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2009年8月

2009-08-31

『太陽がいっぱい』 スペシャル・エディション DVD PLEIN SOLEIL Special Editon

太陽がいっぱい スペシャル・エディション (期間限定生産) [DVD]
太陽がいっぱい スペシャル・エディション (期間限定生産) [DVD]

夏の終わりに名作映画『太陽がいっぱい』"Plein Soleil"である。

このDVDは2枚組。2008年9月にジェネオン・エンタテインメントから発売されたもの。期間限定発売なので、もう店売りでないと新品はなかなか買えないかも知れない。ぼくは夏休みに一時帰国した際、横浜のヨドバシでたまたま見つけて買ってきた。

ぼくが買う気になったのは、吹替え版がついていたこと。しかもそれが1972年のゴールデン洋画劇場の時に野沢那智さんがアテたものだったから。
「アラン・ドロン=野沢那智」というのは吹替え好きには常識だが、このヴァージョンは野沢さんがまだ若い時のものなので、一番ドロンの年齢に近くういういしいものなのだ。

野沢那智さんは何度もこの『太陽がいっぱい』のドロンを吹替えている。月曜ロードショー、日曜洋画劇場、水曜ロードショーと70~80年代にかけてこの『太陽がいっぱい』が放送された時には殆ど録り直して放送されていたのだ。

驚くのは2007年に放送されたTV東京版『太陽がいっぱい』。休日の昼間に突然放送されたこのヴァージョン、なんとまた新録りで野沢那智さんがドロンをアテているのだ。

とり・みきさん(男だったんだ!)が、野沢さんにインタビューしたものが特典映像についてるが、野沢さんとしてはこのDVDに収録されたものより「日曜洋画劇場」の時のものが気に入ってるのだと。

ファンとしては、まだ家庭用ビデオデッキが普及してなかった今回のゴールデン洋画劇場版を入れてくれてありがたいと思っている。

Odoru3108094 映画自体は名作なので、皆さんよくご存知と思う。
サンフランシスコの親に頼まれ、イタリアまで金持ちの放蕩息子フィリップ(モーリス・ロネ)を連れ戻しに来た友人トム・リプリー(ドロン)が、彼を殺害し金を奪おうとするサスペンス・ドラマ。映画を観たことがなくてもニーノ・ロータの甘い旋律の音楽だけは誰しも知っていると思う。

撮影もアンリ・ドカエが見事。その昔「キネマ旬報」のインタビューで、『太陽~』の時はマストに身体をくくりつけて撮影した云々が書いてあった。ぼくが「撮影監督」に興味を持ったのはこの人が最初。

殺人を犯した後に、魚市場を歩くドロンの場面の演出の凄さ。マルジェ(マリー・ラフォレ)の手にキスをし見つめるドロンのアップの美しさ。

ぼくがまだ高校生の頃、淀川長治先生のラジオ番組があった。その中で先生は「『太陽がいっぱい』はホモの話なんですねぇ」と語り、若いおいらはびっくらこいたのを覚えている。
その後、ルネ・クレマン監督とドロンはできてたとか、色んな噂を聞いたので、「さすが淀長さん、おすぎに”おかあさん”と呼ばれていただけのことはある!」と妙に納得したものだ。

英語のWikipedia『太陽がいっぱい』(英語題: Purple Noon)の記事によると、映画ではあまり描かれてないが、原作では明らかにトムがフィリップにホモ心を抱いている描写があるのだと。ラジオでは淀長さんはそのことを話してたのかも知れない。いずれにせよ、今となってはそのことは半ば常識のようになっているのだが。

特典映像のドロンのインタビューによれば、殺人を犯した後、ヨットからドロンが落ちたのはアクシデントで演出ではなかったのだと。「死ぬかと思った」とドロンは語る。なるほどあんなに必死なのはそのためか、と納得。

このDVDボックスは、ハリウッド・メジャーのモノと違い、日本で独自に作られたものだ。ジェネオンの商品は、その心意気がいい。『荒野の用心棒』もよかったよね。

その他、初公開時のパンフレット(縮小版)も入ってる。買って嬉しかったDVDである。

余談だが、今年の夏、日本へ行った時は「のりピー」の話題一色だったので、「2009年の夏は"のりピーがいっぱい"と記憶されるのかなぁ」と思ってたが、昨日の衆議院選挙で、「民主党がいっぱい」となり、政権交代があったので、これでちょっと日本も変わってくれるのかな、と思った次第。

Plein Soleil (1960)

Director : Rene Clement

112 mins

Dolby Digital Mono
Aspect Ratio 1.78: 1
Region 2

31-Aug-09-Mon


太陽がいっぱい スペシャル・エディション (期間限定生産) [DVD]
太陽がいっぱい スペシャル・エディション (期間限定生産) [DVD]
ジェネオン エンタテインメント  2008-09-26
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ディア・ハンター 製作30周年記念:コレクターズ・エディション [DVD] リスボン特急(ユニバーサル・セレクション2008年第11弾)【初DVD化】【初回生産限定】 愛人関係 (ユニバーサル・セレクション2008年第10弾) 【初DVD化】【初回生産限定】 恋ひとすじに(ユニバーサル・セレクション2008年第11弾)【初DVD化】【初回生産限定】 狼の挽歌 デラックス版 [DVD]

2009-08-30

『ヴェンジェンス(原題)』 復仇 Vengeance ジョニー・トー

Odoru3008093 今や香港ノワールを代表をするジョニー・トー(杜琪峰)監督の新作映画『ヴェンジェンス(原題)』 復仇 (Vengeance)が香港でも公開になったので行く。(2009年8月20日より)

今年のカンヌ映画祭のコンペ部門に出品された本作は、マカオ・香港を舞台にしたフランス人男の復讐劇。

公開後1週間が過ぎたが、香港Yahooの評価はやたらと低い(50%)。DVDになったら観ようかなとも思ったが、トー監督の前作『文雀』(Sparrow)を見損ねてちょっと後悔したので今回は行ってみたのだった。

観終わって、なんでこれがこんなに評価が低いんだ?と思った。なぜならこれは、香港ノワールとフレンチ・ノワールの幸せな融合だったからである。

マカオで暮らす娘の家族が何者かに撃ち殺された。奇跡的に生き延びた娘の病院へフランスから父親フランソワ・コステロがかけつける。瀕死の娘の手をとり、彼は約束する、「必ず復讐する」と。
右も左もわからぬ地で、犯人捜しをする父親。ある日偶然にも、自分の泊まってるホテルで殺人の現場を目撃する。顔を見られた3人の暗殺者たちは、コステロを尾行するが、 コステロは彼らにこう云う「仕事を頼みたい。助けてほしい…」と。
事件現場の娘の家を訪ねるコステロと3人の男たち。残った食材で料理をするコステロ。彼はパリでレストランを経営するシェフだと云う。だが、コステロの昔の稼業は彼らと同じ「殺し屋」だったのだ…。

Odoru3008096 コステロという主人公を演じるのはフランスの歌手兼俳優のジョニー・アリディ(『列車に乗った男』)。香港の殺し屋たちは、アンソニー・ウォン(黃秋生)(『インファナル・アフェア』)、ラム・カートン(林家棟)(『エグザイル/絆』)、ラム・シュー(林雪)(『PTU』『新宿インシデント』)。マカオ・マフィアのボスにサイモン・ヤム(任達華)(『エレクション』)などトー映画の常連たち。

観終わった時にぼくが真っ先に感じた事。それは「主役がアラン・ドロンなら良かったのに…」ということ。もしドロンが主演だったら、これは名作足りえただろう。調べてみたら、当初この役はドロンにオファーされ、ドロンも乗り気だったのだが、最終的に断られたのだそうだ。惜しい。本当に惜しい。勝新が『影武者』降りたくらい惜しい。だって役名のコステロも、ドロン主演で、ジャン・ピエール・メルヴィル監督の名作『サムライ』と同じなんだぜ(フランソワとジェフと違いはあるが)。

B000AQKUG8 Le Samourai - Criterion Collection
Henri Decaë
Artists International  2005-10-25

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老齢のかつての殺し屋が娘の仇を討つためにマカオへ来る…。彼は20年前は拳銃のエキスパート。殺し屋稼業の後遺症で、記憶が段々薄れてきている男。正に今のドロンが演じる役じゃないか!
銃をばらして、目隠ししてそれを組み立て競争をするシーンがあるのだが、そこなんかもドロンがやってたらと思うと、ジョニー・アリディには悪いが「はぁ」とため息が出てしまうのだ。

Odoru3008097 上でYahooのこの映画の評価が低いと書いたが、おそらく香港人の特に若い観客からすると、ちょっと古臭くかつアホらしい戦闘場面が続くので失望した人が多かったのかも知れない。
野原で新聞紙を固めたゴミを転がしながらの撃ち合いなんてのがあるので、現実離れしてると見なされたのでないか。

だが、ジョニー・トーの映画はこれでイイのである。彼の映画は基本的に「拳銃ごっこ」で、それを楽しんで観れるかどうかにかかってるのだ。それをどうゆうふうに絵作りをして見せるかというのがトー映画なんじゃないかと思う。
ぼくはガンマニアではないのでよくわからないが、色んな種類の拳銃を扱う売人がゴミ置き場に住んでて、冷蔵庫や鍋の中からほいほいと拳銃を出すのも面白かったな。つまりオトナの拳銃ごっこムービーなんである。

そういう意味で、ぼくには面白かった。若い人より、フレンチ・ノワールから香港ノワールまで観続けているオトナの男たちには、この面白さがわかってもらえると思う。ラストなんて渋いよーっ。日本でも早く公開されることを願ってる。

復仇 Vengeance (2009)

Director: Johnnie To
109 mins

30-Aug-09-Sun

香港版予告編

エレクション~黒社会~ [DVD] エレクション~黒社会~ [DVD]

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2009-08-29

IMAX版 『スター・トレック』 STAR TREK (IMAX DMR Version)

Odoru2708097

映画『スター・トレック』"STAR TREK"のIMAXヴァージョンが、香港で2009年8月26日から公開になったので行ってきた。

『ダークナイト』以来久しぶりにIMAXシアターへ行ったが、今回の『スタ・トレ』もすんごい迫力だった!この大画面!この大音響!やっぱ凄い!

映画のレヴュー(あるいは感想文とも言う)は、以前書いているので興味があればそちらを読んでくれればと思うが、今回はIMAX版の印象を少し。
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/star-trek-d55a.html

冒頭のエンタープライズ号のアップは、画面が大き過ぎて何かわかんなかった。前半のスポック(ザカリー・クイント)のアップは、剃ったばかりなのか、まひげの先の部分がまだ青いままなのがわかってしまう(笑)。そのくらいデカイのだ。

劇中カーク(クリストファー・パイン)が、U.S.Sエンタープライズ号を宇宙船の窓から見て ”Wow!” という場面があるが、ぼくも観ている間中そんな感じだった。

STAR TREK IMAX 予告篇

今回のIMAXヴァージョンだが、画面は大きいものの『ダークナイト』のように、IMAXカメラで撮影されたものではなく、IMAXシアター用にデジタル処理でリマスターしたもののようだ(スクリーンの上下は黒くマスクされてた)。

そのためか(どうかは専門家ではないのでわからないが)、前半のカークが酒場で喧嘩をする場面など、動きが激しいシーンでは画面がちらつく感じがしてしまった。ぼくは劇場のド真ん中くらいで観たのだが、通常の劇場の一番前の席で観ているような感じだったな。

ま、それでも劇場で初めて観た時とは印象が違う。IMAXを「経験」したら、しばらくDVDやBlu-rayでこの映画を観たいとは思わないなぁ。IMAXでのラストのテーマ曲からエンド・クレジットはやっぱ鳥肌ものだったよ。

若いスポックに未来のスポック(レナード・ニモイ)が語りかけるなんて、いい場面だよね。ファンの心理もくすぐるし、そうでない人にも面白いし。こーゆーところがこの映画の人気の秘密のような気がする。

Odoru2708095

香港のIMAXシアターは、九龍サイドのMega Boxという赤い色した複合施設の中にある。ぼくの家の窓からは、海(ヴィクトリア・ハーバー)越しによく見える。直線距離だと近いんだけど、MTR乗ったら遠いし、また駅からシャトルバスで行かなきゃならんのでちょっとおっくうになってしまうのだ。なので、今日はMTR乗った時から気分を高めるために『スタ・トレ』のサントラをiPhoneで聴きながら行った。そしたらシャトル乗る前に終わっちまって、「やっぱ遠いわ…」と思っちゃった(笑)

ま、それでも香港在住の映画ファンにはおすすめの上映です。
アメリカではIMAXでのオープニング興収記録『ダークナイト』を抜いたほど人気があったという。

今回の上映は、既に劇場で7回ご覧になったというトレッキーのnohachanさんにコメントを頂いた時に知った(←ありがとうございました)。オフ会もやりたかったが、タイミングが合わず残念でした。またいつか香港在住の映画ファンで集まってオフ会やりたいと思ってます。参加条件は、オリオン星人の踊りを踊ること!(笑)。もとい、ちゃんと指を開いて挨拶できること(笑)、なんてね。

"Live long and prosper."

STAR TREK (IMAX DMR Version) (2009)

Director J.J. Abrams
127 mins

29-Aug-09-Sat

スター・トレック エンタープライズ号BOX<7,000セット限定> [DVD]
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パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン  2009-11-06
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スター・トレック スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray] スター・トレック 新スター・トレック劇場版BOX [Blu-ray] 宇宙大作戦 コンプリート・シーズン2 ブルーレイBOX [Blu-ray] Star Trek: Ships of the Line: 2010 Wall Calendar 天使と悪魔 コレクターズ・エディション [DVD]

2009-08-26

『地獄のバスターズ』 DVD The Inglorious Bastards

前回書いたクエンティン・タランティーノ監督の新作映画『イングロリアス・バスターズ』の元ネタといわれるマカロニ戦争アクション『地獄のバスターズ』('78)"The Inglorious Bastards"である。

タランティーノの新作を観てから、香港・中環(Central)のHMVへ寄ったら、商品棚の1段目にに『イングロリアス~』のサントラ盤、2段目にこの『地獄のバスターズ』のDVDが飾ってあった(その下はタランティーノの過去の作品。『キル・ビル』『トゥルー・ロマンス』など)。
いやぁ、HMVの店員はわかってるねぇ(笑)。以前も『グラインドハウス/デス・プルーフ』公開時は、『バニシング・ポイント』を飾って売ってたからなぁ。

Odoru2508095 このDVDは2008年7月発売のアメリカ版。デジタル・トランスファーでリストアされた本編と、クェンティン・タランティーノとエンツォ・G・カステラッリ監督の約38分の対談がついているという「おたく好み」のもの。

ぼくは、今回初めてこの映画を観たのだが、悪くない、というより意外とイイじゃん!という代物だった。もし何も知らずに観ていたら、拾い物だったな、という気持ちになるんじゃなかろうかという一品である(笑)
ただ、正直、タランティーノの作品は「どこがオマージュやねん!?」という一品でもあった(笑)

ともかく、アクションに継ぐアクションで結構飽きさせない。それに(70年代+マカロニだから)ドイツの若い女たちがヌードで川遊びをしてるシーンもあり、お色気も入れているのだ。主人公たちは粗野で能天気で身体はマッチョという、もう典型的なB級テイスト・ムービーで、タラちゃんが好きなのもよくわかる。

1944年フランス。連合軍で問題を起こした囚人たちを乗せたトラックが、護送中にドイツ機の爆撃を受ける。生き延びた囚人たちはスイスへの亡命を図ろうとし、途中、ドイツ兵を捕虜にしながら検問を突破したりする。だがドイツの軍服を着た味方である特殊部隊を間違って殺してしまい、その特殊部隊だと勘違いしたフランスのレジスタンスたちと共に、ドイツV2ロケットのジャイロ・コンパスを奪う作戦に加わることになる…。

主役は、スウェーデン出身のボー・スヴェンソンと、70年代ブラック・アクション・シネマで活躍したフレッド・ウィリアムソン。スヴェンソンが『キル・ビル』や、ウィリアムソンが『フロム・ダスク・ティル・ドーン』に出演してるのは、タラちゃんがこの映画のファンだからだ。
どうしようもない囚人たちがドイツ軍と戦うというアイデアは、ロバート・アルドリッチの傑作『特攻大作戦』(原題:Dirty Dozen)から来たものだろう。

Odoru2508096 特典映像のタランティーノとカステラッリ監督の対談は、二人の映画好きが語り合うとても面白いものだった(タラちゃんはよく笑う。彼は「ゲラ」だね・笑)。
このDVDが発売された2008年当時は、タランティーノが『地獄のバスターズ』をリメイクすると云われており、カステラッリ監督もそのことをホントに喜んでた。

だが、出来上がった作品は、ナチを殺しまくる品のない”バスターズ”が登場するところや、スヴェンソンのようにバイリンガルが登場し字幕になるところなどのコンセプトは借りているが、ストーリーは全く違うものになっている。老齢のカステラッリも口あんぐりだったのではないか(笑)
(だが、カステラッリ監督とボー・スベンソンは『イングロリアス・バスターズ』にゲスト出演しているという。ぼくは確認出来なかったが…)

この『地獄のバスターズ』は、前半は戦場での銃撃戦、爆発シーンも多く、後半のクライマックスでは『大列車作戦』を思い出させる列車のアクションもある(ラストの大爆発シーンはミニチュアだが・笑)。スローモーションを多様したのは、ペキンパーの影響もあるが、『七人の侍』だとカステラッリは語る。この映画が面白く観れるのはアクション・シーンの演出及び編集がとてもいいからだ。

古城でのドイツ軍との戦いでは、とたんに囚人たちの戦い方がしょぼくなる。銃を使わず、パチンコ玉を飛ばしたりしてナチと戦うのだ(笑)さすが、イタリア映画!と思ったが、カステラッリの説明では、70年代当時、イタリアでも左翼過激集団『赤い旅団』が台頭してきており、撮影中にも関わらず法律により銃器類を全て没収されたのだと。困った監督は、急遽演出を変え、あんなシーンになったのだ。だが、古城からロープで降りて来るシーンなんか結構いいんだよな。

この作品は、日本では未公開で、テレビで放送されたと聞いた(DVDも発売)。ぼくは観た記憶がないのだが、TV東京系「木曜洋画劇場」では何度か放送されているようだ。いかにも「木曜〜」という映画である。B級アクションで、お色気もある。日本で『イングロリアス・バスターズ』が公開される時には、ぜひ「木曜洋画劇場」(今は「水曜シアター9」)で再放送してほしい一品である(笑)

【関連】『イングロリアス・バスターズ』
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-e22e.html

The Inglorious Bastards (1978) (BASTARDI SENZA GLORIA)

Directed by Enzo G. Castellari

Dolby Digital Mono
Aspect Ratio 1.85: 1
99 mins
Region 1

26-Aug-09-Wed

2009-08-25

『イングロリアス・バスターズ』 Inglourious Basterds クエンティン・タランティーノ

Odoru2408092 クエンティン・タランティーノ監督、ブラッド・ピット主演の新作映画『イングロリアス・バスターズ』"Inglourious Basterds"が香港でも公開になったので行く(2009年8月20日より)。
第二次大戦時ナチスと闘うユダヤ人たちを、マカロニ・ウェスタン・タッチで撮っている「タランティーノ節」炸裂の153分だった。面白かったど、コレ!

この作品は、1944年、ナチス占領下のフランスで、家族を殺されたユダヤ人少女・ショーシャナ(メラニー・ロラン)が、パリの映画館でドイツ・プロパガンダ映画のプレミア上映時に、壮大な復讐計画を進めるストーリーと、アルド・レイン中尉(ブラッド・ピット)率いるユダヤ系アメリカ軍小隊、通称”バスターズ”が、英国スパイのドイツ人女優(ダイアン・クルーガー)らと共にナチスを倒すべく極秘ミッションに参加する、というストーリーを並行して展開させる構成になっている。

字だけのシンプルなタイトル・バック。流れる曲は『アラモ』じゃねぇか!ディミトリ・ティオムキンのオリジナルではないが、マカロニっぽいテイストだ。その後も、エンニオ・モリコーネの曲がバンバン流れる。サントラ盤を買ってきたが、デビッド・ボウイの『キャット・ピープル』も入ってて、戦争映画につきものの軽快なマーチなど1小節もない。

Inglourious Basterds

いつもながら、タランティーノらしく、色んな映画のうんちくをなんてことない会話の中に入れているのだが、今回は特に戦前のドイツ映画にまで言及しててその<偏愛ぶり>は舌をまく。全体として、戦争映画の傑作『特攻大作戦』や『ナバロンの要塞』なんかを思い出させるし、今回はパリの映画館が舞台になるので、『ニュー・シネマ・パラダイス』っぱい部分もある。復讐劇という意味では、マカロニ・ウェスタンだろう。

だが、この映画が一番オマージュを捧げているのは、1978年のB級イタリア映画で、マカロニ戦争アクションの『地獄のバスターズ』のようだ。ぼくはこの『地獄の〜』は観てないが、アメリカでの公開題名が"The Inglorious Bastards"(「不名誉なろくでなしども」)と、そのまんまだったところを見ると、相当タランティーノが気に入ってるのがわかる。(DVD買ったので後で観よっと。)

Odoru2408097_2 キャストは、主役はブラピで、彼はテネシー州の強い訛りで、あごを突き出して話すという役をコミカルかつ頑張って演じてる。
だが今回はナチスSSで"ユダヤ人ハンター"のハンス・ランダ大尉を演じたクリストフ・ヴァルツ(『私が愛したギャングスター』)が圧倒的によかった。彼はオーストリアの俳優で、国際的には無名に近かったが、この役で今年2009年のカンヌ映画祭・最優秀主演男優賞を得た。52歳のスター誕生である。(助演賞ならオスカー狙えるかもね。)

何が凄いかって、冒頭の第1章(この映画は5章にわかれている)「昔々、ナチ占領下のフランスで」で、ランダ大尉が農家にかくまってるユダヤ人の調査に来るところから、スゴみを感じるのだ。ひょうひょうとして強面(こわもて)ではないのになんか怖い。「ミルクをくれ」と云うだけで、観客をちょっと緊張させるのである。

タランティーノのインタビューを「NY TIMES」でたまたま読んだら、このハンス・ランダ役が一番キャスティングに難航したそうだ。当初、レオナルド・ディカプリオという噂も流れたが、タランティーノ曰く「ランダ大尉は、私がかつて書いたキャラクターの中でも最高の一つで、これからも、おそらく書き得ない最高のキャラ」と語るほど惚れ込んでいたので、余計に難航したのだと。結果、ドイツ語、英語、フランス語、イタリア語をパーフェクトに話せるというベストの俳優ヴァルツで成功したと語る。

Odoru2408095_2 他のキャストもユダヤ系バスターズの一員に『ホステル』の監督イーライ・ロス(彼は劇中劇『民族の誇り』も監督している)。ナチスの戦争ヒーローにダニエル・ブリュール(『グッバイ、レーニン』)、英国兵で作戦に参加するドイツ映画の評論家にマイケル・ファスベンダー(『300』)。ドイツの映画監督の愛人に、日本でタレントやってから『キル・ビル』にも出てたジュリー・ドレフュス。ゲストでマイク・マイヤーズ(『オースティン・パワーズ』)やロッド・テイラー(『鳥』)らも顔を見せる。

この映画では、アメリカ映画によく見られる「ヨーロッパ人も英語を話す」という演出はなく、フランス語、ドイツ語など全て字幕で展開する。全編の半分かそれ以上は英語字幕じゃなかったかな。

原題の "Inglourious Basterds" は英語のスペルが間違っているよね(正確には "Inglorious Bastards")。理由を聞かれ「タランティーノ流スペルだ!」とアメリカのTVで話したとか(笑)
間違ってると云えば、歴史的事実ではないことも多々あった。これは「映画=フィクション」として観ないとそのあたりも楽しめないかも。これも「タランティーノ流」であろう(笑)

とまれ、映画好きにはやっぱたまらん面白さである。いつも、タランティーノの映画を観ると、その作品が影響された映画を観たくなる。今回もまた「研究費」や「資料費」と称してDVDなんかを買いたくなってる自分がいる(苦笑)。罪なおっさんですな、タランティーノは!(笑)

日本では2009年11月20日よりロードショー予定。映画館でぜひ!

INGLOURIOUS BASTERDS (2009)

Written and Directed by Quentin Tarantino
153 mins

24-Aug-09-Mon

【関連】『イングロリアス・バスターズ』オリジナル完全版!
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-0c66.html

『地獄のバスターズ』
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-1e20.html

(香港版 予告 ↓)


2009-08-20

『ドラゴン怒りの鉄拳』(精武門) Blu-ray FIST OF FURY

ドラゴン怒りの鉄拳 (精武門) (Blu-ray) (香港版)

P1020588175

李小龍(ブルース・リー)の映画『ドラゴン怒りの鉄拳』(精武門)"Fist of Fury" がブルーレイになって発売された!(2009年8月6日 『ドラゴン危機一発』(唐山大兄)も同時発売)

ぼくは発売されていたことを知らず、Hong Kong Recordsへ行ったら棚に飾ってあったので、思わず「アチョー!!」と声を出してしまった。すると一緒にいた小六の娘が「ハズかしい!」と言って離れていった。最近娘が段々遠ざかってるのがわかる。アチョー…

さて、このBlu-rayは、Fortune Star版の香港製。リージョンは日本と同じなので、我が家のプレステ3でさっそく鑑賞した。(日本語字幕はナシ。中国語(繁体字)・英語・タイ字幕。言語は広東語・北京語・タイ)

あの安っぽい香港映画らしいタイトルバックからブルーレイだ。ブルース・リーが日本の武道家二人(人形だとバレバレ)をぐるぐる振り回すとこも、焼いた犬(?)を喰らうとこも、日本人コックの腹巻も、あの「中川家」の弟にそっくりな顔をした精武館館長の(あきらかに)描いたへの字まひげも全部ブルーレイだっ!

音響も、 DTS HD Master Audio 7.1 になっている。なのでリーの怪鳥音(←いったい誰が考えたのだろうこの日本語・笑)も、ヌンチャクの音もDTS HDだっ!

『ドラゴン危機一発』('71)の大ヒットを受け製作されたブルース・リー主演の第二弾。リー作品中これがベストと云うコアなファンも多い。かくゆうぼくもこれが一番好きなので、また買ってしまったのだ。

1900年代初頭の中国・上海。日本の軍国主義が吹き荒れる動乱の中、中国武道の名門・精武館の創立者が謎の死を遂げる。葬儀にかけつけた門下生のチェン(ブルース・リー)は、恩師の死は対立する日本人武術協会がからんでいるのではないかと疑念を持つ。中国人としての誇りをかけ、恩師のアダを晴らすべく、彼は捨て身となって強大な敵に戦いを挑んでいく…。

日本人が敵として描かれているが、この映画が日本で公開されたのは、ブルース・リーが主演だったからに他ならない。今の若い人には想像もつかないだろうが、リーの日本での人気は凄まじかった。ぼくは田舎の本屋の息子で店番させられてたので知ってるが、それまでちっとも売れず返品の山だった月刊誌「ロードショー」が、リーの特集を組んだら即売れ、臨時増刊号もあっという間に売り切れた。ブルース・リー・ブームに火がついた<瞬間>をぼくは目撃したのである。

それもこれも、『燃えよドラゴン』('73)が日本で公開された時に、リーは既にこの世の人ではなかったので、残されたたった4本(と半分だけ撮影された)主演映画を皆が見たがったからなのだ。当然リーの映画はどれも大ヒット。日本でもクンフー映画がブームとなり、それまで見向きもされなかった香港映画が続々公開され、やがてアジアの映画に日本人が(世界中が)目を向けるきっかけになったのである。

ぼくもこの『~怒りの鉄拳』(仲間内では”てつこぶし”と呼んでる・笑)は1974年初公開時ロードショーで観た。その時は、タイトル・バックとエンド・タイトルにマイク・レメディオスの歌う英語主題歌がかかったのだ。日本公開版だけにあったものだが、ラストの『明日に向って撃て』ばりのストップ・モーションにかぶさってかかるので余計に印象深いものだった。このBlu-rayは残念ながらその主題歌は入っていない。

だが、ぼくの持っているDVDにはその主題歌付があるのだ。それは2005年にアメリカの20世紀フォックスから出たFortune Star版デジタル・リマスターのボックス「Bruce Lee Ultimate Collection」の『~怒りの鉄拳』(AKA: The Chinese Connection)である。

B000A9QK9Q Bruce Lee Ultimate Collection (The Big Boss / Fist of Fury / Way of the Dragon / Game of Death / Game of Death II)
Bruce Lee
20th Century Fox  2005-10-18

by G-Tools

このボックス、パッケージに「最強李小龍電影全集」と漢字で書いてるものだから、てっきり香港製だと思ってぼくはHMVのセールで購入した。帰ってよく見たらRegion 1となってるではないか!アチョー!と思ったが、観てみたら、あんとあの英語の主題歌が入ってたのだ!これ今でも香港のHMVではセール商品(HK$159・約1,900円)で売られてるのでお買い得である(『~危機一発』『~怒りの鉄拳』『ドラゴンへの道』『死亡遊戯』『死亡の塔』収録)。(Amazon.comではUS$12.99)

ちなみに、同じFortune Star版香港製DVDボックス「最強李小龍電影全集」(7枚組)もぼくは持ってるが(何枚持ってるんだよ!・笑)、これの『燃えよドラゴン』は、タイトル・バックがワーナーでの世界配給版と違う香港ヴァージョンなんである。

李小龍電影全集 (限定版) DVD リージョン 3

P1003357139

この『ドラゴン怒りの鉄拳』は日本人の俳優・橋本力などが参加しているが、主なシーンで日本人役が履いてる袴が後ろ前になってるのは有名な話。広東語版で見ると、「ハイ」と返事する時だけ日本語っぽくて笑える。初公開時に日本ではカットされていた芸者遊びのシーンも当然入ってる。

ブルース・リーが「アチョー!」と叫び、ヌンチャクを使ったのはこの『~怒りの鉄拳』から。苗可秀(ノラ・ミャオ)のかわいさも相まって、映画史に残る逸品といえよう(←ちょっと大げさか? アチョー!)

精武門 Fist of Fury (1972) Blu-ray  Bruce Lee Legendary Collection

Directed by Lo Wei (羅維)

1920x1080p FULL HD
DTS HD Master Audio 7.1, Dolby Digital 6.1
Aspect Ratio 2.35: 1
106 mins

Special Features: Interview with Yuen Wah (9.30 mins)

20-Aug-09-Thu

ドラゴン怒りの鉄拳 (精武門) (Blu-ray) (香港版)

P1020588175_2

2009-08-18

『カールじいさんの空飛ぶ家』 UP - 3D

Odoru1808092 香港では2009年7月30日から公開されている映画『カールじいさんの空飛ぶ家』"UP"(3D)へ子供たちと行く。夏休み日本へ一時帰国していたので、行くのが遅くなったが、小六の娘が早く観たがっていたので、帰ってすぐの日曜に行ってきた。

公開から3週間が過ぎているが、劇場内はほぼ満員。さすがピクサーだ。ピクサー製アニメはハズレがないということを観客もよく知ってるのだろう。

3Dメガネをかけろとカールじいさんから指示が出ると、「トイ・ストーリー3」の予告編がかかった。2010年公開とのこと。速報のような予告編だがこれだけで充分面白い。

いつものようにおまけの短編から始まる。今回は『Partly Cloudy(原題)』(「時々曇り」とでも訳すのかな?)というもの。人間や動物たちの赤ちゃんを運ぶコウノトリと、雲の上で赤ちゃんを造ってる雲で出来た人(創造主?)のお話。たった6分だが、本編にも似かよったウェルメイドな短編だった。

そして本編が始まる。PIXERの文字が縦に並んでる。そこをいつものように飛んでくる電機スタンド君。3D用の始まりなのか。

題名でわかるとおり、これはカールじいさんの家が飛んでく(原題の通り"UP"する)話。結論から云うと「とてもイイ話」だったのだ。

Odoru1808095 少年時代憧れた冒険家のニュース・フィルムを映画館で見るところから始まるこの映画は、その冒険好きという共通点で結婚したカール(声:エドワード・アズナー)とエリーの夫婦愛が骨子になっている。
何も好きで偏屈なじいさんになったわけじゃない。立ち退き請求にも応じないのは、この家に最愛の妻との思い出がいっぱい詰まってるから。
その妻との生前果たせなかった約束の地、南米へ家もろとも風船で飛んで行こうというカールじいさんの気持ちが泣かせる。

うまく家ごと上空へ上がるが、アジア系の少年ラッセル(声:ジョーダン・ナガイ)がしがみついてたのは計算外。「おりろ」とも云えないし、そのまま一緒に旅に出る二人。ラッセルは”お年寄りお手伝いバッチ”がもらえると自然探検隊のシニアになれるため、じいさんにまとわりついてたのだ。

ここから78歳のじーさんと8歳のデブの少年が、人類が足を踏み入れたことのない南米の滝パラダイス・フォールを目指す冒険の旅をするのじゃ!というお話。

観終わってうちの娘は大満足だったのだが、この作品は、どちらかというと男の子(じーさん含む・笑)向けかもしれない。後半の空中戦は『天空の城ラピュタ』を連想させるしね。

空を上がっていく膨大な量のまばゆいばかりキラキラと光る風船。その下にある古い家。昔のフランスの<映画詩>の傑作『赤い風船』ばりの映像は、これがアニメだと云うことを忘れさせる。
上空から見た自然の風景もまたアニメとは思えない美しさだ。これは技術的に満点以上のものであり、その中にある情感もまた素晴らしいのである。

Odoru1808098_2 少年時代。おとなしいカールとやんちゃで活発なエリー。エリーから「あんたあんまりしゃべんないのね。けど好きよ」と云われ赤くなるカール。思い出のアルバムから、二人の結婚から過ごした日々を描くところは、たった数分で二人の歩んだ人生を切なく描写する。(妻に先立たれたぼくはここで泣けた。)素晴らしい。作り手の「やさしさ」がにじみ出る名場面だ。

おじいさんと少年が手に手を合わせて二人で困難を乗り越えていく。そこに登場する脇役の犬や鳥たちとも心が通っていく過程も、描写がとても自然だ。
そして、その冒険の旅を通して、少年ラッセルが得たもの、おじいさんのカールが得たものもかけがえのないものであり、観客に「生きる力」を与えてくれるのだ。

ある意味「裏『グラン・トリノ』」と呼んでもいい傑作CGアニメ。

日本では2009年12月5日公開とのこと。
基本的に、(健全に)笑えるところ満載で、子供やファミリー向きではあるが、夫婦やカップルで観るにも最適な映画と思う。年老いた人にもぜひ観て元気になってほしい。ホント、かっこいいんだから、このじーさんが!(笑)

UP (2009) 3-D

Directed by Pete Docter
97 mins

18-Aug-09-Tue

(香港版予告 ↓)

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2009-08-16

『ウエスト・サイド物語』 コレクターズ・エディション DVD WEST SIDE STORY

ウエスト・サイド物語 コレクターズ・エディション [DVD]

日本で舞台版「ウエスト・サイド・ストーリー」"WEST SIDE STORY"を観劇し、映画版も観たくてたまらなくなったので、香港へ戻ってから鑑賞した。

じつは、成田で預けたバッグが香港の空港で受け取れないというアクシデントがあり、家で連絡待ちをしなくてはならなくて、ちょうど帰った次の日に時間が出来たのだ。(←バッグは見つかり無事届けてくれた。ホッ。)

Odoru1608095 棚に飾ってあった赤色の箱『ウエスト・サイド物語』コレクターズ・エディションを久しぶりに開けてみた。このDVDは日本で2003年に発売された、15,000セット限定版。台本や米国劇場パンフレットの復刻版が入った愛蔵版ブックレット付のもの。音声はDTS, 5.1chサラウンドに加え、日本語吹替も収録されている。特典映像は、メイキング「伝説の軌跡」、予告編など。
(※ DiscのみのDVDも2008年4月に再発売されている。)

土曜の昼間、DTSで(ちょっと音大きめで)楽しんだ。いやぁ、何度観ても素晴らしいシネ・ミュージカルの傑作である。映画って何回も繰り返し観れるものと一度観たらもういいや、というものがあると思うが、ぼくはこの映画は何度観ても飽きないし、観る度にその完成度の高さに驚かされる。

「二人の名シェフが作った一つのケーキ」と製作総指揮のウォルター・ミリッシュは語る。これは舞台人ジェローム・ロビンスと映画人ロバート・ワイズが作った奇跡的な傑作。ソール・バスのタイトルからニューヨークの空撮へ変わり、ウエスト・サイド地区でのジェット団とシャーク団の争いのプロローグ。レナード・バーンスタインの古びない音楽と、今見てもかっこいいあの踊り。オーヴァーチュアからプロローグまでの十数分は息が止まるほど素晴らしい。

それまでのシネ・ミュージカルは、ジーン・ケリーやフレッド・アステアに代表されるエレガントなものが主流であったのに対し、この『ウエスト・サイド物語』は若者が身体全体で表現する独創的なダンスを、ジャズっぽい音楽に乗せて繰り広げた。映画の撮りかた自体も、「芸人ミュージカル」のほぼワン・カットでの撮影方法に対し、あらゆるアングルから最高のショットを撮り、それを音楽にノセるという(今は当たり前になった)手法をとっている。この辺りが、ミュージカル映画の革命といわれる所以である。

こだわり過ぎとも云えるジェローム・ロビンスの見事な振付け。またそれに応えた若い才能あふれるキャストの面々(「クール」の踊りは生傷が絶えなかったという)。その労苦はアカデミー賞10部門受賞という冠となって、世界的名声と共に今も輝き続けている。アメリカ議会図書館がこの作品を《国宝》にしたというのもうなずける。

Odoru1608096 先日舞台版を観たばかりなので、映画としての素晴らしさを改めて感じた。これはロバート・ワイズの功績だろう。70mmの大画面を意識した構図。舞台では味わえないロケ撮影のリアルさ。マリア(ナタリー・ウッド)のターンがいつしか体育館でのダンスに変わり、踊りの中で、トニー(リチャード・ベイマー)とマリアだけがフォーカスされ、他がぼやける技法。「マリア」を唄うトニーが体育館を歩きながらやがて街中を歩いているスクリーン・プロセス。こだわりの「プロローグ」では、あの最も有名なベルナルド(ジョージ・チャキリス)たちが片足をあげるダンスの撮影は道を掘って下から行ったという。ワン・カット、ワン・カットをとても丁寧に撮って繋いでいたというのが今回よくわかった。さすが『市民ケーン』を編集したワイズだけのことはある。

舞台版の時にも書いたが、映画版は舞台より変更している点がある。コミカルな「クラプキ巡査への悪口」のナンバーとシリアスな「クール」の曲番を入れ替えているところ。舞台では女のみだった「アメリカ」に男も入って歌って踊っているところである。この変更はどれも成功していると思う。

舞台版は後半、かわいい「アイ・フィール・プリティ」から幻想的なバレエ・シークエンス、コミカルなナンバーも入り正統的なミュージカルとなる。だが映画版はよりシリアスにストレートに「ミュージカル・ドラマ」を盛り上げる。

今回舞台版のパンフレットで知ったのだが、ロンドンの舞台でジョージ・チャキリスはリフの役をやったのだと。なので、撮影中は、ラス・タンブリンがチャキリスに演技指導を受けたのだそうだ。そのタンブリンはこの映画でも『略奪された七人の花嫁』と同じようにトンボを切ったりしてアクロバチックに頑張ってる。けど、この作品はベルナルドとアニタ(リタ・モレノ)のモンやね。2人ともアカデミー賞助演賞をもらったのもわかるな。

ぼくがこの映画を初めてリバイバルで観た70年代には、もうこの映画の評価は定まっていた。その頃から「ミュージカル映画の最高峰!」と云われ、ぼくも観て感激し、高校生の頃はジョージ・チャキリスを気取って、ジーンズでベルトのバックルをずらしてハメてたっけ(笑)
そんな格好で友人Y君のいる大阪へ遊びに行った時、大毎地下で観たプリントはズタズタで見るも無惨だった。途中で後ろに座ってた女子高生が「わけわかれへんなぁ」と云ってたほど。Y君が「ラスト50分で48回も切れた!」と憤慨していたのを思い出す。当時の名画座は入場料は安いが状態が悪いものが多かったのだ。ぼくは「48回も」数えていたY君がスゴいなぁと思ったものだ(笑)

当時LPレコードで買って何度も何度も聴いたサントラ盤。CDになってからもモチのロンで買っていたのだが、今回日本へ帰ってサントラ盤コーナーで見たら、あんと曲数が増えているではないか!? つい買ってしまい聴いたら、「オーヴァーチュア」「インターミッション」「エンド・クレジット」に加え、「体育館での踊り」では、あの「マンボ!」も入ってるではないか!
それに特筆すべきは、時代が変わり、歌手名が吹替えをした人たちになっているところ。マリアはマーニ・ニクソン、トニーはジム・ブライアントといった具合。
この2004年発売のサントラは定価¥1,700と安いのでお買い得かも(なんせ70年代当時レコードは一律¥2,500だったかんね)。

書き出すと色々と話は尽きないが、自分にとって「青春時代の一本」であることは間違いない。これからもぼくは見続けるであろう「名作」。若い人にもぜひ観てほしい一品である。

【関連】「ウエスト・サイド・ストーリー」50周年記念ツアー東京公演
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/west.html

WEST SIDE STORY (1961) Collector's Edition DVD

Directed by Robert Wise and Jerome Robbins

DTS, 5.1ch Surround, Monaural Japanese
Aspect Ratio 2.35: 1
152 mins
Region 2

16-Aug-09-Sun

2009-08-15

『パイレーツ・ロック』 The Boat That Rocked

Odoru1508092

日本へ夏休みで一時帰国した復路、キャセイ航空の機内で観たのがイギリス映画『パイレーツ・ロック』"The Boat That Rocked"。『ノッティングヒルの恋人』や『ラブ・アクチュアリー』の監督リチャード・カーティスの新作コメディである。

1966年というとブリテッシュ・ロック全盛期だが、英国の国営ラジオBBCは一日のうち45分未満しかポップ・ミュージックを放送していなかった。これは当時そのことに不満を持っていた男たちが24時間ロックン・ロールを放送する局”ラジオ・ロック”(Radio Rock)を作りゲリラ的に放送していたことを題材にした映画である。

どうやってその放送をやっていたかというと、船を改造し北海に浮かべそこから放送していたのだ。DJの8人の男たち(それに1人のレズビアン)は海上で生活しながら好きな曲を流し続けたのだ。

イギリスの若い男女はこのパイレーツ・ラジオと呼ばれる船からの放送に夢中になり、親に内緒でここにチューニングを合わせた。そしてそのファンの数は2500万人を上回る。だが、こんな下品で、非道徳的な放送局を政府が黙って見過ごすわけがない。政府はこの放送局をツブすべくあらゆる手を使って来るのだった…。

ローリング・ストーンズ始め、60年代のブリテッシュ・ロックやポップ・ミュージックがふんだんにかかる(だがビートルズは出てこない)。当時の音楽シーンに詳しい人には楽しめるだろうし、知らなくてもこんな気骨な奴らがいたのかということと、現在の音楽シーンがあるのもひょっとして彼らのお陰もあるかな?という意味で興味深いものと云えまいか。

「気骨」とは書いたが、実際はベトナム戦争下60年代文化真っ盛りなので、船におネエちゃんたちが大挙して押し寄せ乱痴気騒ぎになったりと、それはそれ男たちの集団だものヤルでしょうみたいな場面やバカな場面が続く。『ノッティングヒルの恋人』のようなラブ・コメを期待すると大ハズレだ。

キャストはとてもよくって、ラジオ・ステーションのボスにビル・ナイティ(『ラブ・アクチュアリー』『ワルキューレ』)。花形DJにフィリップ・シーモア・ホフマン(『カポーティ』『ダウト』)。政府高官にケネス・ブラナー(『フランケンシュタイン』『ヘンリー五世』)。伝説のDJにリス・アイファンズ(『エリザベス ゴールデンエイジ』)。デブのDJにニック・フロスト(『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン』)。エマ・トンプソン(『いつか晴れた日に』)など。

129分とちと長過ぎるし、ブリティッシュ・コメディとしてもそんなに大笑いできるものではないが、音楽を楽しみながら眺めるにはいい映画かも知れないね。乱痴気騒ぎの船上と、イラつきながらも冷静であろうとする政府の対比、つまり反体制側と体制側のギャップが面白かった。

香港では公開予定を聞かないが、日本では2009年10月24日から公開とか。ポップ・ミュージックだけじゃなくマカロニ・ウエスタンの曲(何かは書かない・笑)も出て来るのでお楽しみに!

The Boat That Rocked (2009)

"1 Boat. 8 DJs. No Moral."

Written and Directed by Richard Curtis
129 mins

15-Aug-09-Fri

The Boat That RockedThe Boat That Rocked
Original Soundtrack

by G-Tools
The Boat That Rocked [DVD] [2009]The Boat That Rocked [DVD] [2009]
Philip Seymour Hoffman

by G-Tools

2009-08-10

「ウエスト・サイド・ストーリー」 50周年記念ツアー東京公演 WEST SIDE STORY 50th Anniversary World Tour

日本に一時帰国して、東京・渋谷のBunkamura オーチャードホール「ウエスト・サイド・ストーリー」"WEST SIDE STORY" 50周年記念ツアー 東京公演(2009年7月29日〜8月9日)へ行った。

Odoru1008093 小六の娘が「CATS」香港公演以来ミュージカルにハマり、トニー賞授賞式をTVで見て「ブロードウェイに連れてって!」と毎日せがまれてたのだが、金もないしヒマもない状況だったもので(トホホ)、東京で「ウエスト・サイド・ストーリー」を演ってることを知り、渋谷で”ブロードウェイへ行ったつもりツアー”を慣行したのであった(笑)

チケットは前日電話予約で買えた。劇場へついてみると当日券も販売していた(8月7日・金)。ぼくたちの席は一階のミキサーの少し前。パラパラと空席もあるが9割以上は入っていた。舞台前にオーケストラ・ボックスがあり、生演奏だと娘が喜ぶ。

映画「ウエスト・サイド物語」('61)は、ぼくは何度観たかわからない。中学の頃70ミリでのリバイバル上映で観て、サントラ盤を買い何度も聴いた。DVDも当然持っており、音楽も映像も眼に焼き付いている。アカデミー賞作品賞を含む10部門で受賞した文字通りの傑作である。

ウエスト・サイド物語
サントラ
B0002CHQY4

舞台版も50周年を記念して再び上演され好評を博した。トニー賞授賞式でもダイジェストが見れた。なので初めて見る舞台版を期待して行ったのだった。

云わずと知れた現代版ロミオとジュリエット。NYで対立する白人系とプエルトリコ系不良グループの若い男女が恋に落ち、そこで生まれた悲劇…。

プロローグ。舞台の両端にバルコニーのセットがあり、バックはニューヨークの写真。そこで「ジェット団」「シャーク団」が指を鳴らしながら踊る。振付けは映画版と全く一緒だ。ジェローム・ロビンスの振付け、レナード・バーンスタインの音楽は今でも色あせていない。

今回舞台版を見て初めて知ったのは、映画版と楽曲の順番が違うこと。それに映画にはないダンス・シークエンスがあることだった。
映画版では前半にある「Gee, Officer Krupke」は舞台版は喧嘩の後。「Cool」は喧嘩の前になっていた。よりリアリティのある演出を目指した映画版は、喧嘩の後でコミカルな「Officer Krupke」を使うことを嫌い、皆の気持ちを抑える「Cool」を喧嘩の後持って来た。ロケで撮影された映画版はこれで正解の気がする。

それからAct 2の始めに映画にはないトニーとマリアが二人の未来を夢見る「Somewhere」をフィーチャーした幻想的なバレエがあった。これが映画版からカットされたのは、ここだけ皆白い衣装を着て、現実離れしているからだろうが、舞台での表現としてはこれはアリである。

ウエスト・サイド・ストーリー-ニュー・ブロードウェイ・キャスト・レコーディング
ウエスト・サイド・ストーリー-ニュー・ブロードウェイ・キャスト・レコーディング

今回のリバイバル・ブロードウェイ版は、より50年代当時の差別意識を際立たせるためか、スペイン語を多様している。それは舞台版CD(ニュー・ブロードウェイ・キャスト・レコーディング)を聴いてみたらよくわかった。「I Feel Pretty」は全てスペイン語で歌っているのだ。
日本上演版は、マリアもアニタもスパニッシュ訛りで頑張っているが、英語台詞であった。白人のトニーもポーランド系だと今回初めて知った。

トニー役チャド・ヒリガスは、頑張ってるのはわかるが、ガンバリ過ぎの気があった。ビブラートきかせて朗々と歌い上げるのはいいが、それがために感情表現まで至っていない感じ。バレエのシーンでトニーがマリア(ケンドール・ケリー)のリフトを失敗した(ように見えた)のも残念。
アニタ役のオネイカ・フィリップスはよかった。カーテンコールでこの日一番の拍手を浴びていた。レオナルド役のエマニュエル・デ・ヘスースも足がよく上がってた。「ウエスト・サイド・ストーリー」はプエルトリコ系が良くないとハナシになんないからね。

今回感じたことは、舞台版はよりバレエとオペラ色が強いということ。映画はどうしてもダイナミックな踊りに眼が行きがちであったが、舞台版はよりストレートに現代ニューヨークでの南米移民と白人系の差別に起因した悲劇が伝わって来た。

今回舞台版を見る事ができて、映画版、舞台版双方共それぞれの良さがあり、違った楽しみがあることがわかった。次回映画を観たらより多角的にこの傑作が味わえるような気がしている。

ウエスト・サイド・ストーリー
オスカー・ピーターソン・トリオ
B00008K75A

映画版を観ていない娘は「Tonight」をえらく気に入り、会場で上に書いた新録のCDを買った。ふと見ると、その横にオスカー・ピーターソン・トリオの「WEST SIDE STORY」CDがあるではないか!2800円もしたが、懐かしさに思わず購入した。このアルバムは、ぼくが初めて買ったジャズのレコードなのだ。それを買った時、お店のおばちゃんが「あんたはなんでも映画がらみやなぁ」と笑っていた顔を思い出す。今、実家のある中国地方の田舎へ来ているが、車で通りかかった時そのレコード屋はもうなくなっていた…。帰る度に地方の商店街の疲弊感が増すように感じる今日この頃である。

WEST SIDE STORY 50th Anniversary World Tour

Friday, 7th August 2009, 13:00
Bunkamura Orchard Hall, Shibuya, Tokyo

10-Aug-09-Mon

2009-08-06

「ザ・ハングオーバー(原題)」 The Hangover

Odoru0608092 映画「ザ・ハングオーバー(原題)」"The Hangover" が香港でも公開になった(2009 年7月30日)。アメリカでのあまりの評判を聞き行ったのだが、これはメチャメチャ面白い、近年マレにみる大傑作だったのだ!!

「ハングオーバー」(Hangover)とは二日酔いの意味である。バチュラー・パーティ(独身最後の日に新郎と友人たちが大騒ぎをする会)に出掛けた男どもの話。結婚を2日後に控えたドッグ(ジャスティン・バーサ)とカレッジ時代の悪友である学校教師のフィル(ブラッドリー・クーパー)、歯科医のステュー(エド・ヘルムズ)、それにドッグの義兄となるアラン(ザック・ガリフィアナキス)の4人は、花嫁の父から借りたヴィンテージのベンツでラスヴェガスを目指す。宿泊先のホテル シーザーズパレスの屋上で「今夜は楽しもーぜー!」と祝杯をあげた後、画面は次の日の朝になる…。

床に横たわる男どもの姿。スィートルームの中をなぜかニワトリが歩いている。Tシャツだけでパンツをはいてないアランが寝ぼけたままトイレに入ると、そこにはなんと本物のトラがいる!歯科医のステューは前歯が一本なくなってる!教師のフィルはなぜか腕に病院の診察タグがついている!部屋の中から赤ちゃん発見!なんじゃこら?誰も理由がわからない。そして、一番の問題は、花婿のドッグがいなくなっているコト!?さあ、ここから痛い頭をかかえ、記憶をたどり花婿探しを始める3人の男たちであった…。

まず構成とプロットが素晴らしい。起きてみたら…なんでこーなってるの?というジェーン・フォンダのゆるーいサスペンス「モーニングアフター」(起きたら死体が横で寝ていた)みたいに、全く記憶がないところであたふたする男たちが可笑しい。ぼくはネイティヴではないので、全ての会話がわかったわけではないが、劇場内(大半が西洋人だった)の老若男女がドッカンドッカン笑ってた。細かいギャグがわからなくてもこの面白さはスゴい。

Odoru0608095_2 「シーザーズパレスって、シーザーが住んでたのか?」とマジにフロントで聞いたり、そのシーザーズパレスでかつて名勝負を繰り広げたマイク・タイソン本人が登場するところも爆笑だったな。ちょっと問題ありきの義兄役ザック・ガリフィアナキスは、初めて見たが、なんかジョン・ベルーシを「アニマル・ハウス」で見た時と同じような「コメディアンとしてイイ感じ」だとぼくは思った。

実質主役といっていいブラッドリー・クーパー(「イエスマン "YES" は人生のパスワード」「そんな彼なら捨てちゃえば?」)は、ハンサムなのにずっこけ演技がハマってる。そう、この映画は誰もふざけてないから可笑しいのだ。シチュエーションがはっきりしているだけに、その中で繰り広げる<人間らしい>行動が観客の笑いを誘うのだ。この辺も脚本(ジョン・ルーカス&スコット・ムーア)が見事。なぜそこまで酔っぱらったのか?も明確な理由があり、そーゆー細部に映画的矛盾がないところもイイ。

他に「オースティン・パワーズ・デラックス」の美女ヘザー・グレアムも出て来るし、謎の中国人(ケン・ジョング)の話す英語も大爆笑。それにも増して赤ちゃん(←かわいい)が出てるところもともかく笑える。一本の映画でこんなに笑ったのは久しぶりだった。ホントに。

下ネタが多く、下品といえば下品なのだが、ぼくにはなんかさわやかな印象が残ったな(笑) ま、今まであまりにヒドい映画を観過ぎた弊害かも知れないが、なんか新しいタイプの知的な(笑)コメディ誕生と云う感じなのだ。エンド・クレジットまで大爆笑の10年に一本のウェル・メイドなコメディ映画!日本では2009年秋公開予定とのこと。見逃すな!

【追記 28-Sep-09: なんか、日本公開は微妙なようだとのこと。何たるチーア…】

the hangover (2009)

Directed by Todd Phillips
100mins

06-Aug-09-Thu

【追記】 【傑作映画「ハングオーバー」が劇場公開されない理由】

【追記 21-Jan-10 署名運動が功を奏して日本公開決定とのこと。よかった、よかった】

【追記 28-Apr-10 『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』[Blu-ray]

(予告編 ↓)

ハングオーバー [Blu-ray]
B00306SOR2

B001UV4XEW The Hangover [Blu-ray]
Warner Bros. Pictures 


by G-Tools

2009-08-05

「クリス・ボッティ・イン・ボストン」(ライヴ) CD + DVD Chris Botti in Boston (Live)

スムース・ジャズ・トランペッター クリス・ボッティの「イタリア」(ITALIA)というアルバムをぼくは以前このブログで紹介したことがある。

このアルバムは、じつはぼくは大変重宝しているシロモノなのだ。眠れない時に聴くと、必ずといっていいほど寝れるのだ(笑)。いつもiPhoneに入れているので出張の時も安心である。ファンの人には悪いが、このおとなしいトランペットの音色は、ぼくにはスムース・スリーピングの作用をもたらし、安眠できる科学的ではない「薬」なんである。いつも10曲目の「アベ・マリア」まで行かずに眠りにつくが、寝れなくてもその「アベ・マリア」で完全にバタンキューなんである。
そういった意味では大変オススメの一品です(笑)

そんなクリス・ボッティの(そんなって!どーゆーMean?)、ニュー・アルバム(2009年3月31日発売)はボストンのシンフォニーホールで2008年9月に行われた豪華なライヴ盤である。ぼくが買ったのは、CDとDVD版。音源と映像の両方が楽しめるお得なパックである。

最初は、CDを寝る前に(なんでや・笑)聴いたところ、あらら、1曲目から「アベ・マリア」ではないか!その澄んだ音色を聴いているうちに、ぼくは1曲目で手を合わせて深い眠りについていた…。ひょっとしたら、ぼくは心理学でいう「パブロフの犬」のように彼の(本当に上手い)ペットの音色だけで眠気をもよおすような身体になってしまってるのかも知れない。あちゃー。

これはいかんと思い、DVDを夜一人のリビングで、ハイボール片手に眺めたところ1曲目の「アベ・マリア」のロングトーンも見事だし、2曲目のバンドとの「When I Fallen Love」もイイ。豪華なゲストとの共演も素晴らしい。

ボストン・ポップス・オーケストラをバックに、スティング、ヨー・ヨー・マ、ジョン・メイヤー、キャサリン・マクフィー、サイ・スミス、リシア・ミカレリ、ジョシュ・グローバンたちと歌い演奏する。スティーヴン・タイラーが出て来て「Smile」を唄った時は「君それは、エアロスミスやろ」とビーグル38のようにツッコんでる自分がいた(笑)

この約160分にも及ぶDVDはコンサートの全容を見せてくれ、ジャズ・コンサートというより一種クラシックのような「荘厳さ」を感じさせてくれる。客席の年齢層も高めである。

これだけのゲストが集うというのは、クリス・ボッティの才能なのか人間性なのかわからんが、いいものを見せてもらったと思う。一見の価値アリである。

以前ぼくはこのブログで「マイケル・ブーブレ・ミーツ・マディソン・スクェア・ガーデン」をけなして書いたが、彼に見せてやりたいと思うくらい素晴らしいコンサート・ビデオであった。やっぱ人間の「格」が違うのかな。ライヴ盤はこうあるべき!である。紙ジャケットもいい。

一言でいうと「お上品でハイセンスなコンサートのライヴ盤」とでも云おうか。
iPhoneに入れて持ち歩いてももう眠くならないだろう(と思う)。DVDは観ると気持ちが落ち着くかもな。「癒される」という意味で重宝するかも、です(笑)

CHRIS BOTTI IN BOSTON

(スティング&ジョシュ・グローバン + クリス・ボッティ)

Chris Botti in Boston [CD+DVD]
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2009-08-01

「ダイアナ・クラール/クワイエット・ナイツ」 CD Diana Krall / Quiet Nights

映画「パブリック・エナミーズ(原題)」で、ダイアナ・クラールが出演していたのを見て、そーいえば、彼女の新譜を買ってたのに聴いてなかったな?と思い出した。

買っては来たけれど、袋も破かずに棚に飾ったままになってるものがタマにあり、よく小六の娘に叱られるのだ(苦笑)

今回のダイアナ・クラール「クワイエット・ナイツ」(2009年3月31日発売)と云うアルバムは、クラールがボサノバに挑戦した作品であった。なので、夏の暑い日に聴くのにぴったり。こんなことならもっと早く聴いてればよかったと思った。

ま、バリバリのボサノバではなく、「クラール風ボサ」と云った風情なので、浜辺で聴くというより、都会のこじゃれたマンションの一室で、夜静かに(クワイエットに)聴くのが似合うって感じかな。

もう今やジャズ・ヴォーカリストとしても大御所になりつつあるクラールさんだが、ぼくも2006年の香港でのコンサートへ行った。(大変失礼ながら)顔がライオン・キングみたいやな、と思ってたが、実際生で見たらピアノの前で歌ってる顔は(これも大変失礼ながら)「鬼瓦」みたいだった(笑)

そのコンサートの時は、香港は空調がきついため、ノドをやられたと話し、調子が今ひとつでちょっと「ふててる感」もあったのだが、その実力はたいしたもので、人気があるのもうなずけるものだった。

今回のアルバムは彼女の12枚目のものとのことだが、今までのものより軽い感じがする。
上に書いた映画「パブリック・エナミーズ」でも、トーチ・シンガーとして出演してるからね。センチで暗い感じの方が彼女には似合うんじゃないかな?と個人的には思った。鬼瓦だし(←すまん・笑)。

同時期に「ライブ・イン・リオ」というBlu-ray/DVDも発売になってます。

Diana Krall / Quiet Nights

1. Where or When
2. Too Marvelous for Words
3. I've Grown Accustomed to His Face
4. The Boy from Ipaema
5. Walk on By
6. You're my Thrill
7. Este Seu Olhar
8. So Nice
9. Quiet Nights
10. Guess I'll Hang my Tears out to Dry

Bonus Tracks
11. How can you Mend a Broken Heart
12. Every time we say Goodbye

01-Aug-09-Sat

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