« 2008年7月 | トップページ | 2008年9月 »

2008年8月

2008-08-28

「君も出世ができる」 DVD

君も出世ができる [DVD]

東宝映画「君も出世ができる」が遂にDVD化された。今年の夏休み、日本に帰ったときにぼくの「買うものリスト」の一番上にあったのがこれ。10年以上前に<東宝ゴクラク座>と銘打ったシリーズのLDを買って大事に香港まで持って来てたが、今回<帰ってきた東宝ゴクラク座>となりDVDで甦ったのだ。

映画通の間では「君出世(きみしゅっせ)」と略して呼ばれるこの映画は、数少ない和製ミュージカル映画の成功例の一つである。東京オリンピックが開催された1964年に公開されたこの映画は、高度成長時代の日本のエネルギーを感じさせる元気いっぱいの映画なのだ。

出演はフランキー堺、高島忠夫、雪村いづみ、中尾ミエ、浜美枝、益田喜頓、有島一郎、藤村有弘、ジェリー伊藤。製作:藤本真澄、監督:須川栄三、音楽:黛敏郎、作詞:谷川俊太郎、振付:関矢幸雄。

1961年暮れに公開された、映画「ウエスト・サイド物語」は空前のヒットとなり、「マイ・フェア・レディ」の翻訳舞台公演もヒットと日本でもミュージカル・ブームが起きた。「社長シリーズ」などで知られる東宝の大プロデューサー藤本真澄は「日本独自のミュージカルを作るぞ!」と鶴の一声で、当時日本の若き才能が集められ製作に着手する。サラリーマンを主人公に日本人の民族性をベースに作られたこのミュージカルは、製作費をかけたにも関わらず全く当たらず、その後和製ミュージカルが作られることはなかった。

倉庫の中でそっと眠っていたこの映画は、90年代に入り若い映画ファンの間で”幻のカルト・ムービー”として脚光を浴び始める。製作後30年を経て「こんな日本製ミュージカルがあったのか!」と若き映画ライターやコラムニストたちが騒ぎ始めたからである。そして94年にLDが発売され、そのイベントとして今はなき大井武蔵野館でニュープリント版が上映されるまでに至る。これを機にこの映画は再発見・再評価されたのであった。

MGMミュージカル映画によくあるパターンにこういうのがある。舞台で全く当たらなかったシリアスなものを、ミュージカルにして再演したら大当たりした(→例えば「バンドワゴン」)。こけたサイレント映画をミュージカルにしたら大ヒットした(→「雨に唄えば」)。つまり、最初散々な目にあうが、皆の力で最後には成功するという話だ。この「君も出世ができる」も公開当時悲惨な結果になったが(製作費の20%しか回収できなかったという)、30年を経てLDで見事に蘇り40年後にはDVDになった。これは、90年代当時30歳代の若き映画ライターたちが奔走し、それに応えた東宝の若き社員たちの努力のお陰である。この映画が持っているその「熱気」が彼らを熱くさせたのか?いずれにせよ、この映画は最後に「(君も)出世が出来た♪」のであった。

ストーリーは、東京オリンピック時に外国人観光客を呼び寄せたい旅行代理店で、出世がしたいフランキー堺と、出世なんて考えてない高島忠夫が他社と争奪戦を繰り広げている。そこに高島と恋に落ちるアメリカ帰りの社長令嬢雪村いづみがからむというもの。

東宝お得意のサラリーマン喜劇をミュージカルにした本作は、現代においては無くなりつつある<出世志向>を臆面もなく出すフランキー堺のモーレツ社員ぶりが軽快で面白い。趣味人の高島とアメリカ帰りのキャリア・ウーマン雪村の方が、現代においてはリアリティがあるなと思わせる。それだけ時代が変わったということだろう。そんな日本の変わりようも見てとれるのだ。

楽曲やセットに「ウエスト・サイド物語」や「フラワー・ドラム・ソング」などの影響も見られる本作は、「アメリカでは♪」など、本格的なプロダクション・ナンバーもありニッポン・ミュージカルとして本当に「頑張っている」と思える。(カメオでC調植木等も出演している)
ハリウッド製ミュージカルを「高級スイーツ」だとしたら、これは「あんパン」かも知れない。けど、甘さとうまさは負けないぞという意気込みとパワーが感じられる一編である。

オーディオ・コメンタリーは、①高島忠夫、②フランキー堺、須川栄三監督のインタビュー(1994年)の二本立。

…で、次は「嵐を呼ぶ楽団」DVD化を切に望んでおります。ハイ。

君も出世ができる (1964) You Can Succeed, Too

モノラル
16: 9 東宝スコープ
総天然色
100mins
Region 2

2008-08-26

映画「WALL・E/ウォーリー」における「ハロー・ドーリー!」の考察

Odoru2608086 日本では12月公開のピクサーの新作映画「WALL・E/ウォーリー」は、とても感動的な一編である。その感動のモチーフになるのが、昔のミュージカル映画だというのが古くからのファンにとっては嬉しい。その映画は「ハロー・ドーリー!」。1969年ブロードウェイの大ヒットミュージカルを映画化した、バーブラ・ストライサンド主演、ジーン・ケリー監督の20世紀フォックス作品である。

映画「WALL・E/ウォーリー」は、700年間一人で(一台で)黙々と地球を掃除し続けている旧来型ロボット・ウォーリーと未来型ロボット・イヴの恋物語が話の中心になっている。地球上にたった一台しかいないウォーリーがゴミ箱から拾って来たビデオテープを繰り返し観て夢焦がれ、心に刷り込まれる映像が、「ハロー・ドーリー!」の二つのシーン(「日曜は晴着で」 "Put On Your Sunday Clothes"と「ほんの一瞬のこと」 "It Only Takes a Moment")なのだ。

「ハロー・ドーリー!」の物語は、ニューヨークに暮らす世話好きの未亡人ドーリーが、ちょい田舎のプチ金持ちホレスさんをモノにしようとするのが骨子だが、脇役のホレスさんの店で働く若者のコーネリアスたちが都会へ出て恋をするという話も同時に進行していくのである。

飼料店の社長ホレスさん(ウォルター・マッソー)に毎日うるさく言われ、しかも1日も休日をもらえない若者コーネリアス(マイケル・クロフォード)とバーナビー(ダニー・ロッキン)は、ホレスさんが休暇で留守の間にニューヨークへ行って、女の子とキスをして帰ってくるぞと誓いを立てる。だが、彼らは女の子と付き合った事もない。その時ドーリー(バーブラ・ストライサンド)にニューヨークにある帽子店へ行ってアイリーン(マリアンヌ・ロックアンドリュー)とミニー(E・J・ピーカー)という女性に会いなさいとアドバイスされる。そして二人は一張羅のスーツを着て「日曜は晴着で」を歌い踊りながら汽車に乗り込むのだ。

Odoru2608084_2 ウォーリーが憧れのまなざしで画面を見つめるのが、もう一曲の「ほんの一瞬のこと」。恋は一瞬で訪れる、という内容のこの歌は、最後に恋に落ちた コーネリアスとアイリーンの二人が公園で手をつなぐ場面で終わる。

「WALL・E/ウォーリー」の監督アンドリュー・スタントンと共同脚本のジム・リアードンは「この『日曜は晴着で』を使ったのは、生まれてから出たこともない田舎町から都会へ行って女の子と知り合いになりたいと行動することがウォーリーの心情を表現するのにぴったりだった」そして「『ほんの一瞬のこと』は、ウォーリーが "I Love You" と言わなくても観客にそうわからせることが出来る完璧なシーンだった」とインタビュウで語っている。

ウォーリーはロボットなので単語でしか話すことが出来ない。イヴもそうだ。彼らの心情を表現するのに、昔のミュージカル映画の場面を使うというアイデアは素晴らしいと思う。往年のミュージカルのナンバーは、気持ちをストレートに伝える歌と踊りで表現するものが多く、ロボットの心情を観客に<見せる>ということでは最適であろう。

観客側も「WALL・E/ウォーリー」を観る際に、この場面が「ハロー・ドーリー!」のどこで使われたものかを知っていると余計にウォーリーに感情移入が出来ると思う。知って観るとホントに切ないと思うよ。だから、「WALL・E/ウォーリー」を観る前にこの「ハロー・ドーリー!」を観てから行くことをおすすめします。はい。

ついでに(笑)、映画「ハロー・ドーリー!」"Hello Dolly!"についても少し書いておく。

Odoru2608085 バーブラ・ストライサンドとウォルター・マッソーのラブ・ロマンスと聞くと、中年の醜男とブスのおばはん(←失礼!)の話やないか、と思われるだろう。だが既に書いた通り飼料店の若者や、ホレスさんの姪っ子の恋物語もあり、若い人も楽しめる作品になっている。

この作品は、上映時間が長いとか、つまらないとか言う評価もあるが、いやいやこれは見応えのするミュージカル映画の一本であるのだ。

MGMミュージカルで大スターとなったジーン・ケリーが監督、マイケル・キッドが振付を担当。キッドといえば大傑作「略奪された七人の花嫁」の振付で有名だが、ケリーとは「いつも上天気」で共演して一緒に踊っており、気心が知れていたと推察する。オープニングは「野郎どもと女たち」、ニューヨーク行きの汽車は「ハーベイ・ガールズ」、パレードは「ミュージック・マン」、ストリートでの踊りのドリー撮影は「踊る大紐育」を連想させ、公園やナイトクラブでの集団群舞は「略奪〜」を彷彿とさせる。つまりこれはかつての華やかし頃のスタジオ製ミュージカルをケリーとキッドの二人が再現しようとしたのだろうとぼくは思っている。

それにしても、ケリーもキッドも製作費を使い過ぎだわな(笑)CGのない時代に、パレードでの長い集団の行進や、ナイトクラブなどのセットや衣装の豪華さは凄い。1969年頃といえば、メジャー・スタジオが軒並み体力を消耗していた頃だから、製作者側にはひどい仕打ちだったろう(笑) 実際、本作と「ドリトル先生不思議な旅」('67)「スター!」('68)の興行的な失敗は20世紀フォックス社を窮地に落し入れてしまったわけだから…。

しかし、撮影に一ヶ月を費やしたというハーモニア・ガーデンというナイトクラブでの給仕たちの集団群舞は素晴らしい!し、バンド・リーダーとして出演し、バーブラとひとくさり唄うサッチモの場面は今観てもシビれるしね。手足の長い若き日のトミー・チューンの踊り(←これが映画デビュー)も観れるし、バーブラの歌ももちろんイイし。

先週香港は、シグナル8→9(台風警報・学校や会社は休みになる)が出たので、この映画をリビングで観てたら、曲を聴いて11歳の娘が「あ、ウォーリーの曲だ!」と興味を持ち、最後まで一緒に観て「楽しかった」と喜んでた。本当に楽しいミュージカルだ。台風も吹っ飛んだよ(笑) ご家族でどうぞ!

Hello Dolly! (1969)

2.35: 1 Aspect Ratio
4.0 Dolby Surround
146mins
Region 2

【関連】「WALL・E/ウォーリー」
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/walle_e059.html

ハロー・ドーリー!  スタジオ・クラシック・シリーズ [DVD] ハロー・ドーリー!  スタジオ・クラシック・シリーズ [DVD]
アーネスト・レーマン

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン  2007-04-06
売り上げランキング : 7290
おすすめ平均 

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
ウォーリー [Blu-ray]
B001RPFHTG

2008-08-24

「センター・オブ・ジ・アース 3D」 Journey to the Center of the Earth 3-D

Odoru240808 映画「センター・オブ・ジ・アース 3D」"Journey to the Center of the Earth 3-D"へ行く。「3D」といっても3年D組ではない。3-Dimensional つまり立体映画である。サングラスをかけて観ると飛び出してくるやつだ。夏休みの最後、親子で観に行くにはイイかなと思い出掛けた。香港では、金鐘(Admiralty)のPacific Placeの映画館でしか3Dをやってなく、他では通常の映画として公開されている。なので、立体で観れる映画館だけは値段が大人・HKD110(約1,540円)と高かったのであった。

兄の遺志を継ぎ地質学を研究するトレバー教授(ブレンダン・フレイザー)は、甥っ子のショーン(ジョシュ・ハッチャーソン)を預かることに。現代っ子のショーンとトレバーは意思の疎通がうまくいかない。遺品の中にあった「地底探検」の本の中にかかれた暗号を読み、アイスランドの火山へ行くことにする2人。現地で出会った山岳案内人ハンナ(アニタ・ブリエム)とともに3人は火山へ向かう。

原作は有名なジュール・ベルヌの「地底探検」で、何度か映画化されている(1959年のパット・ブーン主演のものが有名)。ようするに地球の中心へ行くという冒険物語で、それを飛び出す映画で見せようというわけだ。
観終わった感想だが、もうこれは3Dでなかったとしたら観れない代物だな、である。

監督は、ディズニーランドの3D「キャプテンEO」「ミクロ・アドベンチャー」を手掛けた3Dの第一人者エリック・プレヴィグ。演出が完全に3D向けなので、これを通常の映画で観たら辛いだろうなと思う。

監督は3Dに関しては「第一人者」と書いたが、映画監督としてはダメダメで、ツッコミどころ満載であった。
持ってたバックパックを落としたはずなのに、次のシーンではあったり。してたはずの手袋が次の場面ではなかったり、という奇術まがいのシーンが連続で、子供向け映画とはいえ、うちの11歳の娘でさえそのことに気づき「おかしいね?」という始末。
映画は映画的矛盾があってしかるべし、とぼくはその点は寛容な方だと自分でも思っているが、うちの高一の息子は、マグマの近くまで行っても溶けない人間たちや、地球のド真ん中なのに携帯がかかってくるなど「あまりに非現実的」と笑いながら話してた。

ま、そういった意味ではとっても楽しめる作品である(笑)腹を立てずに「間違い捜しをする」というのが大人の鑑賞方法と云えまいか。観終わった後、家族で何個間違いを見つけたか?という「IQサプリ」のような見方も良いだろう。

Odoru2408082_2 それはそれとして、3Dはさすがに迫力があり結構楽しめる。まるで「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」のような(というか、まんまの)ジェットコースターや、「スーパーマリオブラザーズ」のゲームのような浮かんだ石を渡るところなど3Dならではだ。
海のシーンでのデカイ飛び魚や、恐竜。人食い植物などを眺めてるとなぜか昔のTV「ウルトラQ」を思い出した。

結論は、<テーマパーク・ライド>だと割り切って行けば楽しめる作品、である。

本編の上映前にディズニーの「BOLT」という犬が主人公のCGアニメの予告編があった。これもフル3Dのようだ。なんか、流行ってんのかな3-D。

日本では10月25日公開とのこと。邦題はディズニー・シーのアトラクションと同じ名前にしたんだろうね。ディズニーじゃなくNew Line Cinema だけどね。

Journey to the Center of the Earth 3D (2008)

94mins

2008-08-20

「ゲット スマート」 Get Smart

Odoru200808 夏休みも終わり、香港へ戻って来たら、楽しみにしていた映画「ゲット スマート」"Get Smart"が公開になっていたのでさっそく行く。これは、久々に出会った”マイ・カインド・オブ・ムービー”だった。

オリジナルは、ドン・アダムス主演で、メル・ブルックスがクリエイトした60年代のテレビシリーズ「それ行けスマート」である。ぼくはこのテレビを観ていたという記憶はあるのだが、小学校低学年の頃だったので、殆ど忘れてしまっていた。それでも、この映画はスパイ・パロディものとして面白いし、何より楽しめる作品であった。

主人公マックスウェル・スマートは、アメリカの秘密諜報機関”コントロール”で働く調査員。エージェントになることを憧れているが、中々昇格させてもらえない。そんなある日、本部が国際犯罪組織「カオス」によって襲撃され、全エージェントの顔と身元が割れてしまう。急遽、エージェント"86"に昇格したスマートは、全身整形手術により変身したエージェント"99"とともに、盗まれた核物質の行方を追い、破壊活動を阻止するミッションのためロシアへ飛ぶ…。

冒頭、冷戦前に使っていたスパイ道具という展示コーナーがあって、その中に靴底が電話になっているのや、60年代の赤いスポーツカーが展示してあったりする。明らかにテレビシリーズ時代に登場してたものだ。それを横目で見ながら何重にもなった分厚い扉を通り、電話ボックスへ入り本部へ下りていくスマート。この辺はテレビと一緒だが、映画だけあってセットが「高そう」だ(笑)

もう色んなギャグが詰め込まれてて、ナンセンスものが多いが、ベタなものもあり、ちょい下ネタも。
ぼくの隣に座った中年のアメリカ人とおぼしきおばちゃんが、エージェントNo.23のドウェイン・ジョンソン(←ザ・ロックという方が馴染みがある)が登場しただけでけたたましく笑い、後半、"99"をはさんだ"86"と"23"の関係の下ネタの時は、3分くらい笑ってて、こっちもつられて笑ってしまった。コメディを観に行くときは「ゲラ」くらい笑う人が近くにいるといいね。

整形で別人になった"99"をアン・ハサウェイが演じるというのだけでも可笑しい。整形以前の写真が金髪セクシー美女というのも笑えたなぁ。

Odoru2008082 主役のスティーヴ・カレルは、これはもう当たり役といってもいい。テレビ版ドン・アダムスとは違い、イメージが少しやわらかくなり、こちらの方が"スマート"で都会的な感じがいい。彼は、「40歳の童貞男」「リトル・ミス・サンシャイン」テレビドラマ「The Office」「エバン・オールマイティ」「Dan in Real Life」と着実に階段を上ってる感じがあったが、今回の「ゲット スマート」で客を呼べるコメディアンとして大成したのではないか。

スマートの上司チーフにアラン・アーキン、カオスのボスをテレンス・スタンプという名優が演じる。カオスの使えない部下を「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」のケン・ダビティアンが演じてこまかい笑いをとる。エージェントNo.13役で、なんとビル・マーレイもちょこっと出てくる。

役に立たない(?)スパイ道具を開発しているコンビのうちの一人を、TV「HEROES」で大人気となった日本人のマシ・オカが演じる。この映画のスピンオフ企画として彼らが主演の"Get Smart's Bruce and Lloyd Out of Control"が作られたというから人気のほどが伺える。

スティーヴ・カレルの"86"とアン・ハサウェイの"99"で、ぜひ続編も見たいと思った。60年代テレビシリーズへのリスペクトもあり、ほんと楽しめる作品である。個人的には、こーゆー映画が好きな女性と付き合いたいと思える映画だった(笑) ポップコーン片手に劇場でどうぞ!

Get Smart (2008)

110mins

【関連】TVシリーズ 「それ行けスマート」 DVD シーズン1
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/dvd-get-smart--.html

2008-08-19

「ぼくの大切なともだち」 Mon meilleur ami

パトリス・ルコント監督の映画「ぼくの大切なともだち」 "Mon meiller ami / my best friend"である。一時帰国した日本からの復路、ANA機内で鑑賞。

Odoru190808 「鑑賞」と書いたが、まずは鑑賞したとまではいかなかったことを書いておく。
ANAの機内上映は、時々ひどい手抜きがあって、この映画も劇場公開のプリントをそのままテレシネしたもの使っていた。劇場公開時そのままということは、字幕も入ったものを焼いているのである。だから、字幕は(今時)右に縦書きで出る。それはいいのだが、白い背景に白文字の字幕で、まったく読めないのだ。劇場公開時も字幕が読めたのか?と不思議に思えたが、かなりの場面で、背景が明るくて字幕が読めなかったのである。座席前の小さい画面の上に、ヨーロッパ・ビスタサイズで、モニターのコントラストもゆるい。これはきつい。修行僧のように我慢しながら観たのだ。せめて、DVDで発売する時の字幕ヴァージョンを使って欲しい。これは(採用した)ANAが悪いのか、配給先のワイズ・ポリシーが悪いのかはわからないが、映画自体が台無しであったことだけは事実である。

本作はフランス映画で、ぼくはフランス語は、女性を口説くくらいしか出来ないので(←うそ!)半分くらいしか字幕が読めなかった中途半端な鑑賞であったことをまず断って感想を少し。

50代の美術商フランソワ(ダニエル・オートゥイユ)は、誕生日パーティで皆に「君には親友がいない」といわれ困惑する。ビジネスパートナーのカトリーヌ(ジュリー・ガイエ)の挑発もあり、10日以内に親友を連れてくるという賭けをしてしまう。それに失敗したら、20万フランもしたアンティークの壷を手放さなくてならない。フランソワは偶然知り合った、気のいいタクシー運転手ブリュノ(ダニー・ブーン)にどうやったら友達が出来るのか?を相談するのだが…

自分が友達だと思っていた、小学校の同級生に、「君はゴーマンな奴だった!」と言われへこむ主人公。町で、気楽に声をかけ、誰とでも仲良くなろうとするが、皆にシカトされる主人公。50代の男が、急に親友を作ろう!というのも変な話だが、だからコメディになるとパトルス・ルコントは思ったのだろう。話は、こっちが思っていた通り、美術商フランソワと運転手ブリュノの関係が中心になって行き、やがて落語の人情話のようなオチになる。

ちょっとイイ話、といった感じの映画で、50代の人生半ばを過ぎた男たちの哀愁も漂う。

フランソワがタクシー運転手のブリュノに聞く。

「君はどうして、誰とでも友達になれるのか?」

すると、ブリュノはこう答える。

「『誰とでも』とは『誰とも』と同じことなんだ」

彼もまた孤独を抱える男の一人なんである。

友情、裏切り、和解を通して、人と人との関係を描く。字幕がよかったらもっと楽しめたのにな…という映画でした。

ファイナルアンサー?(←映画を観ればわかる)

Mon meiller ami / my best friend (2006)

96mins

2008-08-18

「近距離恋愛」 Made of Honor

Odoru180808 パトリック・デンプシー主演のラブ・コメ映画「近距離恋愛」"Made of Honor" である。一時帰国した日本からの帰路ANA機内で鑑賞。

主演のパトリック・デンプシーはTV「グレイズ・アナトミー」で人気が出て、前作「魔法にかけられて」でメジャーになっていたので、今回主役に抜擢されたのだろう。共演は「M:I:Ⅲ」のミシェル・モナハン。他に、先日亡くなった名監督シドニー・ポラックが主人公のお父さん役で出演している。

邦題は「近距離恋愛」だが、原題は"Made of Honor"。これは「花嫁付添い人」という意味で、女性がやるのが当たり前なのだが、これを男性のパトリック・デンプシーがやるというのでこれだけで大笑いなんである。実際、香港の劇場でこの映画の予告編を観たときに、欧米の客が大爆笑していた。だから、神父さんに「最近は、ゲイの方もよくおやりになるから…」と言われるシーンが際立って面白いのだ。

トム(デンプシー)とハンナ(モナハン)は大学時代から10年来の友人。何でも話が出来るという意味では親友のような仲だ。トムは「モテ男」なので、毎日女をとっかえひっかえするような男。病院を経営するお父さん(ポラック)も6回目の結婚をするような好色家である。ある日、ハンナが仕事でスコットランドへ6週間行くことになり、その間時差もあり連絡できないトムは、自分がハンナを愛していることに気づく。やがてハンナがニューヨークへ帰ってきて、自分の気持ちを伝えるためにハンナに会うと、彼女からスコットランドで出会ったという婚約者(ケヴィン・マクキッド)を紹介され、トムに「花嫁付添い人」(MOH=モー)になってほしいと依頼されるのだった…

Odoru1808082 はっきり云ってこれは1997年の傑作「ベスト・フレンズ・ウェディング」の焼き直しである。この「ベスト~」は、ぼくら映画好きの仲間内では「90年代のベスト・ラブ・コメ」と称される傑作である。だから、それを女性から男性に変えただけで作ってしまった本作は、ぼくには何ら目新しいものもなく、プロットも単純で、(ネタバレだが)ラストも「卒業」みたいになってしまい、ありきたりなハッピー・エンドで、あまり面白みは感じなかった。

もし、この「近距離恋愛」を観てよかったと思った人がいたら、ぜひジュリア・ロバーツ主演の「ベスト・フレンズ・ウェディング」も観て欲しい。きっと気に入ると思うのだが…。

結果、ぼくには予告編だけが大笑いやったという映画でした。

Made of Honor (2008)

101mins

近距離恋愛 [DVD]近距離恋愛 [DVD]

幸せになるための27のドレス<特別編> [DVD] 噂のアゲメンに恋をした! コレクターズ・エディション [DVD] スターダスト スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD] ベガスの恋に勝つルール<完全版> [DVD] 恋するレシピ ~理想のオトコの作り方~ スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

by G-Tools

2008-08-17

「アフタースクール」

Odoru160808 内田けんじ監督/脚本の新作映画「アフタースクール」である。毎度おなじみ機内上映で観た。8月1日から2週間日本へ一時帰国したのだが、往路のANA機内での鑑賞。

アフタースクールとは放課後という意味であるが、この映画では卒業後という意味もあるんだろう。

授業が終わった後、学校の靴箱の前。「木村くん…」といって手紙を差し出す少女。受け取る男子。次のシーンでは、アパートで大きくなったおなかをさすっている女性、その前で朝食を食べる男。あきらかに数年後の木村くんと少女の姿だ。そして彼は女性が新しく買ってくれたという靴を履き、お礼を言ってアパートを後にする。そこから彼はアパートに戻らない。産気づいた彼女を同級生の神野に任せっぱなしにして…

木村はどうもまともなサラリーマンではないらしい。会社へも出社していないようだ。会社の社長は彼を捜すため、いかがわしい店のオーナー兼闇の探偵の男に調査を依頼する。探偵は、木村が卒業した中学の教師をやっている神野の元を尋ねる。自分も同級生だったと偽って…。

こうやって書いていても、パズルのように、断面だけを紹介することになるのだが、この映画の面白さはその一つ一つの場面があたかもジグソーパズルのワンピースのようにちりばめられ、それが最後にぴったりとはまり、なるほどね!と思わせる構成になっているところだ。

ぼくは内田けんじ監督がカンヌをとったという前作「運命じゃない人」は未見だが、この脚本の面白さは只者ではないな。機会があれば前作も観たいと思った。

神野を演じるのは、大泉洋。ぼくは大泉という人は、テレビのヴァラエティでしか見たことがなく、淀みのない話し方をする頭のいい男だな、という印象しかなかったが、この映画では軽妙だが、それだけではない役を上手く演じ、他の一流の役者の中でも決してひけをとってない。多分来年は演技賞取るのではないか?
他の演技陣も、木村に堺雅人、探偵に佐々木蔵之介、それに常磐貴子、田畑智子と30代位のいい役者が揃ってとても良い演技をする。おそらく監督他、スタッフも同年代なんだろう。

こういう映画を観ると、日本映画もこれからまだまだ大丈夫だな、と思わせてくれる。脚本が面白いし、テンポも良いし、演技陣もいい。
今回は、機内上映で、いいものを観せてもらったよ。とても面白かった。

あ、そうそう、エンドロールが終わってから、もう一場面あるからそれまで席を立たない方がよござんすよ。

アフタースクール After School (2008)

104mins

アフタースクール [DVD]
アフタースクール [DVD]
メディアファクトリー 2008-11-28
売り上げランキング : 1034

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
ジャージの二人 [DVD] アフタースクールへようこそ!―映画『アフタースクール』OFFICIAL BOOK (Gakken Mook) CUE DREAM JAM-BOREE 2008 [DVD] 運命じゃない人 [DVD] クライマーズ・ハイ デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]

2008-08-16

「崖の上のポニョ」

Odoru160808 宮崎駿監督の新作映画「崖の上のポニョ」へ子供たちと行く。
日本へ一時帰国して、田舎へ帰省した時に観たのだが、友人から「えらい流行っとるで」と言われ慣れない携帯電話でチケット予約をして行った。日本は今、何でも携帯で出来るんですな。浦島太郎状態だった(笑)

観終わって、「CG使ってないけど、水の場面がとても綺麗でCGっぽくて凄かった」と娘(小5)が一丁前なことをいう。息子(高1)は「観なきゃよかった。『ダークナイト』にすればよかった」と言った。なるほどこれは幼い子供向けの映画だからな。息子は「何をいいたいのかよくわからない」と云う。娘は「ポニョがかわいくて、面白かった」と満足気だ。

「人魚姫」をベースにしたこの物語は、海の底で暮らす魔法使い一家の魚ポニョが、崖の上の家に住む男の子宗介と出会うところから始まる。緑色のバケツにポニョを入れて守ろうとする宗介が本当にかわいい。彼は崖の上の小さな家で、老人ホームで働く母親と二人で暮らしている。父親は船乗りなので、普段は家にいない。ぼくは、この勝ち気な母親・リサは「となりのトトロ」の五月が大人になった姿に見えて仕方がなかった。
ポニョは、宗介に会いたくて、崖の上の家に戻ってくる。人間の血を舐めたお陰で足も生えてくる。海が荒れて、小さな町は崖の上だけが残る。後は海の底になる。海には古代の魚がうようよと泳いでる。古代ヘボン期の海に戻ったかのように…。

人類の祖先は猿だというが、その前は魚だった。海にしか生物はいなかった。天敵があまりに多く弱い種類の魚たちは、敵のいない陸へ上がろうとした。何世代にも渡り自らを品種改良することにより、ついに地上でも生息できる生物に進化したのだ。
宮崎駿監督がポニョに託した"希望"は、そんな新しい命。わがままなまでに諦めない気持ち。そして宗介に託したものは陸に暮らす人間としての責任ではないかと思う。
人類が犯した自然を破壊し続けたという罪。「もののけ姫」の"絶望"から、海の再生を通して、改めて共生することの重要さを訴え、子供たちの未来へ期待を寄せる。

日本で、いや世界中でヒットするであろうこの映画の素晴らしいメッセージを、小さな子供たちはどう受け止めてくれるだろう。ただの不思議な感じのファンタジーとしてとらえてもいい。そこで何かを感じ、いつの日かその意味がわかる時がくればいいのだ。

おそらく中学生以上の男子はつまらなく感じる映画だろう。息子も「後半もう一回何かが起きると思ったら何もなくって盛り上がりにかけた」と話していた。淡々と進んでいく童話のような物語が少し退屈に思えたのかもしれない。

映画というものの評価は、評論家は、良い映画か悪い映画かという点で評価するが、一般の観客は、好きか嫌いかという判断をしがちである。あとは面白いか面白くないかというところ。そういう意味では、この映画の一般の評価は辛いところがあるだろう。一観客として、ぼくも息子の意見はもっともだと思うし、上映時間も、(幼い子向けとしては)ちと長いかなと感じた。

映像的には、ここで描かれた海は本当に美しい。作り手が、海とはどういうものかを知っているからあんな大胆なデフォルメで描くことが出来たのだろう。(子供たちを海に連れて行けなかったので、父親としては今年の夏はこの映画の「海」で勘弁してもらおうかと思ってるのであった・苦笑)

ぼくは宮崎駿監督の絵の「色」がとても好きで、今回も見惚れてしまった。日本的な色彩感覚で、原色をあまり多様しないのがいい。たまたまこの映画を観る前日、チャン・イーモウ演出の北京オリンピック開会式を見て、その中国人の原色を多用した色彩感覚が目に痛いな(←地上波デジタルというのもある。あれは目に悪くないか?)と思ったので、余計にそう感じたのかもしれない。

それにしても…あの「ポニョ〜ポニョポニョさかなのこ♪」という歌は耳に残りますな。娘がずーーーーっと歌ってるので、こっちもソラで歌えるようになった。おっさんが歌うとかわいくない(笑)けどね。

「宗介んとこイクー!」

崖の上のポニョ Ponyo on the Cliff by the Sea (2008)

101mins

崖の上のポニョ [DVD] 崖の上のポニョ [DVD]

ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント  2009-07-03
売り上げランキング : 63
おすすめ平均 

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

2008-08-15

「ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発」

Odoru150808 河崎実監督の新作映画「ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発」である。
ぼくは日本に仕事と夏休みを兼ねて一時帰国をしていたのだが、8月のえらく暑い日、仕事の予定で次のミーティングまで時間があったので、本屋で「ぴあ」を見たら、この映画が時間的にドンピシャだったので、銀座シネパトスへ行ったのだった。
久しぶりだったので、場所がよくわからず東銀座駅から松竹の方へ歩いていってしまったのだが、松竹では今年40周年の「男はつらいよ」全作の連続上映をしていた。ニュープリントなのでこれも観たかったが、時間が合わず諦めたのだ。

ひさしぶりに銀座シネパトスへ行ったが、なんか椅子がよくなった感じ。最近、香港のキレイなシネコンへ行き慣れてしまったためか、昔ながらの「映画館」という雰囲気を残すこの劇場は懐かしさを覚える。なので、売店で瓶のコーラを買った。ペットボトルではなくって瓶の奴。なんか、昔を思い出したので、それを飲みながら観たかったのである。

ぼくが瓶のコーラにこだわったのは、自分の中で、「あ、この時間はぼくだけの夏休みだな」と思ったからだ。ぼくが「宇宙大怪獣ギララ」('67)を観たのは小学校2、3年の頃。この時代は、夏休みというと怪獣映画が来て、ぼくの住んでた田舎の映画館も子供たちでいっぱいになったものだ。怪獣映画を観に行くときはいつも友達数人と新聞の折込に入ってる割引券を持って朝から並んで観たものだ。お金がないので、お昼も我慢して、夕方まで何度も何度も観て家に帰ったのを思い出す。

映画が始まる。札幌に宇宙から何かが飛来してギララが登場。タイトルバックが昔の怪獣映画そのままに、出演者の名前が赤字でやたら大きいのがいい。泣かせるのは、ギララの出演シーンは、「宇宙大怪獣ギララ」から持ってきているところ。壊されるビルなどは60年代そのものだ。
先進国首脳会議 G8 が開かれている北海道・洞爺湖に「怪獣現る」の知らせが。日本の伊部首相は安全のため、各国首脳に帰国を促すが、「せっかく先進国首脳が集まっているのだから皆で怪獣を退治すべきだ」との考えから、各国は独自の作戦でギララをやっつけようとする。しかし、作戦はことごとく失敗し、地球の危機回避は、洞爺湖の小さな神社に祭られているタケ魔人に委ねられることとなる…

先進国の首脳を皮肉る、というより小馬鹿(笑)にして、笑いをとる。伊部首相(福本ヒデ)はいつもお腹が痛いといって中座するし、フランスの大統領は新婚なのに通訳の女を口説いている。ロシアの大統領は、ギララを毒殺すると言って、皆に「やはり元KGBは君が殺したのか!」と言わせたり… これはある意味、今年出品が決まったヴェネチア国際映画祭で案外受けるかもしんない、と思ったよ(笑)

主役は、女性記者(加藤夏希)と男性カメラマン(加藤和樹)。二人が取材を通して、タケ魔人(ビートたけし)のことを知っていくという構成になっている。このサミット取材中の新聞社が「東スポ」というのがいい。実際に東京スポーツ【映画号外】(7/26)で、”洞爺湖に怪獣出現!本紙カメラマン決死のスクープ写真撮った!”という号外を友人にもらったのだが映画を観ると笑える代物だ。

劇中、ギララ出現を受けてテレビのインタビュウに答えるのが、みうらじゅん、リリーフランキー、水野晴郎である。みうらじゅん氏は、「ギララ出た?個人的にはバランがよかったな」とか言うし、水野先生は「シベ超」のTシャツ着て、「いやぁ、ギララって本当に怖いですねぇ」と話してくれて、これが映画出演遺作となり泣かせる。「危機一発」という言葉は水野先生が007公開時に作った言葉なんだよな、と思い出した(←本当は、"危機一髪")

地球防衛軍役に夏木陽介、黒部進、古谷敏、それに中田博久、和崎俊哉など怪獣映画、ウルトラマン、キャプテンウルトラ等に出演した面々が出演してるのが嬉しい。

というわけで、大人が楽しめる怪獣映画。というより大人じゃないと楽しめない怪獣映画。河崎実監督が「本気を出した」というだけあって、チープながら、最後まで怪獣映画のテイストを残し、楽しませてもらった。

おっさん世代が昔を懐かしんで、「大人の夏休み」と洒落込んで観るにはいい映画と思う。

帰りがけ、800円もするパンフレットを買ったのだが、これが昔のソノシート・ジャケットのようで、中にソノシート風のうちわが入ってた(笑)。子供の頃なら、こんなくだらないものにお金を使うな!と親に叱られたろうなと思った。中に映画公開記念グッズの写真があり、ギララ・タケ魔人のK18ゴールドブローチ&ペンダント各¥89,250、タケ魔人・スーパーリアル仏像¥102,900と、一体誰がお買いになるのだろうか?と興味をそそられる代物がいっぱい。こんなの買ったらまた親に叱られるだろう。てゆーか、今なら子供に呆れられるよな(笑)

ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発
The Monster X Strikes Back / Attack the G8 Summit (2008)

98mins

ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発 [DVD]ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発 [DVD]

宇宙大怪獣ギララ [DVD] 深海獣レイゴー [DVD] 猫ラーメン大将 特別版(2枚組) [DVD] 髪がかり [DVD] 恋極星‾ナビゲートDVD‾

by G-Tools

2008-08-11

「ダークナイト」について

Odoru110809 日本でも2008年 8月9日から公開になった「ダークナイト」"The Dark Knight"だが、ぼくはこれは10年に一本出会えるかどうかの傑作だと思っている。
おそらく「ブレードランナー」のように何十年にも渡り解説書や検証本が出続けるような映画であるだろう。語るに足りるとはこういう映画をいうのだ。

香港で初日(7/17)に観てから、随分時間がたつが、未だ余韻が残っている。まるで芳醇な素晴らしい高級ワインを味わった時のような、いつまでも残る余韻に似ている。
本作はただ単にアメリカのDCコミックの実写化というのみならず、多分に哲学的でもあるのだ。それが為に色々と考えを巡らせてくれるというわけだ。

(以下ネタバレあり)

この映画の主人公は、バットマンと適役ジョーカーであるが、もう一人主役級の扱いになるキャラクターがいる。それが検察のエリート、ハーベイ・デントだ。
10年に1人いるかいないかという秀才で、ゴッサムシティの浄化に貢献する立役者でもある。彼はいつもコインを持ち歩き、コイントスをする。表ならグッド、裏ならバッドと。後にわかるのだが、実はそのコインは両面とも表なのである。つまり彼は表も裏もなく、常に「グッド」な正しい人なのだ。

そんな正義を絵に描いたような男が、愛した女性レイチェルを殺されたことで、”純粋悪”であるジョーカーにそそのかされ、曲がった形で復讐をしようとする。つまり、憎しみを抱いた人間が、その憎しみをはらすことが「正義」だと考えるようになるのである。その時点で彼の顔は半分ガソリンを浴び火をつけられたために、焼けて骨も目も剥き出しの顔になっている。ハンサムな金髪のエリートが、正視できないような顔になり復讐鬼と化す。つまり半分は正義で、半分は剥き出しの感情を顔面(Two Face)で表現しているのだ。

ぼくはこの「憎しみの感情」を抱いたまま正義面をするキャラの意図するものは、今のアメリカそのものではないか?と思うのだ(クリストファー・ノーランはあえてこのキャラを使ったのではないか?)。9.11のテロで受けた憎しみの感情のまま戦争へ突入したが、それが果たして「正義」だったのか?という疑問符をアメリカの心ある人々が薄々感じ始めているという現在の心境が、あの正視できない顔に表現されているのではないか?

「憎しみの感情」は 決して「正義」ではない。その復讐の手から、罪もない子供を救うために、デントを殺さねばならなかったバットマン。彼が「自分は決してヒーローではない」 といって去って行く姿に「闇の騎士(ダークナイト)」にならざるを得なかった苦悩を感じ、本当の意味での「正義とは?」をまた考えさせられたのである。

エンタテインメント映画でも上質なものは、こんな哲学的な示唆がある。だからぼくはこの映画を傑作と呼ぶのである。再度言いたい、「見逃すべからず」と。

The Dark Knight (2008)

【関連】
「ダークナイト」The Dark Knight
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/the_dark_knight_8f00.html

« 2008年7月 | トップページ | 2008年9月 »

2017年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ