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2008年11月

2008-11-28

「007/消されたライセンス」 Licence to Kill (&「慰めの報酬」)

映画「007/慰めの報酬」が香港で公開され(2008年11月6日)、それに合わせて香港の地上波では007の旧作がその週の土曜日午後9時に放送された。何が放送されたかというと、ティモシー・ダルトン主演の「消されたライセンス」"Licence to Kill"('89)なのである。

この本港台というTV局の担当者は「わかってるよなぁ」とにんまりしてしまった。
(11月は毎週土曜日に007が放送された。他のラインナップは「ゴールデンアイ」「黄金銃を持つ男」「ロシアより愛を込めて」「ユア・アイズ・オンリー」である)

放送で観たかったが、当日は所用があり観れず、久しぶりにアタッシュ・ケース入りの007(←マニアならみんな持ってる超重い奴)のふたを開け、十何年振りの「消されたライセンス」をDVDで楽しんだ。

シリーズ第22作「慰めの報酬」(又の名を「続・カジノ・ロワイヤル」又は「オイルフィンガー」・笑)は、ボンドが亡くしたばかりの最愛の人ヴェスパーの復讐劇。私情が入り、任務から逸脱した行動をとる。
第16作のこの「消されたライセンス」も、CIAの親友フェリックス・ライターが瀕死の重傷を負わされ、彼の新妻も殺されたことからボンドがMI-6を辞めて復讐に走る。プロットが ちと似ているのだ。

シリーズの中で評判も悪く(←コアなファンで好きな人も多いが一般的にはという意味)、興行収入もパッとしなかったこの「消されたライセンス」。
評判が悪かった理由は、ボンドが親友の復讐のため007を辞するので、任務ではなくなり必殺仕事人と化すため、ボンド本来のクールで洗練された味わいがなくなってしまったから。
興行収入が悪かったのは、当時007にライバル映画が多く出てきたためだったと思う。

Odoru2611083 1980年代後半に公開されていたアクション物といえば「インディ・ジョーンズ」「ダイ・ハード」「リーサル・ウェポン」シリーズなど、ボンド・ムービーの影響を受けているが、明らかに面白さやスケール感が上回っているアクション物が多く、007はちょっと古臭い印象を与えていたのだ。

前作「リビング・デイライツ」で颯爽と登場したニュー・ボンド ティモシー・ダルトン。それまでのユルく年寄り臭くなった感じのロジャー・ムーアから一転、クールでタフな感じで評判もよく、この「消されたライセンス」にも出演したが、たった2作で降ろされてしまった。

冷戦構造が終焉を迎え、それまでのスパイもののプロットが成り立ちにくくなり、苦慮しているときにボンドになってしまったのが、ダルトンの悲劇であろう。

この作品は、それまでのボンドシリーズではあまりなかった残酷な描写もある(←今観るとどうってことないんだけどね)。親友フェリックス・ライター(デヴィッド・ヘディソン)は鮫に足を食いちぎられる、減圧室でのクレスト(若き日のベ二チオ・デル・トロ)はむごたらしい最後をとげ、麻薬王サンチェス(ロバート・ダビィ)は炎につつまれて死ぬ。

そんなリアルでダークな描写もあったため、各国のレイティングでの年齢制限も上がってしまい、この「消されたライセンス」は、アメリカでは<007シリーズのワースト興行成績>を上げてしまう。

その後、ピアース・ブロスナンのボンドに変わり「ゴールデンアイ」まで6年間新作が公開されなかった(MGM/UAとの法的闘争もあったが)という事実が製作者側の苦悩を物語っているようにも思える。

アクション・ムービーとして「消されたライセンス」は、中の中といったところか。特典映像によると、プロットの骨子は黒澤明の「用心棒」から拝借したとのこと。ボンドが三十朗になるわけだ(笑)。ちょっとテイストの違う007として、これはこれで面白いんじゃないかと再見して思った。少し大人になったのでそう思えるのである。

ボンド・ガールのキャリー・ローウェルとタリサ・ソトはいいねぇ。二人共ボンドを好きになるのだが、特にソトはラテン系で、愛人サンチェスに性器を思わせるムチで打たれるシーンもあり、「そっち系」の人には受けたんだろうね(笑)

日本ではジャパン・プレミア(2008年11月25日)もあり、盛り上がりつつある「007/慰めの報酬」だが、観る前にこの「消されたライセンス」も観ておいてもいいかも、と思った次第。ワイルドなボンドの原点はここかもしんないからね。

「007/慰めの報酬」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/007-quantum-of-.html

Licence to Kill (1989)

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133mins

2008-11-27

渡辺貞夫 コンサート・イン・香港 Jazz Up - Sadao Watanabe Group Live in Hong Kong

Odoru2711082 昨夜、渡辺貞夫のコンサートが香港であったので行って来た。7年ぶりの公演とのこと。主催は香港政府の文化部(The Leisure and Cultual Services Department)である。なので、チケット代も高いところでHK$400(約6000円)とリーズナブルな値段設定なのでありがたい。

会場の香港シティホールは、中環(Central)にあるいいホールだ。ぼくは以前ここで ジョン・ピザレリ のコンサートを観た。
満席の場内は、思いのほか香港人の比率が高く驚かされた(日本人はごくわずか)。さすがに世界の「ナベサダ」だ。

ほぼ定刻に始まったコンサートは、ナベサダがまずミュージシャンを英語で紹介し演奏が始まった。「日本のトップミュージシャンたちです(+セネガル1名)」と紹介された通り素晴らしい一流の演奏だ。
ナベサダも75歳とは思えないエネルギッシュな演奏である。
ますますアフリカ色の強くなったサウンド。彼のリズムの原点はやはりアフリカの太鼓にあるのであろうか。

思えば、ぼくが18歳の頃(1978年)ナベサダは草刈正雄と 資生堂 ブラバスのCMに出ていた。その時のBGM "California Shower" の演奏はとても懐かしかった。この曲は意外なほど、香港人も知っていてノリがよくて驚いた。

その頃、渡辺貞夫は日本人ジャズミュージシャンとしてはじめて日本武道館でコンサートを行った。TVでそれを観たぼくは、彼の「笑顔」が素晴らしくて、「大人になったらあんな素敵な笑顔の男になりたいな」と憧れたことを思い出す。

今回も渡辺貞夫のその素晴らしい笑顔は変わってなかった。いや、その頃よりもっと良い笑顔になっていた。楽しそうに演奏する姿を観ていると、自分はそんな笑顔で仕事が出来ているかといささか反省してしまった(苦笑)

最後の曲が終わり、スタンディング・オベーションで拍手が鳴り止まない。約90分の素晴らしい演奏の数々だった。

コンサートの途中、ぼくらの前の席の若者が席を立っていなくなり、「観やすくなってよかったね」と連れと話していたのだが、アンコールでナベサダが「香港のヤング・ミュージシャンを紹介します」と云って出てきたのが、さっきまでぼくらの前に座ってた若者だったのでびっくり。

コンサート前夜、お世話になっている某社の元会長さんとディナーをご一緒したら「昨日渡辺貞夫さんと食事をしたよ」と言われ、「とても素晴らしい方だよ」とのお話をお聞きしていたので、上に書いたアット・ホームな演出も渡辺貞夫さんのお人柄なのだろうなと思った。

日本ジャズ・シーンの第一人者として走り続けてきたナベサダ。日本人として誇りに思える人の一人です、渡辺貞夫というミュージシャンは、と思った夜だった。

渡 辺 貞 夫 楽 隊 Sadao Watanabe Group

渡辺貞夫 Alto Saxophone

小野塚晃 Piano & keyboards

梶原順 Electric Guitar

菰淵樹一郎 Electric Bass

石川雅春 Drums

N'diasse Niang  Percussion

Leisure and Cultural Services Dept
JAZZ UP:  SADAO WATANABE GROUP (JAPAN)
Hong Kong City Hall Concert Hall
Wednesday, 26th November, 2008
08:00 PM

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2008-11-24

「デトロイト・メタル・シティ」 (Detroit Metal City) 爆粗BAND友

Odoru2411082 映画「デトロイト・メタル・シティ」(Detroit Metal City)が香港でも公開になったので娘を連れて行ってきた。2008年10月30日から公開されているが、香港でも好評でYahooの点数も五つ星評価の四個半と高い評価となっている(11月24日現在)。

若杉公徳の原作漫画は香港でも「爆粗BAND友」として広東語ヴァージョンが発売されているが、本屋で見たら帯に「18歳未満ダメ」と書いてある(OVAも)。映画版も同様かと思ったがさにあらず、こちらは"ⅡB"で「007/慰めの報酬」と同程度のレイティングである。

大分県犬飼町の農家の息子 根岸崇一(松山ケンイチ)は、母(宮崎美子)に見送られて東京の大学へと旅立つ。夢は"オザケン"のようなミュージシャンになること。東京でおしゃれな生活をすることだ。大学では、ポップミュージック愛好会に入り皆の前で自作の曲を披露すると、憧れてる相川さん(加藤ローサ)や後輩の佐治(高橋一生)から褒められプロを目指すことにする。雑居ビルの「新人ミュージシャン募集」の広告を見て応募したところ、暴力的な社長(松雪泰子)にデスメタル・バンド「デトロイト・メタル・シティ」(通称DMC)のリードギター件ボーカル ヨハネ・クラウザーⅡ世にされてしまうのだった。

Odoru2411084 顔を白塗りにしカツラをかぶるため、クラウザーが普段は内股の気の弱いマシュルーム・カット(別名:公然猥褻カット)の崇一とは誰も気がつかない。ある日、今は音楽雑誌の編集をしている相川さんと運命の再会を果たすが、彼女から「DMCって大嫌い!」と云われ、遂には田舎に帰る決心をする崇一だったが…。

原作がコミック漫画なので軽いのは軽いが、これは面白い映画だった。映像にすると、音楽も実際に歌わねばならないのだが、曲もなかなかのもので楽しめた。

演技陣のはじけた演技も見ものだった。松山ケンイチは香港でも映画「デスノート」以来人気が高く、ひ弱でおかまっぽい崇一と悪魔のクラウザーとの違いをコミカルに演じ、カップルが多かった場内から爆笑をとっていた。

一番受けてたのは、インディーズレーベル「デスレコーズ」の社長役の松雪泰子だ。登場シーンで、タバコの火を自分の舌で消すところで、「アイヤー!」と場内で悲鳴(笑)が出たほど。
金髪、革ジャンにミニスカートで「あたしゃ、そんな曲じゃぁ、濡れねぇんだよぅ!!」と言い放ち、タバコを投げつける。ドーベルマン犬2匹を連れて来て崇一のかわいい飾りつけのお部屋を滅茶苦茶にする無軌道ぶり。
松雪泰子は、「フラガール」もよかったが、こっちも凄くいい。今やトップクラスの女優になったね。

Odoru2411083 この題名を聞いて、おっさんのぼくはKISSの名曲「デトロイト・ロック・シティ」を思い出した。高校時代、1976年頃だったかな、NHKの地上波で土曜か日曜の夕方4時頃から放送された「KISS 武道館ライブ」。レコードを買うお金のなかったぼくは、その番組をテープに録音し何度も聞いたものだ。歌舞伎からヒントを得たというKISSの白塗りメイク。ジーン・シモンズの長い舌、口から火を吐くところなど、当時とても衝撃的だったのだ。

時を経て、そのKISSのジーン・シモンズが、”引退前のワールドツアー「世界崩壊」で日本の生意気なバンドDMCを潰すブラックメタル界の帝王ジャック・イル・ダーク”役としてまた日本のステージに君臨する姿を、この映画で拝めるとは思いもよらなかった!

ジャックはいつもステージに凶暴な水牛を走らせる。これにより怪我人も多数でている。我らがクラウザーさんは農家出身だけあって、牛の喉をデーデーなでて手なずけちゃうところなんて一番笑っちゃうところだったよ。

好きなことで成功したいと思ったが、現実は一番好きでない方向で成功してしまった崇一。自分が「向いていること」と「好きなこと」は違うのである。でもそのことに気付かず好きなことを諦められない崇一。
大学の仲間は、純粋で、新興宗教の集まりのようにピュアだ。それがネイチャーだと自分では思ってて「愛」を歌いたいと願うが、曲作りに「恨み」をぶつけた時にこそ人に訴える楽曲(←「うらみはらさでおくべきか」って漫画「魔太郎が来る」じゃん・笑)が作れてしまう崇一。

遊園地のゴレンジャー・ショーのバイトをしながら、DMCの追っかけをやってる青年(大倉孝二)たちの「夢」。自分の思い描く夢(No Music No Dream)とはかけ離れたものでも、「夢」を与えてしまった責任。実家で母との会話の中で、そのことに気付いた崇一は、クラウザーとなり新幹線に乗り、東京駅からDMC信者を従えて走って会場まで向かう。周囲の人間やファンの「夢」に応えるために…。

これは童貞の崇一が一皮むける話なんである。そーゆー意味で、悩める青年たちに勇気を与え、ウケたというのはよくわかる。

帰りがけ、11歳の娘に「こんな下品な映画ばっかり観てちゃダメよ、お父さん」と言われてしまった…。俺もクラウザーさんのように一皮むかねばと思った次第(笑)

デトロイト・メタル・シティ (2008) (Detroit Metal City) 爆粗BAND友

104mins

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2008-11-21

「恋の手ほどき」 DVD Gigi 2-Disc Special Edition MGMミュージカル

Gigi (Two-Disc Special Edition)
Gigi (Two-Disc Special Edition)

MGMミュージカル映画「恋の手ほどき」"Gigi"のDVDが再発売された(2008年9月16日)。今回は2枚組で、本編もリストア・ヴァージョンである。ぼくが買ったのは北米盤だが、日本でも同じものが発売されている(2008年10月8日)。日本盤と違うのはカバー・アートである。ジジ(レスリー・キャロン)のかわいい顔が描かれたこの絵を見ただけで買う気になったのだった。

買って驚いたのは、北米盤にも関わらず日本語字幕がついていたこと。Blu-rayでは時々あるが、Region 1の北米盤DVDでは珍しい。

「恋の手ほどき」の原題は、ジジ "Gigi"。女の子の名前である。物語の舞台はパリ。19世紀の終わり頃、大金持ちの独身男ガストン(ルイ・ジョールダン)は、ハイソな生活も愛人と遊ぶことにも飽き飽きしていた。プレイボーイで未だ独身の叔父さん(モーリス・ショバリエ)の昔なじみのマミータ(ハーミオン・ジーゴールド)の家に時折行き、16歳の孫娘ジジ(レスリー・キャロン)と遊ぶのが息抜きだ。ジジは毎週叔母さん(イザベル・ジーンズ)のところで"花嫁修業"としてテーブル・マナーやら葉巻の良し悪しを学んでいる。ある日ガストンは、今まで自分が子供だとばかり思っていたジジが成長し”女”へと変わっていることに気づく。そして貧しい暮らしのジジに家やお金を与えるとマミータに申し出る。曲折はあるがジジはそのことを受け入れる。だが二人で行ったレストラン、マキシムでガストンは心変わりし、ジジを家に連れて帰りプロポーズするのだった。

原作を書いたコレット女史は、売春婦の姉妹から、子供を淑女のように教育して金持ちの愛人にしようとしているという話を聞き、これを小説にした。映画では少しカモフラージュされているが、この"花嫁修業"は明らかに高級売春婦育成プログラムである。

Odoru1411082 MGMミュージカルの黄金時代を築いたプロデューサー、アーサー・フリードは自分が"発掘"したレスリー・キャロンが、MGMで「リリー」などという低予算ミュージカルに出演していることを不憫に思い「一緒に映画を撮ろう」と持ち掛ける。キャロンはその時「『Gigi』のミュージカルをやりたい」と答える。
1951年にブロードウェイで上演された「Gigi」はオードリー・ヘプバーン主演でヒットし、ロンドンのウエスト・エンド版では、レスリー・キャロンが主役を務めていた。これはストレート・プレイだったので、キャロンはそのミュージカル化のアイデアをフリードに出したのである。
フリードは乗り気で、脚色・作詞をアラン・ジェイ・ライナー、作曲をフレデリック・ロウという当時ブロードウェイで大ヒットしていたミュージカル「マイ・フェア・レディ」のコンビに依頼し、監督には「巴里のアメリカ人」のビンセント・ミネリを起用する。

原作がパリの男性が愛人契約をする話なので、アメリカの検閲と衝突するが、オブラートに包むような話にすることで解決し、パリのロケ中心に撮影は進められた。
やがて映画は公開され、1958年度のアカデミー賞では作品賞を含む9部門を受賞したのである。

映画の歴史の中で見ると、この映画は栄華を誇った絢爛豪華なMGMミュージカルの最後の徒花(あだばな)。フリード・ユニットの、あたかも線香花火の最後のような、一瞬の輝きに見える。

時代が「夢の世界」であるミュージカルを求めなくなった。それは、世の中が平和で豊かになったからだとぼくは考えている。
浮世の暗い世相を忘れたいがためにアメリカ人は夕食の後、映画館へ足を運んだ。第二次大戦中、銃後の国民、特に主人を戦地に出した奥さんと子供たちはつらい思いを忘れるために<エスケープ・ムービー>と呼ばれる「夢の世界」を求めたのだ。
この作品が製作されたのは1958年。50年代に入ると、人々の生活も豊かになり娯楽の中心もテレビに移って行った。人々は食後、映画館へわざわざ出向かなくてもよくなった。
そんな時代に、愛だの恋だの浮世離れしたミュージカルはもう時代にそぐわなくなったのだろう。
1961年には、ミュージカル・ドラマの傑作「ウエスト・サイド物語」が登場し、MGMミュージカルは過去のものとなってしまう。人々はミュージカルの中に暗い世相を入れても受け入れたのだ。それは平和になったから、人々の心に余裕ができたからだ、とぼくは考えているのだ。

この作品は、MGMミュージカルなのに、歌だけでダンスのシーンがない。いかにゴージャスな衣装やセット、パリの雰囲気にこだわっても、これはMGMミュージカルなんだから、踊ってくれよ!と高校の頃はじめてTV「月曜ロードショー」で観たぼくは思ったものだ。

中年になり、この音も映像もキレイにリストアされた本作を観直してみてもその印象は変わらない。だが楽曲はとてもいいと思う。年をとるとモーリス・ショバリエの歌う、「もう若くなくて幸せだ」"I'm Glad I'm Not Young Anymore"の気持ちもわかるよな。
この映画のショバリエは本当にいいね。粋なおじいさんで。観ている側はそんないい印象を持つが、レスリー・キャロンは「気難しいじーさんやった」と特典映像で話してて、意外にキャロン、ガチなんやなと思わされた(笑)

まるっきりフランス語訛りの英語劇。単調なプロット。この程度の作品でアカデミー作品賞か?とも思うが、それは当時まだアメリカ人の心の中にあった「ヨーロッパ・コンプレックス」が根底にあり、こういうムウドに弱かったからだろうと、ぼくは考えているのであーる。

このDVDには、2枚目にメイキングの他、1949年の「Gigi」仏版も収録されている。

"Thank heaven for little girl ♪"

GIGI (1958) Two-Disc Special Edition

Dolby Surround 5.1
Aspect Ratio 2.35:1
115 mins
Region 1

「リリー」 Lili
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/mgm_42cb.html

恋の手ほどき [Blu-ray]
恋の手ほどき [Blu-ray] 恋の手ほどき [DVD]
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2008-11-19

「わが心に歌えば」 DVD With a Song in My Heart - The Jane Froman Story

B000UZDO3KWith a Song in My Heart - The Jane Froman Story
20th Century Fox 2007-11-13

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映画「わが心に歌えば」"With a Song in My Heart"('52)のDVDが、アメリカで昨年(2007年)11月に発売されていた。初ソフト(DVD)化!である。と言ってもあまりメジャーな作品ではないので、知らない人の方が多いだろう。

副題に「ジェーン・フローマン物語」とあるが、これはフローマンの伝記映画だ。
フローマンに扮するのは、スーザン・ヘイワード(この作品でゴールデン・グローブ女優賞受賞。歌はフローマン本人が吹き替えている)
この作品が日本でメジャーではない理由の一つはジェーン・フローマンがあまり知られていないからだと思う。

ジェーンは、第二次大戦中に飛行機事故に遭い両足に大怪我をしてしまうが、戦地に赴き慰問を続けたことでアメリカで人気があった歌手である。

本作は、アメリカでは長らくソフト化が望まれていたようだ。ぼくは初見だが、確かにアメリカ人には「受ける」映画だと思う。もうあたかも、20世紀の"グレート・アメリカン・ソング・ブック"の様相だから。

タイトル曲の "WITH A SONG IN MY HEART" を筆頭に、"GET HAPPY"、 "BLUE MOON"、"EMBRACEABLE YOU"、"TEA FOR TWO"、"IT'S A GOOD DAY" など、ジャズのスタンダードや往年のミュージカルが好きな人が聞けばわかる曲がいっぱい出てくるのだ。

B0000AGWH6With a Song In My Heart (from the 1952 film)/ Pal Joey (with 1952 cast members)
Alfred Newman
Drg 2003-08-26

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この映画の公開当時、ミュージカル映画といえばMGMで、20世紀フォックスのミュージカルは、もうひとつコクのないものが多く、ぼくはあまり期待してなかったのだが、本作は伝記ということもありプロットがはっきりしてて、結構いい出来に仕上がっていると思う。

ラスト、フローマンは、3ヶ月に渡るヨーロッパ慰問の最後の日に、大勢の兵士たちの前でスペシャル・メドレーを披露する。それは、アメリカ各州の歌、つまり「ご当地ソング」のメドレーなのである。

曲目は、"AMERICA THE BEAUTIFUL"〜"WONDERFUL HOME SWEET HOME"〜"GIVE MY REGARDS TO BROADWAY"〜"CHICAGO"〜"CALIFORNIA, HERE I COME"〜"CARRY ME BACK TO OLD VIRGINNY"〜"STEIN SONG" (University of Maine)〜"INDIANA"〜"ALABAMY BOUND"〜"DEEP IN THE HEART OF TEXAS" 〜"DIXIE"と続く。

兵士たちは、"カリフォルニア・ヒアーイ・カム♪"とアル・ジョルスンのようにひざまづいて歌ったり、自分の地元の歌を唄ってくれとせがんで(特にテキサス野郎)一緒に歌ったり、故郷を思い出し、涙ぐんだりする。このクライマックスは本当に鳥肌もので、日本人のぼくでも、ぐっとくるんだから、アメリカ人にはたまらんもんだと思うよ。

戦意高揚という、あまり良い意味の言葉ではないが、映像と音楽を使って高揚させる術をアメリカ人はよくわかってるのだろう。こういう映画の一場面を見ても、愛国心を高め、皆で一つになり感動させる演出は凄いよな。アメリカのショウ・ビジネス(ある意味)恐るべしである。

With A Song In My Heart - The Jane Froman Story (1952)

Monoural
Aspect Ratio 1.33: 1
117mins
Region 1

2008-11-17

「導火線」 DVD FLASHPOINT

P1005004940_2

香港映画「導火線」"FLASHPOINT"をDVDで観た。この映画は香港では、2007年8月に公開され、その頃から評判は聞いており、その年の秋にはDVDになっていたので買っていたのだが、棚の肥やしになってしまってて、ぼくは昨日まで観てなかったのだ。

日曜日の昼下がり、11歳の娘に遊んでもらえなくなった親父がゴロっと横になり観るにはもってこいの映画であった。面白かった。

香港製クンフー映画は、かつてのように量産されることもなくなったが、今でも年に数本ペースで作られている。今、香港で客が呼べるクンフー・スターの一人ドニー・イェン主演の本作は、テイストはB級っぽいが、そのスピーディなクンフー・アクションが楽しめる佳作である。

Odoru1611084 1997年。中国に返還される直前の香港。マー刑事(ドニー・イェン)は正義感があまりに強いため、毎回犯人に瀕死の重傷を負わせてしまう、まるで「ダーティ・ハリー」みたいな刑事だ。今警察が追っているのは、ベトナム人の3兄弟トニー(コリン・チュウ)、アーチャー(レイ・ロイ)、タイガー(ユー・シン)率いる犯罪組織。彼らの元では刑事のウィルソン(ルイス・クー)が潜入捜査をしているが、ある日ボスであるトニーに身元がばれ、足に重傷を負いながら逃げ延びてくる。組織の一人アーチャーを捕らえた警察だったが、ウィルソンの彼女ジュリー(ファン・ビンビン)を人質にとり釈放させるというトニーの卑劣な行動にマー刑事の怒りは頂点に達する…。

映画は、前半は香港の黒社会と潜入捜査の話で引っ張りアクションも少ないので、少し飽きるが(後半で主人公の怒りを爆発させるため仕方ないのだが)、中盤からアクションが増え、クライマックスは、草むらでの銃撃戦とクンフー・バトルで一気にスパートする。

今のクンフー映画のバトルは、ワイヤー・アクションなどもあるが、とてもリアルである。冒頭、ナイトクラブでの喧嘩のシーンでは、マー刑事がいきなり「飛びつき逆十字」を決め、相手がタップしたところでタイトル画面になる。屋外での犯人追っかけも、フリーランニングが面白いし、食堂での乱闘でもバックドロップで投げ、ラストのトニーとの大大バトルでも、マウント・ポジションから三角締めを決めたりする。まるで日本発信の総合格闘技の様相だが、それもそのはず、アクション・シーンの演出に谷垣健治や下村勇二が参加しているからだ。

Odoru1611083_4 ぼくが持っている2枚組のDVDには、そのメイキングもあり、アクション・シーンを練習しているビデオが見れるが、まるで「高田道場」だ。関節技も組み入れて、クンフー・アクションを組み立てるという新しい試みがドニー映画の魅力の一つだと思う。

ちなみに今年(2008年)3月に発表された香港映画賞(Hong Kong Film Awards)では、ドニーは本作で、最優秀アクション振付賞を受賞している。

「SPL 狼よ静かに死ね」、「かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート」でもタッグを組んだウィルソン・イップ監督&ドニー・イェンの新作映画「葉問」"Ip Man"が今年12月に公開になる。これはブルース・リーの師匠であった人物の伝記物で、予告編を見たら面白そうだったので、楽しみにしているのだ。

ルイス・クーの彼女役のファン・ビンビンは、中国映画「ロスト・イン・北京(蘋果)」では激しい濡れ場を演じていたが、今回は香港ビール「ブルー・ガール」を売る娘役。香港では、中華レストランで、(昔の日本のバドワイザー・ガールみたいに)若い娘がビール会社のロゴが入った衣装を着て売り込みにくる。鼻の下をのばしたおっさんたちがそれを見て注文するわけだ(ぼくもだが・笑)。その衣装のまま彼氏のアパートに来るのがちとリアルだったな。

日本で公開されるかなと思ってたが、まだのようだ。ドニーの人気が今ひとつなのだろうか。(←フライ級チャンピオンの内藤大助がイケメンになったみたいだからか?)映画は結構良い出来なので、このまま公開されないのなら惜しいナァと思うのだが…。

導火線 FLASHPOINT (2007)

Dolby Digital 6.1 EX, DTS 6.1 ES
Aspect Ratio 2.35: 1
87mins
Region 3

【関連】 「葉問」(Ip Man)

導火線 DVD (香港版)

P1005004940_3

2008-11-15

「バーン・アフター・リーディング」(原題) Burn After Reading

Odoru1511082 ジョエル&イーサン・コーエンの新作映画「バーン・アフター・リーディング」(原題)"Burn After Reading"を楽しんできた。香港では2008年11月13日から公開になった。
「ノーカントリー」でアカデミー賞をとったコーエン兄弟の次の作品は、オリジナル脚本によるコメディ・スリラーだった。2008年度ヴェニス映画祭のオープニングを飾った作品である。

タイトル・バック。衛星から見たアメリカ全土。カメラはぐんぐん下りて行き一つの建物の上にくる。まるでGoogle Earthのようだ。その建物はワシントンにあるCIA本部。CIA分析官のオズボーン・コックス(ジョン・マルコビッチ)は、上司に呼ばれ酒の問題をとがめられクビになる。彼は家に帰り、今後は回顧録を書くと妻ケイティ(ティルダ・スウィントン)に告げる。呆れるケイティだが、彼女も女好きのハリー(ジョージ・クルーニー)と不倫中だ。離婚したいケイティは、弁護士にいわれるまま夫のPCからあらゆる資料を証拠としてDiscへコピーする。そのDiscを偶然拾ったスポーツ・ジムのインストラクターのチャド(ブラッド・ピット)は、これは国家機密資料だと思い、同僚で整形してキレイになりたいと切望しているリンダ(フランシス・マクドーマンド)と共にコックスに金をせびる電話をかけるのだが…

いやあ、まず脚本が面白いので、引き込まれて観たよ。上に書いたのはまだ序盤で、その後話は色んなことがオーバー・ラップしていき、面白い展開を見せる。コーエン兄弟は、前作がチト重いものだったので、コメディとはいえブラックなこの作品で自身のバランスを計ろうと思ったのかなと思う。

演技陣がとても豪華で、達者な連中なので安心して観てられる。コーエン兄弟の映画に初出演したジョン・マルコビッチは今まで出演してない方がおかしいくらいにしっくりくる。手斧をもって歩くマルコビッチなんて「シャイニング」のジャック・ニコルソンより怖いかも(笑)

Odoru1511083 特筆すべきはブラッド・ピットだ。彼もコーエン兄弟作品は初めてだが、髪をオールバックにして、とってもおバカなインストラクターを演じている。よくこんな役で出演をOKしたな、と思うくらいのバカっぷりだ。

ジョージ・クルーニーもバカな役なのだが、コーエン兄弟に(過去にもバカな役が多かったので)「これが最後のバカな役だからな」と言ったとか(笑)

そうこの映画は、人間の「愚かさ」を描いているのだ。登場人物のやることはどれもこれも後から考えれば「バカだなぁ」と思わせることばかりなのだが、やってる本人たちは大真面目なのだ。それはこっけいな喜劇であり、悲劇でもあるといえる。

からみあう様々な点が線になっていく過程が面白く、最後まで飽きさせない。大笑いできる映画ではないが、ブラックな、大人の鑑賞に耐える作品に仕上がっている。

ハードな内容の前作「ノーカントリー」よりも、ぼくは<こっち系>のコーエン兄弟の方が好きかな。日本では2009年3月に公開予定。

"What a Fuck!!"

Burn After Reading (2008)

96mins

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2008-11-13

ビリー・ジョエル 香港公演 BILLY JOEL Live in Hong Kong 2008

Odoru1311082 ビリー・ジョエルの"初"香港公演へ行って来た。いやぁ、<昨夜ビリーは強烈な香港デヴューを飾った!>といっていい素晴らしいコンサートだった。

最初の挨拶でビリーはこう言った。「Finally... 遂に来ました。(薄くなった頭をさすりながら)私はビリー・ジョエルの父親です」 会場が沸く。30年以上来港を待ちわびたファンに対する自虐的なジョークだ。

「マイ・ライフ」(My Life)、「オネスティ」(Honesty)、「プレッシャー」(Pressure)、「ムーヴィン・アウト」(Movin' Out)、「あの娘にアタック」(Tell Her About It)、「ロックン・ロールが最高さ」(It's Still Rock & Roll to Me)、「ハートにファイア」(We Didn't Start the Fire) 等々。キラ星のようなヒット曲の数々。どれも自分が青春時代に聞いていた曲ばかりで懐かしく嬉しかった。

「ニューヨークの想い」(New York State of Mind)では、アメリカ人らしき多数の観客がスタンディング・オベーション。

「演奏するのが楽しいんだ」という、名盤「ニューヨーク52番街」(52nd Street)からの「ザンジバル」(Zanzibar)の凄さ!

「素顔のままで」(Just The Way You Are)を歌う前には「これは最初に別れた妻に捧げた曲です」と(笑)

ビリーも最近「007」の新作(慰めの報酬)を観たのか、ピアノ前奏の時に何度かボンド・テーマを挿んで弾いていた。

途中、余興で「今日は新人を紹介します。"アメリカン・アイドル"ならぬ"ホンコン・アイドル"です」とビリーが紹介したら、汚いTシャツに半ズボンのバック・クルーの白人が一人出てきてロックを1曲歌ったのだ。これが案外上手くて盛り上がること盛り上がること。

そこからラストの「ガラスのニューヨーク」(You May Be Right)まで観客総立ち。ステージのそでには観客が詰め掛ける。日本では禁止されているが、こちらではOKなのでアリーナの前方の客は皆集まってくる。

ノッテル感がありありのビリーは、香港だからか、ブルース・リーの真似をしてカンフーポーズを何度も繰り返す(メタボなのに)。マイクスタンドを振り回し、上に投げたら、マイクがハゲた頭に当たって”コーン”って音が出た。大笑いしたよ。

アンコールは3曲。ラストの「ピアノマン」(Piano Man)では、最後ビリーが歌わず、会場中が大合唱だった。

香港人は時間にルーズなので、どのコンサートも開演が遅れる。今回も午後8時始まりが、30分遅れ。終わったのは、午後11時を廻っていた。

会場のASIAWORLD - Arenaは、香港国際空港よりも遠いところにある。横浜アリーナのようなホールだ。この規模の会場でビリー・ジョエルが観れたのはありがたかった。日本では、今ではドームクラスだからね。(日本公演は2008年11月18日・東京ドーム)

ぼくは大学生の頃、1981年に日本武道館でビリー・ジョエルを観てから、27年振りのライヴだった。
驚くべきは、その声量と変わらないピアノのうまさだ。今年59歳。さすがに、アンコールで出て来た時はヘトヘト感があったが、いい時に彼のライヴを観たと思う。フランク・シナトラが良い例だが、男性歌手のピークは50代だとぼくは思っているのでね。

残念ながら、チケットは完売にならず、アリーナの最後方は黒いカーテンで仕切っていた。ビリーは最後に「再見」と言って去ったが、たぶんもう香港公演はないだろう。そういった意味でも貴重なコンサートだったと思う。一体感もあり、メチャメチャ盛り上がったんだけどね。

車で帰りがけ、ビリーのCDをかけた。車をおいて銅鑼湾(Causeway Bay)の馴染みのバーで一杯飲んで帰った。コロナ・ビールがやけにうまかった夜だった。

BILLY JOEL LIVE IN HONG KONG 2008
ASIAWORLD - Arena
Wednesday 12th November, 2008
8:00 PM

12ガーデンズ・ライヴ
ビリー・ジョエル

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ビリー・ザ・ライヴ~ミレニアム・コンサート オール・マイ・ライフ ビリー・ジョエル・ストーリー ストレンジャー(30周年記念盤)(DVD付) ニューヨーク物語
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2008-11-11

「ヘルライド」 DVD HELL RIDE

"クェンティン・タランティーノ・プレゼンツ" 映画「ヘルライド」"HELL RIDE"である。香港のHMVで新作のDVDの棚にずらっと並んでたので買ってきた(2008年10月28日発売)。北米盤DVDの新作は通常HK$200以上するのだが、これはHK$159(約2000円)と安く買いやすかったのである。なんで安いのかは映画を観たらわかったぜ(笑)

Odoru1111082 これは1960年代から70年代にアメリカでよく作られていた「バイカー・ムービー」というジャンルの映画で、監督、脚本、主演のラリー・ビショップ(お父さんは"ラット・パック"の一人、ジョーイ・ビショップ)は、そのうちの一本「七人の無法者」('76)(未)"The Savage Seven"にも出演しており、「キル・ビルVol.2」に出た後、タランティーノに「この映画の脚本を書き、監督し、主演することは君の運命なのだ」と説得され、本作の製作を開始したという。なのでビショップ本人も特典映像で「誰よりも、タランティーノが気に入ってくれればいいんだ」と語っているというものなのだ。

映画冒頭、白黒画面で男が砂漠に横たわっている。腹には矢が突き刺さっている。天使のような女性が頭に浮かび「私の子供のために、あの宝物を守って」という声が聞こえる。そばにいたセクシーな女が、男の顔の上でひざを曲げ、矢を引き抜こうとする。そこで話は32年前にさかのぼる。道端で遊んでいる男の子がいる。彼の前で、若い女にキスをして去っていく男。その男は「ヴィクターズ」というバイク・グループの一員だ。その後、その女のところに数人の男たちがやってくる。自転車に乗って、その女の部屋の前に行って覗き見をする男の子。彼が見たのは、その女が椅子に縛られ、喉を切られ、ガソリンをかけられて火を点けられる瞬間だったのだ。男達が着ていたジャンパーには「666's」という紋章がついていた…

Odoru1111083 この映画は、その殺された天使のような女性チェロキー(ジュリア・ジョーンズ)の復讐劇。彼女の元カレ、おっさんのピストレロ(ラリー・ビショップ)と仲間のザ・ジェント(マイケル・マドセン)、若いコマンチ(エリック・バルフォー)は、アリゾナ砂漠を走り、666'sを追い詰めていく。

いやぁ、まさにB級ムービーである。製作総指揮のタランティーノが好きなはずだ。ぼくは「バイカー・ムービー」というジャンルさえ知らなかったのだが、それもそのはず、殆どの作品が日本では公開されていないんだもの。前述の「七人の無法者」もTVでは放映されたらしいが、ぼくは全くノー・マークだった。
「バイカー・ムービー」はバイク乗りが主人公で、血まみれ&セックスまみれの展開になるという映画のようで、この映画でもそのルールは守られていて、おっぱいボーン、お尻ボーンの女たちが、薄汚いバイカーたちと酒を飲み、乱れた行いをする。野郎どもは女にもバイクにも「乗る」わけだ。カメラは男目線で女たちの尻やおっぱいを舐め、女はそれをわかった上で挑発するような言葉と態度を見せる。いやぁ、まさに70年代やね(笑)こんなことエイズが蔓延する前じゃないと現実的じゃないじゃろ?と”JARO”にいいたくなるような画面が続く。キャット・ファイトなんて久しぶりに見たよ!

Odoru1111084 服を脱がないので、だからセクシーさが増すナダ役のレオナー・ヴァレラ。バーの女主人役ローラ・カヨウッテは共同製作者も兼ねる。ちとおばさんだが、エッチだ。ここに出てくる女たちは、セクスィーというより皆エッチだ。

敵側のボス(ヴィニー・ジョーンズ)はピストルではなく矢を放つ銃を持つ。テイストはマカロニ・ウェスタンだ。馬の代わりにバイクで走るという感じ。敵側の大ボスはデヴィッド・キャラダイン。主役のビショップも含め、4人も「キル・ビル」に出てた奴らが顔を揃える。
特筆すべきは、"伝説の"「イージー・ライダー」デニス・ホッパーが出演していることだ。なんと、サイドカー付のバイクで荒野を走る。

Rotten Tomatoes での評価たった 11%。アメリカではR指定(18禁)。え?ここで終わりという終わり方。と色々あるが、B級映画ファン、タランティーノ・ファンには楽しめる代物である。上映時間84分という長さもちょうどいい。

このDVDには、本編、特典映像としてメイキングなど。DVDの作り方は「デス・プルーフ」と同じ感じ。

嬉しいことに、この映画日本で公開されるのですな!2009年1月17日から公開予定なのだと。
いつか地上波で放送するなら、ぜひTV東京の「木曜洋画劇場」でやってほしい。そーゆー映画なのです、これは(笑)

HELL RIDE (2008)

Dolby Digital 5.1 Surround
Aspect Ratio 2.35: 1
84mins
Region 1

Demention Extreme DVD

2008-11-09

「ゲット スマート」 DVD Get Smart 2-Disc Special Edition

楽しみにしていた映画「ゲット スマート」"Get Smart" DVD北米盤が発売になった(2008年11月4日)ので買って来た。紙ジャケの表紙がなんて言うのかな?動かすと絵が変わる奴で(ネクタイと髪の毛が動く)なんか子供みたいに嬉しくなった。表紙に書いてある「ボーナス映像を観ると笑いが62%増!」というのも可笑しい。

そのボーナス映像とは、本編を観ていると時々電話ボックスが出て来て、そこでENTERボタンを押すと、違うヴァージョンや削除されたシーンが出てくるというもの。冒頭、解説のスティーヴ・カレルがこう語る「この作品は、本来は9時間27分なのですが劇場公開版では泣く泣くカットしました。それを解決するためDVDでお見せすることにしました」と(笑)

何度観ても面白い本作だが、ぼくは劇場公開時「それ行けスマート」TV版を見ていなかった。その後、そのオリジナルTVシリーズ、映画「それ行けスマート/0086笑いの番号」も観て、本作を観直したら本当に楽しめた。

Odoru09111084_2 オリジナルでは0086は米国秘密諜報機関コントロール内の憧れの存在である。今回の映画化では、0086はまだ調査員でエージェントにはなっていない。それに代わり0099(ナインティーンナイン)はスマートが「憧れてました」というエリートだ。この辺は、本家(?)007シリーズでもそうだが、ボンドガールは60年代はセクシー&キュートならばよかったが、現代では強くないと話にならないので設定が変更されたのだろう。オリジナルの99はスマートのことが好きで好きでという女性だったからね。

マックスウェル・スマート(スティーヴ・カレル)は調査員として有能で体重も相当落としたが今期もエージョントになれなかった。だが、コントロール本部がカオス(KAOS)の攻撃にあい、急遽顔を知られていないエージェントが必要となりスマートは、(全身整形したという)99(アン・ハサウェイ)とコンビを組まされロシアへ飛ぶ。特典映像によれば、舞台をロシアにしたのは、オリジナルの時代(60年代=冷戦時代)の名残りなのだと。シューフォーン(靴電話)といい、赤のスポーツカーといい、コーン・オブ・サイレンスといい、オリジナルを知ってる人には懐かしくて可笑しいシーンも多い。スマートは "Sorry about that Chief" や "Would you believe...?" という決め台詞も当然言うしね!

エリートの99と新人スマートのロシアでの珍道中が小気味いい。この映画の成功は、オリジナルのドン・アダムスよろしく、スーツをバリッと決めたスティーヴ・カレルがその丁寧な言葉使いもマネて、ドジをやらかす可笑しさと、思いのほかコメディエンヌとして上出来のアン・ハサウェイのコンビネーションが最高だからではないか。本当に本当にこの二人での続編を熱望しているのだ、ぼくは。
特典映像のメイキング画像でも、この二人はおかしい。「今ぼくたちがいるのはソビエトの赤の広場ですが、じつはこれはワーナーのセットです」「そんなわけないでしょ!」てな感じ。(この映像は同じものをiTunesでも観れる)

Odoru0911083 その他の特典映像は、スティーヴ・カレルが大真面目で、この映画はスパイ・アクション・ムービーだと言い張るメイキングや、スティーヴ・カレルの外国語講座(フランス、ドイツ、イタリア語をめちゃくちゃに話す、タモリみたいなもの)も面白かった。

Digital Copyといって、Discから本編をiTunesを通してiPodへ入れられるものもついているのだが、「北米しかダメ」という文字が出てコピー出来ず。これは「バンク・ジョブ」のBlu-rayのDigital Copyも同じだった。せっかく買ったのにな、と思う。世界中でコピー出来るようにしてほしいものだ。

TVシリーズと同じテーマ曲で、縦や横に開く厳重なドアを通り、電話ボックスからコントロール本部へ降りて行く始まりと終わりのシーンが嬉しい。今回の映画版ではCGの時代になり電話ボックスから本当に降りているように見えるが、60年代のTVシリーズ(シーズン1)は、明らかにボックス内のドン・アダムスがしゃがんでるからね(笑)

本作は、スパイ・スプーフものとはいえ、爆発シーンも迫力があり、スカイ・ダイブも見応えがする。ふざけているようで(ふざけているのだが・笑)アクション・シーンはかつてなくお金がかかっている代物なのだ。ニクソンが大統領の頃の冷戦時代のスパイものを現代に置き換えて作ろうというその姿勢もいい。
だが、先日「007/慰めの報酬」を観て、本家である007シリーズが、一話完結ではなくサーガの様相を見せ始めた今、こういったスパイ・スプーフものの作り方も時代と共に変わっていくのだろうと思った。

ぼくがこの映画にハマったのは、昭和の香りが残る、そのテイストが気に入ったことも否めない。オールド・ファッションと笑わば笑え。誰がなんといおうとぼくはこの映画を指示します!ハイ。 Would you believe?

Get Smart (2008) 2-Disc Special Edition

Dolby Digital 5.1 Surround
Aspect Ratio 1.66: 1
110mins
Region 1

「それ行けスマート」 DVD Season 1
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/dvd-get-smart--.html

「それ行けスマート/0086笑いの番号」 DVD
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-26e9.html

「ゲット スマート」 Get Smart 
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/get_smart_57db.html


2008-11-06

「007/慰めの報酬」 Quantum of Solace

Odoru0611082 行ってきました!映画「007/慰めの報酬」"Quantum of Solace"。香港では2008年11月6日に封切られたので初日に行ってきた。

いやぁ、正直驚いた。すぐに "ちとネタバレ" だが、これは「カジノ・ロワイヤル」の完璧な続編だったのだ。ぼくは今後この映画を「007/カジノ・ロワイヤル Vol. 2」と呼ぼうと思っているほどだ(笑) 今までは関連性はあるにせよ、一話完結が007シリーズの信条だと思っていたので余計に驚かされたのだ。

冒頭、イタリアの海沿いの道路でのいきなりのカーチェイス。黒のアストン・マーティンを運転するのはもちろんボンドだ。後方からマシンガンを撃ちながら追いかけてくる車。ボンド側のドアが吹っ飛ぶ!007らしい幕開けだ。渋滞の道路でのチェイスに終止符を打ち、シエナの町へたどりつくボンド。車から降り、後ろのトランクを開けると、中には足を撃たれたミスター・ホワイトがいた。

タイトル・バック。歌は今が旬のジャック・ホワイト&アリシア・キーズ。バックのデザインは往年の007といった感じだ。

愛した女性ヴェスパーを失ったボンドは、彼女を脅迫したミスター・ホワイトを追い詰める過程で新たな、そしてもっと巨大な悪の組織の陰謀を知る。謎の組織のトップ、ドミニク・グリーンは南米の軍部と図り、人類にとって重要な資源の権利を一手に収め世界を支配しようとしていたのだった…

Odoru0611083_2 任務遂行はわかっていても、ヴェスパーのことを想い私情に走るボンド。痛みは癒えてなかったのだ。これはボンドの「センチメンタル・ジャーニー」なのである。

出会った女カミーユは、宿敵ドミニクのオンナ。その女も背中に傷がある。なぜあるのかは劇中明らかされるが、共に心に傷を負ったもの同士… 彼女に「あなたを苦しみから開放してあげたかったわ」と言われるボンド。切ない話なんである。

心から愛したヴェスパーを水の中から救い出せなかったボンド。今回燃え盛る火の中からカミーユを助け出そうとしたボンドは、それによって自分自身も「救おう」としたのだろう。

制作側の意図は、スーパーヒーローではない、より人間的なボンド像の構築なのだろうか。監督が「君のためなら千回でも」や「チョコレート」のマーク・フォースターと聞いたとき、なぜこのハゲのおっさんが監督なのか?理由がわからなかったが、こういう意図があったがための起用だったのか。(ダニエル・クレイグの推薦もあったやに聞くが)

冒頭の狭い道路でのスリリングなカーチェイス。シエナの町の屋根の上を走るジャッキー・チェンばりの追っかけ。ハイチでのボート・チェイス。ボリビアの軍用機での対決、とアクションの見せ場は多い。

ハイチでオートバイにまたがるダニエル・クレイグは、チノパンを履いているせいもあるが、「大脱走」のヒルツ(スティーヴ・マックイーン)そっくりだった!そのまま船に飛び移るシーンは、まんま「大脱走」だったのが嬉しい。

Odoru0611084 その他キャストは、浅黒く、グリーンの瞳が寂し気なカミーユをオルガ・キュリレンコ。「カジノ・ロワイヤル」から引き続き、CIAのフェリックスをジェフリー・ライト。マティスをジャンカルロ・ジャンニーニ。ミスター・ホワイトをイレスパー・クリステンセン。今回悪役ドミニクを演じるのは「潜水服は蝶の夢を見る」のマチュー・アマルリック。"M" はもちろんジュディ・デンチだ。

シリーズとして驚いたのは、今回もミス・マニーペニーも "Q" も出てこない。そして、"My name is Bond, James Bond" とも言わないのだ。ガンバレルもラストに持ってきている。ジェームズ・ボンドが、やんちゃしてワイルドになっちゃう話なので、新兵器もニュー・カーも出てこない。
だが、ゴールドフィンガーならぬ「オイルフィンガー」が出てくるのでお楽しみに(笑)

ボンドがしている腕時計はオメガのシーマスター。じつはミーハーのぼくも愛用している。「ダイ・アナザー・デイ」「カジノ・ロワイヤル」では文字盤が紺色のものだったが、今回は黒。また買いたくなっちゃったな(笑)。ボンドのスーツは今回からトム・フォードに変わった。使ってるカードはアメックスの黒だったよ。ソニー・ピクチャーズで製作するようになってから携帯はソニー・エリクソンだ。余談だが、香港では、ソニーのHD製品と携帯のCMをダニエル・クレイグがやっている。

ボンド・ガールは作品ごとに「強く」なってきたが、今回はジェームズ・ボンドがより「男らしく」なった。つまり「弱さ」があるのだ。
感傷はいらない、アクション映画に徹してくれ!という声もあるだろうが、これで、<新生>ジェームズ・ボンドは本当に「00」(ダブル・オー)になったのだ。

007シリーズ第二章(ニュー・ボンド・シリーズ)がここに、遂に始まった、とぼくは感じている。

(日本では2009年 1月24日公開予定。行く前に「007/カジノ・ロワイヤル」を観て行かれることをおすすめします。1967年版じゃないよ、言っとくけど・笑)

Quantum of Solace (2008)

106 mins

「007/カジノ・ロワイヤル」 Blu-ray 2-Disc Collector's Edition
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/007-blu-ray-2-d.html

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2008-11-05

IMAX版 「ダークナイト」 The Dark Knight (IMAX DMR Version)

Odoru0511087 香港・九龍サイドのIMAXシアター(BEA IMAX)で、映画「ダークナイト」 IMAX版"The Dark Knight (IMAX DMR Version)"を楽しんできた。
じつは11月5日で香港での全ての上映が終了するので、時間をやりくりして行ったのだった。ぼくは香港での公開初日(2008年7月17日)に劇場で観て、最終日にIMAXで観たわけである。
さすがに最終日だけあって、お客さんは少ない少ない。でっかい映画館にぼくを含めてたった5人だったよ(苦笑) 料金も当初HK$115(約1600円)だったものが、今はHK$50(約700円)。その値段で、もうほとんど貸切状態で、劇場のど真ん中でこの傑作を楽しめたのだ。なんか得した気分である。

一言でいうと、ド迫力という表現では足らない。ド、ド、ド、ド、ド、ド迫力である(←これでも足らないほどだ)。5階建のビルの高さというバカでっかい画面に立体音響。ピストル一つの銃声でもビクっとするほどの大迫力。これぞ「IMAX体験」"IMAX Experience"である。

映画が始まる前に、この「ダークナイト」はIMAXカメラで撮影されたという短いメイキングがあった。
そして本編である。ビルのガラスが"ボン!"と割れる冒頭のシーンからIMAXである。凄い!吸い込まれるような気分になる画面の大きさだ。心臓が痛いほど銃声も身体に響く中、ジョーカーたちの銀行襲撃シーンがド迫力で展開される。

IMAXは、ご存知と思うが全てのシーンがどでかい画面一杯で上映されるわけではない。この作品もドラマのシーンなどは劇場版と同じ上下に黒いマスクが入った形で上映された。「ダークナイト」は、劇場公開映画としては初めてIMAX専用カメラで撮影されたものだという(今までの「ハリーポッター」などのIMAX版は35mmをブローアップしていたのだ)。だから画面がめちゃくちゃキレイなのである。

Odoru0511088_2 前述のジョーカー登場のシーン。香港シークエンス。地下道でのカーチェイス。病院爆破の場面。ラストシーンなどアクション・シーンはほとんどがIMAXであった。
このうち、香港の見慣れた夜景をバットマンが飛ぶシーン。バット・ポッドやジョーカーが乗ったトレーラーがひっくり返るところなどは、一度観ているシーンなのに、その臨場感は圧倒的だった。

いやぁ、それにしても、ジョーカーやトゥーフェイスのアップをあの大画面で観るのはちょっと怖かったな(笑) 初めてこの作品を観たのがIMAXだったら、ぼくはトラウマになってただろう。
余談だが、先日のハロウィンの日(10月31日)にランカイフォン(西洋人がよく集まって飲んでる区域)へ行ったら、何人もジョーカーに扮している奴がいたよ(笑)

映画館があるMega Boxというショッピングモールは、MTRのKawloon Bay駅を下りて、タクシースタンドの横から無料のシャトルバスで行く。2007年に出来て、ぼくは初めて行ったのだが、ちょっと不便なとこであった。だが、やっぱりIMAXで観ておいてよかったと思う。

先日「西部開拓史」Blu-rayの特典映像で「シネラマ・アドベンチャー」なる1時間半の、映画が大画面へ移行する歴史のとても興味深いドキュメンタリー(←「これがシネラマだ」も断片的に観れて面白い)を見ていたので、現時点での最高のテクノロジーでの<映画体験>を「ダークナイト」という傑作中の傑作でできたというのは幸せなことだと思っている。

シネラマが出来たのも、テレビが普及して観客動員が下がったからだが、現代でもテレビ画面の大型化やサラウンドの普及で、観客を映画館へ呼ぶ努力をこういった形でしているのだろう。実際、このド迫力を体験するとDVDやBlu-rayで「ダークナイト」をしばらく観たいとは思わないものナ。

日本でも、IMAXでの公開を望んでいる人も多いと聞く。これはぜひ実現してほしいものだと願っている。同じ映画でも印象が全然違いまっからね!

映画自体については、過去に色々書いてるので、今回はIMAXの体験談でした。
帰りがけ IFC (バットマンが屋上に立ってた超高層ビル)の夜景を眺めていたら、何か自分が映画の中にいるような、そんな不思議な気持ちになったよ。 I’m not hero...

"Why So Serious?"

The Dark Knight (2008) IMAX DMR Version

152mins

「ダークナイト」 The Dark Knight
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/the_dark_knight_8f00.html

「ダークナイト」について
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_fdf6.html

「バットマン」 in 香港
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/in_17c8.html

2008-11-03

「マイ・ベスト・フレンズ・ガール」(原題) My Best Friend's Girl

Odoru0311082 ハワード・ドゥイッチ監督の映画「マイ・ベスト・フレンズ・ガール」"My Best Friends Girl"である。香港では2008年10月16日から公開になった。じつは先日お客さんとゴルフへ行った帰りがけ、あまりに早く終わったので、映画を観ようと劇場へ行ったらたまたまこの映画が時間的にドンピシャで入ったのだった。だが、じつは既に香港では公開が終わっちまっているというものなのです…

ハワード・ドゥイッチ監督というと、「ラブリーオールドマン/釣り大将LOVE LOVE日記」とか、「おかしな二人2」や、古くは「プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角」などあるが、今回は独身男性を主人公にしたコメディである。

ま、感想をいうと、正直あんまイケてないコメディであった。(以下、ちとネタバレあり)

物語はこうだ。タンク(デイン・クック)は、振られた男たちの元カノを誘い出し、生涯最悪のデートをすることにより、彼女が「前の彼の方がよかった」と思わせヨリを戻させる名人。それにより報酬を貰っている男だ。親友のダスティン(ジェイソン・ピッグス)は、性格が強くて美しく仕事もできるアレックス(ケイト・ハドソン)と付き合っているが、5週間の交際を経て、アレックスは真面目で気弱なダスティンとのつき合いにつまらなさを感じていた。ダスティンはタンクに救いを求める。タンクは巧みにアレックスをデートに誘い、今まで女性に嫌われたあらゆるパターンを使ってデートするが、あろうことか全て気に入られてしまい、ダンクもそんな彼女を好きになってしまう…

Odoru0311084 正直、ぼくはコメディでも「善意の人を不快な気持ちにさせて笑いをとる」というのがどうも嫌いで(「ボラット」は笑えなかったからな…)、この主人公は悪い奴じゃないんだろうが、やり方が酷くて、かつ下品すぎてあまり笑えなかったな。
彼と彼女だけならお互いのことで済ませるが、後半、アレックスにわざと嫌われようと、彼女の姉の晴れの結婚式をぶち壊して、アレックスの両親や親戚も不快にさせるのはどうかと思ったよ。そこでやらなくてもいいだろう、と。(←ま、そんならコメディにならないか・苦笑)

美人のアレックスを演じるケイト・ハドソンは、ぼくは初めて見たが、ダイアン・レインとジェニファー・ロペスとドリュー・バリモアを足して割ったような女性だね。主役のデイン・クックも初めてだったが、野性的なコメディアンで、こんな使われ方だとこれからちょっとしんどいかもな。タンクの父親で大学で"女性学"を教える教授をアレック・ボールドウィンが演じる。相変わらずイヤらしかったよ(笑) アレックスのルーム・メイトを「クローバーフィールド」でクモに刺されちゃったリジー・キャプランが演じる。大人のおもちゃ(バイブレーター)の収集家の役というのが笑わせる。

最近は、こういった独身男性が主演のラブコメが増えているようだが、自信がない男が増えてるからだろうな。自分をかっこよく見せようとするより、かっこわるい自分も見せる勇気を持って好きになってもらえよ、ということなのだろう。教育的な映画なんだろうね。きっと。

my best friend's girl (2008)

101mins

My Best Friend's Girl (Unrated )
My Best Friend's Girl (Unrated )Dane Cook

Lions Gate 2009-01-13
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