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2008-09-27

「ボトルショック」(原題) Bottle Shock

Odoru2609082jpg ワイン好きにはたまんない映画「ボトルショック」(原題)"Bottle Shock"である。香港では2008年9月18日から公開になったので楽しんで来た。

ワイン通の人なら、1976年パリで行われたブラインド・テイスティングでカリフォルニアワインが優勝したという「歴史的事件(通称 パリ事件)」はよくご存知だろう。これはその優勝した白ワイン「シャトー・モンテリーナ」(シャルドネ/1973年)"Chateau Montelena (Chardonnay 1973)"をめぐる実話を基にした映画なのである。

70年代初頭、アメリカ、カリフォルニアにあるナパ・ヴァレーでワイン作りに精を出すバレットという父子がいた。ワイナリーの名前は"シャトー・モンテリーナ"。父親は夢を追いかけているが、経営的には逼迫している。仕事がうまくいかないと、二人は畑の横のリングでボクシングをして憂さを晴らす毎日だった。そんな頃、フランス、パリではワインをこよなく愛するアカデミー・デュ・バンの創始者イギリス人のスティーブン・スパリエが自ら経営するワインショップで、友人にこう云われていた。「なんだ、アカデミーっていったってフレンチ・ワインとイタリアのキャンティくらいしかないじゃないか」 と。思い立ったスパリエは、新たなワインを求めてボロボロのレンタカーでナパ・ヴァレーのワイナリー巡りを開始する…。

Odoru2609084_2 今でこそ、カリフォルニアワインは世界的に認知され、代表格「オーパスワン」なんてバカ高い値段で売られているが、70年代当時のカリフォルニアワインは「安くてただ酔うだけのがぶ飲みワイン」という評価が当たり前で、フレンチ、特にボルドーの前では土俵にも上がれないという状態であったのだ。
だから、1976年の米仏ブラインド対決での快挙は、"ルイ・アームストロング船長の月面着陸にも匹敵する"というのはあながちわからなくもないのである。あの時点からワインの歴史が変わったのだから。

事実に基づいているとはいえ、ワイン通の歴史に詳しい人から見るとおかしな点も多々あるのだろう。だが、ワインは大好きでよく飲むが、「通」とまではいえないというぼくのようなレベルの人間から見るとこれはこれで面白く観れたのだ。
タイトルバックのナパ・ヴァレーの葡萄畑の空撮はとても美しいし、ワイナリーの場面やパリ郊外でのワイン・テイスティングの場面なども興味深く楽しめた。

タイトルの「ボトルショック」とは、我々消費者には、輸送中にボトルが揺れたり衝撃を与えることによりワインのなかの「おり」が一時的に舞い上がるということとぼくは理解してるが、ワイン・メーカーではボトリングの際に勢い良く入れた後に起こる現象のこともこう呼ぶのだそうだ。なぜこれがタイトルなのか?は観てからのお楽しみです。

Odoru2609083_2 同じようにワインのうんちくを語った映画「サイドウェイ」も面白かったが、あっちは飲み手の話で、こっちは作り手の物語なのでまた違った角度から楽しめる。ただ、ワインの作り手の役者たちはワインを味わうというより「飲みこむ」という感じなので、あれでホントに味がわかんの?と思っちゃったよ(笑)

パリから来る"スノッブ"な英国人スパリエを「ハリー・ポッター」シリーズのスネイプ先生ことアラン・リックマン。ワイナリーの頑固親父ジムを「インデペンデンス・デイ」の大統領、ピル・ブルマン。その息子ボーを演じるクリス・パインは小汚いサーファー・ルックで70年代を感じさせる。ワイン作りの実習生として来る若い奔放な女性サムをレイチェル・テイラー。メキシコ人のワイン職人を「プラネット・テラー」のフレディ・ロドリゲスがそれぞれ演じる。

そのロドリゲス演じるメキシコ人が地元のバーで、ブラインド・テイスティングで銘柄を当てるという賭けをするのだが、そのうちの一本は「こんなきちゃないバーになんであんの?」という高級ワインで驚くやら笑うやらであった。

監督のランドール・ミラーと脚本のジョディー・サヴィンは夫婦だそうだ。随分クリエイティヴな夫婦だね。
2008年のサンダンス・フィルム・フェスティバルでも評判になった映画。ワインが別に好きな人でなくても、「へぇー、こんなことがあったのかい?」と楽しめる映画であろう。

ナパ・ヴァレーのカリフォルニアワインでぼくが好きなのは、(前回このブログに書いた)「ゴッドファーザー」のフランシス・フォード・コッポラが自らのワイナリーで造ったその名も「コッポラ」。映画好きには、コッポラの話題も出しながら飲めるというのも嬉しいワイン。ここの高級ワイン「ニーバム・コッポラ ルビコン」は本当に美味しかった。

東京に居た頃は、有楽町のビックカメラで、下でDVDを買い、上でワインを買って帰ったものだ。今でもそこで売ってるのかな?コッポラのワイン?

今年の秋は「ゴッドファーザー コッポラ・リストレーション」を観ながら、「コッポラ」のワインを味わうというのは乙なものだと思うな。

Bottle Shock (2008)

109mins

B001LPWGBY Bottle Shock
Michael Ozier
20th Century Fox  2009-02-03

by G-Tools

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「映画 2008年」カテゴリの記事

コメント

Nobuyasuさん、
「Sideways」の舞台となった場所はNapa Valleyじゃ無かったと思いますよ。確か、Santa Barbaraの北にある、Paso Robles附近だったと思います。

Amago728さん

ご指摘ありがとうございます。
本文も訂正しておきます。

どうもワインを飲み過ぎて記憶が曖昧になっているようです。

ごめんなさい。sideawayのことでしたね。たしかにnapaじゃなくサンタバーバラ近くのロスオリボスあたりだと思います。マイケルジャクソンのネバーランドもこの辺でしたね。

>たみさん

コメントありがとうございます。
「ボトルショック」はワイン通の多い日本ではウケルと思うんですが、公開される話は聞こえてきませんね。ワインのように寝かせる気なのでしょうか(笑)

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