「ダウト 〜あるカトリック学校で〜」 Doubt
香港でも 映画「ダウト 〜あるカトリック学校で〜」 "Doubt" が始まったので行く(2009年2月5日より)。
ぼくは、映画を観る時は極力情報を入れないで観るようにしているのだが、今回もメリル・ストリープがアカデミー賞の主演女優賞にノミネートされた(またかよ!)くらいの知識だけで行って来た。
映画を観ている時から、舞台のストレート・プレイみたいやな、と思っていたら当たっていた。これは2005年にトニー賞とピューリッツァー賞演劇賞を受賞したブロードウェイの名作戯曲の映画化だったのだ。
映画の舞台はニューヨーク、ブロンクスにあるカトリック学校。時代は、フリン神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)の説教の中で「昨年ケネディ大統領が暗殺された」と話すので、1964年とわかる。主な登場人物は、フリン神父と、その学校の校長で、厳格すぎるほど厳格なシスター・アロイシス(メリル・ストリープ)、純粋無垢な若い教師シスター・ジェイムス(エイミー・アダムス)、黒人生徒の母親(ヴィオラ・ディヴィス)、それに生徒たちである。
フリン神父(ホフマン)は、学校ではバスケットも教える、子供たちに好かれている少し進歩的な考えを持つ神父である。ある日、シスター・ジェイムス(アダムス)の授業中、クラスの唯一の黒人男子生徒をフリン神父が呼び出す。そのことを校長のシスター・アロイシス(ストリープ)に報告する時、シスター・ジェイムスは、フリン神父がその黒人少年に”強い関心”を持っているのではないか、と話す。生徒が教室に戻った時、酒臭い匂いがしたというのだ。その「疑惑(ダウト)」を持った校長は、フリン神父を部屋へ呼びよせる…。
殆どが学校の中だけ話なので、名優たちの演技合戦が見ものである。ストリープとホフマンのバトルに近い演技は、まさに「火花散る」という形容をしてもいいと思う。
純真でナイーブな若いシスターを演じるエイミー・アダムスと、他人にも自分にも厳しいストリープのやりとりも見応えがする。驚いたのは、たった10分かそこらの出演だが、黒人少年のみじめな母親役のヴィオラ・ディヴィスとストリープの場面がスンバラしかったことだ。
この4名が全員、それぞれ本年度アカデミー賞の主演女優、助演男優、助演女優賞にノミネートされているのも「納得」である。ひょっとしたら、助演女優賞はウィオラ・ディヴィスかも?と思うくらいだ。(個人的には、「それでも恋するバルセロナ」のペネロペ・クルスにあげたいけどね)
子役は、どの子もそれぞれキャラがあってよろしい。その内の一人で小太りの男の子がいて、どっかで見た事あんな?と思ったら、「スピード・レーサー」('08)のいつも猿といる弟役スプリトルのポーリー・リットだった。売れてるね、ある意味(笑)
「疑惑」が、「妄想」なのか、「真実」なのか、それがわからないまま人を裁けるのか?この映画は、カトリック学校が舞台で、登場人物も神父やシスターなので、このプロットに意味があると思う。つまり、キリスト教という宗教がバックボーンにあるので、「神」が全てなのだ。「神」の前では、証拠がなくても、「疑惑」や「疑念」があるだけで罪なのだ。
この映画では、神父と黒人少年の生徒が”不適切な関係”にあるのではないか、というモラルとしても到底許しがたい(そして、時代設定も1964年ということを考えると)ことなので、厳格すぎるシスターは厳しく、非情に対応していく。だが、それは本当に「正しい」ことなのか?そのことを問いかけているのだ。
難しいテーマだが、上述の演技陣の素晴らしさ。自身の名作舞台を映画化した、監督・脚本のジョン・パトリック・シャンディの派手さを抑えた演出。落ち着いたカメラワーク。これは(じっと座って観てられる)大人の観客を相手にした映画と云えよう。
日本では、2009年3月7日より公開とのこと。
Doubt (2008)
104 mins
12-Feb-09-Thu
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□作品オフィシャルサイト 「ダウト 〜あるカトリック学校で〜」□監督・脚本・原作 ジョン・パトリック・シャンリー □キャスト メリル・ストリープ、フィリップ・シーモア・ホフマン、エイミー・アダムス、ヴィオラ・デイヴィス■鑑賞日 3月8日(日)■劇場 チネチッタ■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)<感想> 僕の好きなメリル・ストリープ、その女優歴でアカデミー賞15回のノミネートはやはりただ者ではない。 先日のアカデミー賞最優秀賞の発表が行われ、惜しくもケイトに持っていかれてしまったが、... [続きを読む]
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「ダウト -あるカトリック学校で-」★★★★
メリル・ストリープ 、フィリップ・シーモア・ホフマン 主演
ジョン・パトリック・シャンレー 監督、2008年、105分、アメリカ
「信じるより、疑うことのほうが容易い、
でもメリル・ストリープだけは
敵にまわしたくないな、絶対に」
厳格なカトリック系の学校の校長は
規則を愛し、自らも厳しい生活を課し、
それを乱すことを決して許さない。
そしてひとつの疑惑が
彼女の確信へと変わり、
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