「スター・トレック」 STAR TREK
香港でも2009年6月4日より始まった映画「スター・トレック」"STAR TREK" へ行った。面白いという評判は聞いていたが、本当に面白い!これは傑作だった。TVの「宇宙大作戦」以来、数十年を経て、新たな "スタートレック・シリーズ" の始動である。REBOOT完了!って感じ。
ストーリーを簡単に言うと、酒と喧嘩に明け暮れる、後にエンタープライズ号の船長となるジェームズ・T・カークは、偉大な宇宙艦隊士官だった父の話を、かつての同士クリストファー・パイク大佐から聞き宇宙艦隊アカデミーへ入隊する。艦隊でもトラブルメーカーとなるカークだが、緊急事態でU.S.S.エンタープライズ号の出発に際し、レナード・マッコイの機転でうまく乗り込むが、ウマが合わないスポックと衝突を繰り返し、船から追い出されるハメになる…。
つまり、これは「いかにしてカーク船長やスポックはエンタープライズ号のチームになったのか?」という物語。
映画ってのは、”主人公が映画の始まりと終わりで変ってないと(成長してないと)いけない” とはイイ映画かどうか判断する一つの指標であると云われるが、この映画の主人公カークは、最初はその辺のふざけたあんちゃんが、ラストはなんとも頼もしいリーダーとして成長した姿を見せる。
敵対するスポックも、その出自の不幸を背負って生きることを宿命づけられた男として、抑えきれない感情をどう処理していいのかという苦悩を見せる。
カークを演じるのは、クリストファー・パイン。どっかで観た事あるよな?と思い出したら、カリフォルニアで、シャトー・モンテリーナという名ワインを造った男たちを描いた「ボトル・ショック」('08)(未)で、シャトーの息子のきったないあんちゃんを演じてた男。今回はあの<悪い目つき>が良い方へ作用し、何とも魅力的な男に映る。
スポック演じるザカリー・クイントは、ぼくは初めて見たが、顔立ちが初代スポックのレナード・ニモイによく似てて、若い時のスポックを演じるにはぴったりである。
テレビ版「宇宙大作戦」では、チャーリーと呼ばれていた機関主任スコッティを演じるのが、「HOT FUZZ/ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-」('07)のサイモン・ペッグ!彼は「スター・ウォーズ」の大ファンとして知られているが、今回は「スタトレ」に出れた!と喜んでる感じが画面から出てて、観てるこっちも嬉しくなったよ(笑)
ウフーラ(テレビ版ではウラだったよね)を演じるのは黒人の美人女優ゾーイ・サルダナだが、たまたま昨夜(2009年6月6日・土)香港の地上波で放送していた、トム・ハンクスの「ターミナル」('04)を眺めていたら、(ぼくは忘れていたのだが)空港で働く職員として出演してて、「スタトレ・ファン」という設定だったので笑った。
ネタバレとなるかも知れないが、未来から来た老年のスポックを「宇宙大作戦」の初代レナード・ニモイが演じるのが嬉しい。入れ歯なのか、喋るとちょっと滑舌は悪くなっているが、初期のシリーズを知ってる人間には嬉しかった。
監督のJ.J.エイブラムスはスタトレ・ファンではないらしいが、脚本の一人、ロベルト・オーチーは大オタクだそうだ(もう一人はアレックス・カーツマン)。色んな場面で、ツボを得たセリフも入り、テレビ版「宇宙大作戦」を観ていた40代以上の人間も楽しめる作りになっているのがニクい。「スタトレ」導入編として、新規のスタトレを知らない、特に若い人にもわかり易く、しかもアクションにつぐアクションで面白く作られているのも良い。
ラスト、U.S.S.エンタープライズ号の司令室に、ミスタースポック、ドクターニモイ、ミスターカトー(笑・本当はヒカル・スールー)などが集結し、カーク船長と共に出発し、そこにあの「宇宙大作戦」のナレーションとテーマ音楽がかぶさるところは鳥肌ものだったよ。
おそらくこの夏のイチオシの一本!久しぶりに早く続きが観たいと思わせる映画(来週続きが観たい・笑)。去年の夏は、「ダークナイト」だったが、今年はこれだね!映画館でぜひ!見逃すな!
日本では2009年5月29日より公開中。
STAR TREK (2009)
Director J.J. Abrams
127 mins
07-Jun-09-Sun
(予告編 ↓)
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コメント
やっぱり、リメイク、リニューアルはこうでなくてはいけないです。温故知新。そして素晴らしいのは、タイムパラドックスものだけに、新シリーズのパート1なのに、『スタートレック7』としても成立していること。僕は、『スタートレック6』が結構好きなので、ミスター・スポックの”その後”が楽しめるという構造に、感激しました。それと、シナリオがイイのでで、その後のキャラクターの性格を知っていると、若い時の性格が中年になるとどうなるのか? という”成長”から”起源”を辿るという、キャラ作りはお見事と思いました。来週、また観に行こうと思っております。
投稿: 佐藤利明 | 2009-06-07 21:59
>佐藤利明さん
ぼくは佐藤さんほどスタトレ詳しくないのですが、その矛盾点がないというのがスゴいと思います。
製作陣が、過去のシリーズへのリスペクトと、新規顧客開拓を同時にやったという、映画興行史にも稀にみる成功例と云えるのではないでしょうか。
既に、日本のアマゾンで「宇宙大作戦」シーズン1予約しました。やっぱり吹替えで持っておきたいですからね(笑)
ぼくもそれを見てからまたこの映画観に行こうと思っています。久々に語れる映画ですね。コレは。
投稿: nobuyasu | 2009-06-07 23:06
やっとご覧いただけましたか!
日本ではとにかく、「ROOKIES」の興行の為の踏み台になったために、小さいスクリーンにどんどん追いやられて、ファンは泣いてますが、とにかく新規参入へのハードルを取り払って、誰にでも勧められる映画としての登場には感激しました。
仕切り直し第一作でありながらも、スポックの存在により、ピカード艦長最終作「ネメシス」の正式な続編にもなっている点が見事。
でも、新規参入の方は徐々に知っていってもらえばいい事。
カトー(スールー)のフェンシングネタとかは、これからTVシリーズを観れば、新鮮に楽しめます。
個人的には、パイク船長とカークとの交流が描かれた事が嬉しいですね。
パイクはパイロット版の主人公であり、俳優は降板してますから、テレビではスポックの反乱話以外では、カークとパイクはそれほど接点ないのですが、今回、パラレルワールド的にオープニングでカークのかけがえのない存在を取り去った代わりに、パイクに父親的な役割を与えて、より先代船長としてのキャラを立たせた事が、嬉しかったです。
単純なドンパチではなく、一対一のサシの勝負でのシミュレーション感覚が「スタトレ」の
魅力でありますが、今まで以上に観ていて「痛み」を感じる戦いが、より画面に没頭できる原因ではないでしょうか?
スポック役のザッカリー・クイントは「ヒーローズ」での殺人者役が有名なんだそうですが、観てないので不明です。
彼と、父親との会話で日本の字幕に誤訳があり、問題になってるのですが、混血児である事を父親の発言から初めて、正式に肯定されて受け入れられたスポックが、カークとの共同作戦の中で親友への第一歩を歩み始める所も好きですね。
続きが早くみたいですが、私は見終わった直後に即座にもう一回観たくなりました。
こういう映画は久しぶりでしたね。
チャンスがあれば、今月中にはもう一度観に行きたいですね。
投稿: Mol | 2009-06-08 17:55
>Molさん
「スタトレ」はある方の言い方を借りれば「伝統芸能」と化している、(アメリカ人は特に)誰もが知っているというシリーズですが、テレビではドンパチは控えめで、どちらかというと人間ドラマに重点が置かれていたような印象があります。
日本の字幕の誤訳って何かわかりませんが、スポックとカークの「心の痛み」は、日本人でも、特に若い人には響くんじゃないかな。
アクションも面白いし、こんな青春の痛みも味わえ、不特定多数の観客に訴える傑作だと思います。
今回のみなさんのレスはとても濃くって、読んでる人も面白いんじゃないかな、と思ってます。ハイ。
投稿: nobuyasu | 2009-06-08 22:38
カークの術中に嵌って、艦長代理を降りたスポックが父親との会話で、
「(母を失った)復讐心を抑える事が出来ない」的な発言をした時に、
父サレックは「母なら(そういう人間的感情を)抑える必要はないと言うだろう」
と来る訳ですが、字幕では「母は復讐を望んでない」と出てしまったんですね。
これだと、サレックが「お前の母と結婚したのは"愛していたからだ"」に繋がりませんし、
スポックがカークと共に殴り込みを決意するシーンに繋がらないんですよ。
ここは、残念です。
何故、そんな逆の訳をしてしまったのか?
それ以上に、SF作家等で沢山ファンのいる作品だけに何故、字幕監修を受けなかったのか?
それが残念です。
吹替版が早くみたいですが、Blu-rayまでお預けですね。
日本では、外国映画も字幕版、吹替版同時公開が当たり前になりましたが、「スタトレ」だけは
頑なに吹替版を公開してくれませんね。
サレック役ベン・クロスは、相当にキャリアのある方ですが、私的には「炎のランナー」以来の再会だったので、驚きました。
とにかく、日本では伝統的に客の入らないシリーズながら、それでも今までよりは入ってるらしく、
「初めて見たけど面白かった」という意見が大多数。
それで、いいと思います。
小ネタは、これから他のシリーズを紐解いた時のお楽しみでいいと思います。
今はiPodに入れたサウンドトラックを聞きまくってます。
カーク、スポックが不在だと自動的に指揮権が移るミスター加藤(スールー)ですが、彼の判断でのドンピシャでの
攻撃も、ST6でいい時に助けに来たエクセルシオール艦長としての後の姿を彷彿させていいですね。
演じたジョン・チョーは日系ではなく韓国系ですが、アジア人専門の劇団で舞台に立っていて、ジョージ・タケイ氏とは
面識があり、彼のお墨付きが出ています。なので安心して観れました。
チェコフ役は、遂に本物のロシア人が演じる時代になりました。
彼は「T4」ではカイル・リース役ですね。
彼にとっては当たり年でしょう。
他には、サイモン・ペグもいいですが、マッコイ役のカール・アーバンもよかったと思います。
新人に近い布陣のエンタープライズ・クルーですが、このようにそれなりにキャリアのある俳優達も先達が確立した
キャラクターの再構築にあえて
挑戦するなど、相当にやりがいのあった仕事だったのだろうと感じました。
次もこの布陣での続編が決まってますし、今から楽しみです。
ついつい、レスが長くなってしまう。
自重しますね。
次は、「モンスターvsエイリアン」が最大の楽しみです。
地元シネコンではどうやら、3D興行が実現しそうなんですよ!
投稿: Mol | 2009-06-09 00:07
>Molさん
ふむふむ、なるほど、確かにその字幕ではおかしいですな。スポックの母は、バルカン人の男に「愛される」のがわかるきれいなお母さん(ウィノナ・ライダー)だったですもんね(笑)
ぼくは子供の頃、吹替え版で見てた「宇宙大作戦」がやっぱり好きで、今回英語で見て、クルー達がとてもインターナショナルだったんだ、と再認識しました。
60年代に黒人女性を使ったキャスティングなど、社会的にも先駆的だったですよね。
早くこのキャストでの続きが観たいものです(笑)
投稿: nobuyasu | 2009-06-10 14:15
>カークを演じるのは、クリストファー・パイン。どっかで観た事あるよな?
トレッキーなら「どこかで聞いたことあるよな?」という名前ですね。www
自己紹介しただけでスタッフが爆笑しそうだ。
パインでなくパイクなら完璧だったのに。
投稿: とおりすがり | 2009-07-06 21:06
>とおりすがりさん
コメントありがとうございます。
この人、日本ではクリス・パインと云われてるんですね。カーク役は、マット・ディモンやベン・アフレックにオファーされて、最終的にパインになったのは、やっぱスタッフ受けする名前だったからかも知れませんね。
投稿: nobuyasu | 2009-07-07 16:39