映画 2009年

2009-11-09

『ディストリクト9』 DISTRICT 9

Odoru0811092 ピーター・ジャクソンが製作したSF映画『ディストリクト9』 "DISTRICT 9" である。香港では2009年10月1日に公開となった。

ぼくはこの映画を観たのは10月5日で、もう一ヶ月も前なんである(苦笑)。早くブログに書かなきゃと思ってたんだが、仕事と小六の娘のイベント続きで忙しくなかなか書けなかった。

じつはこの映画、すんごく面白かったのだ。なので、時間が出来た時にゆっくり書こうと思ってたらこーんなに時間が経ってしまったのだった。言い訳はいいから、早く書けって?かしこ、かしこまりました、かしこ。書いてみまっス

脚本・監督はピーター・ジャクソンの弟子、ニール・ブロムカンプ。南アフリカ出身のまだ30歳。今回が長編映画初監督である。

Odoru0811095 この映画『ディストリクト9』は、偽ドキュメンタリー(モキュメンタリー)形式で展開する。最近では、『クローバーフィールド/HAKAISHA』がそうだったが、一瞬本当にあったのか?と思わせるような作り方だ。

舞台は現代の南アフリカ、ヨハネスブルグ。ここに20数年前、宇宙船が降りてきて空中で漂っている映像が映る。人間が中へ潜入してみると、そこにはおびただしい数のエビに似た宇宙人が病気になり横たわっていた。難民と化した宇宙人を地上に降ろし、人間達はディストリクト9(第9地域)に隔離する。

宇宙人を管理する移民局の職員ウイカス(シャールト・コプレイ) は、手狭になった地域からの立ち退きを要求するためにディストリクト9に入る。そこで宇宙人たちと交渉をする最中、彼はあるバラック小屋で、不審なガスを吸ってしまう。それが元で、彼の手はだんだんエビのような宇宙人に変わってしまうのだった…。

Odoru0911096 ご承知の通り、南アフリカはかつて人種隔離政策(アパルトヘイト)があったところだ。おびただしい数のバラックを上空から映している場面は、その歴史的事実を思い出させる。題名はケープタウンに実際にあった、「ディストリクト6」からとられたのだろう。

この映画は、エンタテインメントとしての面白さはすんごくあるのだが、難民となった宇宙人は差別され、悪い奴らは彼らを利用するという現代世界に実際に起こっている人間の愚かさも描かれている。そこも面白い。

前半のちとシリアスな展開が、後半は、ロボコップや「エイリアン2」ばりのアクション映画となる。CGを駆使した映像も迫力があって楽しめた。

Odoru0811097 出演者も、南アフリカの俳優たちなので、なじみがなくって、なので余計シリアスな感じがするのだ。エビのようなエイリアン(実際セリフでこう呼ばれる)も、ちと気持ち悪いがCGでよく出来てる。

脚本にちょっと雑な点もあるが、全体として面白いプロットで、映画としては充分に楽しめる一品と思う。

アメリカでは批評家の評判も良く、大ヒットしたらしく、パート2も作られるやに聞いた。シリーズになれば、またコアはファンができる映画と思う。

日本ではいつ公開になるのか知らんけど、映画ファンは観といた方がいいでしょう。面白いよコレ。

(時間おいて、ゆっくり書いた割にたいした文章じゃなかったな。すまん、みんな。)

DISTRICT 9 (2009)

広東語名: D-9異形禁區

Directed by Neill Blomkamp
112 mins

08-Nov-09-Sun

(予告編 ↓)

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2009-11-05

『フェーム』 Fame (2009)

Odoru0511092 香港でも『フェーム』 "Fame"が公開になったので行く。『フェーム』といっても、アイリーン・キャラのじゃないよ。2009年製作のリメイク版なのだ。

1980年製作の『フェーム』は青春群像劇として圧倒的な若さとパワーを持ったアラン・パーカーの佳作である。「エンタテイメント・ウィークリー」誌ではベスト50ハイスクール・ミュージカルにも入っており、ロンドンで舞台化もされ、テレビ・シリーズもあった。
なので、『ハイスクール・ミュージカル』にハマった小六の娘も楽しめるかなと連れて行ってきたのだ。

映画は、ニューヨーク・ハイスクール・オブ・パフォーミング・アートのオーディション風景から始まり、ドラマ、ダンス、音楽クラスの生徒たちの4年間の学生生活をドキュメンタリー風に綴っていくという、80年版と同じような構成。

だが… これ… ちっとも面白くなかったよ。はぁ。アイリーン・キャラ版に遠く及ばない。見事な失敗作である。

Odoru0511095 小六の娘も何度もあくびをしていたし、観た後 感想聞いたら、

「面白くないし、暗い」と話し、寡黙になった。

そうなんである。80年版を知ってるものから見ると、くらーいのである。青春の苦悩を描くのはいいんだが、ほとばしるような若さや熱が全く感じられないのだ。

アイリーン・キャラのような魅力的なキャラもいないし、歌も飛び出さない。

それに、あの有名なランチタイムに、食堂で生徒たちが踊りだすシーンも高揚感に至る途中で終わってしまうという「ヘビの生殺し」状態で、観客は放置されるのだ。

生徒の家庭内の悩みもどうってことないし、恋愛話も「別に」って感じ…

Odoru0511096 演出も、出演者も、楽曲も、全てが盛り下がりっぱなしの約1時間40分だった。

監督のケヴィン・タンチャロエン(Kevin Tancharoen)は、マドンナの振付やブリトニー・スピアーズのビデオを撮ったりした人で、今回が映画初演出だと。なので、80年版『フェーム』をなぞってはいるが、盛り上げ方を知らなかったんだろうなぁ。

出演者も、これでオーディション通ったの?って面々である。それに4年たってもあまり成長したように見えないのも、なんだかなぁ…、である。(劇中のバック・ダンサーとかの方がウマイ感じがするんだもの・笑)

ひょっとしたら、若い人には人気がある出演者なのかも知れないけど、ぼくには魅力はなかったなぁ。出演は(日本語に訳すの面倒なので、英語のまま記します。やる気ないね・笑) Naturi Naughton, Collins Pennie, Kay Panabaker, Asher Book, Kherington Payne, Walter Perez, Anna Maria Perez de Taglé, Paul Iacono, Kristy Flores, Paul McGill, Debbie Allen, Kelsey Grammer, Charles S. Dutton, Megan Mullally など。

Odoru0511097 最後のあたりで、先生と一緒に生徒たちがカラオケ行くのだが、このシーンなんかも、先日観た『(500日)のサマー』のカラオケ・シーンの方が盛り上がってたし(笑)

80年版『フェーム』の曲もオープニングに一瞬かかるだけで、後はない。曲だけでも昔のを聞きたかったなぁ、って感じ。(音楽:マーク・アイシャム)

これは「フェーム fame」(名声)じゃなくて、「フェイル fail」(失敗)だな(笑)

日本では公開されるかどうか知らんが、あんまオススメしまへんなぁ。中学生くらいの若者なら面白いと思うのかも知れないが、これを観に行くなら80年版をDVDで(もう一度)観た方がよっぽどイイと思いマスオさん。

(香港では2009年10月1日から公開となったが、もう終わりそうである。てなことで)

Fame (2009)

Directed by Kevin Tancharoen
117 mins

04-Nov-09-Wed

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2009-11-03

『ホワットエバー・ワークス(原題)』 WHATEVER WORKS ウディ・アレン

Odoru0311092 小六の娘の秋のイベントも一息つき、大変だったお父さんに自分で何かご褒美を、なんて思ってたら タイミングよく大好きな映画作家の一人、ウディ・アレンの新作がかかっていたので喜んで行った。『ホワットエバー・ワークス』"WHATEVER WORKS"って、なんのこっちゃ?と思いつつ相変わらずのアレンのシニカルな喜劇を楽しんで来た。

アレンが久しぶりにニューヨークへ戻り撮った作品である。前4作はヨーロッパで撮影されたもの(ロンドンで3本、バルセロナで1本)だが、今回はオープニングのとあるオープンカフェでの初老の男達の会話からニューヨークだ。アレンのファンにはそれだけでなんか嬉しくなってしまう。その会話の最中、主人公のボリス・イェリンコフ(ラリー・デビッド)は、映画館へ金を払って観に来てくれた観客に向けて突然語りだすのである。この辺もアレン・タッチでいいじゃないか。

Odoru0311096 主人公のボリスは、60歳くらいの神経症的な男。妻とのハイソな生活が突然いやになり、マンションの窓から飛び降りてしまい、今は足を引きずって歩く身体になってしまっている。当然妻とは離婚し、今はチャイナタウン近くのアパートで、子供にチェスを教えたりしながら生活している。ある日、アパートに帰りがけ、階段の下にうずくまってる若い娘メロディー(エヴァン・レイチェル・ウッド)に「食べ物を恵んでください」と声をかけられる。彼女は南部から家を飛び出してきた21歳の田舎娘。クリスチャンの家庭で育てられ、世間知らずでウルトラ・ウブな彼女は、ボリスの家で生活を共にするうち、彼と結婚したいと言い出す。ここから、メロディーの母(パトリシア・クラークソン)や、離婚した父(エド・ペグリー・JR)がボリスの家を探し当て、娘を連れ戻そうとやって来るのだが… というお話。

ラリー・デビッド扮する主人公は、メガネで髪が薄くって、本当ならアレンが演じるところかな?と思っていたが、この脚本は今から30年くらい前にアレンがゼロ・モステルのために書いたものなんだと。設定だけ現代に変え、後は殆ど変更しないで撮影されたという。(なので、チャイナ・タウンを始め、ユニクロまで出てくる。その辺も面白い)

Odoru0311095 主人公ボリスは、ラリー・デビッドが演じたために、アレンがやるよりはソフトな感じになったのではと思う。他の役者もエヴァン・レイチェル・ウッド(『アクロス・ザ・ユニバース』『レスラー』)以外は、あまり知名度が高いとはいえないが(毎度アレン映画は)うまい役者をそろえてるので安心して観ていられる。

メロディーの名前をメラニーと間違えて、「それは『風と共に去りぬ』じゃん」と云われたり、フレッド・アステアの映画を夜テレビで観て解説したり、音楽の好みが違ったりと老人と若者のギャップも会話の中にあり面白い。

アレンは、『マンハッタン』('79)でも、劇中若ーいマーゴ・ヘミングウェイと恋をするし、実生活でもミア・ファローの養子と一緒になったりと、ちょっとロリ入ってるのかな?(笑)

ボリスの友人たちとメロディーの母の関係やら、メロディーと若い役者との恋やら、色んなことが起きるが、何がどんな風に働いたとしても(WHATEVER WORKS)、結果こんなもんだよな、っていうアレンのいつもながらの皮肉。

主役も地味で、他の出演者も地味となると日本での公開はどうだろうね。イアン・マクレガーとコリン・ファレルが共演した『カサンドラズ・ドリーム(原題)』('07)でさえ公開されないんだからな。(『カサンドラ〜』ぼくのレビュー↓)
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/cassandras_drea_4bec.html
香港へ来て嬉しいのは、日本ではウディ・アレンの映画は単館で、しかも気取ったトコでしかやんないのだが、香港ではその辺の劇場にかかることである。気楽に観に行けるのは、ファンとしては、なんか贅沢を感じるね(笑)

Odoru0311098 ウディ・アレンというと、『アニー・ホール』('77)でアカデミー賞を受賞した時も、授賞式に出席せず、ニューヨークのクラブでクラリネットを演奏していたというカッコいい話が残っているが、現在でも彼の演奏は続いているのだと。

ニューヨークのホテル・カーライルで、毎週月曜の夜 8:45から "WOODY ALLEN & THE EDDY DAVIS NEW ORLEANS JAZZ BAND"のライヴが楽しめる。(2009年12月7日まで)
http://www.thecarlyle.com/entertainment.cfm

いつか彼のクラリネットを生で聴いてみたいな、と思う今日この頃である。

(香港では2009年10月15日から公開中)

Whatever Works (2009)

Written and Directed by Woody Allen
92 mins

03-Nov-09-Tue

(予告編 ↓ 香港版)

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2009-11-01

2度目の『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』 Michael Jackson's THIS IS IT (Second Time)

Odoru0111096 てなことで、小六の娘と日曜日(2009年11月1日)の午後、2度目の『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』を楽しんで来た。ぼくは初日に既に観ていたが、娘は初めてだったので楽しみにしていたのだ。

Hong Kong Recordsで買った "KING OF POP London O2 2009" と書いてある真っ赤なTシャツ着て、劇場へ行く車の中で"THIS IS IT"のサントラかけて、マイコー・モード全開で、ポップコーンとコーラを手に席についた。

いやぁ、2回目でもやっぱ良かったよ。これはマイケルが亡くなる数日前まで撮られたロンドン O2 Arena でのリハーサル映像なのだが、劇場の大画面で観ているとコンサートでマイケルを観ているような錯覚を受ける。ラストのマイケルのストップ・モーションでは2度目でも涙が出そうになった。

コメントでnohachanさんも書かれていたが、この映画は、エンド・クレジットの後にマイケルの映像がまた(ちょこっと)ある。だから映画が終わっても席を立たない方がいい。"Heal the World"メッセージもあり、この映画はマイケルの残した子供たちに捧げられたことも記される(サントラCDにも同じ事が書いてある)。

改めて素晴らしいドキュメンタリーで、来年のアカデミー賞のドキュメンタリー部門でノミネートされないとウソだと思う。
日本では、大ヒットを受けて、2週間の限定公開を延長するとの記事も読んだ。

(『Michael Jackson's This Is It』 予告編 ↓)

小六の娘も、「カッコよかったぁー」と満足していた。あんな凄い才能のある人が亡くなるなんて、「心にぽっかり穴が空いたような気分になるねぇ…」と殊勝な事を云う。なので、

父親「いやぁ、今から思うと、マイケルのコンサートを一度でも生で観ててよかったなぁ」

娘「むかつく。それ自慢?」

父親「いや、もう一度観たかったなぁ、ということ」

娘「サイテー。やっぱ自慢じゃん。アタシだって観たかったわよ!」

と怒らせてしまった(笑) お陰で、DVDが出たら買う事を約束させられたよ。

帰りがけ、車の中から見える月が満月だった。香港のビルの谷間に見える満月は、作り物のように見え、マイケル・ジャクソンのショート・フィルム「スリラー」のそれを思わせる。

…思えば、大学を出て就職した時、ぼくは「唄って踊れるサラリーマンになろう!」と(なぜか)心に誓ったことがある。入社2年目の会社の運動会では、部署対抗の出し物で「スリラー」を踊った。ぼくがマイケルになり、顔を黒く塗って(当時は黒かったのだ!)、段ボールを赤く塗って衣装を作り踊ってウケたっけ(笑)

前回も書いたが、”50歳で、あれだけ歌って踊れるマイケルは本当に凄い”と思う。
50手前のぼくは、改めて「唄って踊れるタコ社長」になろうか!? と半ば本気で思い始めているのであったとさ(笑)

Michael Jackson's This Is It (2009)

01-Nov-09-Mon

(2009年7月からロンドンO2 Arenaで開かれる予定だったマイケル・ジャクソン・コンサート"THIS IS IT"の英国でのCM映像)

マイケル・ジャクソン THIS IS IT デラックス・エディション(初回生産限定盤) マイケル・ジャクソン THIS IS IT デラックス・エディション(初回生産限定盤)
マイケル・ジャクソン

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2009-10-30

『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』 Michael Jackson's THIS IS IT

Odoru3010092 世界同時公開された映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』 "Michael Jackson's THIS IS IT"が香港でも2009年10月29日から始まったので初日に行って来た。

これはマイケル・ジャクソンが生きていれば、今現在行っていたであろうロンドンでのコンサートのリハーサル風景を記録したもの。はっきり言って「絶品」だった!

冒頭、オーデションで受かったバック・ダンサーたちが、マイケルと踊れることの喜びを語るビデオが流れる。中には感極まる若者もいる。
そして、"Wannna be Startin' Somethin'" で幕をあけるマイケルの踊りは、やはり鳥肌もののかっこよさ。その後続く "Jam" もかっこいい。

舞台監督で、この映画の監督でもあるケニー・オルテガは、「ハイスクール・ミュージカル・シリーズ」を手がけた才人。マイケルの葬儀にも出演していたが、彼のマイケルに対する話し方がとてもジェントルで、尊敬しあってる関係が見て取れる。

バック・ミュージシャンもそれぞれマイケルと同じ舞台に立てることに興奮している。「音」に対するマイケルの感性とセンスの良さは、彼らとの簡単な会話と練習の中で観客に伝わってくる。

Odoru3110095 リハーサルなので、衣装もラフなもので、決してマイケルは「本気モード」ではないが、それでもこれだけの素晴らしい歌声と踊りを見せてくれる。彼のリハは、その辺の並みのアーティストのコンサート以上のものだ。時々、ちょっと本気で踊ったり歌うところはやっぱりスゴイ。

最近のコンサートでは、大画面を使って色んな映像を見せてくれることが多いが、マイケルも"Thriller"など、新しいセグメントを撮り直して使おうとしていた(しかも、3Dで!)。
その中でも、"Smooth Criminal" の時に使おうとしたセグメントは映画ファンには感涙ものだ。

あの『ギルダ』のリタ・ヘイワースが、黒い手袋を脱ぐ有名なシーンで始まり、彼女が投げた手袋を白い帽子とギャング・スーツのマイケルが受け取るのである。それを見ているエドワード・G・ロビンソン、マイケルを追っかけるのがハンフリー・ボガード!なんとも楽しい場面から、あのフレッド・アステアにオマージュを捧げた"Smooth Criminal"へと続くのだ。

マイケルは、現在の地球の自然破壊に強烈な危機感を持っていた。コンサートの最後には、思いを込めた"Earth Song"を歌う。

おそらくアンコールだったのだろう"Billie Jean"の、ほぼワンカットでのマイケルの踊りは、この映画のハイライトである。簡単そうに踊っているが、あんな踊り、マイケルじゃないと出来ないし、見れないゼ。ボキャブラリーがないので、こう言うが「超かっきー」んである。

Odoru3010096 マイケルの未発表曲と云われた(実際は、ポール・アンカとの競作だった)"THIS IS IT"は、エンド・クレジットで静かに流れる。

全編を通して観て、このコンサートがもし行われていたら、素晴らしいものになっていたことは疑いはないし、それまでの悪い評判を払拭する「マイケル大復活祭り!」となったと想像する。そう考えると本当に惜しい。

映画の帰りがけ、"THIS IS IT"のサントラをかけ、車で彼女を送っていった。
マイケルのことをよく知らなかった彼女も「かっこよかった。踊りもだけど、音楽家としての彼の才能もスゴイねぇ」と話してた。これは、マイケルのファンでなくても充分楽しめる内容のドキュメンタリー映画だと思う。

センシティヴなマイケル・ジャクソンのこのコンサートにかける真摯で真面目な姿勢(だが、その真面目さゆえに彼は神経をすり減らし、睡眠薬の多量摂取に繋がったのかもしれない)。一人の男が、集中して自分の仕事に没頭する姿。それは男から見てもマジでかっこいい。

いやぁ、それにしても、ぼくより年上で、当時50歳のマイケルがあれだけ歌って踊ってるのを見て、「俺も頑張んなきゃなァ!」と思わされたなぁ…(←何をだ!?歌と踊りか?・笑)

全世界で 2週間しか、映画館で観れないんだよ。大画面、大音響でぜひ!
ぼくも日曜日、娘と2回目へ行く予定(笑)

MICHAEL JACKSON'S THIS IS IT (2009)

Directed by Kenny Ortega
111 mins

30-Oct-09-Fri

B002QH0QAO マイケル・ジャクソン THIS IS IT デラックス・エディション(初回生産限定盤)
マイケル・ジャクソン
SMJ  2009-10-28

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2009-10-14

『(500)日のサマー』 (500) Days of Summer

Odoru1410092 香港でも映画『(500)日のサマー』"(500) Days of Summer" が公開になったので行く。アメリカで評判をとっているインディペンデント系のラブコメと聞いていたので、コンカツ中の彼女を誘って行って来た。

トム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は建築家を夢見ているが、今はグリーティング・カードを作る会社に勤めている男。ある日社長秘書としてやってきた魅力的なサマー(ズーイー・デシャネル)に一目惚れしてしまう。”ザ・スミス”が好きという共通点は見つけたものの、なかなか話もできないでいたが 1ヵ月後会社のカラオケ・パーティで二人は初めて打ち解ける。

トムは映画『卒業』のような、運命の人がいると思ってるタイプだが、サマーは「運命の人なんていない。ボーイフレンドもいらない」というタイプ。会社のコピー室でサマーはトムにいきなりキスをし、それから楽しいデートを重ね、トムはサマーに夢中になるが、サマーは段々トムと距離を置くようになっていく…

Odoru1410095 『(500)日のサマー』という題名のごとく、これはトムがサマーに出会ってから500日間のお話。構成として面白いのは、(出会って)280日目→1日目→488日目 など500日の間を行ったり来たりするところだ。

恋をしてる時の楽しくてしょうがない気分のトム(街中が踊りだし、ミュージカルと化す)と、彼女にふられそうでどよよ~んとした気分のトムを並べるとその落差が笑えるのだ。

サマーを演じるズーイー・デシャネルは、『イエスマン "YES"は人生のパスワード』でも、奔放なロッカーを演じてたが、今回のサマー役は彼女にドンピシャで、トムが夢中になるのもうなずける。カラオケの帰りがけ、"You like me?"とトムに聞く場面などぞくぞくしたし、自分では悪気はないが、結果的に男を振り回すというのはこのコなら仕方ないなという感じなのだ。

ぼくは初めて見たが、トム役のジョセフ・ゴードン=レヴィットは、またしょぼーい男を好演している。決して草食系というわけではなく、恋をして少しオトナになる姿は清々しい。

Odoru1510096 最近アメリカでは、こういった男を主人公にしたラブコメが多く作られているのだが、日本ではウケないのか中々公開されない。ぼくが知ってるだけでも『デフェネトリー メイビー』や『ゴーストタウン』なんてとても出来がいいのだけれど。

(この『(500)日のサマー』は来年(2010年)1月に日本でも公開予定です。)

イケア(IKEA)でのデート場面や、彼らの部屋のインテリアのセンスの良さ、LAの公園での会話などの演出も洒落ている。大声で「アレ」を叫んだり、ラストのセリフの「オチ」まで楽しめるウェルメイドなラブコメ。

若い男はこういう映画で勉強するもよし、デートで観るもよし。ぼくの彼女も楽しんでくれたみたいで、よかったよかった(笑)

(500) Days of Summer  (2009)

Directed by Marc Webb

95 mins

14-Oct-09-Wed

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2009-09-28

『ブルーノ』 Brüno

Odoru2809092 サシャ・バロン・コーエンの新作コメディ映画『ブルーノ』 "Brüno"へ行く。香港では2009年9月10日から公開になった。

前作『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』('06)をぼくはDVDで観たのだが、これは「買わなきゃよかった!」と思った映画の一本である。このブログでも以前書いたが、ぼくは彼のやり方、つまり”善良な人たちを不快な気分にさせることで笑いをとっている”という手法がキライなのだ。おふざけを通り越して、これは「侮辱」だと思う。

それなのに、なぜ今回彼の新作を観に行ったのか?

正直、観に行こうかどうしようかと逡巡したが、ひとつはコメディ映画が大好きな自分としては、『ボラット』が世界的に大ヒットし(260億円も興収があったという)、この手の手法が受け入れられるのはなぜか?をもう一度自分の目で確かめたかったこと。
もう一つの理由は、もし批判するにしても、観ないことには批判できないからだ。ぼくは今回ちゃんと入場料払って(←当たり前!)観たわけだから、思ったままを好き勝手に書かせてもらう。

この映画はモキュメンタリー(英語: Mockumentary)といって、実際は作り物なんだけど、さもホンモノのように見せるという手法を使って作られているコメディ映画。だが、出てくる有名人は本人もいて、どこまでがホンモノでどこがヤラセなのか?がよくわからない作りになっている。

(以下、ネタバレあり / 注・18歳未満お断り)

オーストリアのファッション・リポーターでゲイ(って、ピーコみたいだな・笑)という設定のブルーノ(サシャ・バロン・コーエン)は、ミラノのファッション・ショーをぶっ壊して首になり、おまけにアジア人のカレシも他の男に寝取られてしまう。

Odoru2809097 失意のブルーノは、彼のアシスタントのアシスタントだった男ルッツ(グスタフ・ハマーステン)と共にアメリカに旅立つ。「あたしはオーストリア出身の超有名セレブになるのよ!ヒットラー以来の!」という誓いを胸に。

ロスアンジェルスでは、セレブにインタビューするというパイロット版ビデオを制作し、テレビ局へ売り込む。が、それを見せられた一般視聴者は呆れ返る。

セレブ・インタビューなど殆どなく、大半はブルーノがくねくねとセクシーダンスを踊るだけ。「ハリソン・フォードのインタビューはこの後すぐ!」と言ってはまた踊るのだ。ついには、彼のイチモツがぺったんぺったん上下にゆれ踊り、先っちょが口になって「ブルーノ!」と喋るのだ。(←あー、書いててあほらしい)

テレビに出れないとわかった彼は「セレブとエッチすれば有名になれるわ!」と、ロン・ポールという前回の大統領選の候補者だった政治家にインタビューと称してホテルの一室でセマる。当然怒って帰るポールさんだが、ブルーノは彼と、ゲイで成功したアーティスト、ドラグ・クィーンのル・ポールを間違って呼んだのだ。

それから彼は占い師に相談し、彼の好きなアーティストの魂を呼んでもらい、エアフェラをしながら考え(← あー、しょうもない)、「有名になるために世界の紛争を解決するのよ!」とエルサレムへ飛び、イスラエルの特殊部隊モサドとパレスチナの過激派ハマスのリーダーの間で、ハマスとハモス(食べ物)の違いもわからないまま二人に握手をさせるが和平は失敗する。(← 当たり前)

そこでブルーノは「捕虜になれば有名になれるわ!」とテロ組織アル・アクサのアジトを訪れ「あなたのボス(オサマ・ ビン・ラディン)は、ホームレスのサンタみたいね!」と言い、「すぐに出てけッ!!」と追い出される。

アメリカに帰って、空港で預けた荷物のダンボールの中から黒人の赤ちゃんを抱き上げるブルーノ。その子を連れて、テレビショーへ出演した彼は、「この子はアフリカでiPod(赤のボノ・バージョン)と交換したの。名前はO.J.よ」と言って全員黒人の客席を激怒させる。(←ひんしゅく)

Odoru2809095 ソーシャルワーカーに赤ちゃんを保護され落ち込んだブルーノは、ホテルでルッツと初めて結ばれるが、ボンテージで縛りすぎて外れなくなってしまう。その後、ルッツとも別れたブルーノは、トム・クルーズやジョン・トラボルタの写真を見て「そうよ!セレブはストレートだからあたしもゲイをやめればいいのよ!」と、ゲイの改心を手助けする人のもとを訪れる。

ブルーノは、男らしくなるためにハンティングへ行き、軍隊の演習に参加し、空手を習い、乱交パーティへ参加する。

8ヵ月後。男らしく髭を蓄えたブルーノは、格闘技の戦場オクタゴンの中にいた。「俺はゲイが嫌いだー!」湧く場内。そんな中「お前はゲイだ!」と悪態をつく客がいた。オクタゴンに入ってきた客は、誰あろう別れたカレシ、ルッツだった…。

思い出しながら書いていると、手が腐りそうな感覚になるが、コーエンの笑いをとるやり方はやっぱ下品なのである。それも不快な笑いなのだ。

チン個を見せたり、ゲイのからみを見せたりするが、そんな「誰がやっても笑う」ようなやり方で笑いをとるのはプロとしてぼくは感心しない。
それに、やはり人種・宗教やイデオロギーなど、他人が信じていたり好きなものをコケにして相手を怒らせたり不快にさせて、それを笑うというのは、ぼくには面白く感じない。これはシャレとは思わない。

ビートたけしは、かつて「テレビに映ってるのは、ライオン(みたいな人間)だからみんな見るんだ。普通の人が普通のことやって誰が見る?で、ライオンにモラル求めてどうすんのさ?」と語っていた。

コーエンにモラルを求めはしないが、セレブになりたがるゲイを演じながら、本人は(元々イギリス人で、人気があるからだろうが)、映画の終わりに、ボノ、スティング、エルトン・ジョンなどそうそうたる”セレブ”と一緒にけったいな歌を歌う。

「笑いのテロリスト」と言われながら、本人ももうセレブになってしまってるのだろう。

ひょっとしたら、全ての場面が「どっきりカメラ」ではなく、「やらせ」なのかも知れない。映画としては、『ボラット』よりはまだ少しだけマシだと思うが(ド素人をあまりエジキにしてないから)、この映画が日本で公開予定があり(2010年3月)、10年に1本のコメディ映画の傑作『ハングオーバー』が公開されないかも知れないというのは嘆かわしいことだ。

こんな映画に初デートで連れて行かれたら、その女の子は悲劇だ。相手の男は『タクシー・ドライバー』のトラビスだな。気をつけなよ、女子(警告)

Brüno (2009)

Directed by Larry Charles

82 mins

28-Sep-09-Mon

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2009-09-21

『イングロリアス・バスターズ』 オリジナル完全版 Inglourious Basterds - Original Ⅲ Version クエンティン・タランティーノ

Odoru2109092 土曜日の夕方、待ち合わせの前に映画を中環(Central)で見ようかなとPALACE IFCのサイトを覗いたら、あんと!ビック・リー!なことに『イングロリアス・バスターズ』オリジナル完全版 "Inglourious Basterds: Original Ⅲ Version"とあるではないか!?

「じゃぁ、俺が1ヶ月ほど前に観たのは何じゃったんじゃ?」と戸惑いつつ、予約しようと席を見たら、もう最前列の3席しか空いてない。さっそく予約をしてそのまま映画館へなだれ込んだのだった。

ぼくが前回観たヴァージョンは、香港のレイティングⅡB(若者や子供にはふさわしくない。日本で云えば15-Rといったところ)だったが、このヴァージョンはⅢ(18歳未満入場不可)なのである。
そう、ⅡB版はカット・ヴァージョンだったのだ!知らなかった… マンマ・ミーア。おそらく、マニア向けにこのオリジナル版も公開となったのだろう(2009年9月17日から公開)。香港在住の映画ファンはこっちをみるべしである。

調べたら、本国アメリカでは"R"。イギリスでも"18"と成人指定になっている(ちなみは暴力描写に寛容な日本ではR-15)。

具体的に書くと(ちとネタバレだが)以下のシーンがカットされていたのだ。

・バスターズたちが、殺したナチの兵士の頭の皮を剥ぐシーン。
・バットでナチ将校の頭を乱打するシーン。
・弾が入った傷口にブラピが指を突っ込むシーン。
・額にナイフでナチマークを入れるシーン。

確かに観終わった印象は、こっちの方がエグかったな(苦笑)。これらのシーンが入っただけで印象が大分違うのも事実。

Odoru2109096_2 タランティーノの映画では、過去にも『キル・ビル』の青葉屋のシーンがあまりに残酷(ユマ・サーマンがトラックスーツを着て日本刀で切りまくる)ということで、<日本以外>は白黒に映像処理され世界公開された。
最初に「深作欣司監督に捧げる」と出るジャパン・ヴァージョンだけがカラーなのだ。

2回目で、やっとホンモノの『イングロリアス・バスターズ』を観れたわけだが、これはタランティーノの映画の中でも上位にランクされる面白さである。
映画オタクのタランティーノが、「映画」によってナチをやっつけるという痛快作。
なんせ第四章は「オペレーション・キノ(Kino=映画)」だかんね。

今回は、大半が白人の客という(めぐまれた)環境の中で観たので、ノリがよくって面白かった。エンドタイトルでは拍手が出たほど。
セリフも面白く笑えるところも多いのだが、一番ウケていたのは、ブラピたちバスターズがイタリアの映画クルーに扮してプレミア上映会でイタリア語を話すところ。

ナチの将校(クリストフ・ヴァルツ)にばれないようにするため必死になるのだが、ここは彼らがやる手の動作も面白いのだ。指をすぼめて上に向ける所作は「お前何云ってんだよ」みたいな意味なんである。いらいらしてるイタリア人がよくやる(無礼な)動作とぼくは理解している。

こんな風に、この映画は第二次大戦時のパリが舞台なので、英語以外にもフランス語、イタリア語、ドイツ語やその文化を少しでも知ってると余計に楽しめるはず。

Odoru2109095_2 主人公のショサンナ役メラニー・ロランは、殆どすっぴんに近いメイクでもなお美しくてグッド!だが(タランティーノはこーゆー金髪細身が好きなのがよくわかる)、彼女の役は当初ナスターシャ・キンスキーを考えていたという。なるへそ、『キャット・ピープル』のデビッド・ボウイの曲がかかるのはそーゆーことか。

その曲"Putting Out The Fire"が流れ、これからナチを皆殺しにする計画を実行するという時に、メラニーは赤いドレスを着てメイクをする。そのシーンで頬に赤を塗りつけるトコロは、この映画のベスト・ショット!(と個人的に思う)である。

日本では2009年11月20日公開予定。60年代や70年代の第二次大戦の映画をテレビなんかで見てきた輩は絶対楽しめると思う。見逃すべからず、である。

Inglourious Basterds - Original Ⅲ Version (2009)

Directed by Quentin Tarantino

153 mins

【関連】『イングロリアス・バスターズ』
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-e22e.html

『地獄のバスターズ』
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-1e20.html

21-Sep-09-Mon

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2009-09-18

『意外/Accident (原題)』

Odoru1809092

香港映画『意外/Accident (原題)』である。

先日地下鉄から上がっていく階段で、ぼくはこのポスターを見て、「あ、面白そう」と瞬間的に思ってしまった。題名が「意外(いがい)」だよ(笑)。 ま、これって広東語で「事故」って意味なんだけど、日本人には”意外”な題名でインパクトあるよね。

ポスターをよく見ると、先日終わったばかりのベネチア国際映画祭(2009年)のコンペ部門に出品。現在開催中のトロント国際映画祭へも出品と書いてある。うーむ、これは期待できそうだ、と思い劇場へ足を運んだ。

ストーリーは、ブレインと呼ばれる男(ルイス・クー)を中心とした男女4人が、事故と見せかけて数々の殺人を犯し報酬も得るが、仲間をアクシデントで亡くしたブレインは疑心暗鬼になり精神的に追い詰められていくというもの。

製作はジョニー・トー(杜琪峯)(『エグザイル/絆』)。監督はソイ・チョン(鄭保瑞)(『軍鶏 Shamo』)の香港製サイコ・サスペンス・スリラー。

Odoru1809095 事故だと見せかけるため、ブレインたちは周到な準備に時間を費やす。そして、実行する際も、少しでも不安要素があれば即中止する。そのために何日も何日も忍耐強く待つ。そうやって仕事はいつも完璧にやってきた。

事故を「演出」する立場にいる人間が、事故で仲間が死んだのを見た時、単なるアクシデントだとは信じられない。誰かが殺ったのではないか?と疑心暗鬼になる。
ポスターにも書いてある通り「これは事故?これは謀殺?!(是意外?是謀殺?!)」という心理状態になってしまうのだ。

ついには、依頼人の行動もチェックするうちに、保険金を支払う会社の人間(リッチー・レン)が自分達のことを狙っているのではないか?と疑うようになる。彼のアパートをつきとめ、彼の下の部屋を借り、盗聴し、日中もストーカーのようにつきまとい、自分の中の疑念を増大させていく…。

観終わった時の印象は、香港映画にしては「静かな映画やったなぁ」ということ。主人公はひしひしと自分の中の脅迫観念にさいなまれる。こういう殺人を犯す犯罪者にしては、主人公はとても「情緒的」である。

事故の演出場面、主人公の過ごす日々を追うカメラは極めてクールだ。89分と短い尺だが、結構緊張して面白く観れた。けどラストが弱いんだよなぁ…。それが惜しい。ソイ・チョン監督の今後に期待である。

事故を「演出する」殺人者集団というアイデアはとっても面白いと思う。ハリウッドがマネするかも知れないね。
ぼくはこれを観ながら、昔コッポラが撮った小品『カンバセーション~盗聴』('74)を思い出した。

見慣れた香港の光景(中環や北角)の中で起きるアクシデント。こんな話が本当にあったらと思うと、ちと怖い。くれぐれも事故には気をつけましょう、と思わされた映画だった。(なんじゃこの感想は… 今回俺の文章も「意外」やね・笑)

香港では2009年9月17日から公開中。

(冒頭5分の演出はとても面白い ↓)

意外 Accident (2009)

Directed by Pou-Soi Cheang
89 mins

18-Sep-09-Fri

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2009-09-05

『サブウェイ123 激突』 The Taking of Pelham 1 2 3

香港でも2009年9月3日から公開になった映画『サブウェイ123 激突』"The Taking of Pelham 1 2 3" へ行く。

Odoru0509092 前回書いたように、この映画は1974年製作の『サブウェイ・パニック』のリメイクである。原作は、ジョン・ゴーディのベストセラー小説。今回は、設定が2009年の現代なので、どのように監督のトニー・スコット(『トップ・ガン』『デジャヴ』)が料理するのか、興味を持って観た。

ニューヨークの地下鉄、ペラム駅 1:23PM発の列車は、運行途中に緊急停止した。その列車は、乗客19人を乗せた1両目だけ切り離し、4人の男にハイジャックされていたのだ。無線連絡した地下鉄運行指令室のガーバー(デンゼル・ワシントン)は、応答してきたライダー(ジョン・トラボルタ)と名乗る男から「現金1000万ドルを1時間以内に届けろ。遅れた場合は1分毎に1人ずつ人質を殺す」と要求される。NYPDの交渉担当官カモネッティ(ジョン・タトゥーロ)がかけつけ交渉を交代するが、ライダーはガーバーが代わったことに激怒。運転士を射殺して、ガーバーを交渉相手にすることを要求する。ガーバーは、人質を救うべく、犯人との難しい交渉を続けていくのだが…。

Odoru0509095 現代のニューヨークを舞台にしているだけあって、タイトルバックは軽快なラップで始まる。そのタイトルが終わる頃に、犯人たちは列車のハイジャックに成功している。展開が早い。
ぼくは先日『サブウェイ・パニック』を観たばかりなので、どうしても比較して観てしまう。以下、74年版と09年版の違いをわかった限り上げてみようと思う(ストーリー展開の違いは書かない)。

・74年版のガーバー(ウォルター・マッソー)は、地下鉄公安局の警部補だったが、09年版のワシントンは地下鉄運行司令官。
・原題 "The Taking of Pelham One Two Three" が "The Taking of Pelham 1 2 3" と数字になった。
・身代金の額が、100万ドルから1000万ドルと10倍になった。(※『サブウェイ・パニック 1:23PM』('98)というリメイク版TVムービーでは500万ドル)
・犯人のボス、Mr.ブルー(ロバート・ショー)の名がライダー(トラボルタ)になっている。これはブルーが犯行用の名で、本当の名前がバーナード・ライダーだったから。
・74年版では、東京の地下鉄のおエラいさんがNYを訪ねて来てギャグになるが、今回はガーバーが日本製の地下鉄車両導入で賄賂をもらったのではないかという設定になっている。
・74年当時にはなかった、携帯電話、ラップトップ、Wi-Fi(無線LAN)といった機器が登場する。
・ワシントンが着ているシャツとネクタイの色(黄色とチェック柄)は、マッソーが着てたものと全く逆の色使いになっている。

The Taking of Pelham 123 (Original Motion Picture Soundtrack)
The Taking of Pelham 123 (Original Motion Picture Soundtrack)

今回のリメイク版は、ワシントンとトラボルタという大スターによるアクション大作になっている。スピード感もあり、面白く観れたが、カメラワークがせわしなかったりして、ぼくは74年版に軍配を上げる。サスペンスも含め『サブウェイ・パニック』にあった<コク>が足りないと思う。

Odoru0509096 けど、犯人役のトラボルタが思いのほかよかった。首に入れ墨をして、高級時計ブライトリングをして、いつキレるかわからない男(実際キレる)を熱演している。彼は『ソードフィッシュ』といい、悪役がいいね。
ただ、プライベートでは今年1月に16歳の息子、ジェットさんが休暇先のバハマで急死した。そのため、この映画のプロモーションには参加しなかったという。父親としての哀しみを思うと本当にお気の毒に思う。

この『サブウェイ123 激突』は、『サブウェイ・パニック』を知らないで観ると楽しめる映画だと思う。デート向きというより男の映画だが、デンゼル・ワシントンの家族を想う気持ちは共感できるぞ。

身代金の額が35年で10倍になった。そのインフレ率を考えると、アメリカのマネー至上主義の経済が膨張したのもわかるような気がした。色んな意味で時代の流れを感じてしまいましたとさ。

日本でも2009年9月4日より公開中。

THE TAKING OF PELHAM 1 2 3 (2009)

Directed by Tony Scott
105 mins

05-Sep-09-Sat

サブウェイ・パニック [DVD]
サブウェイ・パニック [DVD]

サブウェイ123 激突 (小学館文庫)
伏見 威蕃
4094082832

ソードフィッシュ [Blu-ray]
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2009-08-30

『ヴェンジェンス(原題)』 復仇 Vengeance ジョニー・トー

Odoru3008093 今や香港ノワールを代表をするジョニー・トー(杜琪峰)監督の新作映画『ヴェンジェンス(原題)』 復仇 (Vengeance)が香港でも公開になったので行く。(2009年8月20日より)

今年のカンヌ映画祭のコンペ部門に出品された本作は、マカオ・香港を舞台にしたフランス人男の復讐劇。

公開後1週間が過ぎたが、香港Yahooの評価はやたらと低い(50%)。DVDになったら観ようかなとも思ったが、トー監督の前作『文雀』(Sparrow)を見損ねてちょっと後悔したので今回は行ってみたのだった。

観終わって、なんでこれがこんなに評価が低いんだ?と思った。なぜならこれは、香港ノワールとフレンチ・ノワールの幸せな融合だったからである。

マカオで暮らす娘の家族が何者かに撃ち殺された。奇跡的に生き延びた娘の病院へフランスから父親フランソワ・コステロがかけつける。瀕死の娘の手をとり、彼は約束する、「必ず復讐する」と。
右も左もわからぬ地で、犯人捜しをする父親。ある日偶然にも、自分の泊まってるホテルで殺人の現場を目撃する。顔を見られた3人の暗殺者たちは、コステロを尾行するが、 コステロは彼らにこう云う「仕事を頼みたい。助けてほしい…」と。
事件現場の娘の家を訪ねるコステロと3人の男たち。残った食材で料理をするコステロ。彼はパリでレストランを経営するシェフだと云う。だが、コステロの昔の稼業は彼らと同じ「殺し屋」だったのだ…。

Odoru3008096 コステロという主人公を演じるのはフランスの歌手兼俳優のジョニー・アリディ(『列車に乗った男』)。香港の殺し屋たちは、アンソニー・ウォン(黃秋生)(『インファナル・アフェア』)、ラム・カートン(林家棟)(『エグザイル/絆』)、ラム・シュー(林雪)(『PTU』『新宿インシデント』)。マカオ・マフィアのボスにサイモン・ヤム(任達華)(『エレクション』)などトー映画の常連たち。

観終わった時にぼくが真っ先に感じた事。それは「主役がアラン・ドロンなら良かったのに…」ということ。もしドロンが主演だったら、これは名作足りえただろう。調べてみたら、当初この役はドロンにオファーされ、ドロンも乗り気だったのだが、最終的に断られたのだそうだ。惜しい。本当に惜しい。勝新が『影武者』降りたくらい惜しい。だって役名のコステロも、ドロン主演で、ジャン・ピエール・メルヴィル監督の名作『サムライ』と同じなんだぜ(フランソワとジェフと違いはあるが)。

B000AQKUG8 Le Samourai - Criterion Collection
Henri Decaë
Artists International  2005-10-25

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老齢のかつての殺し屋が娘の仇を討つためにマカオへ来る…。彼は20年前は拳銃のエキスパート。殺し屋稼業の後遺症で、記憶が段々薄れてきている男。正に今のドロンが演じる役じゃないか!
銃をばらして、目隠ししてそれを組み立て競争をするシーンがあるのだが、そこなんかもドロンがやってたらと思うと、ジョニー・アリディには悪いが「はぁ」とため息が出てしまうのだ。

Odoru3008097 上でYahooのこの映画の評価が低いと書いたが、おそらく香港人の特に若い観客からすると、ちょっと古臭くかつアホらしい戦闘場面が続くので失望した人が多かったのかも知れない。
野原で新聞紙を固めたゴミを転がしながらの撃ち合いなんてのがあるので、現実離れしてると見なされたのでないか。

だが、ジョニー・トーの映画はこれでイイのである。彼の映画は基本的に「拳銃ごっこ」で、それを楽しんで観れるかどうかにかかってるのだ。それをどうゆうふうに絵作りをして見せるかというのがトー映画なんじゃないかと思う。
ぼくはガンマニアではないのでよくわからないが、色んな種類の拳銃を扱う売人がゴミ置き場に住んでて、冷蔵庫や鍋の中からほいほいと拳銃を出すのも面白かったな。つまりオトナの拳銃ごっこムービーなんである。

そういう意味で、ぼくには面白かった。若い人より、フレンチ・ノワールから香港ノワールまで観続けているオトナの男たちには、この面白さがわかってもらえると思う。ラストなんて渋いよーっ。日本でも早く公開されることを願ってる。

復仇 Vengeance (2009)

Director: Johnnie To
109 mins

30-Aug-09-Sun

香港版予告編

エレクション~黒社会~ [DVD] エレクション~黒社会~ [DVD]

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2009-08-29

IMAX版 『スター・トレック』 STAR TREK (IMAX DMR Version)

Odoru2708097

映画『スター・トレック』"STAR TREK"のIMAXヴァージョンが、香港で2009年8月26日から公開になったので行ってきた。

『ダークナイト』以来久しぶりにIMAXシアターへ行ったが、今回の『スタ・トレ』もすんごい迫力だった!この大画面!この大音響!やっぱ凄い!

映画のレヴュー(あるいは感想文とも言う)は、以前書いているので興味があればそちらを読んでくれればと思うが、今回はIMAX版の印象を少し。
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/star-trek-d55a.html

冒頭のエンタープライズ号のアップは、画面が大き過ぎて何かわかんなかった。前半のスポック(ザカリー・クイント)のアップは、剃ったばかりなのか、まひげの先の部分がまだ青いままなのがわかってしまう(笑)。そのくらいデカイのだ。

劇中カーク(クリストファー・パイン)が、U.S.Sエンタープライズ号を宇宙船の窓から見て ”Wow!” という場面があるが、ぼくも観ている間中そんな感じだった。

STAR TREK IMAX 予告篇

今回のIMAXヴァージョンだが、画面は大きいものの『ダークナイト』のように、IMAXカメラで撮影されたものではなく、IMAXシアター用にデジタル処理でリマスターしたもののようだ(スクリーンの上下は黒くマスクされてた)。

そのためか(どうかは専門家ではないのでわからないが)、前半のカークが酒場で喧嘩をする場面など、動きが激しいシーンでは画面がちらつく感じがしてしまった。ぼくは劇場のド真ん中くらいで観たのだが、通常の劇場の一番前の席で観ているような感じだったな。

ま、それでも劇場で初めて観た時とは印象が違う。IMAXを「経験」したら、しばらくDVDやBlu-rayでこの映画を観たいとは思わないなぁ。IMAXでのラストのテーマ曲からエンド・クレジットはやっぱ鳥肌ものだったよ。

若いスポックに未来のスポック(レナード・ニモイ)が語りかけるなんて、いい場面だよね。ファンの心理もくすぐるし、そうでない人にも面白いし。こーゆーところがこの映画の人気の秘密のような気がする。

Odoru2708095

香港のIMAXシアターは、九龍サイドのMega Boxという赤い色した複合施設の中にある。ぼくの家の窓からは、海(ヴィクトリア・ハーバー)越しによく見える。直線距離だと近いんだけど、MTR乗ったら遠いし、また駅からシャトルバスで行かなきゃならんのでちょっとおっくうになってしまうのだ。なので、今日はMTR乗った時から気分を高めるために『スタ・トレ』のサントラをiPhoneで聴きながら行った。そしたらシャトル乗る前に終わっちまって、「やっぱ遠いわ…」と思っちゃった(笑)

ま、それでも香港在住の映画ファンにはおすすめの上映です。
アメリカではIMAXでのオープニング興収記録『ダークナイト』を抜いたほど人気があったという。

今回の上映は、既に劇場で7回ご覧になったというトレッキーのnohachanさんにコメントを頂いた時に知った(←ありがとうございました)。オフ会もやりたかったが、タイミングが合わず残念でした。またいつか香港在住の映画ファンで集まってオフ会やりたいと思ってます。参加条件は、オリオン星人の踊りを踊ること!(笑)。もとい、ちゃんと指を開いて挨拶できること(笑)、なんてね。

"Live long and prosper."

STAR TREK (IMAX DMR Version) (2009)

Director J.J. Abrams
127 mins

29-Aug-09-Sat

スター・トレック エンタープライズ号BOX<7,000セット限定> [DVD]
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2009-08-25

『イングロリアス・バスターズ』 Inglourious Basterds クエンティン・タランティーノ

Odoru2408092 クエンティン・タランティーノ監督、ブラッド・ピット主演の新作映画『イングロリアス・バスターズ』"Inglourious Basterds"が香港でも公開になったので行く(2009年8月20日より)。
第二次大戦時ナチスと闘うユダヤ人たちを、マカロニ・ウェスタン・タッチで撮っている「タランティーノ節」炸裂の153分だった。面白かったど、コレ!

この作品は、1944年、ナチス占領下のフランスで、家族を殺されたユダヤ人少女・ショーシャナ(メラニー・ロラン)が、パリの映画館でドイツ・プロパガンダ映画のプレミア上映時に、壮大な復讐計画を進めるストーリーと、アルド・レイン中尉(ブラッド・ピット)率いるユダヤ系アメリカ軍小隊、通称”バスターズ”が、英国スパイのドイツ人女優(ダイアン・クルーガー)らと共にナチスを倒すべく極秘ミッションに参加する、というストーリーを並行して展開させる構成になっている。

字だけのシンプルなタイトル・バック。流れる曲は『アラモ』じゃねぇか!ディミトリ・ティオムキンのオリジナルではないが、マカロニっぽいテイストだ。その後も、エンニオ・モリコーネの曲がバンバン流れる。サントラ盤を買ってきたが、デビッド・ボウイの『キャット・ピープル』も入ってて、戦争映画につきものの軽快なマーチなど1小節もない。

Inglourious Basterds

いつもながら、タランティーノらしく、色んな映画のうんちくをなんてことない会話の中に入れているのだが、今回は特に戦前のドイツ映画にまで言及しててその<偏愛ぶり>は舌をまく。全体として、戦争映画の傑作『特攻大作戦』や『ナバロンの要塞』なんかを思い出させるし、今回はパリの映画館が舞台になるので、『ニュー・シネマ・パラダイス』っぱい部分もある。復讐劇という意味では、マカロニ・ウェスタンだろう。

だが、この映画が一番オマージュを捧げているのは、1978年のB級イタリア映画で、マカロニ戦争アクションの『地獄のバスターズ』のようだ。ぼくはこの『地獄の〜』は観てないが、アメリカでの公開題名が"The Inglorious Bastards"(「不名誉なろくでなしども」)と、そのまんまだったところを見ると、相当タランティーノが気に入ってるのがわかる。(DVD買ったので後で観よっと。)

Odoru2408097_2 キャストは、主役はブラピで、彼はテネシー州の強い訛りで、あごを突き出して話すという役をコミカルかつ頑張って演じてる。
だが今回はナチスSSで"ユダヤ人ハンター"のハンス・ランダ大尉を演じたクリストフ・ヴァルツ(『私が愛したギャングスター』)が圧倒的によかった。彼はオーストリアの俳優で、国際的には無名に近かったが、この役で今年2009年のカンヌ映画祭・最優秀主演男優賞を得た。52歳のスター誕生である。(助演賞ならオスカー狙えるかもね。)

何が凄いかって、冒頭の第1章(この映画は5章にわかれている)「昔々、ナチ占領下のフランスで」で、ランダ大尉が農家にかくまってるユダヤ人の調査に来るところから、スゴみを感じるのだ。ひょうひょうとして強面(こわもて)ではないのになんか怖い。「ミルクをくれ」と云うだけで、観客をちょっと緊張させるのである。

タランティーノのインタビューを「NY TIMES」でたまたま読んだら、このハンス・ランダ役が一番キャスティングに難航したそうだ。当初、レオナルド・ディカプリオという噂も流れたが、タランティーノ曰く「ランダ大尉は、私がかつて書いたキャラクターの中でも最高の一つで、これからも、おそらく書き得ない最高のキャラ」と語るほど惚れ込んでいたので、余計に難航したのだと。結果、ドイツ語、英語、フランス語、イタリア語をパーフェクトに話せるというベストの俳優ヴァルツで成功したと語る。

Odoru2408095_2 他のキャストもユダヤ系バスターズの一員に『ホステル』の監督イーライ・ロス(彼は劇中劇『民族の誇り』も監督している)。ナチスの戦争ヒーローにダニエル・ブリュール(『グッバイ、レーニン』)、英国兵で作戦に参加するドイツ映画の評論家にマイケル・ファスベンダー(『300』)。ドイツの映画監督の愛人に、日本でタレントやってから『キル・ビル』にも出てたジュリー・ドレフュス。ゲストでマイク・マイヤーズ(『オースティン・パワーズ』)やロッド・テイラー(『鳥』)らも顔を見せる。

この映画では、アメリカ映画によく見られる「ヨーロッパ人も英語を話す」という演出はなく、フランス語、ドイツ語など全て字幕で展開する。全編の半分かそれ以上は英語字幕じゃなかったかな。

原題の "Inglourious Basterds" は英語のスペルが間違っているよね(正確には "Inglorious Bastards")。理由を聞かれ「タランティーノ流スペルだ!」とアメリカのTVで話したとか(笑)
間違ってると云えば、歴史的事実ではないことも多々あった。これは「映画=フィクション」として観ないとそのあたりも楽しめないかも。これも「タランティーノ流」であろう(笑)

とまれ、映画好きにはやっぱたまらん面白さである。いつも、タランティーノの映画を観ると、その作品が影響された映画を観たくなる。今回もまた「研究費」や「資料費」と称してDVDなんかを買いたくなってる自分がいる(苦笑)。罪なおっさんですな、タランティーノは!(笑)

日本では2009年11月20日よりロードショー予定。映画館でぜひ!

INGLOURIOUS BASTERDS (2009)

Written and Directed by Quentin Tarantino
153 mins

24-Aug-09-Mon

【関連】『イングロリアス・バスターズ』オリジナル完全版!
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-0c66.html

『地獄のバスターズ』
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-1e20.html

(香港版 予告 ↓)


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2009-08-18

『カールじいさんの空飛ぶ家』 UP - 3D

Odoru1808092 香港では2009年7月30日から公開されている映画『カールじいさんの空飛ぶ家』"UP"(3D)へ子供たちと行く。夏休み日本へ一時帰国していたので、行くのが遅くなったが、小六の娘が早く観たがっていたので、帰ってすぐの日曜に行ってきた。

公開から3週間が過ぎているが、劇場内はほぼ満員。さすがピクサーだ。ピクサー製アニメはハズレがないということを観客もよく知ってるのだろう。

3Dメガネをかけろとカールじいさんから指示が出ると、「トイ・ストーリー3」の予告編がかかった。2010年公開とのこと。速報のような予告編だがこれだけで充分面白い。

いつものようにおまけの短編から始まる。今回は『Partly Cloudy(原題)』(「時々曇り」とでも訳すのかな?)というもの。人間や動物たちの赤ちゃんを運ぶコウノトリと、雲の上で赤ちゃんを造ってる雲で出来た人(創造主?)のお話。たった6分だが、本編にも似かよったウェルメイドな短編だった。

そして本編が始まる。PIXERの文字が縦に並んでる。そこをいつものように飛んでくる電機スタンド君。3D用の始まりなのか。

題名でわかるとおり、これはカールじいさんの家が飛んでく(原題の通り"UP"する)話。結論から云うと「とてもイイ話」だったのだ。

Odoru1808095 少年時代憧れた冒険家のニュース・フィルムを映画館で見るところから始まるこの映画は、その冒険好きという共通点で結婚したカール(声:エドワード・アズナー)とエリーの夫婦愛が骨子になっている。
何も好きで偏屈なじいさんになったわけじゃない。立ち退き請求にも応じないのは、この家に最愛の妻との思い出がいっぱい詰まってるから。
その妻との生前果たせなかった約束の地、南米へ家もろとも風船で飛んで行こうというカールじいさんの気持ちが泣かせる。

うまく家ごと上空へ上がるが、アジア系の少年ラッセル(声:ジョーダン・ナガイ)がしがみついてたのは計算外。「おりろ」とも云えないし、そのまま一緒に旅に出る二人。ラッセルは”お年寄りお手伝いバッチ”がもらえると自然探検隊のシニアになれるため、じいさんにまとわりついてたのだ。

ここから78歳のじーさんと8歳のデブの少年が、人類が足を踏み入れたことのない南米の滝パラダイス・フォールを目指す冒険の旅をするのじゃ!というお話。

観終わってうちの娘は大満足だったのだが、この作品は、どちらかというと男の子(じーさん含む・笑)向けかもしれない。後半の空中戦は『天空の城ラピュタ』を連想させるしね。

空を上がっていく膨大な量のまばゆいばかりキラキラと光る風船。その下にある古い家。昔のフランスの<映画詩>の傑作『赤い風船』ばりの映像は、これがアニメだと云うことを忘れさせる。
上空から見た自然の風景もまたアニメとは思えない美しさだ。これは技術的に満点以上のものであり、その中にある情感もまた素晴らしいのである。

Odoru1808098_2 少年時代。おとなしいカールとやんちゃで活発なエリー。エリーから「あんたあんまりしゃべんないのね。けど好きよ」と云われ赤くなるカール。思い出のアルバムから、二人の結婚から過ごした日々を描くところは、たった数分で二人の歩んだ人生を切なく描写する。(妻に先立たれたぼくはここで泣けた。)素晴らしい。作り手の「やさしさ」がにじみ出る名場面だ。

おじいさんと少年が手に手を合わせて二人で困難を乗り越えていく。そこに登場する脇役の犬や鳥たちとも心が通っていく過程も、描写がとても自然だ。
そして、その冒険の旅を通して、少年ラッセルが得たもの、おじいさんのカールが得たものもかけがえのないものであり、観客に「生きる力」を与えてくれるのだ。

ある意味「裏『グラン・トリノ』」と呼んでもいい傑作CGアニメ。

日本では2009年12月5日公開とのこと。
基本的に、(健全に)笑えるところ満載で、子供やファミリー向きではあるが、夫婦やカップルで観るにも最適な映画と思う。年老いた人にもぜひ観て元気になってほしい。ホント、かっこいいんだから、このじーさんが!(笑)

UP (2009) 3-D

Directed by Pete Docter
97 mins

18-Aug-09-Tue

(香港版予告 ↓)

続きを読む "『カールじいさんの空飛ぶ家』 UP - 3D"

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2009-08-15

『パイレーツ・ロック』 The Boat That Rocked

Odoru1508092

日本へ夏休みで一時帰国した復路、キャセイ航空の機内で観たのがイギリス映画『パイレーツ・ロック』"The Boat That Rocked"。『ノッティングヒルの恋人』や『ラブ・アクチュアリー』の監督リチャード・カーティスの新作コメディである。

1966年というとブリテッシュ・ロック全盛期だが、英国の国営ラジオBBCは一日のうち45分未満しかポップ・ミュージックを放送していなかった。これは当時そのことに不満を持っていた男たちが24時間ロックン・ロールを放送する局”ラジオ・ロック”(Radio Rock)を作りゲリラ的に放送していたことを題材にした映画である。

どうやってその放送をやっていたかというと、船を改造し北海に浮かべそこから放送していたのだ。DJの8人の男たち(それに1人のレズビアン)は海上で生活しながら好きな曲を流し続けたのだ。

イギリスの若い男女はこのパイレーツ・ラジオと呼ばれる船からの放送に夢中になり、親に内緒でここにチューニングを合わせた。そしてそのファンの数は2500万人を上回る。だが、こんな下品で、非道徳的な放送局を政府が黙って見過ごすわけがない。政府はこの放送局をツブすべくあらゆる手を使って来るのだった…。

ローリング・ストーンズ始め、60年代のブリテッシュ・ロックやポップ・ミュージックがふんだんにかかる(だがビートルズは出てこない)。当時の音楽シーンに詳しい人には楽しめるだろうし、知らなくてもこんな気骨な奴らがいたのかということと、現在の音楽シーンがあるのもひょっとして彼らのお陰もあるかな?という意味で興味深いものと云えまいか。

「気骨」とは書いたが、実際はベトナム戦争下60年代文化真っ盛りなので、船におネエちゃんたちが大挙して押し寄せ乱痴気騒ぎになったりと、それはそれ男たちの集団だものヤルでしょうみたいな場面やバカな場面が続く。『ノッティングヒルの恋人』のようなラブ・コメを期待すると大ハズレだ。

キャストはとてもよくって、ラジオ・ステーションのボスにビル・ナイティ(『ラブ・アクチュアリー』『ワルキューレ』)。花形DJにフィリップ・シーモア・ホフマン(『カポーティ』『ダウト』)。政府高官にケネス・ブラナー(『フランケンシュタイン』『ヘンリー五世』)。伝説のDJにリス・アイファンズ(『エリザベス ゴールデンエイジ』)。デブのDJにニック・フロスト(『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン』)。エマ・トンプソン(『いつか晴れた日に』)など。

129分とちと長過ぎるし、ブリティッシュ・コメディとしてもそんなに大笑いできるものではないが、音楽を楽しみながら眺めるにはいい映画かも知れないね。乱痴気騒ぎの船上と、イラつきながらも冷静であろうとする政府の対比、つまり反体制側と体制側のギャップが面白かった。

香港では公開予定を聞かないが、日本では2009年10月24日から公開とか。ポップ・ミュージックだけじゃなくマカロニ・ウエスタンの曲(何かは書かない・笑)も出て来るのでお楽しみに!

The Boat That Rocked (2009)

"1 Boat. 8 DJs. No Moral."

Written and Directed by Richard Curtis
129 mins

15-Aug-09-Fri

The Boat That RockedThe Boat That Rocked
Original Soundtrack

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The Boat That Rocked [DVD] [2009]The Boat That Rocked [DVD] [2009]
Philip Seymour Hoffman

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2009-08-06

「ザ・ハングオーバー(原題)」 The Hangover

Odoru0608092 映画「ザ・ハングオーバー(原題)」"The Hangover" が香港でも公開になった(2009 年7月30日)。アメリカでのあまりの評判を聞き行ったのだが、これはメチャメチャ面白い、近年マレにみる大傑作だったのだ!!

「ハングオーバー」(Hangover)とは二日酔いの意味である。バチュラー・パーティ(独身最後の日に新郎と友人たちが大騒ぎをする会)に出掛けた男どもの話。結婚を2日後に控えたドッグ(ジャスティン・バーサ)とカレッジ時代の悪友である学校教師のフィル(ブラッドリー・クーパー)、歯科医のステュー(エド・ヘルムズ)、それにドッグの義兄となるアラン(ザック・ガリフィアナキス)の4人は、花嫁の父から借りたヴィンテージのベンツでラスヴェガスを目指す。宿泊先のホテル シーザーズパレスの屋上で「今夜は楽しもーぜー!」と祝杯をあげた後、画面は次の日の朝になる…。

床に横たわる男どもの姿。スィートルームの中をなぜかニワトリが歩いている。Tシャツだけでパンツをはいてないアランが寝ぼけたままトイレに入ると、そこにはなんと本物のトラがいる!歯科医のステューは前歯が一本なくなってる!教師のフィルはなぜか腕に病院の診察タグがついている!部屋の中から赤ちゃん発見!なんじゃこら?誰も理由がわからない。そして、一番の問題は、花婿のドッグがいなくなっているコト!?さあ、ここから痛い頭をかかえ、記憶をたどり花婿探しを始める3人の男たちであった…。

まず構成とプロットが素晴らしい。起きてみたら…なんでこーなってるの?というジェーン・フォンダのゆるーいサスペンス「モーニングアフター」(起きたら死体が横で寝ていた)みたいに、全く記憶がないところであたふたする男たちが可笑しい。ぼくはネイティヴではないので、全ての会話がわかったわけではないが、劇場内(大半が西洋人だった)の老若男女がドッカンドッカン笑ってた。細かいギャグがわからなくてもこの面白さはスゴい。

Odoru0608095_2 「シーザーズパレスって、シーザーが住んでたのか?」とマジにフロントで聞いたり、そのシーザーズパレスでかつて名勝負を繰り広げたマイク・タイソン本人が登場するところも爆笑だったな。ちょっと問題ありきの義兄役ザック・ガリフィアナキスは、初めて見たが、なんかジョン・ベルーシを「アニマル・ハウス」で見た時と同じような「コメディアンとしてイイ感じ」だとぼくは思った。

実質主役といっていいブラッドリー・クーパー(「イエスマン "YES" は人生のパスワード」「そんな彼なら捨てちゃえば?」)は、ハンサムなのにずっこけ演技がハマってる。そう、この映画は誰もふざけてないから可笑しいのだ。シチュエーションがはっきりしているだけに、その中で繰り広げる<人間らしい>行動が観客の笑いを誘うのだ。この辺も脚本(ジョン・ルーカス&スコット・ムーア)が見事。なぜそこまで酔っぱらったのか?も明確な理由があり、そーゆー細部に映画的矛盾がないところもイイ。

他に「オースティン・パワーズ・デラックス」の美女ヘザー・グレアムも出て来るし、謎の中国人(ケン・ジョング)の話す英語も大爆笑。それにも増して赤ちゃん(←かわいい)が出てるところもともかく笑える。一本の映画でこんなに笑ったのは久しぶりだった。ホントに。

下ネタが多く、下品といえば下品なのだが、ぼくにはなんかさわやかな印象が残ったな(笑) ま、今まであまりにヒドい映画を観過ぎた弊害かも知れないが、なんか新しいタイプの知的な(笑)コメディ誕生と云う感じなのだ。エンド・クレジットまで大爆笑の10年に一本のウェル・メイドなコメディ映画!日本では2009年秋公開予定とのこと。見逃すな!

the hangover (2009)

Directed by Todd Phillips
100mins

06-Aug-09-Thu

(追記 28-Sep-09: なんか、日本公開は微妙なようだとのこと。何たるチーア…)

(予告編 ↓)

B001UV4XEW The Hangover [Blu-ray]
Warner Bros. Pictures 

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2009-07-31

「パブリック・エナミーズ(原題)」 PUBLIC ENEMIES

Odoru3007092 ジョニー・デップ主演の新作映画「パブリック・エナミーズ(原題)」"PUBLIC ENEMIES"が香港でも2009年7月23日より公開になった。

あまり先入観なしで観たかったので、監督はマイケル・マン(「ヒート」, 「コラテラル」)だと云う事以外は殆ど情報を入れないで行った。

結論から云うと、Good Movieだった。久しぶりに大人の男が楽しめる渋いギャング映画に出会った気がする。

1930年代、「社会の敵」(Public Enemies)とFBIフーバー長官によって名付けられた、実在したジョン・デリンジャーを中心としたギャング集団の話。
デリンジャー(ジョニー・デップ)が、かつて入っていた刑務所へ行き、仲間を引き連れて脱走する場面から始まるこの映画は、銀行強盗を繰り返すデリンジャー一味と、それを取り締まるべく立ち上がったFBI捜査官メルヴィン・パーヴィス(クリスチャン・ベール)との戦いを軸に展開される。

マシンガン、ライフル、ショットガンをブッぱなすシーンの腹に響くような音響は映画館ならでは。こーゆー迫力ある銃撃シーンを眺めてるだけで、「楽しい」と思えるのは、ぼくが長年映画を観続けたおっさんだからか(苦笑)

Odoru3007095 FBI捜査の手際の悪さや、粗野な捜査員たち。デリンジャーと仲間たちの友情と確執…。ノン・フィクションを原作としているだけにヒーロー視して描かれていないところもいい。

デリンジャーが愛したオンナ、ビリーを演じるのは、「エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜」でオスカー受賞のマリオン・コティアール。彼らの切なくも深い愛は、同時代の”ボニーとクライド”を連想させる。

ジョニー・デップは渋くてやっぱいいなぁ。哀しみのこもった眼が印象的だ。クリスチャン・ベールは、このあいだ「ターミネーター4」のジョン・コナー役で観たばっかなので、また出て来て驚いた。儲け過ぎやね(笑)

捜査を協力するスペシャル・エージェントの一人を、ドン・フライが演じる。ドン・フライだよ!あの、アントニオ猪木の引退試合の相手として東京ドームで闘った!これも驚いたなぁ(笑)

ジョン・デリンジャーというとぼくは1973年のジョン・ミリアス監督の傑作「デリンジャー」を思い出す。ウォーレン・ウォーツがデリンジャーを演じたこの作品は、日本では東京公開より前に地方の二本立で初公開されたという、おそろしく期待されてねーよ的扱いだったのだが、実に面白い映画で、ぼくはその時の二本立のメインは忘れたが、添え物だったこっちの方が強く印象に残っているのである。

Odoru3007098 1931年に「民衆の敵」と云う、ジェームズ・キャグニーのギャング映画の名作が誕生した。その映画の原題は"Public Enemy"と単数形である。

1933年〜34年が舞台のこの「パブリック・エナミーズ」は、まさにその時代のもの。映画の中でも1934年のクラーク・ゲーブル主演のギャング映画「男の世界」(Manhattan Melodrama)を観に行くシーンがある。

なので、音楽も当時売れていたビリー・ホリディの「Am I Blue?」や「The Man I Love」がかかり、トーチ・シンガーとして、本人が登場するダイアナ・クラールの「Bye Bye Blackbird」もとても印象的に使われている。

サントラ盤を買ったのだが、オーティス・テイラーの「Ten Million Slaves」のバンジョーを聴くと「俺たちは明日はない」を思い出させる。ザ・ブルース・フォウラー・ビッグ・バンドもイイ。

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」なんかが好きな人は気に入るんじゃないかな。ラスト・シーンは久々にグッと来たぜ。ともかく大人の男で、特にジャズが好きな人にはたまらない映画だと思う。

日本では2009年12月12日公開予定とか。(アチャー、かなり先ですな…)

PUBLIC ENEMIES (2009)

Directed by Michael Mann
139 mins

30-Jul-09-Thu

(予告編 ↓)

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2009-07-28

「ハリー・ポッターと謎のプリンス」 Harry Potter and the Half-Blood Prince

Odoru2807092 香港でも2009年7月15日から始まった映画「ハリー・ポッターと謎のプリンス」"Harry Potter and the Half-Blood Prince"へ行く。1作目から家族で観に行っているので、今回も(シンガポールで高校行ってる息子も帰ってきており)皆で日曜日に行ってきた。

今回は、ホグワーツ魔法学校のダンブルドア校長が、闇の帝王ヴェルモートの防御を解く手掛かりを得ようと、元同僚で魔法薬学教授ホラス・スラグホーンを迎え入れ、ハリーとともに情報を得ようとするのだが、その一方、思春期を迎えたハリーや、ロンやハーマイオニーたちが恋のさやあてを繰り返す中、ヴェルモートの脅威は徐々に、しかも確実にハリーたちの学校内に入り込んでいっていた… てな話。

これからクライマックスになる前の「つなぎ」のような話の展開で、ここから観た人はわけがわからんと思う。「謎のプリンス」(広東語では混血王子と書いてた)とは誰なのか?ハリーは迫り来るヴェルモートとの戦いに向けて皆と共に戦えるのか?など、大事な局面なのだが、いかんせん映画としての面白さはシリーズを追うごとに失われてきており、我が家の小六の娘は、英語の難しさも相まって「わけわからんかった」という始末。
原作を全て読んでいる息子も、「こんな話だったっけなぁ…」と云うし(昔読んだので忘れてるのもあるが・笑)。

膨大な量の原作を2時間半にまとめるには、見せ場を増やすより、こういう「会話また会話」の方法しかとれないのはわかるが、それにより"大河ドラマ"のようになっていってるのがチト惜しい。

思えば、第一作の時のハリー、ロン、ハーマイオニーのかわいかったこと。その美術とSFXの面白さも天下一品で、英国製少年少女向けドラマ・シリーズとして、子供にも見せ、大人も楽しめる極上のエンタテインメントだったのだが、演じる生身の役者たちが(当然ながら)成長していくにつれ、徐々に変わらざるを得なかったのは仕方がなかったのだろう。

前作の「不死鳥の騎士団」から少しテイストが変わったような気がするのはぼくだけだろうか。この作品だけ脚本がマイケル・ゴールデンバーグ(他は全作スティーヴ・クローヴス)なのはなぜなんだろう?

監督は「不死鳥の騎士団」から次回作「死の秘宝」までデヴィッド・イェーツが務める。彼に代わってから映画が「おとなしめ」になってると思うのだが。

次回最終章となる映画「ハリー・ポッターと死の秘宝」は、なんと2部作となり2010年11月と2011年8月に公開予定である。これも2時間半ずつあるとすると、5時間の大作になるわけで、楽しみ半面「大変やなぁ…」と思ってる親父がここにいる(苦笑)

シリーズが終われば、いつか”ハリー・ポッター・シリーズ一挙公開!”みたいなイベントが行われるだろう。今までの作品の上映時間が「賢者の石」(152分)、「秘密の部屋」(161分)、「アズガバンの囚人」(142分)、「炎のゴブレット」(157分)、「不死鳥の騎士団」(138分)、「謎のプリンス」(153分)なので、合計903分だ。これにまた「死の秘宝」が300分くらい上乗せになるだろうから、合計約1200分(約20時間)になる。映画「イエスマン"YES"は人生のパスワード」に出てきたような、ハリーおたくの人には徹夜で観てもたまらんくらい楽しいのだろうが、おっさんのぼくはもうイイや(笑)

それにしても… 少なくともこの映画シリーズの上映時間だけはぼくも付き合ってきたわけで、自分の人生の約一日分をハリーやロンやハーマイオニーを観るために使ったのか、と思うと感慨深いものがあるな、と思った次第。

「つなぎ」と云う意味では観とかなきゃいかん映画でしょうな。今回は(爆)

Harry Potter and the Half-Blood Prince (2009)

Directed by David Yates
153 mins

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2009-07-08

「アイスエイジ3 ティラノのおとしもの」 3D ICE AGE: DAWN OF THE DINOSAURS

Odoru0807092 香港でも2009年7月1日から始まった映画「アイスエイジ3 ティラノのおとしもの」"ICE AGE: DAWN OF THE DINOSAURS"へ小6の娘と行く。英語版なので金鐘(Admiralty)の日曜夕方の劇場は白人の小さい子供でいっぱい。
娘がコーラ飲みながら 「ちっちゃい子ばっかりで、やーねー」って言うので、「お前も子供だろ!」とツッコんだ父親でありました(笑)

「アイスエイジ」シリーズは我が家でも楽しみにしている一本である。1、2も面白かったので今回も楽しみにしていた。3にあやかったのか(今流行りだから)、今回は3−Dで製作されているのも楽しみの一つだった。

去年あたりから、子供の休みというと3−Dの映画が来るので、もう既に驚きはなくなっている。今回は恐竜ものというアイデアだったので面白いかなと思ったが、3−Dの効果はそれほどでもなかったな。映画自体は、シリーズを知ってて観ると楽しめる作品に仕上がっていた。

Odoru0807098 もうすぐパパになるマンモスのマニーはニコニコし、鹿も追っかけられなくなったサーベルタイガーのディエゴは自分がいやになり旅に出てしまう。友だちがみんな相手にしてくれなくなったナマケモノのシドだが、ある日氷が割れて下の世界に落ちてしまう。そこには、大きな三個の卵があり、それを持ち帰ったシドは、自分が親になり家族を作るんだ、と皆に宣言する。その卵からはティラノサウルスの子供が生まれ、それを捜しに来た母親のティラノサウルスにシドたちは連れ去られてしまう…。

そこからシドを捜して、マニーとおなかの大きなエリー、ディエゴ、クラッシュ&エディは旅に出る。下の世界には恐竜たちの住む別世界があった!というお話なのである。

恐竜ワールドを案内してくれる片目のイタチ、バックの声を英語版はサイモン・ペッグがやっている。「ホット・ファズ」から「スター・トレック」、そしてこの声の出演と、確実にハリウッドの階段上ってる感じだね。

Odoru0807099 「アイスエイジ」シリーズで、ぼくが好きなのは、どんぐりをいつも追っかけてるスクラット君である。彼の出るところはセリフがなく、昔の「トムとジェリー」みたいに、いつもひどい目にあうシークエンスのだが、そこがアメリカのアニメらしくてイイのだ。(これが一番の楽しみで観に行っているといっても過言ではない)

今回は、素敵なメスのリス?かネズミ?、とにかく同じ種類の小動物に出会うところから始まるのだが、そこでかかる曲のイントロを聴いた時にぼくは爆笑した。場内で笑ったのはぼくだけだったのでちとハズカシかったが、この曲は1976年のルー・ロウズのヒット「You'll Never Find Another Love Like Mine」で、中身は「君の人生の中で二度と俺様のような愛には出会えないぜ、ベイビー」なんて歌なんである。
その素敵なメスに、散々な目にあわされるスクラット君は今回も上出来であった(笑)

フォックスアニメは、ディズニーほど健全ではなく、ドリームワークスほど下品でもない。小さい子供向けだが、おとーさんも楽しんで観れたよ。

さてさて、もし次回作「アイスエイジ4」が出来たときに、娘は「一緒に行こう」と言うだろうか?たぶん言わないだろうなぁ、と思った父親であった。しみじみ。

日本では2009年7月25日から公開予定。

ICE AGE: DAWN OF THE DINOSAURS (2009)

Director Carlos Saldanha
94 mins

08-Jul-09-Wed

(予告編 ↓)

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2009-06-11

「ラスト・ブラッド」 Blood The Last Vampire 血戰新世紀

Odoru1106092_2 香港でも2009年6月4日より公開になった映画「ラスト・ブラッド」"Blood The Last Vampire" へ行く。
このところ、映画館へ行くとこの映画の宣伝が凄くって、予告編やメイキング映像をガンガン流していた(下 ↓ にアップしてます)。それもそのはず、香港の会社がフランスと共同で製作しているのだから。これは香港映画と云ってもいいからだ。

予告を見ると、なんか「キル・ビル」ぽくって面白そうで、おっさんのぼくも密かに期待して公開を待っていたのじゃよ。

Production IGのアニメーション「Blood: The Last Vampire」は、評価が高いので知ってはいたが、ぼくは観ていない。
なので、比較は出来ないが、この実写版、あまり褒められた出来ではなかった…。香港の観客もあまり好感を持っていないようで、Yahoo Hong Kong の評価も 2/5の★である(2009年6月11日現在)。

1970年の日本。ベトナム戦争の最中。米軍関東基地内のアメリカン・スクール。小夜というセーラー服の少女が、この世の鬼を退治するためにやってきた。
小夜は人間と鬼のハーフである。父を殺された仇をとるため、形見の刀を背負い、鬼退治に精をだす。いつか、父を殺したオニゲンの首をとるために…。

Odoru1106096_2 出演は、主役の小夜に「猟奇的な彼女」の韓国女優チョン・ジヒョン。小夜の育ての親にして剣の師匠に倉田保昭。仇役のオニゲンに小雪。小夜のスクール・メイトにアリソン・ミラーといった布陣。

監督は「キス・オブ・ドラゴン」のクリス・ナオン。アクション監督はコーリー・ユン。

セリフは殆ど英語。チョン・ジヒョンは英語が素晴らしくうまい。演技も上手。表情もイイ。だが、日本語はヘタだった(笑)

この映画の最大の問題は、チョン・ジヒョン以外の演技が見てらんないところ。特に米軍基地の面々とCIAのグラサン軍団(白人キャスト)がヒドい。
ジヒョンちゃんは、アクションもこなし、本当に頑張ってるので、ちょっと同情するね(メイキングを見ると、ワイヤーで吊らされて頭ぶつけたりして大変そうだったし)。

あと、演出もCGもイマイチ。ジヒョンちゃんや倉田保昭のせっかくのアクション・シーンも、編集がヘタで見ててよくわかんないし(笑)。

アニメのこの作品が大好きというタランティーノなんかに撮らしたらもっと面白くなっていただろう。けど、タラちゃんなら製作費が10倍かかったろうけどね(笑)

Odoru1106097_2 ストーリーもなんか幼稚な感じがして、ぼくは、スクリーンを眺めながら、小学校時代に観た「吸血鬼ゴケミドロ」('68)などの松竹怪奇特撮映画を思い出した。なんとなくテイストが似ているのだ。

だからこれは思い切って小学生向きの映画に徹して作ったほうが面白かったかもしれないね。そうすれば、いきなりCGで人間から変わってしまうレイ・ハリーハウゼンのような動きがぎこちない鬼も楽しく観れたかもしんないから(笑)

1970年の日本を再現しようと頑張ってるのはわかるし、町並みのセットなど面白い絵になっているのだが、映画として作り手が ちとB級すぎたね。残念な出来でした。ハイ。

日本でも2009年5月29日より公開中。オニゲンは黒い血!

BLOOD THE LAST VAMPIRE (2009) 血戰新世紀

Director Chris Nahon
90 mins

11-Jun-09-Thu

(予告編 ↓ 香港版)

(メイキング ↓ 香港版)

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2009-06-07

「スター・トレック」 STAR TREK

Odoru0706092 香港でも2009年6月4日より始まった映画「スター・トレック」"STAR TREK" へ行った。面白いという評判は聞いていたが、本当に面白い!これは傑作だった。TVの「宇宙大作戦」以来、数十年を経て、新たな "スタートレック・シリーズ" の始動である。REBOOT完了!って感じ。

ストーリーを簡単に言うと、酒と喧嘩に明け暮れる、後にエンタープライズ号の船長となるジェームズ・T・カークは、偉大な宇宙艦隊士官だった父の話を、かつての同士クリストファー・パイク大佐から聞き宇宙艦隊アカデミーへ入隊する。艦隊でもトラブルメーカーとなるカークだが、緊急事態でU.S.S.エンタープライズ号の出発に際し、レナード・マッコイの機転でうまく乗り込むが、ウマが合わないスポックと衝突を繰り返し、船から追い出されるハメになる…。

つまり、これは「いかにしてカーク船長やスポックはエンタープライズ号のチームになったのか?」という物語。

映画ってのは、”主人公が映画の始まりと終わりで変ってないと(成長してないと)いけない” とはイイ映画かどうか判断する一つの指標であると云われるが、この映画の主人公カークは、最初はその辺のふざけたあんちゃんが、ラストはなんとも頼もしいリーダーとして成長した姿を見せる。
敵対するスポックも、その出自の不幸を背負って生きることを宿命づけられた男として、抑えきれない感情をどう処理していいのかという苦悩を見せる。

Odoru0706095 カークを演じるのは、クリストファー・パイン。どっかで観た事あるよな?と思い出したら、カリフォルニアで、シャトー・モンテリーナという名ワインを造った男たちを描いた「ボトル・ショック」('08)(未)で、シャトーの息子のきったないあんちゃんを演じてた男。今回はあの<悪い目つき>が良い方へ作用し、何とも魅力的な男に映る。
スポック演じるザカリー・クイントは、ぼくは初めて見たが、顔立ちが初代スポックのレナード・ニモイによく似てて、若い時のスポックを演じるにはぴったりである。

テレビ版「宇宙大作戦」では、チャーリーと呼ばれていた機関主任スコッティを演じるのが、「HOT FUZZ/ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-」('07)のサイモン・ペッグ!彼は「スター・ウォーズ」の大ファンとして知られているが、今回は「スタトレ」に出れた!と喜んでる感じが画面から出てて、観てるこっちも嬉しくなったよ(笑)

Odoru0706096_4 ウフーラ(テレビ版ではウラだったよね)を演じるのは黒人の美人女優ゾーイ・サルダナだが、たまたま昨夜(2009年6月6日・土)香港の地上波で放送していた、トム・ハンクスの「ターミナル」('04)を眺めていたら、(ぼくは忘れていたのだが)空港で働く職員として出演してて、「スタトレ・ファン」という設定だったので笑った。

ネタバレとなるかも知れないが、未来から来た老年のスポックを「宇宙大作戦」の初代レナード・ニモイが演じるのが嬉しい。入れ歯なのか、喋るとちょっと滑舌は悪くなっているが、初期のシリーズを知ってる人間には嬉しかった。

監督のJ.J.エイブラムスはスタトレ・ファンではないらしいが、脚本の一人、ロベルト・オーチーは大オタクだそうだ(もう一人はアレックス・カーツマン)。色んな場面で、ツボを得たセリフも入り、テレビ版「宇宙大作戦」を観ていた40代以上の人間も楽しめる作りになっているのがニクい。「スタトレ」導入編として、新規のスタトレを知らない、特に若い人にもわかり易く、しかもアクションにつぐアクションで面白く作られているのも良い。

Odoru0706097 ラスト、U.S.S.エンタープライズ号の司令室に、ミスタースポック、ドクターニモイ、ミスターカトー(笑・本当はヒカル・スールー)などが集結し、カーク船長と共に出発し、そこにあの「宇宙大作戦」のナレーションとテーマ音楽がかぶさるところは鳥肌ものだったよ。

おそらくこの夏のイチオシの一本!久しぶりに早く続きが観たいと思わせる映画(来週続きが観たい・笑)。去年の夏は、「ダークナイト」だったが、今年はこれだね!映画館でぜひ!見逃すな!

日本では2009年5月29日より公開中。

STAR TREK (2009)

Director J.J. Abrams
127 mins

07-Jun-09-Sun

(予告編 ↓)

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2009-05-31

「ターミネーター4」 Terminator Salvation

Odoru3105092 映画「ターミネーター4」が香港でも始まった(2009年5月28日より)ので行く。週末ほぼ満員の劇場で楽しんで来た。

原題が"Terminator Salvation"(ターミネーター 救世)で、香港の題名が「未來戰士2018」。日本の題名は、3の続きではないのになんで「4」なのかわからんけど…。
それに今回が新3部作の第1部と聞いているのだが。

2018年。「審判の日」後の荒廃した世界では、スカイネットと人類の戦闘が繰り広げられていた。今やレジスタンスの部隊長となったジョン・コナー(クリスチャン・ベール)は、元死刑囚の男マーカス・ライト(サム・ワージントン)と出会う。ジョンとマーカスはスカイネットの中枢へ侵入するが…。

スカイネットのマシンが、相変わらず強くって、かつ巨大化している。アクション・シーンはCGを駆使して面白く楽しめるのだが、上映時間1時間55分が(なぜか)えらく長く感じてしまった。

後半でシュワルツェネッガーがCGでターミネーターとなり登場するのだが、やはりCGだからさほど感動もなかった。
今回観て正直に思ったのは、(権利とは別に)「ああ、やっぱりこのシリーズはシュワちゃんのものだったのだな」ということ。
1作目で見せた、身体が焼けてしまい金属の骨組みだけになってもまだ追っかけて来るターミネーターの強靭さと怖さは、あの大柄なシュワちゃんの姿を見ていたから説得力があったのだ。

今回も、新たにマーカス・ライトが登場するが、役者のサム・ワージントンも立派な肉体で、頑張っているのだが、なんとなく「小さい」のだ。
映画って、映像だから、「見た目」も大事なのである。シュワちゃんのあの顔立ちと体型はサイボーグと云われると納得する顔カタチである。だから「当たり役」となったのだろう。

思えば、1作目の「ターミネーター」は、その頃作られていたシュワちゃんの”マッチョ路線”映画の一本という位置付けでしか無く、そんなにヒットしなかったという記憶がある。「2」は大ヒットしたけどね。

Odoru3105094 ジョン・コナーは、「ダークナイト」でバットマンをやったクリスチャン・ベールである。彼はゴッサムシティや人類を救う「正義の志士」役ばっかりやっているね。私生活は荒れてるようだが(笑)

本作は、前半のアクション・シーンに比べて、クライマックスのラストの戦いが物足りない。なんか、”見慣れた光景”って感じで、ぼくは盛り上がらなかったのだ。

これから3部作で公開されるというが、また次作を観に行く前に、この作品をDVDかなんかで見て復習して行かなきゃならんのかと思うと、おっさんのぼくは正直しんどい(←ま、これが戦略なんですけどね)。
ハリウッドも、シリーズものやリメイクばっかり撮ってるから飽きられて来てるってことをわかった方がいい。だから日本では洋画が入らなくなってるんじゃないかな?と思うのだが。

今、香港のTVでは先週から「ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ」(セカンド・シーズン)が始まった。まだ2週目だが、それを見てから劇場へ行ったのもあるが、ちょっと頭の中が混乱してしまった。
「ターミネーター3」以降、どれもこれも”別物”なので、つじつまが合わないわけで…。

それもこれも、権利が本来の作り手のジェームズ・キャメロンの手を離れたから(離婚の慰謝料で手放したらしい)。お陰で観客は大変あるよ(笑) ターミネーター・ファンは嬉しいのかも知れないけどね。

今夜(2009年5月31日)香港のTVで、「ターミネーター2」を放送する。キャメロンが云うこれで完結という本作が、やっぱり一番面白かったよな。"I'll be back"と言わないで、ここでやめといてくれればよかったのになぁ、と思う今日この頃である。

日本では2009年6月13日より公開。

Terminator Salvation (2009)

Directer McG
115 mins

31-May-09-Sun

【関連】「ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ」(セカンド・シーズン)http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/terminator-the-.html

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2009-05-26

「ナイト ミュージアム2」 Night at the Museum: Battle of the Smithsonian

Odoru2605092 香港でも映画「ナイト ミュージアム2」 "Night at the Museum: Battle of the Smithsonian"が公開になったので(2009年5月21日より)、11歳の娘と週末に行って来た。

前作「ナイト ミュージアム」が意外に面白く家族で楽しめたので、今回も期待して行ったのだが、残念ながら娘はちょっと退屈していたな。理由は、前作に比べて面白いアクション・シーンが少なく、(子供には)笑えるところも少なかったからだ。

前作は、NYのアメリカ自然博物館が舞台だったが、今回は、改装の為に展示物の殆どが、ワシントンD.C.のスミソニアン博物館に運ばれてしまう。今や、懐中電灯の会社を起こし実業家として大成功した元警備員ラリー(ベン・スティラー)は、スミソニアンに運ばれたジェデダイア(オーエン・ウィルソン)からSOSの電話を受ける。友人たちを救うため、ラリーはスミソニアン博物館の地下にある倉庫へ向う…。

スミソニアン博物館は、世界最大の規模を誇り、その所蔵品の総数は一億点を超えるという。そこには世界中の歴史的文化遺産が集められているのだ。

今回は、その博物館の規模に合わせるかのように、前回にも増していろんなものが動き出す。玄関にあるリンカーン大統領の石像をはじめ、古代エジプトのファラオ カーンムラー、ロシアのイヴァン雷帝、ナポレオン、アル・カポネ、カスター将軍、アインシュタイン等々。

今回は美術品も動きだし、”考える人”も考えるのをやめる(笑)。ウォーホルやエドワード・ホッパーの名画も動き出し、有名なライフ誌の1945年の写真「タイムズスクエアのキス」の中にも主人公たちは入って行く。

Odoru2605094_2 今回、ラリーと一緒に<冒険>してくれるのは、アメリア・イヤハート(エイミー・アダムス)。彼女は1930年代に女性として初めて大西洋単独横断に成功したパイロットだ。
彼女の登場により、スミソニアンの中にある航空宇宙博物館内での飛行機によるアクション・シーンが成り立つ寸法になっている。

博物館の規模が大きくなったので、映画の規模も大きくなったように思えるが(製作費150億円とか)、そのために前作のようなスリルが少なくなったように感じた。巨大なタコの標本も動くのだが、ティラノ・サウルスほどドキドキするでもなかったからね。

ギャグにしても、ナポレオンに身長の話をしつこくしたりと、ナポレオンが背が低かったことを知らないと笑えないものだったりする。つまり、歴史をある程度知ってから見た方が楽しめるものなので、うちの11歳の娘にはそんなに楽しめなかったかな?と思うのだ。

前作でぼくが一番気に入ってたのは、出演者にミッキー・ルーニーとディック・ヴァン・ダイクという<博物館級>の往年のスターが顔を見せていたところだ。今回はそういった「お楽しみ」もなかった。

Odoru2605097 NYでは馬に乗っていたルーズベルト大統領(ロビン・ウィリアムズ)は、スミソニアンでは胸像となって登場する。ここは、ハナ肇を思い出したよ(←古い?笑)

前回同様ディスコ・ミュージックを使ってるのは、おじさんには懐かしい。「モア・ザン・ウーマン」のところは笑えるし、ラスト近くの「レッツ・グルーヴ」もイイ(前作もこの曲だったけな?アース・ウィンド・アンド・ファイアーの)。

冒頭出て来るジョージ・フォアマン(本物)。ファラオ(ハンク・アザリア)が博物館で着てふざけるのが、モハメド・アリのガウンというのは、1974年の名勝負「キンシャサの奇跡」を見た男はニヤリとさせられる。

ダース・ベイダー、セサミストリートのオスカー、「オズの魔法使い」('39)のドロシーの赤い靴なんかが出て来るのを見ていると、スミソニアン博物館へ行ってみたいな、と思わされる。

こんな風に親はまぁまぁ楽しめるが、小さい子供にはどうだろう、という映画でした(前作の方が楽しめた)。けど、観終わった後、娘に色々歴史上の人物なんかを教えてやれるという意味では、親としてよかったかなと思う。

日本では2009年8月13日より公開。

Night at the Museum: Battle of the Smithsonian (2009)

Director Shawn Levy
105 mins

26-May-09-Tue

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2009-05-14

「天使と悪魔」 ANGELS AND DEMONS

Odoru1405092 映画「天使と悪魔」"Angels And Demons"が香港でも公開となったので行く(2009年5月14日)。

原作は、ダン・ブラウンの同名小説。前作「ダ・ヴィンチ・コード」のロン・ハワード監督と主演のトム・ハンクスのコンビが送る”ロバート・ラングドン”シリーズ第2弾である。

「ダ・ヴィンチ・コード」は2003年に出版され、2006年の映画版も大ヒットしたので、今回の「天使と悪魔」も当然映画化となったわけである。原作は、2001年に出版されたので「ダ・ヴィンチ」の前なのだが、映画では続編という作り方になっている。

スイス、ジュネーブにあるセルン(欧州原子格研究機関)で、今大きな実験の結果が出ようとしていた。それは”反物質”という恐るべき破壊力を持った物質を人間の手で初めて作り出した瞬間だった。それを見届けた父が待つ地下室へ娘のヴィットリア・ヴェトラ(アイェレット・ゾラー)が行くと、そこには片目をえぐられた父が無惨な姿で横たわっていた…。
朝早くプールで泳いでいるハーバート大学の宗教象徴学者ロバート・ラングドン(トム・ハンクス)の元に、見知らぬ男が訪ねて来た。彼はカトリックの総本山ヴァチカンからの使者だった。17世紀にガリレオなどの科学者により組織されたが、消滅したと思われていた秘密結社”イルミナティ”の攻撃を受けていることを聞き、ラングドンはローマへ飛ぶ。
教皇の逝去の後、コンクラーベが行われる最中、イルミナティ側は最も有力な4名の枢機卿を誘拐し、1時間毎に殺害すると予告。さらに”反物質”によりヴァチカン全体を爆破する計画まで進めていたのだ。残された時間はわずかしかない。
ラングドンたちは、少ない手がかりの中、前教皇侍従カメルレンゴ(ユアン・マクレガー)らと共に、暗号を見つけ出し枢機卿とヴェチカンを救うことが出来るだろうか…?

Odoru1405095 「ダ・ヴィンチ・コード」の時もそうだったが、セリフで全てを説明しようとするので、会話会話だ。しかもトム・ハンクス演ずるラングドンがスーパーヒーローのようにすぐ「思いつく」ので展開が早い。両作品とも原作を読んでいるぼくには、いささかはしょり過ぎの感があった。
ま、これは原作の「天使と悪魔」が文庫本でも900ページ以上もあるので、仕方がないことなのだが。

読んでみて「天使〜」の方が、「ダ・ヴィンチ」に比べて、アクション要素も強く、タイム・リミットもありスリリングな展開で、映画にしたら面白いだろうなと思っていた。
だが、実際の映画を観てみると、テンポはあるのだが(原作に比べると)スリルもさほど感じず、何より原作のテーマである「宗教と科学の哲学的会話と批判」(とぼくは思った)が希薄で、アクション重視となっているのがどうもね。映画としては「ダ・ヴィンチ」よりは面白いかも知れないけど。

それに、予算の関係もあるのだろうが、登場人物も違ってて、セルン所長のコーラー、BBCの記者とカメラマンは出てこない。それにカメルレンゴを、ユアン・マクレガーが演じるためか、設定がイタリア人ではなく英国人になり役名も変っている。そんなかんだで、ラストも違うものになっているのだ。
原作との違いはもっとあるのだが、映画の脚色としては仕方ないところもある。だけど、ヴィットリアの役が原作と比べ、あまりに色気がないのが一番の不満と云えば不満かな(笑)

Odoru1405096 映画版でいいのは、「ダ・ヴィンチ」の時も思ったが、実際の場所に行ってロケをしていることである。文章ではわからないところなど、映像で見ると一目瞭然だし、観光気分も味わえるしね。そこは映像に分がある。
ロバート・ラングドンは「ダ・ヴィンチ」の原作では「ハリソン・フォードのよう」と書かれていたと思うが、トム・ハンクスが演じてる。まぁこれはいい。今回は、カメルレンゴをやったユアン・マクレガーが原作のイメージにぴったりだと思った。

原作を読んでしまったので、映画版と比較すると原作が面白いに決まっている。人物描写も細かく描いてあるし、「宗教」と「科学」という「理性」と「感性」の違いが相容れるのか?という観点での読み手の思考力もかき立てられるしね。

これは原作を読まないで観に行くと面白いかも知れませんな。メインは5時間ほどの物語だが、原作は5時間では読めなかったから(苦笑)。代わりに映画では2時間19分で見せてくれるからね(笑)

日本でも2009年5月15日から公開。

ANGELS AND DEMONS (2009)

Director Ron Howard
139 mins

14-May-09-Thu

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2009-05-06

「ウルヴァリン: X-MEN ZERO」 X-Men Origins: Wolverine

Odoru0605092 香港でも2009年4月29日から公開された映画「ウルヴァリン: X-MEN ZERO」 "X-Men Origins: Wolverine" へ行く。

最近ぼくは、スカッとした映画を観てなかったので、こういったアクションものが観たくて劇場へ足を運んだのだった。

Rotten Tomatoesでは36%(2009年5月6日現在)と低い評価だったので、あまり期待はしていなかったが、ぼくはけっこう面白く観れたな。エドワード・ノートン版「インクレディブル・ハルク」くらいの面白さはあった。アクションシーンが食い足らない、とか、CGがしょぼい、とか悪口はあるが、この作品は、ウルヴァリンの誕生物語なのでこれでオッケーと思うのだけれど。アメリカでは大ヒットしているというのもわかるな。

X-MENシリーズのスピンオフ企画。このところ流行の「過去を描く続編」(prequel)である。
正直云うと、ぼくは最初の「X-MEN」を観て、あまりノレなかったで、その後は観ていない。ファンの人から見ると、そんな奴がこの映画を語るな!とお叱りを受けるかもしれない。例えば「スター・ウォーズ」4,5,6を観ないで、1を観たようなものだからね。

だが、ぼくは入口はどこからでも楽しめるのがイイ映画だと思う。これはシリーズものと云っても”ビギニング”なので、予備知識に乏しくても観れるかなと思ったのだ。ぼくが「面白かった」と思えたのは、ひょっとしたら「X-MEN」のコアなファンじゃなかったからかも知れないね。

1845年。自分の父親を目の前で殺されジェームズ・ハウレット少年は、怒りから拳の先から出た爪(最初は生身の爪である)で、相手のローガンを刺し殺してしまう。その時、ローガンはジェームズに「お前は俺の息子だ」と云い息絶える。ローガンの息子ヴィクター・クリードが自分の兄だとわかったジェームズはその場から二人で逃げ出す。

Odoru0605096 大人になり、南北戦争、第一次大戦、第二次大戦、ヴェトナム戦争とその特殊能力を使い戦ってきた二人だが、次第に横暴になっていくヴィクター(リーヴ・シュレイバー)にジェームズ(ヒュー・ジャックマン)はいい感情を持てなくなっていた。

ウィリアム・ストライカー(ダニー・ヒューストン)に誘われ、ミュータントのエリート集団 "Team X" へ入った二人だが、ナイジェリアで、何の罪もない素人を殺すこの集団に嫌気がさし、ジェームズは辞めて一人カナダのロッキー・マウンテンで木こりとなる。

6年後、名前をローガンと変えたジェームズは、そこで知り合った小学校教師カイラ・シルバーフォックス(リン・コリンズ)と平穏な日々を送っていたが、再び目の前にストライカーが現れる…。

カナダの山々の自然の中(ロケ地はニュージーランド辺りのようだが)でのアクション・シーンは大画面で見るとまぁまぁ迫力がある。その後は、ローガンと兄との確執、ストライカーの手によりサイボーグのようなミュータントに生まれ変わり、ウルヴァリンとなっていくことなどが描かれていく。Team Xのミュータントたち。後半に登場する若いミュータントたち。これを観て、X-MENトリロジーを見直すのも視点が変わって面白いかもね。

一番の見所は、ローガンが兄のヴィクターに踏まれて生身の爪を折られるところかな?見てて痛かったな(笑)

この映画、本当は昨年完成していたそうなのだが、完成版がYouTubeにアップされてしまい、作り直しを余儀なくされたそうだ。なぜ流出したか、未だわかってないそうだが、20世紀フォックスも災難やったね。

後で知ったのだが、この映画、エンド・クレジットの後にもう1シーンあるのだそうだ(日本のバーのシーンらしい)。香港では映画が終わると観客はさっさと帰り、最後までいようものなら、掃除のおばちゃんに睨まれるのでいつも早めに出るのである。「アイアンマン」の時も同じ失敗をしたのだが、マーベル・コミックの映画はそーゆー作り方だったというのを忘れていた。皆さん、気ぃつけなはれや!

日本では2009年9月公開予定。

X-Men Origins: Wolverine (2009)

Director Gavin Hood
107 mins

(予告編 ↓)

06-May-09-Wed

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2009-05-04

映画 「コラライン」 3Dヴァージョン Coraline (Digital 3D Version)

Odoru0405092 ストップモーション・アニメ 映画「コラライン」 3Dヴァージョン "Coraline" (Digital 3D Version) が香港でも公開(2009年4月30日)になったので、11歳の娘と一緒に行ってきた。

香港でも豚インフルエンザの感染者が出たという時に、子供と映画館に行くのも「なんだかなぁ」と思いつつ、3連休で、映画館でホットドックを食べるのを楽しみにしている子供を連れ(←なんて不憫な子だ)、マスクをして行ったのだった。

ストップモーション・アニメとは、一コマずつ人形を動かして撮影するアニメーションのこと。今はCG全盛となっているので、こういう手間と時間がかかる職人技の映画も少なくなってきた。

原作は、英作家ニール・ゲイマンの「コララインとボタンの魔女」。2002年にイギリスSF協会賞を受賞しているファンタジー・ホラー。監督は、あの傑作!「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」('93)のヘンリー・セリックである。これは期待してしまうわな(笑)

オレゴン州の田舎にあるピンク・パレス・アパートがこの物語の舞台。ミシガンから引っ越して来たばかりのコララインちゃんは、家でもパソコンを使って働く両親にかまってもらえない。森の中で大家さんの孫息子ワイビーや、黒猫と出会うが、一緒に遊ぶでもない。隣人は、サーカスにいたというボビンスキーというおじいさんと、元舞台女優の太ったフォーシブルと巨乳のスパンクだ。

Odoru0405098 退屈したコララインは、家の中を冒険する。ある部屋で壁紙の裏にある小さなドアを見つける。開けてはみたが、レンガで埋められて先へは進めない。
その晩、眠りにつこうとしたコララインは、小さなねずみを見つけ後を追いかける。ねずみが行き着いた、あの小さなドアを開けると、そこにはキラキラと輝く道があり、その先には部屋が見えるのだった。

その部屋へたどり着いたコララインは、自分の家と全く同じ世界に驚く。このもう一つ別の世界に住むお父さんとお母さんはやさしく、ご馳走も出してくれ、コララインと一緒に遊んでもくれる。ただ一つ違っていたのは、彼らの目がボタンで出来ていることだった…。

物語の進行が遅く、少しダークな展開となるので、あまり小さな子供向けとはいえない。主人公のコララインちゃんが、かわいい女の子なので、劇場内は子供連れが多かったが、笑い声も殆どなく、そういう普通の子供向けの映画館の明るい雰囲気は全くといっていいほど無かった。

実際、うちの娘も、(英語もあるが)ちと難解なストーリーと、盛り上がりの少ない展開に途中で飽きていた。

Odoru0405097 大人の目で観ると、「不思議な国のアリス」を連想させるプロットや、その造形の面白さとイマジネーションの豊富さは素晴らしいと思う。が、いかんせん、親としては、やはり子供が楽しんでくれてなんぼのもの、という思いがあるので(まして、物語は本当の親より良いと思った別の世界の親が、実は怖い人だったというものなので)、もっと子供もわくわくするように見せてくれればありがたかったかな、と思う。

コララインの声はダコダ・ファニングが担当。お母さんの声はTV「デスパレートな妻たち」の萬田久子、もといテリー・ハッチャーがやっている。(香港では字幕版のみの上映)

コラライン(Coraline)の名前は、キャロライン(Caroline)の「a」と「o」がひっくり返った名前なので、みんなが言い間違える。それも彼女を少し不機嫌にさせる理由の一つ。

元女優のスパンクが超巨乳で、何十年後の叶姉妹ってあんな感じかな、と思ったりした(笑)

Odoru0405099 香港での公開前に、地上波でこの映画のメイキングをやっていた。手作りの人形やセットは本当に素晴らしく芸術的なものだった。人形の顔は、コマごとに口から下を入れ替えて撮って行く。口から耳への線は後でCGで消すのだ。その手作業の撮影風景を見ていると、ホントに「好きじゃなきゃ出来んだろう、こんな仕事」と思わされた。

大人の鑑賞には充分耐えうる3Dアニメだが、(たぶん10歳前後くらいまでの)子供たちにはどうだろう?そういった意味で、ぼくら父子には満足度の低い、ちと残念な評価の映画でした。日本ではいつ公開になるのかはわからないが、ご参考まで。

Coraline (2009) (Digital 3D Version)

Production Designer, Producer, Writer and Director: Henry Selick
102 mins

(予告編 ↓)

04-May-09-Mon

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2009-05-02

「セブンティーン・アゲイン」 17 Again

Odoru0205092 ザック・エフロン主演の映画「セブンティーン・アゲイン」 "17 Again" が香港でも公開になった(2009年4月30日)ので、11歳の娘にせがまれて行ってきた。

日本では今ゴールデン・ウィークだが、香港では5月1日(金)が「労働節」で休みなので、娘の学校も3連休となっているのだ。

娘は、「ハイスクール・ミュージカル」シリーズにハマって、ザック・エフロンのファンになってるので、前々から連れて行く事を約束させられていたのである。

サスガに香港でもティーンの間で、ザック・エフロンが人気のようで、インター・スクールや、家族連れの子供たちで満員の盛況だった。

1989年。マイク・オドネル(ザック・エフロン)は、高校のバスケットボールの花形だった。大事な試合の直前、カノジョから妊娠を告げられ、カレッジ進学を諦め結婚する。
20年後のマイク(マシュー・ペリー)は、その妻スカーレット(レスリー・マン)と離婚調停中で、高校時代からの親友であるネッド(トーマス・レノン)の家に居候中だ。
仕事もうまくいかず、自分の人生を後悔するマイクだが、ある日突然17歳の姿に戻ってしまう。それ以来彼は、これまでの人生を取り戻そうとする。

男親が、年頃の娘と息子に相手にされないのは世界中で当たり前の話。
だが、17歳となり、子供たちの高校へ編入してからは、息子のアレックス(スターリング・ナイト)にバスケを教え、彼女の作り方をアドバイスしてやる。
娘のマギー(ミシェル・トラクテンバーグ)の前でも、不良と付き合うなと古臭い説教ばっかりするが、振られた後は本当にやさしく慰めてやる。
同じことを話しても、同世代の友人なら聞き入れるが親だと聞かないというのは、しょうがないことだなぁと実感する。

映画好きのおとーさんのぼくには、主人公の親友役のトーマス・レノンのキャラ設定が面白かった。学生時代は、ネクラでオタクだった奴が、実社会では成功してプール付きの家に住み、ハイスクールではヒーローだった男の方がうだつが上がらないなんて、ちとリアルだし(笑)、部屋にはスター・ウォーズに代表される「お高い」グッズが満載なのだ。寝てるベッドがSWの"ランド・スピーダー"というのが笑えるし、デートでの「ロード・オブ・ザ・リング」ネタの会話も面白い。

Odoru0205095_3 ザック・エフロンは、HSMの時のようなチーム・プレイでなく、今回は身体は17歳だが、精神的には37歳という主役を堂々と演じて好感が持てる。

得意のバスケットボールも見せるし、踊りも見せ、彼のファンには満足させる作り方だ。娘も喜んでくれてよかった(ホッ)。

こういうバック・トゥ・ザ・フューチャーみたいな映画では、その昔、(何を思ったか)フランシス・フォード・コッポラが撮った「ペギー・スーの結婚」('86)を思い出す。これも、キャスリーン・ターナー扮する別居中のおばさんが、自分が輝いていた高校時代へタイムスリップするというものだった。

「ペギー・スー〜」は、CGが今ほど発達してない時代、キャスリーン・ターナーが16歳の生娘になるというおぞましい映画だったが、本作は若い時は<美しい>ザック・エフロンが演じるので無理がない。(中年役はTV「フレンズ」のマシュー・ペリー)

結局、人生は、やり直したいと思っても、今が(つまり現実が)一番なんだということを教えてくれる。

若いティーンの女の子向けの映画と思わせつつ、じつは「中年クライシス」まっただ中のおっさん向けの映画だった(笑)
奥さんとの関係、子供との関係を見つめ直し、自分の人生を「生き直す」きっかけを見せてくれる良質のコメディ。
アメリカン映画ではよくあるプラス思考の映画。

娘が振られて泣いてる時に、父親のザック・エフロンがなぐさめるセリフがイイ。

「若いから、今が人生の最後だと思うほど辛いだろう。だが違うよ。今が終わりじゃない、始まりなんだよ」

日本でも2009年5月16日から公開。おとーさんが、家族を連れて行くにはいい映画かもね。一緒に来てくれるかどうかは知らんが(笑)。

17 Again (2009)

Director Burr Steers
102 mins

(予告編 ↓)

02-May-09-Sat

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2009-04-28

「ノウイング」 KNOWING

Odoru2804092 ニコラス・ケイジ主演の新作映画「ノウイング」"KNOWING"へ行く。香港では2009年4月16日から公開になった。

1959年、米・マサチューセッツに新設された小学校。生徒達は50年後に開けるタイムカプセルに入れる未来の予想図を描いていた。チャイムがなっても狂ったように筆を止めない女子生徒 ルシンダ(ララ・ロビンソン)。強引に紙を取り上げた教師は、そこにびっしりと書かれた数字の羅列を見てけげんな顔をする…。

50年後。タイムカプセルを開け、ルシンダの封筒を手にした少年 ケーレブ(チャンドラー・カンタベリー)は、間違ってそれを家に持って帰ってしまう。マサチューセッツ工科大学で天体物理学を教える父ジョン(ニコラス・ケイジ)は、そのことを叱るが、その数字の羅列を眺めているうちにある奇妙な法則を発見する。

例えば、”911012996”とは「9月11日 2001年 2996名死亡」という意味ではないか?その紙に書かれた他の数字も、過去の世界の大惨事の日付と犠牲者の数とことごとく一致するのだ!?

女の子はなぜこの数字を書いたのか?ここに書かれた、これから世界で起こりうる惨劇は何なのか?そして父子の運命は?…

(ここからは、ちとネタバレがあるので、ご注意のほど)

ぼくはこの映画は、そういった謎解きのSF・サスペンス・スリラーと思ったので興味をもって観に行ったのだが、そこからは、黒いコートを着た謎の男たちが、子供をさらいに来て、ちょっとオカルト的な展開になり、ラストは地球終末のディスアスターものとなる。

Odoru2804095 ニコラス・ケイジの父子と、ルシンダの娘ダイアナ(ローズ・バーン)とアビー(ララ・ロビンソン)母子が、あまりに無防備に子供をさらわれ、謎の男たちの正体も、驚くというより、「えっ?しょーゆーこと」というもので、ぼくは正直脱力した。

途中から話が論理的ではなくなり、最後はそんなオチか… という感じ。せっかく飛行機墜落シーン(ワンカット!)など面白いシーンがあるのにな。

なんか、最近は<安い見世物小屋>と化しているナイト・シャマランの映画を観たときと同じような「だまされた感」でいっぱいになるのだ(笑)

ラストのユートピアみたいな映像を眺めながら、「この監督(「アイ、ロボット」のアレックス・プロヤス)は何か悪い宗教に入ってて、変なメッセージをこの映画を使って発信しているんじゃないのか?」と邪推してしまったよ。

Rotten Tomatoesでも、34%(2009年4月28日現在)とビミョーな評価。
好きな人はとても気に入ってるようであるが、ぼくにはそれは「洗脳されたんじゃない?」としか思えなかったな。
こんなことなら、ぼくはこの映画を”ノウイング”しなくてもよかった、ってな感じである(笑)

日本では、2009年7月19日から公開。

KNOWING (2009)

Directed, Co-Produced & Co-Written: Alex Proyas
121 mins

(予告編 ↓)

28-Apr-09-Tue

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2009-04-20

第二十八屆香港電影金像獎 (第28回香港映画賞) The 28th Hong Kong Film Awards

Odoru2004098_3 第二十八屆香港電影金像獎(第28回香港映画賞)"The 28th Hong Kong Film Awards"の授賞式が昨夜(2009年4月19日)香港のTVで録画中継されたので見た。

ぼくはこの中継をやっていることを忘れてて、途中から見たのだが、たとえ言葉がわからなくても、ショーとして結構面白くて(少なくとも日本アカデミー賞より面白い・笑)毎年楽しみにしているのだ。

今年も、総合司会は「無間道」《インファナル・アフェア》のヤクザの親分役でおなじみの曾志偉 (エリック・ツァン)だった。彼は香港ではコメディアンとしても有名で、とても人気があるのである。

ぼくが見たのは、音響効果賞あたりからなのだが、”チェッベェ”の受賞が続いて、ちょっと驚く。”チェッベェ”とは「赤壁 」《レッドクリフ》(Red Cliff)のことで、Part 1は香港ではあまり評判がよくなかったものだからね(笑)。

その「赤壁」《レッドクリフ》は、最優秀音楽賞(Best Original Film Score)も受賞。作曲は、日本人の岩代太郎氏だが、会場には現れず。
Odoru2004096_6 最優秀歌曲賞(Best Original Film Song)は、「畫皮」(Painted Skin)の藤原育郎氏が受賞。日本語でお礼のスピーチをしていた。
今年は「葉問」(Ip Man)でも、川井憲次氏が音楽賞にノミネートされていた。日本人の活躍が嬉しい。

主演女優賞は、ベテランの鮑起靜 (パウ・ヘイチン)が「天水圍的日與夜」《生きていく日々》(The Way We Are)で受賞。

主演男優賞は、任達華(サイモン・ヤム)「文雀」(Sparrow)、梁朝偉(トニー・レオン)、「赤壁」《レッドクリフ》(Red Cliff)、甄子丹(ドニー・イェン)「葉問」(Ip Man)などを抑えて、「証人」 (The Beast Stalker)で、鬼気迫る誘拐犯を演じた張家輝(ニック・チョン)が受賞。ちょっと意外だったな。

Odoru2004095_5 最優秀監督賞は、「天水圍的日與夜」《生きていく日々》(The Way We Are)の女性監督・許鞍華(アン・ホイ)が受賞。
他の候補は、杜琪峯(ジョニー・トー)「文雀」(Sparrow)、呉宇森(ジョン・ウー)「赤壁」《レッドクリフ》(Red Cliff)、陳木勝(ベニー・チャン)「保持通話」(Connected)、葉偉信(ウィルソン・イップ)「葉問」(Ip Man) だったことを考えると、(「おばさんのポストモダン生活」の)許鞍華(アン・ホイ)おばさんの受賞は立派なもの。

最優秀作品賞は、ブルース・リーの師匠の半生を描いた、クンフー映画の傑作 「葉問」(Ip Man) が受賞した。

他の候補は;

Odoru2004097_6 「赤壁 」《レッドクリフ》(Red Cliff)
「畫皮」(Painted Skin)
「天水圍的日與夜」《生きていく日々》(The Way We Are)
「長江7號」《ミラクル7号》(CJ 7)

でした。(ここに選ばれるのは、ある程度出来がいいからだと思うので、そういう意味では、香港映画を観る時の参考になると思う)

超ベテラン女優の蕭芳芳(ジョセフィーン・チャオ)に生涯功労賞が送られ、プレゼンターは、王家衛 (ウォン・カーウァイ)監督だった。

Odoru2004094_3 会場には、たくさんの明星(スター)が集まり、映画ファンならそれを眺めてるだけでも結構楽しい。
ぼくは不摂生がたたり(爆)扁桃腺が腫れてしまい、昨夜は寝た方がよかったのだが、ついつい最後まで見てしまった(終わったのはPM11:45頃)。これも不摂生ですな(笑)

第二十八屆香港電影金像獎 The 28th Hong Kong Film Awards
http://www.hkfaa.com/

【関連】
「葉問」(Ip Man)
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/ip-man-25fd.html

「赤壁」《レッドクリフ》(Red Cliff)
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/red_cliff_f2f8.html

「長江7號」《ミラクル7号》(CJ 7)
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/cj7_dvd_c336.html

20-Apr-09-Mon

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2009-04-16

「新宿インシデント」 Shinjuku Incident (新宿事件)

Odoru1604092 ジャッキー・チェン主演の映画「新宿インシデント」"Shinjuku Incident"(新宿事件)へ行く。

香港では2009年3月22日 香港国際映画祭のオープニング作品として上映され、その後 4月2日に劇場公開となった。

いやー、これは、ごっつい<ヤクザ映画>の誕生である。ただ、陰惨な映画で、観たあと陰鬱な気分になった。胃の中にイヤーなものが残ってる感じ、とでも云えばわかってもらえるだろうか。

日本人なら(おそらく)描けなかった、新宿・歌舞伎町の裏社会の図式。日本のヤクザ、台湾系、中国系ヤクザが抗争を繰り広げる様をよくここまで映像化したものだと感心した。

ジャッキー・チェン(製作も兼ねる)が真面目な中国人を、真面目に演じる。アクション・シーンでも決して強くない。喧嘩の時も、普通の戦い方だ。観てるこっちは、彼が「強い」のがわかってるから、クンフーで簡単にやっつけられるのに、と頭の中で思いながら観てしまったほど。

1990年代。若狭湾で座礁した貨物船。大人数の中国系密航者たちが浜辺に横たわっている。それを見つけた巡回中の警官を密航者たちは押さえつけ、ばらばらに逃げて行く。

その中の一人、中国東北部の寒村から来た鐵頭(ジャッキー・チェン)は、なけなしの日本円を持ち、友人の阿傑(ダニエル・ウー)のいる新宿・大久保までやっとの思いでたどりつく。鐵頭は、10年前に叔母を頼って日本へ行ったきりの恋人・秀秀(シュー・ジンレイ)を捜しに日本へやってきたのだ。

Odoru1604097_2 高田馬場の駅前で、日雇いの列に並び、最底辺の労働に従事し、なけなしの金をもらい生活する日々。地下水道でゴミ処理をしている時、警察の手入れがあり、鐵頭は逃げるが、追いかけてきた刑事・北野(竹中直人)がおぼれそうになったところを助けてやる。中国語が少しできる北野は彼に「借りが出来た」と言い、見逃してやる。

そんなある日、歌舞伎町の台湾系ヤクザが仕切るクラブの厨房で働いている時、鐵頭は秀秀を見つける。あろうことか、秀秀は日本のヤクザ 三和会の幹部・江口(加藤雅也)の妻となり、名前も結子と変わっていたのだ。

その夜、鐵頭は新大久保辺りで買った白人の娼婦を抱く。それからの鐵頭はあらゆる汚い手を使って金を稼ぎまくる。偽造テレカの販売、カード詐欺や盗んだブランドものを中国系アウトレットで売る、改造ロムでパチンコ屋で稼ぐ…。

悪い事が出来ない気の弱い阿傑のために、鐵頭たちは彼に天心甘栗の屋台をプレゼントする。喜んで歌舞伎町で商売に精を出す阿傑だったが、あることで中国系のバーの主人を怒らせ、ヤクザにボコボコにされ、屋台も盗られてしまう。怒った鐵頭たちは、鉄パイプを持ち、そのバーへ乗り込んでいく。

Odoru1604096_3 それ以来、鐵頭たちは、日本・台湾・中国ヤクザの抗争の渦中に、いやおうなく引きずり込まれてしまうのだった…。

日本でも問題となっている外国人犯罪者の増加。歌舞伎町に代表されるであろう、そういった人間がどうして増えたのか?というのが、この映画を観れば少しはわかる。

中国の農村部で働く貧しい人々から見ると、日本という国は豊かな、まるで天国のようなところに映る。中国残留孤児だったら日本で暮らせる、とか、皆夢を見る。そして、日本へ合法、非合法に入国して、彼らは生きるため、金のために何でもする。売春、麻薬、盗み…そうして日本の黒社会と接点を持ってしまうのだ。

イー・トンシン監督は、中国から香港・旺角へ彼女を捜すために来て、黒社会と関わる殺し屋の話を「ワンナイト イン モンコック(旺角黒夜)」('04)で描いたが、今回は、舞台を新宿に変え、主人公がまた争いの渦に巻き込まれるという、同じような題材を、製作費をかけ、同じように<救いのない>映画に作り上げた。

「ナイト~」の主役は、本作にも出演しているダニエル・ウー。監督のお気に入りなんだろうと推察するが、「ナイト~」の時もボコボコ、血だらけにされ、今回も阿傑役で陰惨なやられ方で、ちと同情するなぁ。

日本のヤクザを演じる、峰岸徹、(香港映画出身の)倉田保昭 !など、たたずまいに迫力がある。関西弁の加藤雅也もいい。

Odoru1604095_3 刑事役の竹中直人もいい味を出している。もう少し、人間として真面目なジャッキー・チェン(成龍)の役と交流する場面があってもよかったかも。

日本のクラブで働き、鐵頭と付き合うリリー役のファン・ビンビンもかわいかったが、特筆すべきは、ホステスを経て、江口の妻となる役のシュー・ジンレイである。
着物を着た姿から、日本でのホステスぶりが伺える、めちゃくちゃリアリティのある存在感。これには参った。

前半はリアルな場面が続くが、後半の大戦闘場面などは、(日本人から見ると)香港映画的演出がなされる。香港や台湾ヤクザの役者陣も力の入った演技だ。

ぼくはこの映画は、香港で公開一週目にナンバーワン・ヒットとなっていたので、しばらくやってるだろう、とのんびりかまえていたのだが、二週目終了時点(4/15)で、事務所近くの劇場では終了になると聞き、あわてて観に行ったのだった。

確かに内容が暗いので、香港人にもあまり評判がいいとはいえないが、これ以上ヒットが望めないと思ったのかな?理由はわからないが、あまりに早く終わるので驚いたのだった。(他の映画館ではまだ上映中)

日本では、2009年5月1日よりロードショー。はっきり言って、デートには向かない映画である(←楽しい気分になれまへん)。
ぼくが日本にいたら、絶対 歌舞伎町で観るな、この映画(笑)

新宿事件 (2009) Shinjuku Incident

導演: 爾冬陞  Director: Derek Yee
120 mins

(香港版予告編 ↓)

16-Apr-09-Thu

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2009-04-14

「モンスターVSエイリアン」 MONSTERS VS. ALIENS Real-D 3D Version

Odoru1204092 11歳の娘と映画「モンスターVSエイリアン」(3Dヴァージョン)"Monsters vs. Aliens"へ行く。(香港では 2009年4月9日より公開)

香港もイースター・ホリデー(4/10-13)だったので、子供と休日に行くには最適の映画だった。

正直とっても面白かった。おそらく娘よりおとーさんの方が楽しんだと思う。なぜなら、これは「怪獣映画」だったからなのじゃよ!

簡単なあらすじは、宇宙から来たエイリアンを倒すため、米国が過去50年間秘かに捕獲し、飼育していたモンスターたちを使って地球を守ろうとする、というもの。

何がそんなにオヤジの琴線に触れたかというと、ここに登場するモンスターたちである。

主人公のスーザンは、結婚式当日、宇宙から落下した隕石に当たってしまい、巨大化しスーパーパワーを持ってしまうのだが、他のモンスター・キャラがオヤジを泣かせるのだ。

まず、コックローチ博士(Dr. Cockroach, Ph.D)はマッド・サイエンティスト。自ら人体実験を行った装置の中にゴキブリが入っていたため、自身がコックローチになってしまった博士。

Odoru1204095_3 ミッシング・リンク(The Missing Link)は、水陸両用の半猿半魚人。20,000年前から生息したが、氷漬けとなり科学者により発見された。

ボブ(B.O.B)は、脳みそがないスライムみたいな水色の物体。科学実験の失敗から実験室からあふれ出たもの。

そして、ムシザウルス(Insectosaurus)は、南海の孤島で生まれた虫が、核実験により巨大化し東京を襲った!という怪獣。

これを読んでくれている賢明な方々はもうおわかりだろう。この面々は、かつてユニバーサルや東宝映画に登場したモンスター(怪獣)たちのパロディなのだ!

一つだけ種明かしをしよう。ボブの元ネタは、まだ無名時代のスティーヴ・マックイーンが活躍する「マックイーンの絶対の危機」('58)である。人食いアメーバが町を襲うというもので、原題は”ボブ”ならぬ”ブロブ”(The BLOB)。これはB級SF映画の<名作>で、チープな感じだけど、イイんだなぁ。愛すべき映画の一本なのだ。(この作品は、その後「ブロブ/宇宙からの不明物体」('88)とリメイクされた)

つまりどれも約50年ほど前のモンスター(怪獣)やB級SF映画の<スターたち>をここで登場させているというのが、オヤジの心をくすぐるのである。

コメディ映画として成り立っている本作は、お約束のようにモンスターたちが使い物にならない(笑) が、そんな頼りない奴らが地球のために力を尽くし戦っていく。
(ちと色気もある)女性が主人公だが、この映画のテーマは恋愛ではなく「友情」なのも良いではないか。

Odoru1204097_2 サンフランシスコのゴールデン・ゲート・ブリッジでの「決闘」は、東宝特撮映画を彷彿とさせる。大渋滞の橋の上の自動車がまるでミニカーのような質感で素晴らしい。男の子なら絶対好きになる映像だと思う。

日本では、2009年7月11日から公開だが、出来れば3Dヴァージョンでご覧になることをお薦めする。その迫力と臨場感は全然違うと思うよ。

香港でぼくたちが観た映画館(AMC)は、"リアルD"(Real-D)と呼ばれるシステムでの上映だった。黒いサングラスをかけて観るのだが、観賞後そのメガネをくれた。今までの3Dではメガネを返していたので、なんか得した気分、っても町でかけられるような代物じゃないけどね(笑)

主人公のスーザンの声は英語版では、リーザ・ウィザースプーンが、広東語(香港)版はケリー・チャンが担当していた。日本語版は誰がやるのだろうか?

この映画、ラスト近くで、ムシザウルスが何かに<変わる>のだ!ここがオヤジが一番興奮したトコロだった。東宝の怪獣映画を観てたおとーさんやオタクの皆さんにはわかってもらえると思う。子供を連れて(連れてなくても)ぜひ映画館で、3Dで楽しんでくれーっ!

Monsters vs. Aliens (2009) Real-D 3D Version

Director Conrad Vernon and Rob Letterman
94 mins

(予告編 ↓)

14-Apr-09-Tue

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2009-03-17

「ウォッチメン」 WATCHMEN

Odoru1703095_4 映画「ウォッチメン」をウォッチしてきた(笑)(Watching "Watchmen")

香港でも2009年3月12日から公開になったので週末に行った。

うーむ、はっきり言って、これは「ご用とお急ぎでない方はどうぞ」という映画であった…。

その理由は、まず上映時間が2時間42分もあることだ。「ウォッチメン」マニアの人やアメコミのファンの人なら楽しめるだろうが、原作のことなぞ何も知らなかったぼくのような一般の客には、馴染みのないキャラクターと、そのストーリー展開のややこしさもあり、あまり楽しくない時間だったのだ。観る前に予習が必要だと思う。

原作は、1988年にヒューゴー賞を始め数々の賞を受賞したアラン・ムーアのグラフィック・ノベル。アメコミ・ファンの間では傑作として名高く、困難と思われた映画化を「300(スリーハンドレッド)」のザック・スナイダー監督がSFXを駆使して完成させた大作である。

舞台はアメリカ。時代は1985年。ニクソン大統領は、その任期を引き伸ばし、いまだに大統領の地位にいる。ソビエトとの緊張状態は日増しに高まりいよいよ核戦争が始まりそうな気配になってきた。1940年代から、アメリカにはヒーローがおり、歴史の裏側には必ず彼らがいたのだ。ケネディ暗殺しかり、ベトナム戦争しかり。それらを行ってきたヒーローを「ウォッチメン」と呼んでいた。だが時代は変わり、1977年に政府によりその活動を禁止され、ある者は引退し、またある者は密かに活動を続けていたのだ。

ニューヨーク、ある初老の男が自宅でくつろいでいる。TVから流れているのは、ナット・キング・コールの名曲「アンフォゲタブル」。突然不審者がやってきて、ボコボコにされ、高層ビルの窓から外へ投げ出される。男の名は、エドワード・ブレイク。かつてのウォッチメンの一人であり、別名”コメディアン”と呼ばれていた男だ。

彼がつけていたスマイルバッジが死体の横にころがっていた。それを手にとるトレンチコートと帽子の男。覆面をかぶり、その模様がいつも変化しているのは”ロールシャッハ”と呼ばれる男。仲間の死を知り、独自に捜査を進める中、次々に襲われるウォッチメンたち。だが、そこには思ってもみない陰謀があったのだった…

この物語は、はっきり云って勧善懲悪のヒーローものではない。80年代という時代背景の中でのアメリカの退廃、核戦争に対する漠然とした恐怖がある中での暗いヒーローものとでも云おうか。

Odoru1703092_2 主な登場人物のウォッチメンは、

コメディアン/エドワード・ブレイク(ジェフリー・ディーン・モーガン)
ロールシャッハ/ウォルター・コバックス(ジャッキー・アール・ヘイリー)
ナイトオウル2世/ダン・ドライバーグ(パトリック・ウィルソン)
オジマンディアス/エイドリアン・ヴェイト(マシュー・グード)
シルク・スペクター/ローレル・ジェーン・ジュスペクツィク(マリン・アッカーマン)
DR.マンハッタン/ジョン・オスターマン(ビリー・クラダップ)
初代シルク・スペクター/サリー・ジュピター(カーラ・グギーノ)
ナイトオウル1世/ホリス・メイソン(スティーヴン・マクハティ)

など。(このキャラの名前だけでも頭に入れて観るといいと思う)

このうちDR.マンハッタンだけは、超人(スーパーヒーロー)である。彼は化学実験の犠牲者で、身体を粒子状にされてしまうが、その後粒子を集め青色に輝くヒーローとして蘇った男。身体はつるつるで、いつもすっぽんぽん、つまりふるちんで歩くのだ。ぼくは、ふるちんの(しかもあそこがちと長い)ヒーローは初めて見たので、その違和感たるやなかったよ(笑)

ロールシャッハは、かぶった覆面の模様が常に変わって行く小柄な男だが、「ロールシャッハ・テスト」を受けている時に、過去の忌まわしい思い出が蘇る。彼は危険人物で、その暴力シーンは残酷だ。

Odoru1703096_3 この映画は、客を選ぶと思う。好きな客はとことん好きになるだろうが、(ぼくのように)思い入れがない人間には、盛り上がりにも欠け、退屈に思えるだろう。

あまり名前が知られていない俳優を使い、残酷な暴力描写や、飛行船内でヒーローの衣装を脱ぎ捨ててのセックス・シーンなど、子供向けではない映像を見せる。
音楽も、上述のナット・キング・コール。タイトルバックでの、ボブ・ディランの「時代は変わる」や、サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」など原曲のまま使い、これは原作に忠実のようだ。

つまりこの作品は、ディテールにこだわり、原作に対する「愛」があるから、コアなファンには指示されると思う。パラマウント+ワーナーというメジャーな映画会社に製作費(150億円!)を出させ、こんなマニア好みのものをこしらえたザック・スナイダーはある意味たいした奴である。

ぼくには、DR.マンハッタンのあそこだけがみょうに印象に残った映画でした(笑) この映画そのものが、(”コメディアン”の云うように)「ジョーク」だったのかも知れないね…(笑)

日本では2009年3月28日から公開。

Rorschach's Journal: "October 12th 1985. Tonight, a comedian died in New York."

WATCHMEN (2009)

Director Zack Snyder
162 mins

17-Mar-09-Tue

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2009-02-23

第81回アカデミー賞授賞式 2009 The 81st Annual Academy Awards

年に一度の映画界のお祭り(The Biggest Movie Event of the Year)、アカデミー賞授賞式(2009)が今年も終わった。

去年は、全米脚本家組合のストの影響で準備期間が足らず、80回記念の授賞式だったが、案外地味なものだった。今年は、司会に<歌って踊れる>ヒュー・ジャックマンが決まった時点からぼくは結構期待して待っていたのだった。

Odoru2302092 香港では、Pearlという地上波で、朝8時からアメリカのABCと全く同じライブ映像を見る事が出来た。まずレッドカーペットを映し出す、1時間の"The Arrival"。その後30分の"The Oscars Red Carpet 2009"。そして約3時間半の授賞式"The 81st Annual Academy Awards"である。

オープニングは、「リセッションだから」と手作りっぽいセットで、ヒュー・ジャックマンが作品賞候補を歌い踊りながら紹介する。最前列のアン・ハサウェイの手を取り舞台で一緒に踊る。後で、シャーリー・マクレーンが褒めてたが、ハサウェイの歌は確かに良かった。

今年は、男優賞、女優賞の時に、過去の受賞者が5名登場して、ノミネートされた一人一人を紹介するという演出だ。エバ・マリー・セイント、ゴールディ・ホーン、ウーピー・ゴールドバーグ、シャーリー・マクレーン、ニコール・キッドマン、ソフィア・ローレン、ハル・ベリー、ベン・キングスレー、ロバート・デ・ニーロ、マイケル・ダグラス、アンソニー・ホプキンス… うろ覚えでもこれだけの名が出て来る。これは豪華なことである。若い女優さんたちが、紹介されただけで涙ぐむのもわかる気がするね。

今年は、"Musical is Back"と題して、バズ・ラーマン演出による楽しいショウがあった。"Top Hat"に始まり、「雨に唄えば」「グリース」「ウエストサイド物語」「シカゴ」「ヘアスプレー」「「ハイスクール・ミュージカル」「マンマ・ミーア」「オズの魔法使い」などの名曲をメドレーで、山高帽・燕尾服のヒュー・ジャックマンと赤いドレスのビヨンセが歌い踊る。そして、脇を若い”ハイスクール・コンビ”と”マンマ・ミーア”コンビが固める。とても良かったが、なんか、「エミー賞」見てるような錯覚が…(笑)

今年のJEAN HERSHOLT AWARDは、ジェリー・ルイスへ。プレゼンターは、エディ・マーフィ。アメリカ人は、こういう過去の素晴らしい実績や、功績に敬意を払うというとても良い伝統があり、今回も元気そうなジェリー・ルイスの顔が見れて嬉しく思った。「マーティン&ルイス」は本当に面白かったものだから。

クィーン・ラティファの I've been seeing you をバックに、昨年亡くなった映画人たちが映し出される。シド・チャリースに始まり、シドニー・ポラックや、チャールトン・ヘストンを経て、ラストはポール・ニューマンだった。毎年恒例の感動的なシーンだが、名匠市川崑監督のところで、映ったのは三国連太郎さんの顔ではないか!?これはびっくりしたなぁ。

今年は日本人の受賞が2つもあって、喜ばしいことだ。短編アニメ賞の加藤久仁生監督(「つみきのいえ」)と、外国語映画賞の「おくりびと」である。
加藤監督は、「サンキュー」と何度も繰り返し、最後に自身の会社にかけて「どもありがと Mr. Robot」と昔のヒット曲を引用して締めくくり、爆笑をとっていた。いいスピーチだったね。気に入った。
「おくりびと」は、日本では賞を総なめのようで、香港でも来月公開予定なので楽しみである。

予想通り「スラムドッグ$ミリオネア」が作品賞を受賞して幕を閉じた。まだぼくは未見なので、何とも云えないが、なんか「ロッキー」('76)が作品賞を取ったときのような「勢い」を感じた。その評価が永年に続くものかどうか、本作を観るのが楽しみになった。

ショーン・ペンが主演男優賞を、ダスティン・ランス・ブラックが脚本賞を「ミルク」で受賞。ぼくは先日この映画を観たばかりなので、ゲイの同等の権利を願うスピーチは深いものがあった。皆さんも、これを録画しておいて、映画を観てから見直すとわかると思うよ。

ミッキー・ロークは、6日前に18年連れ添った愛犬(ロッキー)が亡くなったばかりだそうで、今日も受賞を逃してお気の毒である。だが、”不遇の時にいつも声をかけてくれた友人ショーン・ペンに感謝している。彼にオスカーを取ってほしい。”とインタビューで語っていたのを思い出し、それに応えるようにショーンは、受賞スピーチで、「兄弟」と呼びミッキー・ロークのカムバックを喜んでいた。イイ話である。かっこよかったな。

受賞者リストはここ↓

http://oscar.com/oscarnight/winners/

The 81st Annual Academy Awards

TVB Pearl
23rd February 2009, 8:00 - 13:00

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2009-02-18

TIME 誌のアカデミー賞予想 2009 Oscar Ballot

今週のTIME誌(2009年2月23日号)に、リチャード・コルリス氏のアカデミー賞予想が載っていたので紹介しよう。

http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,1879170,00.html

2009 Oscar Ballot (オスカー投票用紙)に書かれたもので、手書きで注釈がついているのだが、これが中々面白かった。主な予想は以下の通り。

作品賞 「スラムドッグ$ミリオネア」

監督賞 ダニー・ボイル (スラムドッグ$ミリオネア)

主演男優賞 ショーン・ペン (ミルク)

主演女優賞 ケイト・ウィンスレット (愛を読むひと)

Odoru1802092 助演男優賞 ヒース・レジャー (ダークナイト)

助演女優賞 ペネロペ・クルス (それでも恋するバルセロナ)

長編アニメ賞 「WALL・E/ウォーリー」

美術賞 「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」

メークアップ賞 「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」

撮影賞 「スラムドッグ$ミリオネア」

コスチュームデザイン賞 「ある公爵夫人の生涯」

主題歌賞 Down to Earth (WALL・E/ウォーリー)

音楽賞 「スラムドッグ$ミリオネア」

脚色賞 「スラムドッグ$ミリオネア」

脚本賞 「WALL・E/ウォーリー」

編集賞 「スラムドッグ$ミリオネア」

特殊効果賞 「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」

外国語映画賞 「Walts with Bashir」(イスラエル)

この人の予想は、去年「ノーカントリー」を当ててるので、今年も当たるかもね。さてどうなりますか?

コルリス氏の注釈では、”「WALL・E/ウォーリー」は作品賞候補であるべきだ”とか、”主題歌賞にクリント・イーストウッドやブルース・スプリングスティーンの名がないのはなぜ?”とか、”助演女優は頭ではペネロペだと思うが、心情的にはヴィオラ・デイビス(ダウト)”だとか面白い。

ぼくは、去年は、作品賞候補を全て授賞式の前に観れたので予想も出来たが、今年は観れないので何とも云えない。

ラジー賞も、今年の候補のうちぼくが観たのは(残念乍ら・笑)「ハプニング」だけで、こちらも予想できない。

http://www.razzies.com/history/29thNoms.asp

他の候補作は、「ディザスター・ムービー!おバカは地球を救う」&「Meet the Spartans」、「The Hottie & The Nottie」、「In The Name of The King: A Dungeon Siege Tale」、「愛の伝道師 ラブ・グル」である。

この候補の中では、「ハプニング」なんてまともな方かもね(笑)

とまれ2月22日のアカデミー賞授賞式が楽しみですな。こちらでは、日本と同じく23日(月)朝に生中継がある。夜にもある再放送で楽しみましょうか。

2009 Oscar Ballot

18-Feb-09-Wed


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2009-02-10

BAFTA 英国アカデミー賞 2009

2009年の英国アカデミー賞(The Orange British Academy Film Awards)が2月8日(日)、ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスで発表になり、「スラムドッグ$ミリオネア」が作品賞を含む7部門で受賞した。

昨年は、香港の地上波でも授賞式の模様を中継していたのだが、今年はなかった。残念だが、BAFTA (British Academy of Films and Television Arts)のホームページで受賞者のインタビューが見れるので、それで少し雰囲気を味わった。

http://www.bafta.org/awards/film/film-nominations-in-2009,657,BA.html

香港の夜のTVニュース(2月9日)でこの授賞式が少し映っていたが、作品賞のプレゼンターはどうもミック・ジャガーだったようだ。特別賞(Academy Fellowship)は、モンティ・パイソンだったテリー・ギリアムに送られた、と聞いて、嬉しく思った。

主な受賞者は以下の通り。

Odoru1002093 作品賞 「スラムドッグ$ミリオネア」

最優秀英国作品賞 「MAN ON WIRE」

監督賞 ダニー・ボイル 「スラムドッグ$ミリオネア」

脚本賞 マーティン・マクドーナッ 「IN BRUGES」

外国語映画賞 「I'VE LOVED YOU SO LONG」(仏・独)

長編アニメ賞 「WALL・E/ウォーリー」

主演男優賞 ミッキー・ローク 「ザ・レスラー」

主演女優賞 ケイト・ウィンスレット 「愛を読むひと」

助演男優賞 ヒース・レジャー 「ダークナイト」

助演女優賞 ペネロペ・クルス 「それでも恋するバルセロナ」

「スラムドッグ〜」はこの他、脚色賞、音楽賞、撮影賞、編集賞、音響賞を受賞。大事なとこは大半とってるね。そんなに良い映画なのだろうか?早く観たいぜ。

脚本賞は「IN BRUGES」が受賞。これはアカデミー賞もとるかもね。この<才能>は映画ファンは、今観ておいた方がいいかもよ。

その他、特殊効果賞を「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」が受賞した。「ダークナイト」や「アイアンマン」や「インディ・ジョーンズ」を差し置いて。ホントあの若返りはスゴかったものな。

英国の監督・脚本・製作者で、第一作目の評価がよかった人物に送られる賞(The Carl Horeman Award) を、スティーヴ・マックイーン監督が「HUNGER」で受賞。スティーヴ・マックイーン?と聞いて驚くが、この人、黒人で、あの「パピヨン」の「大脱走」のマックイーンとは違いますので、念のため。

個人的に嬉しかったのは、ペネロぺ・クルスが助演女優賞をとったこと。この映画のペネロペは本当に良かったものだから。ゴールデングローブ賞では、ケイト・ウィンスレットが助演女優賞を「愛を読むひと」でとった。今回は同じ映画で主演女優賞である(ゴールデングローブの主演女優賞は「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」だった)。どうなっとるの?と思うが、ケイトはアカデミー賞では、同じ「愛を読むひと」で主演女優賞にノミネートされている。助演は、ペネロペがとれるかな?

作品賞は、今までどの賞も「スラムドッグ$ミリオネア」が総なめである。この勢いでアカデミー賞もとりそうであるが、個人的には(「ミリオネア」観てないが)、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」に差し上げたいと思ってる。これってアメリカ映画らしいし、大作感もあるしね。オスカーにふさわしいと思うのだが。

次は2月22日のアカデミー賞受賞式が楽しみであーる。

The Orange British Academy Film Awards 2009

【関連】
「IN BRUGES」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/dvd-in-bruges-7.html

「それでも恋するバルセロナ」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/vicky-cristina-.html

「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/the-curious-cas.html

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2009-01-17

「レッドクリフ Part Ⅱ」 RED CLIFF 2 赤壁・決戦天下

Odoru1701092_2 香港では2009年1月15日から公開になった映画「レッドクリフ Part Ⅱ」(赤壁・決戦天下)"Red Cliff 2" へ行って来た。いやぁ、すげぇー面白かったぞー!ジョン・ウー(呉宇森)監督やったな!って感じ。

タイトルバックで、前作「レッドクリフ Part Ⅰ」(赤壁)のダイジェストを見せ、あの白い鳩が飛んでいるところから再び物語は始まる。曹操(チャン・フォンイー)軍のところでサッカーに興じている兵士たち。そのどさくさの中、伝書鳩の足にメモをつけ飛び立たそうとする兵士がいた。敵側に潜り込んだ孫権(チャン・チェン)の妹のお姫様 孫尚香(ヴィッキー・チャオ)だ。サッカーがうまいため出世できた兵士と仲良くなり事あるごとに助けられる姫。その頃、曹操軍では疫病が蔓延し、兵士たちは次々に病に倒れていった。連合軍へも病死した兵士が流されてきたため、疫病が流行り、軍勢に劣る連合軍の中でも劉備(ヨウ・ヨン)軍は兵を引き上げてしまう。残った孔明(金城武)と周瑜(トニー・レオン)らはあらゆる策を練りこの戦いを続けて行くのであった…。

圧倒的不利に立たされた連合軍は知恵をしぼり勇気を持って戦いに挑む。有利に思えた曹操率いる軍では、指導者の慢心とあり余る力があったがゆえに組織が瓦解していく。

前作 Part Ⅰと比べると、クライマックスの赤壁での戦いがメインとなるので、面白いのは当然である。前作の数倍から数十倍面白い。ジョン・ウー監督はアクションはお手のもの。壮大な戦闘場面を、スローモーション、クロースアップを駆使して、短いカット割りで畳み込むように見せる手腕はさすがだ。大画面に繰り広げられる迫力ある歴史絵巻は、決してハリウッドに負けていない。アジア圏で作られた歴史ものスペクタクルの大成功例と云っていいと思う。必見である。

Odoru1701093_2 曹操軍2000隻に対し、200隻の連合軍は、どうやって戦ったのか?そこで人々はどう動き、どんなドラマがあったのか。Part Ⅱでは、アクションのみならず人間ドラマも大変面白くなっている。周瑜と妻の夫婦愛。曹操の孤独。連合軍大将たちと兵士たちの男同士の絆…。観てて、男としてぐっとくる場面もある。

前作「レッドクリフ Part Ⅰ」の時に、ぼくは周瑜役のトニー・レオン(梁朝偉)はミス・キャストみたいなことを書いたが、これは訂正する。この後半の特にドラマ部分を見ると、トニー・レオンで正解だったと思うのだ。彼の持つ<表情の演技>があればこそドラマが引き立つシーンが随所にあった。そして、美貌の妻 小喬役のリン・チーリン(林志玲)も上品な上に凛とした演技で、「惚れてまうやろー!」と思うくらいよかった。彼女はこの「Part Ⅱ」公開後、ブレイクするんじゃないかと思う(←特におっさんの間で・笑)。
日本から参加の甘興役の中村獅童もかっこよかったが、これは「役得」と云えるだろう。

兵士として曹操軍に紛れ込んだお姫様は、「どうみても女だろ!?なぜ気づかない?」とか、他にも香港の観客も失笑してた箇所もあるにはあるが、それでも充分余りある面白さだ。有名すぎる三国志をエンタテインメントとしてこれだけ「見せる映画」にしてくれたジョン・ウーの力量を改めて感じた。

Odoru1701094_2 前作の香港での評価は「イマイチ」感があったが、今回は評判もまあまあ良いようだ。前作を香港ではPart Ⅰと表記しなかったため、みんな<失望した>のだ。実利をとりたがる香港人は、どうもクライマックスだけ見ればいいと思っているようなのだ。だからもし前作を「Part Ⅰ」と書いてたら当地では誰も観に行かなかっただろうとぼくは想像しているのである(笑)

劇場を出て、帰りがけ前作「レッドクリフ Part Ⅰ」(赤壁)のDVD(2枚組)を買って来た。香港では2008年10月9日から発売になっている。Blu-rayもあるが、これは面白い映画なので日本版が出たら買って、字幕付きを息子に見せてやろうと思ってるのでDVDにした。HK$107(約1,284円)と値段も安いしね。再見してみると、物語として面白いのだが、テンポも遅く、編集の仕方も違っていた。Part Ⅱでは布を切るような形で場面転換していてこれがキレがとてもイイのだ。

香港版DVDの特典映像は、香港プレミアの様子と、記者会見、それに予告編(香港版・カンヌ版)がついている。このカンヌ版の予告編は、Part Ⅱの場面も入っていた。国際公開版は1,2をまとめた短縮版というのは本当なのだな。見てて面白かったのは、クライマックスの戦闘場面の爆発シーンがまだCG処理する前なのでしょぼかったこと。Part Ⅱではこの火と爆音が大迫力なんだけどね。

「レッドクリフ Part Ⅱ」日本では4月10日よりロードショーとのこと。乞うご期待!

赤壁・決戦天下 RED CLIFF 2 (2009)

142 mins

17-Jan-09-Sat

「レッドクリフ」 RED CLIFF 赤壁
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/red_cliff_f2f8.html

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2009-01-13

第66回ゴールデングローブ賞授賞式 The 66th Annual Golden Globe Awards

Odoru1301092 現地時間 2009年1月11日にロスアンジェルスで行われた第66回ゴールデングローブ賞授賞式の模様が香港でも(1月12日) Broadband TV の Star World で生中継された。

レッドカーペットを入場するスターたちにインタビューする約1時間の番組が終わり、授賞式が始まる。最初のホストはジェニファー・ロペス。助演女優賞の発表だ。

「ザ・リーダー」(原題)のケイト・ウィンスレットが受賞。興奮した面持ちで、壇上でメモを見ながら感謝の意を述べる。

次は主題歌賞。スティングがブルース・スプリングスティーンの名を読み上げる。「ザ・レスラー」の歌だ。隣のミッキー・ロークと抱き合うブルース。

アニメ賞を「WALL・E/ウォーリー」が受賞。そして主演女優賞(コメディ/ミュージカル)は「ハッピー・ゴー・ラッキー」のサリー・ホーキンスへ。壇上で感極まった彼女を同じ候補者だったエマ・トンプソンが舞台下で励ますところが映しだされる。同じ英国人として、先輩として嬉しかったのだろう。偉いぞ、エマ。

今回の授賞式は英国人も多く、「ハッピー~」の映画紹介で出てきたリッキー・ジャーヴェイスはビールを片手に「『ゴーストタウン』(原題)で、なんでぼくはノミネートされなかったんだ」と笑わせ、ケイト・ウィンスレットに向かって「君が受賞するって言ってただろう?あのホロコーストの映画で」とか言って会場を沸かせていた。

助演男優賞は「ダークナイト」のヒース・レジャー。受賞が決まった途端スタンディング・オベーションだ。ジョーカーの場面が映し出され、彼の代わりにクリストファー・ノーラン監督が受け取る。「彼の死は大きな損失だが、彼が残したものも大きい」と話す。

Odoru1301093 今年のセシル・B・デミル賞はスティーブン・スピルバーグ。プレゼンターは40年来の友人、マーティン・スコセッシ。彼の今までのフィルモグラフィーを紹介し、フェリー二など名監督とのツーショットが映し出される(黒澤明のも)。これだけ高品質の映画を作り続けた映画人は他にいない。確かにデミル賞にふさわしい。ぼくはこれを見ながら、「いつかスピルバーグ賞というのができるな」と思った。

受賞スピーチで、スピルバーグは、父に連れられ6歳で最初に観た映画がデミル監督の「地上最大のショウ」だったこと、それをマネて映画を撮ってみた事。そして自分もそうだったようにメンター(援助してくれた人)に感謝し、満場の映画仲間たちと喜びを共にした。

主演男優賞(コメディ/ミュージカル)を「In Bruges」のコレン・フェレルが受賞。

「ボラット」のサシャ・バロン・コーエンがセレブのリセッション・ネタでスベった後(笑)、作品賞(コメディ/ミュージカル)に「ヴィッキー・クリスティーナ・バルセロナ」(原題)が選ばれた。これは個人的にとても嬉しかった。ウディ・アレンの久々の傑作だからね。

主演女優賞(ドラマ)は、「リボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」で再びケイト・ウィンスレットが受賞。助演女優賞とダブル受賞である。本人が一番驚いた様子。10年来の親友であるレオナルド・ディカプリオと、夫でありこの作品の監督であるサム・メンデスに感謝の意を述べた。

主演男優賞(ドラマ)は、「ザ・レスラー」のミッキー・ロークへ。スタンディング・オベーションである。まるで会場が「おかえり」(Welcome Back!)と云った雰囲気だった。ロークは自分はもう忘れられた存在だったと語る。素敵な復活である。

作品賞(ドラマ)は「スラムドッグ$ミリオネア」とトム・クルーズが発表し、3時間に渡る式は終わった。最後は放送時間の関係で、はしょってるのがわかった(笑)

この「スラムドッグ$ミリオネア」は監督賞(ダニー・ボイル)、脚本賞、音楽賞も受賞。4冠である。インド人キャストの映画のようだが、期待できそうだな。

個人的には、ケイト・ウィンスレットへ2個あげるんなら、助演賞は「ヴィッキー~」のペネロペ・クルスにあげりゃーいいのに、と思った。ま、投票だから仕方ないんだけどね。

TV部門はよくわからないので、書かなかったが、ミニシリーズでアメリカの第2代大統領を描いた「ジョン・アダムズ」が作品賞、ポール・ジアマッティの主演や、助演賞など総なめにして、プロデューサーであるトム・ハンクスが大はしゃぎだった。

去年は授賞式が中止になったので、今年は観れて嬉しかった。キラ星のようなスターたちを眺めているだけでも楽しい。(去年の受賞者を読み上げるだけの式は冴えなかったね・笑)
スピルバーグも触れていたが昨年来の経済情勢の悪化で、映画の製作現場も大変のようだ。来年の授賞式はどんな様相になっているだろうか。

余談だが、式前夜、朝の生中継を録画セットしようとしたら、デコーダーが壊れてて映らなくなっていた。夜中の1時過ぎだったが、カストマーセンターへ電話したら、当日午前中に来て新しいデコーダーに変えてくれた。お陰で夜の再放送を楽しめた。香港はイヤなとこもあるが、こうゆうところはイイなと思う。日本みたいにマニュアルではなく臨機応変だからね。

以上、リポートおわり。

The 66th Annual Golden Globe Awards

GG Nominations and Winners
http://www.goldenglobes.org/nominations/

13-Jan-09-Tue

「ハッピー・ゴー・ラッキー」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/happy-go-lucky-.html

「ヴィッキー・クリスティーナ・バルセロナ」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/vicky-cristina-.html

「ゴーストタウン」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/ghost-town-c107.html

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