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2009年9月

2009-09-28

『ブルーノ』 Brüno

Odoru2809092 サシャ・バロン・コーエンの新作コメディ映画『ブルーノ』 "Brüno"へ行く。香港では2009年9月10日から公開になった。

前作『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』('06)をぼくはDVDで観たのだが、これは「買わなきゃよかった!」と思った映画の一本である。このブログでも以前書いたが、ぼくは彼のやり方、つまり”善良な人たちを不快な気分にさせることで笑いをとっている”という手法がキライなのだ。おふざけを通り越して、これは「侮辱」だと思う。

それなのに、なぜ今回彼の新作を観に行ったのか?

正直、観に行こうかどうしようかと逡巡したが、ひとつはコメディ映画が大好きな自分としては、『ボラット』が世界的に大ヒットし(260億円も興収があったという)、この手の手法が受け入れられるのはなぜか?をもう一度自分の目で確かめたかったこと。
もう一つの理由は、もし批判するにしても、観ないことには批判できないからだ。ぼくは今回ちゃんと入場料払って(←当たり前!)観たわけだから、思ったままを好き勝手に書かせてもらう。

この映画はモキュメンタリー(英語: Mockumentary)といって、実際は作り物なんだけど、さもホンモノのように見せるという手法を使って作られているコメディ映画。だが、出てくる有名人は本人もいて、どこまでがホンモノでどこがヤラセなのか?がよくわからない作りになっている。

(以下、ネタバレあり / 注・18歳未満お断り)

オーストリアのファッション・リポーターでゲイ(って、ピーコみたいだな・笑)という設定のブルーノ(サシャ・バロン・コーエン)は、ミラノのファッション・ショーをぶっ壊して首になり、おまけにアジア人のカレシも他の男に寝取られてしまう。

Odoru2809097 失意のブルーノは、彼のアシスタントのアシスタントだった男ルッツ(グスタフ・ハマーステン)と共にアメリカに旅立つ。「あたしはオーストリア出身の超有名セレブになるのよ!ヒットラー以来の!」という誓いを胸に。

ロスアンジェルスでは、セレブにインタビューするというパイロット版ビデオを制作し、テレビ局へ売り込む。が、それを見せられた一般視聴者は呆れ返る。

セレブ・インタビューなど殆どなく、大半はブルーノがくねくねとセクシーダンスを踊るだけ。「ハリソン・フォードのインタビューはこの後すぐ!」と言ってはまた踊るのだ。ついには、彼のイチモツがぺったんぺったん上下にゆれ踊り、先っちょが口になって「ブルーノ!」と喋るのだ。(←あー、書いててあほらしい)

テレビに出れないとわかった彼は「セレブとエッチすれば有名になれるわ!」と、ロン・ポールという前回の大統領選の候補者だった政治家にインタビューと称してホテルの一室でセマる。当然怒って帰るポールさんだが、ブルーノは彼と、ゲイで成功したアーティスト、ドラグ・クィーンのル・ポールを間違って呼んだのだ。

それから彼は占い師に相談し、彼の好きなアーティストの魂を呼んでもらい、エアフェラをしながら考え(← あー、しょうもない)、「有名になるために世界の紛争を解決するのよ!」とエルサレムへ飛び、イスラエルの特殊部隊モサドとパレスチナの過激派ハマスのリーダーの間で、ハマスとハモス(食べ物)の違いもわからないまま二人に握手をさせるが和平は失敗する。(← 当たり前)

そこでブルーノは「捕虜になれば有名になれるわ!」とテロ組織アル・アクサのアジトを訪れ「あなたのボス(オサマ・ ビン・ラディン)は、ホームレスのサンタみたいね!」と言い、「すぐに出てけッ!!」と追い出される。

アメリカに帰って、空港で預けた荷物のダンボールの中から黒人の赤ちゃんを抱き上げるブルーノ。その子を連れて、テレビショーへ出演した彼は、「この子はアフリカでiPod(赤のボノ・バージョン)と交換したの。名前はO.J.よ」と言って全員黒人の客席を激怒させる。(←ひんしゅく)

Odoru2809095 ソーシャルワーカーに赤ちゃんを保護され落ち込んだブルーノは、ホテルでルッツと初めて結ばれるが、ボンテージで縛りすぎて外れなくなってしまう。その後、ルッツとも別れたブルーノは、トム・クルーズやジョン・トラボルタの写真を見て「そうよ!セレブはストレートだからあたしもゲイをやめればいいのよ!」と、ゲイの改心を手助けする人のもとを訪れる。

ブルーノは、男らしくなるためにハンティングへ行き、軍隊の演習に参加し、空手を習い、乱交パーティへ参加する。

8ヵ月後。男らしく髭を蓄えたブルーノは、格闘技の戦場オクタゴンの中にいた。「俺はゲイが嫌いだー!」湧く場内。そんな中「お前はゲイだ!」と悪態をつく客がいた。オクタゴンに入ってきた客は、誰あろう別れたカレシ、ルッツだった…。

思い出しながら書いていると、手が腐りそうな感覚になるが、コーエンの笑いをとるやり方はやっぱ下品なのである。それも不快な笑いなのだ。

チン個を見せたり、ゲイのからみを見せたりするが、そんな「誰がやっても笑う」ようなやり方で笑いをとるのはプロとしてぼくは感心しない。
それに、やはり人種・宗教やイデオロギーなど、他人が信じていたり好きなものをコケにして相手を怒らせたり不快にさせて、それを笑うというのは、ぼくには面白く感じない。これはシャレとは思わない。

ビートたけしは、かつて「テレビに映ってるのは、ライオン(みたいな人間)だからみんな見るんだ。普通の人が普通のことやって誰が見る?で、ライオンにモラル求めてどうすんのさ?」と語っていた。

コーエンにモラルを求めはしないが、セレブになりたがるゲイを演じながら、本人は(元々イギリス人で、人気があるからだろうが)、映画の終わりに、ボノ、スティング、エルトン・ジョンなどそうそうたる”セレブ”と一緒にけったいな歌を歌う。

「笑いのテロリスト」と言われながら、本人ももうセレブになってしまってるのだろう。

ひょっとしたら、全ての場面が「どっきりカメラ」ではなく、「やらせ」なのかも知れない。映画としては、『ボラット』よりはまだ少しだけマシだと思うが(ド素人をあまりエジキにしてないから)、この映画が日本で公開予定があり(2010年3月)、10年に1本のコメディ映画の傑作『ハングオーバー』が公開されないかも知れないというのは嘆かわしいことだ。

こんな映画に初デートで連れて行かれたら、その女の子は悲劇だ。相手の男は『タクシー・ドライバー』のトラビスだな。気をつけなよ、女子(警告)

Brüno (2009)

Directed by Larry Charles

82 mins

28-Sep-09-Mon

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2009-09-24

『二人の可愛い逃亡者』 Escapade in Japan (TCM)

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香港のターナー・クラシック・ムービーズ(TCM)で、珍しい映画が放映された(2009年9月23日)ので紹介しよう。これは1957年、RKO製作の『二人の可愛い逃亡者』"Escapade in Japan"。日本を舞台にアメリカと日本の少年がワケあって旅をするというもの。これがチョット憎めないロードムービーだったのだ。

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2週間前に日本へ行った両親の元へ空路マニラから一人で行くことになったトニー少年(ジョン・プロヴォスト)。羽田空港へ両親(キャメロン・ミッチェル、テレサ・ライト)が迎えに来るが、飛行機は事故で墜落したと聞かされる。そんな折、ある漁船が霧の中で浮かぶ救命ボートを見つける。その漁船には中年夫婦(藤田進、三宅邦子)と息子の朝彦(中川達郎)が乗船していた。トニー少年は彼らに助けられ、やがて岡山の漁港へ帰航する。父親は警察に届けるが、朝彦は仲良くなったトニーが刑務所に入れられると勘違いし、トニーと二人で両親のいる東京を目指す旅に出るのだった。

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主人公のトニー扮するジョン・プロヴェスト(後のTV『ラッシー』の少年)と朝彦扮する中川達郎(タイトルバックではロジャー・ナカガワと表記)の二人がとてもかわいい。10歳くらいの彼らは全く悪気がなく、警察を見ると手をつなぎ逃げるところも微笑ましく映る。

「アサヒコ」と発音できないトニーに、「ヒコ」と呼べと云い、「トニーちゃん」「ヒコちゃん」と呼び合いながら協力しあって旅を続ける。ヒコちゃんは東京は「山の向こう」と父親から聞いてはいたが、何度山を越えても東京にたどりつかないのだ。

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田舎では三輪バイクの後ろに大根と一緒に乗り、蒸気機関車の貨物列車で京都まで来る。そこでは芸者の置屋に泊めてもらい、修学旅行のバスに同乗して観光も楽しむ。その後無賃乗車で奈良へも行くのだ。

この映画を観ていて楽しいのは、1957年(昭和32年)当時の日本の原風景が見れるところだ。オール日本ロケで撮られた本作は、アメリカ映画として初めて神社や寺院内部で撮影されたものだという。

クライマックスの奈良の五重塔の撮影はおそらく興福寺だと思うが、この屋根の上に乗っての撮影なんて、今ならとうてい許可が下りないだろう。なんせ国宝だかんね。

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母親のテレサ・ライトが、夜寝る前に「今頃息子は寒さに震えおびえているのかしら…」と心配している時に、子供らは京都の置屋で芸者と遊んでるという笑わせるシーンもある。彼らが警察に見つからないよう逃げ込むのがストリップ小屋(ファミリームービーなのでHなとこは全くないが)というのも可笑しい。
二人がお腹を空かせて、食堂のショーケースを見るところも微笑ましい名場面だ。

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漁師の両親は全く英語ができないが、長男は結構会話が成り立つという日本人からみると「?」な感じもするが、それはそれ、第二次大戦では敵だったアメリカ人に対する日本人の「人として誠実で友好的な態度」が画面を通して感じられ、あまり違和感なく見ていられた。

音楽は大御所マックス・スタイナー(『風と共に去りぬ』『カサブランカ』)。東洋を意識した旋律で、ちと大げさに盛り上げる。

あ、そうそう、捜索に向う米空軍パイロットが、あんとクリント・イーストウッドだったぜ!『硫黄島からの手紙』はこういう浅からぬ縁があったのか、なんて思ったりなんかしたりして(笑)

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全編を通して ”リアル『三丁目の夕日』西日本版” といった趣き。当時の日本の海、山、京都や奈良の街並や人々がそのまま映像に残されている。
日本では57年の公開以来ソフト化されておらず、アメリカでも残念ながらDVD化されていない(ビデオは出てる)。これ、今 日本で出したら案外受けるんじゃなかろうか?日本人にとっては貴重な映画と云えまいか。

Escapade in Japan (1957)

Produced and Directed by Arthur Lubin

93 mins

24-Sep-09-Thu

2009-09-22

舞台版 『ロシュフォールの恋人たち』 DVD Les Demoiselles de Rochefort

LES DEMOISELLES DE ROCHEFORT
LES DEMOISELLES DE ROCHEFORT

舞台版『ロシュフォールの恋人たち』"Les Domoiselles de Rochefort" DVDである。うちの小六の娘が「みたいといってる」とコメントに書いたら、娯楽映画研究家の佐藤利明さんがわざわざ送ってくれたのだ。佐藤さん、ありがとー!

日曜日。午前中小学校でトランペットの練習を終えた娘と、お昼を食べて一緒に楽しんだ。

この舞台は2003年11月にフランスで上演された2幕もの。全編フランス語ではあるが、映画を観ていれば大体のことはわかる。あの映画のかわいらしさと楽しさは、この舞台でも同様である。下のYouTubeにあった「双児姉妹の歌」を見てもらえればその楽しさがわかると思う。

この「双児姉妹の歌」は、映画では前半に出てくるが、舞台では1幕目の終わりのナンバーになっている。

舞台は、2003年に上演されただけあって、現代的にアレンジされている。(映画は1966年製作)
一番の違いは、映画ではジョージ・チャキリスたちが演じた旅芸人たちの服装がハードで不良っぽくなっていること。ぼくは最初『マッド・マックス2』かいな?と思ったほど(笑)

音楽は映画と同じくミッシェル・ルグランが担当しているが、映画では出てこなかった曲も数曲あった。

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どこの劇場かわからないが(おそらくパリだと思う)、舞台が広いのでセットも結構大がかりだ。映画のように照明に工夫して、<テクニカラー>っぽくしたセットで、出演者たちが歌い踊る。

舞台上で、アクロバティックにとんぼを切ったり、タップダンスが出てきたりと舞台ならではの「見せる」工夫も多いスペクタクルなショー。フランス人キャストだが、みんな上手い。フランス語だからいいのかも知れぬ。

娘に感想を聞いたら、「楽しかった!けどブブゥはどうしたの?!」と笑いながら云ってた。映画に出てきた、双子姉妹の10歳の弟が出ないことが不思議だったようだ。
それと、映画ではジャック・ぺラン(『ニュー・シネマ・パラダイス』)が演じた若い水兵役のおにいさんの顔を見て「マネキン人形?これ?」とも。

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馴染みのない歌もあったが、ラストのカーテンコールを観てるとやっぱり幸せな気分になる。「ロシュフォール・ファン」の人なら必ず楽しめるだろう。

舞台もぜひ生で観てみたいが、日本では残念ながらDVD化もされておらず、アメリカのAmazonでも現在入手は困難である。
映画『ロシュフォールの恋人たち』デジタルリマスターDVDが売れたら、日本でも商品化してほしいですな(たぶん無理だろうけど…はぁ)。

Les Demoiselles de Rochefort

【関連】映画『ロシュフォールの恋人たち』デジタルリマスター版DVD
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/dvd-les-demoise.html

22-Sep-09-Tue

2009-09-21

『イングロリアス・バスターズ』 オリジナル完全版 Inglourious Basterds - Original Ⅲ Version クエンティン・タランティーノ

Odoru2109092 土曜日の夕方、待ち合わせの前に映画を中環(Central)で見ようかなとPALACE IFCのサイトを覗いたら、あんと!ビック・リー!なことに『イングロリアス・バスターズ』オリジナル完全版 "Inglourious Basterds: Original Ⅲ Version"とあるではないか!?

「じゃぁ、俺が1ヶ月ほど前に観たのは何じゃったんじゃ?」と戸惑いつつ、予約しようと席を見たら、もう最前列の3席しか空いてない。さっそく予約をしてそのまま映画館へなだれ込んだのだった。

ぼくが前回観たヴァージョンは、香港のレイティングⅡB(若者や子供にはふさわしくない。日本で云えば15-Rといったところ)だったが、このヴァージョンはⅢ(18歳未満入場不可)なのである。
そう、ⅡB版はカット・ヴァージョンだったのだ!知らなかった… マンマ・ミーア。おそらく、マニア向けにこのオリジナル版も公開となったのだろう(2009年9月17日から公開)。香港在住の映画ファンはこっちをみるべしである。

調べたら、本国アメリカでは"R"。イギリスでも"18"と成人指定になっている(ちなみは暴力描写に寛容な日本ではR-15)。

具体的に書くと(ちとネタバレだが)以下のシーンがカットされていたのだ。

・バスターズたちが、殺したナチの兵士の頭の皮を剥ぐシーン。
・バットでナチ将校の頭を乱打するシーン。
・弾が入った傷口にブラピが指を突っ込むシーン。
・額にナイフでナチマークを入れるシーン。

確かに観終わった印象は、こっちの方がエグかったな(苦笑)。これらのシーンが入っただけで印象が大分違うのも事実。

Odoru2109096_2 タランティーノの映画では、過去にも『キル・ビル』の青葉屋のシーンがあまりに残酷(ユマ・サーマンがトラックスーツを着て日本刀で切りまくる)ということで、<日本以外>は白黒に映像処理され世界公開された。
最初に「深作欣司監督に捧げる」と出るジャパン・ヴァージョンだけがカラーなのだ。

2回目で、やっとホンモノの『イングロリアス・バスターズ』を観れたわけだが、これはタランティーノの映画の中でも上位にランクされる面白さである。
映画オタクのタランティーノが、「映画」によってナチをやっつけるという痛快作。
なんせ第四章は「オペレーション・キノ(Kino=映画)」だかんね。

今回は、大半が白人の客という(めぐまれた)環境の中で観たので、ノリがよくって面白かった。エンドタイトルでは拍手が出たほど。
セリフも面白く笑えるところも多いのだが、一番ウケていたのは、ブラピたちバスターズがイタリアの映画クルーに扮してプレミア上映会でイタリア語を話すところ。

ナチの将校(クリストフ・ヴァルツ)にばれないようにするため必死になるのだが、ここは彼らがやる手の動作も面白いのだ。指をすぼめて上に向ける所作は「お前何云ってんだよ」みたいな意味なんである。いらいらしてるイタリア人がよくやる(無礼な)動作とぼくは理解している。

こんな風に、この映画は第二次大戦時のパリが舞台なので、英語以外にもフランス語、イタリア語、ドイツ語やその文化を少しでも知ってると余計に楽しめるはず。

Odoru2109095_2 主人公のショサンナ役メラニー・ロランは、殆どすっぴんに近いメイクでもなお美しくてグッド!だが(タランティーノはこーゆー金髪細身が好きなのがよくわかる)、彼女の役は当初ナスターシャ・キンスキーを考えていたという。なるへそ、『キャット・ピープル』のデビッド・ボウイの曲がかかるのはそーゆーことか。

その曲"Putting Out The Fire"が流れ、これからナチを皆殺しにする計画を実行するという時に、メラニーは赤いドレスを着てメイクをする。そのシーンで頬に赤を塗りつけるトコロは、この映画のベスト・ショット!(と個人的に思う)である。

日本では2009年11月20日公開予定。60年代や70年代の第二次大戦の映画をテレビなんかで見てきた輩は絶対楽しめると思う。見逃すべからず、である。

Inglourious Basterds - Original Ⅲ Version (2009)

Directed by Quentin Tarantino

153 mins

【関連】『イングロリアス・バスターズ』
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-e22e.html

『地獄のバスターズ』
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-1e20.html

21-Sep-09-Mon

2009-09-18

『意外/Accident (原題)』

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香港映画『意外/Accident (原題)』である。

先日地下鉄から上がっていく階段で、ぼくはこのポスターを見て、「あ、面白そう」と瞬間的に思ってしまった。題名が「意外(いがい)」だよ(笑)。 ま、これって広東語で「事故」って意味なんだけど、日本人には”意外”な題名でインパクトあるよね。

ポスターをよく見ると、先日終わったばかりのベネチア国際映画祭(2009年)のコンペ部門に出品。現在開催中のトロント国際映画祭へも出品と書いてある。うーむ、これは期待できそうだ、と思い劇場へ足を運んだ。

ストーリーは、ブレインと呼ばれる男(ルイス・クー)を中心とした男女4人が、事故と見せかけて数々の殺人を犯し報酬も得るが、仲間をアクシデントで亡くしたブレインは疑心暗鬼になり精神的に追い詰められていくというもの。

製作はジョニー・トー(杜琪峯)(『エグザイル/絆』)。監督はソイ・チョン(鄭保瑞)(『軍鶏 Shamo』)の香港製サイコ・サスペンス・スリラー。

Odoru1809095 事故だと見せかけるため、ブレインたちは周到な準備に時間を費やす。そして、実行する際も、少しでも不安要素があれば即中止する。そのために何日も何日も忍耐強く待つ。そうやって仕事はいつも完璧にやってきた。

事故を「演出」する立場にいる人間が、事故で仲間が死んだのを見た時、単なるアクシデントだとは信じられない。誰かが殺ったのではないか?と疑心暗鬼になる。
ポスターにも書いてある通り「これは事故?これは謀殺?!(是意外?是謀殺?!)」という心理状態になってしまうのだ。

ついには、依頼人の行動もチェックするうちに、保険金を支払う会社の人間(リッチー・レン)が自分達のことを狙っているのではないか?と疑うようになる。彼のアパートをつきとめ、彼の下の部屋を借り、盗聴し、日中もストーカーのようにつきまとい、自分の中の疑念を増大させていく…。

観終わった時の印象は、香港映画にしては「静かな映画やったなぁ」ということ。主人公はひしひしと自分の中の脅迫観念にさいなまれる。こういう殺人を犯す犯罪者にしては、主人公はとても「情緒的」である。

事故の演出場面、主人公の過ごす日々を追うカメラは極めてクールだ。89分と短い尺だが、結構緊張して面白く観れた。けどラストが弱いんだよなぁ…。それが惜しい。ソイ・チョン監督の今後に期待である。

事故を「演出する」殺人者集団というアイデアはとっても面白いと思う。ハリウッドがマネするかも知れないね。
ぼくはこれを観ながら、昔コッポラが撮った小品『カンバセーション~盗聴』('74)を思い出した。

見慣れた香港の光景(中環や北角)の中で起きるアクシデント。こんな話が本当にあったらと思うと、ちと怖い。くれぐれも事故には気をつけましょう、と思わされた映画だった。(なんじゃこの感想は… 今回俺の文章も「意外」やね・笑)

香港では2009年9月17日から公開中。

(冒頭5分の演出はとても面白い ↓)

意外 Accident (2009)

Directed by Pou-Soi Cheang
89 mins

18-Sep-09-Fri

意外 (Blu-ray) (香港版)

2009-09-16

『マルセイユの決着(おとしまえ)』 DVD Le Deuxieme Souffle

マルセイユの決着(おとしまえ) [DVD]
マルセイユの決着(おとしまえ) [DVD]

ジョゼ・ジョバンニ原作、ジャン・ピエール・メルヴィル監督のフィルムノワールの名作『ギャング』('66)をリメイクしたという、映画『マルセイユの決着(おとしまえ)』"Le Deuxieme Souffle"をDVDで鑑賞。

この映画、ぼくは正直「知らなかった」のだが、夏休みに日本で娯楽映画研究家・佐藤利明氏と会って、とあるホテルのバーでいつもながらの楽しい映画談義をしている時、ノワールの話になり、この『マルセイユの決着』は面白いよ、と云われ帰港する前にビックカメラで買い求めたのだった。

長尺(2時間35分)なので、まとまった時間がとれず(なるべく一気に観たいからね)、先日香港は台風で早く帰宅せねばならぬ日があったので、やっと観る事ができたのだ。

一言でいって、「シブい!」。これは確かに面白い!2009年にこんな昔ながらのテイストを持ったフレンチ・ノワールを観れるとは思わなかった。

Odoru1609095_2 1960年代のフランス。初老の大物ギャング、ギュ(ダニエル・オートゥイユ)は終身刑を言い渡されていた刑務所から脱獄する。かつての相棒の未亡人、マヌューシュ(モニカ・ベルッチ)を訪ねるギュだったが、その日は彼女の経営するパリのクラブが襲撃されたばかり。ギュが獄中に居る間、暗黒街は仁義のない世界に様変わりしていたのだ。ギュはマヌューシュとイタリアへ逃亡することを考えマルセイユへ向かう。しかし、彼女のために大きな金を残そうとしたギュは、ある金塊強奪計画へ参加する。一方、パリ市警の警視ブロ(ミシェル・ブラン)は、そんなギュを執拗に追いかけていた…。

メルヴィルの助監督も務めていた監督アラン・コルノーは、前半あまりに丁寧に描きすぎて(それは思い入れが強い証拠だろう)、いささかテンポが遅く感じ、現在の10分に一度はドンパチがあるような派手なハリウッド映画を観慣れた若い観客には退屈に映るかも知れない。が、後半は、そのストーリー展開の妙もあり、ぐいぐいと引き込まれ面白く観れるのだ。

ぼくはリノ・ヴァンチュラ主演の元ネタである『ギャング』を観てないので、何とも云えないが、クライマックスの銃撃戦は、『タクシー・ドライバー』やら昨今の香港ノワールの影響なども見てとれる。
日本では「R-15」に指定されており、そのバイオレンス描写も(おそらく)オリジナルよりはリアルになっているのだろう。現代風の味付けがなされるのは当然のこと。

製作費40億円をかけ、60年代のパリを再現したという力の入れよう。一体どこに40億もかかったん?と思うが(笑)、製作費をかけたことを感じさせないというのはある意味スゴいことかもね(出てくるプジョー、シトロエン、キャデラックやベントレーなどのクラシック・カーも見てて楽しいが)。

ファム・ファタールといっていいモニカ・ベルッチ(『マレーナ』『シューテム・アップ』)がイイねぇ。ダニエル・オートゥイユ(『ぼくの大切なともだち』)は、ともすればその辺のおっさん風情だが、時代遅れの仁義に厚い男を好演。パリ市警のミシェル・ブラン(『仕立て屋の恋』)も、昔なじみのギャングのジャック・デュトロン(『勝手に逃げろ/人生』)もいやーな雰囲気をかもし出す。

香港ノワールの旗手、ジョン・ウー監督は、ジャン・ピエール・メルヴィルを<神>と仰いでいる。
北野武監督もメルヴィルのファンらしく、この『マルセイユの決着』を東京芸大の授業で教材として使用したのだと。先日、次回作が9年ぶりの「ヤクザ映画」になると発表になったばかり。この映画が好きということは、本格的な「男の美学」のノワールが期待できますなぁ(笑)。

Le Deuxieme Souffle (2007)
The Second Wind

Directed by Alan Corneau

Dolby Digital 5.1
Aspect Ratio 2.35: 1
155 mins
Region 2

特典映像は、メイキング(約25分)と予告編だす。

16-Sep-09-Wed

B00261PC68 マルセイユの決着(おとしまえ) [DVD]
NIKKATSU CORPORATION(NK)(D)  2009-07-10

by G-Tools

『ギャング』('66)は日本ではDVD化されていない。↓これはアメリカ盤

B001CW7ZSU Le Deuxième Souffle
The Criterion Collection  2008-10-07

by G-Tools

2009-09-15

『ライオンが吼える時 MGM映画の歴史』 DVD WHEN THE LION ROARS

MGM: When the Lion Roars

エミー賞を受賞した名作ドキュメンタリー 『ライオンが吼える時 MGM映画の歴史』"WHEN THE LION ROARS" が日本でもDVDとなり遂に発売された(2009年6月10日)。

http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfLayoutB.jsp?DISP_NO=003008

「遂に」と書いたのは、この作品は1992年に制作されたものなのだが、日本ではソフト化されず、「幻のドキュメンタリー」としてファンが発売を熱望していたものだったからだ。

ぼくなぞは、当時まだレーザーディスクだったものを、アメリカから個人輸入して観た。その面白さは、まだパソコン通信だった時代、ニフティサーブのフォーラム「FMOVIE」でも話題になったものだ。

香港へ来てからも、TCM(ターナー・クラシック・ムービーズ)というチャンネルで時々放送されているので、<チラ見>していた(笑)。が、今年初めにHMVでアメリカ盤(初DVD化)を見つけ、即購入。その後、日本でのリリースが発表された時は本当に嬉しかった。

日本のタワーレコードが30周年を記念して独占先行発売をしており、今回夏休みに一時帰国した時に、娯楽映画研究家・佐藤利明氏からおみやげで頂いたのである。佐藤さんの書いたこのDVDの解説書は、いつもながら詳細で勉強になる上に面白い。

久しぶりに全編通して観たが(なんせ6時間もあるので、観るまで時間がかかった)、やっぱり超面白いドキュメンタリーだった。

ホスト役は、『新スタートレック』のピカード艦長を演じたパトリック・スチュアート。なんであのつるぴかのおっさんがホストなのかわからなかったが、解説書にあるとおり、MGMとほぼ同時期を生きてきた人間だからだろう。

『ジーグフェルド・フォーリーズ』を思わせる雲の上のセットで、MGMの歴史を紹介していくという構成。
第一部 THE LION'S ROAR / エンタテインメントの始まり。 第二部 THE LION REIGNS SUPREME / MGMスタイルの確立。第三部 THE LION IN WINTER / そして現在へ。合計365分の長編ドキュメンタリー。

MGMという一時代を築いた映画会社の興亡史。これは映画史としても貴重な資料だが、一つの会社の栄枯盛衰を見るという意味でも、非常に興味深い作品である。

1924年、鉄くず屋のオヤジだったルイス・B・メイヤーが中心となり、設立されたMGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)。神童と呼ばれたアーヴィング・サルバーグと共に数々のヒット作を生み出していく。やがて1936年にサルバーグが早世し、メイヤー率いるMGMは大家族のような共同体となり、MGMカラーを打ち出し一大帝国へと発展していく。だが、1945年をピークにその栄華は徐々に崩壊していく…。

ルイス・B・メイヤーという粗野な人間が創り出した夢の工場。それがMGM。彼の人間性はおびただしい数の人々の証言により多面的にあぶりだされる。彼を慕うもの、彼を毛嫌いするもの…。経営者とは常にこのような人間である。特に一代でこれだけの映画会社を作り上げたのだから、「いい人」ではとうてい務まらない。彼のメガネにかなう人間はスターとなり、彼が不要だと思った人間はお払い箱となる。やがて、彼自身もお払い箱となるのだが、その原因になったのが、成功した人間が憧れ、仕事を忘れてハマっていく「馬主」だったというのも、何をかいわんやである。経営者には教訓になる話だ。

曲折を経て、MGMは「映画に全く興味がない」ラスベガスの投資家カーク・カーコリアンの手に渡る。映画製作本数は激減し、やがて映画会社としての存続は絶たれる。MGMの名はラスベガスやマカオのホテルの名前として残り、フィルム・アーカイヴはテッド・ターナーの手に渡った。

郊外の膨大な敷地にあった野外セット。ミッキー・ルーニーとジュディ・ガーランドが手をつなぎ歩き、ジーン・ケリーが傘を持って踊った、あの歴史的なセットの数々が次々とブルドーザーで壊されていく映像は、映画ファンなら胸がつぶれる気持ちになる。

「そして映画だけが残った…」 これが、ぼくがこのドキュメンタリーを観て思ったこと。

『ザッツ・エンタテインメント』で紹介されたMGMミュージカルを始め、MGMにはキラ星の如くスターが出演した映画史に残る傑作が山のようにある。『グランド・ホテル』『ニノチカ』『風と共に去りぬ』『ベン・ハー』『ドクトル・ジバゴ』『2001年宇宙の旅』等々。それらをリバイバル上映や、テレビ・DVDなどで観てわくわくした世代である我々にとって、このドキュメンタリーは、MGMのみならず映画の歴史を時系列で学べるという点においても貴重である。

映画ファンなら必ず楽しめます。映画ライターとか名乗ってる人々もこれくらいは見て勉強しておいて欲しいと思います。ハイ。タワレコへ走れっ!(もしくはこっちで↓)

http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=1915392&GOODS_SORT_CD=103

WHEN THE LION ROARS (1992)

Directed by Frank Martin

Dolby Digital 2.0
Aspect Ratio 1.33: 1
365 mins
Region 2

15-Sep-09-Tue

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2009-09-13

『狼の挽歌』 デラックス版 DVD VIOLENT CITY


狼の挽歌 デラックス版 [DVD]

前回書いたチャールズ・ブロンソンだが、日本ではある程度以上の年齢の人から見ると、やっぱ「うーんマンダム」である。
その「マンダム」のCM、子供の頃のぼくも夢中になった一人だが、そんな「男の世界」が好きな”コアな”ファンには嬉しいDVDが発売されている。
それは、映画『狼の挽歌』デラックス版である。これは2008年12月にジェネオン・エンタテインメントから発売されたもの。一番の売りは、「マンダムCM作品集」なのだ(笑)

そのブロンソン出演【マンダムCM集】は、1)トランプ篇、2)息子と共演篇、3)薪割り篇、4)猟銃篇、5)ペントハウス篇、6)オフィス篇が収録されている。このうち、ペントハウス篇では、部屋で上半身裸になったブロンソンが、マンダムを身体にいっぱいふりかけ恍惚の表情を浮かべるという、そっち系の趣味の方々には喜ばれるような作品だった。小学生の頃、こんなモーホっぽいのを見てたんだぁ…、と映像をみて感慨深かった。いまでこそ、草食系の男子たちがCM出演しているマンダムだが(香港でも日本と同じCMやってるのだ)、70年代当時は、まさに「マンダム・男の世界」だったのだ。

Odoru1309093 ご承知の通り、このCMは、後に尾道三部作など名作をモノにする大林宣彦監督が製作した。DVDについているライナーノーツでは、その時のエピソードを紹介してて興味深い。撮影当時、まだブロンソンはスターではなく、西部劇で有名なモニュメント・バレーでは「俺の最初の主演作だから」と無理な注文も応えてくれたのだと。

CM当時のブロンソン人気は凄くって、『荒野の七人』('61)がリバイバルされた時、ポスターのブロンソンの顔にヒゲが生えてたほど(笑)(『荒野〜』当時のブロンソンはヒゲがない)そのブロンソンが日本で大ブレーク中に公開され、大ヒットしたのがこの『狼の挽歌』('70)なんである。

イタリアで製作されたこの作品。B級アクション犯罪映画なのだが、意外に面白いんだな、これが(笑)。冒頭、わけがわからず車で追われるジェフ(ブロンソン)。助手席に美女ヴァネッサ(ジル・アイアランド)を乗せ、いきなりのカーチェイスは結構迫力がある。そのチェイスの終わり、ジェフは銃撃される。その時、ジェフはヴェネッサが男と逃げるのを目撃する。復讐を誓ったジェフは彼らを捜し、ヴァネッサとも再会するが、彼の前に暗黒街のボス、ウェーバー(テリー・サバラス)が立ちはだかる…。

監督はセルジオ・ソリーマ。音楽は、かのエンニオ・モリコーネ。ヴァージン諸島のフォード・マスタングによるカーチェイスでも階段を車で上がるシーンなど演出が面白い。ジル・アイアランドはお色気シーンもあり、ラストのエレベーターでの射殺シーンは、そのスタイリッシュな映像がかっちょいい名場面だ。愛した女が実は自分を裏切っていた…一匹狼の殺し屋ジェフは愛したオンナに引き金を弾く。おそらくブロンソン代表作の一本。

実妻ジル・アイアランドは、ブロンソンとの共演が多いことを聞かれ「他の女優が受けてくれないからよ」と言ったとか。冗談か本気かわからないが、仲睦まじい夫婦だったようだ。前夫デビッド・マッカラムに『大脱走』('63)撮影時に紹介され、その後結婚した。この作品では、悪いオンナを演じているが、美人だが、ちと下品なトコもあるアイアランドには適役で、彼女にとってもこの『狼の挽歌』が代表作といえるかも知れない。

”チャールズ・ブロンソン没後5周年メモリアル企画”の本DVD。今まで96分版しか発売されてなかったが、初の115分完全版での発売。デジタル・ニューマスター、16: 9スクィーズ映像。それに1985年、TBS系月曜ロードショーで放送された吹替え版収録も嬉しい。
ブロンソンは、もちろん大塚周夫。テリー・サバラス(森山周一郎)、アイアランド(弥永和子)、ウンベルト・オルシーニ(掘勝之祐)。
他に、監督セルジオ・ソリーマ・インタビュー(約15分)。予告編、スティールギャラリーなど。

ブロンソン好き、マンダム好きはマストなDVDでしょう(笑)

VIOLENT CITY (1970) (Citta` violenta)

Directed by Sergio Sollima

Dolby Digital Mono Italian, English, Japanese
Aspect Ratio 2.35: 1
110 mins
Region 2

13-Sep-09-Sun

狼の挽歌 デラックス版 [DVD]
狼の挽歌 デラックス版 [DVD]
ジェネオン エンタテインメント  2008-12-26
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雨の訪問者 [DVD] さらば友よ [DVD] DVD名画劇場 バラキ<HDリマスター版> 夜の訪問者 [DVD] 狼よさらば 地獄のリベンジャー [DVD]

2009-09-12

『ブレイクアウト』 BREAKOUT (午後のロードショー)

ブレイクアウト [DVD]

2009年9月8日(月)のTV東京「午後のロードショー」は、チャールズ・ブロンソン主演の『ブレイクアウト』だった。1975年のこの映画、ぼくは未見だったので、ロケフリから録画をしておいた。

今回は、吹替えが誰かなと思ったが、ありがたいことにブロンソン=大塚周夫だった。
その他のキャストは、ロバート・デュバル(森川公也)、ジル・アイアランド(平井道子)、ランディ・クエイド(羽佐間道夫)である。

ブレイクアウト(脱獄)と、そのまんまな題名のこの作品は、メキシコの刑務所から、無実の罪で投獄されたアメリカ人の夫(デュバル)を救うため、妻(アイアランド)がニックという飛行機乗りで、請われた仕事は何でもやる男(ブロンソン)を雇い、救出作戦を敢行するというもの。

ブロンソンは、この映画で、史上初の「100万ドルスター」となった。トレーナーのそでを切って腕の筋肉を見せ、ウェスタン・ハットをかぶっている。まんま「マンダム」である(笑)
物語もそんなに目新しいものでもなく、ハラハラドキドキも少ない。何度も救出に失敗しながらも、諦めずにヘリと飛行機で作戦を繰り返すので、ま、最後までは観れるかなという一品。

実話を基にしているというこの物語。上流階級で金持ちの妻アイアランドが、粗野で金のない男ブロンソンを頼ってくる。ブロンソンは、どっちかというと美人の奥さんを気に入っている。だから死をかけてまで、この救出作戦を敢行するのだ。だが、最後は当然ながら奥さんは旦那と帰っていく。男の純情みたいな結末だが、飛行場で作戦に参加した仲間三人と去っていくラストは、『カサブランカ』を意識してのことだろう。

それにしても、メキシコの刑務所っていいかげんだなぁ。受刑者は、2週間に一度妻との面会を許されていて、奥さんと個室に入り、そこでイタすことも出来るのだ(笑)。売春婦まで来る始末。そんなユルイ環境だから、ムショに入っても反省せず、また悪いことを繰り返すんじゃないかと思ったよ(笑)

刑務所から脱獄する映画で思い出すのは、アラン・パーカーの傑作『ミッドナイト・エクスプレス』('78)。こっちは、トルコの刑務所へ入れられた男の壮絶な脱走物語。あと、無実の罪でロシアの牢獄へアラン・ベイツが入れられるのは『フィクサー』('68)。どれも、シリアスゆえの湿っぽい感じのする映画だったなぁ。

この『ブレイクアウト』は、そんなシリアスなトコは全くないノー天気なアクション映画。肉体派のブロンソンを<見せるだけ>の映画といってもいいくらい(笑)
ブロンソン映画にしては、彼がよく喋る。吹替えだが、「小切手はイヤだ。いつもニコニコ現金払い」と云ったりするのが可笑しかった。大塚周夫氏の吹替えだったので幸いだった(←何がじゃ!?)

ロバート・デュバルが、冴えないったらなかったな(笑) 他にジョン・ヒューストン(『マルタの鷹』『白鯨』の監督)も出演。ま、これはブロンソン好きの人にはたまんない映画だろう。ファンには100万ドルの価値があるんだろうな、きっと。

BREAKOUT (1975)

Directed by Tom Gries
96 mins

12-Sep-09-Sat

B0002T1Z9O ブレイクアウト [DVD]
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント  2004-10-06

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B00012T2F6 チャールズ・ブロンソン DVD 5本組 BOX
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント  2004-02-25

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2009-09-11

クレイジーケンバンド/ガール!ガール!ガール! CD Crazy Ken Band / Girls! Girls! Girls!

ガール!ガール!ガール!(初回限定盤)(DVD付)
ガール!ガール!ガール!(初回限定盤)(DVD付)

ハマの至宝、クレージーケンバンドのニューアルバム『ガール!ガール!ガール!』(2009年8月12日発売)は、おそらく今までのアルバムの中で最高!のものではなかろうか。

題名が示すとおり、このアルバムで歌われるのは、「女性」もとい「オンナ」である。
もともと昭和のテイストを残したメロディラインと歌詞で、オヤジの心をつかんでいたケンバンドだが、今回は、いつものアルバムのようにごった煮な感じではなく、なんか一本スジが通ってる感じなのだ。

今回も、全21曲(77分)とボリュームいっぱい。それに楽曲がどれもイイ。
しょっぱなの「女性を見る~♪」(見ないで~♪)だけで構成された、オヤジの舐めるような視線を朗々と歌う『VIVA女性』。先行シングルでリリースされていた甘酸っぱい『ガールフレンド』。「奥さーんのためなら♪」と歌う『昼顔』。オヤジのスケベ心全開の『ギラギラ』。演歌調ロック『俺の夢』まで、もうどれもこれも「ヨコワケ」で「イイねっ!」なのである。

週刊文春(2009年9月3日号)の阿川佐和子さんの、横山剣氏へのインタビューが面白かった。「きれいごとばかり歌いたくない。バカバカしい音楽で元気になろう」という精神がイカスよね。

クレージーケンバンドは、”東洋一のサウンドマシーン”だけあって、東南アジアの国々のことを歌っているものが多々ある。香港に住んでるぼくには、歌詞の中に「重慶大厦(チョンキンマンション)」だとか、「湾仔(ワンチャイ)」、「スージー・ウォンの世界」「酸辣湯(スーラータン)」とか出てくるのが楽しい。「香港仕立ての香港シャツ着てさ~」iPhoneで聴きながら、香港歩くとすごくマッチするんだな、コレが。

極めつけは『香港グランプリ』。「1,2,3,4(ヤッ、イー、サム、セイ)」で始まり、彌敦道(ネイザンロード)から、海底トンネルを通って、淺水灣(レパルスベイ)までのカーレースを歌ったこの曲は、香港在住の日本人には大うけである。ぼくは、この曲を香港で根付かせようと、3~4年前から仲間とカラオケで歌ってるのであーる。盛り上がるよ、コレ。

香港関係の歌は今回のアルバムにはないが、それでもこれを聴きながら香港の街を歩いたり車で聴いたりすると合うのはなぜだろうか。
10曲目の『僕らの未来は遠い過去』のように、懐かしさの中に新しさがあるからなのかも知れないな。

アルバムを通じての「イイオンナがいるから生きられる」という横山剣さんのメッセージに、ふかーくうなずいたオヤジでありました(笑)

ともかく、おっちゃんもおねーちゃんも楽しめるアルバム。元気が出ます。初回限定盤には、パシフィコ横浜での2008年ライヴ映像(約28分)がついている。

Crazy Ken Band / Girls! Girls! Girls!

ガール!ガール!ガール!(初回限定盤)(DVD付) ガール!ガール!ガール!(初回限定盤)(DVD付)
クレイジーケンバンド

曲名リスト
1. VIVA女性
2. ガールフレンド
3. うっかり八時の半太郎
4. 昼顔
5. 夕食
6. お引っ越し
7. 熱波
8. eye catch/泣いていた女の子
9. SOUL通信
10. 僕らの未来は遠い過去
11. マリンタワー・ゴーゴー
12. ギラギラ
13. 小東京
14. DUET
15. eye catch/公園の仔猫ちゃん
16. かわいい訪問者
17. 本牧宇宙人
18. Gimme a Goldfish
19. 山の音 -そうだ、京都に行こう。REMIX-
20. eye catch/みんな赤ちゃんだった
21. 俺の夢

1. 朝|BRAND NEW HONDA
2. タオル|音学力
3. 蜂
4. けむり|となりのねえちゃん|ざくろ
5. 木彫りの龍

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ガール!ガール!ガール! ガール!ガール!ガール!
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クレイジー・ケン・バンドベスト Oldies but Goodies クレイジー・ケン・バンドベスト Oldies but Goodies
クレイジーケンバンド

肉体関係 SOUL電波 middle&mellow of CRAZY KEN BAND

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2009-09-08

『ロシュフォールの恋人たち』 デジタル・リマスター版 DVD Les Demoiselles de Rochefort

ロシュフォールの恋人たち デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]

日本で、ジャック・ドゥミ監督の名作映画『ロシュフォールの恋人たち』デジタル・リマスター版DVDが(やっと!)発売された(2009年7月17日)。

ぼくは、この『ロシュフォール〜』の香港版DVDの記事を以前書いた(2007年6月19日)のだが、その時の文章を読み直してみたら、”娘が思春期になったら見せてやりたい”と書いてあった。親として、こんなオシャレな映画を娘が観たら喜ぶかもな?と思っていたからだ。
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/dvd_ab50.html

Odoru0809095 今回、夏休みに一時帰国したときに日本版を買い求めたので、日曜日の午後小六の娘と一緒に観た。

じつは香港でもA型インフルエンザが流行っていて、学校でも休んでいる子が多い。うちの娘はインフルではなかったが、風邪で学校休んでて、この日は熱も下がったのだが、ドクターにもう一日学校休むよう云われて、娘はふてていた。

だが、映画を観終わって、娘はとてもハッピーな気分になっていた。そうこの映画は観てる人をハッピーにしてくれる副作用のない「良薬」のような映画なのデス。

フランスの海辺の町、ロシュフォールでお祭りをするためにやってきた芸人たち。彼らが金曜に到着して、月曜に帰るまでの間に、小さな町であった様々な恋の物語。

Odoru0809096_2 キュートで、オシャレで、楽しくて、女の子(オトナも含む)が好きになるのは当然のような映画。

だが… 正直書くと、おっさんのぼくは、いつもこの映画を観ると気恥ずかしくなるのだ(笑)
大体、男がミュージカル映画を観るということ自体、なんか軟弱な感じがするのに、まして昔の「少女フレンド」っぽい、甘〜いお菓子のような、女性向けのこの映画を観てるなんて、みんなの前で言うと「おまえ、それでも男か!」と言われそうな気がするからだ。

けど良いんだよな、コレ。観終わると幸せな気分になる。だから、いつもは「隠れキリシタン」のように、こっそり楽しんでいたのだけれど(笑)。

冒頭の橋を渡りながらのダンスと音楽の素敵なこと。
デルフィーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)とソランジュ(フランソワーズ・ドルレアック)が唄う「双子の歌」のかわいいこと。60年代当時の斬新なワンピースと昔風の大きめな帽子をかぶって二人が歌い踊る場面は、まるでフランス人形か、バービー人形のようだ。

Odoru0809097_2 アメリカの作曲家の役で、ジーン・ケリー(『雨に唄えば』)が出て来た時、娘が目を大きく見開いた。娘は親の(悪い・笑)影響で、ミュージカル映画をさんざん観てるので、ケリーのことも知っているのだ。

最初に登場した時の衣装は、薄いピンクのポロシャツに、白いコットンパンツ。洗練されてはいるが、これは明らかに『巴里のアメリカ人』を意識した格好だ。

今回観て、街で子供たちと踊る振付は、『巴里のアメリカ人』の"I Got Rhythm"なんだと気づいた("An American in Paris"も少し入ってるが)。ラストの楽器店で踊るステップは、同じ映画の"Love is Here to Stay"だということは以前書いた。

ケリーは楽器店で10年ぶりにクラスメートのダム(ミシェル・ピコリ)に会うところだけ自分の声で、後は吹替えだった。この映画は英語版も同時に作られている。そっちもいつか観てみたい。ジョージ・チャキリス(『ウエスト・サイド物語』)も吹替えだったからね。

今回、特典映像にジャック・ドゥミ監督の奥さんで、同じく映画監督でもあるアニエス・ヴァルダによる「25年目のロシュフォールの恋人たち」(約63分)が収録されている。

Odoru0809098 これを観ると、ドゥミは「フランス製ハリウッド・ミュージカル・コメディ」を作りたかったというのがよくわかる。MGMミュージカルに代表される芸人ミュージカルは、この映画が製作された1967年当時には既にその役目を終わっていたのだが、それらの作品への尊敬と憧れは、ロシュフォールの町の1,000枚の窓枠を色とりどりに塗り替え、ケリーやチャキリスに出演してもらったことからも伺える。

『ロシュフォールの恋人たち』製作25年目の1992年に行われたイベントでは、ロシュフォールの町にドヌーヴたちが訪れた。
映画冒頭と最後に登場する橋は、ジャック・ドゥミ橋と名付けられ、祭りを行った広場は、フランソワーズ・ドルレアック広場と名付けられた。

ドヌーヴの実姉であったフランソワーズ・ドルレアックは、この映画の後、交通事故で亡くなった。25歳の若さであった。このドキュメンタリーでドヌーヴが「メランコリーな気持ちになる」と語るのはそのためだ。この作品は、最初で最後の姉妹共演だったのである。

ジャック・ドゥミ監督が『シェルブールの雨傘』の大成功を受け、製作したミュージカル大作。『ローラ』(当初ミュージカルにしたかった)でやれなかったことを全てここでやっている。
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/dvd_cccb.html

フランス製シネ・ミュージカルなので、英語のそれと比べると、最初は違和感があるかも知れない。けどこのテイストに慣れたら、たまらなく良くなるのだ。

リマスターのサントラ盤(これまた最高!)の2枚組にはボーナスで英語ヴァージョンの歌も入ってるのだが、娘が「フランス語の方がいいね」と生意気なことを云うほど。

ロシュフォールの恋人たち リマスター完全版
サントラ盤 (ミシェル・ルグラン)
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製作後42年たった今も人々に愛され続ける永遠の名作。ミシェル・ルグランの素晴らしい音楽と共にこれからも愛され続けるだろう。我が家にも12歳の若い女子のファンが一人できたからね!

娘の評価は、一言「ヤバい」だった(←ハマりそうという意味)。女子は一度は「見るべし」である(笑)

Les Demoiselles de Rochefort (1967)

Directed by Jacques Demy

Dolby Digital 2.0
Aspect Ratio 2.35: 1
123 mins
Region 2

【関連】 舞台版「ロシュフォールの恋人たち」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/le-domoiselles-.html

08-Sep-09-Tue

ロシュフォールの恋人たち デジタルリマスター版(2枚組) [DVD] ロシュフォールの恋人たち デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]

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ロシュフォールの恋人たち リマスター完全版
サントラ盤 (ミシェル・ルグラン)
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シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]
シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]

ジャック・ドゥミ初期作品集DVD-BOX (ローラ/天使の入江/短編傑作選)
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ドヌーヴ×ドゥミ×ルグラン コンプリートDVD-BOX(7枚組)
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2009-09-05

『サブウェイ123 激突』 The Taking of Pelham 1 2 3

香港でも2009年9月3日から公開になった映画『サブウェイ123 激突』"The Taking of Pelham 1 2 3" へ行く。

Odoru0509092 前回書いたように、この映画は1974年製作の『サブウェイ・パニック』のリメイクである。原作は、ジョン・ゴーディのベストセラー小説。今回は、設定が2009年の現代なので、どのように監督のトニー・スコット(『トップ・ガン』『デジャヴ』)が料理するのか、興味を持って観た。

ニューヨークの地下鉄、ペラム駅 1:23PM発の列車は、運行途中に緊急停止した。その列車は、乗客19人を乗せた1両目だけ切り離し、4人の男にハイジャックされていたのだ。無線連絡した地下鉄運行指令室のガーバー(デンゼル・ワシントン)は、応答してきたライダー(ジョン・トラボルタ)と名乗る男から「現金1000万ドルを1時間以内に届けろ。遅れた場合は1分毎に1人ずつ人質を殺す」と要求される。NYPDの交渉担当官カモネッティ(ジョン・タトゥーロ)がかけつけ交渉を交代するが、ライダーはガーバーが代わったことに激怒。運転士を射殺して、ガーバーを交渉相手にすることを要求する。ガーバーは、人質を救うべく、犯人との難しい交渉を続けていくのだが…。

Odoru0509095 現代のニューヨークを舞台にしているだけあって、タイトルバックは軽快なラップで始まる。そのタイトルが終わる頃に、犯人たちは列車のハイジャックに成功している。展開が早い。
ぼくは先日『サブウェイ・パニック』を観たばかりなので、どうしても比較して観てしまう。以下、74年版と09年版の違いをわかった限り上げてみようと思う(ストーリー展開の違いは書かない)。

・74年版のガーバー(ウォルター・マッソー)は、地下鉄公安局の警部補だったが、09年版のワシントンは地下鉄運行司令官。
・原題 "The Taking of Pelham One Two Three" が "The Taking of Pelham 1 2 3" と数字になった。
・身代金の額が、100万ドルから1000万ドルと10倍になった。(※『サブウェイ・パニック 1:23PM』('98)というリメイク版TVムービーでは500万ドル)
・犯人のボス、Mr.ブルー(ロバート・ショー)の名がライダー(トラボルタ)になっている。これはブルーが犯行用の名で、本当の名前がバーナード・ライダーだったから。
・74年版では、東京の地下鉄のおエラいさんがNYを訪ねて来てギャグになるが、今回はガーバーが日本製の地下鉄車両導入で賄賂をもらったのではないかという設定になっている。
・74年当時にはなかった、携帯電話、ラップトップ、Wi-Fi(無線LAN)といった機器が登場する。
・ワシントンが着ているシャツとネクタイの色(黄色とチェック柄)は、マッソーが着てたものと全く逆の色使いになっている。

The Taking of Pelham 123 (Original Motion Picture Soundtrack)
The Taking of Pelham 123 (Original Motion Picture Soundtrack)

今回のリメイク版は、ワシントンとトラボルタという大スターによるアクション大作になっている。スピード感もあり、面白く観れたが、カメラワークがせわしなかったりして、ぼくは74年版に軍配を上げる。サスペンスも含め『サブウェイ・パニック』にあった<コク>が足りないと思う。

Odoru0509096 けど、犯人役のトラボルタが思いのほかよかった。首に入れ墨をして、高級時計ブライトリングをして、いつキレるかわからない男(実際キレる)を熱演している。彼は『ソードフィッシュ』といい、悪役がいいね。
ただ、プライベートでは今年1月に16歳の息子、ジェットさんが休暇先のバハマで急死した。そのため、この映画のプロモーションには参加しなかったという。父親としての哀しみを思うと本当にお気の毒に思う。

この『サブウェイ123 激突』は、『サブウェイ・パニック』を知らないで観ると楽しめる映画だと思う。デート向きというより男の映画だが、デンゼル・ワシントンの家族を想う気持ちは共感できるぞ。

身代金の額が35年で10倍になった。そのインフレ率を考えると、アメリカのマネー至上主義の経済が膨張したのもわかるような気がした。色んな意味で時代の流れを感じてしまいましたとさ。

日本でも2009年9月4日より公開中。

THE TAKING OF PELHAM 1 2 3 (2009)

Directed by Tony Scott
105 mins

05-Sep-09-Sat

サブウェイ・パニック [DVD]
サブウェイ・パニック [DVD]

サブウェイ123 激突 (小学館文庫)
伏見 威蕃
4094082832

ソードフィッシュ [Blu-ray]
B001AHAGRE

2009-09-04

『サブウェイ・パニック』 DVD The Taking of Pelham One Two Three

サブウェイ・パニック [DVD]
サブウェイ・パニック [DVD]

映画『ザブウェイ・パニック』"The Taking of Pelham One Two Three"である。
現在香港でも日本でも公開中の『サブウェイ123 激突』はこの映画のリメイクなので、劇場で観る前にこの『サブウェイ・パニック』をもう一度観ておきたかったのだ。

ぼくが買った日本版DVDは、最近(2009年5月22日)再発売されたもの。日本語吹替えがついていたので買う気になったのだ。

1974年製作のこの作品は、公開当時映画ファンの間でえらく評判となり、ぼくも観たかったのだが、結局劇場で観れず、テレビで観たのが最初だったのだ。その吹替え版でまた再見できたので嬉しい。

Odoru0409092 ある日のニューヨークの地下鉄。ペラム駅から出発した123号が武装した4名の集団にハイジャックされた。犯人は、ブルー(ロバート・ショー)、グリーン(マーティン・バルサム)、グレイ(ヘクター・エリゾンド)、ブラウン(アール・ヒンドマン)とそれぞれ「色」の名前で名乗り、1両目だけを切り離した車両に18名の人質をとり、当局に現金100万ドルを要求してきた。色めき立つ当局だが、地下鉄公安局ガーバー警部補(ウォルター・マッソー)は、1時間という限られた時間内に、犯人たちに翻弄されながら、虚々実々の駆け引きの攻防戦を展開する…。果たして犯人を捕まえ、人質の命を助けることが出来るだろうか?

久しぶりに観たが、やっぱり面白い!巧みなプロットの脚本もいいし、派手さはないが渋い役者で決めてるところもいい。これはまぎれもなく70年代のサスペンス・アクションの傑作である。

70年代は、パニック映画が流行って、これもその流行りに乗って製作されたものだが、小ぶりだがピリリと締まったイイ映画なんである。
再見して思ったのは、デビッド・シャイア(『大統領の陰謀』『ゾディアック』)の音楽がかっこいいこと。あまり頻繁にかからないところもまたイイ。

同じ列車のパニック映画では、日本でも東映の『新幹線大爆破』('75)という、これまた傑作があった。
「踊る大捜査線」のスピンオフ映画『交渉人 真下正義』('05)は明らかにこれら2作品の影響が見てとれる。

Taking of Pelham 123
Taking of Pelham 123

今回のリメイク『サブウェイ123 激突』では、犯人のボス役にジョン・トラボルタ、地下鉄運行局員にデンゼル・ワシントンという大物がキャスティングされている。が、この『サブウェイ・パニック』では、それぞれロバート・ショー(『ジョーズ』『スティング』)とウォルター・マッソー(『がんばれ!ベアーズ』『フロント・ページ』)というシブーいキャスティングだったのだ。

役者がちと地味だったので、大作感はないのだが、面白さは抜群で、このキャスティングだからこそ成功したと云えると思う。特にウォルター・マッソーの存在感が最高で、エスプリに満ちたラストは彼でないと成り立たなかったと思えるほど。

交渉の間マーティン・バルサムの犯人(風邪気味)が、くしゃみをすると「お大事に」とマッソーが応える。吹替えでしか観た事なかったので、今回巻き戻して原語で聞いてみたら "Gesundheit" と言っていた。面白い。英語では普通 "(God) Bless You" と云うのだが、アメリカではこのドイツ語がまだ使われているのだ。元々ドイツ移民が話していたことから広まったこの言葉。bless you と同じように「神のご加護を」みたいな意味のようである。『5つの銅貨』でもコレ出て来ましたよね。

ウォルター・マッソーって、本名ウォルター・マッチャンスカヤスキー(Walter Matuschanskayasky) というのだね。3回続けて言うと早口言葉になるような名だ(笑)。芸名マッソーにしてくれてありがとう、だな。

さあ、これでリメイク版『サブウェイ123 激突』(しかし、なんだこの邦題は?)に行けるぞ。地下鉄乗って観に行こうか(笑)
皆さんもぜひ見比べてみてはいかが?

THE TAKING OF PELHAM ONE TWO THREE (1974) DVD

Directed by Joseph Sargent

Monaural English, Japanese
Aspect Ratio 2.35: 1
104 mins
Region 2

04-Sep-09-Fri

B001WBXLT8 サブウェイ・パニック [DVD]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン  2009-05-22

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新幹線大爆破 [DVD]
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交渉人 真下正義 スタンダード・エディション [DVD]
君塚良一
B000B5M7T6

2009-09-03

『ドラゴン・プロジェクト』 精武家庭 House of Fury (午後のロードショー)とジリアン・チョン

Odoru0309092 一昨日(2009年9月1日)の朝、新聞のTV欄を見てたら、あんとTV東京・午後のロードショー『ドラゴン・プロジェクト』(精武家庭 "House of Fury")とあるではないか!すぐにロケフリから予約録画をして、仕事が終わり家に帰ってから楽しんだ。

いやぁ、懐かしかった。この映画は、ぼくが香港へ来た頃に劇場で公開になり、家族で観に行った最初の香港映画だったからである。(香港では2005年3月24日公開)

その日の夕食後、娘と一緒に観たのだが、当時小学校2年だった娘は、劇場へ行ったことを忘れていたが、映画の途中で「あ、みたことある!」と思い出したようだった。(日本語吹替えが嬉しい)

当時はまだ、映画館の冷房(めちゃ強い)に慣れなくって、今は亡き妻も寒がっていたことや、レイティングがよくわからなくてⅡB (Not Suitable For Children)なので、窓口で聞いたら「この映画は大丈夫よ」とおばちゃんに云われ、案外えーかげんなんやな、と思ったことなど思い出した。

整骨院を営むユー・シウボウ(アンソニー・ウォン)は、妻に先立たれた男やもめで、2人の子供と暮らしている。息子はオーシャン・パークでイルカのショーをやってるニッキー(スティーブン・フォン)。娘は高校生のナタリー(ジリアン・チョン)である。2人は小さい時から父親にクンフーを教えられ育てられていたので、兄弟喧嘩もハデにクンフーでやってしまう間柄だ。もう大きくなった子供たちはお父さんのことをちょっとめんどくさく感じていた。

だが、お父さんはじつはシークレット・エージェントで働く男だったのだ。整骨院の裏にコントロールセンターがあることは誰も知らない。そんな父親が、ある日謎の男ロッコ(マイケル・ウォン)に拉致されてしまう。兄弟二人は、ナタリーのボーイフレンド、ジェイスン(ダニエル・ウー)の力も借りながら、父親を救出すべく行動に移すのだが…。

監督・脚本は、長男ニッキーも演じているスティーブン・フォン。製作は、ジャッキー・チェンだ。
クンフー場面は、ワイヤーも使い、きびきびと小気味いい。テレビではカットされていたが、食事中に兄弟喧嘩を足だけでやるところなんかも面白いし、ロッコの息子の西洋人の子供が長い棒で攻撃してくるところも迫力がある。元エージェントのじーさんのアクション場面も(ありえないが)面白く見れる。

物語は、『スパイキッズ』と『ミスター・インクレディブル』を足して2で割ったようなものだが、クンフー場面が、(見慣れた)香港映画って感じで、懐かしさとともに安心して見ていられるのだ。それに家族愛もあるので、(我が家のように)ファミリーで見ても楽しめるクンフー・アクション・コメディ映画である。平日の昼間にTV東京で放送したのもそういう意味では正解だ。ま、もうちょっと早く夏休みにやったら少年・少女たちも楽しめたろうにとは思うが…。

アンソニー・ウォンが経営する整骨院に、ロッコの手先がやってきて滅茶苦茶に壊された時、表札の真ん中の漢字がとれて「精武 館」となる。これは『ドラゴン怒りの鉄拳』でブルース・リーが守ろうとした道場の名。だから、ウォンは、リーの真似をするのだ。
ちなみに『怒りの鉄拳』の英語題は、Fist of Fury。本作は、House of Fury である。

オーシャンパークなんて香港ではメジャーな遊園地も登場するので、住んでから観ると余計に面白い。それからロッコのアジトがある場所って、香港空港からエアポート・エクスプレスに乗ってたら見える海の辺りじゃないかと思うんだけど…。

精武家庭 House of Fury (2005)

Directed by Stephen Fong (馮徳倫)
102 mins

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スティーブン・フォン

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Odoru0109095 ジリアン・チョン(鍾欣桐)を見たのは、この『ドラゴン・プロジェクト』が最初だ。かわいい娘なんだけど、クンフー場面で足もよく上がるし、型も決まってていいな、と思っていた。その後、彼女は”TWINS”というユニットであることも知り(相方は、本作にも出てたシャーリーン・チョイ)、映画やテレビで活躍しているのを見ていた。

2006年には、マレーシアで着替え中に香港メディアによる盗撮事件の被害者となり、その時は、ジャッキー・チェンはじめ50名の著名な芸能人がデモをして法律改正を訴えた。

だが、2008年1月に起きたエディソン・チャンの例の「事件」以来、公の場に出てこなかった(というより出てこれなかったんだろう)。そんな彼女も今年(2009年)7月頃から香港で活動を再開した。ジーンズのポスター・モデルなのだが、メーカー名が”TOUGH”(タフ)で、コピーが”Be Tough”である。

休んでいたときのことを語る、香港の英字新聞 "South China Morning Post" のインタビューがYouTubeにあった(英語字幕がついているのでわかりやすいかと思う)。また頑張ってほしいと思っている。

(ちなみにエディソン・チャンだが、記者会見で謝罪し、芸能界を引退したが、被害にあった女性たちには直接手紙や電話などでの謝罪は今もなされていないという。)

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