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2010年3月

2010-03-28

一時帰国中

現在日本へ一時帰国中ですが、ネット環境が悪くブログ更新できまへん。困った...

2010-03-21

『アリス・イン・ワンダーランド』 3D Alice in Wonderland ティム・バートン×ジョニー・デップ

Odoru2103102

娘も小学校を無事卒業し、香港でも公開されてからすぐに観たがっていたディズニー映画『アリス・イン・ワンダーランド』"Alice in Wonderland" へ行く。

ティム・バートン監督がルイス・キャロル原作の『不思議の国のアリス』、『鏡の国のアリス』を実写とモーションキャプチャによって映画化したもの。しかも3Dである。

ぼくにとってアリスとは、1953年のディズニーの傑作アニメ『ふしぎの国のアリス』であり、あれをアメリカのオタクの代表ティム・バートンが映像化するのだから一体どんなワンダーランドが展開するのだろうか?と期待と不安が入り交じった気持ちで、ホットドックとポップコーンを手に席についた。

ポスターなどではジョニー・デップばっかりがフィーチャーされ、肝心のアリスの絵を関心をもって見なかったのもあるが、まず驚いたのは主人公のアリスが子供じゃないんだな(笑)。夢ばかり見ている女の子の10年後、20歳なんだね。

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そのアリス(ミア・ワシコウスカ)が英国紳士にプロポーズされ、混乱したアリスは白ウサギを追っかけ、穴から落ちて不思議な世界”ワンダーランド”へ紛れ込む。

次に驚いたのは、これって女の子向けの映画だと思ってたが、男の子向け?なのか?ということ。ワンダーランドでは冒険物語となり、アリスが「救国の戦士」となっていくのだ。

なるほどティム・バートンがやるとこうなってしまうのか、と納得。ぼくはアニメのような”ふしぎな世界”とミュージカルを期待したが、見事に裏切られちまった(笑)

頭がおっきい赤い魔女のヘレナ・ボナム=カーターの演技は面白かった。ジョニー・デップもイイが、なんか『ビートルジュース』のマイケル・キートンを思い出しちゃったな(笑)。ちなみに彼の演じる帽子屋(The Hatter)とは、「狂った人」ということなんだね。昔は帽子のフェルト作りに水銀を使用したので、それでおかしくなる人が多かったのだと。

アメリカでの評判も、Rotten Tomatoesでも52%とビミョーな評価で、それもうなずけるものがあった。期待していた3Dも、ワンダーな世界もぼくにはあまり驚くべきものではなかった。バートンにとって不幸なのは、これがあの(見たこともない映像の)『アバター』公開後だったコト。あっちを見た後だとちょっと感動が薄かったかな。

それでも我が娘に聞くと「とっても面白かった♪」と喜んでいたので、まぁいいか、と思った次第。なので子供の満足度は高い映画なのだろうと思う。

日本では2010年4月17日公開。

Alice in Wonderland - 3D (2010)

Director : Tim Burton
Cast : Johnny Depp, Anne Hathaway, Helena Bonham Carter
Duration : 109 mins
Language : English

21-Mar-10-Sun by nobu

B003887CY8ふしぎの国のアリス [DVD]
ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント 2010-05-21

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2010-03-20

「ライザ・アット・ザ・パレス」 LIZA'S AT THE PALACE [Blu-ray / DVD]

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Bob Highton

曲名リスト
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映画『NINE』(ナイン)を観て、ミュージカル・シーンがあまりにノレなかったので、フラストレーションを貯めたまま映画館近くのHong Kong Recordsへ寄った。そこで相変わらす整理されてない棚(笑)のブルーレイをパタパタとめくってたら、ひとつのソフトで「あっ」と声が出て手が止まった。

そのソフトは、ライザ・ミネリのライヴ「LIZA'S AT THE PALACE」(ライザ・アット・ザ・パレス)である。

このライヴは、昨年(2009年)のトニー賞を受賞した素晴らしいパフォーマンスなのでご存知の方もおられよう。元々NY, ブロードウェイのライヴだったが、これは2009年10月1日にラスヴェガス MGMホテルでの公演を収録したものである。(DVD, Blu-ray, CD共発売)

マイミクでもある娯楽映画研究家・音楽評論家 佐藤利明氏の日記で、リリースを知っていたので、正直見たくて見たくてたまらなかっただけに買えて嬉しかった。 ぼくのつたない感想文よりも佐藤さんのmixiを見てもらう方がイイのだが、ぼくもちょっとココで書かせてもらいまっす。

ライザ・ミネリとは、云わずと知れた現代のアメリカン・ショー・ストッパーの一人だ。お父さんは、映画監督(『巴里のアメリカ人』)のヴィンセント・ミネリ、お母さんは、MGMを代表するミュージカル女優(『オズの魔法使い』)ジュディ・ガーランドである。

1973年には、ライザ自身が主演したボブ・フォッシー監督の映画『キャバレー』で、アカデミー賞主演女優賞を受賞している。その後は映画『ニューヨーク・ニューヨーク』などに出演し、舞台やライヴ・パフォーマンスでも活躍している稀代のエンタティナーの一人なのである。

ここでのライザは数々の病気を乗り越えて来ただけに、(正直)往年の声の張りや踊りは望めない。年をとったので仕方がないところもあるが、それを割り引いてもこのライヴはとてもスンバらしいのだ。

2部構成のこの舞台は、前半はボードビル時代を思わせる楽曲の数々で、あたかも『スター誕生』のジュディ・ガーランドのようであり、後半の2部は、ケイ・トンプソンへの敬意(リスペクト)で構成されている。

ケイ・トンプソンって誰?って思うだろうが、彼女こそ、MGMミュージカル全盛時、数々のミュージカルでヴォーカル・トレーナーをしていた人なのだ。自身も、映画『パリの恋人』で、フレッド・アステアとオードリー・ヘプバーンと共演し、ヴェーグ誌の編集長として「ピンク、ピンク♪」と歌って踊ってた人というとわかってもらえるかも知れない。

お母さんのジュディも泣きながらその指導を受けたというケイ・トンプソン。ライザにとって「ゴッド・マザー」と云えるケイに捧げる第2部はスゴい。ケイのナイトクラブ 時代”CIRO”を再現するパフォーマンスは、若手時代のアンディ・ウィリアムズもいたというウィリアムズ・ブラザーズのショウが見れて楽しい。

まだ2歳頃のライザの想い出から始まり、22歳で母が死んだ時の電話でのケイとのやりとりは、その経緯を知ってるファンには涙なしには聞けない部分だ。自身で自伝を書かない主義というライザはこのライヴでその生涯を語ってるように思えてならない。

思えば、1975年のMGMミュージカル・アンソロジーの大傑作『ザッツ・エンタテインメント』で、「私たちの時代は、今始まったばかり」と語っていたライザ。15歳だったぼくはその言葉とともに生きてきた。 同じ時代を生きた人間から見ると、これはライザのお母さん、ジュディ・ガーランドの名盤「アット・カーネギーホール」にも匹敵するライヴだと思う。

Judy At Carnegie Hall: Fortieth Anniversary Edition
Judy At Carnegie Hall: Fortieth Anniversary Edition

ラストの「ニューヨーク・ニューヨーク」に至るまでと、アンコールの曲など、ジュディのことを知ってる、もしくはその映画を見た人にはたまらないパフォーマンスが続く。これは母から娘、そして次の時代へつないでいく、あたかも「伝統継承」の儀式。

今はアメリカ盤でのリリースしか聞いてないが、日本での発売、もしくは、NHK-BSかハイビジョンでの放送をぜひしてもらいたいと思うほど素晴らしいライヴだった。

「ぼくは、このライヴを見る為に今まで生きて来た」と64歳になったライザを眺めながら思った。そんなライザ・ファンには楽しめること請け合いである。絶対見るべし!(Must See!)

LIZA'S AT THE PALACE

20-Mar-10-Sat by nobu

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Bob Highton

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Liza's at the Palace....
Liza's at the Palace....

2010-03-16

IMDb Movies & TV for iPhone

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IMDb(Internet Movei Database / インターネット・ムービー・データベース)がiPhoneアプリとなって登場した。これは使い易い。ありがたいアプリである。もちろん無料だし(笑)

http://itunes.apple.com/jp/app/imdb-movies-tv/id342792525?mt=8

年をとると物忘れがひどくって、特に(最近の)役者の名前なんて覚えられない。人と話してても、「えーとえーと、ほれほれあの映画に出てた、あの女優の……」てな話ばっかり。

でももうこれからは、これがあるから大丈夫。覚えてる映画の題名とか入力すればスタッフ・キャストはじめトリビアまで出てくる。

ぼくはかれこれ10年以上も何かあるとパソコンのIMDb見てて、ブログを書く時もチェックに使っている(それでも時々名前を間違えているが・爆)

http://www.imdb.com/

若い頃は、「お前は勉強はさっぱり出来んが、映画のことはすぐ覚えるのを」と父親に褒められた(←逆だよ!)ものだが、今はすっきりさっぱり覚えていない。

良い時代になったものだ。昔は記憶力がないとバカにされたものだが、今はこんな膨大な量のデータベースがいつでも見れるのだから。(ま、余計バカになるかも知れないけどね・笑)

日本語表記はまだ不自然だが、英語表記はまったく不自由なく使えます。映画ファンにはおすすめのアプリです。

IMDb Movies & TV for iPhone

16-Mar-10-Tue by nobu

2010-03-15

『シングル・マン』 A Single Man コリン・ファース × トム・フォード

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コリン・ファースが英国アカデミー賞で主演男優賞に輝いた映画『シングル・マン』 "A Single Man" へ行く。香港では2010年3月11日から公開。この手のアート系の映画はすぐに終わってしまうので、他にも観たいのがあったが、これをチョイスしたのだ。

この映画を観に行こうと思ったのは、コリン・ファースの主演男優賞(ヴェネツィア国際映画祭も)もあるが、予告編を観て、その映像センスに驚かされたからだ。初めてメガホンをとった監督のトム・フォードは、ファッション・デザイナーとして有名であり、ぼくなぞは、007『慰めの報酬』のジェームズ・ボンドのスーツから、タキシードから、サングラスにいたるまでトム・フォードだったので、その名を覚えていたわけである。

で、映画の出来は、初めての監督作品とは思えない、新たなアメリカの才能ある映像作家の誕生といった感であった。

Odoru1503105

1962年のアメリカ。キューバのミサイル危機の最中。ロスの英国人大学教授ジョージ(コリン・ファース)は、8ヶ月前に亡くなった長年のパートナー、ジム(マシュー・グッド)を忘れられずにいた。遺族の意向で、自動車事故で突然亡くなったジムの葬式にも出れなかったジョージ。彼は、日々生きる意味を見失っていた。女友達でこれまた寂しく将来を自問自答するチャーリー(ジュリアン・ムーア)と今夜会う約束をし、その後ピストル自殺をするつもりでいたが、教え子のケニー(ニコラス・ホルト)がジョージにゆっくりと、親しみをもって近づいてくるのだった……。

ぼくはこの映画、どんな映画か全く知らず、白紙で観に行ったのだが、はっきり云って「ホモの話」だった…(唖然)。それでも最後まで観れたのは、映画自体に品があったからだと思う。

ファッション・デザイナーはホモが多いと聞いたことがあるが、この監督も一流のデザイナーである。なのだろうが、そのクロース・アップを多用した映像は、明らかに「男目線」なのだ。それも、男が男を見る目線なんである。上半身裸でテニスをする男のカラダ、美少年の教え子の金髪の髪の毛、青い瞳、スパニッシュ系のセクシーなイケメンの目元や、煙草の煙を吐き出す口元…。それら中年の大学教授の目線でカメラは男たちを眺め回す。ぼくはホモではないので、うっとりもしなかったが、そっち系の方々にはこの映像は嬉しいんじゃねえか? どう考えても、監督の趣味で撮ってる映像って感じ(笑)

ま、それでも映画は、自身がマイノリティーだと感じているこの教授の苦悩と再生へ向かう姿を丁寧に描いている。哀しみに心を塞いでいる時の教授の映像はセピアで、心が晴れた時の映像は鮮やかなカラーになる。このコントラストを見せることで教授の心情変化をうまく表現している。

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教授の60年代のスーツやシャツの着こなしは、監督がトム・フォードだけにばっちりとキマってる。住んでる家のセンスも良い。アート・ディレクションにも監督の好みが反映されているのだろう。

殆ど出ずっぱりの主演コリン・ファースは、哀しみにひたる主人公の痛みを静かに見せ好演。英国ではアカデミー賞もらえたのは、彼が英国人だからだろうね(笑)(ちなみに主演女優賞も英国人キャリー・マリガン『17歳の肖像』だったね)

(追加された)音楽を、梅林茂氏が担当。彼はウォン・カーウァイ監督に気に入られてから海外での活躍が目覚ましいね。今回も情感ある甘悲しい旋律の「梅林節」が聞ける。

愛する人を失った悲痛な気持ちは、ホモであろうがストレートだろうが同じである。これは一人の男のグリーフ・ケア(悲観のケア)の話。ぼくにはラストが気に入らなかったが、「(人の)痛みがわかるオトナ」には理解できる佳作だと思う。

A Single Man (2009)

Director : Tom Ford
Cast : Colin Firth, Julianne Moore, Matthew Goode
Duration : 101 mins
Language : English & Spanish (In parts)

15-Mar-10-Mon by nobu

2010-03-13

『アイアンマン2』 予告編 IRON MAN 2 Trailer

映画『NINE』を観に行った時に『アイアンマン2』 "IRON MAN 2"の予告編を見た。

『レスラー』の後、ミッキー・ロークは何をサボっとんじゃ?と思ってたら、アイアンマンの強敵ウィップラッシュになってたのか!

スカーレット・ヨハンソンも出てるし、香港公開2010年4月30日が楽しみになってきたぜ。

13-Mar-10-Sat by nobu

B001MIMBJM アイアンマン (2枚組) [Blu-ray]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント  2009-03-18

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2010-03-12

映画 『NINE』 (ナイン) NINE

Odoru1203102

香港でもミュージカル映画『NINE (ナイン)』が公開され、観に行かねばと思っていたのだが、このところアカデミー賞ノミネート作を先に観とく必要があったので(別に必要ないじゃん!)、やっとこさ観に行って来た。ていうか、まだ公開2週間だが(2010年2月25日より)もうすぐ終わりそうだったのであわてて行ったというのが本当のトコロ。

『シカゴ』でアカデミー賞作品賞をとったロブ・マーシャル監督が、ブロードウェイでヒットした、フェデリコ・フェリー二の『8 1/2』の翻案ミュージカル『ナイン』を映画化する。主演は、ダニエル・デイ・ルイス、それにニコール・キッドマン、ペネロペ・クルス、マリオン・コティアール、ケイト・ハドソン、ファーギー、ジュディ・デンチ、それにソフィア・ローレンが華を添えると聞けば、見たくなるのは当然だろう。

だが、見終わって、あ、これは2週間で公開が終わりそうになるわ、と思ってしまったのだった(笑)

舞台はイタリア、チネチッタ・スタジオ。時代は1965年。フェリー二監督の『8 1/2』とほぼ同じ設定である。映画ファンには常識だが、この『8 1/2』はフェリーニ自身が経験した、スランプに陥った映画監督の内面心理を映像化した名作である。それを歌と踊りで構成しようとしたアイデアは面白いと思う。ブロードウェイでもヒットしたのだから良い舞台だったんだろう。

だが、映画は「混沌」としたまま盛り上がりもなく終わってしまう。派手なミュージカルを期待したムキもおそらく落胆してしまうのではないかと思うほど、ミュージカル・シーンも、高揚感もなく盛り上がりにかけるのだ。

全ての出演者が歌って踊るのだが、これがどれも大したことなくって(失礼!)(笑)、見応えのする場面もわくわくするシーンも殆どないのである。

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主演のダニエル・デイ・ルイスは、フェリーニ版では名優マルチェロ・マストロヤンニがやったグイドを演じるのだが、ほぼ完璧な「イタリア人の喋る英語」を喋っており、その演技のうまさは舌を巻く。

この作品で本年度(2010年)アカデミー助演女優賞ノミネートのペネロペ・クルスも、歌って踊って、かわいげがあるが哀しいオンナを演じてこれも達者だ。(ま、個人的には彼女を見に行くのが主たる目的だったんですけどね・笑)

他の出演者も、ケイト・ハドソンなど頑張ってるのがわかり好感はもてるのだが、いかんせん抑揚のない演出、編集やストーリーテリングのまずさなどから、少々眠たくなってしまったのも事実であった。本家のフェリーニの理想(虚構)と現実が交錯する見事な構成を知っている身からするととっても残念な出来である。

ボブ・フォッシー版『8 1/2』と云われた、カンヌ映画祭グランプリの『オール・ザット・ジャズ』よりはとっつき易いが、監督のロブ・マーシャルも、この映画の主人公グイドのように、製作中にスランプを感じて全てを投げ出したくなってしまったのだろう?と勝手に想像してしまった。温泉へ行って療養すべきだったな(笑)

日本では2010年3月20日から公開。

NINE (2009)

Director : Rob Marshall
Cast : Daniel Day-Lewis, Marion Cotillard, Penélope Cruz
Duration : 119 mins
Language : English

12-Mar-10-Fri by nobu

2010-03-10

The Hot Chopsuey Jazz Band / The 20th Anniversary Jazz Live & Farewell Party

Odoru0903102

香港で聴ける社会人バンド、ホット・チョプシー・ジャズ・バンド (The Hot Chopsuey Jazz Band)が20周年を記念してライヴを行った。

会場は、中環(Central)にあるイタリアン・レストラン Grappa's Celler。日曜の午後6時からだったので、我が家にとっては夕食も一緒に出来てありがたいライヴだった。うちの娘はここのピザ(マルガリータ)がお気に入りなのでね(笑)。

このバンドは、昨年(2009年)惜しまれつつ閉店してしまったバー Mr. Moonlight でもライヴをやっていたのでぼくはよく聴きに行っていた。今回、20周年と、バンド・メンバーの紅2点、ミッシェルさん(クラリネット)とサリーさん(ピアノ)が3月に日本へ帰国と相成り、フェアウェル・パーティもかねての演奏であった。

会場にはそのMr. Moonlightの常連さんも多数かけつけてライヴを盛り上げた。

チョプシー(Chop Suey)とは、八宝菜のような肉野菜炒めのこと。中華風のアメリカ料理である。中華料理ではない。チョプスイとかチャプスイとも言われる。ロジャース&ハマースタインのミュージカル映画『フラワー・ドラム・ソング』('61)で、アメリカで暮らす中華系の人々が「自分たちはチョプシーだ」と歌う。このバンド名もおそらくそんなところから来てるのだろう。

Flower Drum Song

ディキシー・ランドから、スコット・ジョップリンの(ピアノ)ラグ。サッチモ、ベニー・グッドマンやデューク・エリントンなど、往年のジャズが聴けるのでぼく好みのバンドなのである。

この日は午後6時過ぎに始まり、(途中別のバンドの演奏もあったが)終わったのが9時過ぎで、たっぷりと演奏を堪能できた。

アンコールは、ぼくが”ミス・ベニー・グッドマン”と呼んでいるミッシェルさんが、「メモリーズ・オブ・ユー」を演奏。いつにも増して思い入れのあるクラリネットでとてもよかった。

彼女はぼくらは親子でファンなので、帰国は寂しいが、また香港へ来たらぜひ演奏してもらいたいと思っている。もちろんサリーさんも!

海外の(日本人)社会人バンドは、こういうふうに帰国があるので、メンバーが定まらないのが難点だとリーダーも仰ってた。今のメンバーも当初に比べて格段に良くなってきていただけに余計に残念ではある。

早大出身のバンド・リーダーの"けんちゃん"も、老骨にむち打って(失礼!)これからもキバってください。20周年おめでとうございます!

The Hot Chopsuey Jazz Band
The 20th Anniversary Jazz Live & Farewell Party
Sunday, 7th March, 2010., 18:00 〜
At Grappa's Celler in Jardine House, Central, Hong Kong

(余談だが、会場のGrappa's Cellerのトイレに行く壁は映画のポスターが描いてあってシャレていた。大好きな『大脱走』のイタリア版ポスターはぼくは初めて見たので嬉しかった・笑)

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(もうひとつ余談(笑):チョプシーつながりだが、下の絵は、ぼくが大好きなアメリカの画家エドワード・ホッパーの「Chop Suey」。窓から見えるレストランの看板にその字が見れる)

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09-Mar-10-Tue by nobu

2010-03-08

第82回アカデミー賞授賞式 2010 The 82nd Annual Academy Awards

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香港時間2010年3月8日(月)AM8:00から生中継された今年のアカデミー賞。香港でもアメリカABCの番組をそのまま地上波Pearlで見ることが出来た。

AM8:00〜9:30までは、レッドカーペットからの中継。その後授賞式である。ぼくは仕事もあったので、録画して夜帰宅後に楽しんだ。

今年の司会は、ステーヴ・マーティンとアレック・ボールドウィン。ABCのコピーは、「こんなオスカー授賞式見たことない」(You've Never Seen Oscar Like This)。

ミュージカル・レビューのオープニング・アクトの後、天井から降りて来る二人。

二人で、かけあいのジョークを飛ばす。

「メリル・ストリープは、史上最多のノミネート(16回)です!」(拍手)

「受賞出来なかったのも最多です!」(笑)

てな具合。

『イングロリアス・バスターズ』のナチ役のクリストフ・ヴォルツ(助演男優賞受賞)には、「ユダヤ人を探してるんだろう?」、会場に手を広げ、「ここに(こんなに)いるぜ」

『アバター』のジェームズ・キャメロン監督を見つけると、赤と青の紙製の3Dメガネをかけて見る。

そのキャメロンと元夫婦対決のキャスリン・ビグローには、「キャメロンは、ビグローのお祝いにトヨタ車を送った」という日本人にはキツいジョークも。

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(受賞者リストはこちら ↓)
http://oscar.go.com/oscar-night/winners?cid=10_oscars_gridLayout_hot

以下、印象に残ったことを書いておく。

今年の主演女優賞は、サンドラ・ブロック。助演女優賞は、モニークだった。どちらも母親役での受賞である。ブロックは、黒人の男子を養子にしてまで育てる、母性本能の固まりのような(とっても)「良い母」を演じ、モニークは、子供を嫌って虐待の限りをつくす(ひどく)「悪い母」を演じオスカーを得たのが好対照だ。

『アバター』の青いナヴィ族に扮装したベン・スティラーがメイクアップ賞を授与。「スポックになればよかった。『アバター』はノミネートされてなかった」と笑わす。受賞は『スター・トレック』。

主演男優賞は、突き出た腹を出して頑張ったジェフ・ブリッジズが受賞。個人的に応援してたジョージ・クルーニーはまたフラレて残念。去年は、ゲイ(ミルク)、その前は狂った石油掘り(ゼア・ウィル・ビー・ブラッド)、今年はアルコール依存の落ちぶれたカントリー・シンガー(クレージー・ハート)。それに比べて、クルーニーはマトモな役だったからなぁ、と納得(笑)

キャスリン・ビグローの監督賞(女性初!)を発表したバーブラ・ストライサンドが、「やっとこの時が来た」とつぶやいたのが印象的だ。彼女は、かつて80年代だったか、「いつの日か、男だ女だで評価されない日が来ることを願う」とオスカー受賞式で言ってたから。それにしても、ビグロー、キレイだなぁ…。

作品賞は、まだ香港で公開されてない『ハート・ロッカー』に決まった。今年はiPhone アプリで アメリカABCの「OSCARS」で予想が出来るので遊んでたのだが、ここでは圧倒的に『アバター』優勢だった。人気と評価は違うものだ。約5,700人のハリウッド村の映画人たちは、(いつも)コンサーバティブだと思う。

10年ほど前からだろうか、受賞者の発表に「And, Winner is ....」と言わなくなったのは。誰も勝者ではないという配慮から、「And, Oscar Goes To ....」と言っていたのに、今年はみんな「Winner is ....」と言ってる。え?何があったの?知りてー。

昨年亡くなった映画人の中で、ジョン・ヒューズ監督だけ特別枠で紹介する。これもちょっと驚きだった。そんなに凄い人だったのか?

今年は生涯功労賞(Life Achievement)がなかった。これも何で?

主演女優賞をもらったソンドラ・ブロックが、おめでとうのハグをしようとしたメリル・ストリープを拒絶したのはなぜ?(笑)

見終わって、そんな数々の「なぜ?」があった。

うーん、確かに、「こんな授賞式見たことない!」(笑)

今年も楽しみました。

The 82nd Annual Academy Awards

08-Mar-10-Mon by nobu

2010-03-07

『クレージー・ハート』 Crazy Heart ジェフ・ブリッジズ

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ジェフ・ブリッジズ主演の『クレージー・ハート』が、香港でも公開になったので行く(2010年3月5日公開)。
本年度(2010年)アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたジェフ・ブリッジズは、ゴールデングローブ賞を受賞し、3月7日現在賞レースの先頭を走っている。

映画は、57歳の落ちぶれたカントリー・シンガー、バド・ブレーク(ジェフ・ブリッジズ)が、女性新聞記者(マギー・ギレンホール)と出会い、それをきっかけに再起を図る姿を描くというもの。

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この映画は、もう全編、ブリッジズのダメっぷりが描かれる。主人公バドは、酒とタバコの依存症である。吸ってるタバコの火で次のをつけて吸う。金もないのにウイスキーをいつも持ち歩き飲んでいる。今夜も田舎のボウリング場の端っこのステージで、歌ってる最中に気持ちが悪くなって、舞台裏で吐いてしまうのだった。その酒を飲み過ぎて具合が悪くなる描写は、酒飲み(の俺には・笑)には「わかるわかる」とうなずける頭のイターい場面が続く。

だが、彼は音楽の才能はある。今でも素敵なメロディを書けるのに、その才能をうまく使うことが出来ずにいる。歌手でもあるブリッジズは、舞台で実際に歌うが、これが味のあるイイ歌いっぷりなのだ。

『ダークナイト』のマギー・ギレンホールは、4歳の男の子を育てる、離婚歴のある新聞記者ジーンを演じる。彼女との出会いが、バドを変えるのだ。本気で彼女を好きになったバドは、自分を反省し、自分を変えて行く。そのことが、結果的に素晴らしい「名曲(The Weary Kind)」を作ることに繋がっていくのだ。

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ぼくはカントリー・ミュージックは、うといのだが、主人公はクリス・クリストファーソンに似せているようにも思える。横長大画面に映るアメリカ南西部の景色が美しい。西部劇があまり作られなくなってから、こういう景色も眺められなくなったなぁと画面を観ながら思った。

若く、人気のあるカントリー歌手トミー役にコリン・ファレル。彼もイイ味を出している。

この映画、主演男優賞にはやたらノミネートされているのだが、作品賞にはノミネートされてないのが、不思議だったのだが、理由がわかった。ドラマが少ないのだ。映画は、淡々と進んで行き、抑揚もあまりないまま終わりを告げる。57歳のジェフ・ブリッジズの「名演」をただ眺めるだけの映画だった。(飽きないんだけどね)

明日(香港時間・3月8日朝)のアカデミー賞授賞式で、果たしてジェフ・ブリッジズの名前が呼ばれるか?(←おそらくそうだろう)はたまた(個人的に応援している)ジョージ・クルーニーが逆転するのか?それからオリジナル歌曲賞は"The Weary Kind"がもらえるか?今から楽しみにしている。

I used to be somebody,
But now I'm somebody else.

— Sung by Bad Blake

Crazy Heart (2009)

Director : Scott Cooper
Cast : Jeff Bridges, Colin Farrell, Maggie Gyllenhaal
Duration : 112 mins
Language : English

07-Mar-10-Sun by nobu

2010-03-05

『しあわせの隠れ場所』 The Blind Side

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サンドラ・ブロック主演の新作映画『しあわせの隠れ場所』"The Blind Side"へ行く。本年度(2010年)アカデミー賞では、作品賞、主演女優賞にノミネートされている。

サンドラ・ブロックはこの映画で、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞を受賞。そこからオスカー・レースの先頭に立っているのだ(2010年3月4日現在)。

母親と引き離され、家も寝る場所もなくなった黒人少年、ビッグ・マイクことマイケル・オアー(クイントン・アーロン)。ある冬の寒い夜、同じ学校へ通う白人の母親リー・アン(ブロック)に声をかけられ家に泊めてもらうことに。帰るところもないマイケルは、そのままその家に居候になる。やがて母親は、マイケルが持つアメリカン・フットボールのとてつもない才能を見つける…。

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このマイケル・オアー君とは、アメフト全米代表となったスター選手。実話に基づいているというこの物語は、とても感動的である。まるで、アメリカの「ホームレス中学生」のような話だ。

主演のサンドラ・ブロックは、金持ちのパワフルで、おせっかいだがやさしいおばちゃんを演じる。ぼくは正直サンドラ・ブロックがあんま好きでなく(あの声がダメで、見るたびに変わる整形(?)の顔も体型もダメなのだ)、この映画も見に行く事を逡巡したが、アメリカ映画の”アメフトもの”は外れが少なく、やっぱアカデミー賞ノミネートということで重い尻、もとい腰を上げたのだった。

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古くは『打撃王』など、アメリカ映画は、スポーツ選手を描いたホームドラマを得意とするが、これもそんな一本。ブロックの家庭はお金持ちで、幸せそのもの。そこに新しい「家族」として、黒人のビッグ・マイクが入るのだが、家族は皆心優しく受け入れる。みんな「良い人」なのだ。

映画は、「感動的」とは書いたが、ぼくには「これがノミネート作品?」と思うほど軽いもので、面白いんだけど、ちょっと食い足らなかったな。なんかテレビの2時間ドラマみたいなのだ。

それにサンドラ・ブロックの演技も、主演女優賞をとるほどのものなのかな?と思ってしまった。主演として際立ってるのだが、こーゆー意志の強い実在の一般女性を描くとアメリカではウケるのかも知れないが、ぼくには「よくあるタイプ」に思えてしまったのだ。つまり、ブロックは誰かを演じてるんだけど、ブロックにしか見えなかったんである。ゴールデングローブ賞受賞は、「役得」もあったようにも思える。

アカデミー賞は、ハリウッドの5,000人ほどの映画人が投票して決める、いわば内輪のお祭り。もし、ブロックが受賞すれば、ハリウッド村で今人気があり、(映画界が)儲けさせてもらったという証拠だろう。以前、ココで書いた、雑誌「TIME」では、メリル・ストリープが主演女優賞だろうと予想している。受賞すれば1982年の『ソフィーの選択』以来となる。昨年も『ダウト〜あるカトリック学校で〜』で受賞できなかったので、案外可能性があるかもしんないね。どっちが勝つか、授賞式(3月7日)が楽しみである。

日本でも2010年2月27日から公開中。

The Blind Side (2009)

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Director : John Lee Hancock
Cast : Sandra Bullock, Tim McGraw, Quinton Aaron
Duration : 129 mins
Language : English

05-Mar-10-Fri by nobu

2010-03-04

『マイレージ・マイライフ』 Up In The Air

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ジョージ・クルーニー主演の新作映画『マイレージ・マイライフ』"Up In The Air"が香港でも公開になったので行く。(2010年2月25日より)

本年度(2010年)アカデミー賞でも5部門でノミネートされているが、映画の出来ははっきり言ってすこぶる良かった。久々の正統派アメリカン・コメディ・ドラマの傑作誕生である。

じつをいうと、ぼくはジョージ・クルーニーのファンである。なんでかっていうと、年齢も近いし、それに自分で云うのもなんだが、似てるんである(←きっぱり!)。ん?顔じゃねーよ、髪の毛の白くなり具合が!である。がはは。

この映画のクルーニーは、はっきり言って今までのベストの演技!をしていると思う。前回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたのは『フィクサー』だったが、今度の役の方が断然いい。彼にオスカーあげたいなぁ、と個人的には思う。(下馬評では、ジェフ・ブリッジズで決まりのようなのだが…)

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今回、クルーニーが演じるのは40代の独身男ライアン・ビンガム。彼の職業は、企業の人間に代わって社員にリストラを宣告するプロフェッショナル。年間出張日数は322日。なので、いつも"Up In The Air"(空の上にいる)男。彼にとっては出張(ビジネス・トリップ)が現実世界で、自宅に居ることの方が非現実になっているのだ。マイレージが大好きで、夢はアメリカン航空のマイル数を1000万マイル貯めること。

そんな彼が久しぶりにオフィスへ戻り会議へ出たら、出張旅費削減のため、今後はネットを使ってリストラを勧告するという。そのシステムを考え構築したのが大学出たての新人女性ナタリー(アナ・ケンドリック)であった。怒り心頭のライアンだが、彼女の教育係を任され、次回の出張に同行させることになる。

独身のライアンには、最近出張先で知り合った、妙齢だがセクシーなキャリアウーマンのカノジョ、アレックス(ヴェラ・ファーミガ)がいる。彼女はライアン同様アメリカ中を飛び回っている。ブラックベリーで連絡をとりながら、お互いのスケジュールが合う時に(マイルの貯まる)ヒルトン・ホテルで落ち合っているのだ。

ライアンの信条は、「自分の”バックパック”に人生の重たいものをしょい込まないこと」(彼はこの話で講演も行ってる)。なので、人間関係は深入りせずライトなのが一番と考えている。そんな彼が、疎遠になってる妹の結婚式に出席し、新人の教育係となり、気の合うパートナーとの関係を通して自分を見つめ直して行く…というお話。

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監督は、前作『JUNO/ジュノ』で、その語り口のうまさを見せたジェイソン・ライトマン。この映画でアカデミー監督賞ノミネートも当然といえる。彼の作品は、SFXを使わず語っているのが良いね。だから「正統派」と思えるのかもしんない。おそらく脚色賞(ライトマン他)はこの作品が受賞するだろう。

出演者の中に、その『JUNO/ジュノ』に出てた、ジェイソン・ベイトマンとJ.K.シモンズが出て来るのもご愛嬌。個人的に嬉しかったのは、映画冒頭でリストラされる社員役に、大傑作『ハングオーバー』で赤ちゃんに「ほれほれ(と股間で腕を動かす)」ザック・ガリフィナキスが出演しているトコロ(笑)。

今回のジョージ・クルーニーは、白いシャツにブルーのネクタイ、ダーク・スーツでさっそうとファースト・クラスにチェックインする。いつも黒のコロコロ(とぼくは呼んでるキャスター付スーツケース)を引っぱり、世界中を飛び回る。日本にもこういった類いのビジネスマンも多いだろう。香港で暮らすぼくも似たような人を多く知っているし、ボク自身もそんな感じで出張する(←エコノミーだが・笑)。けど、それをジョージ・クルーニーがやるとかっこいいんだよなぁ…。

この映画はある意味、サラリーマンの憧れである。映画を観ない(かも知れない)働き盛りの男性世代にぜひ観てもらいたい作品だ。もちろん映画館で観るのがベストだが、もし観れなかった場合、出張時に機内上映で観るのが一番イイと思う。きっとあなたも、クルーニーになりきってコロコロを引っ張り、さっそうと歩くかもね、空港内を!(笑)

日本では2010年3月20日公開。

Up In The Air (2009)

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Director : Jason Reitman
Cast : George Clooney, Vera Farmiga, Anna Kendrick
Duration : 110 mins
Language : English

04-Mar-10-Wed by nobu

2010-03-03

『プレシャス』 Precious: Based on the Novel 'Push' by Sapphire

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本年度(2010年)アカデミー賞6部門ノミネートの映画『プレシャス』"Precious: Based on the Novel 'Push' by Sapphire"が香港でも公開になったので行く。(2月25日より)

キツい映画である。だが、希望がある。精神的に落ち込んでいる時に観るとイヤな気分になるかも知れない。大ハッピーエンドではないが、主人公プレシャスの未来にエールを送りたくなる。そんな映画だ。

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時代は1987年。ハーレムにある学校で、数学の授業中に16歳のアフリカ系アメリカ人少女、クレアリース・プレシャス・ジョーンズが校長室に呼ばれるところから映画は始まる。そこで、女性の校長から「あなた、2度目の妊娠をしたわね」と問いつめられる。

次の場面で、自宅にいるプレシャスは、家庭内で虐待を受けていることがわかる。出来た子供の親は自分の父親なのだ…。

レイプをされている時、プレシャスは妄想をする。その妄想の中の自分は、ポップ・スターとして大成功し、セレブの仲間入りをしている。そして母親にも「愛されて」いる。

プレシャスは、超肥満児である。ボロアパートで一緒に暮らす母親は仕事をせず、一日中テレビを見ている。生活保護を受け、食事の世話も全てプレシャスの仕事。

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学校を追い出されたプレシャスは、校長先生から「Each One -Teach One」という問題児ばかりを集めた学校を紹介される。

そこで出会ったブルー・レイン先生から、プレシャスは初めて英語を学ぶ。"A Day At The Shore"という本の"デイ"も読めないプレシャス。

少しずつ、ワケありのクラスメイトとも仲良くなるプレシャス。初めて友達が出来た喜び。学ぶ事が楽しくなるが、母親にはなじられる毎日。

辛抱強くプレシャスを理解しようとする先生やソーシャルワーカー、子供を産む病院で世話になった人々。それらをきっかけに、プレシャスは強く、立派な人間へと成長していく…。

この映画を観て感じたことは、「やっぱ、(大事なのは)”愛”なんだな」ってこと。

人間は愛されたい欲求が誰にでもある。だがそれを求めすぎると、仏教で云う「渇愛」になる。それは永遠に満たされない愛。

与える愛、それはとても穏やかで慈愛に満ちたもの。見返りを求めない無償の愛。それは親子の愛。

そのことに気づかされたプレシャスは、本当の意味で「賢明な生き方」をする。

この映画の製作総指揮は、黒人女性として大成功したオプラ・ウィンフリーである。彼女自身も幼少時は不幸な境遇であったと聞く。この映画を通して、人は誰でも”プレシャス”(愛しい、大切な)存在なんだということを伝えようとしているように思う。

サファイアの書いた原作「Push」を基に、監督のリー・ダニエルズは、ハンドカメラを駆使したドキュメンタリータッチの映像で、初めゴリラのように見える(失礼!)主人公のプレシャス(ガボレイ・ジディベ)を、ラストでは天使のように見せる。

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虐待の相談員を(あんと、すっぴんの!)マライア・キャリー、男の看護士をレニー・クラビッツというミュージシャンが演じるが、これもなかなかイイ味を出してる。

母親役のモニークは、どう転んでもアカデミー助演女優賞受賞するでしょう、と思わせるくらい圧倒的な演技だ。観終わった後一番印象に残ったからな。特にラスト近くのモノローグが凄い。

先生役のポーラ・パットンは、本当に知的で美しい。最初の授業で、「私がここにいるのは、教えるのが好きだから」と話すのがかっこいい。先生の鏡ですね。あんなキレイな先生ならぼくも学校やり直します、プレシャスと一緒に!なんて(笑)

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「人生は過酷だ。けど人生は愛おしい」ということを認識できる映画。若い人、お母さん世代にも観てもらいたい作品である。

日本では2010年4月24日から公開。

Precious: Based on the Novel "Push" by Sapphire (2009)

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Director : Lee Daniels
Cast : Gabourey Sidibe, Mo'Nique, Paula Patton
Duration : 111 mins
Language : English

03-Mar-10-Wed by nobu

2010-03-02

TIME誌 アカデミー賞予想 2010 OSCAR BALLOT

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今年(2010年)も、TIME誌で、リチャード・コルリス氏がオスカー予想をしている。

昨年もココに書いたが、彼の予想は例年ことごとく的中してるので、今年も参考にされたし。

(上の写真は昨年の投票用紙 Official Ballot)

http://www.time.com/time/specials/packages/article/0,28804,1968189_1968142,00.html

http://i.timeinc.net/time/magazine/pdf/oscar_ballot.jpg

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作品賞 『アバター』

監督賞 キャスリン・ビグロー (ハート・ロッカー)

主演男優賞 ジェフ・ブリッジズ (クレージー・ハート)

主演女優賞 メリル・ストリープ (ジュリー&ジュリア)

助演男優賞 クリストフ・ヴァルツ (イングロリアス・バスターズ)

助演女優賞 モニーク (プレシャス)

長編アニメ賞 『カールじいさんの空飛ぶ家』

脚色賞 『マイレージ・マイライフ』

脚本賞 『イングロリアス・バスターズ』

編集賞 『ハート・ロッカー』

撮影賞 『ハート・ロッカー』

美術賞 『アバター』

メークアップ賞 『スター・トレック』

コスチュームデザイン賞 『ナイン』

主題歌賞 The Weary Kind (クレージー・ハート)

音楽賞 『カールじいさんの空飛ぶ家』

特殊効果賞 『アバター』

外国語映画賞 『ザ・ホワイト・リボン』(独)

長編ドキュメンタリー賞 『Food, Inc』

今年は、例年より作品賞の候補が多く10作品となっている。毎年5作品だったが、『カサブランカ』が受賞した1943年以来の本数の多さである。ま、ノミネートというだけでも客が呼べるので、これはビジネスとしては良いアイデアだと思う。

ぼくはその候補作中、現在までに6本観ている。香港では、先週末(2010年2月25日)から候補作品が順次公開になってるが、授賞式(日本時間・3月8日)までに、全部観れるかわかんない。いやー忙しくて、仕事なんかしてらんないね(笑)

2010 Oscar Ballot

02-Mar-10-Tue by nobu

2010-03-01

ミラマックス (Miramax)、シネカノン 経営破綻

今週号の「週刊文春」(2010年3月4日号)の記事「日本映画を誰が殺すのか」を読んで、日本の映画製作・配給会社シネカノンの倒産を知った。アメリカでは、これまたインディー系のミラマックス(Miramax)がオフィス閉鎖と聞く。

日米の新興のインディペンデント映画会社の同時期の破綻を知り、一人の映画ファンとして寂しい思いがする。

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シネカノンは、2010年 1月民事再生法を申請(負債額47億円超)。

李鳳宇(リ・ボンウ)氏により1991年設立されたシネカノンは、『月はどっちに出ている』('93)をヒットさせ、その後韓国映画『シュリ』('01)を配給し大ヒットさせた。現在の韓流ブームもこの映画のヒットがなかったらあり得なかったと思う。日本における韓国映画のアレルギーを払拭した映画として、ある意味歴史的だった。

その後も在日韓国人の青春劇『パッチギ!』('04)、日本アカデミー賞受賞の『フラガール』('06)など佳作を製作してきたが、今回の破綻劇となった。

Pulp Fiction Movie (Uma - Retro Ad) Poster Print - 24

一方、アメリカのミラマックス(Miramax)は、親会社ウォルト・ディズニー・カンパニーの意向により2010年1月末を以て閉鎖された。

1979年、ハーヴェイ&ボブ・ワインシュタイン兄弟により設立されたミラマックスは、『パルプ・フィクション』('94)のクェンティン・タランティーノなどの才能を開花させた、かっこいいインディペンデント系映画製作・配給会社であった。

全盛期には『イングリッシュ・ペイシェント』('96)、『恋に落ちたシェイクスピア』('98)、『シカゴ』('02)などが、アカデミー賞作品賞に輝くなど、栄華を誇った時期もある。現在のフォックス・サーチライトやパラマウント・ヴァンテージなんていう大手によるインディ&アート系の会社もミラマックスの影響があると思う。

1993年にディズニー社へ売却され、その会社運営の意見の相違から設立者のワインシュタイン兄弟が会社を離れ、2005年にワインシュタイン・カンパニーを設立した。その頃から、ぼくはあまり名前を聞かなくなったなぁと思っていたら、今回閉鎖の報を聞かされたのだった。

独立したワインシュタインの会社も『グラインドハウス』('07)で大コケ、『イングロリアス・バスターズ』('09)のヒットでちょっと持ち直したと聞くが、これから自分たちの両親の名前をつけた会社(「Max」と「Miriam」から会社名をMiramaxと名づけた)を買い戻すことが出来るのだろうか。

Kill Bill yellow jumpsuit movie POSTER Uma Thurman NEW - 24

『キル・ビル』('03)など、日本でもギャガ・コミュニケーションズ(現在はギャガ株式会社)が、多くのミラマックス映画を配給し、これまたかっこいい会社だなぁと思ってたが、『キル・ビル Vol. 2 ザ・ラブ・ストーリー』('04)や『ヴァン・ヘルシング』('04)などコケたみたいで、3部作の超大作『ライラの冒険 黄金の羅針盤』('07)も大コケだったようで、ギャガの屋台骨もゆらぎそうになったやに聞く。(その『ライラの冒険』(←New Line Cinema)はパート2、3の製作が無期延期となった)

映画というのは、「芸術」と「商売」が一緒になった素晴らしい商品だとぼくは思っているが、会社経営という面から見るとなかなかムズかしいのだろう。シネカノンの李氏、ギャガの藤村氏(2005年退任)、ワインシュタイン兄弟もなんだかんだ云って、これだけの会社を創った経営者である。これからも頑張ってほしいと思っている。

だが、なんか、一つの時代が終わった…って感じのする日米映画会社の破綻のニュースだったなぁ、ぼくちんには…。

02-Mar-10-Tue by nobu

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