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2009年4月

2009-04-28

「ノウイング」 KNOWING

Odoru2804092 ニコラス・ケイジ主演の新作映画「ノウイング」"KNOWING"へ行く。香港では2009年4月16日から公開になった。

1959年、米・マサチューセッツに新設された小学校。生徒達は50年後に開けるタイムカプセルに入れる未来の予想図を描いていた。チャイムがなっても狂ったように筆を止めない女子生徒 ルシンダ(ララ・ロビンソン)。強引に紙を取り上げた教師は、そこにびっしりと書かれた数字の羅列を見てけげんな顔をする…。

50年後。タイムカプセルを開け、ルシンダの封筒を手にした少年 ケーレブ(チャンドラー・カンタベリー)は、間違ってそれを家に持って帰ってしまう。マサチューセッツ工科大学で天体物理学を教える父ジョン(ニコラス・ケイジ)は、そのことを叱るが、その数字の羅列を眺めているうちにある奇妙な法則を発見する。

例えば、”911012996”とは「9月11日 2001年 2996名死亡」という意味ではないか?その紙に書かれた他の数字も、過去の世界の大惨事の日付と犠牲者の数とことごとく一致するのだ!?

女の子はなぜこの数字を書いたのか?ここに書かれた、これから世界で起こりうる惨劇は何なのか?そして父子の運命は?…

(ここからは、ちとネタバレがあるので、ご注意のほど)

ぼくはこの映画は、そういった謎解きのSF・サスペンス・スリラーと思ったので興味をもって観に行ったのだが、そこからは、黒いコートを着た謎の男たちが、子供をさらいに来て、ちょっとオカルト的な展開になり、ラストは地球終末のディスアスターものとなる。

Odoru2804095 ニコラス・ケイジの父子と、ルシンダの娘ダイアナ(ローズ・バーン)とアビー(ララ・ロビンソン)母子が、あまりに無防備に子供をさらわれ、謎の男たちの正体も、驚くというより、「えっ?しょーゆーこと」というもので、ぼくは正直脱力した。

途中から話が論理的ではなくなり、最後はそんなオチか… という感じ。せっかく飛行機墜落シーン(ワンカット!)など面白いシーンがあるのにな。

なんか、最近は<安い見世物小屋>と化しているナイト・シャマランの映画を観たときと同じような「だまされた感」でいっぱいになるのだ(笑)

ラストのユートピアみたいな映像を眺めながら、「この監督(「アイ、ロボット」のアレックス・プロヤス)は何か悪い宗教に入ってて、変なメッセージをこの映画を使って発信しているんじゃないのか?」と邪推してしまったよ。

Rotten Tomatoesでも、34%(2009年4月28日現在)とビミョーな評価。
好きな人はとても気に入ってるようであるが、ぼくにはそれは「洗脳されたんじゃない?」としか思えなかったな。
こんなことなら、ぼくはこの映画を”ノウイング”しなくてもよかった、ってな感じである(笑)

日本では、2009年7月19日から公開。

KNOWING (2009)

Directed, Co-Produced & Co-Written: Alex Proyas
121 mins

(予告編 ↓)

28-Apr-09-Tue

2009-04-26

「恋する惑星」 Blu-ray クライテリオン・コレクション Chungking Express (重慶森林)

Chungking Express [Blu-ray]
Chungking Express [Blu-ray]

王家衛(ウォン・カーウァイ)監督の1994年の映画「恋する惑星」"Chungking Express"(重慶森林)がクライテリオン版ブルーレイとなって発売された(2008年12月16日)。

クライテリオン・コレクションが初めて出したブルーレイ作品がこれ。さすがに香港のHMVではスペースをとって売られており、ぼくもDVDを既に持っているが、好きな映画なので、また買ってきてしまったのだ。

ハンドカメラ、ストップモーションを多様した、スタイリッシュで流麗なカメラワーク(撮影:クリストファー・ドイル、アンドリュー・ラウ)。製作費がかかっている映画ではないが、その独自のムウドと映像美で世界を魅了した香港映画の傑作の一本。

この映画はファンが多く、クエンティン・タランティーノも本作に惚れ込み、自分でアメリカの配給権を獲得。ローリング・サンダーという会社からDVDも出した(ぼくが持ってるのはこのDVD)。特典映像でタランティーノ自ら解説を入れているほど。

B000065V38 Chungking Express
Christopher Doyle
Miramax  2002-05-21

by G-Tools

今回のブルーレイは、さすがにクライテリオンだけあって、High-Def用にリストアされた画像が見事に美しい(ウォン・カーウァイ監修による、High-Defデジタル・トランスファー。DTS-HD Master 5.1)。英国でも本作のBlu-rayが発売されたが、DVD Review誌によると、クライテリオン版の方がより高画質とのこと。

2つの恋の物語でシンプルに構成された本作。失恋した刑事223号(金城武)は、金髪、サングラス、トレンチコートの怪し気なドラッグ・ディーラーのオンナ(ブリジット・リン)と重慶大厦で出会う。スチュワーデス(チャウ・カーリン)の彼女とうまくいってない警官633号(トニー・レオン)は、ケバブを売るファスト・フード店<Midnight Express>で、店員のフェイ(フェイ・ウォン)と出会う。

前半は、九龍サイド 尖沙咀(チムサーチョイ)にある雑居ビル重慶大厦(チョンキン・マンション)が舞台だ。映画にも出て来るようにインド系商店が多く、このビルの中にあるインドカレー屋はウマい。先日初めて連れていってもらったのだが、安くて超うまかった。上はバックパッカーには有名な安宿が多いが、日本人の若い娘さんにはヤバくてお薦めしない(笑)

Odoru2604096 後半は、香港サイドの中環(セントラル)に移る。九龍・尖沙咀から地下鉄で二駅で、フェリーでも行き来できるので、無理な話ではない。
ケバブのファスト・フード店は香港では色んなところにあるので、舞台となる<Midnight Express>(前半にも登場)はどの店かはわからない。トニー・レオンが住む長ーいエスカレーター横のアパートは、撮影のクリストファー・ドイルが実際に住んでいた部屋である。そこから、バーが密集している蘭桂坊(ランカイフォン)はすぐそばで、トニー・レオンがビールを飲みフェイを待つバー<California>もある(今は改装して内装は変っているが)。

特典映像で、ウォン・カーウァイ監督が「自分の映画は他の香港映画とはスタイルが違う」と語っているように、彼の映像表現はヌーベルヴァーグのような、一見意味のないようなカットを繋いでいき意味をもたせる方法をとっている。だから、香港人には「わけがわからない」「西洋人向け」と云われ、ヨーロッパでは絶賛されるのだろう。

警官のトニー・レオンの部屋に勝手に入って掃除するストーカーまがいのフェイ・ウォンがかわいい。この映画のファンが多いのもよくわかる。
金城武は、この映画で、広東語、中国語、日本語、英語を話す。ブリジット・リンは最後まで、サングラスをとらない。
ぼくが一つだけ笑ってしまったのはトニー・レオンが部屋で着ている下着がまっ白いブリーフだったこと。これも香港ではリアリティがあるとはいえ、カッコいい映像の中で、なんかかっこわるかったなぁ(笑)

"Do you like Pineapple?"

Chungking Express (1994) 重慶森林(Chung Hing Sam Lam) The Criterion Collection Blu-ray

Written and Directed by Wong Kar-wai
102 mins
Color/Stereo
In Cantonese and Mandarin with Optional English Subtitles
1.66: 1 Aspect Ratio

B001EOQCKS Chungking Express [Blu-ray]
Criterion Collection  2008-12-16

by G-Tools

(Blu-ray Special Edition Features)
New, Restored high-definition digital transfer with DTS-HD Master 5.1 soundtrack supervised by director Wong Kar-wai
Audio commentary featuring noted Asian cinema critic Tony Rayns
Episode excerpt from the British television series Moving Pictures featuring Wong and cinematographer Christopher Doyle
U.S. theatrical trailer
New and improved English subtitle translation
PLUS: A booklet featuring a new essay by critic Amy Taubin

【関連記事】 「マイ・ブルーベリー・ナイツ」

26-Apr-09-Sun

B000EZ82Y2 恋する惑星 [DVD]
ウォン・カーウァイ
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン  2006-06-23

by G-Tools

2009-04-23

「バーダー・マインホフ 理想の果てに」 Der Baader Meinhof Komplex

Odoru2304092_2 映画「バーダー・マインホフ  理想の果てに」"Der Baader Meinhof Komplex"(英題 The Baader Meinhof Complex)が香港でも公開になったので行く(2009年4月16日から)。

この作品は、本年度ゴールデン・グローブ賞、米アカデミー賞でも外国語映画賞にノミネートされたドイツ映画である。70年代のドイツ赤軍を描いた力作であった。

何かこのところ、70年代にあった歴史的な事象を再考するような映画が多い。
ショーン・ペン主演の「ミルク」、ウォーターゲート事件の「フロスト×ニクソン」など。日本でも若松孝二監督が「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」を撮った。

ただ、その手の映画は、歴史的事実を映画にしているので、その「事実」を知っているかどうかで、映画の興味も全く違ったものになってしまう。

「ミルク」は伝記映画なので、予備知識なしで観れるが、上述の「フロスト×ニクソン」はウォーターゲート事件を、「実録・連合赤軍~」は日本の赤軍派のことを知らないとおそらく面白さは半減するだろう(ていうか、理解不能かも知れぬ)。

この映画も、「ドイツ赤軍」と恐れられた70年代の若者の革命闘争を描いており、予備知識がないとちと辛い映画だ。
本来映画を観る前に、ネタバレはよくないが、この手の映画は、歴史的事実なので、逆に知って観た方がベターである。

おそらく日本では「団塊の世代」以上の人なら、ある程度歴史的認識を持ってこの映画を観れるだろうが、ぼくのようなその一つ下の世代や、ネット世代と呼ばれる若い人たちは知ってるようで知らない「近代史」じゃないかと思うのだ。

だから、「ドイツ赤軍」(RAF)とか、「バーダー・マインホフ・グルッペ」や「ドイツの秋」でググってみて、予習をしてから映画館へ行くことをお勧めする。

Odoru2304095_2 かくゆうこのぼくも、わからないところも多々あり、それに(英語の)字幕・字幕で、観てていささか疲れた。始まって90分くらいは、革命闘争の動きもあるため見せ場もあるが、それ以降(上映時間150分)は、刑務所と裁判がメインで、ちと眠くなったのも事実(苦笑)である。

ま、自分の反省の意味も込めて、これから観る人のために(日本では、2009年7月4日公開予定)、簡単な解説を試みてみよう。

まず、「バーダー・マインホフ」とは人の名前である。

1967年のイランのシャー(亡命後はパーレビ国王と呼ばれた王)西ドイツ訪問に端を発した暴動により、1968年、一部の過激な若者たちのリーダー アンドレアス・バーダー(モーリッツ・ブライブトロイ)と左翼雑誌の女性ジャーナリスト ウルリケ・マインホフ(マルティナ・ゲデック)が中心人物となり、「バーダー・マインホフ・グルッペ」と名乗る、反帝国主義、反資本主義、反米を旗印とした極左地下組織が形成された。

彼らは、時の政治家、権力者などを「ブタ野郎」と呼び「死んでもいい奴ら」と言い放ち、目的のためには手段を選ばず、銀行強盗、爆破、窃盗などあらゆる犯罪を犯しながら膨張していく。

1970年には、ドイツ赤軍(RAF)となり、主要なメンバー達はレバノンにてパレスチナ解放人民戦線より戦闘訓練を受け、その結果あらゆる武器を使用・調達できるようになり、また強力な爆弾の製造方法も学ぶ。

Odoru2304096 1972年、ドイツ各地で様々な爆破事件を起こす。その結果、主要なメンバーは逮捕され、刑務所に収監されるが、その後も残党により様々なテロ活動は続けられる。だが、リーダーを失ったグループは徐々に秩序を失っていく。

1976年、絶望したマインホフは刑務所内で自殺する。

1977年、残党は刑務所内の仲間の解放を要求するため、ドイツ経営者連盟会長ハンス=マルティン・シュライヤーを誘拐する。政府から要求をはねつけられたドイツ赤軍(RAF)は、ルフトハンザ機をハイジャックする。この「ドイツの秋」と呼ばれるテロ活動は、ハイジャック犯射殺という形で失敗に終わり、それを知ったバーダーらは獄中でピストル自殺を遂げる…。

この映画は、決して「ドイツ赤軍」の面々を英雄視して描いていない。あえて、冷徹に時代を見つめるようなスタイルで、61歳の監督ウリ・エデルは歴史的事象を追っている。

「若者の暴走」というにはたやすいが、アナーキーなバーダーとその彼女エンスリン(ヨハンナ・ヴォカレク)の60年代文化の象徴のような関係。2人の可愛い娘がいながら、革命闘争という名を借りたテロに「堕ちていく」インテリのマインホフ…。

日本語題名の「理想の果てに」という言葉が、観終わったあと本当に理解出来る。
70年代、世界中で起きた若者の「革命」。その結果が、現代社会に何を与えたというのか?
そのことを考えるには貴重な映画と云えまいか。

DER BAADER MEINHOF KOMPLEX (2008) (The Baader Meinhof Complex)

Director: Uli Edel
150 mins

(予告編 ↓)

23-Apr-09-Thu

2009-04-21

「センチメンタル・アドベンチャー」と「グラン・トリノ」 Honkytonk Man & Gran Torino

クリント・イーストウッド監督・主演の傑作映画「グラン・トリノ」。日本での公開(2009年4月25日)が近づいているが、同じイーストウッドが、1982年に監督・主演した「センチメンタル・アドベンチャー」"Honkytonk Man"をご存知か?この映画は、ひょっとしたら今回の「グラン・トリノ」のルーツかも知れない、イーストウッドの「男修行」の物語なのだ。

ぼくが、映画「グラン・トリノ」('08)"Gran Torino"について、稚拙な感想文をこのブログでアップしたところ、月刊誌「映画秘宝」などでも活躍されている 娯楽映画研究家 佐藤利明さんからコメントを頂き、この”「センチメンタル・アドベンチャー」みるべし”とのことだったので、日本に一時帰国した時に、1500円のDVDを買い求めたのだった。

「センチメンタル・アドベンチャー」('82)は小品ゆえ、日本ではロードショー公開もされず、二本立ての添え物的扱いを受けた映画なのだが、その評価は映画ファンの間では有名で、ぼくも(正直)名のみ知っている映画の一本だったのだ。

大恐慌時代。売れないカントリー・シンガー レッド・ストーバル(クリント・イーストウッド)は、カントリー&ウエスタンの祭典”オープリー”のオーデションへ出るため、ナッシュビルを目指していた。16歳の甥っ子ホイット(クリントの実の息子カイル)は叔父さんのことを尊敬し、運転手となり一緒にナッシュビルを目指す…。

歌と酒に生きてきた男レッド。農家で生まれた甥っ子ホイットにとって、そんな風来坊の叔父さんはかっこよく映る。これはそんな少年が、おじさんと旅を続けることで「男」になっていくロード・ムービー。

今から27年も前の映画である。古臭さは仕方がないところだが、味のある一品であった。

今でいうヒュー・ジャックマンのような、(まだ)二枚目のクリント・イーストウッド(当時52歳)が、売れないカントリー・シンガーを演じる。ギターを片手に歌うところは、決して美声とは言えないのだが、味わい深い声で渋くてイイのだ。

結核におかされ、時間がないことがわかってるレッドが、男として、そしてミュージシャンとしての最後の「生きザマ」を甥っ子に見せてやる。その姿にグッとくる。

旅の途中で、叔父さんがホイットに商売女を抱かせてやるところなんざ、実の親子が演じているというのをわかって観てるとホント可笑しい。(クリントならやりそうだし・笑)

そのホイットを演じた、カイル・イーストウッド君は、その後ジャズ・ミュージシャンとなり、四半世紀後「グラン・トリノ」では音楽を担当する。名曲「グラン・トリノ」のひとくさりを、父のクリント・イーストウッドが渋く歌うところも泣かせるんだよなぁ。

この「センチメンタル・アドベンチャー」では、旅の途中まで、おじいちゃんも一緒に旅をする。夢を求めてやっては来たが、死ぬのなら故郷で死にたいと思う旅。孫との別れのシーンも切ない。

クリント・イーストウッド監督作に流れる”死生観”というものが、初めて出たのがこの映画かも知れない。そういう意味で貴重な作品と云えまいか。

そして、「グラン・トリノ」では、78歳のクリントが、人生の終焉を迎えるにあたって、隣に住む、最初は差別し、毛嫌いしていたアジアの青年に男の「生きザマ」を見せてやる。

かつて、西部劇などではよく見られた、大人が若者を「男」にしてやる話。男修行を現代劇で、こんな形で見せられると、もう若くはなくなった男はたまらないわけだ。

日本でも、「七人の侍」での勘兵衛や勝四郎の関係。「男はつらいよ」の寅さんと甥っ子の満男の関係など、男修行の話は多い。

かつては若者の立場で観ていたそういった映画を、年を重ね、いつしか大人の立場で観た時、男は知るのだ。年をとって、若者に教えているようで、じつは教えられているんだということを…。

トシをとっても成長することは出来る。変わることは出来るんだ、ということ。人は死んでも、その人の”影響”は永遠に残るのである。

「グラン・トリノ」は、旬の映画である。アメリカ始め、世界的な不況の時代の今こそ観るべきもの。この映画は名作として、後世残る映画だろうが、この現代の「空気」の中で味わうべき名品である。映画館でぜひ。

【関連】 「グラン・トリノ」 Gran Torino
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-8ad8.html

HONKYTONK MAN (1982) DVD

Director Clint Eastwood
123 mins
Dolby Digital
Region 2

21-Apr-09-Tue

2009-04-20

第二十八屆香港電影金像獎 (第28回香港映画賞) The 28th Hong Kong Film Awards

Odoru2004098_3 第二十八屆香港電影金像獎(第28回香港映画賞)"The 28th Hong Kong Film Awards"の授賞式が昨夜(2009年4月19日)香港のTVで録画中継されたので見た。

ぼくはこの中継をやっていることを忘れてて、途中から見たのだが、たとえ言葉がわからなくても、ショーとして結構面白くて(少なくとも日本アカデミー賞より面白い・笑)毎年楽しみにしているのだ。

今年も、総合司会は「無間道」《インファナル・アフェア》のヤクザの親分役でおなじみの曾志偉 (エリック・ツァン)だった。彼は香港ではコメディアンとしても有名で、とても人気があるのである。

ぼくが見たのは、音響効果賞あたりからなのだが、”チェッベェ”の受賞が続いて、ちょっと驚く。”チェッベェ”とは「赤壁 」《レッドクリフ》(Red Cliff)のことで、Part 1は香港ではあまり評判がよくなかったものだからね(笑)。

その「赤壁」《レッドクリフ》は、最優秀音楽賞(Best Original Film Score)も受賞。作曲は、日本人の岩代太郎氏だが、会場には現れず。
Odoru2004096_6 最優秀歌曲賞(Best Original Film Song)は、「畫皮」(Painted Skin)の藤原育郎氏が受賞。日本語でお礼のスピーチをしていた。
今年は「葉問」(Ip Man)でも、川井憲次氏が音楽賞にノミネートされていた。日本人の活躍が嬉しい。

主演女優賞は、ベテランの鮑起靜 (パウ・ヘイチン)が「天水圍的日與夜」《生きていく日々》(The Way We Are)で受賞。

主演男優賞は、任達華(サイモン・ヤム)「文雀」(Sparrow)、梁朝偉(トニー・レオン)、「赤壁」《レッドクリフ》(Red Cliff)、甄子丹(ドニー・イェン)「葉問」(Ip Man)などを抑えて、「証人」 (The Beast Stalker)で、鬼気迫る誘拐犯を演じた張家輝(ニック・チョン)が受賞。ちょっと意外だったな。

Odoru2004095_5 最優秀監督賞は、「天水圍的日與夜」《生きていく日々》(The Way We Are)の女性監督・許鞍華(アン・ホイ)が受賞。
他の候補は、杜琪峯(ジョニー・トー)「文雀」(Sparrow)、呉宇森(ジョン・ウー)「赤壁」《レッドクリフ》(Red Cliff)、陳木勝(ベニー・チャン)「保持通話」(Connected)、葉偉信(ウィルソン・イップ)「葉問」(Ip Man) だったことを考えると、(「おばさんのポストモダン生活」の)許鞍華(アン・ホイ)おばさんの受賞は立派なもの。

最優秀作品賞は、ブルース・リーの師匠の半生を描いた、クンフー映画の傑作 「葉問」(Ip Man) が受賞した。

他の候補は;

Odoru2004097_6 「赤壁 」《レッドクリフ》(Red Cliff)
「畫皮」(Painted Skin)
「天水圍的日與夜」《生きていく日々》(The Way We Are)
「長江7號」《ミラクル7号》(CJ 7)

でした。(ここに選ばれるのは、ある程度出来がいいからだと思うので、そういう意味では、香港映画を観る時の参考になると思う)

超ベテラン女優の蕭芳芳(ジョセフィーン・チャオ)に生涯功労賞が送られ、プレゼンターは、王家衛 (ウォン・カーウァイ)監督だった。

Odoru2004094_3 会場には、たくさんの明星(スター)が集まり、映画ファンならそれを眺めてるだけでも結構楽しい。
ぼくは不摂生がたたり(爆)扁桃腺が腫れてしまい、昨夜は寝た方がよかったのだが、ついつい最後まで見てしまった(終わったのはPM11:45頃)。これも不摂生ですな(笑)

第二十八屆香港電影金像獎 The 28th Hong Kong Film Awards
http://www.hkfaa.com/

【関連】
「葉問」(Ip Man)
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/ip-man-25fd.html

「赤壁」《レッドクリフ》(Red Cliff)
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/red_cliff_f2f8.html

「長江7號」《ミラクル7号》(CJ 7)
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/cj7_dvd_c336.html

20-Apr-09-Mon

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2009-04-16

「新宿インシデント」 Shinjuku Incident (新宿事件)

Odoru1604092 ジャッキー・チェン主演の映画「新宿インシデント」"Shinjuku Incident"(新宿事件)へ行く。

香港では2009年3月22日 香港国際映画祭のオープニング作品として上映され、その後 4月2日に劇場公開となった。

いやー、これは、ごっつい<ヤクザ映画>の誕生である。ただ、陰惨な映画で、観たあと陰鬱な気分になった。胃の中にイヤーなものが残ってる感じ、とでも云えばわかってもらえるだろうか。

日本人なら(おそらく)描けなかった、新宿・歌舞伎町の裏社会の図式。日本のヤクザ、台湾系、中国系ヤクザが抗争を繰り広げる様をよくここまで映像化したものだと感心した。

ジャッキー・チェン(製作も兼ねる)が真面目な中国人を、真面目に演じる。アクション・シーンでも決して強くない。喧嘩の時も、普通の戦い方だ。観てるこっちは、彼が「強い」のがわかってるから、クンフーで簡単にやっつけられるのに、と頭の中で思いながら観てしまったほど。

1990年代。若狭湾で座礁した貨物船。大人数の中国系密航者たちが浜辺に横たわっている。それを見つけた巡回中の警官を密航者たちは押さえつけ、ばらばらに逃げて行く。

その中の一人、中国東北部の寒村から来た鐵頭(ジャッキー・チェン)は、なけなしの日本円を持ち、友人の阿傑(ダニエル・ウー)のいる新宿・大久保までやっとの思いでたどりつく。鐵頭は、10年前に叔母を頼って日本へ行ったきりの恋人・秀秀(シュー・ジンレイ)を捜しに日本へやってきたのだ。

Odoru1604097_2 高田馬場の駅前で、日雇いの列に並び、最底辺の労働に従事し、なけなしの金をもらい生活する日々。地下水道でゴミ処理をしている時、警察の手入れがあり、鐵頭は逃げるが、追いかけてきた刑事・北野(竹中直人)がおぼれそうになったところを助けてやる。中国語が少しできる北野は彼に「借りが出来た」と言い、見逃してやる。

そんなある日、歌舞伎町の台湾系ヤクザが仕切るクラブの厨房で働いている時、鐵頭は秀秀を見つける。あろうことか、秀秀は日本のヤクザ 三和会の幹部・江口(加藤雅也)の妻となり、名前も結子と変わっていたのだ。

その夜、鐵頭は新大久保辺りで買った白人の娼婦を抱く。それからの鐵頭はあらゆる汚い手を使って金を稼ぎまくる。偽造テレカの販売、カード詐欺や盗んだブランドものを中国系アウトレットで売る、改造ロムでパチンコ屋で稼ぐ…。

悪い事が出来ない気の弱い阿傑のために、鐵頭たちは彼に天心甘栗の屋台をプレゼントする。喜んで歌舞伎町で商売に精を出す阿傑だったが、あることで中国系のバーの主人を怒らせ、ヤクザにボコボコにされ、屋台も盗られてしまう。怒った鐵頭たちは、鉄パイプを持ち、そのバーへ乗り込んでいく。

Odoru1604096_3 それ以来、鐵頭たちは、日本・台湾・中国ヤクザの抗争の渦中に、いやおうなく引きずり込まれてしまうのだった…。

日本でも問題となっている外国人犯罪者の増加。歌舞伎町に代表されるであろう、そういった人間がどうして増えたのか?というのが、この映画を観れば少しはわかる。

中国の農村部で働く貧しい人々から見ると、日本という国は豊かな、まるで天国のようなところに映る。中国残留孤児だったら日本で暮らせる、とか、皆夢を見る。そして、日本へ合法、非合法に入国して、彼らは生きるため、金のために何でもする。売春、麻薬、盗み…そうして日本の黒社会と接点を持ってしまうのだ。

イー・トンシン監督は、中国から香港・旺角へ彼女を捜すために来て、黒社会と関わる殺し屋の話を「ワンナイト イン モンコック(旺角黒夜)」('04)で描いたが、今回は、舞台を新宿に変え、主人公がまた争いの渦に巻き込まれるという、同じような題材を、製作費をかけ、同じように<救いのない>映画に作り上げた。

「ナイト~」の主役は、本作にも出演しているダニエル・ウー。監督のお気に入りなんだろうと推察するが、「ナイト~」の時もボコボコ、血だらけにされ、今回も阿傑役で陰惨なやられ方で、ちと同情するなぁ。

日本のヤクザを演じる、峰岸徹、(香港映画出身の)倉田保昭 !など、たたずまいに迫力がある。関西弁の加藤雅也もいい。

Odoru1604095_3 刑事役の竹中直人もいい味を出している。もう少し、人間として真面目なジャッキー・チェン(成龍)の役と交流する場面があってもよかったかも。

日本のクラブで働き、鐵頭と付き合うリリー役のファン・ビンビンもかわいかったが、特筆すべきは、ホステスを経て、江口の妻となる役のシュー・ジンレイである。
着物を着た姿から、日本でのホステスぶりが伺える、めちゃくちゃリアリティのある存在感。これには参った。

前半はリアルな場面が続くが、後半の大戦闘場面などは、(日本人から見ると)香港映画的演出がなされる。香港や台湾ヤクザの役者陣も力の入った演技だ。

ぼくはこの映画は、香港で公開一週目にナンバーワン・ヒットとなっていたので、しばらくやってるだろう、とのんびりかまえていたのだが、二週目終了時点(4/15)で、事務所近くの劇場では終了になると聞き、あわてて観に行ったのだった。

確かに内容が暗いので、香港人にもあまり評判がいいとはいえないが、これ以上ヒットが望めないと思ったのかな?理由はわからないが、あまりに早く終わるので驚いたのだった。(他の映画館ではまだ上映中)

日本では、2009年5月1日よりロードショー。はっきり言って、デートには向かない映画である(←楽しい気分になれまへん)。
ぼくが日本にいたら、絶対 歌舞伎町で観るな、この映画(笑)

新宿事件 (2009) Shinjuku Incident

導演: 爾冬陞  Director: Derek Yee
120 mins

(香港版予告編 ↓)

16-Apr-09-Thu

2009-04-14

「モンスターVSエイリアン」 MONSTERS VS. ALIENS Real-D 3D Version

Odoru1204092 11歳の娘と映画「モンスターVSエイリアン」(3Dヴァージョン)"Monsters vs. Aliens"へ行く。(香港では 2009年4月9日より公開)

香港もイースター・ホリデー(4/10-13)だったので、子供と休日に行くには最適の映画だった。

正直とっても面白かった。おそらく娘よりおとーさんの方が楽しんだと思う。なぜなら、これは「怪獣映画」だったからなのじゃよ!

簡単なあらすじは、宇宙から来たエイリアンを倒すため、米国が過去50年間秘かに捕獲し、飼育していたモンスターたちを使って地球を守ろうとする、というもの。

何がそんなにオヤジの琴線に触れたかというと、ここに登場するモンスターたちである。

主人公のスーザンは、結婚式当日、宇宙から落下した隕石に当たってしまい、巨大化しスーパーパワーを持ってしまうのだが、他のモンスター・キャラがオヤジを泣かせるのだ。

まず、コックローチ博士(Dr. Cockroach, Ph.D)はマッド・サイエンティスト。自ら人体実験を行った装置の中にゴキブリが入っていたため、自身がコックローチになってしまった博士。

Odoru1204095_3 ミッシング・リンク(The Missing Link)は、水陸両用の半猿半魚人。20,000年前から生息したが、氷漬けとなり科学者により発見された。

ボブ(B.O.B)は、脳みそがないスライムみたいな水色の物体。科学実験の失敗から実験室からあふれ出たもの。

そして、ムシザウルス(Insectosaurus)は、南海の孤島で生まれた虫が、核実験により巨大化し東京を襲った!という怪獣。

これを読んでくれている賢明な方々はもうおわかりだろう。この面々は、かつてユニバーサルや東宝映画に登場したモンスター(怪獣)たちのパロディなのだ!

一つだけ種明かしをしよう。ボブの元ネタは、まだ無名時代のスティーヴ・マックイーンが活躍する「マックイーンの絶対の危機」('58)である。人食いアメーバが町を襲うというもので、原題は”ボブ”ならぬ”ブロブ”(The BLOB)。これはB級SF映画の<名作>で、チープな感じだけど、イイんだなぁ。愛すべき映画の一本なのだ。(この作品は、その後「ブロブ/宇宙からの不明物体」('88)とリメイクされた)

つまりどれも約50年ほど前のモンスター(怪獣)やB級SF映画の<スターたち>をここで登場させているというのが、オヤジの心をくすぐるのである。

コメディ映画として成り立っている本作は、お約束のようにモンスターたちが使い物にならない(笑) が、そんな頼りない奴らが地球のために力を尽くし戦っていく。
(ちと色気もある)女性が主人公だが、この映画のテーマは恋愛ではなく「友情」なのも良いではないか。

Odoru1204097_2 サンフランシスコのゴールデン・ゲート・ブリッジでの「決闘」は、東宝特撮映画を彷彿とさせる。大渋滞の橋の上の自動車がまるでミニカーのような質感で素晴らしい。男の子なら絶対好きになる映像だと思う。

日本では、2009年7月11日から公開だが、出来れば3Dヴァージョンでご覧になることをお薦めする。その迫力と臨場感は全然違うと思うよ。

香港でぼくたちが観た映画館(AMC)は、"リアルD"(Real-D)と呼ばれるシステムでの上映だった。黒いサングラスをかけて観るのだが、観賞後そのメガネをくれた。今までの3Dではメガネを返していたので、なんか得した気分、っても町でかけられるような代物じゃないけどね(笑)

主人公のスーザンの声は英語版では、リーザ・ウィザースプーンが、広東語(香港)版はケリー・チャンが担当していた。日本語版は誰がやるのだろうか?

この映画、ラスト近くで、ムシザウルスが何かに<変わる>のだ!ここがオヤジが一番興奮したトコロだった。東宝の怪獣映画を観てたおとーさんやオタクの皆さんにはわかってもらえると思う。子供を連れて(連れてなくても)ぜひ映画館で、3Dで楽しんでくれーっ!

Monsters vs. Aliens (2009) Real-D 3D Version

Director Conrad Vernon and Rob Letterman
94 mins

(予告編 ↓)

14-Apr-09-Tue

2009-04-12

桑田佳祐 「昭和八十三年度!ひとり紅白歌合戦」 DVD

昭和八十三年度! ひとり紅白歌合戦 [DVD]

春休みに日本へ一時帰国した時、DVD屋の店頭でやたらと見かけたのが、この桑田佳祐さんの「ひとり紅白歌合戦」だった。

ぼくはサザン・オールスターズの熱烈なファンでもないが、高校生の時に「勝手にシンドバッド」を聴いてから、彼らの音楽と共に生きてきた世代の一人なので、桑田さんが一人で日本の歌謡曲・J-POPを歌いまくるショーと聞き買い求めたのだった。

これは桑田さんが毎年行っている Act Against Aids のイベントとして、2008年11月30・12月1日・2日にパシフィコ横浜 国立大ホールで行われたもの。昭和20年代から現代までの名曲(全61曲!)を桑田さんがひとりで唄うというエンタテインメント・ショーなのだ。(このDVDの売り上げの一部はエイズ啓発活動へ使用されるとのこと)

冒頭、男女のマネキン人形の間に挟まれ、ふざけたメイクの桑田さんが「どーも、総合司会の”宮田出る”です」と、若い人にはさっぱりわかんないギャグで登場したときからおっさんは嬉しい気分にさせてもらった。なんか昭和のテイスト満載で面白そうだ!と。

週末の夜、リビングで楽しんだのだが、角瓶のハイボールのピッチが進むこと進むこと。アテはおかきとあたりめで、こっちの気分もすっかり「ひとり紅白歌合戦」である(笑)

嬉しいのは、DVDなので歌詞が下に出せること。酔っぱらってるもんだから、途中から一緒に唄って独りで盛り上がるオヤジ(笑)であった。子供たちが呆れてました(爆)

一曲目「サン・トワ・マミー」から「上を向いて歩こう」、タイガース、ピンキラ、「ブルー・シャドウ」、スパイダース、加山雄三、ハナ肇とクレージーキャッツ、ザ・ピーナッツ… もう全部唄えるのばっか(笑)

後半、「舟歌」、「少女A」、「渚のシンドバッド」、「勝手にしやがれ」、「GOLDFINGER'99」と盛り上がり、アンコールでは、一青窈「もらい泣き」や、CRAZY KEN BANDの「タイガー&ドラゴン」まで。ラストは和田アキ子の「あの鐘を鳴らすのはあなた」で締めくくる。

途中、爆笑問題が審査員としてビデオで登場したりして湧かせる。約3時間13分のショウがあっと云う間。楽しかった。

次の日、(完璧に)二日酔いになった頭で考えたのだが、昭和の名曲ってホントにいいものが多かったんだなということ。このショーは桑田さんと同じ時代を生きた人間ならとても楽しめると思う。

香港の同世代のオヤジたちにも貸してやろうと思っている。男がカラオケで女性シンガーの歌を唄うときの参考にもなると思うしね。

見てる時間は、自分が今居るのが香港だと忘れさせてくれた。海外に暮らす人間にとって、「紅白歌合戦」って特別な感情で見ているものだからな。いい企画でした。桑田さんありがとー!

Act Against Aids 2008 桑田佳祐 昭和八十三年度!ひとり紅白歌合戦

12-Apr-09-Sun

昭和八十三年度! ひとり紅白歌合戦 [DVD]昭和八十三年度! ひとり紅白歌合戦 [DVD]
桑田佳祐

真夏の大感謝祭 LIVE(通常盤) [DVD] 夷撫悶汰(いヴもんた)レイト・ショー~長距離歌手の孤独 in jazz cafe~ [DVD] エリー(C)―茅ヶ崎の海が好き。 the 波乗りレストラン [DVD] 真夏の大感謝祭 LIVE(完全生産限定盤) [DVD]

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2009-04-11

「ザ・スピリット」 DVD THE SPIRIT

Odoru1104093jpg 映画「ザ・スピリット」"THE SPIRIT" のDVDが香港でも発売されたので買って来た。

この映画、香港では2009年2月5日から公開されたが、全く評判にならず、かつヒットもせず、すぐに終わってしまったので見逃してしまっていたのだ。

「シン・シティ」('05)や「300<スリー・ハンドレッド>」('07)で評判をとったフランク・ミラーの脚本・監督作品である。ポスターやスティル写真を観たら、スゴくかっこよくて面白そうなのだ。だが、世の中の評判はエラく低く、Rotten Tomatoesでもたった14%の評価である(2009年4月10日現在)。なんでそんなに評判が悪いのか?百聞は一見にしかず、大枚HK$99(約1,272円)出して検証してみた(笑)

で、結論から言うと(早いか?)、見てらんねー!というほどでもないが、それに近い映画だったのだ(←なんじゃそら・笑)

Odoru1104096_2 映像は面白い。それは認める。だが、物語がはっきり言って破綻している。人物設定もうまくない。ストーリーテリングもへたなので、盛り上がりも何もない。これは評価が低いのもうなずける。

簡単なプロットは、元警官ダニー・コルト(ガブリエル・マクト)が、死の淵より蘇り、謎のマスク・ヒーロー"スピリット"となり、狂気の犯罪者オクトパス(サミュエル・L・ジャクソン)からセントラル・シティを守るというもの。

冒頭のスピリットとオクトパスの殴り合いのシーンから「??」という展開で、早口でけたたましいセリフで進行していくのも頭が痛い。

他の出演者は、宝石泥棒のサンド(エヴァ・メンデス)、オクトパスの美人の部下シルケン(スカーレット・ヨハンソン)、スピリットの恋人で美人外科医エレン(サラ・ポールソン)、美人警官(スタナ・カティック)など、イイ女だらけである。

特にサンド役のエヴァ・メンデスはイイ。現代のラクウェル・ウェルチである。ヨハンソンはちょっと可哀想な役。オクトパスのL・ジャクソンがあまりに突っ走ってるので(さして面白くもなく…)、その横にいて見てて辛いものがる。

Odoru1104097_2 けなしてばっかりでも悪いので、良いところも書く。「シン・シティ」で見せたようなモノクロに近い映像は面白いし、ぼくは好きである。場面場面でとてもかっこいいものもあり、それがあるので最後まで見れたのも事実。出てるお姉ちゃんたちも美人ぞろいだから、余計にもったいなく思っているのだ。

じつは宝石泥棒のサンドとスピリットは15歳の頃、お互い想いをよせていた者同士。ロケットに二人の写真を入れたペンダントを、若き日のスピリットがサンドにプレゼントする。その時サンドは言う「これを着けたからって、あなたを好きだと思わないでね」
こーゆーなんてことない会話は結構良いのにな。これは原作のマイケル・アイズナーのグラフィック・ノベルがいいからなのかな?

アメリカでもヒットしなかったようで、配給元のライオンズゲートも頭を抱えているようだ。日本ではワーナー配給で2009年6月6日から公開されるとのこと。なぜ評価が低いのか、ぜひあなたも自分の目で確かめてみては?(笑)

THE SPIRIT (2008)

Written and Directed by Frank Miller

102 mins
Dolby Digital EX 6.1/DTS ES 6.1
Aspect Ratio 2.40: 1
Region 3

11-Apr-09-Sat

2009-04-09

映画 「レスラー」 The Wrestler

Odoru0904092 公開を楽しみにしていたミッキー・ローク主演の映画「レスラー」"The Wrestler"へ行く(香港では2009年4月2日より公開)。
ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞など数々の賞を受賞し、既に評価は定まってはいるが、はっきり言おう。これは素晴らしい人間ドラマの傑作!であった。

高校生の時にボクサーを描いた「ロッキー」('76)を観て大感動した自分が、30数年後にこんなうらぶれた中年レスラーの話にぐっと来るとは思わなかった。「ロッキー」は「ダメな奴でも頑張れば出来るんだ!」という、未来ある青少年に希望を与えてくれ、高揚させてくれる映画だったが、この「レスラー」は、疲れた中高年に「それでいいんだよ…」と云ってくれているような、しみじみと静かな感動をくれる大人の映画だったのだ。

ぼくは映画ファンであると共に、古くからのプロレス・ファンでもある。以下は、そんなぼくが観た映画「レスラー」のレビューである。(ちとネタバレあり)

タイトルバック。まだプロレスがメジャーなスポーツであった1980年代。数々のアメリカのプロレス・マガジンのスクラップ、試合のポスターや、大会場での入場チケットの半券が映し出され、主人公 ランディ”ザ・ラム”ロビンソン(ミッキー・ローク)が、当時のメイン・エベンターだったことがわかるシーンからこの映画は始まる。

20年後。”ザ・ラム”は未だにリングに立っていた。身体は衰えたが、スタイルは昔のままだ。金髪の長髪に、サイケなタイツ。入場時には、白いミンクのベストを羽織る。まるで、”スーパースター・ビリー・グラハム”のようだ。
フィニッシュに決める得意技は、ロープ最上段からのダイビング・ヘッドバット。これもレトロな大技である。
主戦場は、小さなインディーの団体で、会場も、天井の低い小さな体育館である。

Odoru0904094_2 少ないギャラを貰い、トレーラーハウスのような自宅へ帰るが、大家に鍵をかけられ入れない。家賃もちゃんと払ってないので、今日も車の中で寝るランディ。日銭はスーパーでバイトして稼いでいる身だ。

そんな彼の息抜きは、近くのバーでストリップ・ショーをやっている女 キャシディ(マリサ・トメイ)と話すこと。今夜も試合の後やって来たが、二人はもっぱらホステスと客の関係だ。

ある日、有刺鉄線、ガラス、画ビョウ、ホッチキスなどを使った過激なデスマッチを終えたランディは、控え室で倒れる。
次に目を覚ましたのは病院のベッドの上。心臓発作で、緊急にバイパス手術を施されたランディ。医者からは「今後二度とプロレスをするな」と釘をさされてしまう。

落ち込むランディ。残りの人生を考えたとき、彼は、今は疎遠となっている一人娘のステファニー(エヴァン・レイチェル・ウッド)に会いに行きたいと考えるのだった…。

これは一人の男の生き様を描いたドラマ。ストーリーは単純だが、そこに登場する人間たちのドラマは切なく、そして重い。
落ちぶれてもプロレスラーをやめられない男。ストリップをしながら9歳の男の子を育てている女。親に棄てられ、今はレズビアンになってる娘…。

それぞれの事情が少しずつわかっていく過程で、感情移入できる人間たちの描き方がイイ(脚本:ロバート・D・シーゲル)。横長大画面でハンドカメラも使い、切ない大人の情感を出すダーレン・アロノフスキー監督の演出も冴えている。

80年代、「ナイン・ハーフ」('85)などで見せたセクシーな人気を誇った頃のミッキー。1992年、日本で勇利アルバチャコフ(当時:ユーリ海老原)のボクシング世界戦の前座の試合。”猫パンチ”で失笑を買い、それから映画でもあまり見なくなったミッキー…。

Odoru0904097_2 ちょうどミッキー・ローク自身のピークと、この主人公ランディがかぶさるところがミソ。惨めに生きてきたそのままの顔をさらけ出し、胸にホッチキスを打たれ、文字通り「身体を張った演技」で見事復活したミッキー・ローク。数々の映画賞に輝いたのも当然と思う。熱演である。だが、オスカーは”先輩”ショーン・ペンにとられてしまったのは、ちと可哀想。(今にして思うと)あの時点では、もう「おかえりなさい、ミッキー!」という空気に業界も飽きてたように思う。

「身体を張った」というと、こちらもストリッパー役で、アカデミー助演女優賞ノミネートのマリサ・トメイもセミ・ヌードで頑張っている。子供がいるからと、素直に相手を受け入れることが出来ない不器用なシングル・マザーを好演。劇中、昼間に会うとすっぴんで「かわいいな」とランディに言われる彼女は、本当にかわいらしい。

プロレス・ファンの見地からすると、控え室で、試合の打ち合わせをする場面。試合中に自分で額を切るため、二つに折ったカミソリを仕込む場面。デスマッチ用の小道具を買いに行く場面。レスラー間でステロイドを売り買いしたり、ランディは補聴器を手放せないことや、髪を染め、日焼けサロンで肌を焼く場面など、裏側の描写も結構リアルで楽しめる。

試合も、かつて日本のFMW、いやIWA張りのデスマッチを見せる。それを「昔の名前で出ています的なレスラー」がやるところもリアルだ。
現実に、年をとってもプロレスを辞めないレスラーは多い。あと、引退してもすぐカムバックする選手も。リングに立つ快感は麻薬のようなものなのか。

もはや「プロレスは真剣勝負である!」などというウブなファンは殆どいないだろうから、こんなシーンも描けるのだ。アメリカではビンス・マクマホン率いるWCWが、税金対策の為、自らプロレスをスポーツではなくエンタテインメントだと宣言したので、純粋にショウとして皆が楽しんでいると聞く。

Odoru0904098_2 鉄人ルー・テーズも「世界中で3,000人くらいしかいないレスラー同士が本気で相手の骨を折ったりはしない」とかつて語っていたように、身体を鍛えたもの同士が「上手く」試合を見せ、”ハウス・ショウ”を盛り上げる。それがプロレスなのだ。

日本でも、新日本プロレスのレフェリーだったミスター高橋の書いた「流血の魔術 最強の演技 全てのプロレスはショーである」により、(真偽はわからないが)プロレスの裏側が暴かれてしまい、真剣勝負としての興味は、K-1や当時のPRIDEなど総合格闘技へスライドしてしまったように思う。
(余談だが、そんな時代にも真剣勝負があったという、柳澤健著「完本 1976年のアントニオ猪木」が最近文庫化されたのが嬉しい。その年に行われたウィリアム・ルスカ戦、モハメッド・アリ戦、パク・ソンナン戦、アクラム・ペールワン戦の検証である。読み応えのするプロレス本である。)

力道山以来50年続いてきた日本テレビのプロレス中継(日本→全日本→ノア)も、今年(2009年)3月を以って終了した。
”プロレス”というものが、コアなファンだけのものになりつつある現状を知ってみると、この「レスラー」という映画の持つ悲哀が余計にわかるのだ。

劇中、手術を終え病院から帰ったランディは、近所の子供を家に呼んで「ニンテンドー(TVゲーム)をやろう」という。だが、古臭い”ファミコン”のプロレス・ゲームに興じる子供はすぐ飽きて帰ってしまう。その画面で闘っていたのは、ランディ”ザ・ラム”ロビンソンなのが切ない…。

エンド・クレジットで流れる、ブルース・スプリングスティーンの歌声が胸に響く(ゴールデングローブ賞受賞)。これはフェードアウトしつつあるプロレスへのレクイエムでもあり、人間的にダメでも、レスラーとして<一瞬輝いた>哀しい男の人生ドラマ。映画ファンやプロレス・ファンのみならず、頑張って生きてきた中年のオヤジにも観てほしい映画である。

今年は「グラン・トリノ」とこの「レスラー」と、大人の男に向けた珠玉の名品に出会えたことを素直に喜びたい。

日本では、2009年6月公開予定。ちなみに香港では、カテゴリーⅢ(18禁)だったので、念のため。

One, Two, RAM!!!

The Wrestler (2008)

Director Darren Aronofsky
110 mins

(予告編 ↓)

09-Apr-09-Thu

2009-04-07

「おくりびと」 Departures (禮儀師之奏鳴曲)

Odoru0704092 本年度アカデミー賞外国語映画賞を受賞し、日本では話題沸騰だった映画「おくりびと」が当地香港でも封切り(2009年3月19日)となったので行く。
公開から3週間が過ぎたが、香港での評価も概ね高く、ヒットもしているようだ。
ぼくが観たのは平日の夕方の回だったが、中環IFCのシネコン内でも一番大きな劇場で約3分の2が埋まっていた。ネットで席の埋まり具合を見てみたが、夜の回は毎回満席のようである。ヒットと書いたが、ひょっとしたら大ヒットなのかも知れない。

ヨーロッパ帰りのチェリスト 小林大悟(本木雅弘)はオーケストラ解散の憂き目にあい、妻の美香(広末涼子)と共に故郷の山形へ帰る。2年前に他界した母が残してくれたものは元スナックの家だけ。新聞のチラシにあった”旅のお手伝い”と書かれた求人広告を見て旅行関係と思い、面接に行く大悟だが、その「NKエージェント」なる会社は旅行代理店ではなく、遺体を清め棺桶に収める”納棺師”を募集していたのだ(NK とは納棺の略)。社長の佐々木(山崎努)に半ば強引に採用されるが、世間の目もあり、妻にも仕事の内容を話せないまま、大悟は納棺師として働きはじめるのだった…。

一言で形容すると「真面目な良い映画」である。
主役の大悟を演じる本木雅弘が、不器用だが、マジメな青年を好演している。彼はそのマジメさから、納棺師という仕事に、最初はとまどいながらも真剣に取り組んでいく。そしてセレモニーとして、一種芸術的ともいえる納棺準備の職人技を見せてくれるのだ。
しばらく忘れかけていた、真面目で几帳面な、日本人の良いところを見せてもらった気がする。

Odoru0704093 人は誰でも、誰かの死に直面する。それは避けては通れぬもの。それは辛く寂しい別れであるが、焼き場で働く 平田(笹野高史)が言うとおり「死とは新しい世界へ旅立つ門」なのだろう。

この映画の中でも様々な死の形が登場する。死後2週間経って発見された孤独な老婆。子供に先立たれたり、妻に先立たれた人。おばあちゃん、おじいちゃん、母親、父親とその家族との別れ…。
映画の途中で何度も何度も涙が出た。他人事とはいえ(これは映画であれ)感情移入は出来るものだ。連れがいたからあれだったが、もし一人で家でDVDででも観ていたら大泣きしていたかも知れない。

「死」とは対極にある「生」。それを映像で表現するために、主人公たちが、やたらと食べるシーンが印象的だ。干し柿をかじる。フライドチキンをむしゃむしゃ食う。熱々のふぐの白子をほおばる。うまいものを食えるのが生きてる証なのである。

映画の作り方としては、(これはぼくが映画を観過ぎた弊害かも知れないが)伏線の張り方があまりにわかり易く、説明しすぎの感があり(脚本:小山薫堂)ラストが読めてしまうのが難と云えば難。
あまりに評価が高くなったので云いにくいが、これは名作というより佳作というほうがしっくりくる一品だと思った。

Odoru0704096 主役のモックンは、チェロを頑張って弾いてるし、納棺の所作も美しい。妻役の広末涼子も、連れの表現を借りると「パンツも見せて頑張ってる」が、そろそろ可愛いだけじゃない演技をしたほうがいいかもね(笑)。特筆すべきは、やっぱり山崎努だろう。コクが余りない本作だが、この映画が成立したのは、山崎努のお陰じゃないか?と思わせるリアリティのある演技だった。

日本では、アカデミー外国語映画賞受賞を「日本映画初!」と云っているが、外国語映画賞をまだ「名誉賞」と呼んでいた頃には、1951年 黒澤明「羅生門」、1954年 衣笠貞之助「地獄門」、1955年 稲垣浩「宮本武蔵」と受賞してたじゃないか?と思うのだが。

最近では、周防正行監督の傑作「Shall We ダンス?」('96)が、アメリカで大評判をとったにも関わらず「公開後一年以内にテレビで放送した」ために、候補から外されるという悲劇があったのを思い出す。
日本映画らしさという意味で、山田洋次監督の傑作時代劇「たそがれ清兵衛」('02)もノミネートされたが、受賞できず残念だった。そういえば、これも山形が舞台だったでがんす。

とまれ、香港の観客も笑うところは大笑いし、ラストはすすり泣く声が聞こえた。
「真面目な日本人」を描いた映画が、海外で評価されるのを目の当たりにするのは、日本人の一人として清清しく、また誇らしく思えるものである。

そう云えば、(珍しく)香港の日本領事館にもこの映画のポスター貼ってあったな。官民上げてバンザイって感じですか?(笑)

「おくりびと」 (2008) "Departures" (禮儀師之奏鳴曲)

監督: 滝田洋二郎
130 mins

07-Apr-09-Tue

2009-04-05

「マックス・ペイン」 DVD MAX PAYNE (HARDER CUT)

映画「マックス・ペイン」"MAX PAYNE"のDVDが香港でも発売になったので買って来た。この作品は、香港でも昨年公開(2008年11月20日)されていたがあまり評判を聞かず、ぼくはスルーしていたのだが、その黒を基調としたポスターが気になって仕方なく、DVDのパッケージもクールだったので買ってみたのだった。

マックス・ペイン(マーク・ウォールバーグ)とは男の名前だ。妻と、まだ赤ちゃんの息子を自宅で殺された刑事。傷心の彼は今”コールド・ケース”ファイルの部屋の管理人だ。未だ見つからない犯人を独自に探している。捜査の途中で知り合った、赤いミニのワンピースのイイ女(オルガ・キュリレンコ)を自宅へ連れて帰るが彼は何もせず追い出す。次の日、彼女の惨殺死体が見つかり、所持品の中からペインの財布が出てくる…

常に雪が舞い落ちている夜のニューヨーク。暗いCG画面の殺人場面にいつも映る悪魔の影。(AVアンプを通すと)やたらとデカい銃撃戦の音。主人公の犯人探しのために殺されるあまりに多くの人々…。けったいな、というか、マニュアル車のノッキングみたいな引っ掛かりの多いストーリー展開に、ぼくの頭には「?」が点滅しっぱなしだったのだが、ネットで調べてみたら、これは元々コンピューター・ゲームだったことを知り納得した。だからリアリティが無いわけだ。

Odoru0504094 なるほど、ゲームとして徐々に進めて行くとハマるだろう。妻を殺された刑事がその復讐心から、犯人を探して行くうちに、巨大な陰謀を知り得てしまう。アメリカでヒットした大人向けゲームのようなのだが、おっさんのぼくは全然知らなかった。ミステリー仕立ての物語なのだから、映画として面白いかと聞かれれば、それが、たいしたことないのだ(笑) ゲームはレバーを操作しながら自分で発見していく過程が面白いのだろうが、椅子に座ってただ眺めるだけの映画ではその意外な展開も何のこっちゃになってしまう。ゲームの映画化の難しさはそんなところにあるのだろう。

ぼくは映画を<観過ぎた弊害>かも知れないが、途中で真犯人がわかってしまい、それもどっちらけの理由の一つだった。ゲームの脚本をそのまま映画にするとこんなことになってしまうのだろうね。

合成された、雪が舞い落ちるニューヨークの映像は、ゲーム画面のように一種独特のもの。そのテイストは嫌いではない。20世紀フォックスが結構お金をかけて作ったものなのだが、ぼくには面白みはあまりなかったな。ガンマニアの人には面白いのかも。

特典映像に、「ミッシェル・ペイン:グラフィック・ノベル」(約13分)という妻のミッシェルがなぜ殺害されるに至ったか?という紙芝居がついている。この説明もセリフだけで、はしょってたので本編にも回想シーンか何かで入れればよかったのにと思った。その他、合計約1時間のメイキング(Part 1, 2)付。

綴りは違えど、英語の発音だと、マックス(最大の)ペイン(痛み)とは、傷心の主人公の心情なのだろうか。その題名とは裏腹にウォールバーグの演技も演出も単調で、せっかくキュリレンコちゃんのようなイイ女がファムファタールとして登場しているのに、すぐ死ぬというもったいない使い方をしている。この映画のDVDにHKD150(約1800円)も使ったぼくも、マックス・ペインでした(笑)

日本では、2009年4月18日より公開。

MAX PAYNE (2008) (HARDER CUT)

Director John Moore

103mins
Dolby Digital 5.1 Surround
Aspect Ratio 2.40: 1
Region 3

05-Apr-09-Sun

マックス・ペイン (完全版) [DVD]
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2009-04-03

「K-20 怪人二十面相・伝」 "K-20: Legend of the Mask"

Odoru0304092 映画「K-20 怪人二十面相・伝」を東京から香港への復路のANA機内で観た。この映画は香港でも2009年3月19日から公開中なので、今回機内上映で観れて得した気分である。

昭和20年代。大日本帝国陸海軍とアメリカ・イギリスが講和条約を結び、第二次世界大戦が回避されたというラジオ放送から映画は始まる。東京は帝都と呼ばれ、華族制度が続いているため貧富の差が激しいという架空の時代設定が面白い。
(ふむふむ、もし第二次大戦がなかったとしても、日本は封建主義的な古くからの因習にがんじがらめにされ、何も変わることが出来なかったということか。ま、現実には大戦後、自由主義となり、経済大国と成り得たが、また経年劣化してしまっているのが、戦後60年たった今の日本ではあるのだが…)

一部の富裕層を狙った犯罪を繰り返す怪人二十面相。今度は革新的なエネルギー・テスラ装置を奪うと宣言。警視庁の浪越警部(益岡徹)は名探偵 明智小五郎(仲村トオル)に捜査を依頼。そんな折、サーカスの軽業師 遠藤平吉(金城武)は何者かにそそのかされ、怪人二十面相に仕立て上げられてしまう。仲間の源治(國村隼)たちによって助け出された平吉は、汚名を晴らすべく、本物の怪人二十面相と対決していくこととなる…。

原作は北村想の小説「完全版 怪人二十面相・伝」。ぼくはてっきり江戸川乱歩の「怪人二十面相」が原作だと思っていたのだが、原案とキャラクターだけ借用したものなんですな。二十面相、明智小五郎や小林少年(少年探偵団)も出てくるし、ぼくらおっさん世代には馴染み深いキャラで、なんか懐かしかったな。

サーカスの軽業師を金城武。明智小五郎を中村トオル。明智のフィアンセで財閥の令嬢 羽柴葉子に松たか子。魅力的なキャストであるが、みんな30代である。そんな人たちがワイヤーアクションをするのだから、ご苦労さんと思ってしまう(笑)

VFXは「ALWAYS 三丁目の夕日」のスタッフが担当したという。戦前の日本を再現した、というか帝都を模した独特のカラーの造形も面白い。

Odoru0304095_2 観終わって、これはハリウッドで云う、コミック・ヒーローものだな、と思った。アクション・シーンの派手さはないが、邦画にしては新しいテイストの娯楽冒険モノである。だが、ハリウッドのそれが暗く、よりマニアックになっている今、この昔ながらの健全な作り方は、ぼくには「レトロ」な感じに思えてしまった。

邦画が政治的なものや、不健全なもの、もしくは社会的な問題定義を与えるような作品を生み出しにくくなっているのは、一つは製作費を出す側の都合があるのではないかとぼくは常々思っている。現在のヒット映画は、必ずバックにテレビ局がついており、テレビ局はそんなものより、いずれ放送する時のためにスポンサーのつき易い題材を選んでいるように思えるのだ。(本作も日本テレビ製作)

だから今の邦画界は、(ぼくの嫌いな)難病ものや、動物を題材にしたもの。TVドラマの映画化。あとは子供向けのアニメばっかりなんである。

時代の趨勢だから、商売だから、それが悪いとは云わないが、大人の観客の一人としては気骨のある日本映画を観たいと思うのはわがままなのかな、と時々思う。
誰も作ってくんないんなら、じゃぁ、お前がやれよ、と云われても出来ないんであるが(笑)

かつて「映画」は「テレビ」の兄貴分だった。今は、出世した弟に食わせてもらってるみたいなものだよな。
「ダークナイト」('08)のような、「語るに足る」娯楽アクション映画を邦画で観てみたいな、とこの「K-20 怪人二十面相・伝」を観て思った次第。

K-20 怪人二十面相・伝  (2008)  "K-20: Legend of the Mask"

監督・脚本: 佐藤嗣麻子
137 mins

03-Apr-09-Fri

B0026OBVIIK-20 怪人二十面相・伝 豪華版 [DVD]
VAP,INC(VAP)(D) 2009-06-24

by G-Tools
K-20 怪人二十面相・伝[Blu-ray]
B0026OBVJ2
K-20 怪人二十面相・伝 通常版 [DVD]
B0026OBVIS

2009-04-01

「容疑者Xの献身」 "Suspect X"

映画「容疑者Xの献身」を観た。毎度おなじみ機内上映で、である。今回は日本へ一時帰国の際、往路のANA便での鑑賞。久しぶりにANAに乗ったら、映画の本数も増え、インタラクティヴになっててグッド、グッド。

Odoru0104094 映画「容疑者Xの献身」は面白い、と結構色んなところから聞いていたのだが、確かに面白かった。

役者がとてもいいものね。主役の福山雅治は演技はなんともいいがたいが(笑)たたずまいがグッド。警察側は柴崎コウと北村一輝。それに犯人側が堤真一と松雪泰子だよ!現代の邦画における高レベルの役者が顔を揃える。

原作は、東野圭吾の同名小説。直木賞とったというものなので、面白くないはずはない。

ホステスをしながら稼いだお金で、念願の弁当屋を開いた花岡靖子(松雪泰子)。アパートの隣に住む高校の数学教師 石神(堤真一)は常連さんの一人である。ある日元夫が靖子のアパートへやってきて、金をせびって帰ろうとした時、一人娘の美里(金澤美穂)が殴りかかりそのまま乱闘となる。母娘はこたつのコードで首を絞め、男を殺してしまう。大きな物音で気づいた教師 石神は隣の部屋を訪ね、母娘を助けるためアリバイ作りを考えはじめる。

ガリレオこと湯川学(福山雅治)と数学教師 石神は大学の同窓生。物理と数学と分野は違えど、お互いに「天才」と思い尊敬していた間柄だった。刑事 草薙(北村一輝)に、石神の名を告げられ、興味のない事件にまた首を突っ込んでしまうガリレオ。果たして数学の天才が考えたトリックをガリレオは見破ることが出来るのか?

Odoru0104092 こーゆー推理物で、数学や物理の話となると「文系」のぼくはそれだけで、知的でレベルが高いものを観たと思わされるのである(笑)
算数(数学とも云う)が不得意だったぼくは、「四色理論」なんて聞いただけで、めまいがしてしまう。その答えが「美しくないから」と果敢に挑むというだけで、「かしこい人やなぁ」とむやみに尊敬の念を持ってしまうのだ。

そんなぼくなので、アリバイのトリック、つまり数学の試験の「簡単なひっかけ」にもまったく気がつかず、ひたすら感心して観てしまったのだ。

この天才二人を演じる、福山も堤も本当にかしこそーに見えてくるから不思議だ。堤が演じる「理論的」に生きてきた数学教師が、ラスト「感情的」になる場面はやっぱセツナイよなぁ。
ぼくのように、煩悩のまま自堕落に生きる男の方がやっぱ楽なんでねえの?と思った次第。

フジテレビ制作の映画にしては、出来もいいと思う。
香港でも劇場公開時(2008年12月24日より)好評だった。テレビドラマを見てなくても、福山雅治のファンじゃなくても(笑)楽しめる作品といえよう。

底辺×高さ÷愛=?

容疑者Xの献身 (2008)  "Suspect X"

監督: 西谷弘
129 mins

01-Apr-09-Wed


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