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2008年12月

2008-12-29

「葉問 (イップ・マン)」(原題) Ip Man

Odoru2912082 公開を楽しみにしていたドニー・イェン主演のクンフー映画「葉問 (イップ・マン)」(原題)"Ip Man" へ行く。香港では2008年12月19日に封切られ評判もよくヒットしている。シンガポールの高校へ行っている息子が冬休みで帰ってきたので、日曜(28日)の午後一緒に満員の劇場で楽しんできた。

「葉問」(イップ・マン)とは人の名前である。詠春拳(えいしゅんけん)という拳法を世に広めた偉大な師(Sifu)で、ブルース・リーの好きな人はご存知と思うが、リーの師匠だった人である。この映画は彼の半生を描いたものなのだ。ぼくが楽しみにしていたというのはそういうわけなのじゃよ。

1930年代 中国広東省仏市。武道の盛んなこの街では、道場が至るところにあり男達は道でも鍛錬していた。葉問(ドニー・イェン)は詠春拳の達人にも関わらず、道場を持たず、自宅で一人木人椿(もくじんとう)相手に練習をする日々。今日も、街で道場を開いたばかりの男が挨拶代わりにお手合わせ願いたいとやってきた。葉問は妻(リン・ホン)と一人息子の三人暮らし。食事中にやってきたその男は食事が終わるのを待ち、葉問と一戦交える。

ここからの葉問と道場主の闘いは目を見張る。ドニー・イェンは詠春拳の師らしく堂々とし、オーバーなアクションを一切せず、小さな動きだけで、つまり必要最低限の動きで相手をかわし、攻撃をする。何度も葉問がとどめをさせる状態になるが、寸止めで終わらせる。この場面で詠春拳の凄さを観客に認識させるのだ。

Odoru2912083_2 ある日、山奥からやってきた無骨な男達が道場破りを繰り返し、どこの道場主も歯が立たず恐れをなしていた。葉問の噂を聞きつけた男達は葉問の家にやってきて、無礼な振る舞いをする。街中の人がやってきて闘いを見ようとするが、葉問は玄関を閉め部屋の中で男達を簡単に仕留めてしまう。相手は大刀を振り回すが、葉問はホコリをとる棒でそれをかわし軽快に痛めつける。街中の人は仏市民の名誉を守ってくれた葉問をそれ以後、尊敬する偉大な師として崇めるのだった。

だが1937年、満州事変が勃発し、広東省仏市にも日本軍がやってきて統治されてしまう。葉問の家も軍にとられ、家族は貧しい生活を余儀なくされる。金に困った葉問は鉱石場で働くが、そこへ軍からの命令で日本兵と空手の勝負をする相手を捜しているという顔見知りの中国人通訳(ラム・カートン)がやってくる。もし勝ったら米をくれるという条件で…。

クンフー映画としての出来は重厚で素晴らしい。傑作である。おそらくドニー・イェンの代表作の一本に数えられるだろう。監督のウィルソン・イップとのコンビでは、「SPL/狼よ静かに死ね」('05)がホップ、「導火線」('07)がステップで、この作品「葉問」('08)でジャンプしたという印象なのだ。

製作費もかかっているようで、舞台となる仏市市街のセットもいいし、葉問の自宅のアート・ディレクションも素晴らしい。前半は美しいカラーで笑える場面もあり、後半日本に統治されてからセピア画面っぽくシリアスな色調で見せるコントラストも見事である。

Odoru2912084 ただ日本人としては(これは中国人側の視点で描いているので)後半観ていて辛い場面が続く。広東省を統治したという描写では、市民を日本兵が銃で撃つショットがあるし、道場での中国人と日本兵の対戦も(中国人にとって)悲惨な描写がある。映画としては、こうすることにより葉問の怒りに観客が感情移入できるわけだが(実際、葉問は日本兵と闘う時は寸止めをせず、拳を傷つける)、日本人の観客であるぼくには複雑であった。

日本人の隊長(英語では"General"となっていた)三浦を演じる池内博之は空手の達人の役。純粋に中国の武道家と闘ってみたいという欲求で人間を招集し、葉問を達人と見なしラスト 一対一のフェアな闘いをする。彼は人として立派に描かれているが、上司の機嫌取りをする取り巻きの男がイヤな日本人として登場する。役者の名前はわからないが、細身でメガネというステレオタイプの日本人だ。日本人のシーンは日本語で話すので、戦時中の日本軍のメンタリティとしてわからなくもないのだが…。

池内演じる隊長は、葉問(←「ようもん」と発音していた)に日本兵に武道を教えるようにと頼むが、葉問は(当然の事ながら)断る。中国人の尊厳を踏みにじられ、仲間を殺され、自らも殺されそうになった日本人を彼は許す事が出来なかったのだ。
これは映画では出てこないが、彼の遺言により、詠春拳(えいしゅんけん)は”日本人には絶対に教えてはならない”という戒律が今も生きていると聞く。これも戦争が残した後遺症と云えまいか…。

映画のラストは、香港へ渡り詠春拳を広めた葉問のその後をテロップで紹介し、実物の葉問(イップ・マン)とブルース・リーのツーショット写真で終わる。
今年はブルース・リー没後35年。その年にリーの師匠である葉問の半世が映画となり、「燃えよドラゴン」('73)でリーと闘った若き日のサモ・ハン・キンポーがこの映画ではアクション監督として見事なクンフー場面を見せるというのは、何か<いい話>ではないかと思うのだ。

最近の武道家の伝記物として、ジェット・リーの「SPIRIT スピリット」('06)より ぼくはこっちの方を買う。日本での公開は、作品で描かれている時代が妨げになるかも知れないが、公開して欲しいと願う。が、その前に「導火線」"Flash Point"もぜひ公開してくれっ…てか!?

葉問  Ip Man (2008)

107 mins

【関連】「導火線」 Flash Point
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post.html

29-Dec-08-Mon

Ip Man (Double Disc Spcial Edition) DVD Ip Man (Double Disc Spcial Edition) DVD
Donnie Yen

Flash Point Chocolate Ip Man Dual Subtitled Kill Zone The 36th Chamber of Shaolin

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2008-12-26

「赤い風船」+「白い馬」 Red Balloon + White Mane

香港でフランス短編映画の名作「赤い風船」と「白い馬」の二本立が上映されたので行く。
クリスマスの日(2008年12月25日)マチネーがあるというので、11歳の娘を連れて中環(Central)の Palace IFC へ行った。当日香港は休日で、ほぼ満員の劇場で楽しんで来た。

その Palace IFCの開館5周年記念として、「モダン・クラシックス」と題して過去の名作を上映しているのだが、その第2弾としてこの2本が公開されたのだ。ちなみにこのPalace IFC はシートもワイン・カラー(革張り)の洒落たシネコンである。ぼくが香港で最も好きな劇場なのだ。

http://202.85.147.176/broadcast/modern_classic_trailer/trailer.html

「赤い風船」 Le Ballon Rouge (Red Balloon)

Odoru2612082 パリ。ある朝。美しい町並を望む道で少年(パスカル・ラモリス)は猫の頭をなでる。この冒頭シーンは絵画のように美しい。少年は学校へ行く道すがら、街灯に赤い風船が引っかかっているのを見つける。街灯によじ登り風船を持って学校へ行く少年。学校帰り、雨の中いろんな人に声をかけ赤い風船と一緒に傘へ入れてもらい家路を急ぐ。いつしか風船はパスカルの後をついてくるようになり、手を放しても上に舞い上がらない。あたかも尻尾をふってついてくる犬のようだ。それを見ていたいじめっ子たちは風船を盗ろうと追いかけてくる。ついには悪ガキの石に撃たれしぼんでしまう赤い風船。その直後、街中の風船が少年の元に集まってくる。そして少年を空高くつれていくのだった…。

1956年カンヌ映画祭短編グランプリ、アカデミー賞脚本賞受賞の本作。ぼくはその名のみ知っていたが中々観るチャンスがなく、今回劇場で観れてよかった。とても幸せな気持ちになれたというのが正直な感想だ。

セリフは殆どなく、映像で語る。「映像詩」とはこういう映画のことを云うのだ。

赤い風船が色鮮やか。女の子の持つ青い風船とすれ違うと赤い風船はそっちについて行ってしまう。そんなユーモアもいっぱい。

監督・脚本のアルベール・ラモリスは、子役に自分の子供を使った。主役を息子のパスカル。青い風船の女の子を娘のサビーヌが演じた。

キリスト教の人々がこの作品を観ると、イエス・キリストをモチーフにしているのがわかるのだという。もしそうなら香港でクリスマス当日からこの作品を公開したというのは意味があると思うのだ。

様々な映画人をはじめ、芸術家や文化人に影響を与えたという本作。百聞は一見にしかず。50年以上も前の作品だが、人生の中でのたった35分をこの作品に使っても損はしないと思う。心の片隅に「保存」しておきたい素敵な名品である。

「白い馬」 Crin-Blanc (White Mane)

Odoru2612083_2 南仏カマルグ。野生の馬が荒地を走る。その馬の群れのリーダーは”白いたてがみ”と呼ばれ、人間に馴染まない荒い性格だった。ある日その白い馬は牧童たちに捕らえられるがすぐに逃げ出してしまう。漁師である少年フォルコ(アラン・エムリイ)は白い馬を助け牧童たちから守ろうとする。馬に湿地帯を引き回されても手綱を放さなかったフォルコに白い馬は心を許す。またすぐに牧童たちに見つかり追いかけられるが、フォルコは白い馬に乗りそのまま海に飛びこみ、波の中に消えて行く…。

「赤い風船」より前、1953年度カンヌ映画祭短編グランプリ作品。40分。

モノクロ映画だが、モノクロゆえに白い馬、そのたてがみが美しい。少年フォルコも美少年。湿地帯の中を疾走する馬。その水の中を走る蹄の音も耳に心地よく響く。

本作もセリフが殆どなく、わずかなナレーションだけ。少年と白い馬の中に芽生える心の通い合いを映像だけで見事に描いている。

水辺の家で年老いたおじいちゃんと弟と暮らすフェルコは一家の大黒柱だ。漁から帰りまだ幼い弟に亀を渡してやるシーンがほのぼのとしてて良い。その弟役はその後「赤い風船」の主役となるパスカルだ。

続けて2本初期のアルベール・ラモリス監督作品を観たわけだが、どちらも少年を主人公にし、心やさしいタッチと絶妙の間で映像を繋いで行く。

まだCGなど無い時代、短編とはいえこれだけの絵を撮るのは大変だったろうと想像するが、その映像センスは素晴らしいと思う。まさに「モダン・クラシックス」と云えよう。

ぼくは「赤い風船」を観ながら「シェルブールの雨傘」('63)を。「白い馬」の時は「チコと鮫」('62)を思い出した。どれも映像詩という点で影響があるように思えたのだ。

何か「文部省特選」で、学校から観に行く映画のように思えるが、香港では珍しく「白い馬」が終わった時、場内で拍手が起こった。

11歳の娘も楽しんでくれたようだ。彼女の心にも何かが残った映画であってくれればと願っている。
これは父から娘へのささやかなクリスマス・プレゼントだったのだから…。

Le Ballon Rouge (The Red Balloon) (1956)  35 mins

Crin-Blanc (White Mane) (1952)  40 mins

赤い風船/白い馬【デジタルニューマスター】2枚組スペシャル・エディション [DVD]
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2008-12-24

「カサブランカ」 Blu-ray Casablanca - Ultimate Collector's Edition

今年のクリスマス商戦も様々なDVDやBlu-rayが商品化されたが、その中でもひときわ豪華なBlu-rayセットが2008年12月2日にアメリカで発売された。
なぜ豪華か?というと、それは映画が<特別な作品>だからだ。その映画とは、ハンフリー・ボガード、イングリッド・バーグマン主演の永遠の名作「カサブランカ」"Casablanca"である。

Odoru2412084_2 ブルーレイなのに、その箱の大きさにまず驚き、そして白い外箱に施された模様の素晴らしさにまた驚いた。一見すると絵のように見えるが、ヨーロッパのお城の内装のような模様部分は実は切り抜いてるのである。
何か高級チョコレートの箱のような繊細な作りのボックスを開けると、中には2枚のBlu-ray(一枚はボギー、一枚はバーグマンのピクチャー・ディスク)、写真集 (48 page)、ポートレイトなどが入っている。
中でも大げさやな、と思ったのは、茶色の皮製(?)のパスポート・ケースとタグが入っていたこと。これに自分のパスポートを入れて、ビーター・ローレのように「アディオス、カサブランカ!」と言わせたいのかと苦笑したよ。

もう何回観たかわからない、そして何度観ても飽きない、この名作映画「カサブランカ」であるが、今回のHi-Defは本当に素晴らしいリストアといえる。
今までの「カサブランカ」は「白黒」というより、イメージとしては「白・灰色」という感じだったが、このHi-Def版のBlu-rayは、コントラストが際立ち「白」「黒」っていう感じなのだ。

Odoru2412083 白黒映画のリストアとしては、ぼくが今まで観たものの中でも、クライテリオン版DVD「用心棒」や「第三の男」に匹敵する素晴らしさである。

ぼくは、この映画の白いドレスのイングリッド・バーグマンは、白黒映画史上最高の美しさだと思っている(初めて映画館で観たときは、口をあけて見惚れてしまったよ・笑)。
そのバーグマンの美しさが今回のリストアでは更に際立つ。これだけで、買ったかいがあったというものだ。

ストーリーはあまりに有名なので書かないが、これは当初戦意高揚の国策映画として製作されたというのが驚きだ。時代は変わり、今は恋愛ドラマの古典として、現代においてもその輝きは少しも色あせていないのが凄い。

ボギーの煙草の吸い方。両切りキャメルを、人差指と中指に挟むのではなく、つまむようにして吸うのがかっこよくて、若い頃煙草を吸っていた時によくマネしたものだ。 ボギーのように渋い男がやるとサマになるのだが、ぼくがやると、貧乏人がシケモクを吸っているように見え、かっこつけてもかっこ悪かったのだ(笑)

それからお酒を飲むときもボギーを真似て「君の瞳に乾杯」"Here's looking at you, kid." なんて云いながら女の子を口説いてたんだから、そらぁモテるわけないわな、と今思い出しただけでも、顔が赤くなってしまう(笑)
出来ることなら、タイムマシンでその頃に戻って、自分で自分にツッコミを入れたい気分である。

Odoru2412082 特典映像は、(実はまだ観てないのだが) Jack L. Warner: The Last Mogul Documentary というワーナー映画の創始者のドキュメンタリーが面白そうである。その他、ローレン・バコールのイントロダクション。アウトテイクや、Bacall On Bogart、You Must Remember This: A Tribute To Casablanca というドキュメンタリー等、究極(Ultimate)という名に相応しい内容といえよう。

前回このブログで「スイング・ホテル」カラーライズ版のことを書いたが、この「カサブランカ」もカラライ版があることをご存知か? アメリカのTVで放送され、あまりに評判が悪く、その後「なかったこと」になっているというものだが、ぼくはそれを観てDVDも保存している。
なぜ持っているかというと、香港の地上波(ATV World)で放送されたからだ。あれは2006年の旧正月だった。「カサブランカ」を放送することは知っていたが、ある日予告をTVで見たらカラーだったのだ。迷わずハードディスクに録画し、その後DVDにしたのだ。
お見せする事が出来ないのが残念だが、これは珍品である。サムは金ぴかのスーツを着て、緑色のピアノ(←実際もそうだった)を弾いている。

あまりに名作なので、カラーにしたことでイメージが変わってしまい、評判が最悪だったのだと思う。これはこれで面白いと思うが、白黒とカラーとどっちがいいか?と聞かれたらやはり白黒と答える。

コアな映画ファンにとっては、この映画は汚してはいけない神聖なものであるといえよう。
今思えば、よくTVでやったと思う(その年の10月に再放送もした)。何でもありの香港、恐るべしである。

You must remember this....

Casablanca (1942) Ultimate Collector's Edition

Dolby Digital Mono
Aspect Ratio 1.33: 1
103 mins

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2008-12-23

「スイング・ホテル」 DVD カラーライズ版 Holiday Inn (3 Disc Collector's Set)

クリスマスも近くなり、名曲「ホワイト・クリスマス」を生んだ映画「スイング・ホテル」"Holiday Inn"がアメリカで再発売された(2008年10月14日)のでご紹介しよう。今回のDVDはなんとカラーライズ版なのだ!

Odoru2312082 この映画は、オリジナル・ポスターを見ると題名の前に”アービング・バーリンの”Holiday Inn となっているが如く、バーリンの名曲12曲をビング・クロスビーとフレッド・アステアという20世紀の名エンタティナーが歌い踊るという贅沢な作品なのだ。

歌手のジム(クロスビー)とライラ(バージニア・デイル)はコンビを組んで舞台を踏んでいたが、ダンサーのテッド(アステア)はライラを寝取ってしまう。コネチカットで芸人をやめて二人で農場をやろうと思っていたジムは傷心の日々を送る。一年後、ジムはテッドをブロードウェイに訪ね、自宅を改装し休日のみ営業するホテル”ホリディ・イン”を開業するから出演してほしいと頼みに来るのだった…。

ミュージカルなので、恋のさやあてがあるのだが、物語としては正直さほど面白くもない。
だが、この映画は、楽曲の良さとクロスビーの歌、そしてアステアのダンス・シーンを観るだけで充分元がとれる映画である。
DVDになって嬉しいのは、チャプターを切ってあるので、ドラマの部分は飛ばして歌と踊りのフーテージだけを観る事ができる点だ。

ホテルの中で、ピアノを弾きながら「ホワイト・クリスマス」を歌うクロスビー。花火を投げながらアステアが踊るファイアー・クラッカー・ダンスなどすんばらしい場面は多い。

一年を通してアメリカの様々な休日にちなんだ楽曲を聴く事が出来、「イースター・パレード」や、80年代にアメリカのテレビ放送ではカットされていたリンカーンの誕生日の「エイブラハム」のクロスビーのミンストレル・ショウなども面白い。

今回のカラーライズは、以前「プラン・9・フロム・アウター・スペース」の時にも書いたレジェンド・フィルム社が担当しており、カラー化はとても成功していると思う。
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/dvd_0aee.html

1940年代から50年代のミュージカル映画は、シュールなセットデザインの中で歌い踊るものが多く、女性の豪華な衣装もあり、カラーの方が見栄えがするのは当たり前なのだ。
ホテルの中でのアステアのデュエット・ダンスで、外に雪が降っている絵はとてもいいシーンである。カラーだからその白い雪が際立つのだ。

Odoru2312084 このDVDには、リストアされたオリジナル・モノクロ版、カラーライズ版、そしてサントラCDの3枚のDiscが入っている。CDは昔風の紙ジャケットに入っててファンには嬉しい作りだ。

1954年製作の、同じビング・クロスビーとダニー・ケイ主演の「ホワイト・クリスマス」はこの映画のゆるーいリメイク。「スイング・ホテル」の方が出来がいいと思う。今回のカラーライズ版を観ると、その差は歴然といえる。

クロスビーとアステアのコンビはこの後、アステアの<最初の引退記念>となった名作「ブルー・スカイ」('46) "Blue Skies"でまた競演している。

ビング・クロスビー&フレッド・アステアは1975年にアルバム「A Couple of Song and Dance Men」をリリースしたのを思い出す。懐かしいナァ。よく聞いたものだ。その後ビングは1977年に、アステアは1987年に他界した。

この映画の原題は"Holiday Inn"で、世界的なホテル・チェーンとなったホリディ・インはこの映画からその名をとった。そういった意味でも歴史に名を残す映画と云えまいか。

I am dreaming of a White Christmas♪

Holiday Inn (1942) New Color & Original Version plus Music CD

Dolby Digital 2.0
Aspect Ratio 1.33: 1
Region 1
101 mins

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2008-12-20

「5つの銅貨」 The Five Pennies (LD)

Odoru2012082 ダニー・ケイ主演の名作映画「5つの銅貨」"The Five Pennies" を久しぶりに楽しんだ。
LDからDVDに移しかえるためにかけたのだが、そのままリビングで娘と二人で魅入ってしまったのだ。

残念ながらこの映画も日本ではDVD化されていない。ジャズ・ミュージシャンの伝記ものとしては「グレン・ミラー物語」「ベニー・グッドマン物語」が有名で、この2本は既に日本でもDVD化され、ぼくも持っているのだが、この「5つの銅貨」は待てど暮らせどDVD化されないのだ(アメリカではDVD化されている)。

LD化はされたが、Blu-ray時代の21世紀の今では、ダニー・ケイも日本では知名度が低くなっているので商売として成り立たないと判断されているのだろう。
だが、これは1920年代に大人気だったバンド "ファイブ・ペニーズ" とリーダーのレッド・ニコルズを描いた音楽伝記ものであるが、同時にファミリー・ピクチャーとしても屈指の出来の名作なのだ。

ユタからNYにやってきたコルネット奏者のレッド・ニコルズ(ダニー・ケイ)は、バンド仲間のトニー(ハリー・ガーディノ)とサッチモ(本人出演)の出演しているクラブで、コーラス・ガールのボビー(バーブラ・ベル・ゲデス)と出会い結婚する。やがてレッドは自らのバンドを結成、成功し、シンガーのボビーたちと巡業旅行をするが、幼い娘のドロシー(スーザン・ゴードン)の将来を考え家を構える。親が巡業で留守がちのため寂しいドロシーは、クリスマスの夜ラジオから聴こえるお父さんたちの楽し気な演奏をしり目に、大雨の中、庭で一人ブランコに乗る…。それがもとでドロシーは小児麻痺となり歩けなくなってしまう。責任を感じた父レッドはバンドを解散し、娘の為に造船所務めをし、献身的にリハビリに付き合う。やがて成長したドロシー(チューズディ・ウェルド)の誕生パーティで、娘の友人たちに侮辱されたレッドはカムバックを決意する…。

愛する娘のために成功しているバンドをやめる決心をしたレッドが、父からもらった大事な大事なコルネットを橋の上から投げるシーンが印象的だ。仕事も大事だが、愛する子のために親は犠牲にしなければならないことがあるということを教えてくれる。これは”おとーさん”つまり父親になった男が観るべき映画の一本だと思う。

音楽映画としては、楽曲も素晴らしいし、サッチモも、ダニー・ケイのアドリブも最高である。サントラを聴くだけでも楽しさがわかってもらえると思う。"Five Pennies" "Bill Bailey, Won't You Please Come Home" "Good Night, Sleep Tight" "Lullaby in Ragtime" "Battle Hymn of the Republic"等々、必ず聴いたことがある曲があるはずだ。

ダニー・ケイといっても若い人は知らないだろう。谷啓はここからとったんだぜ!?と云っても通じまい。ちなみに益田喜頓はバスター・キートンからだぜ!?と云っても もっと通じまい(笑) せいぜい、ジブリの音楽を担当する久石譲はクインシー・ジョーンズの当て字だぜ!?くらいか。
あ、そうそうサッチモというのもルイ・アームストロングのことなので、念のため。

だが、ダニー・ケイは20世紀の偉大なエンタティナーの一人であることは覚えておいて損はないと思う。その彼の名演のベストがこの映画であるという(ぼくと同じ考えを持つ)人々や評論家も多い。

小5の娘がこの映画を大好きな理由は、学校でトランペットを吹いているからだ。コルネットとペットと違いはあるものの、「リパブリック讃歌」を思いっきり吹くダニー・ケイとサッチモのシーンはかっこいいのだと。
それに「ベニー・グッドマン物語」と違って指使いもちゃんとしてるしね(笑)

(ここからネタバレあり)

ラスト、レッドのカムバックに場末の観客もまばらなナイトクラブへ、かつての友人のサッチモやグレン・ミラーたちがかけつけて飛び入りで演奏する。そして、足がよくなった娘のドロシーが父親のレッドに「踊ってくださる?」と言って、母親のボビーの歌をバックに踊るところは、何度観ても涙が止まらなくなる。本当の幸せとは何かを教えてくれる名シーンだと思う。

日本でのDVD化をファンとして切望している。

The Five Pennies (1959)

117 mins

【追記】「5つの銅貨」DVD 北米盤
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/dvd-the-five-pe.html

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2008-12-18

「エグザイル/絆」 DVD Exiled 放.逐 (香港版)

(クリックすると日本語でも表示できます↓)

Odoru1912082 ジョニー・トー監督の傑作映画「エグザイル/絆」"Exiled"(放.逐)が日本でも公開され(2008年12月6日)評判も上々と聞き、香港在住の一映画ファンとしては、なんだか嬉しく思ってしまう。

ぼくは香港へ来てからも「週刊文春」と「週刊新潮」は毎週買っている。値段が高いので(1冊約600円)一週間かけて隅々まで読むのだが、文春誌上(12月18日号)のシネマ・チャートでも高評価で、新潮でも北川れい子さんの批評がとてもGoodで、思わずニンマリしてしまった。

この映画は、当地香港では2006年10月に公開されたので、もう既になんだか懐かしい映画になってしまっている。香港でも評判をとったが、ぼくは劇場で観れなかったので、その年の年末にDVDになった時に観たのであった。

とあるマカオの家。ドンドン、と玄関を叩く音。女(ジョシー・ホー)が出てくる。「ウーはいるか?」男たち(アンソニー・ウォン、ラム・シュー)がたずねる。「そんなのはいない」。またドンドン、と叩く音。「ウーはいるか?」今度はちがう男たち(フランシス・ン、ロイ・チョン)だ。「そんな人はいない」と答える女。家の中には生まれたばかりの赤ん坊がいる。ウー(ニック・チョン)は香港マフィアのボス(サイモン・ヤム)を暗殺しようとして逃げている男だ。外で帰りを待っている男二人はウーを殺しに、もう二人はウーを守るために来た。だが、その5人の男たちは皆幼なじみだったのだ…。

Odoru1912087 邦題に「絆」と入るのでわかる通り、これは男達の友情の物語。ジョニー・トー監督のけれん味たっぷり&いささかかっこつけすぎの演出と、スローモーションも巧みに入れたスタイリッシュな映像に引き込まれる。

舞台をマカオにしたことで、それまでのジョニー・トー映画とはテイストが少し違う。それが成功していると思う。町並みやなんか香港と似ているようで、やはり違うんだなぁ。
香港の喧騒と違い、マカオはよりヨーロッパナイズされたところがあり、派手な銃撃戦(最高の演出!)も拳銃音が渇いて聴こえるような気さえするのだ。

音楽もなんだかマカロニ・ウェスタンのそれを連想させ、砂埃の茶色っぽい場面も西部劇っぽい。これもマカオのなせるワザなのか。

初めて観たときは「赤ちゃんを前だっこして拳銃なんか撃ったら鼓膜が破けるやんか」とちとリアルな感想を持ったものだ(笑)

だが、もう本当に子供のように無邪気にじゃれあう中年の男たちが、命をかけてダチ公を守ろうとする姿は、一人の男としてマジに胸打たれた。

Odoru1912083 さて、ぼくが持っている香港版DVDは発売初期(2006年12月28日発売)に出た限定版。なぜか安物のシステム手帳みたいな作りになっていて、そのポケットにDVDが入っている。中にはスティル写真、2007年のカレンダー、Exiledと印刷されたノート・パッドが綴じられている。最初は映画の中で小道具としてこういう手帳を使うのかな?と思ったが、全く関係ないのだ。映画はあんなにスタイリッシュでかっこいいのに、なんじゃこりゃぁ?と思わせる代物である。だが、今となっては珍品としてとって置こうと思っている。

DVDの特典映像は、メイキングと劇場予告編入り。

余談だが、アンソニー・ウォンは今香港でサロンパスのTVCMに出ている。アクション・シーンの後「こ、腰が…」と言ってサロンパスを貼るというもの。映画ファンには楽しいCMだ(笑)

この香港ノワールの傑作「エグザイル/絆」を劇場で観れるというのは、今となっては日本の皆さんがうらやましく思う。損はさせないぜ。映画館でぜひ!

放.逐 Exiled (2006)

Dolby Digital EX, DTS
Aspect Ratio 1.78: 1
Region 3
109 mins

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2008-12-17

「ホワット・ジャスト・ハプンド」(原題) What Just Happend

Odoru1712082 バリー・レヴィンソン監督、ロバート・デ・ニーロ主演のハリウッド風刺コメディ映画「ホワット・ジャスト・ハプンド」(原題)"What Just Happend" が香港でも公開になった(2008年12月4日)ので行く。

ハリウッドの落ち目のプロデューサー ベン(デ・ニーロ)は、雑誌”ヴァニティ・フェア”のハリウッド30名のトップ・プロデューサーの写真撮影のためスタジオに呼ばれて来た。有名プロデューサーが行き来する中、ベンは2週間前からの出来事を回想する…。

2週間前、ショーン・ペン(本人出演)主演の新作映画 "Fiercely" のテスト試写の時のことだ。ラストでペンが撃たれ、かけよってきた犬も撃ち殺された瞬間、場内が騒然となる。観客のアンケートも散々で、撮影所の重役ルー(キャサリン・キーナー)からも、監督ジェレミー(マイケル・ウィンコット)共々呼び出され、犬のシーンの作り直しを命ぜられる。英国人でパンクな薬漬けの監督は激高するが、カンヌ映画祭出品もあり、ベンは監督を説得にかかる。

Odoru1712083 ベンは2度目の結婚もうまくいかず、現在別居中である。せっかく元のサヤに収まりそうなチャンスも、ブルース・ウィルス(本人出演)から電話があり、撮影が近づいている新作に出るにあたって、半年はやした髭を「絶対に剃らないぞ!」と駄々をこねられる。ウィルスのエージェント(ジョン・タトゥーロ)もあてにならない。

映画会社の厳しい重役、気難しい監督、わがままな俳優、野心のある脚本家、いかがわしそうな投資家… 毎日毎日色んな人と会い、調整しなければならないことが山積している主人公。プライベートも仕事も自分の意のままにならぬプロデューサー稼業。

原作は、自身が「アンタッチャブル」「大いなる遺産」「ディック・トレーシー」「ファイト・クラブ」などのプロデューサーであるアート・リンソンの "What Just Happend: Bitter Hollywood Tales from the Front Line"。彼は、この映画の製作(デ・ニーロ他2名と共同)及び脚本も兼ねている。本当のプロデューサーが書いた脚本ゆえか、描写はリアルだ。
いかにも業界人が集まりそうな場所で食事をしたり、モデル風の女性(ムーン・ブロッグッド←イイ女)から言い寄られたり。

Odoru1712085_4 サングラスをかけ素足にモカシンを履く、業界の人間っぽい雰囲気を醸し出すデ・ニーロが見事だ。キャリアも役者としても格上なのに、ショーン・ペンやブルース・ウィルスという主役級のスターの前に出ると、デ・ニーロが本物のプロデューサーに見えてくるから不思議だ。

その他の出演者も、ベンの妻にロビン・ライト・ペン(←ショーン・ペンの奥さん)、脚本家スコットにスタンリー・トゥッチ、元妻との間の娘にクリステン・スチュワートなど豪華な布陣である。

この映画は今年2008年のカンヌ映画祭のクロージング作品として上映された。映画の中でもカンヌでの上映シーンがある。半ばジョークともいえる上映で、カンヌ映画祭のスタッフの心意気が憎い。だからその時会場で観た観客は余計に楽しめたのではなかろうか。

Odoru1712084_2 ぼくは、このしがない映画プロデューサーのせわしない日々を描いた本作を一人の映画ファンとして存分に楽しんだ。
だが、映画好きではない一般のお客さんにウケるかというと少し微妙な感じもする。ただただデ・ニーロがあっちやこっちで振り回され四面楚歌になるので、見てる方がフラストレーションがたまるかも知れない。

だからなのか、アメリカでの批評も"ビミョー"で、今年1月にサンダンス映画祭での世界セールスも不調に終わったという。アメリカでは10月17日から公開となったが、メジャー・スタジオ製作ではないからか (配給 2929 Productions) 、拡大公開はされてないようだ。

デ・ニーロ扮する主人公は、車の中でもせわしなく電話をするが、カーオーディオから流れる音楽はエンニオ・モリコーネだったりする。そういうところが、ぼくら映画好きの気持ちをくすぐるのである。<映画を愛する人>には楽しめる作品なのだ。

日本での公開はいつになるのかわからないが、観終わった後、映画好きの友人と飲みながら語り合いたいような映画であった。

"In Hollywood, everybody can hear you scream."

What Just Happend (2008)

104 mins

What Just Happened?
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2008-12-15

「地球が静止する日」 The Day The Earth Stood Still

Odoru1512082 香港でもキアヌ・リーヴス主演の映画「地球が静止する日」"The Day The Earth Stood Still"が公開になったので行く(2008年12月11日から)。

いやぁ、久々につまんない映画を観てしまった…。あまりに退屈で途中寝そうになってしまいましたとさ。「地球」じゃなくて「観客が静止した日」だったよ(笑)

調べてみたら Rotten Tomatoes でもたった22%の評価だ(2008年12月14日現在)。香港でも評判は聞こえてこない。それだからか、日曜の午後だというのに空席が目立った。

ニューヨークのセントラルパークへ降りて来た球体の中から、宇宙からの使者クラトゥ(キアヌ・リーヴス)が出てくる。だが軍の射撃により負傷し、巨大なゴートが暴れ出す。病院へ運ばれたクラトゥは手術室で人間の容姿に生まれ変わる。クラトゥの謎をやっきになり解き明かそうとする政府だが、宇宙生物学者のヘレン(ジェニファー・コネリー)と息子(ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス)は、このままであれば地球に危機が訪れることを知る…。

Odoru1512083 本作は、1951年のSF映画のクラシック「地球の静止する日」のリメイク。ロバート・ワイズ版のオリジナルは、冷戦構造、核の脅威という時代に宇宙から警告に来るというもので、このままでは世界が終わりになるという明確なメッセージがあった。
ちょうどSF映画が、単なる夢物語ではなく、現実世界を反映するようになった時代のこれは記念碑的な作品であったのだ。

今回のリメイクでは、時代が冷戦構造ではなくなり、より複雑な時代になっているのだが、クラトゥの訴えもあまりピンと来ない。
VFXも力が入っているのだろうと期待して行ったが、思ったほどでもなかった。日本のTVCMで観てたのでさほど驚きもなかった。

寝そうになった一番の理由は、映画として動き出すのが始まってから1時間20分くらいたった所からで、それまではぐだぐだなドラマが続く。つまりラスト20分くらいしか観るところがないのである。脚本もいただけないが、演出(監督:スコット・デリクソン)も力量不足なのだ。

Odoru1512086 アメリカのある批評で「キアヌ・リーヴスはエイリアンの役で、あまり話さず感情もあらわさない。彼は完璧な当たり役を得たと思う」と書かれてて、納得してしまいましたとさ(笑)

”ミザリー”なキャシー・ベイツもオーバー・アクトだったし、ウィル・スミスの息子ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス(←長い名前だな)も子供なのにちょっとクサイ演技だ。
ジェニファー・コネリーは美人で好きな女優さんの一人で、今回も学者として母親としての役を頑張って演じている(←えこひいきで書いてマス)

年末・年始の超大作として20世紀フォックスは大宣伝を展開しているが、作品の出来がこれじゃぁなぁ、とため息をついてしまう。アメリカの評価が定まる前に公開するのがせめてもの幸い。公開を先延ばしすると麻生総理のように、メッキが剥がれてしまっただろう。

大作感があんましない大作(製作費は100億かかっているらしい)。トンデモ映画としては観ておく価値のある映画です。ハイ。

The Day The Earth Stood Still (2008)

103 mins

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2008-12-14

「ダークナイト」 DVD (香港版) The Dark Knight 2-DVD Limited Edition with BATPOD

映画「ダークナイト」"The Dark Knight" 香港版DVDも発売になったので買った(2008年12月5日発売)。なぜBlu-rayにしなかったかというと、DVDの方が特典が多かったからである。元来「おまけ」に弱いぼくであるが、今回も「おまけ」のおもちゃに負けたのだった。(←こーゆーのをカモネギと呼ぶ)

Odoru1412082 ブルーレイ版は買ってもおまけはつかないのだが、この2枚組の限定版DVD BATPOD・ヴァージョンは、HMVのみの予約特典で「バットマン・携帯ストラップ」「バットマン・コミックブック」それに「トゥー・フェイス・コイン」のレプリカがついてたのだ。(発売日前日までの予約のみ)

この中で一番欲しかったのは、レプリカ・コインだった。実際手にとってみると、ちゃんと重い硬貨で、両面がオモテになっているが、片面は黒くこげて無数に傷が入っている。とてもよい代物で、いつもポッケに入れておきたい気分だ(←実際持ち歩くと無くす可能性が高いのでやらんが・笑)

ついこの間IMAX版「ダークナイト」を観たばかりで、あのド迫力の感動をもうしばらく心の中で楽しんでいたいので、映画自体はしばらく観る気はない。いずれ日本版ブルーレイを買おうと思っているので、このDVDでは特典映像のDiscのみ楽しんだ。

Odoru0511086 メイキングの撮影風景を眺めていると、「IMAXで撮影したんだぜ」という自慢(?)話が多くていささか拍子抜けした。初めてIMAXカメラで撮影した劇場映画だというのはわかるけど。ご丁寧にIMAXヴァージョンのシークエンス集もついている。映像比較はできるものの、小さなモニターでこれを眺めても楽しいのかな?と思ってしまった。ぼくは幸いにもIMAXで観たのでいいが、これを観たくても観れない人にとっては余計ストレスがたまるんじゃないか?と思うがどうだろう。

驚いたのは46分にものぼる「ゴッサム・トゥナイト・ニュース」である。劇中で使うために製作したのかどうかは知らないが、本物っぽいニュースの作り方で、実際にハーベイ・デント(アーロン・エッカート)などもスタジオで出演するのである。見てて、犯罪の多いこんな街に住んだら大変だぁ、と思ったよ(笑)

その他映像特典は、スティール・ギャラリー、予告編集である。

このBATPODの模型はよく出来ていて飾っててもかっこいい。日本でも同じヴァージョンがあるので購入した人も多いだろう。箱から出してみるとDVDが入っていないじゃないか!?文句を言おうと思ったら、BATPODの後ろの盾の中に入ってたのだ。クレームしたら恥をかくとこだったな(笑)

香港では、この他に同じ2枚組の限定版DVDで「バットマン・マスク版」もある。通常版のDVDも、表紙が「バットマン版」と「ジョーカー版」の2種類ある。あと香港ならではのVCDもあり3枚組だ。もしぼくが「バットマン」おたくだったら全部買いたいと思っただろう。クリスマス商戦にファン心理をくすぐる作戦であるのだが。

http://www.hmv.com.hk/product/dvd.asp?sku=194406

今振り返ってみると、「ダークナイト」がアメリカはじめ世界中で大ヒットした(日本はダメだったが)のは今年2008年夏公開だったからだと思う。9月に「リーマン・ショック」があり、未曾有(みぞうゆう・笑)のクラッシュが今世界経済で起きている。もしこの映画がクリスマス公開だったとしたら、こんなにもヒットは望めなかったと思う。人間の心理として、世の中が暗い時に暗い映画を観たいとは思わないからだ。映画自体がどんなに傑作でも、公開のタイミングはあると思う。
おそらく来年は、ハリウッドも超大作の製作が困難になり、コメディ映画やホラー映画が量産されるんじゃないかなと想像しているのであった。

The Dark Knight (2008) 2 DVD Limited Edition with BATPOD

Dolby Digital 5.1
Aspect Ratio 16: 9
Region 3
151 mins

「ダークナイト」 The Dark Knight
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/the_dark_knight_8f00.html

「ダークナイト」について
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_fdf6.html

IMAX版「ダークナイト」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/imax-the-dark-k.html

 

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2008-12-12

「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」 HELLBOY Ⅱ: THE GOLDEN ARMY

Odoru1212082 日本へ一時帰国した帰路、キャセイ機内で映画「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」"Hellboy Ⅱ: The Golden Army" を観た。

ぼくは1作目の「ヘルボーイ」('04)を観ていないので、香港に続編であるこの「ゴールデン・アーミー」が来た時(2008年8月14日公開)もスルーした。
だから「2」から観るのもためらいがあったのだが、監督・脚本のギルレモ・デル・トロがモノにした傑作「パンズ・ラビリンス」('06)の次の作品なので、やっぱり観てみようという気になったのだ。

ま、結論から言うと、そんなに神経質になることはなかった。「1」を観てなくても充分楽しめる作品であった。
それというのも、ストーリー・ラインがはっきりしているので、キャラクター設定など知らなくても入っていけるからだ。

物語は、1955年 米軍基地のクリスマス。少年時代のヘルボーイが育ての親であるブルーム教授(ジョン・ハート)に本を読んで欲しいとせがむところから始まる。
赤い顔のヘルボーイは、角がまだ一本残っている。「読んでくれたら寝るから」という約束をして、教授は物語を語り始める。
昔々、世界支配をもくろむ人間とエルフ族は戦いを繰り広げていた。エルフの国王は鍛冶師に命じ、70体のゴールデン・アーミー(鋼鉄製の兵士)を作らせた。彼らをコントロールするのは、魔力を秘めた王冠である。だが、あまりの戦闘力の強さに、王はこれらを封印し人間との休戦を決意する。その後、王は魔力の王冠を三つにわけてしまうのだった…。

時は移り、現代。地下に隠れ生きているエルフ族は絶滅の危機に瀕していた。造反を企てた国王の息子 ヌアダ王子(ルーク・ゴス)は、地球を支配した人間との戦争に挑むためゴールデン・アーミーを蘇らせようとする。
ニューヨークのオークション会場でその王冠の一片が出品され、ヌアダ王子は会場を襲撃する。
その報を受け、"BRPD"(超常現象捜査防衛局)のNo.1エージエント ヘルボーイ(ロン・パートマン)、水棲人のエイブ(ダグ・ジョーンズ)、念動発火能力者のリズ(セルマ・ブレア)は現場に急行する。
果たして、ヌアダ王子は3片の王冠を見つけゴールデン・アーミーを再び動かし、地球を支配出来るのか?ヘルボーイたちは人類を守ることが出来るのか?彼らの戦いが今始まる…!

「ヘルボーイ」の原作はアメリカン・コミックで、デル・トロは映画化を熱望していたという。今回はストーリーも原作者(マイク・ミニョーラ)と共に考案した。だが、デル・トロが参加したことで、物語は神話性を帯び、なんともいえない甘悲しさを湛えるようになったと感じる。

前作「ヘルボーイ」製作当時無名に近かったロン・パールマンを主演と決めていたが、会社側は納得せず、デル・トロたちはそれを認めさせるまで5年も費やしたという。
それに応えるべく、2m近い大柄のパールマンは、短気だが心やさしい"レッド"になりきっているように思える。

"BRPD"やヘルボーイの存在は秘密事項なのだが、「最近YouTubeがあって…」など局長(ジェフリー・タンバー)がボヤくところなど現実味があり面白い。しかしヘルボーイ達のオークション会場での派手な戦い方により、CNNなどのTVにまで出てしまい"BRPD"からお目付け役として幽体離脱者のヨハン・クラクス(ジョン・アレクサンダー)が新たに送られてくる。彼と"レッド"の関係と交わす会話も面白い。

地球を支配されたエルフ族の王子と双子のヌマラ王女の関係、そしてエイブとの関係が<デル・トロ・チック>で切ない。
ぼくら おっさん世代には嬉しいバリー・マ二ロウの "Can't Smile Without You" の粋な使われ方といい、大人心もくすぐるSFX満載の娯楽映画に仕上がっている。
日本公開は2009年1月9日とのこと。大画面でぜひ。

HELLBOY Ⅱ: The Golden Army (2008)

120 mins

ヘルボーイ ゴールデン・アーミー [Blu-ray]
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2008-12-10

「ゴーストタウン」(原題) Ghost Town

Odoru1012082 姪の結婚式もあり日本へ一時帰国した。往路の機内で映画「ゴーストタウン」(原題)"Ghost Town" というコメディを観た。今回はキャセイ航空だったので、機内上映もバラエティに富んでいたが、この映画をチョイスした。

理由は大好きなティア・レオー二が出ていることだ。ぼくはこの女優さんは「ディープ・インパクト」や息子がまだ小さい時に連れて行った「ジュラシック・パークⅢ」で"発見"して以来、気になっている女優さんなのだ。ウディ・アレンの「さよなら、さよならハリウッド」も良かったしね(はぁと)

そんな<立派な>理由でチョイスしたものだったが、これが実は”ビンゴ!”だったのだ。とても面白い大人のラブコメで、ラストもほろりとさせられたのである。

舞台はニューヨーク。英国人で、人と接するのがとっても苦手な歯科医バートラム・ピンカス(リッキー・ジャーヴェイス)は、人間ドックで腸内検査をした後、街でゴースト(亡霊)たちに話しかけられ追いかけられる。驚いたバートラムは病院へ戻り話を聞くと、自分は7分間だけ死んでいたというのだ。街のゴーストの中で知り合ったフランク(グレッグ・キニア)は、バートラムに前妻グウェン(ティア・レオーニ)の婚約を邪魔してほしいと頼むのだった…

話はそれからバートラムがグウェンに接するうちに段々惹かれていくという展開になるのだが、話だけ聞くと(おいおい泣いた)「ゴースト ニューヨークの幻」('90)の焼き直しに聞こえるかもしれない。

ここに登場するゴーストたちは皆、人生に未練がある。自分の家族や友人たちに伝えたいことがまだあるので、地上をさまよっている。
たった7分しか死ななかったため、まだ生きていられるバートラムは、彼らゴーストにとっては自分と現世をつなぐ唯一の人物なのだ。

人嫌いで、おしゃべりな患者が話しかけてくると、詰め物で口をふさいでしまうような歯科医が、やがて彼らゴーストとのコミュニケーションを通して、人間らしさを取り戻していく。

主人公を演じるリッキー・ジャーヴェイスは、英国BBCで放送され人気を博したシットコム「The Office」で演出・脚本・主演をやった才人。今回は、本人曰く「チビで太った英国人の役」でハリウッド映画主演デビューとなった。共演のティア・レオーニは、彼を「ウディ・アレンを思い出させる」と印象を語っている。
ゴースト役のグレッグ・キニア(「リトル・ミス・サンシャイン」)とジャーヴェイスのコンビは、とてもいい雰囲気をかもし出す。

監督はデヴィッド・コープ。脚本も担当しているが、この人「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」の脚本もやっていたのですな。

アメリカでは2008年9月に公開され、評価は概ね好意的のようだ。Rotten Tomatoesでも 84%(2008年12月10日現在)と高評価であることも記しておく。

アメリカン・テイストに、英国のスパイスが効いてるハートフルなコメディ。ぼくは気に入ったが果たして日本での公開はどうであろうか?ドリームワークスSKGだから大丈夫かもと期待する。なんせ、ティア・レオーニが出てるんだからね!(←またそれが理由かよ)

Ghost Town (2008)

102 mins

B001L58000Ghost Town
David Koepp
Dreamworks Video 2008-12-27

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2008-12-09

「トラ・トラ・トラ!」(Tora! Tora! Tora!) DVD コレクターズ・ボックス 3枚組

トラ・トラ・トラ! コレクターズ・ボックス (3枚組)

12月8日は真珠湾攻撃の日。で、映画「トラ・トラ・トラ!」(Tora! Tora! Tora!)である。
…って、去年も同じ書き出しでこのDVD(北米版)のことを書いた。そのブログの最後は「日本公開版の発売を切に願う」と締めくくったのだが、この度嬉しいことにその「日本公開版」が発売となったのだ!(2008年12月8日)

日本に一時帰国したので数寄屋橋のHMVへ寄ったら売っていたので、喜び勇んで買ってきた。ぼくも「トラ・ファン」の一人なのでね(←阪神ではないです・笑)

北米版は2枚組で、2006年5月に発売されている。そのことは昨年このブログで書いたのでそちらを参照して頂きたい。

http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/dvd_2disc_speci_2d1e.html

で、今回の「日本公開版」である。今まで日本でDVD化されたものは全てアメリカ公開ヴァージョンだったので、今回初めてのリリースなのだ。北米版と同じ2枚組にボーナス・ディスクとして日本版DVDのみに、この「日本公開版」(英語字幕なし、インターミッションなし)がついているのである。

さっそく観てみた。タイトルバック。あれれ?ワイドスクリーンではなく 4: 3 ではないか!トリミングされて、細長くなった兵士達が整列している場面にタイトルが重なる。(現存する日本公開版マスターはスタンダードなので、それを基にDVD化されたのだと)

「こりゃぁ、ゴールデン洋画劇場じゃん!」 ぼくは心の中で叫んだ。はじめて観た「トラ・トラ・トラ!」は、ぼくは劇場ではなくTVだったのだ。中学生の頃、田舎暮らしなもので、自宅の家では「ゴールデン洋画劇場」が映らず、数キロ離れた友人宅では電波が入るので、夜自転車をこいで観に行った。その小さなブラウン管で観た「トラ・トラ・トラ!」はそれでも充分面白かった。ジョセフ・コットンのことなどまだよく知らず「『緯度0大作戦』の外人さんじゃ」と友人と語りながら観たのを思い出す。
(そういえば、あいつ山本五十六役の山村聡の名前を「山村ハズカシ」と読んでたなぁ。そんな友達を持って恥ずかしいなぁ・苦笑)

放送されたのは、たしか劇場公開から2年も経っておらず、少年だったぼくは驚いたものだ。当時のTVの洋画劇場は公開後早くても5年ほど経ったものしかやってなくて、こんなに早くハリウッド超大作がTVにかかったのは(ぼくらには)事件に等しかった。
さすがに放送までの期間が早すぎたため、その後"劇場公開から2年は放送しない"という紳士協定のようなものが結ばれたと聞く。
そのお陰もあったのか、視聴率は30%を超え、70年代のTVの洋画劇場は全盛期を迎えるのだ。

その後、念願かない、地元の映画館で、「トラ・トラ・トラ!」「ナバロンの要塞」の豪華二本立!を観に行った時、70mmなぞ望むべくも無いが、少しでも迫力を満喫しようとくだんの友人と前から2列目か3列目で鑑賞したのを思い出す。
クライマックスは、ブラウン管のそれで観たものとはケタ違いに凄い迫力!同じ映画か!?と思ったほどだ。

もっとコアはトラ・ファンは、このトリミング版に不満を持つだろう。だが、ぼくは昔のTV映画劇場を思い出させてもらい、これはこれで嬉しかった。トリミングされた映画なんて、今後ソフト化されないと思うから。

トリミング版でもう一つ思い出したのは、ぼくが英国へ住んでいた70年代後半、BBCで確か12月に放送された「トラ・トラ・トラ!」を観て、下宿先のお父さんが「ブラボー!ジャパニーズ!」とはしゃいでいたこと。英国人はアメリカ人を快く思っていないんだな、とその時はじめて知ったのだった。

日本公開版とアメリカ公開ヴァージョンはどう違うか?というと、日本版は数シーン多いのである。具体的には、オープニングのクレジット。戦争を回避したい天皇陛下拝謁へ向かう山本五十六のシーン。空母「赤城」の厨房で賄いの渥美清と松山英太郎がコミカルな掛け合いをするシーンである。

この厨房のシーンは、日付変更線についてとんちんかんな会話を交わす二人が可笑しい。「トラ・トラ・トラ!」に”寅さん”が出てるという意味でも、日本人には<価値>のあるシーンなのだ!

その他、「3大復刻特典!」が、昔の月刊誌「ぼくら」の付録のようで嬉しい。
内容は、① 日本劇場公開時 復刻版プレスシート、② 「週刊少年マガジン」(昭和45年9月20日号)掲載の巻頭カラー特集、メイキング写真集 復刻版 「トラトラ誕生」、③ 「週刊少年キング」(昭和45年9月6日号)巻頭カラー特集、復刻版 「トラ・トラ・トラ!名画集」 である。
これらを眺めているだけで、ぼくの心は少年にもどる。

日本でしか買えない、トラ・ファン待望のボックス・セット。完全数量限定生産<10,000セット>とのこと。

「われ奇襲に成功せり!トラ・トラ・トラや!」

トラ・トラ・トラ!(Tora! Tora! Tora!) (1970) 日本公開バージョン

英語ステレオ
4: 3 スタンダード
147 mins
Region 2

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2008-12-05

「海角七号」 Cape No. 7

Odoru0412082 台湾で大ヒット中の映画「海角七号」"Cape No. 7" が香港でも公開となったので(2008年11月20日より)行く。
2008年台北映画祭作品賞受賞、千葉・幕張で行われたアジア海洋映画祭グランプリ受賞。台湾映画として「ラスト、コーション」(色・戒)「レッドクリフ」(赤壁)を超え、興行収入の記録を塗り替えた”感動作”と聞き期待して行った。

1945年12月。物語は台湾から日本への引き揚げ船のデッキで、男が手紙を書いているシーンから始まる。「ともこへ」と綴られるその手紙が日本語のナレーションで語られ始める。それは台湾へ住んでいた日本人教師が台湾人の教え子に書いた切ないラブレターだったのだ。
ミュージシャンの夢破れたアガ(ヴァン・ファン)は、台湾南部の海が美しい小さな町へ戻ってくる。海岸で行う日本人歌手・中孝介(本人出演)のコンサートのため来た日本人エージェント ともこ(田中千絵)は依頼され地元民によるバンドを結成する。下は10歳から上は80歳というメンバーはぎくしゃくしながらも練習を重ねていく。
ともこに依頼された曲作りだが、アガは中々作れない。やがて新しいラブ・ソングが出来上がるが、それは60年前に配達されず、現在の台湾に届けられた7通の手紙を基にしていたのだった…

Odoru0412083 号泣する映画では決してないが、じわりとした感動が残る映画であった。
「海角七号」とはその町の住所。ここに宛てられた配達されなかった手紙。台湾の中国語、北京語、日本語で語られる物語はよく練られた脚本により静かに、時にコミカルに語られていく。(監督:サミュエル・ウェイ)
戦争があったがために近づき、そして引き裂かれた若い男女。60年前の出来事と、現代の台湾での台湾人と日本人の恋物語をシンクロさせる手法が巧いと思う。

Odoru0412084 主演と言ってもいい ともこ役の田中千絵は、前半はキーキー言ってヒスばっかり起こすのでちょっとイラつくが、後半はとてもチャーミングになる。演技はまだまだだと思うが、台湾で頑張ってる日本人なので応援してあげたくなる。この人、あのトニー・タナカのお嬢さんなんですな!

惜しむらくは、テイストが「ラスト、コーション」のような芸術的なものではなく、韓流の映画といった感じなのだ。コミカルな点もあるのはいいのだが、美術やカメラワークがちと軽いのだ。

Odoru0412085 80歳の郵便配達のおじいちゃんが、バイクに乗り「わらべはみたり野中のバラ♪」と日本語で歌いながら走る。そういったところにも日本が台湾統治下に行った歴史的事実が見て取れる。これは日本を決して悪く描いたものではなく、中孝介の人気をそのまま描いたりもしており、日本に好意的な印象をぼくは持った。

中国では、年末の公開が突如キャンセルとなったという記事を読んだ。現在の台湾の政治状況をみると、中国寄りの政権が誕生した時に、かような映画が大ヒットするというのはどのように考えればいいのだろうか。日本では公開になるのかも含めて、推移を見守って行きたいと思う。

海角七号  Cape No. 7 (2008)

129 mins

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star日台の”絆”が問われるとき
star日本でヒットしないはずがないのに、なぜか公開されない映画
star今の台湾を知るにはとってもいい作品

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2008-12-02

「WALL・E/ウォーリー」 Blu-ray 2 Disc Set

映画「WALL・E/ウォーリー」のBlu-rayがアメリカで発売された(2008年11月18日)。
Hong Kong Recordsで買って来て、週末11歳の娘とまた楽しんだ。香港ではアメリカと同時 夏休み公開だったので、クリスマス商戦にこのブルーレイとDVDを出すのはディズニーの戦略だったのだろう。

日本での公開はいよいよ 12月5日とのこと。待ったねぇ(笑) けど、待ったかいがあったと思うほどいい映画だよ。

このBlu-rayも最高画質、音質であるが、劇場にはかなわない。大人の方も「子供向き」と思わずご覧あれ。きっと、寒い冬に暖かい気持ちになれると思うから。

(以下、ちとネタバレあり)

700年もの間、たった一人(一台)で地球を掃除しているウォーリー。冒頭 ミュージカル映画「ハロー・ドーリー」の「日曜は晴着で」が聴こえ、カメラは霧ではない、砂埃のような汚れた空間のビル街の中で黙々と働くウォーリーを見つけ出す。

地球上にたった一人というと「アイ・アム・レジェンド」を思い出すが、こっちは敵などいない。なぜなら、汚れきった地球には人間は生息していない、いや生息できなくなってしまっているから。唯一の友人は一匹のゴキブリだけ。

時々砂嵐が来ると、コンテナのような部屋へ逃げ帰る。家の中は拾ってきた部品や電球、ジッポのライターなどでいっぱいだ。朝起きてソーラーパワーで充電が終わると、Macを立ち上げた時のサウンドがする。このロボットはMac製かよ(笑)。

ウォーリーはロボットであるが、いつしか人間のような気持ちを持ち始める。それは、トースターの中に入れている宝物のVHSテープ「ハロー・ドーリー」に教えてもらったもの。クラシックiPod経由でブラウン管に映される「ほんの一瞬のこと」の場面のように、女の子と手を繋いでみたいといつも夢見るようになる。

Odoru2608082 ある日、空から大きなロケットが着陸し、中からイヴというロボットが降りてくる。
やっとイヴと仲良くなれたと思ったウォーリーだが、彼女はまたロケットが迎えに来て連れ去られる。何が何でも離れたくないウォーリーはロケットへしがみつき、宇宙へと飛び立つのだ。

ある意味ストーカー気味ともいえる行為だが、ウォーリーのイヴを想う気持ちは純粋である。行き着いた大型宇宙船の中でも、イヴをホントに心配し助けようとするウォーリー。やがて、イヴの中にも愛する気持ちが芽生え、ウォーリーの気持ちに応えようとする。

彼らロボットは言葉は短い単語でしか話せない。殆どのセリフが名前を呼び合うだけだ。
「人を愛するということは言葉ではなく行動なんだよ」という当たり前すぎることを、ぼくらはロボットに教わるのだ。ウォーリーもイヴも<本気で>相手のことを想っている。そのことが伝わってきて心打たれるのである。

イヴが「命令」を受けて地球から持ち帰る植物は、靴の中に入っているのが暗示的だ。地球から出て巨大宇宙船の中で暮らす人間は、歩けなくなっているから。
長いすに座り栄養ジュースを飲みぶくぶくに太り ただパソコンの画面だけ見ている人間たちは、おぞましい未来の人類の姿だ。

パソコン内の世界が”現実”ではないのである。あたかもネットで世界中のことが検索でき、何でもヴァーチャルに見れるので、その中だけで生きているという錯覚に陥り、やがてそれが当たり前となり、ネット中毒者が「まとも」で、そうでない奴が不健全と言われる時代が来るかもしれない。その恐ろしい警告がここにあるように思える。

ま、PIXERで働く人々もそんな奴らばっかりなんだろうに、と思うが、こんな傑作を作られたら文句も言えまい(笑)

このBlu-rayは買ってよかったと思うくらい本当に画質もキレイだし音質もいい。娘が始まりのディズニービデオのロゴの花火の音で驚いたくらいだ。宇宙をウォーリーが飛ぶシーンも素晴らしく美しい。

音声解説は2本あり、監督のアンドリュー・スタントン+ストーリーボードと、PIXERスタッフが雑談するGeek(オタクとか専門家という意味)Trackというもの。このGeek版は結構面白い試みだ。

削除されたシーン集は、殆ど完成間近に録り直しとなった船内ゴミ箱でのシーンが興味深い。本編ではイヴがウォーリーを助けるが、これが当初は逆だったのである。

短編映画は、劇場でも本編前に上映されたマジシャンとうさぎのドタバタ「プレスト」"Presto" それに新作の「BURN・E/バーニー」である。

この「BURN・E/バーニー」(←ロボットの名前)はとっても面白かった。「WALL・E/ウォーリー」本編中に、宇宙船の外でハンダ付作業をしているロボットが、イヴが入ってしまったためドアが閉まり、中に入れなくなるというギャグっぽい場面があるが、この「BURN・E/バーニー」はなぜ彼が外で作業をしていたか?その後どうやって中に入るのか?を描いているのである。これはある意味傑作であった(笑)

その他、宇宙船やロボットなどの詳細な解説。イヴのインベーダーゲームみたいなのもついている本当にサービスいっぱいの2枚組Discである。BD-LIVEもあるが、ディズニーのウェブサイトで登録しなければならず、まだやってない(汗)。チャットなんかができるようになるようだ。
もしも家族で楽しむ初めてのBlu-rayに困ったらこれはいいかもと思う(←日本盤はいつ出るか知りまへんけどね)

ま、まずは劇場で楽しんでくだされ!

e---ve...

WALL・E (2008)

1080 High Definition / 2.39: 1
DTS-HD Master Audio
98 mins

映画「WALL・E/ウォーリー」における「ハロー・ドーリー!」の考察
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_6d4d.html
 

「WALL・E/ウォーリー」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/walle_e059.html


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