「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」 HELLBOY Ⅱ: THE GOLDEN ARMY
日本へ一時帰国した帰路、キャセイ機内で映画「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」"Hellboy Ⅱ: The Golden Army" を観た。
ぼくは1作目の「ヘルボーイ」('04)を観ていないので、香港に続編であるこの「ゴールデン・アーミー」が来た時(2008年8月14日公開)もスルーした。
だから「2」から観るのもためらいがあったのだが、監督・脚本のギルレモ・デル・トロがモノにした傑作「パンズ・ラビリンス」('06)の次の作品なので、やっぱり観てみようという気になったのだ。
ま、結論から言うと、そんなに神経質になることはなかった。「1」を観てなくても充分楽しめる作品であった。
それというのも、ストーリー・ラインがはっきりしているので、キャラクター設定など知らなくても入っていけるからだ。
物語は、1955年 米軍基地のクリスマス。少年時代のヘルボーイが育ての親であるブルーム教授(ジョン・ハート)に本を読んで欲しいとせがむところから始まる。
赤い顔のヘルボーイは、角がまだ一本残っている。「読んでくれたら寝るから」という約束をして、教授は物語を語り始める。
昔々、世界支配をもくろむ人間とエルフ族は戦いを繰り広げていた。エルフの国王は鍛冶師に命じ、70体のゴールデン・アーミー(鋼鉄製の兵士)を作らせた。彼らをコントロールするのは、魔力を秘めた王冠である。だが、あまりの戦闘力の強さに、王はこれらを封印し人間との休戦を決意する。その後、王は魔力の王冠を三つにわけてしまうのだった…。
時は移り、現代。地下に隠れ生きているエルフ族は絶滅の危機に瀕していた。造反を企てた国王の息子 ヌアダ王子(ルーク・ゴス)は、地球を支配した人間との戦争に挑むためゴールデン・アーミーを蘇らせようとする。
ニューヨークのオークション会場でその王冠の一片が出品され、ヌアダ王子は会場を襲撃する。
その報を受け、"BRPD"(超常現象捜査防衛局)のNo.1エージエント ヘルボーイ(ロン・パートマン)、水棲人のエイブ(ダグ・ジョーンズ)、念動発火能力者のリズ(セルマ・ブレア)は現場に急行する。
果たして、ヌアダ王子は3片の王冠を見つけゴールデン・アーミーを再び動かし、地球を支配出来るのか?ヘルボーイたちは人類を守ることが出来るのか?彼らの戦いが今始まる…!
「ヘルボーイ」の原作はアメリカン・コミックで、デル・トロは映画化を熱望していたという。今回はストーリーも原作者(マイク・ミニョーラ)と共に考案した。だが、デル・トロが参加したことで、物語は神話性を帯び、なんともいえない甘悲しさを湛えるようになったと感じる。
前作「ヘルボーイ」製作当時無名に近かったロン・パールマンを主演と決めていたが、会社側は納得せず、デル・トロたちはそれを認めさせるまで5年も費やしたという。
それに応えるべく、2m近い大柄のパールマンは、短気だが心やさしい"レッド"になりきっているように思える。
"BRPD"やヘルボーイの存在は秘密事項なのだが、「最近YouTubeがあって…」など局長(ジェフリー・タンバー)がボヤくところなど現実味があり面白い。しかしヘルボーイ達のオークション会場での派手な戦い方により、CNNなどのTVにまで出てしまい"BRPD"からお目付け役として幽体離脱者のヨハン・クラクス(ジョン・アレクサンダー)が新たに送られてくる。彼と"レッド"の関係と交わす会話も面白い。
地球を支配されたエルフ族の王子と双子のヌマラ王女の関係、そしてエイブとの関係が<デル・トロ・チック>で切ない。
ぼくら おっさん世代には嬉しいバリー・マ二ロウの "Can't Smile Without You" の粋な使われ方といい、大人心もくすぐるSFX満載の娯楽映画に仕上がっている。
日本公開は2009年1月9日とのこと。大画面でぜひ。
HELLBOY Ⅱ: The Golden Army (2008)
120 mins
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アルティメット・バリー・マニロウ
バリー・マニロウ

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第一作を観たときに「悪魔くん」みたいだなぁ、と好感を持ちました。
投稿: 佐藤利明 | 2008-12-12 22:28
佐藤利明さん
なるほど、コミックというより”漫画チック”なところがあるから、ぼくらでも面白いと思えるんですな。納得。
投稿: nobuyasu | 2008-12-13 00:55
ロン・パールマンといえば、「薔薇の名前」での下僕サルヴァトーレ役が日本では有名でしたね。
あれから、20年近く経過してるのに、風貌が変わらないのは驚きです。
「ダークナイト」Blu-rayは入手されましたか?
IMAXのシーンは、16:9フルフレーム、35㎜のシーンは、スコープで上下マスキングですが、
解像度が違いすぎる。驚きました。
特に、香港のシーンは、余りに画質がいいため、
飛び降りるシーンにもの凄く恐怖感を感じました。
私は高所恐怖症なのです。
ハイビジョンモニターでこれだから、劇場で見たら、その恐怖は数百倍になるのかも。
血圧が上昇しましたね。
でも、仮に日本でもIMAXでの上映が実現したら、
断じて見に行くべきと感じました。
デジタル素材の方が、ハイビジョンの時代には合っているのかと思いましたが、とんでもない。
フィルムの持っているキャパの大きさを感じました。
恐らく、Blu-rayに最もふさわしい作品ではないでしょうか。
ただし、画質が凄すぎて35㎜とのギャップが大きいです。
貴重なカメラを今回の撮影で一つ失ったそうですが、「スター・ウォーズ/エピソードⅠ」撮影時にはデジタル用のヴァリカムも世界に数台。
それが、今ではテレビドラマの撮影にも劇場映画用ヴァリカムをそのまま使う時代です。
日本だと、東映の「相棒」や「仮面ライダー」シリーズはそうですね。
今後、この解像度に感銘を受ける人が増えてくれば、カメラも追加生産され、フルでIMAX撮影される映画も登場するのでしょうか?
4:3の画面で見るのは正直きついですが、上下をマスキングしての16:9ならば、
フルの劇映画は十分成立するでしょう。
フィルム横走りで、通常のフィルムよりも画面の面積を大きく高画質で撮影するというと、
過去に本物の「ヴィスタヴィジョン」がありましたが、IMAXも考えてみれば全く同じ方法であり、
しかも素材が70mmだから、画質がいいのは当たり前ですね。
「ヴィスタヴィジョン」といえば、ヒッチコックの「北北西に進路を取れ」が有名ですが、あれも
LDやDVDなどのメディア化に当たっては、
既に数十年前の映画にも関わらず、常に高画質ですね。
ヒッチコックが登場する予告編を見ればわかりますが、あの映画は正に当時の夏休み超大作として公開されてる訳で、イベント的にヴィスタヴィジョンを採用したのも当たり前。
今回のIMAX採用と同じ発想だったのかも知れません。
見始めて、最後まで行きそうになりましたが、
あえて我慢。
大晦日の年越し映画として、堪能することにして、一旦ディスクを保留しました。
投稿: Mol | 2008-12-13 20:55
「ダークナイト」についてはブログで書くつもりでいましたのでそちらをご覧下さい。
投稿: nobuyasu | 2008-12-14 12:49