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2008年10月

2008-10-31

「カジノ・ロワイヤル」 (1967) DVD (Collector's Edition) Casino Royale

1967年版の映画「カジノ・ロワイヤル」"Casino Royale"である。先ごろアメリカでは40周年記念盤DVDが発売されたが、ぼくが持ってるのは同じ2008年発売だがコレクターズ・エディションだ。特典映像は、メイキング、予告編、スティル・ギャラリーと音声解説付。
40周年版には1954年にTVで放送された「カジノ・ロワイヤル」が収録されているとのこと。

この映画は、おそらく公開当時より今観たほうが楽しめると思う。なぜなら、前回このブログで書いたダニエル・クレイグ版「カジノ・ロワイヤル」(2006)でストーリーがメジャーになったからだ。公開当時は、イアン・フレミング原作の「カジノ・ロワイヤル」がどういう物語なのかを一般の観客は知らず、いきなりスパイ・スプーフものとして公開されたので、何が面白いかがよく理解出来なかったのではないかと思う。今観ると、なるほどこういう風に変えているんだな、という部分も見れ一層楽しめるハズ。

ぼくも初見は70年代、毎度おなじみ水野晴郎先生の解説によるNTV「水曜ロードショー」だった。当時は90分枠だったので、前編、後編でやった。
日本のテレビで初めての「007」の放送ということで水野先生、大分はしゃいでいたのを思い出すが、確か中学だった頃のぼくにはその面白さは全く理解出来なかったのだ。

Odoru3110082 それもそのはず、前述のように、「カジノ・ロワイヤル」のオリジナル・ストーリーも知らないんだもの。それにどこがパロディなのかもわかんなかったし…。この映画の不幸は、そういう理由からただのドタバタ映画に見えてしまうところだったのだ。

現役を引退したスパイ、ジェームズ・ボンド(ディビッド・ニーブン)のもとへ英米仏ソの諜報機関が訪れる。各国の諜報員が国際陰謀団スメルシュの手で消されているようなのだ。一同はボンドの現役復帰を説得し、複数の007を使って組織へ潜入するが…。

今見ると、なぜか庭にライオンがいっぱいいて、車の屋根にのっかると「野生のエルザ」の音楽(Born Free)がかかったり、ピーター・セラーズが扮装して、ロートレックになると今度は「赤い風車」の音楽がかかる。マンホールのふたを開けると「何かいいことないか子猫ちゃん」の音楽が(これは楽屋落ちだが)がかかるという風に、笑える箇所が随所にあるのだ。

つまり、これはどの映画でも(文学でも何でも)いえるのだが、観客側に知識がないと笑えない。笑えるというのは、それは「知ってる」からで、「知らない」と笑えないのだ。

1953年、原作者イアン・フレミングから最初のジェームズ・ボンド(007)の小説「カジノ・ロワイヤル」の映画化権を買ったグレゴリー・ラトフは、後年お金に困り、その権利の半分をチャールズ・K・フェルドマンに売る。ゲーリー・クーパーをボンドにするとか、ハワード・ホークスが監督をするとか、映画化の話はあったが果たせず、ラトフは亡くなってしまう。遺族から残りの権利も買い取ったフェルドマンだが、その間にアルバート・R・ブロッコリのイオン・プロダクションがショーン・コネリー主演で次々と「007」のヒット作を世に出してしまう。
イオン・プロが持っていなかった権利はこの作品と「サンダーボール作戦」だった。「サンダーボール」は、権利を持つケビン・マクローリーと折り合い映画化されるが(後に「ネバーセイ・ネバーアゲイン」としてリメイクされ物議をかもす)、この「カジノ・ロワイヤル」は交渉が決裂し、フェルドマンはこの作品を、<ジェームズ・ボンド・コメディ>として製作する。
フェルドマンは、前作「何かいいことないか子猫ちゃん」で成功した、仲間内や知り合いを使って映画を製作するという手法を使うが、監督だけでも5人という(ジョン・ヒューストン/ケン・ヒューズ/ロバート・ハリッシュ/ジョセフ・マクダラス/ヴァル・ゲスト)ことからもわかる通りまとまりに欠け、ストーリー・ラインもはっきりしない映画になってしまった。実際撮影現場もドタバタだったようであるが…

だが、60年代のポップな映像!斬新なデザインのセット!バート・バカラックの洒落た音楽!(ここから生まれた名曲「恋の面影」(Look of Love)はセルジオ・メンデスが今年2008年に出したアルバム"Encanto"でもまた新たなアレンジで演奏している)
ル・シッフルを演じるオーソン・ウェルズ。若きウディ・アレンやジャクリーン・ビセット!初代ボンド・ガールのウルスラ・アンドレス。カメオでジャン・ポール・ベルモンドも出演しているなど豪華キャストも見所の一つ。

マイク・マイヤーズが「オースティン・パワーズ」でやりたかったのは、正統な「007」のスプーフではなく、じつはこっちだったんだろうな、と思う。

これは鍋でいうと「ヤミなべ」かも知れない。この味付けがおいしいかどうかは観た人が決めればいいことだが、今やカルト映画といってもいいこのテイストを一度味わってみても人生の損にはならないのではないか、と思う今日この頃である(笑)

Casino Royale (1967) Collector's Edition

Dolby Digital 5.1 Surround
Aspect Ratio 2.35: 1
131mins
Region 1

B000N4RBU0カジノ・ロワイヤル [DVD]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2007-02-20

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2008-10-29

「007 カジノ・ロワイヤル」 Blu-ray 2-Disc Collector's Edition "Casino Royale"(2006)

イギリスでは映画「007 慰めの報酬」公開が2008年10月31日と迫り、ここへきて過去のシリーズ作品がブルーレイで香港でも再発売され始めている。その中で、前 21作「007 カジノ・ロワイヤル」"Casino Royale"北米盤が2枚組のコレクターズ・エディションとして10月21日に発売された。(日本ではスペシャル・エディションとして12月19日発売)
ぼくは、「カジノ・ロワイヤル」の2枚組DVD(香港盤)は持っていたのだが、ブルーレイは持ってなかったので迷わず買ったのだ。アマレーケースの上の紙ジャケが高品質で高級感があっていい。Discの中身もとても満足できるものであった。

Odoru2610082 たぶん007が好きで、長年観続けてきた人は皆この「カジノ・ロワイヤル」(別名:「右の玉も打ってくれ!」・笑)には特別な感情を抱くのではないだろうか。映画の出来が過去のシリーズの中でも屈指であるということ。ダニエル・クレイグのニュー・ボンドが過去のイメージと違うということ。最初のジェームズ・ボンド小説であったにも関わらず、長年権利の関係で映画化できなかったこと(1967年製作の「カジノ・ロワイヤル」はスプーフとして作られたので)等々である。

ジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)が初めて 「00」(ダブルオー)を名乗れるようになり、モンテネグロのカジノでテロリストを支えるル・シッフル(マッツ・ミケルセン)とポーカーの大勝負に出る。一緒に潜入した財務官ヴェスパー(エヴァ・グリーン)と本気の恋に落ちるが、彼女は実はダブル・スパイだったことがわかる。彼女を亡くしたジェームズはそれから二度と人を愛さないと心に誓う。
今回初めてラスト・シーンで「My name is Bond, James Bond」と決めゼリフを言う。これは、「007」としてのスタートという意味と、非情なスパイとして生きていくんだというボンドの悲痛な心構えを表明したものなのだった。

思えば、第20作「ダイ・アナザー・デイ」(別名:「死ぬんなら他の日にしなはれ」by浜村淳)のピアース・ブロスナンがとってもよかっただけに、「なんで交代させるんじゃ!」とぼくは不満に思い、雑誌などでダニエル・クレイグを見て「冷血で爬虫類っぽいな」とか「『ロシアより愛をこめて』のロバート・ショウかい?」というイメージを持ってしまって、今回のボンドに正直あんまり期待してなかったのだ。(「レイヤーケーキ」はよかったんだけどね)

Odoru2610085_2 だが、初めて劇場でこの映画を観た時、ぼくは正直「シビれた」よ。

冒頭、モノクロの画面で始まり、トイレでの格闘。かつてなく残忍なボンドだ。めちゃかっこいいタイトル・バック。バハマの工事現場でのボンドと犯人の追っかけ。「フリー・ランニング」という街のなかをひょいひょいとジャンプしながら走る競技の第一人者であるセバスチャン・フォーカンを使い、CGなしの目を見張るアクションをいきなり見せるスピード感。モンテネグロへ行ってからの、ボンドのタキシードのハンサムな着こなし、カジノの豪華さ、最高級のアストン・マーチン、マティー二のシャンペングラス…。全てが素晴らしく、また超一流なのだ。そして、華を添えるとびきりセクシーな女 ソランジュ(カトリーナ・ムリーノ )、ボンド・"ガール"と呼ぶには惜しいほどの"レディ"ヴェスパー(エヴァ・グリーン)。まさに「男の夢の世界」がここにある。

ヴェスパーをさけようとカーブで急ブレーキを踏み、アストン・マーティンが7回転して(これは映画史上新記録なのだと)止まり、その後、素っ裸のボンドが縛られ、座席の部分をくりぬいた椅子に座らされ、●玉を打たれるシーンは映画館で観てるこっちも下腹が痛くなるような場面だった(思い出しても痛いよ・笑)

つまりこの映画では、極力CGなどの合成場面を避けて、生身の人間が演じ痛みを感じる絵作りを行っている。シリーズとしての”原点回帰”という意味でもこの作品の意義は大きい。

Odoru2610083 原作「カジノ・ロワイヤル」に描かれた複雑な内面を持つボンドを演じるのにダニエル・クレイグはうってつけだった。スティーヴ・マックイーンのような肉体派でいて、表情に影がある。短髪にしたのも若さとスポーティな感じでいい。今までの、英国紳士というダンディでシニカルなイメージはないが、ぼくはダニエル・クレイグはひょっとしたらショーン・コネリーを超える(本当の意味で)ニュー・ボンド像を作るのではないかとじつは期待しているのである。

このブルーレイには、削除されたシーンなど、今までなかった特典映像が入り、BD-LIVEも入れると実に7時間超の特典がついている。メイキングの数々もやっつけ仕事という印象がなく出来がとてもよく、より多角的にイアン・フレミング原作のこの映画を検証できるようになっている。ファンにはおすすめのDiscである。(ただ、BD-LIVEはローディングに時間がかかり過ぎるが)

その中で「『カジノ・ロワイヤル』までの道のり」を眺めていたら、権利関係で、それまで007と云えば”ユナイト映画”とぼくらが子供の頃から刷り込まれていたことが、MGMを経てソニー所有のコロンビア映画に引き継がれる過程が興味深かった。特にこの「カジノ・ロワイヤル」の権利関係は原作が書かれた1953年から様々な曲折を経てコロンビア映画にて今回の映画製作に至る。
権利がソニーに移ったので、全作品のDVD BOXは出ないのかと思いきや、ちゃんと出てるのでホッとしたが、今後(欲しいナァと思う)Blu-rayのBOXが出るまでの間は、あの第20作まで入ったアタッシュケースのDVDを大事にしなければと思った次第である。

さあ、次は 11月6日香港公開の「007 慰めの報酬」だ!楽しみ、楽しみ。

"The bitch is dead"

Albert R. Broccoli's EON Productions Presents Daniel Craig as Ian Fleming's James Bond 007 in
CASINO ROYALE (2006) Collector's Edition

Dolby True HD
Aspect Ratio 2.40: 1
144mins
(Special Features のみ日本語字幕付)

【関連】 TVドラマ版「カジノ・ロワイヤル」(1954)
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/tv_bdc1.html

007 カジノ・ロワイヤル スペシャル・エディション (2枚組) [Blu-ray]
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2008-10-27

「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」 Tropic Thunder

Odoru2710082 期待していたベン・スティラーの映画「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」"Tropic Thunder"へ行く。いやぁ、これは想像していた以上の傑作コメディであった。

カプチーノを買って座席に着いたら「007」の新作「慰めの報酬」の予告編がかかったので得した気分になった。で、映画が始まったと思ったら、スポーツ・ドリンクの宣伝を黒人ラッパーがやってる。"I like pussy"とか歌って(笑)。なんだ?と思ったら次に映画の予告編が始まる。まずユニバーサル映画のロゴが出て、ベン・スティラー扮するマッチョマンが世界を救うという映画の"Part 6"。次にニューラインシネマのジャック・ブラックがおならばっかりして、扮装して一人6役くらいを演じる「デブたち」"Fatties Part 2"。3本目はフォックス・サーチライト作品。ロバート・ダウニー・Jrとトビー・マクガイヤが、アイルランドあたりの教会の神父で、どうも二人がホモだとにおわせる場面が続く文芸ものの予告編だ。もうこれだけで爆笑だった。「グラインドハウス」のフェイク予告編より出来がいい。

そして、ドリームワークスのロゴが出て、やっと本編が始まる。(それにしてもユニバーサルなんかのロゴもよく使わせてもらえたよなぁ)

ベトナムで戦争映画を撮影中の現場。ヘリコプターが飛び立とうとすると、一人の兵士がふらふらと歩いている姿が見える。思わずヘリから飛び降り、兵士のところへかけよる黒人軍人。まるで「プラトーン」のようだ。味方のヘリを守ろうとして自分の腕が吹っ飛んだその兵士を抱きかかえ黒人軍人は泣く。よだれをいっぱいだして。兵士の方はそこで泣かなきゃいけないのに涙が出ない、「気分が乗らない」と言って…。かんかんに怒る映画監督。その怒った姿を見て指示が出たと勘違いした「爆薬班」は、スイッチを押し、セット全てを爆発させ焼き尽くしてしまう…。
Odoru2710083 そうでなくとも撮影は遅れ、予算はかなりオーバーしてる。ネット会議でハリウッドのプロデューサーに「ファーーーック!」となじられ監督は頭を抱える。この映画の原作者でベトナム戦争経験者が監督にこう耳打ちする。「役者たちを実際のジャングルに置き去りにして、それを隠しカメラで撮ったらどうだ?」
ヘリに乗った役者たちと監督は、ジャングルの真ん中で下ろされ、監督は簡単なプロットと地図を手に「よし!史上最高の戦争映画を撮るぞ!」と歩きだす。そのとたん、地雷を踏んで身体全部が吹っ飛んでしまう。
それも演出だと思った役者たちだが、木陰から彼らに本物の銃口を向けている集団がいた。じつはその場所は「黄金の三角地帯」と呼ばれる、麻薬組織が支配する、実際の戦場よりも危険な場所だったのだ…。

いやぁ、これは役者が凄いわ。まず、黒人軍人に扮するのはロバート・ダウニー・Jr 。最初の頃は彼だとわからないほど。見た目も黒人だし、声と喋り方も黒人そのものなんである。それから、ずっと「ファーック!」と言ってる、下品でハゲでデブで胸毛もじゃもじゃのプロデューサーを演じるのはトム・クルーズ。軽快にダンスを踊るのが<素敵>だ(笑)。 ベン・スティラー、ジャック・ブラックという今やアメリカン・コメディの花形は可笑しいのは当然。スティラーは筋肉もりもりになっている。役作りで鍛えたのだな、きっと。ラッパーから役者へ転向する黒人のブランドン・T・ジャクソンの役名が「アルパ・チーノ」(アル・パチーノじゃない)というのも笑ったなぁ。

Odoru2710084 この映画では、ハリウッドの映画製作現場を徹底的にパロってて(というか批判を込めて笑い飛ばしてて)映画好きには笑える箇所が随所にある。
あたかもミニ「地獄の黙示録」の撮影現場の様相で、プロデューサーも、監督も、わがまま言い放題の俳優たちも実際のモデルがいるわけで、それが誰かは観客側の知識が深いほど笑えるという作りになっている。

役作りのために白人が整形までして黒人になるというのは「メソッド演技法」の俳優たちのことだし(←それをダウニー・Jrに演らせるのが可笑しい)、おならばっかりしているコメディアンはビバリーヒルズなコップだし、シリアス演技に失敗するマッチョマンはランボーだし、プロデューサーはタランティーノの兄貴分だし… といった感じ(?)なのだ。

カメオでの出演も多数で、これもベン・スティラーの友人関係なのか、それともハリウッドの人種は洒落がわかるというのか、それを捜すのもこの映画の楽しみ方の一つといえよう。

ともかく、ぜひ映画館で大笑いしてください。おすすめのアクション・コメディです。品はないけど(笑)

Tropic Thunder (2008)

107mins

(日本では2008年11月22日公開予定)

B001OGSMEUトロピック・サンダー 史上最低の作戦 [Blu-ray]
角川エンタテインメント 2009-04-03

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2008-10-25

「ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー」 High School Musical 3: Senior Year

Odoru2510086 てなことで、映画「ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー」"High School Musical 3: Senior Year"へ行く。香港でもアメリカと同時公開(2008年10月24日)されたので11歳の娘と楽しんで来た。これは、「ハイスクール・ミュージカル」ファンの期待を裏切らない、いやそれ以上の超楽しい出来映えだった。

観終わって、娘が「もうサイコー!」「DVD出たら即買ってね(はぁと)」と言われた(笑) 劇場では白人の客も多数いて、客層はティーンから子供まで(親子)という感じかな。

(以下、ちとネタバレあり)
バスケの決勝戦。トロイ(ザック・エフロン)の「レッツ・ゴー!」というかけ声で始まるこの映画は、劣勢をラスト16分で跳ね返さんとするナンバー"Now or Never"でいきなりスパートする。高校3年生になったイースト高校の面々は、卒業後の身の振り方を真剣に考えていた。ダーバス先生(アリソン・リード)が監督し、作曲をケルシー(オレーシャ・ルーリー)、振付をライアン(ルーカス・グラビール)が担当するミュージカル「シニア・イヤー」を上演することになり、シャーペイ(アシュレイ・ティスデイル)始めガブリエラ(ヴァネッサ・アン・ハジェンズ)やワイルドキャッツの仲間たちが高校最後の思い出にと集まって来た。だが、スタンフォード大学の早期プログラムへ参加するためガブリエラはミュージカル出演を諦めアルバカーキの町を出て行くのだった…。

Odoru2510083 シャーペイとライアンが食堂で歌い踊り、そこがブロードウェイと化す"I Want It All"。トロイとチャド(コービン・ブルー)が車のスクラップ場で踊る男性的なナンバー"The Boys are Back"。思い出の屋上でのトロイとガブリエラのデュエット・ダンス"Can I Have This Dance"等々、今回の楽曲はどれもとってもイイ。このシリーズの集大成と云っていいミュージカル「シニア・イヤー」も"学生公演"の粋を遥かに超えている。ラスト、グランドで歌い踊る"High School Musical"の集団群舞を観た時は、「グリース」('79)に出会ったときと同じ喜びを感じている自分がいた。

本作は、さすがに劇場用映画として製作されただけあって、今までと違って全てが"豪華"だ。タイトルの"HIGH SCHOOL MUSICAL 3"のCGロゴだけでそれがわかる。製作費を調べたら、「1」はUS$4,200,000、「2」はUS$7,000,000、「3」はUS$11,000,000と上がっていっている。どのミュージカル・ナンバーもセットが豪華だし、衣装も娘に云わせると「シャーペイは10回以上衣装が変わった」ほどだ。「1」ではみんなジャージで踊ってたもんね(笑)

Odoru2510084 「1」から「3」までキャストが一人も変更がないというのは奇跡的と云える。アメリカのショウ・ビズでは当たると特にギャラの問題などで揉めることが多いからだ。今回は、「1」で出てた校長先生まで見れてよかったよ(笑)

今回、新しい仲間として、ワイルドキャッツのメンバー、ジミー(マット・プロコップ)、ドニー(ジャスティン・マーティン)とイギリスから来たティアラ(ジェマ・マッケンジー・ブラウン)が加わる。ひょっとして彼らを出演させて「4」を作る気かも知れないが、はっきり言ってそれならもう観ないな。特にジミーはバカっぽくてイヤだった(←子供みたいな感想だこと・苦笑)

ただ、やっぱりこれはディズニーが製作しているだけあって、健全なミュージカルで、ティーンや子供向けである。その分コクはないが、楽しさは格別である。シリーズを通じての監督・振付のケニー・オルテガは良い仕事をしていると思う。
おそらくこれを観ている子供たちが、大人になる10年、20年後にはこのシリーズの評価は今より高くなるだろうと想像している。

出来れば「1」「2」を観てから劇場へ行くことをおすすめする。日本では、2009年2月7日から公開とのこと。いいんじゃないかな、卒業シーズンだし。そのタイミングでこの映画を観るのはとてもいいと思うよ。

「1」「2」の時に比べて、出演者は大人っぽくなり、女性はみんなキレイになった。おっさんのぼくはシャーペイがとてもかわいいと思う。もし彼女がキャバクラにいたら即指名しちゃうだろう(笑) ファンになったよ。
この映画が楽しめたのも娘が「ハイスクール・ミュージカル」にハマってくれたお陰だなと思っている。DVDが出たら即買ってあげよう(笑)

HIGH SCHOOL MUSICAL 3: SENIOR YEAR (2008)

112mins

「ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー」 Blu-ray + DVD
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/blu-ray-high-sc.html

「ハイスクール・ミュージカル」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/high-school-mus.html
「ハイスクール・ミュージカル2」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/2-dvd-high-scho.html

ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー [DVD]ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー [DVD]

ハイスクール・ミュージカル・グレイテスト・ヒッツ・スペシャル・エディション(DVD付) ハイスクール・ミュージカル [DVD] ハイスクール・ミュージカル2 プレミアム・エディション [DVD] ハイスクール・ミュージカル・ザ・ムービー(DVD付) マンマ・ミーア! [DVD]

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2008-10-24

「ハイスクール・ミュージカル2」 DVD High School Musical 2

前回に引き続き、ディズニーチャンネルで放映され大ヒットしたTVムービー「ハイスクール・ミュージカル」('06)の続編「ハイスクール・ミュージカル2」('07) "High School Musical 2"である。

前作と全く同じキャスト、監督・振付(ケニー・オルテガ)らが結集して製作された「2」であるが、今回は生徒たちが学校を飛び出して歌い踊るミュージカルになっている。なぜって?夏休みだから!だ。

Odoru2410085_2 冒頭、担任のダーバス先生(アリソン・リード)の話なんか聞かず、時計の秒針に集中している生徒たち。カウントダウンが始まる、5,4,3,2,1,0 ...「夏休みだー!」教室から飛び出し、廊下で、食堂で歌い踊る生徒たち。元気なナンバー "What Time Is IT" で幕をあける。前作同様楽しい展開を期待させる出だしだ。
夏休み、イースト高校の学生たちはアルバイトに精を出す。トロイ(ザック・エフロン)やチャド(コービン・ブルー)のバスケ仲間はプールやゴルフ場のあるリゾート施設でのバイトが決まっている。そこのライフガードとしてガブリエラ(ヴァネッサ・アン・ハジェンズ)や、テイラー(モニーク・コールマン)も働くことになり、みんなで楽しくバイトしようとしていた。そこへお客さんとしてやって来たのがシャーペイ(アシュレイ・ティスデイル)とライアン(ルーカス・グラビール)。親がこのリゾートのおエライさんなので毎年ここで夏休みを過ごしているのだ。同級生とはいえ、お客様と従業員の関係。シャーペイはあの手この手でトロイにアタックをかけ、毎年開かれ自分が優勝している音楽コンテストへ二人で出ようと誘いをかける…。

プールサイドやゴルフ場で歌って踊り、特に厨房での集団ダンスはとても楽しい出来である。ただ、学校から外に出てしまったこともあり、ちょっと「学校もの」としては弱くなった面は否めない。が、それでもファンにとっては楽しめる作品といえよう。

Odoru2410084 この「ハイスクール・ミュージカル」の強みは、ファンにとっては、出演者たちが友達のような感覚になっていて、それぞれのキャラを知っているので、画面を眺めているだけで楽しく思えてしまうのであろう。だからファンは何度観ても飽きないんじゃないかな?

トロイとガブリエラは美少年と美少女のカップルで、チャドとテーラーも仲良し。コメディ・タッチのシャーペイとライアンの二人も憎めないキャラ。白人、ヒスパニック系、黒人と様々な人種が仲良くやっている。特にシャーペイは、本来嫌われ役なのだが、演じているアシュレイ・ティスデイルがキュートなので随分得をしていると思う。
シャイな作曲家でピアノを弾くケルシー(オレーシャ・ルーリー)、バスケ部でお菓子作りがうまい ジーク(クリス・ウォーレン・Jr)、ちょい太めのチアガール、マーサ(ケイシー・ストロー)と脇を固める仲間たちも憎めない奴らだ。この本当に仲のよさそうなキャストは、ティーンに「ウケる」のがわかるな。

2006年に主なキャスト(トロイを除く)がアメリカで行ったコンサート・ツアーは約50万人を動員したそうだ。サントラ盤もビルボード1位になり、全世界で690万枚を売ったという。ビジネスとしては大成功だ。(子供相手のビジネスは当たるとでかいな)

Odoru2410083 我が家にも、調べて見たらサントラ盤はじめグッズがいっぱいあった。ここにも「カモられた」家庭があった(笑)
サントラ盤は、"HITS COLLECTION" といって「1」「2」のオリジナル・サウンドトラックとそれぞれのカラオケ、「ハイスクール・ミュージカル・ザ・コンサート」のCDとハイライトDVDが入ってる6枚組セット。
DVDは、「ハイスクール・ミュージカル」(2-Disc Remix Edition)、「ハイスクール・ミュージカル2」(Extended Edition)と最近発売された「ハイスクール・ミュージカル2」(2-Disc Extended Dance Edition)(2008年9月23日発売・香港盤)があった。
この「2」の"Extended Dance Edition" だが、これにはトロイはじめ主要キャストがダンスをレッスンしてくれるというおまけがついてて、これを見てダンスを覚えれば「君も"イースト・ハイ"の仲間になれるぜ」というものだ(笑)
それ以外にも、ガイドブックやらノートやら11歳の娘はいっぱい持ってたよ(笑)

この度公開される映画「ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー」"High School Musical 3: Senior Year" のサントラも既に購入し、娘はiPodへ入れて"予習"している。
これについてたDVDで、ぼくも"予習"したがリハーサル風景が曲と共に見れて面白かった。今回初めて曲名で"High School Musical"とついた、おそらくこのシリーズのテーマソングになりそうな曲があり、これがとってもいいのだ。
来年のアカデミー賞の授賞式で、このキャストでのショウが見れたらな、と思ったりしている(ノミネートされるといいね)。

週末、劇場での「3」が楽しみだ。なんか、おっさんのぼくもハマっちゃてるのかもな?(苦笑)

"What Team?"  "Wildcats!"

High School Musical 2 (2007) 2-Disc Extended Dance Edition

Dolby Digital
Aspect Ratio 1.33: 1
110mins
Region 3

「ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/high-school-m-2.html
「ハイスクール・ミュージカル」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/high-school-mus.html

ハイスクール・ミュージカル2 プレミアム・エディション [DVD]ハイスクール・ミュージカル2 プレミアム・エディション [DVD]

ハイスクール・ミュージカル [DVD] ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー [DVD] ハイスクール・ミュージカル2(DVD付) ハイスクール・ミュージカル・グレイテスト・ヒッツ・スペシャル・エディション(DVD付) ハイスクール・ミュージカル・ザ・ムービー(DVD付)

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2008-10-23

「ハイスクール・ミュージカル」 DVD High School Musical

Odoru2310082 今更ながら「ハイスクール・ミュージカル」"High School Musical"である。

11歳の娘がハマリにハマってて、香港では今週末(2008年10月24日)映画版"High School Musical 3: Senior Year"が公開になるので連れて行かねばならず、今”予習”をしているところなのだ。

元はといえば、昨年末映画「ヘアスプレー」にハマッてた娘を見て、同じ俳優が出てる(ザック・エフロン)ということでDVDを買ってきて見せたらもう大変。先日、「今まで何回観た?」と聞いたら、「百回!」と平然と答えてくる始末。だから娘にとってはこの映画公開は、待ちに待った大イベントなんである。

ということで、そーゆーお父さんもいるかも知れないので(←いるか?)、「おとーさんにもわかる『ハイスクール・ミュージカル』講座」を書いてみよう(笑)

簡単にいうと、これはアメリカの高校生の、恋あり、スポーツあり、友情あり、歌とダンスありのミュージカル・TVムービーである。

2006年にアメリカ、ディズニー・チャンネルでオリジナル・ムービーとして放映されティーンを中心に大ヒットし、2007年「ハイスクール・ミュージカル2」、2008年には劇場用映画「ハイスクール・ミュージカル ザ・ムービー」(HSM3) が製作され全世界公開となる。(日本では2009年2月7日公開予定)

Odoru2310083 舞台は、ニューメキシコ州アルバカーキ。新学期にイースト高校(East High)に転校してきた科学の優等生であり、ヒスパニック系の美少女ガブリエラ(ヴァネッサ・アン・ハジェンズ)とバスケ・チーム”ワイルドキャッツ”のエース、青い目の美少年トロイ(ザック・エフロン)は運命的な再会を果たす。二人は大晦日のスキー場で、突然パーティでカラオケをデュエットさせられ、携帯番号だけ交換し別れていたからだ。学校でミュージカルを上演することになり、主役のカップルを募集している時、彼らは二人で歌ったときの楽しい気分を思い出す。トロイに想いをよせるブロンドのお金持ちのお嬢さん、シャーペイ(アシュレイ・ティスデイル)と双子の弟ライアン(ルーカス・グラビール)は、毎年自分たちが主役を演じる舞台にライバルが出現したことで様々な妨害工作に出る。トロイたちは、バスケ部の親友で、アフロヘアの黒人チャド(コービン・ブルー)や、ガブリエラと同じ科学クラブで親友となった黒人美少女テイラー(モニーク・コールマン)らと共に、全ての問題が解決できる案を考え実行に移すのであった。

ディズニー・チャンネルが製作しただけあって、健全なミュージカルである。主役のトロイやチャドがバスケット・ボールを使って踊るシーンなどかっこいいし、ガブリエラとの恋もプラトニックなものだ。言葉づかいもキレイで、笑えるシーンも多い。学食でのダンス、ラストの体育館でのバスケの試合と皆で踊るシーンはとても高揚感があり、観終わった時さわやかな印象を残すのである。

Odoru2310084 ま、これは大人の観客向けではないが、ティーン・エイジャー(ロー・ティーンも含む)には受けるのはわかる楽しいポップなムービーである。

トロイ役のザック・エフロンは歌が下手すぎて、コンピュータで音声処理した、とか、トロイとガブリエラは実生活でも恋人同士だとか、子供から教えてもらう情報も多い。(←本当かどうかは知らないが・笑)

若い子たちには、このTVMがとても新しく、楽しく映るのはわかるが、我々おっさん世代から見ると、この「ハイスクール・ミュージカル」は、昔からあるミュージカル・コメディ映画によくあるパターン(王道)なのである。
つまり、プロットは"ボーイ・ミーツ・ガール"(若い二人が出会ってお互い意識する。途中じゃまが入ったりしてうまく行かなくなるが、最後はハッピーエンド)で、劇中舞台公演やダンスコンテストなどがあり、コミカルなナンバーで笑いを誘う。主役の二人はそれぞれの心情をソロで歌い、フィナーレは大がかりなプロダクション・ナンバーで全員が歌い踊り、盛り上がったところで二人がキスしておしまい、というものである。

学園もののミュージカルというと、MGMミュージカル「グッド・ニュース」('47)やジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン・ジョンの傑作「グリース」('78)などを思い出すが、この映画を観てぼくが一番思い出したのは、バズビー・バークレイ監督で、ミッキー・ルーニー&ジュディ・ガーランドが主演した一連の”バックヤード・ミュージカル”である。「青春一座」('41)「ガール・クレージー」('43)といった青春喜劇は若いミッキー&ジュディがはつらつと歌い踊るとても楽しいミュージカルで、当初は予算もあんまりなかったものが、ヒットしたので、次々に製作され徐々にセットが豪華になるところなんかも「ハイスクール・ミュージカル」シリーズに似てると思うのだ。

ま、一番似てるのはやっぱ「グリース」だね。出会い方はまんまだし。あっちは不良で、こっちは優等生のミュージカルといえまいか。

我が家の(娘の?)DVDは2枚組で、リハーサル風景やインタビューなど、ファンには嬉しい特典満載のもの。

次回は「ハイスクール・ミュージカル2」について書いてみようと思ってる。
まだまだ予習が必要ですから(笑)

High School Musical (2006) Two-Disc Remix Edition

Dolby Digital
Aspect Ratio 1.33: 1
96mins
Region 3

「ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/high-school-m-2.html
「ハイスクール・ミュージカル2」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/2-dvd-high-scho.html


ハイスクール・ミュージカル [DVD]ハイスクール・ミュージカル [DVD]
ドン・シェイン

ハイスクール・ミュージカル2 プレミアム・エディション [DVD] ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー [DVD] ハイスクール・ミュージカル サウンドトラック スペシャル・エディション(DVD付) ハイスクール・ミュージカル・グレイテスト・ヒッツ・スペシャル・エディション(DVD付) ハイスクール・ミュージカル2(DVD付)

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2008-10-20

ナタリー・コール/スティル・アンフォーゲッタブル CD Natalie Cole / Still Unforgettable

ナタリー・コールのニュー・アルバム「スティル・アンフォーゲッタブル」"Still Unforgettable"である。

Hong Kong RecordsでこのCDを見つけた時は「まだ(Still) 親父の遺産で食ってんのか!」と思ってしまった。が、結局CD買って帰ったので彼女の勝ちである。なんだかんだいってもナット・キング・コールのファンであるぼくは、娘のナタリーも好きなのだ。「天才・藤山寛美が好きやったから、娘の藤山直美も贔屓(ひいき)にしたろ」的な気持ちなのである。

さて、この新譜「スティル・アンフォーゲッタブル」である。かの名盤「アンフォーゲッタブル」('91)から17年。またまたお父さんとのデュエット "Walkin' My Baby Back Home"で幕を開け、グレート・アメリカン・ソングブックの数々をナタリーが歌い上げる。

悪口を書いてはいるが、ビッグ・バンドの演奏で、ナタリーの声でスタンダードの名曲の数々を聞かされると「ごめん、おれが悪かった」と言いたくなる。やっぱりイイのだ。天性の素質に、年を重ねた(そしてそれは決して平坦なものではなかったので)深みも加わり、味わい深いアルバムになっているといえる。

Odoru2010082 彼女をはじめて知ったのは、ぼくがまだ10代の頃、「ミスター・メロディ」というディスコ風のヒット曲であった。この曲が入ったアルバム「ナタリー」('76)は好きでよく聞いていた。若さあふれるパンチの効いた歌声がとってもよかったからだ。

その後、名前をあまり聞かないなと思っていたら、1991年に出したグラミー賞受賞アルバム「アンフォーゲタッブル」"Unforgettable... with Love"で彼女は頂点に上りつめる。

レコード会社との確執から移籍した会社で、彼女は「伝家の宝刀」を抜いた。それは父親であり、<偉大な>歌手ナット・キング・コールのカバー・アルバムである。亡き父親とのデジタルな共演は、アメリカのみならず世界中で大いに歓迎された。

ぼくが初めて彼女のライブを見たのは、1994年 福岡ドームで、フランク・シナトラの「前座」で歌った時である。このときは御大シナトラと一緒だったのもあり、フル・バンドをバックに張り切って歌っていた。
その後90年代後半(だったと思う)ブルーノート東京でも見た。その時は「アンフォーゲッタブル」ももちろん歌ったのだが、全く単調なライブで盛り上がりに欠け、終演後周りの知らない人同士で「なんなんだよ!全く、わがままなお嬢さんだよ!」と憤慨して帰ったのを思い出す。

80年代、彼女は麻薬中毒だったと聞いた。芸能人の娘で、成功もしたのに、何かから逃げたかったのかも知れない。(なぜかみんな若くして麻薬におぼれるよな、黒人のアーティストは… ホイットニー・ヒューストンはどこへいったんだー!)
それがために、彼女は現在C型肝炎で苦しんでいる(注射器で移ったらしい)ようだ。

早く元気になってまた素晴らしいライブを見せてほしいと願っている。
ぼくにとっても、ナタリーは、なんだかんだいっても"スティル・アンフォゲータッブル"だからな。

Still Unforgettable / Natalie Cole

※ ぼくが買った香港盤はボーナス・トラック 5曲入り。曲名はこちら。
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2008-10-19

「アイアンマン」 Blu-ray IRON MAN Ultimate 2-Disc Editoin

映画「アイロンマン」もとい、「アイアンマン」"IRON MAN"のBlu-ray(北米盤)が出たので買って来た。買った理由は、劇場で観て気に入ったというのもあるが、とあるSNSで、この映画はエンドロールが終わった後にもう一場面あるということを知らされ、それが観てみたかったこともある。

香港では映画のエンドロールが始まると一斉に客が帰る。最後まで観てる人など皆無だ。中には、エピローグみたいなところでもう帰る客もいる。だからぼくは観そびれてしまったのであった。

その「一場面」だが、(ネタバレすまん)トニー・スタークが家に帰ると誰か人がいる。アイパッチをしたサミュエル・L・ジャクソンだ。ぼくはMarvel Comicsは詳しくないのだが、これは後に"アヴェンジャーズ"に繋がって行くのだろう。
この辺は、「インクレディブル・ハルク」のラストに、ロバート・ダウニー・JRが登場したのに似ている。こうやって繋いでいくMarvelは商売上手だね。

Odoru2110082 このBlu-rayは、約1時間50分のメイキング"I AM IRON MAN"をはじめ、予告編、SFXの製作過程、ロバート・ダウニー・JRのスクリーンテストの映像などが入ってる2枚組。Disc-1には"BD-LIVE"というのががついてて、これは、ネットに繋ぐとボーナス・フィーチャーが楽しめるというもので、ここでは「アイアンマン」トリビア・クイズみたいなのがついていた。ぼくは、Blu-rayはPS3で観ているのだが、Discを入れると「ダウンロードしますか?」と聞いてきて、ハイと押すとしばらくロードに時間がかかる。ちょっとかったるいな(笑)

こーゆーロボットものを観ているとやっぱ自分の中の「男の子」が出てくる。子供の頃、古くは「鉄人28号」や「ジャイアント・ロボ」なんかを見てたから、形は違えどロボットというと男はそれだけで血が騒ぐところがあるんだろう。機械が好きだかんね、基本的に男の子は。

「アイアンマン」も「ダークナイト」も日本ではヒットしなかったようで、関係者を落胆させているという記事を読んだ。両作共に映画の出来は凄くよかっただけに残念である。

http://mainichi.jp/enta/mantan/news/20081016mog00m200033000c.html

聞くところによると、今の日本の若者は字幕を読むこともめんどくさいらしく、洋画も吹替え版で観る人も多いと聞く。

ぼくは、洋画不振も時代のあるべき姿で、歴史の必然だと考えている。
戦後60数年経ち、日本も「大和民族」に戻ろうとしているのであろう。日本にアメリカ文化を根付かせようとしたが、結局日本人は日本人の志向を変えなかったということではないだろうか。
マクドナルドもいいけれど、(年をとると特に)コンビニでお茶とおにぎりの方がいい。そういうことなんじゃないかな?と思う。

とまれ、「アイアンマン」はアフガンとの戦争の最中に製作されたということが意味があると思う。これも<今観ておく映画>の一本ではなかろうか。

【関連】「アイアンマン」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/iron_man_7f68.html

IRON MAN (2008) ULTIMATE 2-DISC EDITION

Dolby Digital TrueHD
Aspect Ratio 2.35: 1
126mins

アイアンマン (2枚組) [Blu-ray]
アイアンマン (2枚組) [Blu-ray]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2009-03-18
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2008-10-17

「ヴィッキー クリスティーナ バルセロナ」(原題) Vicky Cristina Barcelona ウディ・アレン

Odoru1710082 ウディ・アレンの新作映画「ヴィッキー クリスティーナ バルセロナ」"Vicky Cristina Barcelona"へ行く。香港では2008年10月9日から公開になった。前作「カサンドラズ・ドリーム」(原題)"Cassandra's Dream"も当地で本年3月に観たばかりなので、1年で2作もウディ・アレンの新作が観れるというのは随分幸せなことだと感じている。

ぼくはウディ・アレンのファンなので、客観的ではないかもしれないが、この映画は過去10年くらいのウディ・アレン映画のベストではないかと思う。
巷では「マッチ・ポイント」の評価も高いが、「ウディ・アレンの重罪と軽罪」にも似た無神論者のアレンらしい幕切れに、おいてけぼりにされた観客も多かったのではないだろうか。ぼくは個人的には本作の方が「買い」だな。

(以下、ちとネタバレあり)

親友同士のヴィッキー(レベッカ・ホール)とクリスティーナ(スカーレット・ヨハンセン)はバルセロナのヴィッキーの親戚の家で一夏を過ごすためにやってきた。ヴィッキーは恋愛に関しては保守的で、ニューヨークで働く婚約者がいる。一方のクリスティーナは恋愛に関しては解放的で、現在彼氏はいない。ある日、個展で見かけた絵描きのアントニオ(ハビエル・バルデム)にレストランで声をかけられ、2人を週末自分の故郷へ招待したいといわれる。おいしい料理とワインを飲んで、夜は3人で「寝よう」と持ちかけられる。そんな言い方に腹を立てるヴィッキーだったが、クリスティーナはその誘いを受けてしまう…。

クリスティーナとアントニオが恋人同士になり、そこに割り込んでくるのがアントニオの元妻でエキセントリックな芸術家のマリア(ペネロペ・クルス)である。3名の「芸術家」同士の関係。ヴィッキーとアントニオの「理性」と「野生」のせめぎあい。その4人が織り成す恋模様は時にコミカルで、時に官能的である。

バルセロナを舞台にしてくれたらという条件で、プライベート・ファンドから200万ユーロを受け製作されたという本作。現在のヨーロッパの税制上のメリットから映画へ投資する会社や個人も多いと聞くが、ハリウッド映画大作への投資よりアレンのような「作家」への投資は大歓迎だなと思う。

アレンにとっても、今回は舞台をバルセロナにしたことで、ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルスといったラテン系のセクシーな俳優を使い、今までとは違った、エキゾチックなテイストのものを作る事ができて成功していると思う。

Odoru1710083 バルセロナの美しい町並み、豊かな自然。アントニオが暮らすアトリエのある家なんて、ニューヨークでもイギリスでもない、スペインならではなのである。芸術家同士がパブで会って酒を飲むシーンなんて、ウディ・アレンの映画では再々出てくるが、それはスペインだから趣がまた違うのである。なんていうのだろう、「空気」が違うというのかな?
ヴィッキーが、スパニッシュ・ギターの音色にイチコロになるなんてシチュエーションもスペインのなせる業なのだ。

「ノー・カントリー」で見せた怖い演技とは打って変わり、セクシーな絵描きを演じるハビエル・バルデムは強い印象を残す。ヴィッキーの婚約者(クリス・メッシーナ)がニューヨーク、ウォール街のインテリで、男としてか弱い印象を与えるのに対して、そのたたずまいや口説き方は「オス」そのものである。芸術家肌の人間はややもすると「感情」で行動してしまうことが往々にしてあるが、バルデムは、そのセクシーな容姿に動物としてストレートな感情で女性に接するので、理性で行動しようとするヴィッキーも押し切られてしまう。逆にそのだらしなさと「やさしさ」があるが故に、自殺未遂をした元妻を、(クリスティーナと暮らしているにも関わらず)また受け入れてしまう「弱さ」も併せ持つ。この辺も、アングロサクソンと違いラテン系ゆえ無理がない。

ハビエル・バルデムとペネロペ・クルスがスペイン語で喧嘩をし、バルデムが「英語で話せ!」と何度もいうところは見応えのする演技合戦である。
ヨハンセンは相変わらずセクシーで、ペネロペとのキスシーンまである。理知的なレベッカ・ホールも美しくて、ぼくはコッチのほうが好みだな、なんて(笑)

会話も面白いし、展開もいい。ラスト「人生こんなもん」と思わされる、いつもながらの「アレン節」(笑)だが、これは<成熟した>大人の鑑賞に耐えうる一品であると思う。

日本では、前作「カサンドラズ・ドリーム」もまだ公開にいたっていない。早く公開してくれーッ!って感じである。

Vicky Cristina Barcelona (2008)

96mins

【関連】「カサンドラズ・ドリーム」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/cassandras_drea_4bec.html

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2008-10-15

「ワールド・オブ・ライズ」 Body of Lies

Odoru1610082 リドリー・スコット監督の新作映画「ワールド・オブ・ライズ」"Body of Lies"へ行く。主演はレオナルド・ディカプリオとラッセル・クロウ。香港では2008年10月9日から公開されている。

冒頭、英国マンチェスターに潜伏中のアラブ人テロリストのアジトへ警官隊が突入する。が、その瞬間にアパートもろとも大爆発が起きる。英国でも、昨年のサミット期間中にロンドンでテロがあったので、生々しい映像だ。この映画は、今現在進行中のアラブ・テロリストを追うCIAの工作員の姿を描くポリ ティカル・スリラーである。

CIAの工作員ロジャー・フェリス(ディカプリオ)はイラクのサマワ地区でテロリストを追っていた。彼は常にワシントンのCIA本部のベテラン上司エド・ホフマン(クロウ)と携帯電話で連絡をとりながら行動している。ヨルダンを拠点に大規模テロを計画する首謀者の手がかりをつかみ、フェリスはヨルダン諜報部(GID)のトップ、ハニ(マーク・ストロング)の協力を得ることにする。が、彼らはテロリストと繋がっているかも知れない。フェリスは彼らを信用していいのか?CIAも一体どこまで信頼できるのか?不安をかかえながら命がけの捜査を続けていくフェリスだが…。

いやぁ、これはとてもスリリングな映画だった。ハイスピードでテンションが高いまんま最後まで突っ走る感じ。アメリカ、イラク、イギリス、ヨルダン、シリア、オランダ、トルコ等、世界のあらゆるところで起こる事件が、あたかもパズルのように繋がっていく様は観ていて凄く小気味いい。

アメリカの論評では、演出と演技のよさは認めるが、ストーリーと結末がありきたりだ(ハリウッド的だ)というものが多いようだが、CIAが中近東でテロリストを追っかけているという映画が初めてのぼくには興味深く、面白く観れたよ。

ディカプリオ扮する工作員を常に衛星のカメラが監視し、それをワシントン(ラングリー)のCIA基地で、映画館ほどの巨大なスクリーンで皆が見ている様は度肝を抜かれたな。大型のGoogle Mapみたいなものだが、ディカプリオの携帯の声もそのまま会議室で聞こえるのだ。砂漠の真ん中へ行ったときも常に監視し、危なくなったらすぐさま軍のヘリが助けに来る。こんなカメラがCIAに本当にあるのか知らないが(多分あるんだろうね)凄いハイテクである。

Odoru1610083_2 主演のディカプリオは「ディパーテッド」に続き、敵か味方かわからないところに入るという役どころだが、また今回も熱演である。携帯電話で話すとこなんか、まんま「ディパーテッド」だし(笑)。じつは拷問を受けるシーンがあるんだが、ここは痛い痛い。彼は「痛えーッ!」って役をやらせたら今世界一うまいと思う。オスカーあげたいくらいだ(笑)

ラッセル・クロウはリドリー・スコットのお気に入りのようだが、今回はぶくぶく太り、眼鏡をかけ、髪は短く刈り、いつものような男の色気は微塵もない。常にイヤホンをして中近東のディカプリオと話をしている。子供の学校への見送りや、サッカー大会の時も電話で話しており、その内容がまた危ない話なので、お父さんである場面とのギャップがある意味怖いなと思った。

こういう映画を観ていると、ジハード(聖戦)と思い戦っているアラブの人々と、キリスト教の倫理で考え戦ってる人々が戦争しているのだから、"負の連鎖"はなかなか終わらないな、と思わされる。

考えてみたら、リドリー・スコット監督の前作「アメリカン・ギャングスター」は、2007年11月2日全米公開で、本作は、2008年10月10日公開である。一年も経たないで新作を公開し、それがまたハイスパートな映画とは!! 70歳のリドリー・スコット「恐るべし」、である。

Body of Lies (2008)

128mins

(日本ではワーナー・ブラザーズ配給で、12月20日から公開予定。)

2008-10-14

「ヤング・フランケンシュタイン」 Blu-ray Young Frankenstein

メル・ブルックスの傑作コメディ映画「ヤング・フランケンシュタイン」がBlu-rayになったので買ってきた。最近、映画「ゲット スマート」を観てから、TV版「それ行けスマート」も観てクリエーターであるメル・ブルックスの才能を再認識していたので、この「ヤング・フランケンシュタイン」のブルーレイを見つけた時はすぐ手が出てしまった。

映像特典でメル・ブルックス自身が「これは私のベスト・ムービーだ」というように、今観ても決して色あせない(←白黒だが・笑)名作コメディである。

Odoru1510082jpg フランケンシュタイン博士のひ孫にあたる医大講師(ジーン・ワイルダー)が、曽祖父のお城を相続するためにトランスヴァ二アへ行く。彼は曽祖父の研究室で死体を蘇らせる実験をしたときの記録を発見する。その記録を基に実験を成功させるが、盗んできた脳みそが予定していた"天才科学者"のものではなく、"アブノーマル"なものだったからさぁ大変。逃げ出したモンスターをめぐって村は大騒動になる…。

いわずとしれたボリス・カーロフ主演「フランケンシュタイン」と「フランケンシュタインの花嫁」がベースになっているパロディだ。本来ユニバーサルで製作されるべき(?)だったと思うが、20世紀フォックス作品となっている。

モノクロの画面。甘悲しいバイオリンの旋律。タイトルバックから、昔のホラー映画を彷彿とさせる。全編をつらぬくムゥドは完全にクラシック・ムービーといって良い。その一流と呼べる舞台装置の中で、「おふざけ」をやるものだから余計に可笑しく感じるのである。

メル・ブルックス作品の中で、この映画が成功した一つの理由は、ストーリーラインがはっきりしていることだろう。
メル・ブルックスの他の映画、例えば「ブレージング・サドル」「サイレント・ムービー」「新・サイコ」などは、それぞれ西部劇、無声映画、ヒッチコックの映画と範囲が広くて散漫になった感じがする。それにメル・ブルックスお得意の、「どこへ行くかわかんない」という脱線ぶりもあるしね(笑)。その点、この「ヤング・フランケンシュタイン」は誰でも知っている「フランケンシュタイン」のパロディなので物語自体は有名でそれに派生した笑いに持っていける。
それに、元々ジーン・ワイルダーの構想にメル・ブルックスが乗った形で製作されていったので、悪ノリもほどほどで抑えたところが功を奏したのであろう。

キャストもとても良く、主役のフランケンシュタイン博士にジーン・ワイルダー、モンスターにピーター・ボイル、給仕のアイゴー役にマーティ・フェルドマン、助手のインガにテリー・ガー、召使にクロリス・リーチマン、そしてメル・ブルックス映画のミューズ、マデリーン・カーン。モンスターを迎え入れる村の家の主人をジーン・ハックマンが演じているのだが、盲目の役で笑わせる。
このうちテリー・ガーはコメディエンヌとしてこんなによかったのか、と再発見である。ドイツ語訛りもいいし。「未知との遭遇」や「ワン・フロム・ザ・ハート」などより絶対いい。ピーター・ボイルはこの後「タクシー・ドライバー」でのトラビスの仕事仲間もよかったし、ぼく的に名作!である「カリブの嵐」にも出てたしね。つまりここから売れていった俳優も多いのだ。

Odoru1510083_3 このうち、惜しいなと思うのは、アイゴー役のマーティ・フェルドマンだ。英国出身のコメディアンである彼は、ハリウッドでもっと活躍してほしかったが、1982年49歳の若さで亡くなってしまった。ぼくがこの「ヤング・フランケンシュタイン」を観たいと思ったのは、映画雑誌で彼の顔を見たからに他ならない。大きな目、そしてそれがあっちこっち向いてる。まるでカメレオンのような目だったのだ。コメディ顔というのはこういうのを云うのではないかと思うほどインパクトが強かった。そして、映画の中のフェルドマンもとても可笑しかった。このBlu-rayの特典でもメキシコTVのインタビューでの彼はコメディアンとしての面白さを発揮している。

初めてこの映画を観たのは、1975年、ぼくが高校の頃、地元の田舎の映画館だった。はっきり覚えているのは、お客さんはぼくも含めてたった3人…。当時田舎ではこんなアメリカのコメディは受けなかったのだ。ぼく以外だれも笑わず、最後までシーンとお通夜へでも来たような気持ちになった記憶がある。コメディなのに…。

日本の田舎で、アービング・バーリンの"Puttin' on the Ritz"の歌と踊りのパロディの面白さがわかろうはずもなく、今思えば最悪のメル・ブルックス"初"体験だったなと思う(日本では「ブレージング・サドル」の方が公開が遅かったから)。東京や大阪など大都会で観たら笑う人も多かったんだろうなと思ったものだ。

でもまぁ今、ブルーレイでキレイな画質、音質(ロスレス・オーディオ)、画面下に解説が出る Picture-in-Picture でこの映画を自分が好きなときに、好きな人と楽しめるのだから、それでいいじゃないかと思うのだ。長生きはするもんだ(笑)

日本盤は11月28日発売予定。<あの>広川太一郎の吹替をつけて欲しかったが残念ながら無いようだ。とっても残念。なんていっちゃたりなんかしちゃったりなんかして!

Young Frankenstein (1974)

5.1 DTS HA MA Losless Audio
1080p High Definition
Aspect Ratio 1.85: 1
106mins

2008-10-11

「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」 Blu-ray "Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull"

というわけで待ちに待った映画「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」 "Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull"のBlu-rayが発売された。このブルーレイは北米盤で、2008年10月14日発売のもの。(日本では、日本語吹替がついて11月7日に発売になる。内容は同じものである)

Odoru1110082 ぼくは、本編は3度劇場で楽しんだ。今回、素晴らしいハイデフ画像と音響(THX)でこの傑作娯楽映画が所有できるのはとても嬉しい。何度観ても面白いや!
すでに映画本編のことはこのブログでも散々書いたので、まずはこのBlu-rayの映像特典の話から。

さすがに超大作だけあって、映像特典てんこ盛りで、本編の他にメイキングなど3時間以上のものが収録されている。
このうち面白かったのは、「帰ってきた伝説」"The Return of a Legend Featurette"で、脚本の構想を練っている時にルーカスが「エイリアンものをやりたい」と言ったら「俺はもう『未知との遭遇』と『E.T』と2本もエイリアンものを撮ったのでヤダ」とスピルバーグが断ったというやりとりが面白い。ルーカスは、前3作は時代設定が1930年代なので、冒険活劇にして、今回は時代が50年代なので当時たくさん製作されていたB級SF映画のテイストを入れたかったのだ。
このブログでも「世紀の謎・空飛ぶ円盤地球を襲撃す」('57)や「黒い絨氈」('54)の時に触れたがルーカスもスピルバーグも、やはり50年代映画のテイストを意識して本作を作ったというので合点がいった。

他には、Blu-rayだけに収録されている「インディ・ジョーンズ タイムライン」"Indiana Jones Timelines"というインタラクティヴが面白い。これは、本作の中で出てくる様々な人や事象に解説をつけているもので、例えば劇中インディが「私はアイクが好きだ」"I like Ike"と云うが、アイクとは当時のアイゼンハワー大統領の愛称であるという解説が書いてあり、その横のプレイボタンを押すと当時の共和党の作った"I like Ike"のTVキャンペーンCMが見れるというものだ。

思えば、この「インディ・シリーズ」は考古学者を主人公にしているだけに、歴史に忠実なところがあり、TV版「インディ・ジョーンズ 若き日の大冒険」"The Adventure of Young Indiana Jones" を見ても、毎回歴史的に重要な人物や事件に、若きインディが遭遇するという作り方で、黙って見てるだけで楽しみながら歴史の勉強になる。例えば、考古学者のジョーンズ一家が居をかまえたエジプトでインディは"アラビアのロレンス"に会う、とかの話なのである。
Odoru1101083_2 2007年から2008年にかけてアメリカでDVD化されたが、ここでも毎回歴史解説の特典映像がついており、大人のぼくが見ても面白くて勉強になるのだ。これなど、NHK・BS辺りで吹替にして、少年・少女向けに夏休みとかに全話連続放送すればいいのにとぼくは思っている(昔テレビ朝日でやってはいたのだけど…)。

話を戻そう。この「クリスタル・スカルの王国」もそうだが、最近は撮影中にDVD化された時のためにスタッフ・キャストにインタビューをすることが多いようで、この特典映像でも「メイキング」だけでも1時間半ほどのものが収録されている。
前3作と異なり、ミニチュアなど使わずほぼ100%CGを使って画面を作ったことや、インディの衣装だけでも何十着もあったりするなど舞台裏の話がいっぱいだ。

この中で「プレビズ」"Pre-Visualization"の映像が見れるのが興味深い。これは、昔でいう「絵コンテ」なのだが、今ではまるでゲームのようなCG映像で立体的に監督がイメージをスタッフに見せる時に使うものなのだ。これを作る為にコンピュータの前で監督と技師が話し合ってるのを見て「時代は変わったなぁ」とおじさんは思ったのである。
(その昔、山田洋次監督が話し、それをワープロで起こし「男はつらいよ」の脚本を作っているのをTVで見たときと同じ感じだった。「寅さんは手書きじゃなきゃ」となぜか勝手に考えていたから・笑)
近い将来、脚本もなくなり、企画の売り込みから何から全部こういうものをDVDか何かにして行う時代が来るんじゃないかな、と思ったものだからね。

その他、「ギャラリー」でも映画のスティルやデザイン画が多数収録されてて、インディ・マニアには嬉しい限りである。

監督のスピルバーグは「この映画は、過去3作のファンのためだけでなく、インディのことを知らない人々にも紹介するのが自分たちの仕事だ」と言っている。だから、ぼくも 3回目の鑑賞の時は11歳の娘を連れて香港の劇場へ行った。

19年前、亡くなった妻と「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」をハネムーンの時にロスアンジェルスのチャイニーズ・シアターで一緒に観たのを思い出す。
「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」は家族再生の物語である。そういった意味でもぼく個人には感慨深い映画なのである。

Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull (2008) Blu-ray

Dolby 5.1 True HD
1080p High Definition
Aspect Ratio 2.35 : 1
122mins

【関連】
「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/indiana_jones_a_b93d.html

「インディ・ジョーンズ・トリロジー」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/dvd_the_trilogy_4810.html
「ロスト・ジャーナル・オブ・インディ・ジョーンズ」(インディの失われた日記)
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/the_lost_journa_86c6.html

2008-10-10

「それ行けスマート/0086笑いの番号」 DVD The Nude Bomb

いよいよ日本でも映画「ゲット スマート」が公開となるが(2008年10月11日より)、アメリカ本国では公開に合わせてオリジナルTVシリーズの映画化「0086笑いの番号」 "The Nude Bomb" が"初"DVD化された(2008年6月17日)ので紹介しよう。

0086とは、言わずとしれたマックスウェル・スマート(ドン・アダムス)の暗号名。彼は米国秘密諜報機関「コントロール」で働くエージェントである。ある日、彼の前に悪の組織「カオス」が再び現れる。「カオス」の目的は、一瞬で着ている服を消滅させる”ヌード爆弾”を世界中で爆発させて世界を混乱に陥れようというもの。スマートは美人のエージェント22(アンドレア・ハワード)と共に「カオス」の本拠地へ向かう…

冒頭いきなりスカイ・ダイビングのシーンがあったり、捜査のためにオーストリアへ行きスキーを滑ったり(←セットだが・笑)、ラスト、ミサイル基地での格闘など、007などスパイ映画のパロディとしてプロットはちゃんとしており、ユニバーサル映画だけあって、実際のユニバーサル・スタジオでスマートがジョーズに襲われたりのドタバタもある。

だがまぁ、はっきり云って、しょーもない映画である(←ホメてるのだ・笑)。残念ながらオリジナルのTVシリーズの面白さには遠く及ばない。主役のスマートはオリジナルのドン・アダムスだが、それ以外は全然違ってて一番の問題は、キュートな相棒99も出てこないところだ。それに、コントロールの基地の入口である電話ボックスも出てこないし…。新型の電話はホッチキスだったり、書斎のデスクが乗用車に変わり街を走ったりとスパイグッズに面白いところもあるのだが、全体的にはちょっとね、というものであった。

Odoru1010083 オーストリアへ行き出会う美人エージェント34を、あの!シルビア・クリステルが演じている。原題は「ヌード爆弾」"The Nude Bomb"で、”エマニエル夫人”とくれば期待するなというほうが無理というものだが、じつはそーゆーエッチなシーンはちーーっともないのだ。
劇中、ヌード爆弾が爆発するシーンもあるのだが、ロンドンの守衛だったり、アメフトのフィールドだったりと男たちのいる所ばっかりなんである。ま、そういう意味での見所が少ないのが難なのであるよ(笑)

ぼくは最近60年代のTVシリーズを見たばかりだったので、本作の主役ドン・アダムスは老けたな、と思ったが、この映画が製作された1980年頃流行ってた(?)パンタロンで頑張ってる(音楽はラロ・シフリンで、テイストも80年代風) 。"Would you believe...?"とか"Sorry about that, Chief" などの決め台詞も出てきてオリジナルを知ってると笑えるところもある。

製作費はあんまかかってなくって、前述のオーストリアのシーンもセットで、そこで雪崩のシーンがあるのだが、この場面もどっかで見た事あるな?と思ったら「略奪された七人の花嫁」の雪崩のシーンを拝借していたのだ!

エージェント13(ジョーイ・フォーマン)は神出鬼没でどこにでも現れる。このことを知っていると今回のスティーヴ・カレル版「ゲット スマート」も楽しめる。

ホント、映画「ゲット スマート」は超面白い映画だ。ぼくは、本編を観てから過去のオリジナルを見直したが、それでギャグがわかったことも多く、予習の大切さを知ったのだ(大人になってもまだこんなこと言ってるよ・笑)

原題の"GET SMART"とは、主役の名前スマートにかけているのだが、「うまくやれ」とか「かしこくやれ」という意味である。過去アメリカのエリート金融マンたちは"スマート"にやってきたつもりが、今回サブプライム・ローン問題、リーマン・ブラザーズの破綻を機に、世界の経済にクラッシュを起こさせてしまった。"NOT SMART"やったね。
こういう”歴史的な”暴落で暗くなった今、映画「ゲット スマート」でも観て大笑いするしかないだろう、と思う今日この頃である。

【関連】
「ゲット スマート」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/get_smart_57db.html
「それ行けスマート」 Season 1
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/dvd-get-smart--.html

The Nude Bomb (1980)

Dolby Digital
Aspect Ratio 1.85: 1
104mins
Region 1

2008-10-08

「ハーパー探偵シリーズ/新・動く標的」 The Drawning Pool (TCM) ポール・ニューマン

ポール・ニューマン追悼として、2008年10月6日(月)香港のTCM (ターナー・クラシック・ムービーズ Turner Classic Movies)は 4本の映画を放映した。"Remember Paul Newman"と題して。
放映されたのは「ハーパー探偵シリーズ/新・動く標的」('75)「熱いトタン屋根の上の猫」('58)「傷だらけの栄光」('56)「渇いた太陽」('62)である。朝 9時30分から、夕方 5時30分までやっていた。できることなら会社を休んで一日中眺めていたかったが、子供のために稼がねばならず、夜もその日は接待だったので、録画しておいて後で鑑賞した。

Odoru0810083 このうち、放映してくれて嬉しかったのは、「ハーパー探偵シリーズ/新・動く標的」"The Drawning Pool"である。なぜなら今回の 4本のうち、これだけが未だ日本ではDVDになっていないからだ。ノートリミングでの放送も嬉しかった。

ポール・ニューマンが探偵ルー・ハーパーを演じた2作目。前作「動く標的 」('65)"Harper / The Moving Target"から9年。ハーパーはある女性から探偵の依頼を受けるが、この女性とは数年前に「ワケアリ」の関係になった人妻だった。彼女は石油王の跡継ぎ。脅しの手紙を受け取り苦悩していた。やがて彼女の義母が遺体で発見され、ハーパーも捜査をするが、彼の身にも数々の危険が降りかかってくる…

高校生の時はじめてこの作品を映画館で観てから、32年振りの再見である。高校生の時は「大味なあんまり面白くもない映画」という印象しかなかったが、今回観てみて、これはニューマンが"旬"な時の映画だったんだと思いなおした。「動く標的」の時のニューマンはただただかっこよかったが、本作では"渋み"が増して、大人の男としてたいそう魅力的なのだ。「タワーリング・インフェルノ」の次の作品である。俳優として、年齢的にも、男としても一番自信を持ってる時だろう。そんなニューマンがここにいた。

競演は、依頼を受ける人妻役に実際の伴侶であるジョアン・ウッドワード、その娘役に若かりしメラニー・グリフィス。そのグリフィスは、赤ちゃんのような話し方(ベビー・トーク)でなまめかしい。ジョアン・ウッドワードとニューマンの芝居は、サスガ夫婦だけあって息があってる。今回、TCMが追悼でこの映画を最初に放送したのは、この夫婦競演作という理由もあったのだろうと想像した。

Odoru0810082 監督は、「暴力脱獄」のスチュアート・ローゼンバーグ。撮影はゴードン・ウィルス。脚本にはウォルター・ヒルも参加している。一流どころが揃っているのに、作品はちょっと残念な出来だが、これはやっぱニューマンを眺めてる映画だったのでそれはそれでいいんじゃないか。
劇中音楽で、"Killing Me Softly With His Song" がメロディだけ何度もリフレインするのだが、ぼくはその都度、70年代「日曜洋画劇場」のネスカフェのCMが頭をよぎってしまった(笑)

原作は「魔のプール」という題名で、そのためにラストのクライマックスは、監禁された部屋を水でプールのようにしてしまうのだが、ここは結構面白く、ニューマンもパンツ一丁で頑張るのだ。「魔のプール」というより「プールの間」だな(←すまん)

今回、追悼という気持ちで観たからかも知れないが、この映画のニューマンは本当に渋くてかっこよかった。北米発売のニューマン・ボックスDVD(「動く標的」シリーズ収録)を出したら今なら売れるんじゃないかな?と思った。

今週の「TIME」誌(10月13日号)では、"An American Icon"と題して、サンダンス・キッドことロバート・レッドフォードが追悼文を寄せていた。友人ならではの素敵な文章だった。

Paul Newman 1925 - 2008

The Drawning Pool (1975)

110mins

The Drowning Pool The Drowning Pool
Paul Newman

Harper Absence of Malice Hud The Long, Hot Summer The Sting

by G-Tools

2008-10-06

「レッド・サン」 (午後のロードショー + DVD) Soleil Rouge/Red Sun

映画レッド・サン"RED SUN"がTV東京の「午後のロードショー」(2008年10月2日 Thu)で放送された。ロケフリで録画してたので、週末ゆっくり楽しんだ。

今回の放送は、吹替版を持っていないぼくにはとってはありがたいものだった。この吹替ヴァージョンはチャールズ・ブロンソンは大塚周夫アラン・ドロンは野沢那智という「ほんもの」がアテており、しかも三船敏郎は大塚明夫(つまり親子共演)という貴重なものなのだ!
特筆すべきは、三船敏郎の大塚明夫である。最初三船さんが自身で吹替えてるのかと思ったほど違和感がないのである。

日本の侍が西部へ行く!なんて驚くような発想の映画。出演者は、ブロンソン、ドロン、そして「世界のミフネ」。監督は「007」のテレンス・ヤング!公開当時話題になり、ヒットもした。まだ小学生だったぼくもこれは面白そうだ、と思ったものだが、映画館へは連れて行ってもらえず、結局初めて観たのはTBS系「月曜ロードショー」だった。

Odoru0510082 日本から米国大統領への貢ぎ物である名刀を携えた大使たちが乗った列車が、強盗により襲撃される。リンク(ブロンソン)とゴーシュ(ドロン)は現金と名刀を手にするが、ゴーシュはリンクを残し、現金と名刀を持ち逃げする。リンクを捕らえた侍・黒田(三船)は、ゴーシュを捜すためリンクと西部を旅するのだった…。

鳴りもの入りで公開されたが、映画自体は意外に大味で、製作費もかかってなく、ラストシーンももう一つしょぼいという印象が初めて観たときにあった。今回、何度目かの鑑賞だったが、見慣れたのもあるかも知れないが楽しんで観れたな。

本作は、フランス/イタリア/スペイン合作のマカロニ・ウェスタンだ。だから、こんな荒唐無稽な企画も通ったのだろう。こういう「スター・ムービー」は今ではトンと作られなくなった。ドロンもブロンソンもかっこいい。ミフネさんも頑張ってる。映画の内容よりもそういう楽しみ方は充分出来る映画なのである。うーん、マンダム

今回気がついたのは、タイトル・ロールは三船敏郎の前にウルスラ・アンドレスが来るのだな。凄いな、ウルスラ。テレンス・ヤングとデキてたのか?名前もそうだが、この女優さん"ダイナマイト"である。さすが、初代ボンド・ガールだけある。この映画ではバストも見せるサービス・ショットもある。

監督のテレンス・ヤングといえば、我々世代には「007/ドクター・ノオ」「ロシアより愛をこめて」「夜の訪問者」などのかっこいい監督という印象があったが、この「レッド・サン」の後同じブロンソンで「バラキ」を撮り、そして遂にはあの「アマゾネス」を撮ってしまう。アメリカ版「プレイボーイ」に出てくるようなデカイ女たちが裸で「アーマゾーネスー!」と叫びながら戦う映画「アマゾネス」。テレンス・ヤングの"裏"ベスト・ワンかも知れぬ。調べたら、日本では<ニュー・テレシネ、ヘア解禁版>のDVDが出てるんだね、欲しくなったよ(笑)。

話を戻そう。ぼくが持っている「レッド・サン」DVDは2005年発売の英国盤である。タイトルバックも言葉も英語。特典も予告編のみのもの。
日本では、上述の吹替もついたDVD「レッド・サン リマスター版」が2004年に出ている。
今回のTV放送では、雪山越えのシーンがばっさり切られている。あのミフネさんが、無防備に水浴びをする(雪山で!)ふんどし姿が拝めるシーンだ。見たい人はDVDでどうぞ!

RED SUN / SOLEIL ROUGE (1971)

Monaural
Aspect Ratio: 4: 3
110mins

2008-10-05

「暴力脱獄」 Blu-ray Cool Hand Luke ポール・ニューマン

先日亡くなった、ポール・ニューマン主演の傑作映画「暴力脱獄」"Cool Hand Luke"である。
この北米盤Blu-rayは2008年9月9日発売のもの。ぼくは香港のHMVでこれを見つけていたのだが、日本で10月8日に発売されるものは吹替がついていると聞き「そっちの方がいいべ」と買わずにいた。が、先日店でこのパッケージを眺めたらあんと日本語吹替もついているではないか!すぐに買い求めたのだった。

中学の頃、TVで観てぼくがポール・ニューマンを好きになるきっかけになった作品。NET(現テレビ朝日)の土曜映画劇場で放送。記憶が正しければ前・後編であった。この映画劇場は90分枠だったので、2回に分けたのだろう。
嬉しいのは、今回の吹替はその時と同じものなのだ。ポール・ニューマンを川合伸旺、ジョージ・ケネディを富田耕生がアテている「ほんもの」である。懐かしい。

冒頭、街のパーキングメーターのヘッド部分を酒を飲みながら切っている男がいる。ルーク(ニューマン)だ。帰還兵の彼は 2年の実刑をくらい、刑務所へ来た。一癖も二癖もある囚人たちの間で、不思議な魅力で次第に人気者となっていくルーク。残忍な看守の言いなりになることを拒み、脱走を何度も試みるルークだったが…。

冷徹な看守のサングラスに映る草刈りをする囚人たち。名カメラマン、コンラッド・L・ホールの見事な絵だ。リストアされたBlu-rayの映像が美しい。

この映画の一番の見せ場は、刑務所内でニューマンがゆで卵50個を1時間以内に食べられるかどうかという賭けをする場面である。初めて観た時もえらく印象に残ったが、今回観ても強烈なインパクトを残す名場面である。観てるだけでお腹いっぱいになるゼ。

久しぶりだったので、吹替版で楽しんだが、ルークの年老いたお母さんが面会に来る場面は、TVではばっさりカットされていたんだな。そのシーンがあるから、後半、母親が死んだと聞かされたルークが一人でバンジョーを弾きながら涙するシーンにグッと来るのにね。

先週の火曜日(2008年9月30日)TBSラジオ「ストリーム」内の「コラムの花道」ポッド・キャストは映画評論家の町山智浩さんが「ポール・ニューマン追悼」でこの映画をとりあげていた。町山さんは、「この『暴力脱獄』に比べれば、『明日に向って撃て』も『スティング』も他の全てもゴミです」と随分乱暴な言い方でこの映画を紹介していた。実存主義の名作と褒め讃え、ニューマンの魅力も語ってくれとても興味深かった。

http://tbs954.cocolog-nifty.com/st/2008/09/930-543b.html

特典映像は、メイキング "A Natural-Born World-Shaker: Making Cool Hand Luke"が面白い。監督のスチュアート・ローゼンバーグ、音楽のラロ・シフリン、出演者のジョージ・ケネディ、ルー・アントニオらが当時の思い出を語る。囚人役の面々はアクターズ・スタジオの精鋭で、撮影中は本当に悪さばかりをして助監督の手を焼かせた。ケネディはニューマンに敵対するこの役でアカデミー助演男優賞を得た。
道路の舗装工事の時に囚人たちが一丸となって仕事を早く終わらせて盛り上がる時の音楽は、後にアメリカのTVニュース番組のタイトルで使われ、アメリカ人にはおかしな印象を与えることになってるらしい。

草刈りをする囚人たちを横目に、車を掃除する若い女(おっぱいがガラスにあたったりしてそそる場面)を演じた女優さん(ジョイ・ハーモン)もインタビューに答えているが、ちょっと引く位おばーちゃんになってて、(悪いが)顔をそむけた自分がいた。なんか見てはいけないものを見たって感じだったのだ(笑)

前述の町山智浩さんによれば、アメリカのTVニュースではニューマン逝去の報道の際、この映画のラスト・シーン「あいつは笑ってたよ…」という場面(ニューマンの笑い顔がフラッシュバックされる)を使っていたのだと。

舞台デヴューの地、ブロードウェイでは昨夜(2008年10月4日)電飾の看板を一斉に消灯して偉大な俳優ポール・ニューマンの死を悼んだという。

Cool Hand Luke (1967)

Dolby Digital 1.0
1080p High Definition
Aspect Ratio 2.4: 1
126mins

B001DJ903K暴力脱獄 [Blu-ray]
ワーナー・ホーム・ビデオ 2008-10-08

by G-Tools

2008-10-03

「スティング」 DVD The Sting (Universal Legacy Series)

昨夜(2008年10月2日)NHK BS でポール・ニューマン追悼として 映画「スティング」"The Sting"が放送された。
香港で、朝日新聞(国際版)のテレビ欄を見て、ぼくもまた「スティング」が観たくなり、棚からDVDを取り出して来たのだった。

ぼくの持っているDVDはアメリカ盤で2005年発売の 2枚組のもの。Disc 1には本編が、Disc 2には特典映像が入っている。2枚に分かれているが、調べてみたら内容は日本盤(1枚もの)と何ら変わりはなかった。

1930年代、恐慌のさなかのシカゴ。すり替えで巻き上げた大金がギャングの親分のものだったため殺されてしまった仲間の仇を討つため、かつての詐欺師仲間が集結し大がかりな芝居を打つという物語。何度観ても面白い、1973年度アカデミー賞7部門受賞の傑作である。

特典映像でも皆が語っているが、脚本(デビッド・S・ワード)は完璧すぎるほどだ。最初は、ギャングの親分ロネガン(ロバート・ショウ)をハメるための仕掛けを楽しんでいられるが、後半は観客もだまされる構成になっていて、それはそれは見事だ。こんなに騙されてもすがすがしい気持ちになる映画はないよな。

Odoru0310082 題名の「スティング」"The Sting" とは「一刺し」という意味以外に「騙す」とか「いっぱい食わせる」みたいな意味があるようで、日本公開時ポスターに「いっちょ カモろうぜ!」と書いてあったことを思い出す。

当初低予算で、若いスタッフ・キャストで企画が進んでいたというこの映画。ロバート・レッドフォードの「完璧な脚本だからプロフェッショナルな演出家に撮って貰う方がいい」という意見で監督のジョージ・ロイ・ヒル、主役のポール・ニューマンへと繋がって行きこの素晴らしい娯楽作品が出来上がった。
もし、そのまま低予算で撮っていたら、今頃<知る人ぞ知る佳作>として残っていたかも知れないが、これだけ多くの人の目に触れることもなかったと思う。あたかも「ロック・ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」みたいに。

今観ると、これは本当に「スター・ムービー」だったな、というのがわかる。ロバート・レッドフォードは、若く、おそらくその美しさのピーク(←男でこんなことを言うのも変だが・笑)の頃だし、ポール・ニューマンは、「男」として一番脂が乗り切っている頃だしね。その二人の競演だから女性にも受けたのはわかるな。
実際、公開当時、妙齢のおねえさんが「(この映画の)ポール・ニューマンの魅力がわからない女なんてまだまだね」と話してるのを聞いて、中学生だったぼくは「そんなものか」と思ったものだ。

他の出演者も演技派のチャールズ・ダーニングや、ビリー・ワイルダー作品にもよく出ていたレイ・ウォルストン、ロバート・アール・ジョーンズ(←ダース・ベイダーの声の主のお父さん)など味のある面々が集結している。美術や衣装他のスタッフも素晴らしく、本当に、プロフェッショナルによるプロフェッショナルな娯楽映画と言っていいと思う。

1974年、映画館でこの映画を観て、ユニバーサルのロゴから古めかしく、あたかもサイレント映画のような編集の仕方、そしてラグタイムの音楽など、そのオールド・ファッションなところがとっても新しくて、中学生のぼくは夢中になった。
部屋には、月刊誌「ロードショー」の付録でついていたオリジナル・ポスターを貼り、サントラ盤LPを買い何度も聴いた。
この「スティング」はぼくの中学時代のベスト・ワン・ムービーだったのだ。

年をとり、大人になり、親になり、娘がピアノを習い始めてある日このサントラを聴かせた。スコット・ジョプリンの「エンターティナー」の音色を幼かった娘も気に入り、楽譜を買ってぼくに弾いてくれた。亡くなった妻が「よかったね」と言ってくれたことを思い出す。

「スティング」は、今でもぼくの心のベスト・ワン・ムービーである。

The Sting (1973)

DTS, Dolby 5.1 Surround
Aspect Ratio 1.85: 1
130mins
Region 1

B0009X766YThe Sting (Universal Legacy Series)
Robert Surtees
Universal Studios 2005-09-06

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スティング (ユニバーサル・ザ・ベスト:リミテッド・バージョン第2弾) 【初回生産限定】 [DVD]
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ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン  2008-12-19
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