« 2009年5月 | トップページ | 2009年7月 »

2009年6月

2009-06-29

第63回トニー賞授賞式 2009 Tony Awards

昨夜(2009年6月28日)NHK BSで放送されたトニー賞授賞式はとても面白かった。トニー賞史上最高額を使ったという素晴らしいオープニング・アクト(上の動画)では、エルトン・ジョンに始まり、「ウエスト・サイド・ストーリー」「ガイズ・アンド・ドールズ」の”ランブル”、ライザ・ミネリのソロまで聴けて、のっけから「お腹いっぱい」になった。

景気後退の中、それでもブロードウェイは活況を呈しているという。たぶん、世の中の暗い気分を吹き飛ばしたいという民衆の思いがあるからなのだろう。このショウの中でも、新旧の楽しいミュージカル・シーンを観ると心が躍るからね。

今年は、イギリス映画「リトル・ダンサー」('00)をミュージカル化した「ビリー・エリオット」が作品賞など主要10部門で受賞した。「リトル・ダンサー」ってのは日本での邦題で、原題は「ビリー・エリオット」"Billy Elliot"という。これは主人公の男の子の名前です。

昨日のNHK BSでの放送では、字幕は「リトル・ダンサー」で通してたが、ナレーションで説明して、「ビリー・エリオット」としたほうがよかったかもね。邦題で通すなら、「ガイズ・アンド・ドールズ」も「野郎どもと女たち」、「パル・ジョーイ」も「夜の豹」、「ウエスト・サイド・ストーリー」も「ウエスト・サイド物語」としたほうが親切だったかもね、特に年寄りの視聴者には(笑)

「リトル・ダンサー」をミュージカルにしようと云ったのは、作曲も担当したエルトン・ジョンだったのだと。映画を観れば、なんでエルトンがそんなに気に入ってるのかがわかるよ(笑)

受賞式を観てて嬉しかったのは、「パル・ジョーイ」に出演中のストッカード・チャニングの歌声が聴けたこと。この人、映画「グリース」('78)で不良女子のボスをやった人です。それからプレゼンターでレイア姫ことキャリー・フィッシャーがぶくぶくの太った身体で出てきたこと。病気のようだが、元気になってセルフ・パロディで笑いをとってた。アン・ハサウェイもキレイだったな。

リバイバル作品賞は「ヘアー」が受賞。ベトナム戦争時代の反戦メッセージを込めた作品が、イラク戦争のさなか、またヒットしているというのはこの作品に「今日性」があるからなのだろう。

「CATS」香港公演で舞台ミュージカルが大好きになった12歳の娘と一緒に観ていたのだが、「シュレック・ザ・ミュージカル」などのシーンも観て、「ブロードウェイ行きたーい!」と叫んでいた。今、香港では豚インフルエンザのため、香港政府の要請で日本人小学校が6月12日から休校になってて、このまま夏休みになってしまうかもしれないという異例の事態になっている。

「このまま休みになったら、ニューヨーク行こう!」と娘に云われ、ちょっと考えてしまう親父だった。こっちは休みじゃないので、行きたいけど行けないんだよなぁ…。けど行きたいなぁ…。「ウエスト・サイド・ストーリー」も「パル・ジョーイ」も「ガイズ・アンド・ドールズ」も「シュレック」も「ネクスト・トゥ・ノーマル」も「ビリー・エリオット」も全部観てぇー!罪作りな番組でした。

トニー賞公式HP http://www.tonyawards.com/en_US/index.html

American Theatre Wing's Tony Awards 2009

29-Jun-09-Mon

2009-06-27

マイケル・ジャクソン/ライヴ・イン・ブカレスト DVD (追悼 マイケル・ジャクソン)

昨日(2009年6月26日•現地時間25日)世界に衝撃が走った。KING OF POPことマイケル・ジャクソンが亡くなったというのだ。自宅で倒れ、呼吸停止となり、救急車で運ばれたが蘇生出来なかったという。享年50歳。来月ロンドンで開かれる予定だった12年振りのコンサートを目前に控えていた矢先の悲劇である。

昨夜遅く、家に帰りがけのタクシーの中。香港のラジオから流れるのは全てマイケル・ジャクソンだった。本当に亡くなったんだなぁ…と夜景を眺めながら悲しくなった。

家に帰り、ぼくは棚に飾ってあった「マイケル・ジャクソン/ライヴ・イン・ブカレスト」"Michael Jackson: Live in Bucharest: The Dengerous Tour" のDVDをプレーヤーにかけ、彼を追悼した。

このDVDは、マイケル・ジャクソンが約350万人を動員した92年のワールドツアー“Dangerous Tour”の中から、米ケーブルテレビ・HBOでも生中継されたルーマニア・ブカレストでのステージを収めたもの。

「Jam」 「Thriller」「Billie Jean」「Beat It」ほか、全17曲を収録している。その歌、その踊り、ショウとしての素晴らしさ。マイケル・ジャクソン全盛期の最高のパフォーマンス!今見ても驚愕のステージである。ただただかっこいい。

楽曲(自身で作詞・作曲)もイイ、歌唱もイイ、踊りもイイ、ルックスもイイ。どれもこれもワンランク上なのだ。おそらくこんなアーティストは二度と出てこないんじゃないか?(少なくともぼくが生きているうちはないと思う)

(ライヴ・イン・ブカレスト オープニング JAM ↓)

ぼくは1988年、マイケル・ジャクソン2度目の来日公演の祭、東京ドーム公演に行った。
前から4番目だったので、喜び勇んで行ったのだが、なんとステージの端っこの方で、あんまステージが見えなかったのだ。あぁ。

それでもマイケル・ジャクソンの生歌と生踊りを見れ、マイケルと一緒に歌って踊って盛り上がれたというのはぼくにとって貴重な思い出である。確か、ジャクソンズのナンバーもやってくれたっけなぁ。一緒に行った、今は亡き妻も喜んでくれたしね。

マイケルより二歳年下のぼくは、同世代の彼の成長をずっと見て来た。
ジャクソン5時代のハイトーン・ボイス。人間とねずみの友情を描いた映画「ベン」('72)のテーマ。

青年となり、マイケル・ジャクソンとして出したソロアルバム「オフ・ザ・ウォール」は、ティーン・エイジャーとなり、ディスコへ入り浸ってた自分には忘れられない名盤である。初めてムーンウォークを見た衝撃は今も忘れない。

大々ヒット・アルバム「スリラー」、「BAD」、ディズニーランドの3D「キャプテンEO」… その当時のマイケルは今にして思えば絶頂だったと云えよう。

過去10年ほどは、整形や奇行、幼児虐待の話などスキャンダルにまみれ、マイケルは神が与えたもうた素晴らしい歌と踊りの才能を封印されてしまう。特に少年に対する性的虐待疑惑は彼のイメージを著しく損ねてしまった。

2005年、性的虐待無罪評決の後、ぼくは香港の地上波で放送された、1時間のマイケル裁判の検証ドキュメンタリー番組を見た。そこでわかったことは、マイケルはちっとも悪くなかったということだ。その裁判は、マイケルの自宅に招かれた男の子が「マイケルにいたずらされた」と訴えていたものだが、真実は、マイケルからお金をせびろうとした親が子供に「そう云え」と強要していたものだったのだ。

マイケルも以前にそういう疑惑を示談で済ませたりしていたので、身から出た錆とも云えるが、彼の生い立ちには、ぼくも同情するところがある。

90年代始め頃だったかと思うが、何かの音楽賞での受賞スピーチの際、彼はこう語っていた。
「私は4~5歳から音楽活動を始め、子供時代も全て芸能活動に捧げて来た。同世代の子供たちと遊びたくても遊べなかったのが辛かった…」と。

ぼくはそれを聞いた時に、マイケルが自宅に(「ピーターパン」に出てくる)ネバーランドという遊園地を作り、子供たちを招待して一緒に遊んでいた理由がわかった。

彼は、自分が子供の頃、同世代の子供と遊べなかった過去を、大人になり、大金持ちになってからとり戻そうとしていたのだ。人間は子供の頃やりたくても出来なかったことを、大人になってから補おうとする。マイケルはそれをしたかっただけなのだ。純粋な思いで、子供に戻って子供たちと一緒に遊びたかったのだろう。これは「健全な成長」が出来なかった一人の男の悲劇と云えまいか…。

話変わって、個人的なことだが、マイケルは90年代に来日した時、渋谷のタワーレコードを貸し切りにして買い物をした。その時お買い上げになった一つ、レーザーディスク「ザッツ・エンタテインメント」BOXセットは、縁あってぼくはライナーノートの手伝いをしていたので、「マイケル邸に、俺の名前の入ったものがあるのか…」と思うと、ちと嬉しかったものだ。

いずれにせよ、世界は偉大な才能を失った。過去12年にも渡りコンサートが出来なかったマイケル。その失われた時間が今となっては本当に惜しまれる。だがこのDVDのように、ぼくたちが彼に楽しませてもらった時間は永遠である。ご冥福をお祈りします。ありがとう マイケル!

"Don't stop till get enough"

Michael Jackson 1958 - 2009

27-Jun-09-Sat

ライヴ・イン・ブカレスト [DVD]ライヴ・イン・ブカレスト [DVD]
マイケル・ジャクソン

DANGEROUS~ザ・ショート・フィルム・コレクション [DVD] ヒストリー・オン・フィルム VOLUME II [DVD] ビデオ・グレイテスト・ヒッツ~ヒストリー [DVD] ムーンウォーカー [DVD] ザ・ワン [DVD]

by G-Tools

2009-06-26

「宇宙大作戦: タロス星の幻怪人(前・後編)」 The Menagerie (Star Trek: The Original Series)

「宇宙大作戦」シーズン1のBlu-rayを日々楽しんで観ている。その中のエピソードでとても切ない話があったので紹介しよう。それは「タロス星の幻怪人」(前・後編)"The Menagerie, Part 1 and 2" というもの。

主人公はカーク船長の前任、クリストファー・パイク大佐。映画版「スター・トレック」で、若きカークを宇宙艦隊に誘った船長だ。

(以下、ネタバレあり)

(予告編 前編 ↓)

パイク大佐は船長であったエンタープライズ号を降りた後、視察旅行中に巻き込まれた事故でデルタ光線を浴び、全身に重傷を負ってしまう。その後の彼は、全身不随となり、顔の半分は焼けただれ、胸から上だけ出た車椅子に乗り、イエスかノーかをブザーで知らせるという身になってしまっていた。

このことを知ったかつての部下、ミスター・スポックは、エンタープライズ号を乗っ取りパイク大佐をタロス4番星へ運ぶことを計画し実行する。タロス4番星は宇宙艦隊規則により惑星との接触を一切禁じられており、違反者は死刑という<禁じられた>惑星である。

ミスター・スポックの計画は、途中で頓挫し、エンタープライズ号船内で軍法会議にかけられる。その審理の中で、かつてパイク大佐がタロス4番星で経験したことを、映像により検証していくこととなる。

パイク大佐は、13年前、タロス4番星からキャッチしたSOSを受け、部下のミスター・スポックらと共にタロス星へ降り立つ。そこには、長年遭難した人間たちが、小さな村を形成して住んでいた。その中に一人、魅力的な若い女性ヴィーナもいた。

ヴィーナに惹かれたパイクだったが、そこで小さな村は忽然と消え、パイクはタロス星人に拉致されてしまう。
頭が異常にでかいタロス星人は、パイクとテレパシーで交信する。そこで、パイクが見ていたものは全て「幻」だったことを知る。

(予告編 後編 ↓)

タロス星人は、地球人の「標本」であるヴィーナの相手が欲しかったのだ。そのためにエンタープライズ号をおびき寄せたのである。ヴィーナも、タロス星人に脅され懸命にパイクを引き止めようとする。幻覚を見せる中で、ヴィーナは緑色のオリオン星人にまでなり、魅惑的なダンスまで披露する。

(ここからもっとネタバレあり・未見の方は注意してください)

気持ちが徐々にヴィーナにかたむくパイクだったが、自らの使命のため、エンタープライズ号へ帰る決意をする。

その時、あれほど美しかったヴィーナは、顔に傷のある背中が曲がった老婆に変わる。彼女も事故でこの星に不時着したが、タロス星人に治療してもらったため、およそ人間とは似つかわしくない姿に変わってしまっていたのだ…。

その過去を知っていたミスター・スポックはパイクの意思を確認し、自らの刑罰も省みず、パイクをタロス星に連れて行ってやろうとしたのだった。
ラスト、タロス星人は、エンタープライズ号へ交信してくる。そして、パイクを「受け入れたい」と申し出る。パイクもそれにイエスと答える。

タロス星から届いた映像には、若く美男子だった時のパイクと美しいヴィーナが仲むつまじく歩む姿が映し出される。パイクは永遠に「幻」に生き、それを見つめるカーク船長は「現実」を生きることを決意するのだった…。

なんとも切ないラブ・ストーリーではないか。惹かれあっていたのに一緒になれなかったパイクとヴィーナ。それを後押しするのが、人間の気持ちも持ったバルカン星人との混血児ミスター・スポック。結果、この案件は宇宙艦隊の中でも特例として不問とされるのだが、宇宙で出会った二人の幸せを祈ってしまったよ。

パイクを演じるのは、二枚目ジェフリー・ハンター。タロス星からの映像は、元々パイロット版「歪んだ楽園」(The Cage)で使ったもののようだ。なので、半身不随となってからのむごたらしいパイクはショーン・ケニーが演じた。ヴィーナ役はスーザン・オリバー。この役は彼女の当たり役となった。

脚本はこのシリーズの生みの親ジーン・ロッデンベリー。このエピソードはヒューゴ賞を受賞した。なぜスポックが罪を犯してまでエンタープライズ号を乗っ取ったのか、が最後にわかる構成が見事と思う。

「宇宙大作戦」の魅力は、ただのSFものではないこういったある種の<甘悲しさ>があるところである。そこが多くのファンをいつまでもひきつける要因だと思う。シリーズの中でも名作と名高い本作。未見の方はぜひ。

The Menagerie (Star Trek: The Original Series)

2009-06-20

映画 「レスラー」 Blu-ray The Wrestler (& 追悼・三沢光晴選手)

ミッキー・ローク主演の傑作映画「レスラー」"The Wrestler"ブルーレイ北米盤である。このBlu-rayは2009年4月21日に発売となり、ぼくは買ってはいたのが、映画館で観ていたのでしばらくいいか、と棚に飾っていた。

だが今日、それを出してプレーヤーにかけた。理由は、1週間前に亡くなった三沢光晴選手のことを想ったからだ…

2009年6月13日。現時点での日本プロレス界の至宝 三沢光晴選手は広島県立総合体育館グリーンアリーナのリング上で亡くなった。46歳だった。GHCタッグ選手権中、斎藤彰俊選手のバックドロップを受け、その直後心肺は停止したという。受け身のプロレスを見せてきた三沢選手が、積年の肉体的ダメージを騙しながら戦ってきたために起きた、これは悲劇と云えまいか。

2代目タイガー・マスクのマスクを脱ぎ捨て、ジャンボ鶴田をピンフォールしてから、彼は全日本プロレスのメインエベンターとなり、ノア設立後もトップレスラーとして、そして社長として常に邁進してきた。地上波NTVの中継も今年3月末で打ち切りとなり、責任感の強い、真面目な三沢社長は経営者としても心労がピークに達していたのだろうと想像する。

馬場さんのように、トシを取ってから「楽な試合」が出来るような立場にまだなってなかったのだろう。自分を超える選手を育てている過程において、まだまだリングで激しい試合をやり続けなければならないというジレンマ。若手を強く見せるための「受けのプロレス」。満身創痍だったのだろう。

90年代。三沢VS小橋の三冠戦。何度武道館へ足を運んだだろう。毎回40分も50分もノン・ストップの試合を見せてくれる、まさに激闘と云っていい名勝負の数々。あんな激しいプロレスを今でも見せてくれていたのかと思うと、ただただその<プロ>レスラーとしての志の高さに頭が下がる。

ニュースで訃報を聞いてから、ぼくはしばらく気分が落ち込んだ。おそらく多くのプロレスファンが同じような気持ちになったことだろう。ご冥福をお祈りします。ぼくは三沢選手のあのエルボーを忘れない…。

★ここから映画のネタバレあり。観てない人は読まない方がベター。★ぼくのこの映画のレビューはこれ→http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/the-wrestler-0c.html

映画「レスラー」のミッキー・ローク扮する、ランディ”ザ・ラム”ロビンソンは、心臓のバイパス手術をして医者からプロレスを止められているにも関わらず、20年前の(自分が一番輝いていた頃の)宿敵アヤトーラと戦うため再びリングに立つ。

Odoru2006096 家もなく、トレーラーハウスで生活し、疎遠となった一人娘(エヴァン・レイチェル・ウッド)ともやっと仲直りしたかと思ったら自分のダメさ加減でまた逆戻り。スーパーでの接客もキレて、肉を切らずに自分の指を切っちまう。大好きなストリップ嬢キャシディ(マリサ・トメイ)とも仲違いをして考える。「自分が戻るところはリングの上だけなんだ…」と。

試合直前、仕事をほっぽって追っかけて来て、「試合に出ちゃダメ!」と言ってくれた大好きな(そしてやっと心を開いてくれた)キャシディも払いのけ、入場曲と共にランディはリングに上がる。

盛り上がるハウス・ショウ。だが、肉体的につらく、相手選手も気遣ってくれる中、ランディはついにコーナーポストへ上がる。必殺技のダイビング・ヘッドバットを決めるために!

ポスト最上段で、ちらりとキャシディがいた方を眺める。そこにはもう彼女の姿はない。ランディは決めポーズの、サポーターを巻いた肘を叩き、そして飛ぶ。これが人生最後の自分の技と知りながら…。

かつてマディソン・スクェア・ガーデンに出ていた男が、落ちぶれて、田舎の会場でたった数百ドルのファイト・マネーで、有刺鉄線、ガラス、画びょうまみれになるデスマッチに出る。

それしか生きる道がない、とはいえ、彼はそれでも「リングに立ちたい」のだ。
レスラーは一生レスラーなんだと思う。人間的にダメな奴でも、輝ける瞬間がある職業につくという幸運。それを知ってリングの上で散ったランディは、ダイブする前に目に涙を浮かべる。その場面で、俺はまた涙が止まらなくなった。

Blu-rayの特典映像。メイキングである"Within the Ring" (約42分)を見ると、製作陣も当初から、WWEなどのメジャー団体の選手の話ではなく、インディのWXW (World Xtreme Wrestling) ROH (Ring of Honor) に出ているような選手の話にしたかったという。実際この映画に出演しているのはその団体の選手たちだ。

もう一つの特典映像は、アメリカのレスラーたちの座談会だった(約25分)。これなどは、予算が許せば、日本版発売の際は日本人レスラーたちの座談会にしてくれたらいいのにな、と思った。

ブルース・スプリングスティーンの名曲"The Wrestler"のミュージック・ビデオも付属。

映画「レスラー」は日本では、2009年6月13日(三沢選手が亡くなった日とは…)から公開中。プロレスファンは必見と云っていい名作。見逃すな!

The Wrestler (2008)

20-Jun-09-Sat

2009-06-19

「宇宙大作戦」 コンプリート・シーズン1 ブルーレイBOX "STAR TREK" The Original Series - Season 1 Blu-ray

映画「スター・トレック」の公開に合わせ、日本でもオリジナルTVシリーズ「宇宙大作戦」"Star Trek" シーズン1のブルーレイ・ボックスが発売された(2009年5月22日)。

Odoru1906095 香港在住のぼくは、子供の頃見たあの吹替えでどうしても欲しくて日本のAmazonへ注文したら、なんと2日後には家に届いたので驚いた!U.S.S.エンタープライズ級である(笑) 送料は1700円かかったが、東京へいた時も、秋葉原へ行くのに電車代がかかってたことを考えると海外でこの金額で受け取れるのは嬉しい。

このBlu-rayは7枚組で、シーズン1の全29話が収録されている。その中にはパイロット版の「光るめだま」。1968年国際ヒューゴー賞受賞「危険な過去への旅」。「タロス星の幻怪人(前・後編)」。映画「スタートレックⅡ~カーンの逆襲」('84)の礎的作品「宇宙の帝王」も含まれる。

日本でも、NHK BSでこのデジタル・リマスター版が放送されているが、このブルーレイは超キレイで、面白いのは、宇宙の特撮シーンをCGで撮り直し、よりカッチョいい画面にしているところだ。もちろん、オリジナルの古いヴァージョンも見れるのだが、高画質のブルーレイでは新ヴァージョンの方が(当然)キレイで、新たに蘇ったって感じ。

もともと35mmで撮影されていたというから、High-Def・デジタル・トランスファーしたらこれだけ高画質になるんだね。

そして音楽も、7.1ch DTS HD Master Audioに対応するため、オリジナルの楽譜通りに同じ楽器構成で録り直しているという念の入れよう。AVアンプを通してあのテーマ曲を聴くと、心が高鳴る。
(ま、ぼくは日本語吹替えが欲しくて買ったので、音声はモノラルで聞いてるのだが・笑)

「ピノキオ」の70周年記念盤Blu-rayを見た時にも思ったが、アメリカ人って「視聴覚文化」を本当に大事にしているね。映像クラシックをいつの時代にも受け入れさせようとするために金を惜しまないのはエラいと思うな。もちろん商売になるというのもあるが(笑)

Odoru1906096_2 どのエピソードも自分が子供の頃の記憶以上に面白い。これを見てから、また映画「スター・トレック」に行くと余計に楽しめるハズ。

日本では、映画版は公開3週目で興収5億円強と、なかなか苦しい戦いのようだ(同時期公開の「ターミネーター4」は1週目で10億超えている)。ぼくは最近よく思うのは、映画って、DVDやBlu-rayになったらいつでも観れるが、映画館で観れるのはホンの数週間か数ヶ月である。だからどんなホーム・シアターより大きい画面と大音響で観れる劇場で映画を楽しむのは贅沢なことだと思うんだけどねぇ。
今回の映画「スター・トレック」は、再起動完了版(笑)なので、だれでも楽しめる。ぜひ映画館で観て欲しい一品である。

ともあれ、この「宇宙大作戦」コンプリート・シーズン1は、1969年から70年にかけてTVで見ていた世代には懐かしい。値段は22,626円と高かったが、一話一話楽しんで見ている。

若山弦蔵氏のナレーション。「宇宙、それは人類に残された最後の開拓地である。 … これは人類最初の試みとして5年間の調査飛行に飛び立った宇宙船、 U.S.S.エンタープライズ号の驚異に満ちた物語である!」

(タイトルに重なる音楽) たーらーららららー♪

買ってよかった(笑)

★吹替え・字幕がいらなければ、北米盤は安いなぁ… $64.99 (約6,278円)だって。★4エピソード収録(「危険な過去への旅」「新種クアドロトリティケール」「宇宙基地SOS」「バルカン星人の秘密」)のベスト・オブ・宇宙大作戦 デジタル・リマスター版(DVD)も2009年6月26日発売。こっちはAmazonで1942円とお得。

宇宙大作戦 コンプリート・シーズン1 ブルーレイBOX
STAR TREK: The Original Series - Season 1 Blu-ray

(プロモ ↓)

19-Jun-09-Fri

仕様は以下の通り↓

続きを読む "「宇宙大作戦」 コンプリート・シーズン1 ブルーレイBOX "STAR TREK" The Original Series - Season 1 Blu-ray" »

2009-06-16

「楽園の瑕 :終極版」 Ashes of Time Redux 東邪西毒:終極版

Odoru1606092 ウォン・カーウァイ(王家衛)監督の映画「楽園の瑕 :終極版」(らくえんのきず 東邪西毒:終極版 Ashes of Time Redux)が香港でも公開になったので行く。

この映画は、1994年に香港で公開されたのだが、興行的に大失敗。その後1997年に製作会社の倒産を受け、監督のウォン・カーウァイがフィルムを回収、未使用フィルムも使い再編集ヴァージョンを製作。2008年カンヌ映画祭で招待作品として再び公開されたというもの。
香港では、今年(2009年)春の香港国際電影節(Hong Kong International Film Festival)でお披露目となり、その後劇場公開となったのだ(2009年5月27日より)。

ぼくは、2005年に香港へ来てからこの映画をDVDで鑑賞したのだが、その時の感想はこうだった。

「…… わ っ け わ か ら ん ……?」

そのHK$60ほど(約760円)のDVDは、香港での正規版だが、レーザーディスクをそのままDVDにしたため、字幕も焼き付けてあるというヴァージョンで、映像もざらついたひどいものだった。

それにも増してストーリー(ってあるのか?)が難解で、家で一人で観るにはつらい映画だったのだ。寝ちゃうしね…(苦笑)。

ま、そんなレ・ミゼラブルな印象の本作だが、カンヌで好評だったと聞き、どんなに変わってるのかを、「いっちょ確かめたろ」と劇場へ足を運んだのだった。また寝るか?面白く観れるか?

んで、「終極版」観終わった印象であるが、まず喜ばしいことは、最後まで寝ずに観れた事(笑)。それに「わけがわかった」ことである(ほっ)

Odoru1606095 「終極版」で変更された主な点は、時間が90分と短くなっている(オリジナルは100分)、音楽が録り直され、ヨー・ヨー・マが演奏している、などである。

ストーリーは混み入っている。簡単に云うと(いえるか?)、中国の武侠小説の主人公たちが、強くなるまでの間にどんなにツラく切ない”恋”をしたかというもの。

出てくる欧陽鋒「西毒」、黄薬師「東邪」、洪七「北丐」なんて人物は、よほど中国に興味がないと知らないと思う(わしも知らんかった)。彼らは著名な作家 金庸の武侠小説の主人公たちで、この映画は彼らの若き日々を描くという、ウォン・カーウァイが創作した外伝的作品なのである。

12世紀。砂漠で一人殺し屋をしながら暮らす欧陽鋒(レスリー・チャン)のもとへ「過去を忘れさせる酒」を持って現れる友人 黄薬師(レオン・カーフェイ)。その黄薬師を好きだったのに裏切られたのが慕容燕/慕容媛(ブリジット・リン)。盲目の剣士(トニー・レオン)は妻の桃花(カリーナ・ラウ)と誤解が生じたまま、孤女(チャーリー・ヤン)のために馬賊と戦う。一人修行の旅に出た洪七(ジャッキー・チュン)だが、妻がいつまでも追いかけてきて帰らない。欧陽鋒は兄の嫁となってしまった元カノ(マギー・チャン)を忘れられない…。

物語の最初と最後で繋がる構成が面白いと思う。「過去を忘れる酒」にすがりたい気持ちになるのも、人としてわかる。ウォン・カーウァイの味付けはいつも心に「痛い」のだ。

レスリー・チャンの欧陽鋒は云う。「何かを忘れようとすればするほど、心には残るものだ」「何かを捨てなければならない時ほど、心に刻みつけよ」

Odoru1606096 重なり合う関係の中でわかってくる心の痛み。どんな剣術の達人もツラく忘れがたい過去を背負っているのじゃよ、ということか。それを乗り越えて心身ともに強い人間・達人となったんだぜ、ともとれる、これはウォン・カーウァイ流ヒーロー伝説。昨今のハリウッドの「ビギニングもの」にある、過去のツラかった話のこれはハシリだったのかも知れないね(?)

1994年の初公開時、香港では武侠映画だと勘違いした観客が上映中に次々と席を立つという現象が話題になったという(パロディ映画が作られたほど)。
今回、ぼくが観た中環(Central)のIFCでも、ガラガラの館内で、ぼくの隣にいたおっさんが、20分ほどで帰っていった。伝説は今も香港で生きていたのだ!(笑)

そのぼくが観た劇場でも、2週間で公開が終わった。黄金色の砂漠。吹き抜ける風。青い空。琥珀色の湖…。リストアされた画面で観ると、クリストファー・ドイルのカメラは目を見張るものがある。が、アートとしての本作は、映画として「面白くない」のでこの「終極版」も香港での興行は失敗だったといえよう。日本では公開が難しいかもね。

DVDで観たり保存したいなら、絶対「終極版」の方がお薦め。けど、観るんなら体調がいい時に見たほうが良いよ。かなり我慢を強いられる映画だから、体力を消耗するかも…(苦笑)

Ashes of Time Redux (2008) 東邪西毒:終極版

Director Wong Kar Wai  導演 王家衛
90 mins

16-Jun-09-Tue

(予告編 ↓ 香港版)

楽園の瑕 : 終極版 (東邪西毒:終極版) (デラックス版) (香港版) DVD リージョン ALL

P1020529111

2009-06-11

「ラスト・ブラッド」 Blood The Last Vampire 血戰新世紀

Odoru1106092_2 香港でも2009年6月4日より公開になった映画「ラスト・ブラッド」"Blood The Last Vampire" へ行く。
このところ、映画館へ行くとこの映画の宣伝が凄くって、予告編やメイキング映像をガンガン流していた(下 ↓ にアップしてます)。それもそのはず、香港の会社がフランスと共同で製作しているのだから。これは香港映画と云ってもいいからだ。

予告を見ると、なんか「キル・ビル」ぽくって面白そうで、おっさんのぼくも密かに期待して公開を待っていたのじゃよ。

Production IGのアニメーション「Blood: The Last Vampire」は、評価が高いので知ってはいたが、ぼくは観ていない。
なので、比較は出来ないが、この実写版、あまり褒められた出来ではなかった…。香港の観客もあまり好感を持っていないようで、Yahoo Hong Kong の評価も 2/5の★である(2009年6月11日現在)。

1970年の日本。ベトナム戦争の最中。米軍関東基地内のアメリカン・スクール。小夜というセーラー服の少女が、この世の鬼を退治するためにやってきた。
小夜は人間と鬼のハーフである。父を殺された仇をとるため、形見の刀を背負い、鬼退治に精をだす。いつか、父を殺したオニゲンの首をとるために…。

Odoru1106096_2 出演は、主役の小夜に「猟奇的な彼女」の韓国女優チョン・ジヒョン。小夜の育ての親にして剣の師匠に倉田保昭。仇役のオニゲンに小雪。小夜のスクール・メイトにアリソン・ミラーといった布陣。

監督は「キス・オブ・ドラゴン」のクリス・ナオン。アクション監督はコーリー・ユン。

セリフは殆ど英語。チョン・ジヒョンは英語が素晴らしくうまい。演技も上手。表情もイイ。だが、日本語はヘタだった(笑)

この映画の最大の問題は、チョン・ジヒョン以外の演技が見てらんないところ。特に米軍基地の面々とCIAのグラサン軍団(白人キャスト)がヒドい。
ジヒョンちゃんは、アクションもこなし、本当に頑張ってるので、ちょっと同情するね(メイキングを見ると、ワイヤーで吊らされて頭ぶつけたりして大変そうだったし)。

あと、演出もCGもイマイチ。ジヒョンちゃんや倉田保昭のせっかくのアクション・シーンも、編集がヘタで見ててよくわかんないし(笑)。

アニメのこの作品が大好きというタランティーノなんかに撮らしたらもっと面白くなっていただろう。けど、タラちゃんなら製作費が10倍かかったろうけどね(笑)

Odoru1106097_2 ストーリーもなんか幼稚な感じがして、ぼくは、スクリーンを眺めながら、小学校時代に観た「吸血鬼ゴケミドロ」('68)などの松竹怪奇特撮映画を思い出した。なんとなくテイストが似ているのだ。

だからこれは思い切って小学生向きの映画に徹して作ったほうが面白かったかもしれないね。そうすれば、いきなりCGで人間から変わってしまうレイ・ハリーハウゼンのような動きがぎこちない鬼も楽しく観れたかもしんないから(笑)

1970年の日本を再現しようと頑張ってるのはわかるし、町並みのセットなど面白い絵になっているのだが、映画として作り手が ちとB級すぎたね。残念な出来でした。ハイ。

日本でも2009年5月29日より公開中。オニゲンは黒い血!

BLOOD THE LAST VAMPIRE (2009) 血戰新世紀

Director Chris Nahon
90 mins

11-Jun-09-Thu

(予告編 ↓ 香港版)

(メイキング ↓ 香港版)

2009-06-10

「ミクロの決死圏」 DVD Fantastic Voyage Special Edition

昨日(2009年6月9日)の深夜、NHK BS2で60年代SF映画の傑作「ミクロの決死圏」が放送された。ぼくは観る事が出来なかったので、棚からDVDを出してきて久しぶりにプレーヤーにかけてみた。

Odoru1006097 我が家には2枚の「ミクロの決死圏」のDVDがある。1枚は日本版(70年代に東京12チャンネル・木曜洋画劇場でやったときの吹替え付)、そしてもう1枚は2007年発売の北米版である。

この北米版は、日本版にはない特典映像が付き、映像もリストアされている。
特典映像では、CGのない60年代に、当時の特撮技術ではとても難しかった体内の映像を創り出した話や、音楽のレオナード・ローゼンマンの素晴らしいスコアの話などが聞ける。
予告編やポスターギャラリー(日本のポスターも)などもあり、ぼくのような「ミクロの決死圏」ファンには嬉しい内容である。

アメリカに亡命した科学者がスパイ一味の襲撃を受け、脳内出血でコーマ状態となる。彼を救うため集められた科学者グループは、特殊潜航艇プロテウスに乗り込みミクロ・サイズとなり体内に入る。スパイの妨害などの困難にあいながら、果たして制限時間1時間で、内部からの手術が成功できるのか?

もうこの手術を内部から行う、しかも医者や科学者をミクロ化して!というアイデアが秀逸である(これ以前に、手塚治虫先生がアトムのエピソードで同じアイデアの物語をアニメ化しているので、それがネタ元との話もあるが)。

Odoru1006098 60年代当時、ちょうど小学生だったぼくは、この映画がホントに観たかったが、親につれてってもらえず(商売してて忙しかったので)、町に貼られたこの映画のポスターを学校帰りに穴があくほど眺めていたことを思い出す。

そんな憧れの映画を観れたのは、中学の頃、上に書いた吹替え版のテレビだった。小さなブラウン管でも、「体内って、血管の中って、こんなになっちょるのか?」と口をあんぐりあけて観た。途中、空気が足らなくなったり、仲間の一人がスパイだったりと、脳にたどり着くまでにもハラハラする場面がいっぱいで本当に面白い映画だと感心した。

宇宙船のような潜航艇のフォルムもかっちょいいし、ラクエル・ウェルチも、白い潜水服のようなピタッとした衣装で胸元を強調し、出来ることならその服のジッパーになりたいと思わせるほど、少年の心をワクワク・ドキドキさせてくれたものだ(笑)

アカデミー美術・装置賞、特殊視覚効果賞を受賞しただけあり、その美術は特筆すべきものがある。まさに原題の"Fantastic Voyage"(幻想的な航海)である。

この映画に影響されたものとしては、遠藤周作先生の短編小説で、「初春夢の宝船」というのがある。これは、医師が憧れの女性患者の体内にミクロ化して入るというものだが、女性の病気は便秘なんである(笑)。途中ギョウチュウと戦ったりして、おならと共に体外へ脱出するんじゃなかったかな?(笑) 高校の頃読んで笑った記憶がある。

Odoru1006099 70年代にアメリカ製アニメ「ミクロ決死隊」なんてのもTVで放送されたが、これはミクロ化するというアイデアだけ借りて、出てくるのはミスフラワーだの、ミスター念力だの、わけわからん奴らで、インド人みたいなミスター念力に至っては、どんな難問も手をかざして「ネンリキ!」と太い声で言うだけで解決しちゃうという「ミクロ」とはあんま関係ねー話で、さすがのぼくも毎回見なかったのも思い出した(笑)

真面目なもの(?)としては、プロットを拝借したジョー・ダンテ監督の「インナースペース」('87)なんてのもありましたな。

CGに慣れた、現代の若者には古臭く映るかも知れないが、この「ミクロの決死圏」は60年代の大傑作SF冒険映画。映画のクラシックとして、観ておいて損はないと思うよ。

現在ジェームズ・キャメロン製作、ローランド・エメリッヒ監督による本作のリメイクが進行中と聞く。これも楽しみだね。誰がラクエル・ウェルチの役をやるのかも(笑)

Fantastic Voyage (1966) Special Edition

Director Richard Fleisher
100 mins
Dolby Digital 2.0 Stereo
Aspect Ratio 2.35: 1
Region 1

10-Jun-09-Wed

(予告編 ↓)

続きを読む "「ミクロの決死圏」 DVD Fantastic Voyage Special Edition" »

2009-06-07

「スター・トレック」 STAR TREK

Odoru0706092 香港でも2009年6月4日より始まった映画「スター・トレック」"STAR TREK" へ行った。面白いという評判は聞いていたが、本当に面白い!これは傑作だった。TVの「宇宙大作戦」以来、数十年を経て、新たな "スタートレック・シリーズ" の始動である。REBOOT完了!って感じ。

ストーリーを簡単に言うと、酒と喧嘩に明け暮れる、後にエンタープライズ号の船長となるジェームズ・T・カークは、偉大な宇宙艦隊士官だった父の話を、かつての同士クリストファー・パイク大佐から聞き宇宙艦隊アカデミーへ入隊する。艦隊でもトラブルメーカーとなるカークだが、緊急事態でU.S.S.エンタープライズ号の出発に際し、レナード・マッコイの機転でうまく乗り込むが、ウマが合わないスポックと衝突を繰り返し、船から追い出されるハメになる…。

つまり、これは「いかにしてカーク船長やスポックはエンタープライズ号のチームになったのか?」という物語。

映画ってのは、”主人公が映画の始まりと終わりで変ってないと(成長してないと)いけない” とはイイ映画かどうか判断する一つの指標であると云われるが、この映画の主人公カークは、最初はその辺のふざけたあんちゃんが、ラストはなんとも頼もしいリーダーとして成長した姿を見せる。
敵対するスポックも、その出自の不幸を背負って生きることを宿命づけられた男として、抑えきれない感情をどう処理していいのかという苦悩を見せる。

Odoru0706095 カークを演じるのは、クリストファー・パイン。どっかで観た事あるよな?と思い出したら、カリフォルニアで、シャトー・モンテリーナという名ワインを造った男たちを描いた「ボトル・ショック」('08)(未)で、シャトーの息子のきったないあんちゃんを演じてた男。今回はあの<悪い目つき>が良い方へ作用し、何とも魅力的な男に映る。
スポック演じるザカリー・クイントは、ぼくは初めて見たが、顔立ちが初代スポックのレナード・ニモイによく似てて、若い時のスポックを演じるにはぴったりである。

テレビ版「宇宙大作戦」では、チャーリーと呼ばれていた機関主任スコッティを演じるのが、「HOT FUZZ/ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-」('07)のサイモン・ペッグ!彼は「スター・ウォーズ」の大ファンとして知られているが、今回は「スタトレ」に出れた!と喜んでる感じが画面から出てて、観てるこっちも嬉しくなったよ(笑)

Odoru0706096_4 ウフーラ(テレビ版ではウラだったよね)を演じるのは黒人の美人女優ゾーイ・サルダナだが、たまたま昨夜(2009年6月6日・土)香港の地上波で放送していた、トム・ハンクスの「ターミナル」('04)を眺めていたら、(ぼくは忘れていたのだが)空港で働く職員として出演してて、「スタトレ・ファン」という設定だったので笑った。

ネタバレとなるかも知れないが、未来から来た老年のスポックを「宇宙大作戦」の初代レナード・ニモイが演じるのが嬉しい。入れ歯なのか、喋るとちょっと滑舌は悪くなっているが、初期のシリーズを知ってる人間には嬉しかった。

監督のJ.J.エイブラムスはスタトレ・ファンではないらしいが、脚本の一人、ロベルト・オーチーは大オタクだそうだ(もう一人はアレックス・カーツマン)。色んな場面で、ツボを得たセリフも入り、テレビ版「宇宙大作戦」を観ていた40代以上の人間も楽しめる作りになっているのがニクい。「スタトレ」導入編として、新規のスタトレを知らない、特に若い人にもわかり易く、しかもアクションにつぐアクションで面白く作られているのも良い。

Odoru0706097 ラスト、U.S.S.エンタープライズ号の司令室に、ミスタースポック、ドクターニモイ、ミスターカトー(笑・本当はヒカル・スールー)などが集結し、カーク船長と共に出発し、そこにあの「宇宙大作戦」のナレーションとテーマ音楽がかぶさるところは鳥肌ものだったよ。

おそらくこの夏のイチオシの一本!久しぶりに早く続きが観たいと思わせる映画(来週続きが観たい・笑)。去年の夏は、「ダークナイト」だったが、今年はこれだね!映画館でぜひ!見逃すな!

日本では2009年5月29日より公開中。

STAR TREK (2009)

Director J.J. Abrams
127 mins

07-Jun-09-Sun

(予告編 ↓)

2009-06-04

「川喜多夫人への花冠」 A Wreath for Madame Kawakita

Odoru0406092 川喜多かしこさん生誕100年を記念して、現在香港のフィルム・アーカイヴでは、日本映画の名作22本を上映しているので紹介しよう(2009年5月28日~7月12日)。

川喜多かしこさんというと、若い人は知らない人も多いと思うが、「映画の母」とも呼ばれる日本の映画界に多大な貢献をされた方である。

戦前から、東和株式会社(後の東宝東和)で夫の川喜多長政氏と名作洋画を紹介し(「禁じられた遊び」、「第三の男」、「天井桟敷の人々」など)、晩年は世界の映画祭の審査員も務め、日本映画を世界に紹介することに尽力された方なのだ。

今回上映されているのは、川喜多賞を受賞した8人の日本人映画監督の計22作品。ほぼニュープリントでの上映のようだ。

2009年6月6日(土)には、香港中文大學日本研究の邱淑婷教授(Prof. Kinnia Yau)他のセミナーも開かれる。

お亡くなりになった後も、こうやって世界に日本映画の名作を紹介し続けている(川喜多記念映画文化財団)というのは頭が下がる。

上映作品は以下の通り:

◆黒澤明監督
   「羅生門」(1950)、「生きる」(1952)
大島渚監督
   「白昼の通り魔」(1966)、「少年」(1969)、「儀式」(1971)

新藤兼人監督
   「裸の島」(1960)、「鬼婆」(1964)、「午後の遺言状」(1995)

今村昌平監督
   「赤い殺意」(1964)、「復讐するは我にあり」(1979)、「黒い雨」(1989)

羽田澄子監督(ドキュメンタリー)
   「早池峰の賦」(1982)、「山中常盤」(2004)
市川崑監督
   「満員電車」(1957)、「炎上」(1958)、「おとうと」(1960)

山田洋次監督
   「家族」(1970)、「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」(1976)、「幸福の黄色いハンカチ」(1977)

鈴木清順監督
    「東京流れ者」(1966)、「殺しの烙印」(1967)、「ツィゴイネルワイゼン」(1980)

詳しくは、香港政府 康樂及文化事務署(Leisure and Cultural Services Department)のHP にて。

http://www.lcsd.gov.hk/CE/CulturalService/filmprog/english/2009wmk/2009wmk_film.html

A Wreath for Madame Kawakita

04-Jun-09-Thu

2009-06-02

「CATS 香港公演」 CATS HONG KONG 2009

アンドリュー・ロイド=ウェバーの傑作ミュージカル”CATS”の香港公演が行われているので行ってきた(2009年5月15日〜)。

長年観たいなと思っていたミュージカルだったので、今回の香港公演は楽しみにしていたのだ。

会場は、湾仔(ワンチャイ)にある、香港演芸学院(Hong Kong Academy for Performing Arts)内にあるリリック・シアター。

Odoru0206092 劇場内の舞台は、一番奥に月夜が見え、その周りは都会のゴミ置き場。中に香港ナンバーの車のプレートなんかもあり、ゴミは舞台からはみ出している。舞台下には水道管も見える。

場内が暗くなり、キャッツたちが登場する。舞台の後ろから走ってくる猫たち。

ぼくは、一階通路側に座っていたので、2匹の猫に肩をたたかれ、驚かされた。猫が通路に来るという話は聞いていたが、いきなり後ろからだったのでびっくり。

ゴミの中や、水道管からも出てきた猫たちが集まり、歌いだす!踊りだす!

1981年初演のミュージカルだけあって、楽曲のアレンジにいささか古めかしいものもあるが、さすがに世界中で大評判をとっただけあって、素晴らしい舞台である。

アクロバティックなダンスから、タップダンスまで見せる。ロックン・ロールやオペラも聴かせ、名曲「メモリー」を唄う場面はじーんと来たなぁ…。

ロンドン・キャストと聞いていたのだが、パンフレットを買うと、インターナショナル・プロダクションとあり、オーストラリアの役者が中心のキャストだった(グリザベラ=デリア・ハンナ)。それでも充分素晴らしい一級のパフォーマンスである。

考えたらロンドンもブロードウェイも「CATS」の上演終わってるしね(笑)

制作のLunch Box Theatrical Productionは、イギリスに本部を置き、ミュージカル等の公演をアジア、オセアニア地区で行っている会社のようである。

劇中も何度か、舞台から猫たちが客席に降りて来る。しょっぱなに驚かされたぼくは、次から「猫ひろし」で対抗し、「にゃー!!」と叫んでいたのだが、白人のキャストに通じるわけもなく、一匹のメス猫は泣いてる仕草をしていたよ(笑)

それでも最後は、また来てくれてひざをぽんぽん叩いてサヨナラをして行った。

休憩をはさんで、約2時間45分。ホント客を楽しませるという意味でよく出来た演出であった。リピーターがいるというのもうなずける。

香港でもヒットしているようで、当初5月31日までの予定が、2週延び、また 1週延びた。

一緒に行った11歳の娘も大興奮で、帰りがけこう言った。

「一生に一度は観ないと損するね!」

帰路のハイウェイを運転中、香港の夜景の中に見える月を眺めながら、とても幸せな気分になった。楽しい夜だった。

香港では、2009年6月21日まで上演中。香港在住の方は観ないと「損する!」と思う。素晴らしいミュージカルです。 Highly recommended!

(Hong Kong Ticketing) http://www.hkticketing.com/eng/

Lunchbox Theatrical Productions and David Atkins Enterprises
               in association with The Really Useful Group
                                       Presents

                                       C A T S

                       Music by Andrew Lloyd Webber
Original Production by Cameron Mackintosh and The Really Useful Group

First performance 15th May 2009, Lyric Theatre, Hong Kong Academy for Performing Arts, Hong Kong

(Cast) ↓

続きを読む "「CATS 香港公演」 CATS HONG KONG 2009" »

« 2009年5月 | トップページ | 2009年7月 »

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ