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2009年7月

2009-07-31

「パブリック・エナミーズ(原題)」 PUBLIC ENEMIES

Odoru3007092 ジョニー・デップ主演の新作映画「パブリック・エナミーズ(原題)」"PUBLIC ENEMIES"が香港でも2009年7月23日より公開になった。

あまり先入観なしで観たかったので、監督はマイケル・マン(「ヒート」, 「コラテラル」)だと云う事以外は殆ど情報を入れないで行った。

結論から云うと、Good Movieだった。久しぶりに大人の男が楽しめる渋いギャング映画に出会った気がする。

1930年代、「社会の敵」(Public Enemies)とFBIフーバー長官によって名付けられた、実在したジョン・デリンジャーを中心としたギャング集団の話。
デリンジャー(ジョニー・デップ)が、かつて入っていた刑務所へ行き、仲間を引き連れて脱走する場面から始まるこの映画は、銀行強盗を繰り返すデリンジャー一味と、それを取り締まるべく立ち上がったFBI捜査官メルヴィン・パーヴィス(クリスチャン・ベール)との戦いを軸に展開される。

マシンガン、ライフル、ショットガンをブッぱなすシーンの腹に響くような音響は映画館ならでは。こーゆー迫力ある銃撃シーンを眺めてるだけで、「楽しい」と思えるのは、ぼくが長年映画を観続けたおっさんだからか(苦笑)

Odoru3007095 FBI捜査の手際の悪さや、粗野な捜査員たち。デリンジャーと仲間たちの友情と確執…。ノン・フィクションを原作としているだけにヒーロー視して描かれていないところもいい。

デリンジャーが愛したオンナ、ビリーを演じるのは、「エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜」でオスカー受賞のマリオン・コティアール。彼らの切なくも深い愛は、同時代の”ボニーとクライド”を連想させる。

ジョニー・デップは渋くてやっぱいいなぁ。哀しみのこもった眼が印象的だ。クリスチャン・ベールは、このあいだ「ターミネーター4」のジョン・コナー役で観たばっかなので、また出て来て驚いた。儲け過ぎやね(笑)

捜査を協力するスペシャル・エージェントの一人を、ドン・フライが演じる。ドン・フライだよ!あの、アントニオ猪木の引退試合の相手として東京ドームで闘った!これも驚いたなぁ(笑)

ジョン・デリンジャーというとぼくは1973年のジョン・ミリアス監督の傑作「デリンジャー」を思い出す。ウォーレン・ウォーツがデリンジャーを演じたこの作品は、日本では東京公開より前に地方の二本立で初公開されたという、おそろしく期待されてねーよ的扱いだったのだが、実に面白い映画で、ぼくはその時の二本立のメインは忘れたが、添え物だったこっちの方が強く印象に残っているのである。

Odoru3007098 1931年に「民衆の敵」と云う、ジェームズ・キャグニーのギャング映画の名作が誕生した。その映画の原題は"Public Enemy"と単数形である。

1933年〜34年が舞台のこの「パブリック・エナミーズ」は、まさにその時代のもの。映画の中でも1934年のクラーク・ゲーブル主演のギャング映画「男の世界」(Manhattan Melodrama)を観に行くシーンがある。

なので、音楽も当時売れていたビリー・ホリディの「Am I Blue?」や「The Man I Love」がかかり、トーチ・シンガーとして、本人が登場するダイアナ・クラールの「Bye Bye Blackbird」もとても印象的に使われている。

サントラ盤を買ったのだが、オーティス・テイラーの「Ten Million Slaves」のバンジョーを聴くと「俺たちは明日はない」を思い出させる。ザ・ブルース・フォウラー・ビッグ・バンドもイイ。

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」なんかが好きな人は気に入るんじゃないかな。ラスト・シーンは久々にグッと来たぜ。ともかく大人の男で、特にジャズが好きな人にはたまらない映画だと思う。

日本では2009年12月12日公開予定とか。(アチャー、かなり先ですな…)

PUBLIC ENEMIES (2009)

Directed by Michael Mann
139 mins

30-Jul-09-Thu

(予告編 ↓)

2009-07-28

「ハリー・ポッターと謎のプリンス」 Harry Potter and the Half-Blood Prince

Odoru2807092 香港でも2009年7月15日から始まった映画「ハリー・ポッターと謎のプリンス」"Harry Potter and the Half-Blood Prince"へ行く。1作目から家族で観に行っているので、今回も(シンガポールで高校行ってる息子も帰ってきており)皆で日曜日に行ってきた。

今回は、ホグワーツ魔法学校のダンブルドア校長が、闇の帝王ヴェルモートの防御を解く手掛かりを得ようと、元同僚で魔法薬学教授ホラス・スラグホーンを迎え入れ、ハリーとともに情報を得ようとするのだが、その一方、思春期を迎えたハリーや、ロンやハーマイオニーたちが恋のさやあてを繰り返す中、ヴェルモートの脅威は徐々に、しかも確実にハリーたちの学校内に入り込んでいっていた… てな話。

これからクライマックスになる前の「つなぎ」のような話の展開で、ここから観た人はわけがわからんと思う。「謎のプリンス」(広東語では混血王子と書いてた)とは誰なのか?ハリーは迫り来るヴェルモートとの戦いに向けて皆と共に戦えるのか?など、大事な局面なのだが、いかんせん映画としての面白さはシリーズを追うごとに失われてきており、我が家の小六の娘は、英語の難しさも相まって「わけわからんかった」という始末。
原作を全て読んでいる息子も、「こんな話だったっけなぁ…」と云うし(昔読んだので忘れてるのもあるが・笑)。

膨大な量の原作を2時間半にまとめるには、見せ場を増やすより、こういう「会話また会話」の方法しかとれないのはわかるが、それにより"大河ドラマ"のようになっていってるのがチト惜しい。

思えば、第一作の時のハリー、ロン、ハーマイオニーのかわいかったこと。その美術とSFXの面白さも天下一品で、英国製少年少女向けドラマ・シリーズとして、子供にも見せ、大人も楽しめる極上のエンタテインメントだったのだが、演じる生身の役者たちが(当然ながら)成長していくにつれ、徐々に変わらざるを得なかったのは仕方がなかったのだろう。

前作の「不死鳥の騎士団」から少しテイストが変わったような気がするのはぼくだけだろうか。この作品だけ脚本がマイケル・ゴールデンバーグ(他は全作スティーヴ・クローヴス)なのはなぜなんだろう?

監督は「不死鳥の騎士団」から次回作「死の秘宝」までデヴィッド・イェーツが務める。彼に代わってから映画が「おとなしめ」になってると思うのだが。

次回最終章となる映画「ハリー・ポッターと死の秘宝」は、なんと2部作となり2010年11月と2011年8月に公開予定である。これも2時間半ずつあるとすると、5時間の大作になるわけで、楽しみ半面「大変やなぁ…」と思ってる親父がここにいる(苦笑)

シリーズが終われば、いつか”ハリー・ポッター・シリーズ一挙公開!”みたいなイベントが行われるだろう。今までの作品の上映時間が「賢者の石」(152分)、「秘密の部屋」(161分)、「アズガバンの囚人」(142分)、「炎のゴブレット」(157分)、「不死鳥の騎士団」(138分)、「謎のプリンス」(153分)なので、合計903分だ。これにまた「死の秘宝」が300分くらい上乗せになるだろうから、合計約1200分(約20時間)になる。映画「イエスマン"YES"は人生のパスワード」に出てきたような、ハリーおたくの人には徹夜で観てもたまらんくらい楽しいのだろうが、おっさんのぼくはもうイイや(笑)

それにしても… 少なくともこの映画シリーズの上映時間だけはぼくも付き合ってきたわけで、自分の人生の約一日分をハリーやロンやハーマイオニーを観るために使ったのか、と思うと感慨深いものがあるな、と思った次第。

「つなぎ」と云う意味では観とかなきゃいかん映画でしょうな。今回は(爆)

Harry Potter and the Half-Blood Prince (2009)

Directed by David Yates
153 mins

2009-07-25

「ウィズ」 DVD THE WIZ マイケル・ジャクソン

香港・中環(Central)のHMVでマイケル・ジャクソン追悼の棚に映画「ウィズ」"THE WIZ" のDVDがあったので買って来た。マイケルが亡くなってから、この映画をもう一度観たいなと思っていたのだが、中々売ってなかったので今回買えてよかった。このDVDは2009年2月発売の北米版。本編はリマスターされ、サウンドはDTS, 5.1サラウンドにブローアップされている。

1978年、モータウン・プロダクションにより製作された「ウィズ」は、ブロードウェイでトニー賞を受賞した同名作品の映画化である。オール黒人キャストによる「オズの魔法使い」。舞台版は原作に忠実にカンサス生まれの少女ドロシーがオズの国へ行くという物語なのだが、映画版は、舞台をニューヨークに変え、主役のドロシーにダイアナ・ロスを据えた。ドロシーは24歳の先生という設定で、感謝祭の夜、愛犬トトが雪の中飛び出して行き、それを追っかけて竜巻にあいオズの国へ迷い込んでしまう。家に帰るため、知り合った かかし(マイケル・ジャクソン)、ブリキ男(ニプシー・ラッセル)、ライオン(テッド・ロス)と共にエメラルド・シティのウィズ(リチャード・プライヤー)に会うため、イエロー・ブリックロードを歩き冒険の旅に出る。

公開当時は、批評家に酷評を受け、興行的にも惨敗した(製作費2400万ドルで、興収1360万ドル)。批評の中で一番批判が多かったのは、ドロシーを当時33歳のダイアナ・ロスが演じたことだった。このDVDの特典映像「Wiz on Down the Road」(約12分)によれば、モータウン社長(で、ダイアナ・ロスの元愛人の)べリー・ゴーディが朝5時にプロデューサーのロブ・コーエンに電話をかけ、「ドロシーをダイアナでどうだ」ともちかけ主役が決まったという。脚本のジョエル・シューマッハー(後に「セント・エルモス・ファイアー」「オペラ座の怪人」を監督)は、舞台版の脚本を一切参考にしなかった。監督のシドニー・ルメット(「12人の怒れる男」「セルピコ」)は、(ジョン・バダムが降板して)ニューヨークを舞台にしたので彼を起用したとプロデューサーは語っている。

Odoru2507096 土曜日のお昼、娘と一緒に観たのだが、盛り上がりに欠けるミュージカルであることは否めない。上映時間2時間15分も長すぎる。ドロシーをオトナの女にしたお陰で、子供用のミュージカルではなくなり、かといって大人の鑑賞に耐えるものにもなっていない。

エメラルド・シティは、今は無くなったワールド・トレード・センター前に巨大なセットを組み撮影された。画面を眺めていると70年代当時のすさんだニューヨークが垣間見える。オズの国に行った最初のマンチキンのシーンは画面が暗すぎ見にくい。集団群舞のダンス・シーンが多いのだが、高揚感があまりない。社会派の名匠シドニー・ルメットはなぜこの監督を引き受けたのか?とても疑問に思う。ひょっとして、義理の母レナ・ホーンを、良い魔女グリンダ役にキャスティングしたかったからか?(笑)

しかし、アメリカではカルト・クラシックとしての評価もあり、昨年(2008年)30周年記念DVDも発売となった(中身は、このDVDと同じもの。サントラCD付)。

この映画の歴史的な価値は、何と言ってもマイケル・ジャクソンが映画初出演したことだろう。映画としては失敗作といえるかも知れないが、マイケルの出演シーンはキラキラ輝いているように見える。ジャクソン5の一員だったマイケルは、デビュー以来世話になったモータウンを出てエピックへ移籍していた。だが、この映画のオーディションへ参加、かかし役を得た。当時20歳だったマイケルは、この映画で、音楽アレンジをしたクインシー・ジョーンズと知り合い、その後二人は「オフ・ザ・ウォール」「スリラー」「BAD」という大ヒット・アルバムを世に送り出すことになる。マイケルは、ダイアナ・ロスとの共演を本当に喜び楽しんだようだ。ダイアナに当時プロポーズしたとも聞くが本当のところはどうなんだろう。マイケルは遺言に子供たちをダイアナに託すと書いていたという。

かかしの最後のセリフ「ドロシー、君のことをいつも想っているよ」(Oh, Dorothy. I'll think of you all the time.)はマイケルのダイアナに対する気持ちが重なる。マイケルにとってダイアナ・ロスは「生涯の憧れ」だったのかも知れない。

Scarecrow: ”Success...fame and fortune...they're all illusions. All there is that is real... is the friendship... that two can share.”

THE WIZ (1978)

Directed by Sidney Lumet

Dolby Digital 5.1 Surround, DTS
Aspect Ratio: 1.86: 1
135 mins
Region 1

25-Jul-09-Sat

(予告編 ↓)

2009-07-24

マイケル・ジャクソン・イン・ジャパン(ライヴ) DVD Michael Jackson "BAD" In Japan Yokohama 1987

マイケル・ジャクソンが亡くなってから(2009年6月25日)1ヶ月が過ぎようとしている。香港でもCD店のマイケルの追悼コーナーには今でも人だかりがしている。

HMVのチャートでは、今日(2009年7月23日)現在DVD部門で「ムーンウォーカー」が1位になり、CD部門では、1位の「KING OF POP The Hong Kong Collection」を含め、ベスト10の中に5枚もランク・インしているのだ。

昨日久しぶりにHong Kong Recordsを覗いて、追悼コーナーを見たら、今まで見た事のないDVDがあった。それは「マイケル・ジャクソン・イン・ジャパン」(Michael Jackson - "BAD" In Japan)というもの。2005年リリースのこのDVD、発売元は聞いた事も無いレーベル(Crime Crow)で、リージョンもALLである。裏表紙には、

Korakuen Stadium (Yokohama/Japan)
September 12, 1987

と書いてある。後楽園球場は横浜じゃないじゃん!と笑いつつ、このイカガワしさに逆に興味を持ってしまったのだ。たぶん中身は「アレ」だとわかっていたが、大枚HKD199(約2425円)を払って買ってきたのだった。

パッケージを開けてみたらイッチョマエに、解説書がついてる(笑)
”BAD・ツアーは世界で123コンサートが行われ、440万人を動員。16ヶ月のツアーで125億ドルを売り上げた。これは過去全てのコンサート・ツアーでの最高記録。ツアーの最中にマイケルは、障害のある子供たちをコンサートに招き、孤児院など施設を訪問した”なんてことが書いてある。

で、DVDを観てみたら、やっぱり「アレ」だった。この「アレ」って云うのは(わかりにくい?)、日本テレビで1987年に放送された横浜スタジアムでのライヴ 「マイケル・ジャクソン・ジャパン・ツアー」である。

このDVDは、家庭用ビデオで録画したその放送を堂々とDVDにして売ってるものなのだ!画質は、「ひょっとしてコレ3倍速で録った?」と聞きたくなるほど暗くぼんやりとした映像である。音響はかろうじてHi-Fi機で録画したのだろう、ちゃんとステレオになっている。(チャプターも切ってある)

ぼくは、同じものをVHSに録画して持っているのだが、残念ながら実家に置いてあるので比較は出来ない。画質は悪いものの(見慣れて来るとだんだんこれでもイイかと思えてくるが・笑)やはり懐かしさという意味では格別だった。

この「BAD・ツアー」は日本では2度行われ、最初は87年の後楽園球場、横浜スタジアム、阪急西宮球場、大阪球場。次は88年の東京ドームだった。ぼくはそのドームの時に行ったので、本当に懐かしかった。

今観ると、「デンジャラス・ツアー」(ライヴ・イン・ブカレスト)のような完成されたものではないが、若いマイケル・ジャクソンが、汗だくになってノン・ストップで歌い踊る姿は小気味いいし、細身のマイケルはホントかっこいい。アイドルとしてスーパースターになったピーク時のライヴ映像と云っていいのではないか。

曲目は、

1. Wanna Be Startin' Somethin' 2. Things I Do For You 3. Off The Wall 4. Human Nature 5. Heartbreak Hotel 6. She's Out Of My Life 7. I Want You Back 8. The Love You Save 9. I'll Be There 10. Rock With You 11. Lovely One 12. Working Day And Night 13. Beat It 14. Billie Jean 15. Shake Your Body 16. Thriller 17. I Just Can't Stop Loving You 18. Bad

である。画質が悪いものの、マイケルのエンタティナーぶりを堪能し、あっと云う間の95分間だった。

出来れば日本テレビでこのライヴを再放送するか、DVDで販売して欲しいな。マイケル亡き今、これはもっとキレイな画質で残しておかなければならない大変貴重な「映像」だと思う。

マイケルは20世紀から21世紀にかけての希有なエンタティナーだった。今となっては、一度でも生でライヴを見れたのはぼくにとって幸せなことだったな、と20年以上前の映像を眺めながらしみじみ思った夜だった。

Michael Jackson BAD in Japan Yokohama 1987

24-Jul-09-Fri

【追記】 上で紹介したDVDは残念ながら もうAmazonでは売ってません。

2009-07-22

「南太平洋」 50周年記念盤 Blu-ray South Pacific: 50th Anniversary Edition

ミュージカル映画「南太平洋」"South Pacific"が50周年を記念してブルーレイとなり発売された(北米版・2009年 3月31日)。ロジャース&ハマースタイン映画としては初めてのHi-Def化である。2枚組。65mmネガからのりマスター。サウンドもロスレスDTSオーディオだ。

「夏が来れば想い出すぅ」のは、ぼくにとって尾瀬ではなく、なぜかこの「南太平洋」なのだ。ぼくの南国の島への憧れは、この映画と「チコと鮫」によってなされたと思ってる。そんな「好きな映画」だけに、LDの時から何度も買いなおしているのだ。
DVDも日本語版、コレクターズ・エディション(北米版)と持っており、今回のBlu-rayもまた買ってしまった。

何でそんなにいいの?と聞かれても、なんともいいようがない。長いし大味なミュージカルだし、せっかくロケで撮ったキレイな島や海の風景も、カラー・フィルターによって台無しにされている。だが、名曲が多く使われていること、物語の中に「差別問題」が内包されていることなども含め、「キライになれない」映画の一本なのだ。

原作は、ピューリッツァー賞受賞のジェームズ・ミッチェナーの「南太平洋物語」。自身が従軍していた時の体験を基に書かれたもの。ブロードウェイで1950年にトニー賞を受賞した大ヒットミュージカルの映画化である。

キャストは、ロッサノ・ブラッツィ(「旅情」「裸足の伯爵夫人」)、ミッツィ・ゲイナー(「ショウほど素敵な商売はない」「魅惑の巴里」)、ファニタ・ホール(「フラワー・ドラム・ソング」)、レイ・ウォルストン(「ねぇ!キスしてよ」「くたばれヤンキース」)、ジョン・カー、フランス・ニュイエン。
監督は、舞台版も監督したジュシュア・ローガン(「ピクニック」「バス停留所」「サヨナラ」)、音楽はもちろんリチャード・ロジャース&オスカー・ハマースタイン二世(「サウンド・オブ・ミュージック」「王様と私」「オクラホマ!」「回転木馬」)。

第二次大戦中、南太平洋の島で出会った2組のカップルの恋物語。一つは赴任したばかりの海兵隊中尉ジョセフ・ケーブルと島の土産物屋の娘リアの恋。もう一つは、島で農園を営む中年のフランス人エミール・デ・ぺックと若い海軍看護婦ネリー・フォーブッシュの恋…。

米軍の若き中尉ジョセフは、島の美しい娘リアと恋に落ちるが、結婚はできないと言い彼女を傷つける。若い看護婦のネリーは、好きになった中年男デ・ぺックが、死別したポリネシア人妻との間に2人の子供がいることを知り、彼を遠ざけようとする。

1940年代当時のアメリカ白人が当然の如く持っていた、マイノリティに対する差別意識を描くことは勇気のいることだったと思う。それがあっても、興行的に大成功を収めたのは凄いことだ。

「魅惑の宵(Some Enchanted Evening)」「バリハイ(Bali Ha'i)」「ワンダフル・ガイ(A Wonderful Guy)」「春よりも若く(Younger than Springtime)」等、名曲揃いである。ぼくは中でも「ハッピー・トーク(Happy Talk)」がお気に入りだ。島の娘フランス・ニュイエンがかわいいったらない。

今回のブルーレイの特典映像で、一番の収穫は、メイキングの中で、あの不評を買ったカラー・フィルターがなぜ使われたかがわかったことだ。せっかく美しい風景に、歌ごとに紫、青、赤など様々な色のカラー・フィルターをかけるというヒドイ演出をジュシュア・ローガン監督はなぜ採用したのか?これはぼくの長年の疑問だったからだ(お陰でアカデミー賞は「恋の手ほどき」に行った、とも云われている)。

結論から云うと、ローガン監督は舞台の照明切替を意識して、このアイデアを採用しようと撮影監督に相談したところ、カラー・フィルターで撮影しても、ダメだったら後で元に戻せる、と云われたのでやったのだと。

結果、元に戻せるわけもなく(ローガンの息子さんが語るに)長年ローガン監督自身も後悔していたのだそうだ。だが晩年、テレビで放映された時に観て「これでもいいじゃないか」と話していたのだと。

このBlu-rayの特典映像は、上述のインタビューを含むミッツィ・ゲイナーがホストの94分の"Passion, Prejudice and South Pacific: Creating An American Masterpiece" 、テレビ番組「60ミニッツ」に原作者ジェームズ・ミッチェナーが出演した時の"60 Minutes Exclusive: The Tales of the South Pacific"、モノクロのメイキング"Making Of South Pacific"、舞台版「南太平洋」のレアな映像、スティル集、ミッツィ・ゲイナーのスクリーンテスト、シング・アロング、劇場予告編など。

特典で一番大きなものは、「南太平洋」ロードショー・ヴァージョンである。劇場公開時の上映時間は2時間38分だが、先行ロードショーでの上映は2時間51分であった。
残念ながら、ロードショー・ヴァージョンのネガは現存しておらず、カットされた部分だけできる限り修復し挿入しているが、他の映像があまりに美しいため、そのパートだけは焼けた色になっている(DVD コレクターズ・エディションでも同じものが観れるが、それに比べるとかなりよくはなっているのだが)。もし全編カラー・フィルターで撮ってたら、修復も随分簡単だったろうにな、と思ったりなんかしちゃったりして(笑)

先週の日曜日、台風(Signal 8)でゴルフが中止になったので、リビングでこの映画を観ていたら12歳の娘も観たいという。娘のために日本語字幕のDVD(2006年発売)に入替えて観てみたら、「日本軍」と言ってるところを全て「敵」という字幕にしていた。2008年日本発売のスペシャル・エディション(ロードショー・ヴァージョン収録)では直ってるのかな?

"This is something that's born in me!"

South Pacific (1958) Blu-ray 50th Anniversary Edition

Directed  by Joshua Logan

DTS HD 5.1 Master Audio
Aspect Ratio: 2.20: 1
Theatrical Version 157 mins
Roadshow Version 178mins

22-Jul-09-Wed

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2009-07-19

あの「マイケル・ジャクソン出世太閤記」をもう一度

香港で暮らすぼくにとって、日本のラジオを聴けなくなったのはちょっと残念に思っていることの一つである。最近は、ポッドキャストがあり色々と聴いてはいるが、番組の一部だったりして物足りなさも正直ある。

先週、中国本土の上海、揚州、南京へ出張中も、ぼくは飛行機の中でポッドキャスト「大竹まことゴールデンラジオ」や「小島慶子キラ☆キラ」、「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」なんかを聴いて過ごしていた。

そんなぼくが最近、「あぁ、聴きたかったなぁ…」と思ってたのはニッポン放送が開局55周年記念として、2009年7月15日に生放送した「あの『マイケル・ジャクソン出世太閤記』をもう一度」という番組だった。

マイケル追悼ということもあり放送されたこの番組は、今から25年前の1984年、ニッポン放送が開局30周年を記念して放送した<伝説の>ラジオ・ドラマなのである。

これは当時アルバム「スリラー」をリリースし人気絶頂だったマイケル・ジャクソンを、豊臣秀吉に見立てて繰り広げる奇想天外な出世物語。プロデュース:大瀧詠一、原案:小林信彦、脚本:藤井青銅という布陣で制作されたものなのだ。

週末、中国出張帰りのぼくのところへ、映画・音楽評論家の佐藤利明氏から嬉しいメールが届いていた。なんと、その「マイケル・ジャクソン出世太閤記」のオン・エアーを録音して送ってくれたのだ!このブログで「ムーンウォーカー」のコメントを入れてくれた時に「聴きたかったなぁ」と書いたのを覚えてくれてたのだ。嬉しい!佐藤さんありがとー!さっそくデータをiPhoneへ入れて聴かせてもらった。

パーソナリティは小林克也氏、ゲストに大瀧詠一氏を迎え、当時の話をしながら進行するという2時間。本当に面白かった!これを聴けば、マイケルの(今から思うと)全盛期までの半生がわかるし、1984年という時代そのものもわかるのだ。

キャストはこんな感じ。

マイケル・ジャクソン - 片岡鶴太郎、父 - ビートきよし、3人の博士 - シブがき隊、謎の紳士 - 由利徹、ダイアナ・ロス - 高見知佳、我嘲禅師 - 谷啓、ジャクソン兄弟・その母・波止場のごろつき・その他 - 片岡鶴太郎、グラミー賞実況アナ - 古舘伊知郎、紅白司会者 - 小川宏、レポーター - 梨元勝、グラミープレゼンター - 田原俊彦、ブルック・シールズ - 堀ちえみ、ナレーション - 芥川隆行

音源テープはニッポン放送に無く、大瀧氏が持っていたものを放送用にリマスターしたという。マイケルとその兄弟を声色を変えて片岡鶴太郎が多重録音して演じてるのは、「おれたちひょうきん族」を見てた世代には「わかる、わかる」というもの。

若い人にはわからない面白さだと思うが、古館伊知郎のプロレス風グラミー賞授賞式実況に始まり、由利徹の「おしゃまんべ」も聴けるし、日活の”小林旭”は出て来るし、谷啓の「がちょーーん!」もあるし、ホント話は飛びまくるが、その「ハラホロヒレハレ」なフザけ具合が(大人には)面白いのだ。

大瀧詠一氏がマイケルは「80年代を代表するアーティスト」と語り、特にダンスの中に「東(あずま)けんじを入れたのがスゴい」と云うのには大笑いしつつ感心した。ぼくはいつも思うのだが、世間にはくだらないと思われていることも大瀧氏が語ると<高尚なもの>に聞こえてしまう。たぶん先達の「芸」に対するリスペクトがとてもある方なのだろう。

小林克也氏は、ムーンウォークに関して、元々40年代からフレッド・アステアがやっていたものを、「ソウルトレイン」などに出ていたグループ、シャラマー(←懐かしい!)が得意にしてて、それをマイケルは1000ドルで買って、自分なりに完成させたと語っていた。ぼくは知らなかったので面白かったが、アステアのどの映画で出て来るのかは、今度佐藤さんに(こっそり)教えてもらおうと思ってる。

とても面白いラジオ・ドラマだった。著作権等の関係で難しいかと思うが、出来る事なら高音質のCDで商品化してほしいくらいである。

余談だが、マイケル・ジャクソンに関しての(マジな)ポッドキャストでは、ノーナ・リーブスの西寺郷太氏がTBSラジオ「キラ☆キラ」や「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」で展開したマイケル論が出色だ。

さっきググッてみたらこの「マイケル・ジャクソン出世太閤記」もニコニコ動画辺りにあるみたいなので、興味のある方はお早めにどうぞ。(すぐに削除されるかも知んないので)

Forever Michael !

19-Jul-09-Sun

2009-07-15

「マイケル・ブーブレ・ミーツ・マディソン・スクエア・ガーデン」(ライブ) CD/DVD Michael Buble Meets Madison Squere Garden (Live)

マイケル・ブーブレはおそらく過去10年間の中で最も成功した男性ジャズ・ヴォーカリストだろう。カナダ人だが、フランク・シナトラ亡き後、アメリカでビッグ・バンドをバックにスタンダードも歌う<若い>歌手というジャンルで、ハリー・コニック・JRの失速の間に頭角を現したように思う。

アルバム「イッツ・タイム」「コール・ミー・イレスポンシブル」と着実に成果を上げてきており、今後も期待の出来るアーティストの一人ではないだろうか。

その彼が、2年にも渡る世界ツアーのラストに選んだ会場は、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンだった。このCD/DVDはそのライブを収めたものである。

マディソン・スクエア・ガーデン。略してMSG。ぼくにとっての思い出は、古くは、ブルーノ・サンマルチノやペドロ・モラレスが活躍したWWFプロレス、伝説のアリVSフレイジャーのボクシングヘビー級タイトルマッチ、それから学生時代になぜか流行った青色のマディソンスクエアガーデン・スポーツバック(笑)である。

そのMSGでは、1974年、カム・バックした直後のフランク・シナトラが「ザ・メイン・イベント」と銘打ったライブを行った。その同じ場所で、若きラット・パッカーがライブを行なうのだ。チケットは早々にソールド・アウトだったという。ぼくも期待してこのCD/DVDを購入したのだった。

まずはDVDをかけてみる。60分と妙に短い尺にいささか不安を覚えたが、予感は的中した。あまり出来がよくないのだ。何がって?コンサートの場面があまりに少なすぎるのである。ぼくはコンサート・ライブ・フィルムを見たかったのに、半分以上インタヴューやメイキングに費やされているのだ。

歌う場面にしても、シナトラの十八番「ニューヨーク、ニューヨーク」も、リハーサル時のもの。会場にいる大好きなおじーちゃん一人のために歌うのだ。あちゃちゃ。ここなぞはコンサートでも盛り上がったろうにと思うのだが。

ミドル・クラスの家庭で愛に包まれて幸せに育ったのはいい、リハの会場にその家族が来てるのもいい。2年間一緒にツアーを廻った面々が家族のように思えるのもいい。6年前に初めてニューヨークでライブをしたブルーノートを訪ねるのもいい。だが、そんなものはマイケル・ブーブレ自身が自分の家で見てくれ!って感じ。ホーム・ビデオじゃないんだから(笑)

このCD/DVDに最大にかけているところはそこなんである。これは関係者の思い出ファイルであり、ブーブレの(過去何度かCDについてたような)プロモ映像なのだ。遠くニューヨークで行われ、残念ながら観に行けなかったらこそ買ったぼくのような客は、ぶつ切りの名場面ではなく、コンサート自体を観たいのだ。見終わって、なんか予告編だけ見せられたって感じだった。

CDの方にも10曲しか入ってない。MCもほんの少し。シナトラや、ジュディや、ライザのライブ名盤に比べてあまりにしょぼい。何か収録時にミスがあったのか?盛り上がらなかったのか?どういう理由かわからないが、せっかく自信を持って歌い始めているブーブレの現時点での最大のイベントだったはずである。それをじっくり聞いてみたかったな。

DVDの中で、ブーブレは云う「人は誰でも生きていて何かイヤなことを抱えている。ぼくのコンサート90分の間だけはそんなことを忘れさせてあげられたらと思っている」と。彼の思いとは裏腹に、このCD/DVDは購入した人間には不満の残る出来じゃなかったろうか。ちょっとこういう「売り方」はどうかと思うね。

今回はかなり辛口になってしまいました。日本版はいつもボーナストラックなんかあるのでマシになることを祈ってます。

Michael Buble Meets Madison Square Garden (Live)

Released 17th June, 2009.

15-Jul-09-Wed

Meets Madison Square Garden: Special Edition/+DVD
Meets Madison Square Garden: Special Edition/+DVD Michael Buble

Super D  2009-07-28
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イッツ・タイム(初回限定盤) ディス・イズ・アス(初回生産限定盤)(DVD付) Caught in the Act マイケル・ブーブレ 君こそすべて~デイヴィッド・フォスター&フレンズ ライヴ

2009-07-13

マイケル・ジャクソン 「ムーンウォーカー」 Michael Jackson MOONWALKER

マイケル・ジャクソン追悼として、当初の予定を変更して、日曜日の夜香港の地上波Pearlでは1988年製作の映画「ムーンウォーカー」"Moonwalker"が放送された(2009年7月12日 20:30 - 22:30)。

劇場公開当時、ぼくは仕事が忙しく映画館へ足を運べなかった。映画自体の評価も決して芳しいものではなかったこともあり、その後DVDになったりしても中々食指が動かなかった。今回こんなカタチでこの<マイケルの主演映画>を観るとは思ってもみなかった。

で、初めてこの「ムーンウォーカー」を観て正直驚いた。これは映画というより、1本まるごとマイケル・ジャクソンのプロモーションではないか!追悼というカタチでこの映画が放送された意味はこういうことだったのか。

マイケルが亡くなっているという見地からこの作品を観ると、公開当時とは違った評価になるのではないかと思う。その理由は、この映画には彼の個人的な趣味や好みがいっぱい詰まっているからだ。アニメーション、遊園地、変身ロボ、MGMミュージカル、子供たち等々…。

映画の構成は、物語があってどうこうというものではなく、マイケルの歌と踊りを見せることを基本のコンセプトにしたショート・フィルムを繋いでいるというものだ。このことを理解してないとワケがわからない。

昔のMGMミュージカルでいうとジーン・ケリーの「舞踏への招待」('54)のようというとわかってもらえるだろうか?(よけいわからんか?・笑)。その「舞踏〜」もジーン・ケリーが自身の趣味・し好を出し過ぎて失敗してて、その辺も似ているのだが(笑)。もしくはビートルズ映画とも云えるかな。

(以下、ネタバレあり)

ライヴで「Man in the mirror」を歌っているシーンから始まるこの映画は、それから私物の手袋やピノキオの人形なんかを見せながらレーガン大統領のマイケルへの賛辞の声などを聴かせ、ジャクソン5時代からの数々のビデオを断片的に見せ、「BAD」のところで突然子供に変わる。この全員子供で踊る「BAD」が面白い。完璧にコピーしているのだが、あの股間を触って「HO-!」と云う時に、強く叩きすぎて痛そうな顔をしたりするのだ(笑)

その「BAD」の撮影が終わったマイケル(大人)は、撮影所見学ツアー客に追っかけられる。走って逃げるマイケル。ここからはクレイ・アニメとなり、マイケルも逃げながらアニメのラビットになる。この「Speed Demon」は、ピーウィ・ハーマンなど出てきて楽しいんだが、クレイ・アニメの完成度が高くないのが惜しい。次のセグメント「Leave Me Alone」は、パパラッチから追っかけられるマイケルが遊園地で、クルーズ形のアトラクションに乗り進んで行くというもの。切り絵のようなアニメ。途中に若かりし頃のエリザベス・テイラーがいる。

そして後半は、大作「Smooth Criminal」になるのだが、これは世界征服を狙い子供をいたぶるミスター・ビッグ(ジョー・ペシ)と子供たち(中にショーン・レノンもいる)を助けるためマイケルが闘うというもの。ウィーンのような夜の街並み。マシンガンとギャングの格好。30年代の酒場(Club 30's)での踊りは、「バンド・ワゴン」のフレッド・アステアを連想させる。女の子がミスター・ビッグに捕まり、殴られたりするところでマイケルは悲痛な叫びをあげる。ここなぞは、彼が実際に父から受けた虐待のことを知っていると辛いシーンだ。怒ったマイケルは、巨大な銀色のロボット→スペースロケットに変身し、ミスター・ビッグのレーザー砲と秘密基地を爆破する。

マイケルがスーパーカーに変身したり、ロケットからビームを出したりするのだが、一緒に観てた12歳の娘でさえ「やりすぎだよ、マイケル」と云っていた(笑)
だが、上にも書いたように、全編子供向きとも思えるおもちゃ箱のような演出に、プロデューサーでもある、マイケルの趣味が色濃く反映されているように思えてならない。

当日は、テレビ神奈川でも2時間に渡り追悼番組「Forever MJ Ever」(19:00 - 20:55)を放送していた。時差があるので、ロケフリでそれを眺めてから「ムーンウォーカー」を観た。

当地香港では、90年代に予定されていた公演が直前になってキャンセルされたという。例の裁判の心労が理由と香港人の知り合いから聞いた(本当のことはわからないが)。

映画の後半、ロケットに変身したマイケルは子供たちにさよならも云わず去って行く。だが、ラスト、マイケルは悲しんでいる子供たちの前に帰って来て「Come together」を歌う。本当にマイケル・ジャクソンが去っていった今観るとなんだかせつない。

この映画はアルバム「BAD」の時に作られた。30年代のギャング・スーツを着たマイケルはまるで”宝塚の男装の麗人”のように美しい。娘も「かっこいい」と言っていた。
全盛期のスーパースター、マイケル・ジャクソンの歌と踊りが見れる本作は彼の死を受けて、今後評価が高まっていくかも知れないなと思った。ファンの方はぜひ。

MOONWALKER (1988)

Directed by Jerry Kramer, Will Vinton (segment "Speed Demon)
Jim Blashfield (segment "Leave Me Alone"),
Colin Chilvers(segment "Smooth Criminal")

93 mins

13-Jul-09-Mon

ムーンウォーカー [DVD]ムーンウォーカー [DVD]

DANGEROUS~ザ・ショート・フィルム・コレクション [DVD] ザ・ワン [DVD] ヒストリー・オン・フィルム VOLUME II [DVD] ライヴ・イン・ブカレスト [DVD] who's BAD? マイケル・ジャクソン 1958-2009(シンコー・ミュージックMOOK)

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2009-07-11

石原裕次郎二十三回忌特別企画 映画 「富士山頂」 

石原裕次郎二十三回忌特別企画として、1970年製作の映画「富士山頂」がTV朝日で放送された。国立競技場で行われ、11万人超が参列したという法要の前日(2009年7月4日・土)午後9時から11時11分までの放送だった。

ロケフリから録画をしていたのだが、なかなか観る時間がなく、1週間経った今日(土曜日の午後)やっと観る事ができた。折しも、香港は台風予測(T3)が出ており、外出するのもおっくうになってて、この映画を観るには「ちょうど良かった」わけである。

なぜなら、「富士山頂」という映画は、台風観測のため巨大レーダーを富士山頂に建設する様子を描いたものだったからだ。

石原プロが、「黒部の太陽」「栄光への5000キロ」に続いて製作した「富士山頂」。石原裕次郎の「映画は映画館で」という理念のもと、これまでビデオ化、DVD化はされておらずなかなか観る機会がなかったので、今回の放送はありがたかった。

Odoru1107093 昭和38年、気象庁の葛木課長(芦田伸介)は台風の被害を少しでも減らすべく、富士山レーダー取り付けに情熱を燃やしていた。大蔵省からやっと予算がおり、入札制により工事にとりかかることになった。期間は2年、富士山の気象を考えると夏場の40日間しか工事できない。そんな悪条件の中、権利を得た三菱電機の梅原(石原裕次郎)と大成建設の伊石(山崎努)による工事が始まった。機材は3合目まではトラック、7〜8合目までは荷馬車で、その後山頂までは人夫が運ぶ。途中から荷馬車隊の朝吉親分(勝新太郎)らは、馬の代わりにブルドーザーで運行したが、悪天候と高山病でのワーカーの下山などで工程は大幅に遅れた。2年目は速度の上がったブルの投入、朝日ヘリコプターの気骨のあるパイロット加田(渡哲也)らの働きで、ついに600キロのレーダードーム枠組みを基礎台に取り付けることが出来たのだった。

日本の高度経済成長期に大きな仕事を成し遂げた男たちのドラマ。原作は山岳ものが多い新田次郎。彼自身もこの工事に携わったという。この富士山頂のレーダーは気象衛星ひまわりが出来るまで、日本の台風情報に大きな役割を残した。それまでは5時間前だった予報が、20時間前にできるようになったという。これにより台風被害も少なくなったわけである。

映画としての「富士山頂」だが、裕次郎がこだわった富士山での実際のロケなど、工事同様過酷な状況での撮影だったようである。山頂からの景色など映画館の大画面で観たらとてもいいだろうな、と想像できるものだ。面白く観れたのだが、映画自体はちょっと大味で、ドラマチックな感動も少なかったかな。

「黒部の太陽」も巨大黒部ダムの建設工事を描いたもの。「栄光への5000キロ」は、サファリ・ラリーだった。どれも大自然と戦う人間たちを描いている。「黒部〜」は関西電力や大手ゼネコン、「栄光〜」は日産自動車の人間を主人公に選んでいる。製作費の工面のためと想像するが(今回の放送も三菱電機がスポンサーだ)、映画を撮りたかった石原裕次郎が演じたのは経済成長期の日本の企業戦士たちだった。どれもNHKでやってた「プロジェクトX」みたいなのだ。

ぼくは「栄光への5000キロ」は映画館で観た。なぜ観に行ったかは覚えてないが、観たのは覚えている(なんか日本語変?)。大自然の中を疾走する裕次郎の車のタイヤが泥にはまり動けなくなり、恋人の浅丘ルリ子が編んでくれた青いセーターをかまして出すとこなんかを覚えてる。なんせ小学校の時だかんね。もう一回観てみたい映画ですな。(「黒部〜」「栄光〜」もビデオ化されてないからね)

石原裕次郎が映画への情熱を持ったのも、日活時代数々の映画に出演していたからだろう。このたび、二十三回忌を記念して、その日活からドエライDVDが出た。
「石原裕次郎 ゴールデン・トレジャー 〜日活映画大全〜」というのがソレ。デビュー作「太陽の季節」('56)から「男の世界」('71)まで、なんと90作品がセットになっているのだ。懐かしの”丸の内日活”をモチーフにデザインされた豪華ボックスに、日活裕次郎映画を網羅した特製ブックなどの豪華特典付き。ファンには嬉しい、これは歴史的なセットであろう。
http://www.nikkatsu.com/package/golden/

B0024AFDU6 石原裕次郎 ゴールデン・トレジャー ~日活映画大全~ (23回忌メモリアル豪華収納BOX付き) [DVD]
NIKKATSU CORPORATION(NK)(D)  2009-07-03

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「富士山頂」 (1970)

監督: 村野鐵太郎
(Original) 126 mins

11-Jul-09-Sat

2009-07-10

ファラ・フォーセット Farrah Fawcett (Headliners & Legends)

マイケル・ジャクソンが亡くなった同じ日(2009年6月25日)、ファラ・フォーセットも亡くなった。62歳だった。香港の地上波Pearlでは、毎週月曜の夜放送している「アグリー・ベティ」を一回休みにして(7月6日)、ファラ・フォーセットの追悼番組を放送した。

この番組はアメリカで放送された「HEADLINERS & LEGENDS」という一時間のドキュメンタリー。生前彼女自身が受けたインタビューも含め、彼女の人生を振り返るものだった。

テキサスで生まれたファラ・フォーセットは、大学時代アートを専攻し、モデルとしてデビューする。ロスアンジェルスへ行き、CMなどへ出演する中、そこで出会った「600万ドルの男」リー・メジャーズと結婚し、ファラ・フォーセット・メジャーズとなる。

Odoru0907092 テレビ・シリーズ「チャーリーズ・エンジェル」に出演し、人気が沸騰する。
1976年に発売されたファラのポスター(写真)は、1200万枚売れたという驚異的な数字をたたき出す。映画「サタデー・ナイト・フィーバー」('77)の中でも、主人公のトニー(ジョン・トラボルタ)の部屋に飾ってあった。これで彼女は70年代ポップ・カルチャーの象徴となり、セックス・シンボルとなったのだ。
この時の彼女のライオンのような髪型は、「ファラ・カット」と呼ばれ、若い女性がこぞって真似をした。

「チャーリーズ・エンジェル」をわずか一年で降板するが、訴訟沙汰になり、「サン・バーン」('79)や「スペース・サタン」('80)などといった映画に出演するも人気は下降していく。
その頃、俳優ライアン・オニールと出会い、それが基でリー・メジャーズと離婚する。オニールとは17年間同棲し、子供も出来たが、結婚はファラが拒みつづけた。

演技の勉強をし直した彼女は、オフ・ブロードウェイの舞台に立つ。その演技は賞賛され、その後テレビドラマ「The Burning Bed」('84)で虐待される妻の役を演じ、エミー賞などにノミネートされる。その後も出演したテレビドラマや映画での評価も高かった。
90年代に雑誌「プレイボーイ」でヌードを披露し、その号は爆発的に売れた。

晩年はガンとの闘いだった。このドキュメンタリーでは、その部分は少ししか触れられていないが、アメリカでは彼女の最後の日々の記録がテレビで放送され、話題になったという。
ライアン・オニールは死の直前、彼女にプロポーズして、受け入れられたというが、結婚には至らなかった。

ぼくは「チャーリーズ・エンジェル」の頃の彼女くらいしか、印象になかったのだが、このドキュメンタリーを見たら、それは始まりに過ぎなかったのだという事がわかった。

だが、彼女はやっぱり一つの時代を象徴する女性だったと思う。この赤い水着のポスターは当時の男たちは必ず一度は見た事があるだろう(ポスター価格の10%が彼女の元に入ったというのだから、これだけでリッチになったんじゃないだろうか)。

彼女はキレイだし、かっこもよかったね。70年代の「アイコン」がまたこの世を去った。ご冥福をお祈りします。

Farrah Fawcett (1947 - 2009)

09-Jul-09-Thu

2009-07-09

マイケル・ジャクソン追悼式 Michael Jackson Memorial

2009年7月8日(水)午前0時25分から、香港の地上波Pearlにてマイケル・ジャクソン追悼式(Michael Jackson Memorial)の模様がノー・コマーシャルで生中継された。

ぼくは当日は接待で夜遅く帰ったので、録画をしておいたのだが、当初の予定より放送が長くなって、最後まで録れてなかったという大失敗をしてしまった…。マンマ・ミーア!残念無念雨あられである。再生してみたら、ラストの「ウィ・アー・ザ・ワールド」の途中で切れている!…「Who's Bad!?」「あ、俺だ!」と心の中で叫んでる自分がいたが、もう遅い。再放送もなかったので、泣きそうになったが、気持ちを切り替えて尻切れトンボの録画を最初から見た。

ロスアンジェルスの高速道路を走る黒塗りの車の列。マイケル一家がステープルズ・センターへ向かっているヘリからの映像だ。

画面ではマイケルのビデオ・クリップが数曲かかり数十分後、会場の映像が映し出され、遺族の方々と、花で飾られたマイケルの棺が会場へ到着。スモーキー・ロビンソンがダイアナ・ロスやネルソン・マンデラ氏の電報を読み上げる。

マライア・キャリーの「アイル・ビー・ゼア」、ライオネル・リッチーのゴスペル「ジーザズ・イズ・ラブ」、スティービー・ワンダーが語るように歌う「ネバー・ドリームド・ユード・リーブ・イン・サマー」が涙を誘う。

Odoru0907093 クィーン・ラティファが「ファンの代表として」舞台に立ち、マイケルに捧げた詩人マヤ・アンジェロウさんの詩を朗読する。

過去マイケルと色々あったモータウン・レコードの創始者ベリー・ゴーディ氏だが、「彼はキング・オブ・ポップでは足らない。最も偉大なエンタティナーだった」と最大限の賛辞を送る。

コービー・ブライアントと舞台に立ったマジック・ジョンソンは、「マイケルの家に招かれた時、ぼくは専用コックが作るグリルチキンを食べたのに、マイケルはケンタッキー・フライド・チキンを食べてた」と笑わせる。

黒人運動家で牧師のアル・シャープトン氏の演説は感動的だった。「彼は決してあきらめなかった。彼の功績のお陰で我々は黒人の大統領を持つことが出来た」そして「マイケルの3人の子供たちに言いたい。お父さんが間違っていたのではない。周り(マスコミ)が間違っていたのだと!」
この瞬間、会場はスタンディング・オベーションとなった。

ジェニファー・ハドソンが「ウィル・ユー・ビー・ゼア」を歌い、ジョン・メイヤーが「ヒューマン・ネイチャー」をギター・ソロで聞かせる。

友人のブルック・シールズは「彼とは若くしてスポットライトを浴びてしまった者同士として本当に仲良く出来た」ことを語り、「彼の大好きな曲はチャップリンの『スマイル』で、彼のスマイルは最高でした」と涙ながらに話す。

その「スマイル」を兄のジャーメイン・ジャクソンが、白い手袋をして歌う…。

アッシャーは、舞台を下り、マイケルの棺に手をあてて涙ながらに「ゴーン・トゥー・スーン」を歌った。

本当ならロンドンで7月に行われるはずだったコンサート”THIS IS IT”に出るはずだった少年シャヒーン・ジャファゴーリ君が「フーズ・ラビング・ユー」を歌い、ケニー・オルテガが紹介し、皆で「ウィ・アー・ザ・ワールド」の大合唱となった。

この歌の途中で、残念ながらぼくの録画は止まってしまう(涙)

だが、ここからはニュースなどで放送されたのでご覧になった方も多いかと思う。
あの長女のパリス・ジャクソンちゃんの最も感動的なスピーチである。

「ダディは 私が生まれたときから最高の父親でした。ただただ愛してると云いたい」

朝ご飯を食べながら、ニュースでこのパリスちゃんの映像を見た時、ぼくは涙が止まらなくなった。彼女のけなげな姿と、最愛の父を亡くした悲しみは、たとえどんなに大金持ちになったとしてもぬぐうことは出来ない。

過去10年ほどのマイケルは、裁判などもあり、活動の範囲が限られていたようにぼくは思っていた。だから、前回マイケルのことをこのブログで記事にした時も、この時期を「失われた10年」と書いた。だが、このパリスちゃんや子供たちの姿を見た時に、マイケルは本当にいいお父さんをしていたんだろうな、と感じた。マイケルにとっても子供たちと過ごせた「幸せな10年」だったのではないだろうか。

式を通じて感じたことは、マイケル・ジャクソンは、(当たり前だが)黒人だったのだ、ということ。考えてみたら、彼のジャクソン5としてのデビューは1969年である。まだ黒人差別が根強く残っていた時代だ。そこから彼は闘い続け、そして、人種の壁を越えて人々を<癒し>続けた。黒人史上最も偉大なエンタティナーであり、偉大な人間であり、そして「最高のお父さん」だったのだ。

改めて哀悼の意を捧げます。

Michael Jackson
August 29, 1958 - June 25, 2009

2009-07-08

「アイスエイジ3 ティラノのおとしもの」 3D ICE AGE: DAWN OF THE DINOSAURS

Odoru0807092 香港でも2009年7月1日から始まった映画「アイスエイジ3 ティラノのおとしもの」"ICE AGE: DAWN OF THE DINOSAURS"へ小6の娘と行く。英語版なので金鐘(Admiralty)の日曜夕方の劇場は白人の小さい子供でいっぱい。
娘がコーラ飲みながら 「ちっちゃい子ばっかりで、やーねー」って言うので、「お前も子供だろ!」とツッコんだ父親でありました(笑)

「アイスエイジ」シリーズは我が家でも楽しみにしている一本である。1、2も面白かったので今回も楽しみにしていた。3にあやかったのか(今流行りだから)、今回は3−Dで製作されているのも楽しみの一つだった。

去年あたりから、子供の休みというと3−Dの映画が来るので、もう既に驚きはなくなっている。今回は恐竜ものというアイデアだったので面白いかなと思ったが、3−Dの効果はそれほどでもなかったな。映画自体は、シリーズを知ってて観ると楽しめる作品に仕上がっていた。

Odoru0807098 もうすぐパパになるマンモスのマニーはニコニコし、鹿も追っかけられなくなったサーベルタイガーのディエゴは自分がいやになり旅に出てしまう。友だちがみんな相手にしてくれなくなったナマケモノのシドだが、ある日氷が割れて下の世界に落ちてしまう。そこには、大きな三個の卵があり、それを持ち帰ったシドは、自分が親になり家族を作るんだ、と皆に宣言する。その卵からはティラノサウルスの子供が生まれ、それを捜しに来た母親のティラノサウルスにシドたちは連れ去られてしまう…。

そこからシドを捜して、マニーとおなかの大きなエリー、ディエゴ、クラッシュ&エディは旅に出る。下の世界には恐竜たちの住む別世界があった!というお話なのである。

恐竜ワールドを案内してくれる片目のイタチ、バックの声を英語版はサイモン・ペッグがやっている。「ホット・ファズ」から「スター・トレック」、そしてこの声の出演と、確実にハリウッドの階段上ってる感じだね。

Odoru0807099 「アイスエイジ」シリーズで、ぼくが好きなのは、どんぐりをいつも追っかけてるスクラット君である。彼の出るところはセリフがなく、昔の「トムとジェリー」みたいに、いつもひどい目にあうシークエンスのだが、そこがアメリカのアニメらしくてイイのだ。(これが一番の楽しみで観に行っているといっても過言ではない)

今回は、素敵なメスのリス?かネズミ?、とにかく同じ種類の小動物に出会うところから始まるのだが、そこでかかる曲のイントロを聴いた時にぼくは爆笑した。場内で笑ったのはぼくだけだったのでちとハズカシかったが、この曲は1976年のルー・ロウズのヒット「You'll Never Find Another Love Like Mine」で、中身は「君の人生の中で二度と俺様のような愛には出会えないぜ、ベイビー」なんて歌なんである。
その素敵なメスに、散々な目にあわされるスクラット君は今回も上出来であった(笑)

フォックスアニメは、ディズニーほど健全ではなく、ドリームワークスほど下品でもない。小さい子供向けだが、おとーさんも楽しんで観れたよ。

さてさて、もし次回作「アイスエイジ4」が出来たときに、娘は「一緒に行こう」と言うだろうか?たぶん言わないだろうなぁ、と思った父親であった。しみじみ。

日本では2009年7月25日から公開予定。

ICE AGE: DAWN OF THE DINOSAURS (2009)

Director Carlos Saldanha
94 mins

08-Jul-09-Wed

(予告編 ↓)

2009-07-05

KING OF POP The Hong Kong Collection CD Michael Jackson

Odoru0307095_2 マイケル・ジャクソンが亡くなって一週間が過ぎた。
この一週間にぼくが香港で買ったマイケルのCDのことを書こうと思う。
どれも「In Memory of MICHAEL JACKSON (1958 - 2009)」という黒いシールが貼られていることが悲しい。

まずは「KING OF POP THE HONG KONG COLLECTION」
これは、「香港コレクション」と銘打たれているように、香港で売られてるマイケルのヒット・コレクションである。この「KING OF POP」は世界中(20カ国以上)のマイケルのファンが投票を行い(2008年)、その結果それぞれの国でリリースされたものの一つ。投票結果によって選曲が違ったり、1枚組(日本版)だったり、3枚組(UK Edition)だったりと国によって作り方が違うのである。この香港版は2枚組。全31曲が入っている。(HK$159)

Odoru0507098 次は「OFF THE WALL Special Edition」個人的にマイケルのアルバムの中で一番好きなものである。これは2001年にリリースされたリマスター版。ぼくはこのヴァージョンは持ってなかったので買い求めたのだ。
"Don't Stop Till Get Enough"と"Workin' Day and Night"の2曲のデモテープが入っており、伴奏を妹のジャネットと弟のランディが手伝っている。このクインシー・ジョーンズのアレンジが加わる前のデモテープがかっこよくて、これだけで充分ノレるのだ。インタビューでクインシーが「楽曲がいい」と語るのもうなずける。これが聞けただけでもこのCDの価値がある。(HK$125)

最後は「THRILLER 25th Anniversary Edition」いわずと知れた、1億400万枚を売り上げたマイケル最高のセールス作品。これは25周年を記念して2008年に出された限定版。日本では販売が終わり、中古品が高値で売買されているようだが(現時点でAmazonで9100円から)、香港ではHMVでもまだ売られている。ぼくはこの記念盤も持ってなかったので購入した。
オリジナル盤の楽曲に加え、will.i.am、Akon、Fergieなどと競演したヴァージョンも収録し、ショート・フィルム Billie Jean、Beat It、Thriller、それにあの伝説となったモータウン25周年コンサートのBillie Jean(初めてムーン・ウォークを披露した)が入ったDVDも付いている。(HK$180)

Odoru0507093 こんな感じで、世界中でまたマイケルのCDやビデオが売れているのだろうな。またヒットチャートにマイケルの歌が出て来たりしてね。日本ではまた紙ジャケ版が出るんだね。欲しい。

おまけだが、今発売されている「TIME」誌のマイケル・ジャクソン特別号(Special Commenmorative Edition)は素晴らしい出来だ。一冊まるごとマイケルである。こんな短期間でこれだけのものが出るって、アメリカのメディアってスゲエなと思わされる。大量の写真も良いし、約10年ずつでまとめた文章もいい。これを読むと、天才児と呼ばれ、スーパースターとなったマイケルが、ラスト10年ほどで壊れていく様が俯瞰でき つらかった。「失われた10年」とでも云おうか。
香港のHMVではこの号が大量に置かれている。ファンはマストでしょうね。(HK$50)

以上、お買い物リスト(笑)でした。

(TIME Michael Jackosn)
http://www.time.com/time/specials/michael-jackson/0,31708,1907409,00.html

In Memory of MICHAEL JACKSON (1958-2009)

05-Jul-09-Sun

2009-07-02

映画 「リトル・ダンサー」 Billy Elliot

Odoru0207092 2009年トニー賞授賞式をTVで見てから、ミュージカル作品賞をとった「ビリー・エリオット」の元ネタである映画「リトル・ダンサー」(00)を無性に観たくなった。

どっかにDVDがあったはずだと思い捜したが見当たらない。我が家の書庫(といえるほどもないが・笑)内の日本のTVで録画したものを入れたカゴの中をみたらあった。昔WOWOWでやったときに録画したものだ。久しぶりに見たが、めちゃキレイな画面でちょっと驚いた。日本の放送はやっぱ違うナァ…。いつも香港の甘いダメダメ画面を見慣れてるとこんなに違うのか!と思ったよ(笑)

で、久しぶりに観たこの映画。これは相変わらず傑作で、そしてまた泣いてしまったのだった。

1984年。イギリスの炭鉱町ダーラム。11歳の男の子ビリー・エリオット(ジェイミー・ベル)は、放課後50ペンスを手に町の体育館で、親の代からのグローブを使いボクシングを習っている。お母さんは他界し、家ではちょっとボケてきたおばあちゃん(ジーン・ヘイウッド)の面倒をみているやさしい子である。男らしい父(ゲアリー・ルイス)と兄トニー(ジェイミー・ドラヴェン)は数ヶ月にも及ぶ炭鉱のストライキに参加し、労働者の権利を訴えていた。

ある日、体育館の半分をバレエ教室に使うことになり、それを眺めていたビリーはいつの間にか、女の子たちに混じりダンスを習うようになる。
バレエの虜になったビリーだが、父に「男らしくない」と叱られやめるよう云われる。バレエ・ティーチャー(ジュリー・ウォルターズ)は彼の中にある才能を見出し、いつしか彼に個人レッスンをつけ、ロンドン・ロイヤル・バレエのオーディションを受ければと持ちかける。親に内緒でレッスンを続けてきたビリーだが、ストで衝突した警官隊に兄が逮捕されるのを見てオーディションを諦める…

Odoru0207097 「バレエの映画」と聞いて、女子供が見る映画だと思ったら大間違い。これはおとーさんが見るべき映画の一本である。ここに出てくる父親は本当の意味で「男らしい」のだ。

父親は、息子には強くなってほしい。男らしくあってほしいと思うもの。それはぼくも父親だからよくわかる。「男は、サッカーとか、ボクシングやレスリングをするもんだ」というのも賛成だ。

なのに、息子はダンスを、しかもバレエをやりたいという。「そんなオカマがやるようなこと、許せるか!」と父親は云う。

だが、自分の息子は「踊りたい!」という<意志>を全身で表現する。そのとき、父は「息子の夢をかなえてやりたい」と心から思う。そして、”裏切り者”と仲間にののしられても、息子のために「自分を変える」のだ。

労働者階級の粗野な父親だが、愛する息子の<全て>を受け入れてやる。そこが「男らしい」と思うのだ。

この映画「リトル・ダンサー」"Billy Elliot"は、スティーブン・ダルトリーの初監督作品。彼はもともと舞台監督として名声を博していたので、この舞台ミュージカル版「ビリー・エリオット」も自らが監督した。ダルトリーはゲイを公言しているので、この作品もそーゆー意味で彼らしさが反映している作品といえる。

少年時代のビリーの親友マイケル(ステュアート・ウェルズ)もゲイで、ビリーもバレエ・ダンサーなので、そうなったのかも知れないね(映画の中ではそーゆー描写はないが)。ミュージカル版の音楽は、これまたゲイのエルトン・ジョンが担当。これはイギリスの才能のあるそういった方々が作ったユーモアあふれる作品。
映画は2000年英国アカデミー賞で、英国作品賞、主演男優賞などを受賞。舞台は、2009年トニー賞でミュージカル作品賞、主演男優賞など主要10部門で受賞という数々の栄冠に輝く名作である。

この作品の時代設定は1984年。ちょうど、サッチャー政権の頃。まだ労働者が権利を訴え、ストとなれば長期間行っていたイギリスは、「英国病」と云われ、経済の活力が失われていた(回復傾向を見せるのは80年代後半。金融中心の経済体制になってから)。
ビリーの親兄弟のバレエ・ティーチャーへの反発も、労働者階級と中流階級という階級制度があるからこそ。

自分の才能でのし上がったビリー(アダム・クーパー)。その成功の舞台を見つめ、涙を浮かべる父の姿は、本当に感動する。

映画の中で、ビリーのおばあちゃんが、フレッド・アステアが好きだったり、亡き母もピアノを弾く女性だったりと、彼の才能も遺伝子レベルなのだとわからせる演出もとても自然だ。脚本のリー・ホールは、イギリスの名バリトン歌手、サー・トーマス・アレンが炭鉱掘りの息子だったことを参考にこの脚本を書いた。

だんだんダンスが上手くなっていくビリー。町の長い道をターンしながら進んで行くが、トタンでさえぎられた道はもうそれ以上進めない。そこで踊りを止め、トタンの壁を蹴るビリー…。ここなど(ダンスの道を)行きたくても行けない少年ビリーの心を表現した名演出だと思う。

舞台版は、日本では劇団四季が権利を持っているという。このブログで「トニー賞授賞式」のことを書いた時に、千早教授やSAKUさんのコメントで知ったのだが、日本での上演は、その男の子のバレエ・ダンサーの確保が大変らしい。なかなか日本では、そんな男子いないし、少年は成長と共に声変わりしたりするからね。果たしてどうなるでしょうか?

もし舞台ミュージカル「ビリー・エリオット」を観劇するなら、ぜひこの映画版を観てから行かれることをお勧めします。
あー、ぼくもブロードウェイか、ウエスト・エンド行きてーよー!

Billy Elliot (2000)

Director Stephen Daldry
111 mins

(予告編 ↓)

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