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2008年9月

2008-09-30

「20世紀少年」 Twentieth Century Boys

Odoru3009084 2008年9月25日から香港でも公開された東宝映画「20世紀少年」へ行く。浦沢直樹の原作漫画は当地でも発売されているようなので、こんなに早く公開の運びになったのだと思う。日本では8月30日からなので、まだ公開中であろう。

日本のテレビをロケフリで見ていたら、この映画の予告をやっていて、小5の娘が「怖そうだから絶対に見ない!」宣言をしたものだから一人で行ってきた。おすぎが、ボロクソに言ってたのもテレビで見たので「どんなものかな?」とある意味期待(?)したが、観終わって、正直そんなにボロクソに言うこともなかろうに、と思った。

ただ、これが3部作になるのかと思うと少々しんどい。第1部だけでも、ちと長いかな?と感じたものだから…。

「ケーンヂくん、あそびましょ」そうやって友だちに言われて遊んでいた子供時代。万博が開かれるちょっと前の子供たちは、外で遊ぶのが当たり前だった。「秘密基地」と称して、草むらに小屋を作って、仲間だけに教える。その中で「よげんの書」を描いて皆で土に埋めた…。
30年後、2000年を前にして、その「よげんの書」通りに地球が攻撃され始める。新興宗教の教祖「ともだち」は、「秘密基地」のシンボルマークを使って、世の中を揺動していた。その「よげん」を読んだ人間はその基地にいた子供だけ。一体「ともだち」は誰なんだ?草むらの基地に集った子供たちは、大人になり再び集合し地球平和のため行動を起こす…。

原作をぼくは読んでいないので軽々にいえないが、ストーリーはとっても面白いと思う。それに登場人物とぼく自身の年齢がほぼドンピシャなので、子供時代の場面は懐かしくてホント楽しめた。ぼくも子供の頃は、ランニングに半ズボンというかっこうで遊んでたし、山で「秘密基地」も作って「他の奴に言うなよ」と言って数人の仲間と遊んだし、万博のタイムカプセルにならって土に何か(←覚えてない・笑)埋めたこともあるしね。

今や邦画の中では有名監督となった堤幸彦氏だが、本作では<堤ワールド>を押さえ、どちらかというと原作の漫画に忠実に絵作りをしているように感じた。ただ、(原作が長いとはいえ)はしょり過ぎの部分と長すぎる場面があり、ストーリー・テリングという点で難があると思った。途中ちょっと退屈だったな。絵的にもアクション的にも盛り上がりがイマイチなので、余計に時間が長く感じたのだ。

配役陣はとても豪華で、唐沢寿明、豊川悦司、常盤貴子、香川照之、石塚英彦、宇梶剛士、佐野史郎、中村嘉葎雄、黒木瞳 Etc…。もうどの場面にも知ってる人が出てるって感じ。これだけ贅沢な演技陣も近年ないな。さすが60億円もかかってるだけある。

これは、第2部のカンナ(第1部でもかわいかった)の活躍に期待だな。
ぼくは原作を読んでないので、「ともだち」が誰かは知らない。早く続きを観たいが、第2部は来年1月、第3部は来年秋日本で公開となる。それまで、待ってられるかな?とちと不安になっている自分がいます。ハイ。

上の写真は、香港の地下鉄(金鐘)で撮影したもの。ちょうど、この映画と浜崎あゆみのワコールの広告が並んであったので、撮ってみた。
浜崎あゆみは、9月24日に香港でコンサートをやった。見に行った友人に聞いたら満員で「とても盛り上がった」とのこと。香港でも相変わらず人気である。
そーゆーわけで、2008年秋、香港では日本のものが流行っていたという証拠写真である。

これも「20世紀少年」のように30年後に見たら懐かしい写真になっているでしょう。たぶん。

「20世紀少年」  Twentieth Century Boys  (2008)

142mins

2008-09-28

「タワーリング・インフェルノ」 DVD スペシャル・エディション The Towering Inferno - Special Edition (追悼 ポール・ニューマン)

今日、大好きだったポール・ニューマンが亡くなったというニュースを聞いた(2008年9月28日)。アメリカでは一つの「伝説の終わり」といった論調で伝えられているという。既に引退を宣言して引き際もかっこよかったが、やはり亡くなったと聞くと辛いし残念に思う。

ぼくは彼が映画で演じたものの中では、50年代の主演デビュー作「傷だらけの栄光」以降、60年代の「ハスラー」「暴力脱獄」「動く標的」「明日に向って撃て」などが強烈に好きだった。妻のジョアン・ウッドワード主演の初監督作「レーチェル レーチェル」も忘れられない。70年代に入り、名作「スティング」での好演もあったが、この「タワーリング・インフェルノ」は、彼のキャリアの一つの頂点であったと思う(それはギャラという面においてだが)。その後、「評決」など名演技を経て、「ハスラー2」であたかも功労賞的なアカデミー主演男優賞を得たのは彼にとって幸せだったのかな?なんて人ごとながら思ったものである。

Odoru2809082 「タワーリング・インフェルノ」という映画は、高校一年の映画ファンになりたてのぼくが興奮して観に行った映画の一本である。
70年代、「大空港」の大ヒット以来、オール・スター・キャストのパニック映画が流行し、その中で「ポセイドン・アドベンチャー」という傑作も生まれた。その集大成として製作されたこの「タワーリング・インフェルノ」はスケールにおいてはおそらく今後も製作され得ないだろうと思う超大作なのだ。

「ポセイドン・アドベンチャー」で大成功したプロデューサー、アーウィン・アレンは、次もパニック映画の製作を考えていた。当時、似たような原作の映画の企画が2大メジャー映画会社で進行していた。ワーナー・ブラザーズの「ザ・タワー」と20世紀フォックスの「グラス・インフェルノ」である。どちらも同じ高層ビルでの火事がメインとなることを知り、プロデューサー、アレンは行動を起こす。「二つの企画をドッキングしちまえ!」と。同じような映画で興行戦争をしても得策でないと考えた両映画会社首脳は、この企画に乗った。

主役には、スティーヴ・マックイーン、ポール・ニューマンを揃え(それぞれ出演料の他、興行収益の数パーセントのギャラを得た)、過去の大スター、旬のスターを揃える、「グランド・ホテル」形式のオールスターキャストを配し、脚本に「夜の大捜査線」のスターリング・シリファント。監督にジョン・ギラーミン。アクション場面監督にプロデューサーと兼任のアーウィン・アレンという布陣で製作に当たった。

結果、興行としては世界中で大ヒットとなり、成功を収めたが、映画的な評価は当時高校生だったぼくも「大味な大作」という印象だったことを覚えている。
クールな印象で、アクターズ・スタジオ出身のポール・ニューマンも、ここでは演技合戦というよりハリウッド・メジャー大作を楽しんでいる感じ。マックイーンとの2ショットは、千両役者のそろい踏みという<顔見せ興行>的な感じでそれはそれは嬉しかったものだ。(それに踊らないけど、フレッド・アステアも出てるんだからね!)

Odoru2809083 さて、ぼくが持っているこの2006年発売のアメリカ盤DVD「タワーリング・インフェルノ」 Special Editionである。
アメリカでは、O.J. シンプソン事件があったがため(今も違う事件があるみたいだが)、彼が出演した本作はあまり大きく扱えないふしがあるのだろう。本当ならば、30周年記念盤DVDだの出てもおかしくない大作だと思うが出ないのだ。
それは残念だが、もっと残念なのは、このSpecial Editionも日本で発売にならないことなんである。

本作の一番大きな歴史的な事件は、1974年の劇場公開の際、世界の配給権を2大メジャーが分けたことにある。20世紀フォックスが全米を、残りの世界をワーナーがそれぞれ受け持った。だから、DVDでも未だにその権利が生きているようで、アメリカの20世紀フォックスで製作されたこの特典映像てんこ盛りの2枚組DVDは日本では発売されないのだ。(ワーナーのDVDのしょぼさを見ろ。本編だけのお愛想のなさったらないよな)

公開当時の復刻版パンフのミニチュア版、8枚のカラー・ロビーカードが封入され、特典映像も新しく作られたメイキングなどいっぱい。どうせ持つならこっちの方がいいと思える豪華さ。
うーむ、日本では、あとは気長にBlu-ray発売時(発売されるのかな?)に吹替え版その他を期待するしかないかな?と思ってる次第。

ポール・ニューマンが作った「ニューマンズ・オウン」という市販のスパゲッティ・ソースは、有名人ブランドというにはあなどれない美味いソースで、日本にいるときは我が家の定番だった。これもその純利益を寄付するなど、映画での彼のクールなイメージとは違い本当はリベラルな慈善家だったのである。

ポール・ニューマンという人は偉大なアクターであり、人間的にも偉大な素晴らしい人だったのだ。とにも角にもかっこよかった。ぼくのヒーローでした。合掌。

The Towering Inferno (1974) Special Edition

4.0 Dolby Surround
Aspect Ratio 2.35: 1
164mins
Region 1

B000EHSVOG The Towering Inferno (Special Edition)
Irwin Allen
20th Century Fox  2006-05-09

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タワーリング・インフェルノ [DVD]タワーリング・インフェルノ [DVD]
スターリング・シリファント

大脱走 [DVD] ゲッタウェイ デジタル・リマスター版 [DVD] 荒野の七人(特別編) [DVD] ベン・ハー 特別版(2枚組) [DVD] 二十日鼠と人間 [DVD]

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2008-09-27

「ボトルショック」(原題) Bottle Shock

Odoru2609082jpg ワイン好きにはたまんない映画「ボトルショック」(原題)"Bottle Shock"である。香港では2008年9月18日から公開になったので楽しんで来た。

ワイン通の人なら、1976年パリで行われたブラインド・テイスティングでカリフォルニアワインが優勝したという「歴史的事件(通称 パリ事件)」はよくご存知だろう。これはその優勝した白ワイン「シャトー・モンテリーナ」(シャルドネ/1973年)"Chateau Montelena (Chardonnay 1973)"をめぐる実話を基にした映画なのである。

70年代初頭、アメリカ、カリフォルニアにあるナパ・ヴァレーでワイン作りに精を出すバレットという父子がいた。ワイナリーの名前は"シャトー・モンテリーナ"。父親は夢を追いかけているが、経営的には逼迫している。仕事がうまくいかないと、二人は畑の横のリングでボクシングをして憂さを晴らす毎日だった。そんな頃、フランス、パリではワインをこよなく愛するアカデミー・デュ・バンの創始者イギリス人のスティーブン・スパリエが自ら経営するワインショップで、友人にこう云われていた。「なんだ、アカデミーっていったってフレンチ・ワインとイタリアのキャンティくらいしかないじゃないか」 と。思い立ったスパリエは、新たなワインを求めてボロボロのレンタカーでナパ・ヴァレーのワイナリー巡りを開始する…。

Odoru2609084_2 今でこそ、カリフォルニアワインは世界的に認知され、代表格「オーパスワン」なんてバカ高い値段で売られているが、70年代当時のカリフォルニアワインは「安くてただ酔うだけのがぶ飲みワイン」という評価が当たり前で、フレンチ、特にボルドーの前では土俵にも上がれないという状態であったのだ。
だから、1976年の米仏ブラインド対決での快挙は、"ルイ・アームストロング船長の月面着陸にも匹敵する"というのはあながちわからなくもないのである。あの時点からワインの歴史が変わったのだから。

事実に基づいているとはいえ、ワイン通の歴史に詳しい人から見るとおかしな点も多々あるのだろう。だが、ワインは大好きでよく飲むが、「通」とまではいえないというぼくのようなレベルの人間から見るとこれはこれで面白く観れたのだ。
タイトルバックのナパ・ヴァレーの葡萄畑の空撮はとても美しいし、ワイナリーの場面やパリ郊外でのワイン・テイスティングの場面なども興味深く楽しめた。

タイトルの「ボトルショック」とは、我々消費者には、輸送中にボトルが揺れたり衝撃を与えることによりワインのなかの「おり」が一時的に舞い上がるということとぼくは理解してるが、ワイン・メーカーではボトリングの際に勢い良く入れた後に起こる現象のこともこう呼ぶのだそうだ。なぜこれがタイトルなのか?は観てからのお楽しみです。

Odoru2609083_2 同じようにワインのうんちくを語った映画「サイドウェイ」も面白かったが、あっちは飲み手の話で、こっちは作り手の物語なのでまた違った角度から楽しめる。ただ、ワインの作り手の役者たちはワインを味わうというより「飲みこむ」という感じなので、あれでホントに味がわかんの?と思っちゃったよ(笑)

パリから来る"スノッブ"な英国人スパリエを「ハリー・ポッター」シリーズのスネイプ先生ことアラン・リックマン。ワイナリーの頑固親父ジムを「インデペンデンス・デイ」の大統領、ピル・ブルマン。その息子ボーを演じるクリス・パインは小汚いサーファー・ルックで70年代を感じさせる。ワイン作りの実習生として来る若い奔放な女性サムをレイチェル・テイラー。メキシコ人のワイン職人を「プラネット・テラー」のフレディ・ロドリゲスがそれぞれ演じる。

そのロドリゲス演じるメキシコ人が地元のバーで、ブラインド・テイスティングで銘柄を当てるという賭けをするのだが、そのうちの一本は「こんなきちゃないバーになんであんの?」という高級ワインで驚くやら笑うやらであった。

監督のランドール・ミラーと脚本のジョディー・サヴィンは夫婦だそうだ。随分クリエイティヴな夫婦だね。
2008年のサンダンス・フィルム・フェスティバルでも評判になった映画。ワインが別に好きな人でなくても、「へぇー、こんなことがあったのかい?」と楽しめる映画であろう。

ナパ・ヴァレーのカリフォルニアワインでぼくが好きなのは、(前回このブログに書いた)「ゴッドファーザー」のフランシス・フォード・コッポラが自らのワイナリーで造ったその名も「コッポラ」。映画好きには、コッポラの話題も出しながら飲めるというのも嬉しいワイン。ここの高級ワイン「ニーバム・コッポラ ルビコン」は本当に美味しかった。

東京に居た頃は、有楽町のビックカメラで、下でDVDを買い、上でワインを買って帰ったものだ。今でもそこで売ってるのかな?コッポラのワイン?

今年の秋は「ゴッドファーザー コッポラ・リストレーション」を観ながら、「コッポラ」のワインを味わうというのは乙なものだと思うな。

Bottle Shock (2008)

109mins

B001LPWGBY Bottle Shock
Michael Ozier
20th Century Fox  2009-02-03

by G-Tools

2008-09-22

「ゴッドファーザー コッポラ・リストレーション」 Blu-ray The Godfather - The Coppora Restoration

The Godfather - The Coppola Restoration Giftset (The Godfather / The Godfather Part II / The Godfather Part III) [Blu-ray]
The Godfather - The Coppola Restoration Giftset (The Godfather / The Godfather Part II / The Godfather Part III) [Blu-ray]

遂に出ました!映画「ゴッドファーザー」3部作のBlu-ray。しかも監督のコッポラが自ら監修しリストアしたヴァージョンである。アメリカで2008年9月23日発売のもの。Hong Kong Recordsでめっけたので即買いした。(日本盤は10月3日発売)

(上の写真では、アマレーケースだが、実際は箱に入っていて、リーフレット付きである。)

すぐに「ゴッドファーザー」を鑑賞。もう既に何回観たかわからない、これぞ<至高の映画>であるが、何度観ても素晴らしい名作である。アメリカ映画協会がオール・タイム・ベストテンで第2位に選出しているが、実質1位といってよいと思う。1位の「市民ケーン」も素晴らしいが、おそらく次回の投票では逆転するかも知れないと思うから。時代とはそういうものだろう。

今回のリストアで驚かされるのは、その「黒」の色調である。ダークな映画という評価もあるが、それは暗いシーンの印象が強いのでそうなったのだと思う。もちろんマフィアという闇の世界が舞台というのもあるが、芸術的ともいえるゴードン・ウィルスのキャメラがなせる技であったのだ。

冒頭、「アメリカはいい国です」(”I believe in America...”)で始まる、その陰影を重視したドン・コルレオーネの書斎のシーンだけでも今回のリストアの素晴らしさがわかる。2001年発売のDVDに比較して、「黒」が際立つので、よりくっきりとした映像になっている。一言でいうと、今まで見えなかった暗いところも見えるって感じかな。

LDからDVDに変わった時に、その映像を比較して驚いたものだが、今回は更に驚きが増した。DVDは何だったの?という感じ。傷も修復されており、今回のBlu-rayに比べたらDVDは<ビデオテープのような甘さ>だ。
ぼくが持っているDVDは日本盤だが、これは字幕のフォントも酷かった。今回の日本盤では、そこも修復されることを望んでいる。さらにPart 1、Part 2 は吹替も新録になっているとのこと。5.1ch用にするために仕方なかったのだろうが、誰が吹替えてるのか気になるところ。

DVDでは、2枚になっていたPart 2 が今回は1枚のディスクになっているのも嬉しい。
そういえば、Part 1とPart 2をコッポラが時系列に編集し直してTVで放送した(日本ではTBS、WowWowで放送)「ゴッドファーザー特別完全版」"The Godfather 1901-1959 The Epic"はLDは持ってるが、その後DVDにはならなかった。これもリストアして欲しいんだよなぁ。

特典映像は、今回新しく作られたドキュメンタリー「破綻しかけた最高傑作」"The Masterpiece That Almost Wasn't"が面白かった。
60年代末期から不況のためメジャー映画会社は買収の憂き目にあい、パラマウントも例外ではなかった。「ゴッドファーザー」も紆余曲折を経て公開され、現在では映画史上に燦然と輝く傑作として君臨しているが、その過程を当時の関係者への証言で綴っているものだ。

パラマウントの若きエグゼクティヴ、ロバート・エヴァンズ(←彼の自伝「くたばれハリウッド」の映像版も出てくるが、本の方が数倍面白い)は、ベストセラー「ゴッドファーザー」の映画化を引き受けてくれる監督がいないことに頭を悩ませていた。当時、夢を見て映画製作会社ゾーエトロープを作った30代の若きコッポラやルーカスたちは、財政的に困窮しており、コッポラはルーカスの薦めもありしぶしぶ監督を引き受けたのだ。

その他、ウィリアム・フリードキンなどが当時の状況を語るが、スティーブン・スピルバーグが「(Part 1を)観終わった後、映画を撮っていく自信を無くした」というコメントも興味深い。(そのスピルバーグがこのリストア版に協力したというのも歴史を感じさせる)

その他の特典映像は、まぁまぁといったところ。通常、こういったものは「この映画はサイコー!!」という<自画自賛な>映像ばっかりなのだが、これもそんな感じ。「ゴッドファーザー」が良いのは人に言われなくてもわかってるからね。特にレッドカーペットでのインタビューなんて、「クローバーフィールド/HAKAISHA」のプレミアでのインタビュー(同じパラマウントだから)なのでしょぼい。

2001年のDVDの特典映像もアーカイヴとしてそのまま入っているのは嬉しい。
特典映像としては、同じコッポラの「地獄の黙示録 - The Complete Dossier」 DVDの方が、ボリュームから何から凄かった。これも結局日本では発売されなかったな。あんなに良いディスクなのに…。

今回再見して思った事は、33歳にして、このマフィアものの原作をファミリーの物語にしようとしたコッポラの視点の凄さ。役者の凄さである。殆ど無名のアル・パチーノの起用(会社はロバート・レッドフォードを望んだ)、反対されたマーロン・ブランドの起用など、コッポラは闘いに勝ったのだ。それはPart 2でもまだ売れる前のロバート・デ・ニーロの起用など凄い役者を揃えているところからもわかる。
彼らの共通点は"メソッド演技法"だ。アクターズ・スタジオに代表されるスタニスラフスキー・システムの代表格の役者を揃え、Part 2では彼らの先生であるリー・ストラスバーグにも演じさせるというどえらい事もやってのけたのだ。

ストーリー・テリングの妙、役者の妙、流麗なカメラ・ワーク、イタリアの天才ニーノ・ロータの甘美な音楽、その全てが見事にブレンドされ、この芸術作品が生まれたのだった。

中三の時に「ポセイドン・アドベンチャー」と二本立、学生300円で名画座で観た「ゴッドファーザー」。高校生で観たPart 2。社会人になって観たPart 3。年を重ねてから観れば観るほどその素晴らしさ、奥深さがわかる。こんな映画は他にはない。リアルタイムで出会えて本当によかったと思える名作である。死ぬまで観続けるだろう。そして、新しいメディアになったら、また買っちまうだろうな…。そんな男はぼくだけでなく世の中に多いと思う。男の部屋の棚に1セット マストでしょう。

The Godfather - Coppora Restration

The Godfather (1972)
The Godfather Part Ⅱ (1974)
The Godfather Part Ⅲ (1990)

DTS HD 5.1 Surround
Aspect Ratio 1.85: 1
Number of Discs: 4
Run Time: 549 mins

B001CSMGRY ゴッドファーザー コッポラ・リストレーション ブルーレイBOX [Blu-ray]
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン  2008-10-03

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【関連記事】 「地獄の黙示録 - The Complete Dossier」 DVD  

B000FSME1A Apocalypse Now - The Complete Dossier (Two-Disc Special Collector's Edition)
Paramount  2006-08-15

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2008-09-20

「マンマ・ミーア!」 Mamma Mia!

Odoru2009081 映画「マンマ・ミーア!」"Mamma Mia!"である。香港では2008年9月11日から公開されているので行って来た。日本でも劇団四季が上演している有名なミュージカルの映画化である。(日本での公開は2009年1月30日とのこと←来年かいっ!)

主演はメリル・ストリープ、ピアース・ブロスナン、アマンダ・セイフライド。ABBAの大ヒット曲をちりばめた、いわゆるジュークボックス・ミュージカルだ。

結婚が近い20歳のソフィー(セイフライド)はギリシャの島でホテルを経営するドナ(ストリープ)と二人暮らし。お父さんが誰か知らないソフィーは、母親の日記に書いてあった3人の男性のうち誰かが父親だと思い、母に黙って招待状を出す。かけつけた中年男たちは、建築家のサム(ブロスナン)、銀行家のハリー(コリン・ファース)、作家のビル(ステラン・スカルスガルド)である。母親に内緒にしていたのに、それが式の前にバレてしまって… というお話。

Odoru2009082 「マンマ・ミーア!」とはイタリア語で「なんてこった!」という意味だ。映画の出来も正直言って"マンマ・ミーア!"だったよ。やっぱ、おっさんが一人で観に行く映画ではなかったな。あはは。これは女性用の映画でした。

ぼくは世代的にABBAの全盛期に青春時代を送ったので、彼らのヒット曲が聴けるというこの映画を(じつは)ちと楽しみにしていたのだ。"Dancing Queen"、"Money, Money, Money"、"I Have A Dream"、"Honey, Honey"、"Voulez-Vous"、"Chiquitita"、"Gimme! Gimme! Gimme!"、"The Winner Takes It All"、"Does Your Mother Know"、"Mamma Mia!" etc... 若い頃ABBAの曲がディスコでかかり、よく踊ったものだ。香港では中国語の字幕の下に歌詞が英語で出たので、それを読みながら観たら、懐かしさと共に改めて良い曲が多かったのだと思わされた。

Odoru2009083 舞台ミュージカルをロケーション(ギリシャ)で撮ったこの作品。いちおうミュージカル・コメディなのだが、メインの出演者たちがミュージカル俳優ではないものだから、歌もダンスも正直たいしたことない。歌そのものは耳に馴染んだABBAのヒット曲なのでいいのだが、ミュージカルの高揚感に欠ける感じだったな。それにプロットやキャラがちと古臭いので、単調な感じでもあったのだ。

この映画の一番の見所はメリル・ストリープの<頑張り>かな。IMDBで調べたらもうすぐ還暦の彼女だが、はじけた演技で飛んだり跳ねたりしているのだ。それに歌も上手かったしね。二番目の見所は元ジェームズ・ボンドのピアース・ブロスナンの歌のへたくそなところだな(笑)。シャツの胸のボタンをかなり下まで開けてるヒマがあったら歌の練習してくればよかったかな。エンド・ロールでの踊りも見てるこっちが恥ずかしくなったよ(笑)

ギリシャの美しい海、非日常を求める方々にはイイ映画かも知れませんな。(ABBA世代の)女性が友達同士で行くにはいいかもね。
観終わって、ABBAのオリジナルをまた聴きたくなる映画でした。

MAMMA MIA! (2008)

109 mins

2008-09-19

「西部開拓史」 スペシャル・エディション Blu-ray How The West Was Won (Special Edition)

映画「西部開拓史」"How The West Was Won"のBlu-rayである。これは凄い!びっくり!なんと、シネラマ版なのだ!

(このBlu-rayは2008年9月9日に発売になったアメリカ盤だが、日本語字幕もついている。日本のプレーヤーでも観られる)

香港の中環(Central)のHMVで見つけたのだが、手にとったときに"SmileBox"というシールが貼ってあり、なんだろう?と思ったが、これがシネラマ映像だったのだ!
スマイルボックス、つまり笑っているように見えるからこう形容したのだろう。映画を観るとモニター画面の上と下が楕円形になっているのだ。
シネラマ形式とは、35mmフィルムを3方向から同時に映写することで、よりワイドに見せる方式で、テレビの台頭に対抗して1950年代に出現したものである。
この「西部開拓史」はシネラマとして撮影された初めての映画で、MGMが製作した2時間44分の超大作である。

日本では、東京のテアトル東京、大阪ではOS劇場がシネラマ上映館だった。ぼくは田舎暮らしだったので、シネラマの経験はないのだが、このDVDで観ると当時のシネラマはこんな感じだったんだろうな、という擬似体験ができる。
もし大画面テレビを持っていたら、その迫力は倍化するだろう。音声は5.1chサラウンドになり、リストアされた画面も超キレイだ。西部開拓時代のアメリカの山々や川の美しさ、空の青さ、雲の白さ!そういう自然を見ているだけでも惚れ惚れする映像だ。激流下り、バッファローの暴走、機関車のシーンなどの見せ場も迫力が増している。

2枚組で、1枚は既発売のレターボックス・ヴァージョンが、これまた、リストアされて入っている。2枚目がスマイルボックスである。どちらも3分割されている映像のため、線が入っているのが見える。
以前「ダーティ・ハリー」の時にも書いたが、ワーナーのブックタイプのBlu-rayはとってもいい。今回も40ページに渡る解説書がついている。(10月8日に発売される日本版はアマレーケース入りのようだ。この解説書はついてるのかな?)

一つの家族が様々な困難を越えて西部を開拓していった様を約半世紀に渡り描いていく大作。5つの章に分かれており、監督は3名のハリウッド監督、ヘンリー・ハサウェイ、ジョージ・マーシャル、ジョン・フォードが担当した。出演はキャロル・ベイカー、デビー・レイノルズ、グレゴリー・ぺック、ジェームズ・スチュアート、カール・マルデン、ジョン・ウェイン等の大スターが顔を揃える。1963年度アカデミー賞脚本賞、編集賞、音響賞を受賞

ぼくが初めてこの映画を観たのは70年代、日本テレビの水曜ロードショーだった。解説の水野晴郎先生が、「この映画はシネラマなんですねえ。だから画面に縦の線がでるんですねぇ」と話してた。つまり小さなブラウン管で見るには土台無理な映画だと解説してくれたわけである(笑)。それから「オール・スター・キャストで凄いんです!しかもナレーターがあのスペンサー・トレーシーなんですねぇ」と興奮気味に話してくれたのだが、(二ヶ国語放送がまだない時代)トレーシーの声は吹替なので意味のない話だったんですねぇ(笑)いやぁ、すっとぼけてていい解説だったなぁ。

How The West Was Won (1962)

Dolby Digital TrueHD, Dolby Digital 5.1 Surround
Aspect Ratio 2.89: 1
164 mins

Disc 1:
・ Commentary by Filmmaker David Strohmaier, Director of Cinerama, Inc. John Sittig, Film Historian Rudy Behlmer, Music Historian Jon Burlingame and Stuntman Loren James
・ Cinerama Adventure: Comprehensive Documentary About the Revolutionary Movie Exhibition Process
・ Theatrical Trailer

Disc 2:
・ Special SmileBox Process Transfer Replicating the Cinerama Wraparound Theatrical Experience 

2008-09-18

「それ行けスマート」DVD シーズン1 GET SMART - Season 1 (Original TV Series) (1965)

映画「ゲット スマート」を観て、久しぶりにテレビの「それ行けスマート」を見てみたいと思っていたら、アメリカで再発売され(2008年8月5日)香港のHMVでも棚に並んでいたので即買いした。

このDVDセットは「それ行けスマート」シーズン1 (1965) の全30作を4枚のDVDに収め、しかもリマスター+デジタル・リストア版。ケースも通常の一枚ものと同程度の大きさという優れものである。これで値段がHKD199(約2,786円)という安さなのだ。買わねば一生の損である(笑)

買ってすぐに観たらあまりに面白くて続けて何本も(Disc1全部)観てしまった。一辺に観るのがもったいなくて寝る前に一本ペースで楽しんだのだ。これはテレビ放送当時ぼくがもう少し大きかったら(当時5~6歳だったもんで)毎週楽しみにしていただろうなと想像した。本当に面白い。

もしこの「それ行けスマート」を観てから、スティーヴ・カレル版の映画「ゲット スマート」を観たらどんなに楽しめただろうと地団駄を踏んでいる今日この頃である。映画の中に登場するキャラ、小道具、スパイグッズ等々は(当然のことながら)このオリジナル・テレビ・シリーズの中で登場し、それを知っていたら大笑いできたシーンは数え切れないほどあったからである。

Odoru1709081 放送時間30分のシット・コムだが、60年代に流行っていた「007」やテレビのスパイものを徹底的にパロっててホント笑える。
2008年の今観てもこれだけ面白いというのは凄いなぁ。アメリカの60年代当時は「奥様は魔女」など今でも充分鑑賞に耐えるものが多くてそのレベルの高さに驚くばかりである。

赤いオープン・カーに乗ってさっそうと登場するマックスウェル・スマート。そこにタイトル GET SMART の白文字がかぶさる(写真)。ビルの中では、頑丈な扉が縦や横に開き、最終的に電話ボックスに入るとストンと下に落ちる。そこが米秘密諜報機関<コントロール>"Control"の基地だ。スマートはエージェントNo.86である。主な登場人物はスマートの美貌の相棒No.99と上司のチーフ。彼らと常に敵対する勢力が<カオス>である。「混沌」という意味に取られるこの組織だが、スペルが"Chaos"ではなく"Kaos"なのが可笑しい(発音は一緒)。
コントロールのラボでは日々新しいスパイグッズを作っている。これがまたおかしな珍品ばかりで、それを使うのがスマートなのでドジばっかりふむのだ。トレード・マークとなった靴底の電話をはじめ、そんなの使ったら目立つだろうという代物や役に立たないものばかり。
スマート以外のエージェントたちも神出鬼没であらゆるところで情報をくれる。マネキン人形に化けてたり、コインロッカーを開けたらそこにいたり、と。

主演のドン・アダムスは、まぁ本当に軽妙なコメディアンである。小柄なのがまたいい。顔が誰かに似てるなぁ?と画面を眺めながら思ったのだが、わかった。ジョージ・ブッシュだ(笑)
Odoru1709083 エージェント99に扮するバーバラ・フェルドンは可愛いったらない。スマートのことが好きでいつも一緒に行動するが、そこはコメディだけあってボケるのだ。このDVDでは、一話ごとに彼女の解説が入っている。声のみだが、昔と変わらぬ少しセクシーな声で嬉しい。
上司であるチーフ役はエドワード・プラット。スマートにいつもイライラさせられる真面目な上司だ。秘密の話があるため二人だけで入る透明な容器も、外に丸聞こえなのだが、当人同士は聞こえなかったり、タバコを吸って入るので煙でむせたりとバカバカしくて可笑しい。チーフは頭が薄いので、映画版もアラン・アーキンが演じたのかと納得(笑)

このDVDセットには、シリーズになる前のパイロット版も収録されており、これだけは白黒なのだ。冒頭、クラシックのコンサート会場で、電話の音がして、皆が怪訝な顔をする。そこをスマートが席を立ち、ロビーに出て靴底の受話器をとる。これなどは、現代の携帯電話の迷惑さを予想したもので、コメディとはいえ社会風刺も(今にして思えば)あるのだ(←こじつけ・笑)。

クリエーターのメル・ブルックスは「プロデューサー」を作る前、バック・ヘンリーは「卒業」の脚本を書く前だった。数話の監督にリチャード・ドナーも参加している。

日本では、藤村有弘さんがスマートの吹替えをしていたと記憶している。現存してたらこれも見てみたいな。けど、日本でDVDが発売になったら高いんだろうな。

ともかくこの「それ行けスマート」はホント何度観ても楽しめるスンバらしいテレビ・シリーズです。(ぼくはiPhoneに入れてるので、先日韓国出張時にも繰り返し観たし)
日本では10月11日公開の映画「ゲット スマート」を観る前に一話だけでも観ておくと、映画が10倍楽しめると思いますです、ハイ。"Would you believe...?"

【関連】
「ゲット スマート」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/get_smart_57db.html
「ゲット スマート」 DVD 2-Disc Special Edition
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/dvd-get-smart-2.html

「それ行けスマート/0086笑いの番号」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-26e9.html

GET SMART - Season 1 (The Original TV Series) (1965)

Aspect Ratio 1.33: 1
Number of discs: 4
Region 1
900 mins

2008-09-16

「ハッピー・ゴー・ラッキー」(原題) Happy-Go-Lucky

Odoru1609081 マイク・リー監督の新作映画「ハッピー・ゴー・ラッキー」 "Happy-Go-Lucky"へ行く。

香港の地下鉄の駅に貼られたこの映画のポップなポスターを見て、ぼくはとっても気になっていた。何々?今年のベルリン映画祭で最優秀主演女優賞受賞(サリー・ホーキンス)?この女優さん、知らんなぁ… 調べたらウディ・アレンの「カサンドラズ・ドリーム」(原題)"Cassandra's dream"に出てる。これ観たけど覚えてねえなぁ… と思いながらチケットを買い、コーヒー片手にシネコンの椅子に座りこんだのであった。一体どんな映画なんだろう?

タイトル・バック、細身の女性が自転車に乗ってロンドンの街を走っている。ジーンズのスカートにロングブーツといういでたちだ。自転車を降りて小さな本屋へ行く。絵本を見て店員に話かけるが無愛想な店員は返事もしない。それでもくじけず話しかけ、冗談を言う女性。本屋を出てみると自分の自転車が盗まれてない。彼女は、「あーあ、バイバイも言えなかったな」とか言って歩き出す。この根っから楽天的な女性の名前はポピー(サリー・ホーキンス)。30歳独身。仕事は教師。小学校低学年を教えている。同僚の女性教師とルーム・シェアをしてもう10年になる。夜は仲間と踊りに行き、酒を飲み、仕事帰りはトランポリンを習い、最近フラメンコも始めた。自転車を盗られたので、今度は自動車免許を取ろうと彼女は練習を始めるのだった…。

観終わってすぐは、起承転結もないし、なんだろうこの映画は?とぼくは思った。ポピーと彼女を取り巻く人々の日常をスケッチ風に描いているだけの作品である。何か違和感があるなぁ…、とつまようじを使ってたら歯の間で折れてしまってとれなくなった時のような(←例えがわかりづらい?)イヤな気分でいたが、しばらく考えて答がわかった。

Happy-Go-Lucky とは「楽天的」「ノー天気」「気にしない」とかの意味である。主人公のポピー(車にポピー♪とは違う←すまん)は、いつも冗談ばっかり言ってる。相手が笑おうが、白けようが、怒ろうがおかまいなし。ちとKYな女性だ。30歳にもなって将来のことも考えず今が楽しければいいじゃんという考え方だ。10年も女友達と暮らしているが、カサカサなわけでもなく、ちゃんと男を見つけたらセックスもする。ピュアな女性なのだが、それが故に危ういところもあるし、人も傷つける。

つまり、我々が今まで映画の中で観てきたこういうタイプの女性主人公は大概若者<ティーン・エイジャー>だったのだけど、この映画では社会人として働く経済的にも自立した大人の女性がメインなので、ぼくは少し戸惑ったのだ。

Odoru1609082 だが、現実の世界に目を向けてみると、こういう「今が楽しければいい」的な考え方の30代の女性は(先進国には)多いと思う。そういう意味では女性たちには共感を持って迎えられるのかもしれない(一昔前の20代が今は30代なんだろうと実感することが多いのだ)。
ただぼくは男なので、感情移入は出来なかったな。あんな女性が近くにいると楽しいかも知れないが自分勝手で疲れるだろうと思ったよ(笑)

自転車を盗られたので、自動車免許をとろうとするポピーであるが、英国は日本と違い、自動車教習所がなく、自分で車に「 L 」(← Leaning)と表示して運転の練習をするのが普通である。お金を払えば、運転を教えてくれる会社もあり、ポピーはそれを使うのだが、この車の教官(エ ディ・マーサン)とのやりとりがこの映画の見せ場になっている。ポピーは何度叱られても、教習の時にロングブーツを履いてくる。危ないからダメ!と言われ ても「だって、かっこ悪いじゃん」という理由でローヒールを履いてこない。キレる教官。冗談をいうポピー。だが、徐々に二人の会話が成り立っていくのが面 白い。

そういう彼女も仕事はきっちりやっていて、一人の男子児童が友達を殴ったりして荒れているのを目撃し、ソーシャル・ワーカーを頼んで一緒に話を聞いてあげる。そこで、その児童が母親の彼氏からDVを受けているということを知る。その場面ではとてもいい教師の顔になるのだ。

「ヴェラ・ドレイク」を撮った監督マイク・リーは、登場人物や会話の中に、現代社会が抱える様々な不公平や矛盾などを語らせる。何気なく見せかけ、そこには問題定義が内包している。

とはいっても、これはコメディである。会話も面白いし、劇中フラメンコを習いに行くところは爆笑だったな。その時もポピーはロングブーツで行ってるしね(笑)

主役のサリー・ホーキンスはオスカー候補?との記事も読んだが、あながち噂だけではないかもしれないな。ノー天気なトコと、真面目なトコ。色気がまったくないトコと、「女」を感じさせるトコ。そのコントラストが際立ってるから。

観終わった後、色々あるけど「これでいいのだ!」と故赤塚不二夫大先生の言葉を思いださせる映画。こんな時代だからこそ、ポピーのような生き方をするのも処世術かもしんないね。「アラサー世代」とかの女性には共感を持って迎えられるかも知れない。といってもいつ日本で公開になるか知らんけどね。アラソー。

Happy Go Lucky (2008)

119mins

Happy-Go-LuckyHappy-Go-Lucky

Rachel Getting Married Milk Vicky Cristina Barcelona Slumdog Millionaire Frozen River

by G-Tools

2008-09-13

ジョージ・ベンソン&アル・ジャロウ・ライブ・イン・香港 GIVIN' IT UP LIVE IN HONG KONG George Benson & Al Jarreau

ジョージ・ベンソン&アル・ジャロウ・ライブ・イン・香港(GIVEN' IT LIVE IN HONG KONG George Benson & Al Jarreau)へ行く。2008年9月12日(金)8:00PM〜 湾仔(ワンチャイ)のコンベンション・センター・ホール3にて。満員の盛況だった。

2006年に発売された傑作アルバム"Givin' It Up"で共演した二人のジョイント・コンサート。アジア・ツアーということで、韓国・ソウル、ジャカルタ、中国・北京、上海と廻り、香港へやってきた。

Odoru130908_2 6〜7人のバック・ミュージシャンでとてもシンプルなステージ。冒頭ジョージ・ベンソン、アル・ジャロウのヒット曲の数々がメドレーで流れ、二人の登場だ。オープニングは "Breezin'"。その後、アル・ジャロウのソロ→ベンソン&ジャロウ→ベンソンのソロ→アンコールで二人がまた登場、という構成。約2時間20分のステージである。

先にソロをとったアル・ジャロウは素晴らしかった。アジア・ツアーは東京を除いて初めてとのことだが、生で聴くと凄い。何がって、約50分ほどのステージの間、MCも歌うようにやるのだ。つまり歌いっぱなしだ。毎回ステージの約6時間前から体調を整え、ボイス・トレーニングをするのだそうだが、この日も絶好調だった。ぼくが大好きな "Mornin'" が聴けたのは嬉しかったが、圧巻だったのは "Take 5" をバックの演奏と共にスキャットでやったところだ。その後ボサノバの "Água de Beber"(おいしい水)、"Mas Que Nada" と続く歌唱&スキャットも見事。「彼の喉には全ての楽器がある」と言われるのも納得できた。

再びベンソンが登場。二人で "Long Time Tutu"、"Summer Breeze" をデュエット。その後ソロでヒット曲の数々を熱唱。いきなりの "Six to Four" はかっこよかったな。”Turn Your Love Around”、"Love Ballad"、"Never Give Up on a Good Thing"、"The Greatest Love of All"等々、そしてラストの "Give me the Night" は総立ちのディスコ大会と化した。

アンコールでは、"On Broadway"でまた踊り、”Every Time You Go Away” で皆で手を振っておしまい。大人のための良いコンサートだった。
A席でHKD990(約13,860円)もしたが、ぼくは満足だったな。香港は西洋人もたくさん住んでいるので、ノリの良いお客さんも結構いたし。チケットを買ったのが3日前でも、ミキサーのすぐ後ろの席が買えた。香港恐るべし、である(笑)

GIVIN' IT UP LIVE IN HONG KONG
George Benson & Al Jarreau
Hall 3, Hong Kong Convention & Exhibition Centre
12th September, 2008  8:00 PM

2008-09-10

「シャイン・ア・ライト」 SHINE A LIGHT DVD

ローリング・ストーンズのコンサート・フィルムの傑作「シャイン・ア・ライト」"Shine A Light"がDVD化された。映画館のド迫力の大画面で観て興奮したあのライヴがこれでいつでも観れるわけだ。

再見してみて、これはマーティン・スコセッシ監督の過去10年くらいのベストの仕事ではないかと思った。ここにはスコセッシ監督のストーンズに対する「愛」がある。被写体であるストーンズに対する尊敬と憧れが画面からほとばしる。長らくファンであったストーンズと対等に付きあえる喜び、そのミック・ジャガーをして辟易とさせるほどしつこく打ち合わせをして最高のものを作り出そうとする執念。それに応えてグレート・パフォーマンスをするストーンズの面々。20世紀最高のロックバンド、ローリング・ストーンズのライヴを一人のファンとして楽しみながら、彼らの舞台上の全ての動作を記録として残そうとするスコセッシのプロの映画監督としての心意気。カッティングの妙。その全てが素晴らしい。ロックと映像の史上最高のコラボだ。おそらくこのコンサート・フィルムは歴史に残るものとなるだろう。

Odoru0909085

劇場公開時のレビューは既に書いているので、今回はDVDの特典について書こう。
「シャイン・ア・ライト」のサントラCDを買って聴いてみて、あれれ映画に入ってないのがあるぞ?と思っていたがそれらは、このDVDにきっちり収録されている。
"Undercover of the Night","Paint it Black", "Little T&A", "I'm Free"の4曲である。
他にも、本編には使われなかったリハーサル風景やインタビューなど約15分のフーテージ集が収録されている。

ぼくが買ったのは香港版であるが、この内容でHK$159(約2,226円)は嬉しい。ぼくが中学や高校の頃(30年以上前)、LPレコードが一枚2,500円だったことを考えると、これだけのクオリティのものをこの値段で手に入れられるのはありがたいと思う。長生きはするもんだなぁ(笑)

今回Blu-rayではなくDVDを買ったのは理由がある。最近ぼくは携帯電話をiPhoneに買い換えたので、それにこの「Shine A Light」を入れたかったのだ。Macからそれ用のソフトを使ってiPhoneへ入れた。チャプターも使えるので、クリントン元大統領の前説など取っ払って、スコセッシの"OK, First Song!"から怒濤のライヴがどこでも観れるという幸せ。ホント長生きはするもんだ(笑)

それでもやっぱり劇場で観た時の迫力には到底及ばない。日本では12月5日から公開とのことだが、ぜひとも劇場の大画面で堪能してほしい。これは「劇場で観た」と後々自慢できる映画でっせ。ストーンズ・ファンならずとも楽しめること請け合いである。

SHINE A LIGHT (2008)

Dolby 5.1 Surround, dts
Aspect Ratio 2.35: 1
121mins
Region 3

(カバーアートはアメリカ盤)

【関 連】
「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/shine_a_light_73eb.html

2008-09-07

SON OF RAMBOW 「ランボーの息子」(原題)DVD

映画「ランボーの息子」"Son of Rambow"(原題)をDVDで鑑賞した。ぼくは香港でこの映画の公開を心待ちにしていたのだが、上映予定はなく、HMVで英国製DVDをめっけたので即買ったのであった。

映画を好きで長年見続けていると、時々小品であまり知られてないが良い映画に出会うことがある。そーゆー時はとても得した気分になり、誰かに教えたくなるものだ。この「SON OF RAMBOW」はそんな、久しぶりにみんなに教えたくなる佳作であった。

舞台は英国の田舎町、時代は80年代。とある映画館で少年リー・カーターはタバコを吹かしながら、ビデオカメラを持ち込み映画を盗撮している。上映している映画は "First Blood" シルベスター・スタローン主演「ランボー」だ。もう一人の少年ウィルは、庭にある納屋で絵を描くのが好きな空想好きの男の子だ。彼の家は<ブラザレン>というとても厳格な宗教に入っているので、TVもラジオも音楽も禁止されていた。そのため授業中、TVを見る時間だけは外に出ることを許されている。ある日、いつものように授業中に廊下で絵を描いていたウィルに、隣のクラスで外に追い出された悪ガキ、カーターがちょっかいを出してくる。二人はその後先生に説教されるハメになり、それがきっかけでウィルはカーターの家に行く。そこで、ウィルが偶然観てしまった映画、それが「ランボー」だった。ウィルにとって初めて観た映画は衝撃的だった。彼は興奮のあまり「自分はランボーの息子だ!」と叫びカーターの家を飛び出して行く。それから二人はVHSのビデオカメラで自分たちのランボー映画を撮り始めるのだった…。

Odoru060908 ひと夏の少年たちの思い出。主人公の二人の少年はあまり友達もなく、家庭環境や愛情にも恵まれていない。一人は性格的におとなしく空想の世界を絵で表現し、もう一人はやんちゃであるが、映像に興味を持っている。その二人がお互いの良いところを認め合い、友情を深めて行く。自分たちが起こした行動、それにより少しずつ変わっていく二人…。
子供ならではの残酷で、傷つけあう事もあったけど、結果オーライだったよな、と観終わった後思わせてくれる気持ちの良い映画である(ラスト、ちょっとぐっと来るし)。

学校が舞台だけあって、主人公の他にもダメな学生たちや、生意気な女子たち。先生や交換留学生で来るフランスの少年・少女たちがからみ、コメディとしても笑えるところが随所にある。英国ならではの下半身デブのイモっぽい女子たちは妙にリアルで笑えた。子供が主人公だから子供映画かと思うかもしれないが、フランスの男にキス(フレンチ・キス)をしてもらおうと女子たちが順番待ちをする場面などもあり、英国でも「12歳未満は観れないよ」コードとなってるので注意が必要である。

ぼくは70年代の終わりに英国で暮らしたことがあるので、よからぬパーティ会場で流れるラジオ番組"Top of the Pops"が個人的にメチャ懐かしかった。当時英国の若者は日曜の夕方(4-6pm)は必ずこのFM番組を聴いていたのだ。これでどの曲がNo.1をとるか?というのが話題だったからな。「レディオ・ワーン、ステリオー♪」(注:Radio 1, Stereo)と流れるメロディを聴いただけで嬉しかったな。たぶん英国の観客も同じような印象を持っただろう。

本当は「ランボー」は"RAMBO"というスペルなのだが、映画タイトルは"Son of RAMBOW”と"W"が一つ多い。これは少年のスペルミスという洒落なのか、著作権を考慮したものか?ひょっとしたら両方なのか?はぼくにはわからないが、この映画が製作されたのは、ランボーの最新作「ランボー/最後の戦場」の前だったのでよかったなと、ぼくはハト胸をなでおろした。もし時代設定が現代で、この主人公が「最後の戦場」を観たら、CGが残酷すぎて、とても憧れたとは思えないからね(笑)

映画のパロディという面から「Be Kind Rewind」(僕らのミライへ逆回転)を思い出した。同じような素人の手作り感いっぱいの映像が両作品に登場するが、なぜか「だから良いんだよなぁ」と思わせてくれる。CGの映画ばっかり観させられてるから、余計にホッとするのかもね。

「銀河ヒッチハイク・ガイド」の監督ガース・ジェニングスと製作のニック・ゴールドスミスの会社 Hammar & Tongs の劇場用映画第2弾。2007年サンダンス映画祭で好評を博し、その後も徐々に評判を上げている作品である。監督・脚本のガース・ジェニングスは自身の経験を基にこの脚本を書いたという。主人公の少年二人、ビル・ミルナーとウィル・ポールターも「ハリー・ポッター」みたいではない<素の英国少年>を好演している。日本での公開はいつかわからないが、これはホントおすすめの一本である。

Son of Rambow (2007)

Dolby 5.1 Surround
Aspect Ratio 2.35: 1
92 mins
Region 2 (PAL)

B0017PQEHASon Of Rambow [DVD] [2007]
Will Poulter
Optimum Home Entertainment 2008-08-11

by G-Tools
B001BL96Y8Son of Rambow
Garth Jennings
Paramount 2008-08-26

by G-Tools

【関連】

「Be Kind Rewind」(僕らのミライヘ逆回転)
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_55f4.html
「ランボー 最後の戦場」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_67f7.html

2008-09-05

「舞妓Haaaan!!!」 金曜ロードショー

先週(8/29)のNTV金曜ロードショーは「舞妓Haaan!!!」やった。香港へ住んでると中々ぼくが観たいと思う邦画が観れへんので、こうやって放送してくれるとうれしいよし。ロケフリから録画をして週末に観た。(ちょっとこのところ忙しくて更新が遅れてしまった(^-^;)

脚本・クドカン、主演・阿部サダヲと聞くと「面白そう」と思うのはぼくだけではないだろう。舞台が祇園で、舞妓の話と聞くともっと興味を持つのは当然と思う。
で、観終わった感想だが… ちょっと期待外れやったよし…

Odoru080908 物語は、修学旅行で京都に行った高校生が舞妓の美しさに魅せられ、社会人になってからも仕事の最中に自分の「舞妓のブログ」を更新するような男となる。そして念願の京都勤務を命じられ、お茶屋さんで遊ぼうとするが、一見さんお断りの壁に阻まれながら、野球拳を舞妓はんとするという長年の夢を果たそうとする、というもの。

題材もよく、出演者もいいのだけど、コメディとはいえ物語が飛んだり跳ねたりしすぎちゃって散漫になっちゃったって感じどす。後半の野球選手(野球拳をかけたのか?)になったりの怒涛の展開も勢いでヤッちゃえ的な感じで収集がつかなくなったのかもね。阿部サダヲは「まことちゃん」みたいな髪型で頑張ってるが、<初主演>ゆえか頑張りすぎの感があったかな?野球選手役の堤真一は相変わらず上手くって、たたずまいもよかった。柴崎コウもきれいで、伊藤四朗や生瀬勝久など芸達者も揃い、一寸しか出ないが「胃に穴があいてるねぇ」と言う医者の北村一輝も相変わらず気色悪かった(←褒めてるのだ・笑)。
ジェリー・ルイスを連想させる今回の阿部サダヲには、あのハイテンションな演技を受け止めてやる相手役が必要だったかも知れまへんなぁ。そういう意味で惜しいナァと思うのどすえ。阿部サダヲの次作はバディ・ムービーみたいなのはどうでっしゃろ。

花町を舞台にしたものというと、最近ぼくは「女帝 花舞」という全28巻の漫画を読んだ。銀座を舞台にした名作「女帝」の続編で、ここでは舞妓になるまでの苦労や、舞妓たちとそれを取り巻く人間たちのドラマが綴られていて面白かった(内容は「女帝」の焼き直しだが・笑)。

そんなことで祇園のことに興味もあってこの映画を眺めていたのだが、もう少し祇園の作法とかそういうものも盛り込んでくれたら面白かったのにと感じた。主人公が「お座敷遊びがしたい!」というだけで突っ走る映画なので、そんなものまで要求するのは酷かとも思うが、芸者遊びの「遊び」の中に日本の良き文化も入っていると思うから。

川筋を歩いてる旦那はんを植木等が演じる。これが遺作となったと知ってはいたが、着物の似合う粋な旦那で、最後までダンディだったんだな植木さんは、としみじみ思った。

話変わって、今、香港で上映している日本映画は、

「花より男子ファイナル」 花樣男子Final (Hanadan)
「それでもボクはやってない」 儘管如此我沒做過 (I Just Didn't Do It)
「僕の彼女はサイボーグ」 我的機械人女友 (CYBORG SHE)
「キャッチ ア ウェーブ」 那年夏天的第一次 (Catch the Wave)
「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード」 蠟筆小新:烤肉反擊戰 (Shin Chan)
「映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険~7人の魔法使い~」 多啦A夢 大雄的新魔界大冒險 (Doraemon New Nobita's Great Adventure into the Underworld)
「超劇場版 ケロロ軍曹3 ケロロ対ケロロ天空大決戦であります!」 KERORO大電影3 之天空大作戰 (Keroro the Movie 3)

である。こんなにやってたんだね。邦画も頑張ってる。「花より男子ファイナル」は我が家でも小5の娘が友達と週末観に行ってきた。香港でも人気である。やっと公開された「それでもボクはやってない」も評判が上々でよかったなと思う。
アニメは全て広東語吹替なので子供を連れていってやれないのが残念。でもどれも大人気なんだよな、こっちでも。
これから「20世紀少年」や「デトロイト・メタル・シティ」もやってくる。どちらも漫画が原作なので、香港でも知名度がある。だからすぐに公開されるのだろうな。「犬と私の10の約束」も「DIVE!! ダイブ」も来週以降公開になる。

そういえば昨年、友人がこの「舞妓Haaaan!!!」のパンツを日本からのお土産でくれたのを思い出した。真っ赤なトランクスで「舞妓Haaan!!!」のロゴが入っているものだ(日本テレビで売ってたらしい)。映画を観たら、どうせなら阿部サダヲみたく白いブリーフの方がよかったかな?と思った。誰に見せるっちゅーわけでもないが…(笑)

舞妓Haaaan!!! (2007)

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