットのため宣伝で放送されたわけだから、ドラマも含め今までの総集編+前編ダイジェストという作りにするのも興行的見地からは理解出来る。だが映画版「前編」の出来も(意外に)良かったので、ちと惜しいなと思ってしまったのである。

この「特別編」の制作者側の意図も、「後編」を見れば全てわかるということか?(「前編」のDVDもまだ発売になってないというオトナの事情もあるのだろうが)
やっぱ、「映画後編」を観に行かなきゃならんだろうな、と思わされた。まんまと「かもネギ」になっちまったな、俺(笑)

のだめカンタービレ 最終楽章・前編特別編

17-Apr-10-Sat by nobu

のだめカンタービレ 最終楽章 前編 スペシャル・エディション [DVD]
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のだめカンタービレ(タイトル未定) [DVD] 映画 「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」 ガイドブック (講談社 Mook) のだめカンタービレ コンプリート BEST 100(初回生産限定盤)(DVD付) DVD&CD付き限定版『のだめカンタービレ』第24巻 のだめDEBUT!

2010-04-15

「青葉繁れる」 井上ひさし著

青葉繁れる (文春文庫)

作家・劇作家の井上ひさしさん死去の報(2010年4月9日)に接し、ぼくは青春時代にめぐり会った一冊の本を思い出した。

それは、井上さんの書いた青春小説「青葉繁れる」である。

東北の名門進学校(男子校)の落ちこぼれの生徒たちが、東京から来た転校生と共にまき起こす珍事件の数々。当時高校生だったぼくには「自分のことのように」面白かったのだ。

主人公の稔は、勉強は出来ないが、映画が大好きな青年である。本を読み進めると、時代設定の50年代の映画の話がいっぱい出て来る。やっとデートした女子が「『巴里のアメリカ人』みたべ?」なんて聞いてくるのだ。

TBSでドラマになり(70年代)、主役の稔は森田健作、東京から来た転校生は沖雅也が演じた。ヒロインは竹下景子(だったように思う)。これもとても面白く、その東北弁で歌う主題歌は今でも覚えてる。

「出来ない生徒がさ 出来る学校さ

入った悲劇はさ 語るも涙でごさいすちゃ

300人中 280番 だけどケツから数えてけさい

逆立ちすれば 逆立ちすれば 東大確実だっちゃ!」

イイ歌詞だ(笑)

ぼくの実家は本屋を営んでいた。小学校の時から店番をやらされていたぼくは本を読むのがキライな少年だった。本を読むのは苦痛以外の何ものでもなく、「本は読むものではなく、売るものだ」と(勝手に)思っていたのだ(笑)

だが、高校へ入り、自分の住んでる中国地方の田舎町から電車通学をしなければならなくなり、(仕方なく)文庫本を持って行こうと読んだのがこの「青葉繁れる」だった。

これを読んで面白い!と思ったぼくは、井上さんの本を次々と読んだ。

「ブンとフン」「モッキンポット氏の後始末」「四十一番の少年」等々。

それ以来、本を読む事が苦痛でなくなったぼくは、本を読むのが好きな青年になった(そして不思議なことに、国語の成績が上がったのだ!)。高校時代に通学の電車で読んだ本はぼくにとって(今でも)心の宝物である。

井上ひさしさんの平易だが深くユーモアにとんだ文章に接したことでぼくの人生はその後豊かになったと思う。

逆に、あの時読んだ本が、(親や教師の勧めるような)カターイ文学作品だったら、ぼくは本を好きにならなかっただろう。

一人のめんどくさがりの劣等生の男(俺)に、「本を読ませた」というだけでも井上ひさしさんの功績は直木賞より偉大である。井上さんのお陰で、猿のような脳味噌の俺も、少しは<教養>が身についたのではないかと今でも思ってマス。天国の井上ひさしさんにお礼を云います。

15-Apr-10-Wed by nobu

青葉繁れる (文春文庫)
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2010-04-14

「マイケル・ジャクソン」 西寺郷太著

マイケル・ジャクソン (講談社現代新書)
マイケル・ジャクソン (講談社現代新書)

日本へ春休みに一時帰国した際に、買った一冊がコレ、西寺郷太著「マイケル・ジャクソン」(講談社現代新書)である。

ミュージシャンであるノーナ・リーヴスの西寺郷太氏のことは、TBSラジオ「小島慶子☆キラキラ」のポッドキャスティング(水曜)を聞いていたので知っていた。海外で暮らしていると日本のラジオが聞けるポッドキャストは貴重な情報源なのだ。

昨年(2009年)4月から「キラキラ」で始まった西寺氏のコラムでは、「”ウィ・アー・ザ・ワールド”の呪い」という話が異常に面白く、以来ぼくは楽しみに聞くようになったのだ。(この「呪い」とは、"We are the World"に参加した大物ミュージシャンたちが、その後ことごとく落ちぶれていったという現象を検証していったもの。LPからCDへの移行期の歴史もあり面白い話なのだ)

そして西寺氏が大好きだというマイケル・ジャクソンのことを熱く語り出した、その矢先(2009年6月25日)、マイケル死去という突然の悲報を聞かされる。
以来、西寺氏は、あたかもマイケル・ジャクソン研究家としてメディアに引っ張りだことなる。

リアルタイムで、過去1年のマイケル追悼フィーヴァー、そして西寺氏の放送を聞いて来た身には、この新書判「マイケル・ジャクソン」は読んでみたい一冊だったのである。

一読してみて、これは今まで西寺氏がTBSラジオで語って来たこと(「宇多丸のウィークエンド・シャッフル」も含む)の集大成。ぼくには今まで「点」で語られてきたものが、「線」になったという印象だった。

第一章・第二章の”ジャクソン兄弟物語”では、貧しい子供時代からジャクソン5で成功するまでの光と影を。第三章 ”「マイケル」と闘うマイケル”では、ソロとなり絶頂期と兄弟との確執を。第四章 "糾弾と忘却ー少年虐待疑惑を検証する”では、日本のメディア(だけではないが)が殆ど伝えてこなかった、マイケル疑惑の”真相”に迫って行く。第五章 "「THIS IS IT」への道”では、逆風の90年代からやっと時代が(マイケルに)「追いついて来た」矢先に亡くなるまでを描いている。

第四章の「疑惑の検証」は、ぼくも詳しくは知らなかった「93年訴訟」を掘り下げて書いてあり興味深かった。マイケルが、結果的に犠牲者だったのは、告訴の首謀者である少年の父イヴァン・チャンドラーが、マイケルの死後拳銃自殺をしたことでも明らかだろう。

2003年の裁判は、少年の親がマイケルから金を巻き上げようとしていたことが明白で無罪となった。その検証番組をぼくは香港のTVで見た事は以前ココでも書いた。

あまりにピュアで、幼少期からショー・ビジネスにいたマイケルが子供時代に出来なかった事<同世代の子たちと遊ぶ>を、大人になり、成功し大金持ちになった時に「取り戻そうとした」。このことがこれらの「悲劇」の根源だったのだと改めて思う。

ラジオを聞いていると西寺氏の、マイケルが本当に好きなのがよくわかっていたのだが、この「研究本」では(ファンとして)偏らずに検証しているのが良い。マイケルを知っている人も知らなかった人も、これさえ読めば、マイケルの過ごして来た50年の人生が「理解出来る」と思う。帯には「なぜマイケルは誤解されたか」と大きく書かれている。マイケル入門書としても最適の一冊である。新書なので値段も安いのもイイね(笑)

「マイケル・ジャクソン」 西寺郷太著

14-Apr-10-Wed by nobu

マイケル・ジャクソン (講談社現代新書)
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Michael Jackson for the Record Michael Jackson: Making History Michael Jackson Paper Dolls: Commemorative Edition 1958-2009 Michael Jackson: Before He Was King 新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書

2010-04-11

『葉問2』 Ip Man 2 予告編

ドニー・イェン主演の傑作クンフー映画第2弾『葉問2』"Ip Man 2"が、香港で2010年4月29日から公開となる。

その予告編を見ると、遂にドニーとサモハンが闘うようで楽しみである。

香港では同じ日に『アイアンマン2』も公開になり、どっちを先に観ようかと思案中(笑)

【関連】 『葉問』 "Ip Man" (ぼくのレビュー↓)
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/ip-man-25fd.html

11-Apr-10-Sun by nobu

2010-04-09

『シャッターアイランド』 SHUTTER ISLAND スコセッシ × ディカプリオ

Odoru0904102

香港では2010年3月11日から公開されていたが、日本へ一時帰国してたので、帰港して観るのを楽しみにしていたマーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ主演の新作映画『シャッターアイランド』"Shutter Island" へ(やっと)行って来た。イースター・ホリディに行ったのだが、満員の盛況だった。

日本でも4月10日(土)から公開となるため、週間文春などの批評を眺めてみたがあんまり高い評価じゃなかった。ので、あんま期待せずに行ったのだが、これがぼくには案外面白かったのであーる。

タイトル・バックから何やら40年代風(古い感じのデザインの文字だけ)。音楽もおどろおどろしい。舞台は孤島の刑務所(だが精神病院)。ここで一人の女性患者が失踪した。その事件を捜査するために来たディカプリオ。台風が来て帰れなくなる捜査官。彼らが捜査を進めるのは大雨と風の中(不気味だ)。許可なく入ってはいけないと云われた重症(精神病患者)の棟へ入ると、薄暗く濡れた廊下から突然現れる狂気の男…。

時代設定は1954年。ディカプリオ扮する連邦保安官テディは、第二次大戦時のアウシュビッツの惨劇と、愛妻を火事で亡くしたことがトラウマとなっている。何度も何度も繰り返される(そのことを思い出す)悪夢の場面…。

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主人公の視点で、観客たちも捜査を進めて行くと、最後には「え?しょーゆぅこと!?」という展開となる。そこまでのストーリー・テリングは、さすがスコセッシだけに飽きさせない。こんな題材にこんなにお金かけていいの?と思うほどセットも豪華だし、荘厳な雰囲気だ。この作品の<大きさ>は、劇場じゃないと味わえないかも知れない。

とても緊張し、集中して観る映画なのに、ぼくの隣に座った初老の夫婦が映画の最中によく喋るのだ。白人なのだが、喋ってる言葉がよくわからない。ぼくは勝手に「フィンランド語」だと思い(笑)、聞かないように務めた。どうやら奥さんが英語がよくわからないらしく、入り組んだストーリーなので、旦那に聞いている様子なのだ。心の中では「家で、DVDで見ろよ!」「口にシャッターしろ!」と叫んでる俺(笑)

ぼくが観た劇場は、アメリカのAMCチェーンの映画館をそのまま香港でやってるトコロで、映画が始まる前も "Please Don't Spoil the Movie by adding your own Sound Truck"(貴方の"サウンド・トラック"で映画の邪魔をしないでください)と注意が出て、その後デカイ文字で "SILENCE IS GOLDEN" (沈黙は金)と出る。このおばはん、こんな英語も読めへんのか… と悲しくなったが、注意しない旦那も旦那。オトナなのに、映画館が「自宅のリビング」だと思ってる客が最近多いと思う。

サイコ・ミステリー・スリラーとして、怖さを楽しめる上出来な映画である。お子ちゃま顔のディカプリオの妙に老けた演技。マックス・フォン・シドー、ベン・キングスレーなど大物が演じる医者もいかにもイカガワしい(笑)。スコセッシのベスト・ワークとは言えないが、島の絶壁や古びた灯台など、ヒッチコックを(どうも)意識した実験的な演出もぼくには面白かった。

セリフの一つ一つも重要になるこの映画。ぜひ映画館の(暗がりの)大画面&音響で楽しんでくさい。「フィンランド人の奥さん」があなたの隣に来ないことを祈りつつ(笑)

SHUTTER ISLAND (2009)

Director : Martin Scorsese
Cast : Leonardo DiCaprio, Ben Kingsley, Michelle Williams
Duration : 138 mins
Language : English

09-Apr-10-Fri by nobu

2010-04-08

『エブリバディズ・ファイン(原題)』 Everybody's Fine ロバート・デ・ニーロ

今年(2010年)の春休みに一時帰国した際、キャセイの機内で見たのがコレ。ロバート・デ・ニーロ主演の新作映画『エブリバディズ・ファイン』"Everybody's Fine"である。

この映画、香港で公開になったとき予告編を見て、軽いコメディだと思っていたのだが、実際に見てみるとけっこうシリアスなドラマだったので驚いた。

それもそのはず、これイタリアのジュゼッペ・トルナトーレ監督の『みんな元気』('90)のリメイクなんですね。この原題(Everybody's fine)は、『みんな〜』のアメリカ公開時のタイトル。

イタリア版では名優マルチェロ・マストロヤンニが演じた役を、これまた名優ロバート・デ・ニーロが演じる。

妻を8ヶ月前に亡くした初老の男フランク(デ・ニーロ)は、巣立って行った子供たちが週末訪ねてくれることを楽しみにしていた。スーパーで肉を買い込み、上等なワインを買い、庭でのバーベキューの準備は万端。なのに、次々と子供たちから「ダディ、申し訳ないけど、今度の週末は帰れないの」と電話がかかってくる。

意を決したフランクは、古いバッグを取り出して、NY行きの列車へ飛び乗る。子供たちが来てくれないなら、自分が行って驚かせてやろうと…。

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これは、アメリカ版(元はイタリア版だが)『東京物語』。突然お父さんに来られた子供たちはそれぞれに困ってしまう。NYで芸術家を目指す長男。指揮者になると言った次男。広告業界で成功した長女、ラスベガスでショウに出てるという次女。皆、それぞれに自分の人生を送っているが、実は色々あるんである(笑)

お母さんには話せても、お父さんには話してくれないこと。お父さんにはそれが不満だった。だが、子供たちはお父さんに話せない<ある秘密>を共有していたのだった…。

工場で電話線のワイヤー作りをし、今はリタイアした父。映画は、お父さんの乗った列車が、電信柱に繋がれたワイヤーに導かれるように走りながら進む。

監督のカーク・ジョーンズは、ワンカット、ワンカットを丁寧に繋いでいく。デ・ニーロの初老の男の名演が(お父さんであるぼくには)身につまされる。コミカルな部分もあるのだが、これはシリアスでキビしいが良質のドラマであった、途中までは……。

この映画の惜しいのは、ラストである。それまでの真面目でシリアスな語り口が、とたんにB級コメディ映画のようにゆるゆるになっちまうのだ。アメリカでの評価がもう一つなのも、そのせいだろう。90%がよくても残りの10%が悪いと台無しになってしまうという典型。

ぼくはトルナトーレの『みんな元気』を見ていないので、比較が出来ないのが残念だが、あのトラヴィス(『タクシー・ドライバー』)に代表される若い頃はいつキレるかわからないアナーキーな役を演じていたデ・ニーロが、こんなしょぼくれて弱い面を見せる初老の男を演じるようになったのか、と感慨深いものがあった。マストロヤンニ版を見てないが、このデ・ニーロもとてもイイのだ。

他の出演は、ドリュー・バリモア、ケイト・ベッキンセイル、サム・ロックウェルなど。

日本での公開は「?」だが(理由はこの映画の配給会社が現在「身売り中」のMIRAMAXなので)、もし公開されたら、お父さん世代にこそ見てもらいたい映画である。

Everybody's Fine (2009)

(アメリカではDVDがもう出てる)

Everybody's Fine
Everybody's Fine
Miramax Films  2010-02-23
Sales Rank : 278

Average Review  star
starDe Niro does it again
starExcellent Family Disfunctionality
starSurprisingly Good!

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(日本でもDVD発売「みんな元気」)

B00472MEOCみんな元気 [DVD]
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 2011-01-19

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2010-04-07

『ハート・ロッカー』 The Hurt Locker

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遅ればせながら、映画『ハート・ロッカー』 "The Hurt Locker"である。香港では2010年3月11日より公開になり、観ていたのだが感想を書くのが遅くなった。

ご承知の通り、本年度アカデミー賞最優秀作品賞を含む6部門で受賞した作品である。こういった評価が既に定まっている映画の感想を書くのは、なぜかぼくはちょっと気後れがするのだ(笑)

この『ハート・ロッカー』は、オスカー受賞という冠がついてはいるが、それがあってもなくても「秀作」であった。

映画は時々「旬の野菜」と同じように、食べ時がある。これはそんな映画だ。今、現在を生きる人間として、「観ておかなきゃいけない一本」だと思う。

今なお続くイラク戦争。その現場である戦場において、兵士たちは一体どんな「戦い」を強いられているのか?そしてその戦いに何の意味があるのか?それがわかるのだ。

1960年代のベトナム戦争においては、ジャングルの中でベトコンたちと戦ったアメリカ兵たち。オリバー・ストーンが描いた『プラトーン』(小隊という意味)で、ジャングルでの戦争の恐怖を(劇場で)疑似体験させられた観客は、この『ハート・ロッカー』で、イラクでの戦争をまた疑似体験するのだ。

この映画の主人公である兵士たちは、爆発物処理のスペシャリストだ。市街地に埋め込まれた地雷、それを除去する過程で、一番戦わねばならないのは、敵の兵士ではなく「一般市民」なのだ。これは怖い。その辺で爆破処理作業を見ているアラブ人のおっさんが携帯電話のスイッチを押すと、地雷が爆破するかもしれないのだ。

相手は一般市民である。むやみに発砲出来ない。ヤジウマの中に、兵士たちを殺そうとするテロリストが混ざっていないと誰が云えよう。そんな状況の中、今日も淡々と爆破物を処理する男たち。

冒頭、詩の一節だったか、「WAR IS DRUG (戦争はヤクだ)」とテロップが出る。

来る日も来る日も、一体誰が敵かわからない一般市民注視の中、黙々と地雷処理をする。その張りつめた、(おそらく究極の)緊張感が、だんだん男たちの中でヤクのように快感へと変わっていく…。

「男の闘争本能が無くならない限り、戦争はなくならない」と云ったのは開高健だったと思うが、この男たちの根っこにある「敵を許せない」という正義感が、極限状態の中でいつしか正当化され、そして戦争を肯定していってしまう恐ろしさ。

今日現在も行われているイラク戦争の意義が問われるという意味で、この映画の問題定義がアメリカの批評家たちに絶賛をもって迎えられたというのはよくわかる。

映画としても、爆破処理を行う過程を丁寧に描写し、それがゆえにスリリングさを高めるという演出のアイデアがうまいと思う。ドキュメンタリー・タッチで、出演者も無名なので緊張感が持続できるのも良い。

今年のアカデミー賞授賞式で、プレゼンターのトム・ハンクスが、「候補作が10本というのは、1943年の『カサブランカ』以来。さて今回の受賞作も”クラシック”となりますか」と話し、『ハート・ロッカー』の名を告げた。

クラシックになるかどうかは、歴史が決めることだが、現代を生きる人間として、今観ておかねばならぬ一本と改めて思う。観ることに「意義がある」映画である。

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The Hurt Locker (2008)

Director : Kathryn Bigelow
Cast : Jeremy Renner, Anthony Mackie, Brian Geraghty
Duration : 132 mins
Language : English

07-Apr-10-Wed by nobu

The Hurt Locker [Blu-ray]
The Hurt Locker [Blu-ray]
Average Review
starsWOW
starsvery absorbing wartime movie
starsShouldn't have won the Oscar and definietly shouldn't have won best screenplay!
starsRealistic
starsWhat is war?

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2010-04-06

ブルース・リー生誕70周年記念展示会 李小龍 7010 / BRUCE LEE 7010 Exhibition

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アチョーッ!知らなかった!今年(2010年)の香港国際映画節(The 34th Hong Kong International Film Festival)でブルース・リー生誕70周年記念上映「李小龍7010 / Bruce Lee 7010」をやっていたことを……。

http://www.hkiff.org.hk/eng/film/section.html?filter=37

観たかったなぁ、『死亡遊戯』… って、 もう上映が終わったのだから仕方ない。

気を取り直して、香港文化中心(Hong Kong Cultural Centre)で行われているブルース・リーの展示会へ行った。(3月30日〜4月6日)

会場のロビーは、無料ということもあって大勢のブルース・リー(李小龍)ファンが集まっていた。小さな男の子に熱心に説明している香港人のお父さんがいて、微笑ましかった。

我が家もその日はチム(尖沙咀/Tsim Sha Tsui)で食事会があったので、息子と娘を連れて行ったのだが、全く興味を示さず、二人とも父を残し、近くのTom Lee (楽器屋)へ行ってしまった。まったく価値のわからん奴と一緒に行くとアカンね!(←親の趣味を押し付けるなよ・笑)

以下、撮って来た写真をのっけておこう。

《展示会の垂れ幕》

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《リー映画のオリジナル・ポスター》

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《リーが『燃えよドラゴン』で着た衣装》

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《リーが使っていた、ヘッドギア。愛用のサングラス。墓碑銘のミニチュア》

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《ジェームズ・コバーンと共演するため作られた"The Silent Flute"のシナリオ。『ポセイドン・アドベンチャー』などのスターリング・シリファントが書いている》

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《なぜか、『燃えよドラゴン』のパチンコ台が!(笑)》

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《リーの足跡をたどる展示》

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帰りがけ、「小龍不死 / Bruce Lee Lives」という本(HK$80)を買って帰った。

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李小龍 7010 / Bruce Lee 7010 EXHIBITION
March 30 - April 6, 2010
Hong Kong Cultural Centre

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2010-04-05

『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』 Nodame Cantabile the Movie 1

Odoru0404106

春休みに日本へ一時帰国した際、キャセイ航空の機内で観たのが映画『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』である。

ぼくの娘は香港でピアノを習っている。その(日本人の)先生に娘が「面白いよ」と云われて見たのが、TVドラマ「のだめカンタービレ」だった。ぼくも一緒に見てハマり、ラストのサントリーホールでのコンサートは感動して見たものだった。

当地香港でも地上波で放送され評判を呼び、テレビのサントラ盤も発売された(のだめのバッグ付)。2008年には千秋の師であるヴィエラ先生を演じたズデニェク・マーカル指揮の「のだめコンサート」も開催された(だが、病気で先生は来港せず、代わりに日本人指揮者がタクトを振った。娘はがっかりして、コンサート途中で寝そうになった・笑)。

その後放送された特番「のだめカンタービレ in ヨーロッパ」も当然見ているので、ぼくも今回の映画を楽しみにしていた。香港でも2010年3月4日から公開され、大評判をとっていたのだがぼくは映画館へ足を運ばなかった。理由は、娘が「友達と行く」と言ってお父さんと一緒に行ってくれなかったからだ。さすがにおっさん一人で「のだめ」は行きにくく、DVDになったら見ようと諦めていたので、この機内上映は嬉しかった。

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パリで暮らす千秋(玉木宏)とのだめ(上野樹里)。千秋は新たに、若き日のシュトレーゼマン(竹中直人)がタクトを振ったルー・マルレ・オーケストラの常任指揮者となる。伝統あるオケだが、財政難で団員は去って行き、残った団員もアルバイトが忙しく練習もままならない。あまりのレベルの低さに脱力する千秋であったが、非協力的なコンサートマスターと共にオケの再生に精力を傾ける。一方のだめは、音楽学校で「トレビアン(最優秀)」を目指し猛練習をし、千秋先輩に追いつこうとするが、二人の距離は次第に拡がってしまう…。

これは「のだめ in ヨーロッパ」の続きとなっており、ウェンツやベッキーも登場する。峰(瑛太)や、きよら(水川あさみ)など日本の仲間たちは、どうも後編で登場するようである。

機内上映で見れて嬉しかったと書いたが、反面劇場で見たかったなと思わされたのは、後半パリの劇場でのオーケストラ演奏が素晴らしかったから。これは大画面・大音響で見たかったな。

この「のだめカンタービレ」の功績は、それまで敷居が高いと思われていたクラシック音楽を、日本(及び香港)の子供たちに「楽しいもの」として見せてくれたこと。西洋音楽と東洋人の幸せな融合なのだ。うちの娘も小学生の時にこの作品に出会えて幸せだったと思う。

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今回もコミカルな場面がいっぱいあり、前半はあまりに「漫画」で苦笑したが、後半のオケが一つになるクライマックスは感動的で泣きそうになった(飛行機の中で・笑)。テレビドラマの映画化なので正直あまり期待してなかったが、予想に反して見事な出来だった。全編日本語なのも嬉しい。現代の「ニッポン・ミュージカル」(音楽映画)もここまで来たか!って感じ。

なので、「最終楽章 後編」は絶対映画館で見ると誓ったお父さんだった。娘が一緒に行ってくれなくてもね(笑)

のだめカンタービレ 最終楽章 前編  Nodame Cantabile the Movie 1 (2009)

広東語題名: 交響情人夢最終樂章電影版前編

監督: 竹内英樹
121mins

05-Apr-10-Mon by nobu

B002UHJSQ8 のだめカンタービレ 最終楽章 前編 スペシャル・エディション [DVD]
アミューズソフトエンタテインメント  2010-06-04

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B002QD2SBI のだめカンタービレ 最終楽章 前編&後編
のだめオーケストラ のだめカンタービレ
ERJ  2009-12-09

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2010-04-04

『イースター・パレード』 [DVD] Irving Berlin's Easter Parade MGMミュージカル

イースター・パレード 特別版 [DVD]

香港は現在イースター・ホリデーである。今年(2010年)は、4月2日(金)から6日(火)まで5連休なのだ。なので、映画『イースター・パレード』 "Easter Parade"である(笑)

1948年製作の『イースター・パレード』はMGMミュージカルの傑作の一本。フレッド・アステアとジュディ・ガーランド主演の映画なのでご存知の方も多いと思う。12歳の娘に、「イースターだから観よう」と彼女にはわけわからんちん言い訳でプレーヤーにかけたのだった(笑)

イースター・パレードとは、NYの5番街などで復活祭(イースター)の日に着飾って行われるパレードのこと。この映画はアービング・バーリン作詞・作曲の同名歌をモチーフにアーサー・フリードにより製作されたもの。

成功したダンス・カップル ドン(フレッド・アステア)とナディーン(アン・ミラー)は、イースターの時に仲違いし別れる。怒ったドンは、新たなパートナーは誰でもいいと、場末のバーで踊ってる娘ハンナ(ジュディ・ガーランド)をスカウトする。だが、彼女はまともに踊りなど習ったこともない娘だったのだ。ドンは来年のイースターには誰もがハンナを知っているようにしてやると誓うのだが…。

当初ジーン・ケリーとジュディ・ガーランド主演で企画されていたが、ケリーが撮影1ヶ月前にバレーボールで足を折ってしまい、アステアが代役となった。その時アステアは、『ブルー・スカイ』('46)を最後に引退していたが、ケリー自らが電話をかけ、代役を頼んだと云う。

(アステアのブランクを感じさせないドラムを使った素晴らしいタップ・ダンス / Drum Crazy)

アン・ミラーも当時コロンビアのB級映画に出ていたが、シド・チャリシーのこれまたケガによる降板により、人生最大のチャンス(アステアと共演!)をモノにした。本人も、このMGM映画でのソロ・タップ(Shakin' the blues away)が「一世一代の踊りだった」とDVDの特典映像で語っている。

監督も当初ジュディの当時の夫 ヴィンセント・ミネリが予定されていたが、前作『踊る海賊』が不発だったため、『グッド・ニュース』のチャールズ・ウォルターズが起用された。脚本もテコ入れのため、後に「ゲームの達人」などベストセラーを放つシドニー・シェルダンが参加している。

様々な不運が重なったように思えた出だしだったが、結果的にこれが全てうまく作用し、映画史上に残る傑作ミュージカル・コメディが誕生したのだった。(考えたら、MGMミュージカルによくあるプロットだよな、これって・笑)

ぼくが初めてこの映画を観たのは、確か1984年、日比谷映画劇場が取り壊されるので、”さよなら興行”をやった時。『ショウ・ボート』と二本立だった。当時新人サラリーマンだったぼくは、土曜の半ドンの後観に行った。劇場は超満員で立ち見だったのを覚えている。MGMミュージカル全盛期の名作に観客は酔い、『イースター・パレード』の「サラダのくだり」は劇場が揺れる大爆笑だった。

現在はDVDで手軽にこの傑作が楽しめるのが嬉しい。このDVDは2005年にリストアされ日本で発売されたもの。TVをオリジナルの4:3の画面にして楽しんだ。

映像特典は、メイキング「イースター・パレード・オン・アベニュー」、ジュディの予告編集、それにカットされた名シーン「Mr. Monotony」がついている。

『ザッツ・エンタテインメント PART3』でも紹介された、このジュディのタキシードの上だけを着て踊る「Mr. Monotony」。初めて観た12歳の娘も「かっこいい」と言っていた。
ジュディが、後年薬物中毒となりMGMを解雇になった時、最後に撮影した『サマーストック』のミュージカル・シーン(Get Happy)はこの衣装で踊った。

とまれ、まだ元気だった頃のジュディ・ガーランドと、アステアの奇跡的な共演作品。イースターの頃にはまた見たくなる名作である。Happy Easter♪

(『イースター・パレード』予告編)

The Happiest Musical ever made is
Irving Berlin's Easter Parade (1948)

Dolby Digital Mono
Aspect Ratio 1.37: 1
103 mins
Region 2

04-Apr-10-Sun by nobu

【追記】 復活祭の今日、TCM(ターナー・クラシック・ムービーズ)見てみたら、やっぱり『イースター・パレード』やってる。そのあと、『ベン・ハー』やるってさ(笑)

04−Apr-10-Sun by nobu

イースター・パレード 特別版 [DVD] イースター・パレード 特別版 [DVD]

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2010-04-03

『嵐を呼ぶ楽団』 LD

Odoru0304102_2

香港在住のため、現在神保町シアターで開催されている「ニッポンミュージカル時代」(2010年 4月3日〜23日)へ行けない。そのうさを晴らすため(笑)、LDを引っ張りだして来て楽しんだ。選んだ映画は、井上梅次監督の『嵐を呼ぶ楽団』('60)である。

これはニッポン・ミュージカルでも屈指の出来と云っていい傑作。1995年に大井武蔵野館で行われた(今や伝説となった)ニッポン・ミュージカルのイベントでこの映画を初めて見た時、ジャズをフィーチャーしてこれだけ「あか抜けた」日本映画が存在したという事実を知り驚愕したのを思い出す。

宝田明扮する野心家のジャズ・ピアニストが、雪村いづみのスター歌手との確執から、夢見ていた亡き父が作ったようなジャズバンドを結成しようとする。メンバー集めは九州のドサ廻りの演奏活動で知り合った面々から。トランペット(高島忠夫)、ギター(水原弘)、サックス(江原達怡)、ベース(神戸一郎)、ドラム(柳沢真一)。大阪へ戻り、メインヴォーカル(朝丘雪路)も加え、楽団ブルースターは一旦は成功したかに思えたのだが…。

ぼくら、リアルタイムではない遅れてきた映画ファンが見て驚かされたのは、この映画のテイストがぼくらがそれまで見て親しんで来たアメリカの音楽映画のそれとよく似ているということ。

特に、九州へ行く列車のデッキで、夕陽をあびながら高島忠夫がトランペットを吹くシーンはアメリカ映画と見間違えるほどの名場面である。キャバレーや梅田コマでのショウのシーン(「ジャズの歴史」)などもハイカラでいいのだ。

ストーリー展開も、『七人の侍』よろしく、旅の間に色んなエピソードを入れバンド・メンバーが集まって来る。宝田明をめぐる雪村いづみ、朝丘雪路の恋模様と、高島忠夫の関係もMGMミュージカルを見てるかのよう。柳家金語楼はじめ、森川信、山茶花究など当時の芸達者なお笑い陣の味もイイ。

楽団ブルースターの練習スタジオに『五つの銅貨』のオリジナル・ポスターがさりげなく貼ってある。この映画のコンセプトを知って見ると、この小道具の使い方もにやりとさせられる。

劇中流れる「ジャズこそ人生の詩」「午前0時のブルース」などジャズメン讃歌も聴け、今見ても楽しめる逸品といえる。

神保町シアターで、大画面でこの映画を楽しめる人を羨ましく思う。(4月10日〜16日)http://www.shogakukan.co.jp/jinbocho-theater/calendar/jikai.html#movie01

トランペットを吹いている12歳の我が娘が、高島忠夫のペットの指と音が合ってないと笑ってた。映画的矛盾であるが、『ベニー・グッドマン物語』のクラリネットも全然合ってなかったことを考えると、仕方ないことである。これも大画面で確認してくだされ(笑)

井上梅次監督の音楽映画の最高傑作。残念ながら、この映画もまだDVD化されていない。一日も早くDVDになることを願ってマス。

嵐を呼ぶ楽団 (1960)

監督・脚本: 井上梅次

108 mins

03-Apr-10-Sat by nobu

井上梅次監督・追悼

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前回ココで書いた「ニッポンミュージカル時代」のラインナップを眺めてる時、先日お亡くなりになった井上梅次監督の名前を見つけた。

今月号の映画秘宝(5月号・2010年)の「映画訃報」で浦山珠夫氏が追悼文を書いているのでご存知のムキも多いと思うが、井上監督は日本で娯楽映画を撮り続けた類いまれな「職人監督」だったのだ。

井上梅次(いのうえ うめつぐ)監督の作品と云えば、石原裕次郎をメジャーにした『嵐を呼ぶ男』('57)が有名だが(後のマッチ主演版も監督)、彼のフィルモグラフィーには、ジャズをフィーチャーしたセンスのいい音楽映画が多々ある。

今回神保町シアターで開催される「ニッポンミュージカル時代」でも、『ジャズオンパレード裏町のお転婆娘』('56)、『踊りたい夜』('63)、『嵐を呼ぶ楽団』('60)が上映される。

井上監督は、当地香港とも縁が深く、ショウ・ブラザーズに招かれて17本もの映画を監督している。最初に監督した『香江花月夜(香港ノクターン)』('67)は香港でもヒットし、評価も高い。これは自身の作品『踊りたい夜』のリメイク。その後、『嵐を呼ぶ男』のリメイク『青春鼓王』('67)などを監督し、香港の娯楽映画作りに多大な影響を与えたのである。

(井上梅次監督死去の報・香港Yahooの記事)
http://hk.news.yahoo.com/article/100215/4/gllq.html

余談だが、テレビの2時間ドラマで、50分後にベッドシーンや入浴シーンを入れて視聴者を逃がさないようにしたのも井上監督が最初。「楽しくなけりゃ映画じゃない」というモットーそのままに(テレビも合わせ)116本もの映画作りをされた監督。こういう映画監督がもっと評価されなければ、日本の娯楽映画の発展はないのにな、と残念に思ったりもしている。

03-Apr-10-Sat by nobu

B0001FM156 香港ノクターン [DVD]
キングレコード  2004-10-06

by G-Tools

2010-04-02

ニッポンミュージカル時代

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一時帰国していた日本から香港へ帰り、やっとネット環境に戻りました(笑)

今回、日本で娯楽映画研究家の佐藤利明氏と、神田の薮蕎麦(やぶそば)で昼食を共にした。ココは『帰って来た若大将』で、田能久のロケセットになったところで、我々若大将ファンには嬉しいトコロ。昼まっから、熱燗(この日は雨でチョー寒かったので)、鴨ロース、板わさ、〆にそばをかっくらってのいつもながらの映画談義。楽しいひとときでありました。

その時もらったチラシで、明日2010年 4月3日(土)より4月23日(金)まで、神保町シアターで「ニッポンミュージカル時代」があることを知った。

これは楽しいラインナップで、ぼくも日本にいたら必ず行っていたハズ。10数年前に大井武蔵野館で行われた(伝説の)イベントを思い出させる、娯楽映画の王道、プログラム・ピクチャーの祭典である。

4月4日(日)には、瀬川昌治監督と佐藤利明氏のトークもあるという(『乾杯!ごきげん野郎』の11時からの回終了後)。

興味のある方はぜひぜひ!

神保町シアター
http://www.shogakukan.co.jp/jinbocho-theater/calendar/jikai.html#movie01

楽しくなければ映画じゃない!
歌と踊りのザッツ・エンターテインメント
ニッポンミュージカル時代

◆4月3日(土)〜4月9日(金)

1.「鴛鴦歌合戦」 監督:マキノ正博 昭和14年 日活/白黒  16mm
2.「ひばり・チエミの弥次喜多道中」 監督:沢島忠 昭和37年 東映京都/カラー
3.「恋すがた狐御殿」 監督:中川信夫 昭和31年 宝塚映画/白黒
4.「裏町のお転婆娘」 監督:井上梅次 昭和31年 日活/白黒  16mm
5.「歌ふ狸御殿」 監督:木村恵吾 昭和17年 大映京都/白黒  16mm
6.「ひばり・チエミ・いづみ 三人よれば」 監督:杉江敏男 昭和39年 東宝/カラー
7.「乾杯! ごきげん野郎」 監督:瀬川昌治 昭和36年 ニュー東映東京/白黒

◆4月10日(土)〜4月16日(金)

8.「夢で逢いましょ」 監督:佐伯幸三 昭和37年 東京映画/カラー
9.「私と私」 監督:杉江敏男 昭和37年 東宝/カラー
10.「嵐を呼ぶ楽団」 監督:井上梅次 昭和35年 宝塚映画/カラー
11.「若い季節」 監督:古澤憲吾 昭和37年 東宝/カラー
12.「ハイハイ3人娘」 監督:佐伯幸三 昭和38年 宝塚映画/カラー
13.「クレージー黄金作戦」 監督:坪島孝 昭和42年 東宝、渡辺プロ/カラー
14.「君も出世ができる」 監督:須川栄三 昭和39年 東宝/カラー

◆4月17日(土)〜4月23日(金)

15.「踊りたい夜」 監督:井上梅次 昭和38年 松竹大船/カラー
16.「アスファルト・ガール」 監督:島耕二 昭和39年 大映東京/カラー
17.「進め! ジャガーズ 敵前上陸」 監督:前田陽一 昭和43年 松竹大船/カラー
18.「ああ爆弾」 監督:岡本喜八 昭和39年 東宝/白黒
19.「恋の大冒険」 監督:羽仁進 昭和45年 オールスタッフ・プロ、テアトル・プロ/カラー
20.「CHEKERS IN TAN TAN たぬき」 監督:川島透 昭和60年 フジテレビ/カラー
21.「快盗ルビイ」 監督:和田誠 昭和63年 ビクター音楽産業、サンダンス・カンパニー/カラー

02-Apr-10-Fri by nobu

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