「愛を読むひと」 "The Reader"
映画「愛を読むひと」"The
Reader"である。香港では2009年3月19日から公開となった。
ケイト・ウィンスレットがアカデミー主演女優賞を得た作品である。ゴールデングローブ賞ではケイトは助演女優賞だったので、不思議に思っていたのだが、実際映画を観てみると明らかに主演だったので口あんぐりだった。
ケイトが昨年度の主演女優賞を総なめにしたのは、ぼぼ同じタイミングで公開になった「レボリュショナリー・ロード 燃え尽きるまで」(ゴールデン・グローブではこっちで主演女優賞)と合わせ技で一本だったのだな、と観終わって思った。
映画は、1958年のベルリンで始まる。15歳の少年マイケル(デヴィッド・クロス)は雨の中具合が悪くなり、道で吐いてしまう。そこを通りかかった女性が介抱してくれる。後日そのハンナ(ウィンスレット)という女性にお礼に行ったとき、少年は彼女が着替えてるところを見てしまう。少年がまた彼女のもとを訪ねたとき、ハンナは裸になり少年を誘う。「そのために来たんでしょ?」と。
それから少年はハンナのもとに通いつめる。少年が来るたびに、本を読ませるハンナ。チェーホフ、ヘミングウェイ、ゲーテ…。読み終えたらベッドで愛し合う二人。だが、ある日ハンナは突然アパートを引き払ってしまう。
その後、マイケルがハンナに再会したのは意外なところだった。大学で法律を学ぶマイケルは「ドイツが犯した罪」という特別ゼミに参加し、アウシュビッツ強制収容所で働いていた人間たちの罪を問う裁判を傍聴していた。その裁かれる側の一人があろうことかハンナだったのだ。
彼女の証言を傍聴席で聞きながら、苦悩するマイケル。何度目かの裁判の際、ハンナは実は読み書きができないということがわかる。少年に本を読ませていたのは、そのためだったのだ。
時は過ぎ、今は立派な弁護士となり、離婚も経験したマイケル(レイフ・ファインズ)は、刑務所に服役するハンナに、自ら朗読者(The Reader)となり、カセットテープを送り続けるのだった…
原作は世界的にベストセラーとなった小説。学のない、ある意味純粋なハンナという女性の悲しい物語である。
ケイト・ウィンスレットは、少しおびえたところを持つハンナをドイツ語訛りの英語で演じる。前半は、ほとんどセミヌードのシーンだ。そのためか、香港ではカテゴリーⅢ(18歳以下入場不可)となっている。
少年時代のマイケルはデヴィッド・クロス。大人になってからはレイフ・ファインズが演じる。クロスは美少年でなく、少しイモっぽい感じで、だからリアルさは増している。
文芸ものとして面白く観れたが、舞台がドイツなのに英語で話し、読む本も全部英語なのが違和感があるのは否めない。先日観た「ワルキューレ」も英国人俳優がドイツ人を演じるので、これも違和感があったな。
ヨーロッパの投資は、税制上のメリットがあるため、ハリウッドはこぞってヨーロッパを舞台に、あるいはヨーロッパの俳優、監督を使って映画を製作してきたが、もう今後はそういう投資もあまり望めないかも知れない。
純粋無垢なために、罪を犯してしまったことで、悲劇的な人生を送らなければならなかった女性が得た、たった一つの「救い」。
観終わった後、ぼくは日本の田舎の年老いた母親に久しぶりに電話をかけた。そんな気にさせてくれる映画。
日本では2009年6月19日より公開予定。
The Reader (2008)
Director Stephen Daldry
125 mins
25-Mar-09-Wed
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