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2010年2月

2010-02-28

『トゥルー・レジェンド(原題)』 蘇乞兒 ”True Legend”

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ユエン・ウーピン(袁 和平)監督の新作映画『トゥルー・レジェンド(原題)』蘇乞兒 ”True Legend”  へ行って来た。
香港では、昨年(2009年)10月頃から劇場で予告編がかかり、久々のクンフー映画の大作として、今年(2010年)の旧正月に公開されるというので期待して待ってたのだ。

監督のユエン・ウーピンは、『マトリックス』シリーズ、『キル・ビル』、『グリーン・デスティニー』などのアクション監督として有名であり、この『トゥルー・レジョンド』は、「この中国武術家の物語は、世界のクンフー映画ファンをまた驚愕させるであろう」と喧伝されていたので、俺みたいな男には、期待するなという方がおかしいだろう。しかも3Dでの上映だぜ!?

この映画は、『葉問』(Ip Man)や『SPIRIT』同様、実在した武術家を描いたもの。使うのは「酔拳」。えッ?ジャッキー・チェンの「ドランク・モンキー/酔拳」かいな?と思いきや、実際にいたんだね、そんな武術家が。知らなんだ(はぁ)。

主人公は、《蘇乞兒》(乞食のソー)と呼ばれた男。乞食のようなかっこうで、酒におぼれているが、武術はめっぽう強い。なんでこの男がここまで強くなったかが描かれていくのだ。

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清朝に仕える戦士・蘇燦(チウ・マンチェク/趙文卓)は、義弟で妻の兄でもある袁烈(アンディ・オン/安志杰)に知事の座を譲り、自分は、妻(ジョウ・シュン/周迅)と一人息子と武術を極めるべく静かな日々を送っていた。だが、袁烈の父は、毒を盛った「五毒神功」なる技を習得して武術の正道を外れたため、蘇燦の父に殺されていたのだ。その恨みを持つ袁烈は、蘇の父を殺し、妻子も奪っていく。仇をとりに行った蘇だが、逆に大河の激流の中に投げ飛ばされる。それを追って河に身を投じる妻!
なんとか一命をとりとめた彼らは山へこもり、山の女(ミシェール・ヨー/楊 紫瓊)の酒蔵を手伝いながら、リハビリをし修行に励み息子を取り返すことを誓う。

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英語題でいう「真の伝説」というのだから、信じるしかない(笑)のだが、中国の伝説ってのはホントおもろい。蘇は妻が造った酒の味を覚え、晩年おぼれていくのだが、そんな中で修行中に出会う「武術の仙人」(ジェイ・チョウ/周 杰倫)との闘いなんて、現実なのか?酔っぱらって夢みてるのか?という場面になる。その仙人の登場シーンは、はげ頭のおっさんの頭の上に一本足で立ってんだよ!仙人が!で、ここから3Dになる。

この映画、全部が3Dなんじゃなくて、パート3Dなのだ。画面右上に「メガネかけろ」「はずせ」と指示が出るのだが、この3Dになるまで何度も合戦シーンがあり、じつに1時間くらいメガネを持ったまま待たされた。あんまり遅いので、映画の途中で、ホントに3Dなのかな?と不安になったくらい。

一番の驚きは、アンディ・オン扮する袁烈は、毒を持った武術を身につけてから、身体に鉄兜を(つまり地肌に鉄板を)縫い付けているのだ!これも「真の伝説」なのか!?中国4000年の歴史恐るべし、である。

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後半、乞食に落ちぶれ、酒におぼれている蘇が流れついたのが、ロシアとのボーダー・ライン。ここで、中国人たちは見世物小屋でロシア人になぶり殺しにされている。酒に酔いながらも、大柄なロシア人との闘いにかつぎ出された蘇は、彼らをバッタバッタとやっつける。ここからは、もうプロレスで、パワーボム、アルゼンチン式バックブリーカー、ツームストンのパイルドライバーとロシア人は大技連発である。しかもそれらを率いるマネージャーを演じるのが、(これが遺作となった)デビッド・キャラダインで、しかもみんな英語を喋ってるのがスゴい(笑)。ロシア人なのに…。

ま、はっきり云って、クンフー映画として、そこそこの出来である。監督のユエン・ウーピンは、アクション・シーンだけを撮りたくてこの映画を作ったんじゃねえか?と思うほど、ストーリー・テリングがまずく、テンポも悪く、感情移入も出来ぬまま、闘う場面になっていくのだ。それに期待してた3Dもちょっとだけで、もっと凄い3Dを見慣れた観客からは「たいしたことねー感」が漂ってしまい、昔の香港の立体映画『空飛ぶ十字剣』を思い出してしまったほど (笑)。中国でロケした壮大な自然が見れるのはいいんだけどね…。

ちょっとこれじゃ、「世界のクンフー映画ファンをまた驚愕させる!」のはムリ〜と思った(笑)。期待してただけに、チト残念な出来であった…。

【追記】
日本では「酔拳 レジェンド・オブ・カンフー」として2011年6月25日より公開。

蘇乞兒 ”True Legend” (2010)

Directed by Yuen Woo Ping
115 mins

28-Feb-10-Sun by nobu

(香港版 予告編)

蘇乞兒 True Legend DVD

2010-02-24

ベルリン映画祭 寺島しのぶさん主演女優賞受賞

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2010年2月21日発表の、第60回ベルリン映画祭において寺島しのぶさんが主演女優賞を受賞した。映画は若松孝二監督の『キャタピラー』。香港の朝日新聞(国際版・2010年2月22日)でも一面で報じられており、おめでたいことだと思う。

http://www.asahi.com/showbiz/nikkan/NIK201002220079.html

なんてったって田中絹代さん以来っつんだから、久しぶりの受賞である。田中絹代さんは溝口健二監督作品で海外でも顔が知れた存在だったが、寺島さんは田中さんほど知れてなかっただろう(?)から本当に演技の実力が認められたんだなぁと思う。

お母さんの緋牡丹のお竜、もとい藤純子、もとい寺島純子さんもお喜びであろう。

けど、ぼくが今回注目したのは、寺島さんの代わりにベルリンで賞を受け取った若松孝二監督である。

若松監督と云えば、ぼくが若い頃(70年代)はピンク映画の監督としてその名が知れていた。ぼくが知ってる若松作品といえば『ゆけゆけ2度目の処女』(←良い題名だ・笑)くらいだが、アナーキーな監督として存在していたので覚えていたのだ。

その後、大島渚監督の問題作『愛のコリーダ』に関わったりした以外、ぼくはあまり名前を聞かずに年月が過ぎていたが、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』('07)を監督して賞をとった時はびっくらこいたものだ(これで、ゴジこと長谷川和彦監督も30年来の企画『連合赤軍』はどうするのか?と人ごとながら案じたよ・笑)。

映画『キャタピラー』(それにしてもスゴい題名だな。毛虫という意味だろうが、キャタピラー三菱を思い出すな・笑)は、江戸川乱歩の「芋虫」と映画『ジョニーは戦場へ行った』を足したような映画だそうだ。たった12日間で撮影され、製作費も通常の約半分ほどだったのだと。戦争で手足をもがれ、顔も焼けただれた夫が帰って来る。それを支えなければならない妻の話。なんか観に行くのがつらそうな映画である。

これだけ宣伝してもらったのだから、おそらく、この新作映画『キャタピラー』は若松監督最大のヒットになるだろう(2010年8月日本公開予定)。そうすればまだ2、3本映画が撮れるかもね。そーゆー意味でもこの受賞はおめでたいことだと思います。

ベルリン映画祭公式HP
http://www.berlinale.de/en/das_festival/preise_und_juries/preise_internationale_jury/index.html

23-Feb-10-Tue by nobu

2010-02-22

BAFTA 英国アカデミー賞 2010 Orange British Academy Film Awards 2010

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昨夜(2010年2月21日)ロンドンにて、英国アカデミー賞(Orange British Academy Film Awards 2010)が発表された。

作品賞以下『ハート・ロッカー』が『アバター』を抑えて勝ったので、3月7日のアカデミー賞での「元夫婦対決」がどうなるか?楽しみになってきた。

授賞式の模様はイギリスのBBCでしか放送されなかったようで、ぼくは見れなかったが、HPで受賞者インタビューが動画で見れた。

http://www.bafta.org/awards/film/film-awards-nominations,949,BA.html

主な受賞作品は以下の通り。

作品賞『ハート・ロッカー』

監督賞 キャスリン・ビグロー『ハート・ロッカー』

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主演男優賞 コリン・ファース『シングル・マン』

主演女優賞 キャリー・マリガン『17歳の肖像』

助演男優賞 クリストフ・ヴァルツ『イングロリアス・バスターズ』

助演女優賞 モニーク『プレシャス』

脚本賞 マーク・ポール『ハート・ロッカー』

脚色賞 ジェイソン・レイトマン他『マイレージ・マイライフ』

英国映画作品賞『FISH TANK』

外国語作品賞『A PROPHET』(仏)

アニメ作品賞『カールじいさんの空飛ぶ家』

音楽賞 マイケル・ジアッキーノ『カールじいさんの空飛ぶ家』

撮影賞 バリー・アクロイド『ハート・ロッカー』

編集賞 ボブ・ムラウスキー他『ハート・ロッカー』

美術賞 リック・カーター他『アバター』

音響賞 レイ・ベッケット他『ハート・ロッカー』

視覚効果賞 ジョー・レッテリ他『アバター』

主演女優賞が『17歳の肖像』なのが個人的に嬉しい。この映画の彼女ホント素敵だったからな。
助演男優賞・女優賞は、オスカーも(おそらく)この二人に渡るだろうね。

脚本賞の『ハングオーバー』と『イングロリアス・バスターズ』、それに『カールじいさんの空飛ぶ家』が落ちたのはくやしいが、これらは娯楽映画だから仕方ないか(笑)

今年からこの英国アカデミー賞(BAFTA-British Academy of Film and Television Arts)の会長にウィリアム王子が就任された。その手から、今年の名誉賞(Academy Fellowship)が英国の名女優、ヴァネッサ・レッドグレーヴへ贈られた。かつては反体制の闘志のイメージが強かったが、なんかやさしいおばあちゃんになってきた感じ。

『月に囚われた男』で新人監督賞受賞のダンカン・ジョーンズは、あんと英国のロック・スター、デヴィッド・ボウイの息子だという。偉大すぎるお父さんだと息子は(色んな意味で)萎縮するものだが、このダンカン君はエラいね。いつかお父さんを主演にした映画を観てみたいものだ。がんばれ!ボーイの息子(笑)

Orange British Academy Film Awards 2010

22-Feb-10-Mon by nobu

2010-02-19

ウィ・アー・ザ・ワールド・25・フォー・ハイチ We Are the World 25 for Haiti (iTunes)

ハイチで起きた大地震の救援として、「We Are the World」が、クィンシー・ジョーンズ、ライオネル・リッチーのプロデュースのもと25年振りに蘇った。

ぼくも、たとえ少額でもハイチへの義援金になるならと iTunes で動画を購入した(300円)。

http://itunes.apple.com/jp/album/we-are-world-25-for-haiti/id355808800

オリジナルの「We Are the World」はいわずと知れた、1985年アフリカの飢餓と貧困層救済のため当時のアメリカン・ポップスの大スターたちが集まって製作されたもの。

ライオネル・リッチーとマイケル・ジャクソン共作によるこの楽曲を聴き、そのビデオをテレビで観た時、ぼくは本当に感動してレコードを買ったものだ。

今回の「25 For Haiti」は、グラミー賞(2010年2月1日)の後に総勢75名以上のアーティストが参加して前回と同じスタジオで収録された。

ビデオを見ると、ハイチのがれきの中で踊ってる子供のシーンから始まり、あの名曲「We Are the World」が流れ出す。この曲を聴くと、涙腺が刺激されるのか、また泣きそうになった。

様々なアーティストが出ている。トニー・ベネット、バーブラ・ストライサンド、ジェニファー・ハドソン、ジョシュ・グローバン、セリーヌ・ディオン…。

映画『レイ』でオスカー受賞のジェイミー・フォックスは、レイ・チャールズをマネて歌う。

コーラスの中にナタリー・コール、パティ・オースティン、それにジェフ・ブリッジズの顔も見える。

ぼくは、もうおっさんでだいぶアメリカン・ポップスにうといのだが、それでもこれくらいは認識出来た。(ラップの連中はほとんどわからんちんだが・笑)

一番泣かせるのは、1985年収録当時のマイケル・ジャクソンが出て来るトコロ。妹のジャネットがオーバーラップされデュエットとなるのだ。これを見て、「やっぱりマイケルは死んだんだなぁ…」とじわっときてしまった。

真ん中にラップが入ったりして、この「25 For Haiti」は、賛否両論のようだが、これだけのトップ・アーティストが、ノーギャラで参加して、マイケルの残した名曲「We Are the World」を歌うだけでも価値があると思う。

なんだかんだいっても、やっぱ行動した人の方がエラいとぼくは思うのだけれど…。

(上にアップした YouTube オフィシャル版は、ジェイミー・フォックスが最初に寄付を呼びかける。収益金は全てハイチへ寄付される)

We Are the World 25 for Haiti

19-Feb-20-Fri by nobu

2010-02-18

『天才 勝新太郎』 春日太一著 (文春文庫)

天才 勝新太郎 (文春新書)

この新書本、春日太一著『天才 勝新太郎』(文春文庫)のことは週刊新潮の書評や、TBSラジオ「キラ☆キラ」ポッドキャスティングで水道橋博士が絶賛していた(↓)ことから知っていた。

http://podcast.tbsradio.jp/kirakira/files/20100205_hakase.mp3

だが、この手の本は香港では手に入らないと思い、日本へ一時帰国したときに買ってこようと諦めていた。

先日、銅鑼湾(Causeway bay)のそごうにある旭屋書店に行って、ぶらぶらと本を眺めてたら、一冊だけあるではないか、『天才 勝新太郎』が!さっそく買い求め、旧正月の休みに一気に読んだ。面白かった。なぜ題名に「天才」とつくのかが読み終わって理解できた。

ここには、ぼくらが知らなかった勝新太郎がいた。

「勝新(かつしん)」のイメージは、一言でいうと豪放磊落な男。黒澤明監督とけんかして『影武者』をクランクイン後に降板したり、勝プロを倒産させたり、映画『座頭市』で真剣を使ったため事故で役者を死亡させたり、パンツにコカイン入れて捕まったり…、晩年ワイドショーを賑わす役者・勝新太郎は、大物なのに、お騒がせな困ったチャンであった。

だが、この本の中にいる勝新は、繊細な感性を持ち、自分の芝居に、映像芸術に没頭するがあまり自滅していった一人の男であった。

芸術家肌の人間は、だらしないとこがある、とぼくは常々思ってる。時間にだらしなかったり、お金にだらしなかったり。そんな常人の持ち合わせない非常識さの中に素晴らしい「感性」があったりするのだ。

勝新も自身の代名詞となった「座頭市」を演じながら、その内面心理へ入り込んで行き、その底なし沼の苦悩を映像にぶつける。TVシリーズ時代、自らのプロダクションにおいて脚本なしの即興演出で、役者もスタッフも振り回し続ける。その製作費度外視のむちゃくちゃな現場で撮られた作品は、親分肌で豪放磊落な男が創ったとは思えない、母の愛にすがるようなリリカルなものだったのだ。

自分の中に「神が降りて来る」瞬間まで、スタッフや出演者を待たす。製作・監督・脚本・編集・主演とチャップリンのようになんでもやった(感性のある)座頭市・勝新が、「天皇・黒澤明」の言いなりになるはずもないのは自明の理である。(だが、やはり『影武者』降板は惜しいの一言であるが…)

勅使河原宏監督と出会い、その映画製作法に衝撃を受け、以後ジャズのアドリブのように自由気ままに映像を撮り続けて行く天才。「神が降りて来た」時はそれでもよかったが、身を削りながら苦悩した天才が次第に疲弊していく姿は読んでいて辛い。この本ではあまり触れられていないが、薬物に手を染めてしまったのもそのせいかも知れない。

天才・勝新は、自分のキャラを自分で作り上げた。それは大映時代のスター市川雷蔵への強烈なコンプレックスの裏返し。奥村利夫(本名)は、その役者「勝新太郎」を一生演じ続けたのだろう。

長唄三味線の名家に生まれ、裏方からスポットライトを浴びる舞台に憧れた一人の天才演者。勝新太郎という役者は「男の花道」にこだわり、(その花道を)歩きすぎたのかも知れない…。読み終わってそんな感想を持った。

『天才 勝新太郎』 春日太一著 (文春文庫 2010年1月20日発売)

18-Feb-10-Thu by nobu

2010-02-17

『プリンセスと魔法のキス』 The Princess and the Frog

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旧正月(Chinese New Year)のお休みの最終日(2010年2月16日)。小6の娘と公開されたばかりの映画『プリンセスと魔法のキス』"The Princess and the Frog" へ行った。

ぼくらは英語版へ行ったので(香港では広東語吹替版もある)、劇場内は白人の子供がいっぱい。まるでアメリカの小学校へでも来たみたいだ(笑)。映画を観る前に劇場近くの"Dan Ryan's Chicago Grill" でハンバーガーとチリビーンズをパクついたのだが、そこも子供がいっぱいだった。たぶんそこにいた子供たちがそのままこっちへ来たのだろう。映画が始まってもみんな喋る喋る(笑)。それにぼくらの後ろの席に座った黒人男性は大声で笑う笑う。その男性が笑うたびにつられてうちの娘も大笑いしてた(笑)。そんな楽しい雰囲気での映画鑑賞とあいなったのだ。

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ディズニーのアニメはこのところ、CGや3Dが多いが、これは2Dの純然たるアニメである。アメリカでは今年(2010年)のアカデミー賞アニメ部門にノミネートされていることもあり、期待していたがそれ以上に素晴らしい出来であった。

思えば我が家で最後に観に行ったディズニーアニメは『ブラザー・ベア』('03)だった。この『〜ベア』は、たしかディズニー(手描き)アニメ最後の作品と宣伝されていたように思うのだが…?(←今後は2Dは作らないとのことで) なので、『〜ベア』の出来がイマイチでも、「仕方ねえな」とあきらめたのを覚えている。だが、今回ピクサー出身のジョン・ラセターが製作総指揮についたこの映画『プリンセスと魔法のキス』は、ディズニーアニメの新たな傑作として記憶されるだろう逸品であったのだ。

カエルにされた王子様が、お姫様にキスをされると人間に戻るという昔からあるおとぎ話を、現代風に作り上げたこのプロットが面白い。貧しいが働き者の黒人ウェイトレス、ティアナ(アニカ・ノニ・ローズ)。彼女の前に現れた遊び人の王子ナヴィーン(ブルーノ・カンボス)。ブードゥー教の魔術師にカエルにされてしまっていた王子は、仮装しお姫様の格好をしたティアナを本当の姫だと思い、キスをして自分を人間の姿に戻してくれと頼む。「一度だけよ」とキスをしたティアナは、なんと自分もカエルになってしまうのだった……。

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1920年代のニューオリンズを舞台にしているだけあり、ジャズっぽい曲をいっぱいちりばめ、なんとも楽しいミュージカルになっている。トランペットを吹くワニの役名がルイというのは、ルイ・アームストロングからというのもあきらかだろう。音楽のランディ・ニューマンはオリジナルソングでアカデミー賞ノミネート。

物語もいいし、アニメも美しい、歌もいいし、ユーモアもいっぱい。それに主人公のティアナが、親思いで、自分のレストランを開きたいという夢を持っており、そのためにスゴーくよく働くところも子供に見せるには良いと思う。甘やかされて育った放蕩息子の王子がティアナに出会ってから働くことに目覚めるのも道徳的で良し。

日本では2010年3月6日公開だが、これは子供のみならず大人のカップルでも充分楽しめる映画です。うちの娘もとっても満足してた。ハンバーガーも映画も「お腹いっぱい」な夜だったとさ(笑)

The Princess and the Frog (2009)

Directed by Ron Clements & John Musker
97 mins

17-Feb-10-Wed by nobu

プリンセスと魔法のキス
サントラ
B0031QYEA2

2010-02-16

『抱擁のかけら』 Broken Embraces / Los abrazos rotos ペドロ・アルモドバル

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スペインのペドロ・アルモドバル監督×ペネロペ・クルスの新作映画『抱擁のかけら』 "Broken Embraces / Los abrazos rotos"が香港でも公開になったので行って来た。(2010年2月4日から)

ぼくはアルモドバル監督のファンと云う訳でもない。前作『ボルベール/帰郷』を香港へ来てから観ただけである。語られる映画の先にある冷たい視線と、その抜群の色彩感覚は凄いな、と感心したのを覚えているくらいだ。

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今回この『抱擁のかけら』を観に行こうと思ったのは、ひとえにペネロペ・クルスが美しかったからに他ならない。予告編を見て、赤いドレスを着た彼女や、海辺で男の背中にしがみつく姿があまりに美しくて、観てみたいと思ったわけだ。

彼女は、現代のソフィア・ローレンになったね。演技もうまいし、オンナとしても官能的でたいそう魅力的だ。

アルモドバル監督の「芸術」の中にそんなものを求めるのは映画の見方が違うと云われるかも知れないが、この映画のペネロペはイイオンナなんだからしょうがない(笑)。

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映画は、正直面白かった。今や巨匠となったアルモドバル監督作品となると、難解なものを想像するかも知れないが、これはストーリーを追っていくと「なるほどね」とわかる展開になっており、最後まで飽きさせないで見せる手腕はサスガだ。

主人公は失明した映画監督(ルイス・オマール)である。映画内映画もあり、映画を愛する人間から見ると「嫌いになれない映画」である。人を愛することの美しさ。人間の痛みと癒しを「映画」を使ってみせてくれるアルモドバルの、そのテクニックは心憎いばかりだ。

大会社の総帥である老いた男(ホセ・ルイス・ゴメス)。秘書のペネロペを愛人にし、何不自由なく暮らさせていると思っていたが、彼女は映画に出たいと言い出す。そしてある映画の主役に抜擢され、その監督と愛し合うようになる。嫉妬に狂う総帥。老いた男の嫉妬は、もはや「恐怖心」に近い。若い愛人が自分から去って行くのが怖いのだ。そのために起きてしまう悲劇…。

映像は相変わらず美しい。ヴィヴィッドな色の使い方はこの映画でも健在である。このセンスの良さは世界中にファンが多いのもうなずける。

アルモドバル監督のベスト・ワークとはいえないかも知れないが、大人の鑑賞に堪えうる上出来の映画ではなかろうか。

日本でも2010年2月6日から公開中。

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Los abrazos rotos (2009)

Directed by Pedro Almodovar
128 mins

16-Feb-10-Tue by nobu

2010-02-14

『17歳の肖像』 An Education

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久しぶりに余韻が残るイイ映画に出会った。『17歳の肖像』"An Education" である。じつは2週間ほど前に観たのだが、今でも思い出すと心が少しキュンとする。

名作というのは、面白いとか感動があると同時に心にいつまでも残るものである。『ローマの休日』しかり『シェルブールの雨傘』しかり。

若い時にこの映画に出会えたら、きっと「心の宝物」になるかも知れない。そんな映画である。

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時代は1961年。主人公ジェニー(キャリー・マリガン)はイギリスの高校生。ロンドン郊外に住む、まだ16歳の女子。勉強はすこぶる出来て、学校からはオックスフォード大学へ行けといわれている。フランスの文学、音楽、映画にハマってて、イギリスの文化はそれより格下だと(生意気に)思ってる。

チェロを学校でひいている彼女は、ある日、学校の帰りがけ雨に打たれながらバス停で待っていると、30〜40代くらいの男の車から「乗りませんか」と声をかけられる。

「知らない人の車には乗れません」と断ると、

「ぼくは音楽を愛している。だからそのチェロが濡れるのが心配なんだ。チェロだけ車に乗せたらどうですか?」

それがデイビッド(ピーター・サースガード)との出会いだった。

自分よりたいそう年上の彼は、勉強に厳しい家庭のジェニーからは魅力的に映った。裕福な彼の友人カップルにも紹介してもらい、一緒にクラシックのコンサートへ行き、ジャズが流れるクラブへも連れて行ってくれた。

両親の信用も得たデイビッドは、自分が憧れてたパリへも連れて行ってくれるという。

彼女の人生はとたんに光り輝くものに見えた。勉強なんかしなくても、オトナの彼らとの文化的で素敵な時間を過ごすことの方が貴重なこと、と若い彼女は思ってしまうのだが……

原題が"An Education"(教育)というストレートなものだが、彼女が学んでいくものは学校では教えてくれないモノ。「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」と云うが、ぼくは時々そんな賢者こそモノを知らないし、人の気持ちに鈍感だと思っている。

この映画のジェニーも、優等生で世界が狭かった自分が、経験によって学び、そして(すこし)大人になっていくのである。

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主演のキャリー・マリガンは、最初は「老けた16歳やな(笑)」と思ってたが、段々かわいく見えてくる。今年(2010年)のアカデミー賞やイギリス・アカデミー賞(BAFTA)で主演女優賞にノミネートされている。相手役のピーター・サースガードは中年紳士を好演。彼は声もいいから、声フェチには喜ばれる?かも。

考えたら、去年主演女優賞を総なめにしたケイト・ウィンスレットは、『愛を読む人』で若い男(童貞)を食っちゃうおばさん役だった。今年は、中年の男に処女をあげる娘役が主演女優賞候補というのも面白いね。

アカデミー賞及びイギリス・アカデミー賞でも作品賞・脚色賞でノミネートされている。おそらくイギリスの方は何か賞をもらえるとぼくは勝手に思ってる(笑)。

原作は、イギリスのジャーナリスト、リン・バーバーの自叙伝。監督は、デンマークの女性監督ロネ・シェルフィグ(『幸せになるためのイタリア語講座』)。撮影がとってもよくって(ジョン・デ・ボーマン)映像を見てるだけで幸せになれる。

それから、時代設定が1960年代前半なので、若者が主人公の映画なのだが、英語がキレイなのもイイ。(Fuxxingなんて言わないのだ・笑)

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日本では2010年4月17日から公開である。それにしても『17歳の肖像』って題名がイメージ合わねえなぁ、と思ってたんだけど、香港の題名は『少女失楽園』だった!(笑)。こっちの方が、なんじゃこれ?AVみたいじゃん(笑)と思い、日本の題名はこれでエエと思った次第。

ともかく(特に女性に)おすすめの映画。きっと心に残ると思います。映画館でぜひ。

An Education (2009)

Directed by Lone Scherfig
95 mins

14-Feb-10-Sun by nobu

2010-02-12

ジャッキー・チュン/プライベート・コーナー [CD] JACKY CHEUNG 張學友/ Private Corner

Private Corner (台湾盤)

今年(2010年)の旧正月(Chinese New Year)は 2月14日(日)から。香港でも13日から16日までお休みである。それを記念して(?)香港製のジャズ・アルバムを紹介しよう。

そのCDとは、1月29日に発売になったばかりのジャッキー・チュン(張學友)のアルバム「Private Corner」である。

ぼくは中環(Central)にあるHMVのジャズ・コーナーでこれを見つけて買ってみた。で、聴いたらこれが意外に(?・笑)良いのだ。

ジャッキー・チュンといえば、ぼくのような映画好きには俳優として馴染みが深いのだが、彼の歌のうまさは香港では定評があり、今回初めてジャズに挑戦したのだと、これを買う時にHMVの(無愛想な)店員から聞いた。

殆どの歌詞が広東語なので、なにを歌ってるのかさっぱりわからんちん(笑)だが、歌がうまくてアレンジもちゃんとしてるので、アルバムを通して聴いても飽きないし、昔のジャズのテイストも味わえてなかなかの出来なのだ。

YouTubeにあったので、アップするが、この1曲目の「迷你」は、なんてムーディな曲だろうと思ったのだが、それもそのはず、作曲はボビー・コールドウェルなのである。

ジャッキー・チュンの映画と云えば、昨年(2009年)ウォン・カーウァイ(王家衛)監督の1994年作品『楽園の瑕』の再編集版である「終極版」が香港で公開され、その前は中国製の珍しいミュージカルといえる『ウインター・ソング』('05)にも出てたな。

香港在住で興味のある方は、CD屋さんで視聴してみたらどうかと思う。
香港のHMVのサイトでもちょっと聴けるみたいなので載せておくし。

http://www.hmv.com.hk/product/canto.asp?sku=784135

日本のAmazonでも台湾盤は買えるようだ。

B0037OUYXE Private Corner (台湾盤)
張學友 ジャッキー・チュン
環球  2010-01-29

by G-Tools

ぼくがいつの日か日本へ帰国した時に、出して聴いては香港を懐かしく思うアルバムになるかも?なんて思っている。

Jacky Chueng 張學友 Private Corner

12-Feb-10-Fri by nobu

2010-02-10

『卒業』 THE GRADUATE (TVB Pearl)

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昨日の『ローマの休日』に引き続き、香港の地上波Pearlで映画『卒業』を観た(2010年2月9日放送)。フランスの化粧品会社ランコム(LANCOME)創業75周年特番「Season of Love」の恋愛映画連続放映の2日目である。

『卒業』"The Graduate"は1967年のアメリカン・ニューシネマを代表する一本として知られ、今やムービー・クラシックとなっている逸品。

ぼくも青春時代何度も観た恋愛映画の傑作である。初めて女の子と二人で観に行ったのがリバイバル上映されていたこの『卒業』だった。初めてで「卒業」とはこれいかに?と今にしてみると思うが(笑)

大好きな彼女を教会の結婚式の場から連れ去るラストシーンのさわやかさは、ペパーミントガムのように甘くて清々しい。観た後に「よかったね」と語れる恋愛映画の名作だ……と思っていた。昨日までは(笑)

17歳の頃の自分の目から見るとそういう感想を持つのは当たり前だろうし、それが若さの強みでもある。しかし、アラゴーになり、息子も娘もいる今の自分の目線で見ると、いささか印象が異なるのだ。

(以下ネタバレあり)

前半、大学を優秀な成績で卒業したベン(ダスティン・ホフマン)は、パーティの帰りがけ、送って行った親の友人ロビンソン夫人(アン・バンクロフト)に誘惑される。童貞のベン君はドキドキで対応するが、旦那の帰宅であえなくお流れに。その後、今度はベン君がホテルからロビンソン夫人を、電話でこれまたドキドキしながら誘い、やっと思いを果たすことができる。ここまでのベン君のおどおどしながらも、魅力的な中年女性と、したいヤリたい入れたい気持ちを映像で表現しているところは今観ても面白い。

ロビンソン夫人がタバコを吸い込んだときに、歯をみがいて部屋で待ってたベン君が咳払いをしてキスをせまり、キスの後ロビンソン夫人が煙を吐き出すシーンは、手慣れたオンナと童貞君のかわいさを数秒で表した名場面である。

だが、後半、ロビンソン夫人の一人娘エレン(ダイアナ・ロス)が登場してから、様相が変わる。大学の休暇で帰って来たエレンと無理矢理デートさせられたベン君は、彼女に不快な思いをさせて嫌われようとストリップなんかへ連れていく。そこで彼女の涙を見てから、ベン君は「彼女を好きだ」と思い知る。エレンに母親との関係がバレて、エレンに去られてからも彼女を追っかけるベン君。

一途な恋心といえばキレイだが、ストーカー被害の多い現代、ベン君のとった行動(振られたから追っかける)はストーカーそのままに映る。彼女の通ってる大学近くにアパートを借り、日々あとを追う。モラトリアムの彼は仕事もしてないのに、赤いスポーツカーを乗り回しこんなことしててええのか?と思う(笑)。

それにエレンは、自分のお母さんとヤッた男をそんなに簡単に許せるのか? ぼくは男だからわからないが、精神的に相当ショックだと思うのだけれど。
どんなに困難だろうが、結婚式場まで来て強引に連れ去ってくれる男、そんな男に女性は弱いのであろうが、エレンの気持ちは、ぼくにはよくわからない心理だ。

ベン君の自立は、まずオンナからだったのだ。男の子から男になって、自分は大人になったと思っちゃったのだ。初めて親に逆らったわがままな行動(エレンの両親にも)をしたことが自分自身の殻を破る、つまり「卒業」だった(一皮ムケちゃった)ってわけなんだろう。

若気の至りとはいえ、彼らのとった行動(大人への反抗)は、60年代後半のアメリカがベトナム戦争で疲弊していた時代には、観客席の若者からは拍手喝采であったのだろう。だが、もし現代にこの映画が公開されていたらその評価も(上に書いたように)違ったものになっていたろうと想像する。

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ラスト、教会から出たベン君とエレンちゃんはバスに飛び乗り後部座席に座る。二人は、キスをするでもなく、微笑み合うでもなく、正面を見つめながらやがて真顔になる。17歳のぼくはその意味がわからなかったが、彼らの心境(やったぜ!けど、これからが大変だな…とかの複雑な気持ち)が今回よく理解できた。ここの二人の表情がこの映画を、その辺の恋愛映画とは違う「深い」ものにしている。

それにしても……この映画で一番不幸なのは、旦那のロビンソンさんである。かわいがってたベン君に、奥さんもヤラれて、娘も略奪されて、散々だわな。彼のその後の人生を思うとしのびない… (笑)。

やっぱ、これは映画史に残る「親子どんぶり」の映画だったのだな、と今回改めて思いましたとさ(笑)。こんなのに初デートで行った俺って… 若気の至りでした(苦笑)

The Graduate (1967)

Directed by Mike Nichols

10-Feb-10-Wed by nobu

卒業 [Blu-ray]
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卒業-オリジナル・サウンドトラック
サイモン&ガーファンクル
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2010-02-09

『ローマの休日』 Roman Holiday (TVB Pearl)

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今週(2010年2月8日~)の香港の地上波Pearlでは、バレンタインデーがあるためか、スポンサーの化粧品メーカー、ランコム(LANCOME) 75周年記念番組として、毎夜恋愛映画を放送している。

ラインナップは、『ローマの休日』"Roman Holiday"('53)、『卒業』"The Graduate"('67)、『愛と哀しみの果て』"Out of Africa"('85)、『プリティ・ウーマン』"Pretty Woman"('90)、『恋人はゴースト』"Just Like Heaven"('05)、『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月』"Bridget Jones The Edge of Reason"('04)、『プリティ・プリンセス2 ロイヤル・ウェディング』"Princess Diaries 2 Royal Engagement"('04)と続く。

昨夜(2月8日・月)9時半から、たまたま観た『ローマの休日』であったが、またまたオードリー・ヘプバーンにみとれてしまった。

ウィリアム・ワイラーの不朽の名作だが、初主演したオードリーの美しさ、かわいさは絶品である(アカデミー主演女優賞受賞)。今回久しぶりに観て、主演の二人が良いからこの映画が名作たりえてると改めて思った。

オードリーだから架空の国のお姫様といわれても違和感がない、それどころか、この夢物語がリアリティを持つ。そして、相手役のグレゴリー・ペック。特ダネ狙いの安い新聞記者役だが、ラスト、誠実な男として描かれても彼だからこそ、このキャラが成り立つのだ。

現在のように膨大な製作費を出さなくても、脚本の良さ、演出の良さでこれだけ面白い映画が作れるのだ。女の子の誰もが好きな「シンデレラ・ストーリー」(貧しい娘がお姫様になる)の逆ヴァージョンのこの物語(たった一日の切ない恋)が今でも宝石のような輝きを保つのは、一流のスタッフ・キャストが集結したということだけではなく、白黒映画だったからというのもあると思う。白黒だとクラシック感もあるし、それだけで「これは夢物語」と見る側が意識できるのだ。

1953年のこの映画。ぼくは、70年代にテレビで初めて観た。確か「ゴールデン洋画劇場」だった。その時の吹替版でDVDが発売になった時は、即買いだった。

当時どのオードリーの映画もアテていた池田昌子さん。そしてグレゴリー・ペックは「ジェット・ストリーム」の城達也さん。この最強の吹替えは、この映画の持つ「品格」を決して損なわない。

ローマの休日 製作50周年記念 デジタル・ニューマスター版 [DVD]
ローマの休日 製作50周年記念 デジタル・ニューマスター版 [DVD]

ローマに行った時、ぼくもジェラート食べて、真実の口で手が抜けないフリをして遊んだっけ。

ぼくの田舎の親友Yちゃんは、中学の頃、この吹替えのテレビ放映をテープに録音し、何度も何度も聞いて、ラストの「新聞記者の皆さんです」のトコロ(「シカゴデイリーニュースのヒッチコックです……アメリカン・ニュース・サービスのジョー・ブラッドレーです」)を声マネしていた。それがわかるのは学校中で俺だけ(笑)。けったいな思い出である。

昨夜一緒に観てたカノジョが、オードリーのことを何度も(なぜか)ジュリア・ロバーツと言い間違えて二人で笑った。これも新たな『ローマの休日』の想い出である。名作は何度観ても飽きない。

Roman Holiday (1953)

Directed by William Wyler

09-Feb-10-Tue by nobu

2010-02-08

『ザ・メン・フー・ステア・アット・ゴーツ(原題)』 The Men who Stare at Goats

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ジョージ・クルーニー主演の映画『ザ・メン・フー・ステア・アット・ゴーツ(原題)』"The Men who Stare at Goats"が香港でも2010年1月14日から公開になってたので行って来た。

この映画、原題を訳すと「ヤギを見つめる男たち」というのだ。なんのこっちゃ?と思うが、実際にジョージ・クルーニーたちがヤギ(山羊)を見つめる映画なのだ(←なおわからん?)。ヤギをじーっと見つめてると、ヤギがバタンと死んじゃうのである。これは実際にあったというのだが、アメリカ軍の中ではこういう「スーパーパワー(超能力)」を使って人を倒そうという計画があったのだ。

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この映画の原作は、イギリス人の記者が書いたノンフィクション。ユアン・マクレガー扮する記者は、かみさんを寝取られてヤケになり、イラク戦争の従軍記者となる。そこで一人の軍人、ジョージ・クルーニーに出会う。そして記者は、軍人から奇妙な作戦のことを教えられる。

「お前は”ジェダイ作戦”を知ってるか?」クルーニー扮する軍人は真顔でそう聞く。「ジェダイ作戦」とは、アメリカ軍が国家予算で真面目に行っていた超能力を使った作戦なのである。

ユアン・マクレガーは、『スター・ウォーズ』で、オビ・ワン・ケノビを演じた人物である。そのマクレガーの方が”フォース”を使えるハズなのにな?「これってセルフ・パロディか?」と画面を見ながら思わされた(笑)が、その説明によると、ベトナム戦争で生死をさまよった一人の軍人が「目覚め」てから超能力を使えるようになり、アメリカ軍はそれを使うため人間を集め、実地で訓練を行っていたというのだ。

クルーニーはその中でもエリート中のエリートだった男。彼はこれから機密の指令を受け砂漠へと旅立つ。マクレガーは彼と行動を共にすることになるのだが…、というお話。

超能力の教官は、60年代らしくヒッピーで長髪で、”Love and Peace”の理想を掲げている。およそ軍人らしからぬ人物である。訓練も、サイケな部屋で、自分自身を自由にするために踊ったりとまるで新興宗教の洗脳活動である。チン○○でやかんを上げたりもして、もはや何の訓練だかわからぬコトになっていくのだ(笑)

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製作陣は、本当にあった「信じがたい話」としてコメディになり得ると思ったのだろう。アメリカ軍がくそ真面目にこんなことをしていた、というアイデアは面白いのだが、残念ながらストーリーが面白くなく、出演者が豪華なんだけどもったいない作品になってしまっている。

ジョージ・クルーニー自身のプロダクションで製作した本作。なので、マクレガーはじめ、教官役にジェフ・ブリッジズ、クルーニーの同期生にケヴィン・スペイシーや、最近『アバター』で強くて悪い軍人を演じたステファン・ラングとホントに芸達者なキャストである。

ジョージ・クルーニーは、ジェフ・ブリッジズとも仲がいいのだろう。なので、『マイレージ・マイライフ』で今年こそオスカー主演男優賞確実と云われながら、ゴールデングローブ賞はじめ、次々とブリッジズにもっていかれて(2010年2月現在)内心どんなふうに思ってるかな?と思う。なんかかわいそうになるな。オスカーだけはクルーニーにあげたいと思うのはぼくだけだろうか?(笑)

作品の出来からいうと、日本ではこの映画は公開されるかどうかわからない。もし公開されるとしたら、映画のように「壁抜け」(壁を人間が走り抜ける)ができたようなものと思うけれど(笑)

The Men who Stare at Goats (2009)

Directed by Grant Heslov
94 mins

08-Feb-10-Mon by nobu

2010-02-07

衛星劇場「私の寅さん」 My memories of TORASAN

第5作 男はつらいよ 望郷篇 HDリマスター [DVD]

CS放送の衛星劇場にて放送中の「私の寅さん」。女優・長山藍子編を、娯楽映画研究家の佐藤利明さんが送ってくれたので楽しませてもらった。

この番組は『男はつらいよ』の制作に携わった人々が、現場での思い出やエピソードを語る30分番組。キャストのみならずスタッフの人々にもインタビューするものだが、毎回中身の濃い会話で楽しめる番組である。

インタビューするのは、佐藤利明氏で、スタッフ・キャストの方々が「なんで(そんなことまで)知ってるの?」と驚くほどその知識と下調べが凄いので、出演する方々がかつて話したことがないエピソードを語るのが、この番組の見どころなのだ。

松竹映画『男はつらいよ』は、昭和の日本映画を代表するヒット・シリーズだが、映画になる前はTVシリーズだったのである。フジテレビで放送され、大好評をとったが、最終回で寅さんが奄美大島でハブにかまれて死んでしまうという終わりかたに、テレビ局の電話は抗議で鳴りっぱなしになったという。その後、山田洋次監督はこれを映画化することを決意したのだ。

長山藍子さんは、そのテレビ版で寅さんの妹・さくら役を務めた。この日はクリーム色(?)の素晴らしい着物に身をつつみインタビューに答えていた。

長山さんは、テレビ時代に、みんなに愛されている寅さんが死んでしまう設定を聞いた時に山田監督に抗議をした。その後、映画で寅さんが蘇ると聞き嬉しかったという。映画版では、第5作「男はつらいよ 望郷篇」のマドンナとして出演した。そのときの設定では浦安の豆腐屋の娘に扮したが、その豆腐屋の家族の出演者はテレビ版と同じに山田監督はキャスティングしたのだと。

この番組「私の寅さん」はこれまでも、倍賞千恵子さん、前田吟さん、佐藤蛾次郎さんなどにインタビューしているが、スペシャルとして放送された山田洋次監督の90分ロングインタビューの回は圧巻だった。

山田監督が後半は椅子から足を伸ばして、リラックスしてインタビューに答える。おそらく聞き手の佐藤氏がこれまでに培った監督との信頼関係があったからこそと思うが、かつて聞いたこともないような言葉が山田監督の口からポンポン飛び出す。

渥美清さんを尊敬し、彼に褒めてもらえる映画を今も作り続けていると語り、初代のおいちゃん役・森川信さんの評価が低いことを嘆き、リリー(浅丘ルリ子)と寅は最終作で「同棲していた」と表現し、「さくらたちもそれを望んでいたでしょう」と答える。

寅とさくらの強い絆について、「(男にとって)セックス抜きで愛せるのが妹だから」と語ったのはびっくりしたなぁ。

これはもう一冊の本にして残してほしい。あるいは、『男はつらいよ』シリーズがブルーレイになったら、ぜひこの「私の寅さん」を特典映像で収録してほしいと願っている。

『男はつらいよ』シリーズを続けて観ると、どの作品もいかに丁寧に撮られていたかがわかる。昭和の日本がここに「保存」されているのだ。映画史としても、昭和の大俳優、女優がことごとく出演している。これも歴史が「保存」されているといえよう。その舞台裏や、制作意図がわかるこの「私の寅さん」も貴重だ。

衛星劇場でご覧になれる人はぜひ。

衛星劇場:http://www.eigeki.com/eigeki/

07-Feb-10-Sun by nobu

「男はつらいよ HDリマスター版」復刻'寅んく' 40周年記念〔完全限定受注生産〕54枚組 [DVD]

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人生に、寅さんを。 ~『男はつらいよ』名言集~ キネマ旬報 2008年 9/15号 [雑誌] 男はつらいよ 寅次郎音楽旅~寅さんの“夢”“旅”“恋”“粋”~ 山田洋次×渥美清 TBS日曜劇場傑作選 4作品DVD-ボックス 男はつらいよ パーフェクト・ガイド ~寅次郎 全部見せます (教養・文化シリーズ)
by G-Tools

2010-02-04

グラミー賞 2010 マイケル・ジャクソン・トリビュート Grammys 2010 Michael Jackson Tribute - 3D

今年2010年のグラミー賞授賞式では、マイケル・ジャクソン・トリビュートがあったのだが、ぼくはすっかり忘れてしまってて録画はおろか、中継も見ずじまいだったのだ。

けど、今はYouTubeという文明の利器がある。これでマイケル・トリビュートを見ることができた。

「ウイ・アー・ザ・ワールド」を一緒に作ったライオネル・リッチーが壇上で「アース・ソング」を紹介する。ここだけは3D画面になるという。映画『This Is It』でも出て来た、コンサートの中で使ったアースソングの新たなセグメントである。会場では、ビヨンセ(←キレイだねぇ)も3Dメガネをかけている。

舞台でマイケルにあわせて歌うのは、スモーキー・ロビンソン、ジェニファー・ハドソン、キャリー・アンダーウッド、アッシャー、セリーヌ・ディオン。

その後、マイケルにライフ・アチーブメントが送られた。受け取るのは、長男プリンス君と長女パリスちゃんだ。プリンス君は、「父は生前、地球の環境問題を真剣に考え、チャリティ活動にも積極的でした。これからはぼくたちが父のメッセージ"LOVE"を伝えて行きます」と語る。まだ小さいのによく頑張ってると思う。

それにしても… 会場に来ていたクインシー・ジョーンズであるが、年をとって見た目がカウント・ベイシーみたいになっていたな(笑)

このビデオってメガネをかけたら3Dになるんだろうね。お試しあれ。

04-Feb-10-Thu by nobu

2010-02-02

AccuRadio for iPhone

AccuRadio というインターネットラジオをご存知か? ぼくはもうかれこれ5~6年前から聴いているのだが、これがiPhoneアプリで登場したのだ。

http://itunes.apple.com/app/id351425453

AccuRadioは、ロック、ジャズ、クラシック、ポップ、オールディーズ、カントリー、ラテンなどにジャンルわけされており、その中でまた枝わかれしているので、480以上のチャンネルを楽しむことが出来るインディペンデント・ラジオだ。

ラジオといっても音楽が流れるだけで、時々広告が入るのみ。その音楽もアルバム名、曲名、アーティスト名が画面に出て、それが気に入らなければスキップすることが出来る(もちろん広告も・笑)。

ぼくはパソコンを打つ時に、時々このAccuRadioをかけて聴きながらやっていたのだが、これからはiPhoneで聴けるのが嬉しい。

Odoru0202107

ぼくのお気に入りは SWINGIN' POP STANDARDS。ここではフランク・シナトラやナット・キング・コール、ジェイミー・カラム、ダニエル・クラールなど次々にかかる。飽きたらSMOOTH JAZZやACCU-BROADWAYなんかにチャンネルをかえればいいのである。

このAccuRadioのいいところは、嫌いなアーティストはオミットできること(笑)。最初にセッティングで、例えばマイケル・ブーブレを飛ばすと登録すると、永遠に彼の声は自分のパソコンやiPhoneからは聞こえてこないので、ストレスを感じなくてすむのであーる。

iPhoneアプリはもちろん無料。iPod Touchでも楽しめます。

パソコン版はこちらから↓こっちももちろんタダ。

http://www.accuradio.com/

02-Feb-10-Tue by nobu

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