「わが心に歌えば」 DVD With a Song in My Heart - The Jane Froman Story
映画「わが心に歌えば」"With a Song in My Heart"('52)のDVDが、アメリカで昨年(2007年)11月に発売されていた。初ソフト(DVD)化!である。と言ってもあまりメジャーな作品ではないので、知らない人の方が多いだろう。
副題に「ジェーン・フローマン物語」とあるが、これはフローマンの伝記映画だ。
フローマンに扮するのは、スーザン・ヘイワード(この作品でゴールデン・グローブ女優賞受賞。歌はフローマン本人が吹き替えている)
この作品が日本でメジャーではない理由の一つはジェーン・フローマンがあまり知られていないからだと思う。
ジェーンは、第二次大戦中に飛行機事故に遭い両足に大怪我をしてしまうが、戦地に赴き慰問を続けたことでアメリカで人気があった歌手である。
本作は、アメリカでは長らくソフト化が望まれていたようだ。ぼくは初見だが、確かにアメリカ人には「受ける」映画だと思う。もうあたかも、20世紀の"グレート・アメリカン・ソング・ブック"の様相だから。
タイトル曲の "WITH A SONG IN MY HEART" を筆頭に、"GET HAPPY"、 "BLUE MOON"、"EMBRACEABLE YOU"、"TEA FOR TWO"、"IT'S A GOOD DAY" など、ジャズのスタンダードや往年のミュージカルが好きな人が聞けばわかる曲がいっぱい出てくるのだ。
この映画の公開当時、ミュージカル映画といえばMGMで、20世紀フォックスのミュージカルは、もうひとつコクのないものが多く、ぼくはあまり期待してなかったのだが、本作は伝記ということもありプロットがはっきりしてて、結構いい出来に仕上がっていると思う。
ラスト、フローマンは、3ヶ月に渡るヨーロッパ慰問の最後の日に、大勢の兵士たちの前でスペシャル・メドレーを披露する。それは、アメリカ各州の歌、つまり「ご当地ソング」のメドレーなのである。
曲目は、"AMERICA THE BEAUTIFUL"〜"WONDERFUL HOME SWEET HOME"〜"GIVE MY REGARDS TO BROADWAY"〜"CHICAGO"〜"CALIFORNIA, HERE I COME"〜"CARRY ME BACK TO OLD VIRGINNY"〜"STEIN SONG" (University of Maine)〜"INDIANA"〜"ALABAMY BOUND"〜"DEEP IN THE HEART OF TEXAS" 〜"DIXIE"と続く。
兵士たちは、"カリフォルニア・ヒアーイ・カム♪"とアル・ジョルスンのようにひざまづいて歌ったり、自分の地元の歌を唄ってくれとせがんで(特にテキサス野郎)一緒に歌ったり、故郷を思い出し、涙ぐんだりする。このクライマックスは本当に鳥肌もので、日本人のぼくでも、ぐっとくるんだから、アメリカ人にはたまらんもんだと思うよ。
戦意高揚という、あまり良い意味の言葉ではないが、映像と音楽を使って高揚させる術をアメリカ人はよくわかってるのだろう。こういう映画の一場面を見ても、愛国心を高め、皆で一つになり感動させる演出は凄いよな。アメリカのショウ・ビジネス(ある意味)恐るべしである。
With A Song In My Heart - The Jane Froman Story (1952)
Monoural
Aspect Ratio 1.33: 1
117mins
Region 1
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コメント
この映画、クライマックスのメドレー、何度観てもイイですね。このシーンだけでも、この映画の価値があると思います。確かに戦意高揚ものではありますが、キャンティーン映画ほど面白いというもの、また真実です。アメリカのワーナーでは。『THIS IS ARMY』の正規版!『ハリウッド玉手箱』『THANK YOU FOR LUCKY STARS』の三枚組がこのたび発売となりました。これも家宝になると思います!
投稿: 佐藤利明 | 2008-11-20 19:21
佐藤利明さん
思えば、10年ほど前「かの集まり」でこのクライマックス・メドレーのフーテージを貴方に見せてもらいましたね。あれ以来本編を観たかったので、長年の夢がかなったわけです。
そうですか「ハリウッド玉手箱」出ましたか!長生きはするもんですな(笑)
投稿: nobuyasu | 2008-11-21 11:59