『Disney's クリスマス・キャロル』 3D A Christmas Carol
その日は気持ちがどよ〜んとしていた。数日こんな調子だったので、「そうだコメディ映画でも観よう!」と思い映画館へ行ったら、地球が終わっちゃう映画(2012)やら女子高生がハレンチ行為の後殺される映画(女性殺人宿舎 Sorority Row)なんかをやっててコメディはやってない。
じゃぁ、心が洗われる映画でも観ようと思いこの『Disney's クリスマス・キャロル』 "A Christmas Carol"をチョイスした。ま、ジム・キャリー主演だからいいか、と。
ぼくが映画を観る大きな理由は、「映画は心の栄養だ」と思っているから。
勉強は頭の栄養、スポーツは身体の栄養、そして映画は心の栄養なのです。
高校の頃、この文言を考えつき、その後映画を観る免罪符として、親によく話したものだ(←栄養とりすぎよ、とも云われたが・笑)。
だが実際、映画を観て救われたことも多い。精神的に落ち込んだりした時に、部屋でもっと落ち込むCD(中島みゆきなんか)聴くより、明るい映画やアクションものを観に行ってスカッとするほうが健康的とぼくは思うのだ。
んで、『Disney's クリスマス・キャロル』である。題名に「ディズニーの」とついてるから健全な映画とすぐわかる。監督はロバート・ゼメキス(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレスト・ガンプ』)である。
この映画は、ゼメキスが今凝っているモーション・キャプチャという、俳優の実際の動き、表情を詳細に記録し、そのデータから合成した映像を作るという技術によって作られたフルCGアニメである。
ぼくはこの方法で製作されたゼメキスの『ポーラー・エクスプレス』も『ベオウルフ/呪われし勇者』も観てなかったので、モーション・キャプチャ初体験だったわけである。
3Dで見せる、冒頭ロンドンの空をカメラがスピードを上げてぐんぐん行くところは中々の映像。ゼメキスらしいなぁ、と思いながら眺めていたが、人間たちが出て来たところでぼくは違和感を覚えてしまった。
上に書いたモーション・キャプチャで撮ったことを知らなかったので、これはCGなの?実写なの?と頭の中が混乱してしまったのだ。表情のアップを見ると、明らかに作り物なのだが、それにしてもリアルだし…。ジム・キャリーが扮装しているのはわかるが、身体が細すぎるしなぁ?とか考えてしまったのだ。
原作は、英国の文豪チャールズ・ディケンズ。物語は有名なので、ご存知のムキも多いだろう。冷酷無比で、守銭奴、エゴイストの老人スクルージ(ジム・キャリー)がクリスマスの日に7年前に亡くなった共同経営者から、金銭欲や物欲にとりつかれた人間がいかに悲惨な末路をたどるかをさとされ、それを回避するために3人の精霊たちが訪れると伝えられる。現れた「過去」「現在」「未来」のクリスマスの霊に様々な事象を見せられ、スクルージは考えを改めるようになる、というもの。
上に書いた「ディズニーの」とついてあるから安全と思ったが、結構怖いというか驚く場面もあった。「ホーンテッド・マンション」と思って観に行った方がいい。夜のシーンが多いので、ちと暗い印象もあった。
ぼくが映画を観る理由のもう一つは英語のリスニングもある。ネイティヴじゃないので、全部はわからないが、それでも集中して聴いていると(見ていると)ある程度はわかるものだ。
映画好きのぼくが、字幕なしで映画が観たいと思ったのが高校の頃。それから編み出したぼくの映画を観ながら英語のリスニングの方法は、喋ってる俳優たちの「口を見ること」なんである。口元というか唇の動きを見ながら聴いていると、何を話しているのかがわかってくる。ただ英語だけを聴くのとは違うのである。
今回、困ったのは、「ディズニーの」とは書いているが、原作が文豪ディケンズなので、ちょっと英語が難しかったところ。それにも増して、モーション・キャプチャなので、凝った作りにはなってるのだが、ホンモノの俳優のそれとは違う不自然な口の開け方もあり、ぼくにはちと難解だったなぁ。
ま、そういった意味では楽しめたとは云えないが、それでも強欲になることのいやらしさなど教えてもらうこともあり、これはこれで少し元気になれた。
子供用の映画とは云え、スクルージという老人が主人公なこともあり、オトナの人たちも考えさせられる部分も多いのではないか、と思う。
もし面白かったら、小六の娘にも観させようかと思ったが、英語じゃムリだな。山寺宏一の吹替版を観てみたいな、と思った次第。
香港では2009年11月19日より公開(日本では11月14日より)。
3D A Christmas Carol (2009)
Directed by Robert Zemeckis
96 mins
28-Nov-09-Sat
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