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2008年6月

2008-06-30

「デフェネトリー、メイビー」(原題)DVD definitely, maybe

映画「ラブ・アクチュアリー」「ブリジット・ジョーンズの日記」の製作陣が送るラブ・コメディ「デフェネトリー、メイビー」"definitely, maybe"をDVDで観た。日本での公開がいつなのかわからないので原題のまま記すが、ちょっとわかりにくい題名である。邦題は何になるんだろう?

先日シンガポールからの帰路、機内で「ジャンパー」を見てとっても不快な気分になったので、口直しと思いこのラブコメを見始めたら意外にハマってしまったのだが、着陸準備のため映画の途中で止めなければならないはめになり、香港へ戻りHMVでDVDを買って来て続きを観たのでした。つまりそのくらい面白かったのだ。

結婚した人の約4割が離婚する現代、子供と別居してる父ウィルにとって、火曜日と金曜日は特別な日。その日は10歳の娘マーヤを学校に迎えに行けるのだ。その日もお気に入りのプレイリストの曲を聴きながら学校へ行くと、他の保護者たちが騒いでる。「なんで突然性教育の授業をしたんだ!」と。自分の娘もご多分にもれず「私はアクシデントで生まれた子なの?」と聞いてくる始末。「違うよ」と否定するうちに、父は娘のベッドで、過去愛した3人の女性の事を語り始める…

父親が娘に語りかけるという手法をとりながら、3人の内誰が一体母親なのか?という興味を持たせる展開が面白い。パパの"ラブ・ストーリー・ミステリー"の結末はいかに?

ラブコメをおっさんのぼくが褒めるのもなんだかな、と思うが、この映画を薦める理由は、大概のラブコメは女性が主人公なんだけど、これは30代半ばの普通の男が主人公なんである。娘に「パパは幸せそうじゃないから、幸せになんなきゃ」と言われ、背中を押される。まだ絶対(definitely)遅くはないよ。そして、たぶん(maybe)ハッピー・エンディングがあるよ、と

娘を演じるのは、「リトル・ミス・サンシャイン」の眼鏡かけて太ってたアビゲイル・ブレスリン。パパの恋愛談を聞くうちに、結果的にセラピストのような役割になっていく過程が面白い。

父親の話は、1992年から始まるのだが、ウィスコンシン州からニューヨークに来たのが、ビル・クリントンの選挙事務所で働くためという設定が笑える。クリントンが選挙に勝ち、大統領となりモニカ嬢と「不適切な関係」となり、といった具合に現実にあった事と同時進行していくのでその辺りも面白いのだ。

主役のライアン・レイノルズは、なんとも憎めない30代男を好演。エリザベス・バンクス、レイチェル・ワイズ、アイラ・フィッシャーの3人が昔の恋人として登場。
舞台がクリントン事務所なので、民主党のリベラルな奴らの会話が面白い。恋人もインテリなので会話が洒落てていい(脚本・監督アダム・ブルックス)。レイチェル・ワイズが唄う「アイヴ・ガット・ア・クラッシュ・オン・ユー」もムウドがあって好し。

機内で観たときも既に日本語吹替になっており、今回ぼくが香港で買ったDVDも日本語吹替・字幕がついていた(←パッケージには表記なし)。もう既に公開・販売する準備は出来ているのだ。主役が男性ということで、日本ではウケないかも知れないので配給会社は二の足を踏んでるのかな?と思う。一種の中年クライシスのコメディなのだが、ラブコメは若い女性がターゲットだから、男が主人公だと宣伝もし辛いのかも知れない。映画としての出来は結構良いので、何とかなんないかなと思ってるのだが。

definitely, maybe (2007)

Dolby 5.1 surround
2.35: 1 Aspect Ratio
111mins
Region 3

Definitely, Maybe (Widescreen)
Definitely, Maybe (Widescreen)Florian Ballhaus

Universal Studios 2008-06-24
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2008-06-28

「ウォンテッド」 WANTED

Odoru062708 映画「ウォンテッド」"WANTED"を観てきた。面白かったぞ!これは。
香港でも6月27日アメリカと同時公開になり、初日に行ってきた。予告編を見て面白そうと思っていたが、予想以上の出来の良さだった。

物語を簡単に書くと、上司(太った女性)に小馬鹿にされ、彼女も同僚にヤラれちまってるという、ヘタレなサラリーマンが、自分の父親が"正義の"暗殺団員だったことを告げられ、その組織で鍛えられ、殺された父親の復讐を遂げようとするが… というもの。

プレッシャーに弱くいつも心臓がドックドックなっちゃって、精神安定剤が手放せない男のところへ、突然やってくるアンジェリーナ・ジョリー。「あなた、謝りすぎよ」と言われて、また「すみません」という男。そこから、いきなりスーパーマーケットでの銃撃戦→カーチェイスとスパートするんだけど、こっちの心臓もドックドックなっちゃう凄さだ!

いきなり拉致られる気の弱い男。それから6週間で、彼の人生は様変わりするのだが、組織のボス、モーガン・フリーマンのアジトである機織工場で鍛えられるシーンも面白い。
肉がぶら下がったところで、太った肉屋に包丁で切られる。椅子に縛られてボコボコにされる、アンジェリーナ・ジョリーにもいたぶられる。見てて痛いが、ロシア人が管理する石の風呂に入ると回復するのだ。そして元気になったら、またいじめられる主人公…。

だんだん男らしくなり、強くなっていく様が、格闘家を育てる日本のスポーツ根性ものみたいである。インドアだけでなく、ニューヨークの地下鉄の上でも戦わされ、またケガをして風呂に入る主人公。

ホント漫画だなぁ、と思って見てたら、これってコミック・ノベルが原作なんだってね。それで、納得。撃った弾と弾が当たってグシャっとなったりするシーンなど絵的にとっても面白いのだ。振り回すようにして銃を撃つと、弾丸がカーブして当たったりするんだもの。

Odoru2706082 彼女を寝取った同僚を、パソコンのキーボードで主人公がぶん殴ると、ボードのキーがスローモーションで空中に舞い、「F」「U」「C」「K」 「Y」「O」…で最後の単語が同僚の抜けた歯で「U」となるなど、ユーモアもたっぷりで笑える。

アンジェリーナ・ジョリーは、「トゥームレイダー」の頃と違い、お姉さま、というか女王様の貫禄で、若いあんちゃんを鍛えに鍛えていく。腕と背中にタトゥーを入れ、銃をぶっ放す。このかっこよさと色っぽさは、ファンにはたまらんもんがあると思う(笑) ボンテージで、地下鉄の屋根にぺタッと張り付いたように寝るシーンは、ホントセクシーだったよ。

また新しい、面白い映画が出てきたなぁ、って感じ。VFXも凄くって、スローモーションを多用する映像も見るものを飽きさせない。1時間50分があっという間だった。ソビエト生まれの監督のティムール・ベクマンベドフは強烈なハリウッド・デビューを飾ったと思う。主役のジェームズ・マカヴォイはどっかで見たっけなぁ、と思ったら 「つぐない」に出てたんだな。その前は「ナルニア国物語」で胴体は人間だが身体は鹿という役をやってた。脇役でテレンス・スタンプが出てるのも嬉しい。

気が弱い男が、じつは才能があって強くなる話って、男は弱いからね。日本でも受けると思うよ。それに鍛えるのがアンジェリーナ・ジョリーで名前がFOX(きつね)だかんね(笑)

予告編であった以上に見せ場があって面白いよ(特に後半)。もう難しいことを考えずに、ポップコーンを食べながら楽しめる映画だ。面白かった!Jolieee Good!

WANTED (2008)

110mins

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2008-06-24

「ハプニング」 The Happening

Odoru240608 M・ナイト・シャマラン監督の新作映画「ハプニング」"The Happening"へ行った。
アメリカでの評価は今一つだったので、どうかな?と思ったが、期待通り?大したことなかったな(苦笑)。

ナイト・シャマランという「冠」がなければ、興行的な価値もなく、凡作として処理されていたと思う。せっかく監督の名で客を呼べるのに、このところ一作毎に評判を落としている感じでもったいないなと思う。
ま、企業でも人でも「成功体験」があると中々冒険が出来なくなってしまい、変わることが出来ない。ナイト・シャマランもあの「シックス・センス」という大大成功があったので、そこから抜け出せないでいるのかも知れないね。ちと残念。

(以下ネタバレあり)

ニューヨーク、セントラルパークを風が吹いて行く。ベンチに座った若い女性二人。一人は本を読んでいる。もう一人が遠くで悲鳴を聞き、何かおかしいな?と感じ、公園の周りの人々の動きが突然止まった時、本を読んでいた女性は何度も何度も「えっと、どこ読んでたっけ?」と尋ね、ハシのような髪留めを抜き、自分の首へ突き刺す…。工事現場では、ビルの屋上から、労働者たちが次々に身を投げる。まるでゾンビにでもなったかのように…。
その頃、フィラデルフィアの理科の先生であるエリオット(マーク・ウォールバーグ)は、授業で最近科学的理由がわからないが、ミツバチが姿を消していると話していた。そこへ教師の緊急召集があり、校長からセントラル・パークでテロリストのガス攻撃があったので、子供たちをすぐ帰宅させるようにと指示が出る。
家に帰ったエリオットも、妻(ズーイー・デジャネル)と、同僚の数学教師(ジョン・レグイザモ)と娘と一緒に列車に乗って安全な地へと脱出を計るが、車内の客の携帯電話の映像では、その方角の人々も被害にあっていることがわかる。途中で列車を降ろされてしまったエリオットたちは、より安全な地帯を捜してさまよい始めるのだった…

上映時間91分の本作だが、えらーく長く感じてしまった。主人公たちは、どこへ逃げて良いかもわからず歩き始める。そこで出会う様々な人と情報交換して、どの方角へ行くべきかを手探りで捜していくが、徐々に人が減って行き、田舎へ田舎へと行き最後に行きついた一軒の古い家で、また怖い体験をする羽目になる。

その家で主人公たちが一晩泊めてもらうところがこの映画の一番怖いところで、ここだけクリープ・ショウとなる。TVもラジオもない田舎の家で一人で住んでいる老婆(ベティ・バックリー)が不気味だ。

それまでは、なんで人々がバタバタと死んでいくのかがわからないまま主人公たちは、自然の中をただ走る、逃げるで、不思議なのは、死体が転がってるのが見えるという近距離にいるというのに主人公たちは"その病気"に感染しないのだ。

ぼくが凡作と書いたのは、最後までこの現象は何だったのかの説明がないからなのだ。
結論めいたものとして、テレビでの科学者の私見として「結局自然現象はわからんつーことですわ。これは世界に対する警告だよ、警告、あっはっは」じゃぁね。

結論を観客に委ねて考えさせるだけの材料も与えてくれないので、余計に消化不良が起こるのである。新人監督ならまだしも、もうベテランになっているナイト・シャマラン監督なのでもっと不満に思うのかも知れない。

そういう意味で、ぼくには「ハプニング」はノー・ハプニングでした。

The Happening (2008)

91mins

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2008-06-18

「ロスト・ジャーナル・オブ・インディ・ジョーンズ」 THE LOST JOURNAL OF INDIANA JONES (インディの"失われた"日記)

緊急発刊!である。「これは、ヘンリー"インディアナ"ジョーンズJR博士が、1957年に南米で紛失し、その後ソビエト軍により発見され、長らくKGBにより保管されていた日記である。ロシア連邦諜報機関の所有する貴重品の中でも最も価値のあるものだ。この中には、ジョーンズ博士が少年時代に出会った"アラビアのロレンス"や"ルーズベルト大統領"のことや、成人してからの残忍なカルトやナチ、クリスタル・スカルの王国での冒険など、1908年から1957年までの約50年間の記録が記されている。ジョーンズ博士のスナップ写真、スケッチ、新聞記事、博士の解説、個人的なメモも記されており、これは20世紀の最も驚きに満ちた冒険の記録なのである」

うーむ、興奮したなぁ、この本をシンガポールの紀伊国屋で"発見!"したときは。
赤いゴム付き革張り(イミテーション)のノートの中身は、過去ジョーンズ博士が常に持ち歩き描き続けた日記である。幼少時代の初めての冒険から、クリスタル・スカルのスケッチまで、手描きならではの味わいのある絵と解説で、まるで本当の考古学者の手帳を見てるように楽しめる「偽・日記」なのだ。ルーカスフィルム・リミテッドにまたやられた、って感じ。これは買ってよかった。インディ・ファンなら絶対に楽しめまっせ!

Odoru1806085 欧米の国へ行くと、このようにゴムがついてる白紙のダイアリー帳というかノートをよく売っている。その使い方は自由で、スケッチブックにしてもいいし、日記にしてもいい。この「インディの日記」が泣かせるのは、TVシリーズ「アドベンチャー・オブ・ヤング・インディ・ジョーンズ」の第一回目で、父ヘンリーが息子(インディ)に「これからお前が見たこと、感じたことを記していきなさい」と言って渡すダイアリー帳によく似ているところなのだ。

つまりこれは、父に言われたインディがその生涯の冒険を綴った記録といっていい。そういうものを本にしようというところが面白いではないか。しかも南米ペルーでロシア人が拾ったというのもニヤリとさせるしね。手描きならではのインクのしみや汚れ、セロテープの古さ加減、わざと破ったページなど、今ではコンピュータでいくらでも描けるのだろうが、そのこだわった編集の仕方がファンには嬉しい。もうこれは、どんなに褒めても実際に手にとって見てもらうのが一番である(一番上の本の写真をクリックするとAmazon.com で少しだが写真が見れる)。日本での出版はどうなのか?わからないが、洋書屋さんで一辺見てみておくんなはれ!

というわけで、日本では先行上映も始まり、いよいよ公開(2008年6月21日)が迫った傑作娯楽映画「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」。聞くところによると、この映画のパンフレットは凄いらしい。TVシリーズ時からインディのおそらく日本では初めての詳細なエンサイクロペディアが載っているようだ(ヘンリー"インディアナ"ジョーンズJRの履歴書)。これを読んで、この本を見るともっと楽しめると思うよ。

では、皆さん19年振りの「インディ・ジョーンズ」を楽しまれんことを!

"The Lost Journal of Indiana Jones"  by  Henry Jones Jr. 

Publisher: Pocket (May 6, 2008) 
Price: US$25.00

【関連】

「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/indiana_jones_a_b93d.html

「インディ・ジョーンズ・トリロジー」http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/dvd_the_trilogy_4810.html

2008-06-17

「ジャンパー」 Jumper

ヘイデン・クリステンセン主演の「ジャンバー」"Jumper" をシンガポールからの帰路、機内上映で見た。シンガポール航空は、映画だけで80本もあり選ぶのに迷うほどだが、往路に「ヒトラーの贋札」というアート系のドラマを見たので、帰りは軽いものがいいと思いこれにした。が、はっきり言って見なきゃよかったよ、なんじゃこれは!?

彼女(レイチェル・ビルソン)にあげたスノーボールを拾おうとして、氷の張った池に落ちてし まったディビッド(クリステンセン)は、もがき苦しむうち公立図書館にテレポートしてしまう。そOdoru170608_4 れ以来この特殊な能力を使い、彼はありとあらゆるところへジャンプするようになる。銀行へ行き金を盗み、その金で家を出てニューヨークへ住む。毎日優雅に遊び、例えばサーフィンをして、その後スフィンクスの頭のてっぺんで日向ぼっこをしたり。だが、ある日その能力を知っている組織が彼を殺そうと追っていることを知る。彼はもう一人のジャンパー(ジェイミー・ベル)と共に戦いを挑むのだった…

主人公は、もーともかくやりたい放題。盗んだ金で、どこへでもジャンプして遊んでる。長年憧れてた彼女をローマへファーストクラスで連れていき、コロッセオに観光に行くが閉館時間だと言われるとキレて、ジャンプして鍵を開け彼女を入れてやる。中では追っ手と格闘になり、大切な世界遺産を壊しちゃうんだよな。イタリア警察に捕まるがすぐに逃げるし、もう一人のジャンパー(←こいつもあんま頭よくない)とも東京にきて渋谷やお台場で喧嘩するし、もうわがままし放題なのが見てて不快になったよ。だから、追っ手のサミュエル・L・ジャクソンの「いつまでもこのまんまでいられると思ったか?報いを受けるのは当たり前だ」という言葉の方が当たってると思っちゃうんだよな。もちろん、報いが殺しというのは?ではあるけど。

若い人たちは、こんな能力があれば、あんなことも出来るこんなことも出来るとドラえもんみたいに想像して、いいなぁ、と思うかもしれない。映画は夢なのでそういう楽しみ方もいい。だが、絵的に面白いからと言って、世界遺産を傷つけたりするのはどうかと思う。それに、主人公は冒頭、ニュースで家ごと流されそうになっている画面を見ても何も行動を起こさない。こんな能力があればそういったいいことにも使えばいいのに。そーゆーところもあった方が少しは好感が持てたのにな。主人公は、5歳で母親が失踪し父親と荒れた生活をしていたとか同情する設定でもあるが、大人の観客からみるとやはり自分勝手が過ぎると思うのだ。

かのダース・ベイダーを演じたクリステンセンである。彼はその後もダーク・サイドから抜け出せていないのだな(笑)。それとも、これは世界中を我が物顔で闊歩 するアメリカという国を風刺しているのか?もし製作者の意図がそうならこの不快さも一定の理解は出来る。もしそうでないなら、"Jumper 2" も企画されているみたいだが、もうぼくは見るつもりはないのであしからず。

Jumper (2008)

88mins

2008-06-16

「ヒトラーの贋札」 Die Fälscher (The Counterfeiters)

Odoru150608 シンガポール行きの機内上映で「ヒトラーの贋札」"Die Fälscher" を観た。日本では既に公開が終わってる(2008年1月)が、香港では5月末に始まり、「行こうかな」と思ってたのでちょっと得した気分であった。

今年のアカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞したオーストリア映画。英語題名は"The Counterfeiters" つまり「偽造者たち」という意味。欧米の評論家には凄く高い評価を受けているので期待して観たのだった。

物語は、第二次大戦後、とある男がモンテカルロへやってくるところから始まる。泊まったホテルのセーフティボックスへ大量の現金を入れ、背広を新調し、カジノへ行き、粋な女とベッドを共にする。すると女がこう叫ぶ「あなた、ユダヤ人なのね!」。世界的に名を馳せていた贋作師サリー(カール・マルコヴィクス)は、戦中ナチの収容所へ投獄される。そこでは、有能な印刷工や美術学校生などが集められ、完璧な偽物のイギリスのポンド札作りを命ぜられる。収容所内の他のユダヤ人とは破格の待遇で偽札作りに励む男たち。だが、やがて自分たちがナチに手を貸していることにジレンマを感じて行く…

自分は技能を持っているために、ふかふかのベッドに寝られるが、家族は収容所で明日をも知れぬ思いで暮らしている。偽造用の見本で運ばれて来たパスポートの中に、アウシュビッツにいる自分の娘のものがあるという過酷な現実を突きつけられ男たちはもがき苦しむ。主人公のサリーも同じ収容所内の友人とその家族のために自分の持てる力を最大限に使うが、現実は残酷な仕打ちをするのだ。

イギリス経済を混乱に陥れるために、実際に行われたこの「ベルンハルト作戦」をユダヤ人当事者の目から、その舞台裏を描いた本作は、見応えのする映画であった。ぼくは、この歴史的事実を知らなかったので、余計に興味深かった。というか、知らない人の方が多いのではないかな?そういう意味では現代史の勉強になると思う。

欧米の批評家のウケがいいのもよくわかる。彼らの中にはユダヤの人も多いのだろうし…。この作品は、ナチの残虐性一本やりでもなく、収容所内のユダヤ人の正義だけでもなく、両サイドの人間による骨太のドラマであった。
役者も、主演のカール・カルゴヴィクスなどドクロを連想させるが、たたずまいもよくうまいし、他の出演者も同様だ。撮影も、一種独特のドキュメンタリー・タッチのような映像で(突然ズームがかかる)、音楽もハーモニカとギターの音色がせつなく響き、一級品の映画だと思った。

惜しむらくは、飛行機の中で観たこと。これは、劇場でみるべきやったな、と少し後悔した。せわしなく食事をしつつ、キャビンアテンダントに「ビール・プリーズ」とか言いながら、英語字幕を追っかけるのはちょっとね(笑)
こういう一種アート系は、騒がしい機内では不向きだな、と思った次第。

Die Fälscher  (2007)
The Counterfeiters

99mins

2008-06-14

「インクレディブル・ハルク」 THE INCREDIBLE HULK

Odoru130608 香港でも公開になった映画「インクレディブル・ハルク」"The Incredible Hulk" へ行く。6月12日から公開になったのだが、同じ日にM・ナイト・シャマランの新作「ハプニング」"The Happening" も始まり、どっちにしようかと迷ったが結局こっちにした。ナイト・シャマランのは評判が今イチで、こっちは前回のアン・リー版「ハルク」('03)と比べるとかなり良いらしく”「バットマン・ビギンズ」のように蘇った「ハルク」”と評判がよかったからだ。

ぼくはそのアン・リー版は、じつは観ていない。公開当時のあまりの評判の悪さに腰が引けたのだ。ま、その失敗が、アン・リーにとっては次の「ブロークバック・マウンテン」の高いモチベーションへ繋がったのだから、それはそれでよかったのかもしれない。やっぱ、マーベル・コミックに対する「愛」はアメリカ人じゃないとわからない部分もあったのだろうと思っている。

(以下、めちゃめちゃネタバレあり)

で、今回の「ハルク」だが、はっきり言って面白かった。ぼくのように「超人ハルク」のことをよくしらないおっさんでも。
Odoru1306082 IMDBによると、主演のエドワード・ノートンは脚本を読んでから、自ら書き直しを行ったという。冒頭のタイトル・バックで、軍事施設でハルクとなったブルース・バナー(ノートン)が彼女であるベティ(リブ・タイラー)を傷つけ、別れなければならなくなった理由が短いショットの積み重ねで明らかにされる。これも、ノートンが「観客は既にどうやってハルクになったのかを知っているので」と考え、映画は最初から逃亡先のブラジルでスタートしいきなりスパートするのだ。

ブルースは、興奮して心拍数が200を超えると目が緑色に変わりハルクに変身してしまう。自分の感情を何とかコントロールしたいために教えを乞うブラジルの道場主を、あんとあのヒクソン・グレーシーが演じている!(日本では、船木戦の前にもさんざん見せた、お腹をへこませる呼吸法を見せながら教えを説くが、香港の観客は、おそらく初めて見たのだろう、劇場内に感嘆の声が聞こえた)。

ベティとブルースの関係、それを知りながら、ハルクの力を軍事目的に使いたいベティの父サンダーボルト将軍(ウィリアム・ハート)。職業軍人のプロ中のプロで、自らの肉体をハルクのように改造してでも闘いを挑むブロンスキー(ティム・ロス)。ラスト、ニューヨークのアポロ・シアター前の闘いは、ハルクの肉体的な痛みと精神的な痛みが両方伝わって来る「名勝負!」だった。

最後の最後に、えっ!?という出演者がいる。…それは、「アイアンマン」のトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)だ!同じマーベル・コミックのからみと、監督のルイ・レテリエ(「トランスポーター」)が「アイアンマン」の監督をしたかったということで実現したカメオ出演のようだ。アメリカや香港では、「アイアンマン」(←超面白い)は既に公開されているので、ウケてたよ。日本では、「インクレディブル・ハルク」の方が公開が先なので、ちょっと残念ですな。

おびえたような表情で、ハルクになることを恐れるブルースを演じるエドワード・ノートンがいい。上でも書いたように脚本も書き直した位だから、その入れ込みようがわかるだろう。だから、本作はエドワード・ノートン版「ハルク」と呼ばれることになるでしょうな。

ベッドで結ばれそうになったブルースとベティだが、興奮すると心拍数が上がるのでセックスできないという場面が一番ブルース(ハルク)の苦悩を感じたよ!てなわけで、ハルク・ファン(←ホーガンではない)、コミック・ファン、格闘技ファンにもお薦めの今回の「ハルク」でした。

【関連】「アイアンマン」Iron Man ↓
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/iron_man_7f68.html

THE INCREDIBLE HULK (2008)

113mins

2008-06-10

「冒険者たち」 DVD 40周年アニバーサリー・エディション プレミアム Les Aventuriers

冒険者たち 40周年アニヴァーサリーエディション・プレミアム [DVD]

アラン・ドロンで続けます。映画「冒険者たち」"Les Aventuriers"はおそらく日本の中年以上の年齢の人にはたまらなく懐かしいフランス映画の一本ではなかろうか。

この40周年記念盤DVDは、昨年('07)発売されたもの。何度目かのリリースだが、レストアされた美しい映像、ドロン=野沢那智の吹替えもついている、まさに現時点での完全版である。

ぼくが初めてこの映画を観たのは、70年代(毎度おなじみ)TBS系「月曜ロードショー」だった。解説の荻昌弘さんが「これは映像の"詩"です」と話していたと記憶している。

Odoru10060834_2 凱旋門の下を小型飛行機で通過したら25万フラン貰えるという話に乗ったマヌー(ドロン)。だが、その話はでっちあげで、あげく免許も停止される。エンジン作りに精を出すローラン(リノ・ヴァンチュラ)は、テストでエンジンが燃え失敗する。鉄の芸術家のレティシア(ジョアンナ・シムカス)は、個展での評価の低さに失望する。そんな失意の3人は、コンゴ動乱の際行方不明になったという財宝探しへ出かける。海上でギャングと撃ち合いになり、流れ弾でレティシアは命を落とす。彼女の故郷を訪れるロランとマヌー。そこで、彼女が話してくれた海の上の要塞へ案内されるが、そこへもギャングがやってくる…

いくつになっても、夢を追っかけている純粋な少年のようなマヌーとローラン。そんな二人と意気投合するレティシア。3人の愛情と友情の間の関係は、大人のくせに10歳くらいの子供同士のようだ。男2人はレティシアに対するプラトニックな思いを持ったまま、突然の別れを突きつけられる。彼女の故郷で見つけた要塞のような島で、また夢を追いかけようとした矢先、2人に悲しい別れがやってくる。

青春(というにはリノ・ヴァンチュラは年をとりすぎてるが…)時代がいつまでも続くと思ったら大間違いで、いつかは理想や夢を追っかけたりすることを諦めなければならない。それが現実で、そうやって人はわかったようなふりをして「大人」になっていく。
この映画がウケたのは、その非現実な世界で、主人公たちが「冒険者」となるが、大人になりきれないまま悲劇的な結末を迎えるという、その現実の「甘さ」と「苦さ」を感じることが出来るからではないか。

飛行機、車、コンゴの青い海、要塞島、レティシアの青いビキニ!と見所いっぱいのロベール・アンリコ監督の60年代の傑作の一本。フランソワ・ド・ルーペの甘い旋律がいつまでも耳に残る、映像詩とはこの映画のことをいうのだという見本。

好きだったレティシアを潜水服を着せて海に沈める美しいシーンは何度観ても詩的でそしてせつない。
……だが、あえて書くが、沈んでく潜水服は途中から中は空になっているのがわかる。初めてTVで観たときから「?」と思ったが、このことに触れた文章はぼくは見たことがない。名作の中の「汚点」なので、言うのは野暮で、言ってはいけないタブーなんだろう。
(これと「パピヨン」のラスト、椰子の実の浮き袋を下でささえる潜水夫の姿は、逆の意味で印象に残っている。どっちも「見てはいけないものを見た」って感じで・笑)

ジョアンナ・シムカスは、その後、あのシドニー・ポワチエと結婚し、芸能界は引退したも同然になっている。娘のシドニー・ターミア・ポワチエは、「デス・プルーフ」のジャングル・ジュリアだ。なるほどキレイなのはお母さんゆずりやね。

アラン・ドロンは、この年(1967年)に、3本の映画が公開されている。本作と、「サムライ」、「悪魔のようなあなた」だ。売れっ子だったとはいえ多出演である。当時32歳の彼は、この映画と「サムライ」のような役をよく演じ分けたと今になって思うのである。ドロンって結構やるなぁ、と。

LES AVENTURIERS (1967)

Monaural
2.35: 1 Aspect Ratio
113mins
Region 2

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2008-06-07

「サムライ」 DVD クライテリオン・コレクション LE SAMOURAÏ

アラン・ドロン映画の中で、傑作と名高い「サムライ」。「さらば友よ」を観てからまた観たくなり、棚から出して鑑賞した。このクライテリオン版は、毎度ながらレストアも素晴らしく、買ってよかったと思ったDVDの一本なのである(このかっこいいカバーアートを見よ!)。

若い人には、もうアラン・ドロンも知らない人が多いだろうし、ましてジャン=ピエール・メルビル監督なぞ「誰それ?」なのだろう。だが、彼こそフランスが生んだ素晴らしい映像作家の一人であり、この「サムライ」は彼のベストといっても過言ではない傑作なのである。
このDVDのブックレットに転載されているジョン・ウー監督の文章には、「メルビルは私にとって神だ」とまで書いてあるのだ。

物語はとてもシンプルだ。一人の孤独な殺し屋ジェフ・コステロ(アラン・ドロン)が、殺しをやり遂げ、警察に追われ、そして死んで行く。
タイトルバック。シンプルな部屋のベッドに横たわるドロン。真ん中に鳥かごが置いてあり、小鳥が「ピー…ピー…」と鳴いている。トレンチコートを着て、帽子をかぶりつばに手をかけ、表に出て行くドロン。車を盗み、それを闇ガレージに持って行きナンバープレートを変えて、拳銃を受け取る。それから彼女(ナタリー・ドロン)のアパートへ行って会話を交わす。それまでの10分間、なんのセリフもない。

つまりメルビルは、<映像という言語> "Visual Language of Cinema"で語ろうとする作家なのだ。この「サムライ」は、日本の侍のようにストイックな生き方をしている孤独な殺し屋の物語なので、ドロンは寡黙である。無表情で、冷たいブルーの目で相手を見つめ、白い手袋をして拳銃を撃つ。トレンチコートの襟を立て、ポケットに手を入れ街を歩く。フィルム・ノワールの一本である本作は、ドロンの主演、メルビルの演出で、前述のジョン・ウーの文章にあった表現を借りると、品のある「紳士が作ったギャング映画」の傑作となった。

細部にこだわった演出、その世界観はかつての日本映画の影響を受けていると評論家ルイ・ノグエイラも語る。セットの一つ一つの色調、アンリ・ドカエのカメラワーク、全てがシンプルかつスタイリッシュだ。

この映画の撮影中、メルビルの所有するパリのスタジオが火事で焼失するという悲劇が起きる。メルビルは保険をかけていなかった。幸い死傷者は出さなかったが、ドロンの部屋のセットにいた小鳥は犠牲となった。大きな精神的な苦痛の中、メルビルは本作を完成させる。全編をつらぬく、冷たいが哀しいムウドは、ひょっとしたらこの惨事も影響しているかも知れない。

ジョン・ウー監督の映画で、必ず出てくる「鳥」のシーンは、メルビルの影響なのだろう。ひょっとしたら、「サムライ」の小鳥への弔いなのかな?と思った。
それ以外にも、ウー監督の「サムライ」の影響は大きいと思う。トレンチ・コートしかり、ジャズしかり…。

このDVDは2005年に発売されたもの。ハイ・デェフィニション・デジタル・トランスファーによるレストア。メルビルの本を執筆した、ルイ・ノグエイラ(Melville on Melville) ギネット・ヴィンセンデュー (Melville: An American in Paris) のインタビュウ。メルビル、ドロン、フランソア・ペリエ、ナタリー・ドロン、カティ・ロジェの公開当時のテレビ出演時のインタビュウ集、予告編付き。

ぼくが初めてこの映画を観たのは、中学生の頃、TBS系「月曜ロードショー」だった。中学生に、こんな静かな映像美の映画が面白いはずがなく、退屈だったのを覚えてる(解説の荻昌弘さんはメチャ褒めてたけど)。今は、こんな素晴らしい芸術作品 (Work of Art) はないと思う。年をとるとはこういうことだろう。DVDの時代になり、本のように、若い頃観た作品を再度味わえるのは本当にありがたい。自分でこの名作が所有できるというのも嬉しい時代だとしみじみ思う。

面白いエピソードを一つ。1963年にメルビル監督からオファーがあったドロンだが、アメリカでの仕事を理由に断った。帰国後、メルビルを自宅に招いたドロンは、脚本を読み上げるメルビルに尋ねた「10分ほど立つが、セリフがないのか?」「気に入った。で、題名は?」メルビルが「サムライ(Le Samouraï)」と答えると、ドロンは、黙ってメルビルに自分のベッド・ルームを見せた。そこは、日本の刀が飾ってあり、全体が侍の家のような荘厳な日本式の部屋だったのだ。こうして、ドロンの主演が決まったのである。

LE SAMOURAÏ (1967)

Monaural
1.85: 1 Aspect Ratio
105mins
Region 1

2008-06-04

「さらば友よ」(午後のロードショー+DVD) Honor Among Thieves

月曜日(6/2)の朝、寝ぼけまなこで朝日新聞(国際版)のテレビ欄を眺めていたら、テレビ東京・午後のロードショー「さらば友よ」とあるではないか!寝巻きのまま、ソニーのロケフリをつけてすぐ録画予約した俺!

Odoru040608 この「午後のロードショー」は時々50年代~70年代の名作をやってくれて侮れない。しかも吹替えで、それもぼくと昔からの友人の間で言う”ほんもの”が時々あるからうれしい。”ほんもの”とは、まだビデオがない時代、ぼくらはTVの映画劇場をカセットテープに録音してそれを繰り返し聞いていたので、その当時の吹替え版はぼくらにとって”ほんもの”なんである。

日本時間の平日午後1時30分から始まるこの番組は、最初の3分間は、必ず三越のテレフォン・ショッピングがある。今回は"カンガルー皮の軽量ウォーキングシューズ"だった。しばらく見ないうちにタイトルが変わって、音楽が「風と共に去りぬ」のタラのテーマになってた。

本編が始まった。ビスタ・サイズなのに驚く。タイトルバックだけかと思いきや、最後までビスタのまま。吹替えは、アラン・ドロン=野沢那智、チャールズ・ブロンソン=大塚周夫を期待したが、堀勝之祐と森川公也ヴァージョンであった。

アルジェリアの外人部隊から帰った軍医バラン(ドロン)は、兵隊仲間モーツァルトの彼女イザベル(オルガ・ジョルジュ・ピコ)から変な依頼を受ける。それは、ひそかに持ち出した会社の債券を、地下室の金庫へ戻してほしいというものだ。その金庫には2億フランの現金が入ることも知り、盗むべく実行に移すが、そこに同じ軍人仲間プロップ(ブロンソン)も現れ、共に仕事をすることに。だが、二人は地下金庫に閉じ込められてしまうのだった…

観終わって、やっぱり面白い映画だと思ったが、カットされたものなので不満が残り、次の日に事務所近くのHMVでDVDを買ってきた。
このDVDは、香港盤だが正規のもの。値段はHK$115(約1700円)。画質も良好、ヨーロッパ・ビスタサイズ。ただ一つ不満なのは、仏語ではなく英語の吹替えだったこと(調べてみたら、現在発売されている米国・英国盤のDVDも吹替えなんですね)。ブロンソンもドロンも自身が吹替えてるので問題はないのだけど。タイトルバックの字も英語だった。

全長版を観ると、TVではカットされて説明不足な部分が理解できた。例えば、ドロンは病院で働くことにするが、ブロンソンはその病院の看護婦とねんごろになっている。だから、ブロンソンはドロンのところへ突然現れ、ぶん殴ることが出来るわけだ。
TVでは、ラスト・シーンの「イェー!」でちょん切れるが、DVDではそのままエンド・クレジットになるのでやっぱりイイ。

そのラスト・シーンのかっこよさは、タバコという小道具があってこそだが、当時(68年)はまだライターは高価で、だからマッチをするところもいいよね。現在の禁煙キャンペーンの時代には作り得ない名場面だ。余談だが、香港のテレビでは昔の映画(「カサブランカ」等)を放送する前に「この映画はタバコを吸うシーンがあるので保護者の皆さんは子供に見せる時に気をつけなさい」とガイダンスが入るのだ。

当時33歳のハンサムなドロン、渋いブロンソンは47歳。これは男の匂いプンプンの映画だ。
地下室での二人は、ダークパンツに白いワイシャツ姿(大人の男が一番色気を出せるスタイル。この時代は、ノータックでパンツもぴったりしたものなので、余計セクシーに映る)。やがて暑さのため、二人とも上半身裸になる。鍛えられた肉体。何かというと殴りあう二人。…これはホモだな。ドロンにからむイザベルとワーテルロー(ブリジット・フォッセー)の二人もレズだし…。やっぱりただの友情だけでは、相手をあそこまで庇わないだろう、と思うのだが。

上半身裸のドロンは、地下室でブロンソンと戦友のことを話した後、舌で壁を舐めるシーンがある(英語版ではカットされてる!)。ここなんか、監督が意識して演出した<サービスカット>なのかな?と邪推してしまう(笑)。 今、この映画を作ったら「さらばホモよ」だったりして(←すまん、ちょっと調子に乗ってる)

「禁じられた遊び」の少女だったブリジット・フォッセーもラスト近く、ドロンに抱っこされて、「イヤイヤ」といっても抵抗せずベッドに運ばれ、カルテを取りに行けといわれ「何でもするから、床上手になるから」なんて言わされて、大人の「禁じられた遊び」させられてるしね。

ブロンソンは、これで人気が出て、当時日本では「うーん、マンダム」といって大ブームとなる。このCMは、ぼくもとりこになった一人で、部屋にマンダムのポスター貼って、T-シャツ着てました(笑)

ともかく、この録画したディスクは我が家では永久保存版だな。「イェー!」

ADIEU L'AMI
HONER AMONG THIEVES (1968)

(…このカバーアートはどーかと思う…違う映画かと思ったよ)

Dolby Digital Mono
1.66: 1 Aspect Ratio
115mins
Region 3

2008-06-02

「インディ・ジョーンズ・トリロジー」 DVD Indiana Jones The Trilogy

日曜日(6/1)の午後、初日(5/22)以来 2度目の「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」('08)を楽しんで来た。DVDになれば繰り返し観れるが、大画面、大音響での鑑賞は今しか出来ないのだ。それに香港では、設備の整ったシネコンで約1000円で観れるのだから、観なきゃソンでせう。

Odoru020608 評論家など玄人筋には、評価がイマイチの本作だが、ぼくにはたまらなく面白い映画である。こんなに何度も劇場へ足を運んだのは「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」(又の名を「まるこげアナキン」)以来である。

辛口の評価でよく書いてあるのが、前3作との比較、特にインディの老人化である。製作のジョージ・ルーカス(現在 64歳)、監督のスピルバーグ(61歳)、ハリソン・フォード(65歳)と、皆もう中年どころか、老年に差し掛かっている。ハリソン・フォードは日本人なら年金をもらえる年だ。なので、やめておけばよかったのに… という論調のものだ。(写真は「クリスタル・スカルの王国」のインディ)

けどねぇ… ぼくも、「レイダース/失われたアーク(聖櫃)」(エピソード24)(公開当時は、まだ"インディ・ジョーンズ"とついてなかった)から付き合ってる身としては、やっぱり面白い!と思うんだよな。ハリウッドのB級冒険活劇のテイストを持ちながら、A級の映画に仕上げたスピルバーグ以下の手腕はサスガだし、それは、この「クリスタル・スカルの王国」でも変わらない。第1作から4半世紀以上過ぎても、これだけ面白いものを作ってくれるのだから、凄いと思うよ。

時代設定が、前作「最後の聖戦」(エピソード25)の1938年からきっちり19年後なのだから、インディが年をとっていても矛盾はないし、今回は50年代のB級映画のテイストも少し味わえ、しかも後半の舞台は南米、アマゾンだよ!もう、ディズニー・リゾートの「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー」や「ジャングル・クルーズ」さながら、ジェット・コースターに乗ってる気分で楽しめる2時間。

「昔の名前で出ています」と言われようが、ヤング・インディではなく、アドベンチャー・オブ・オールド・インディ・ジョーンズだ、と言われようが、若いマット役のシャイア・ラブーフが全く"華"がない、と言われようが(←誰が言ってんの?あ、俺だ!)、面白いものは面白いのである。

今回、満員の観客席で楽しんだが、隣に座った12、13歳の西洋人の女の子4人組が、もう完全にアメリカのノリで、笑うは、叫ぶわで騒いでくれたので、余計に楽しめた。こんな若い子たちもホント楽しそうに観ているのを見て、やっぱりインディ・シリーズは、世界中の老若男女が楽しめる「娯楽映画」だよなぁと思ったよ(ヘビのシーンでは、女の子同士で、「インディ、苦手なんだよねぇ、ヘビ」と教えあってたな)。もー難しいことは抜きにして、ポップコーン食べながら、楽しんで見るのが一番とおじさんは思ったのだ。

ということで、気分よく映画館を出て、まんまのノリで、この色鉛筆の缶みたいなのに入ってる「インディ・ジョーンズ・トリロジー」のDVDを衝動買いして家に帰った。

夜、プレーヤーにかけてみたら、あらら、これは新たな特典映像がついてないじゃないか!?香港盤なので安かったが、本編だけだった…。なら、持ってるのに…。
調べてみたら、特典がついてるのは、「インディ・ジョーンズ/アドベンチャー・コレクション」というBOXだったのですな。ま、日本では、このスリムなスティール製の白いケースがついてない(応募でもらえる)らしいから、ま、いいか。

そのまま「レイダース/失われたアーク(聖櫃)」('81)をまた楽しんだが、みんな若くて、やっぱり面白い映画だった。当時、ルーカス 37歳、スピルバーグ 34歳、ハリソン・フォード 38歳。ついでに、マリオン役のカレン・アレン 30歳。カレンは、ジョン・ランディスの傑作「アニマルハウス」に出たばかり。脚本のローレンス・カスダンも名作「白いドレスの女」を世に出す直前だった。そういった、若い才能が集結して作ったそれまでになかった、というより、長年ハリウッドで製作されなかった正統派娯楽映画の傑作、それが「レイダース」だった。

この映画を(確か)有楽座で観た帰り、「これで007は終わったな…」と思ったものだ。その後、007は確かに失速したが、「カジノ・ロワイヤル」('06) (別名「右の玉も打ってくれ!」・笑)は見事な傑作で、今後期待が高まっている。今年、復活した「インディ」は、大ヒットしているので、もう一本製作される可能性もある(パラマウントとの契約は5本だったという)。それを、観たいような、(ちょっと)観たくないような、こそばゆい感じの自分が、今、心の中に居るというのが正直なところなのである。

(「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」ぼくのレビュー↓)
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/indiana_jones_a_b93d.html

「ロスト・ジャーナル・オブ・インディ・ジョーンズ」(インディの"失われた"日記)
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/the_lost_journa_86c6.html

INDIANA JONES THE TRILOGY

(カバーアートは英国版。the Adventure Collection と書いてあるところに香港版は The Trilogy と書いてあるのだ)

Indiana Jones and the Raiders of the lost Ark (1981)  115mins
Indiana Jones and the Temple of Doom (1984)  119mins
Indiana Jones and the Last Crusade (1989)  126mins

Dolby Digital 5.1
2.35: 1 Aspect Ratio
Region 3

(日本発売版)

B0015U3N5Sインディ・ジョーンズ アドベンチャー・コレクション (期間限定生産) [DVD]
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン 2008-06-06

by G-Tools

2008-06-01

「少林少女」 Shaolin Girl

Odoru310508 香港でも5月29日から公開になった「少林少女」"Shaolin Girl" へ行く。小5の娘とその友達2人も一緒に連れて行った。

チャウ・シンチー(周星馳)がエグゼクティヴ・プロデューサーを務めているので、香港の映画館では、シンチーと柴崎コウが握手をしている写真の載った新聞記事が広告で使われていた。そこには、柴崎コウが「私の代表作」と言ったようなことが書かれていた(ように思った。ぼくは広東語わかんないもんで…)。

ともかく、地下鉄などで、この柴崎コウのマクロス姿の大股開きのポスターが貼ってあって、子供たちも楽しみにしていたのだ。

少林寺で9年間の厳しい修行を終えた凛(柴崎コウ)は、今は亡き日本の祖父の道場で、少林寺拳法を広めることを夢見ていた。帰国してみると、道場は何年も使われておらず、かつての門下生たちも、各々仕事についていた。その中で凛が先生と呼んでいた岩井(江口洋介)も、今は炒飯のうまい中華料理店の主人となっている。その店で働いている中国人のミンミン(キティ・チャン)は、凛が少林拳を教える代わりに、自分の大学でラクロスをしてほしいとお願いする。慣れないラクロスに少林拳の技能を生かし活躍する凛だが、その大学の学長(中村トオル)は、表の顔とは別の恐ろしい顔も持っていた…

もうこの映画は、柴崎コウの魅力に尽きる。彼女の銀幕映えする顔での、クンフーアクションを観ているだけでおっさんは満足だった。それに、ラクロスのユニフォームも着て、またチームメイトも「カワイイネー」だし、いう事なし。

映画としての出来は、チャウ・シンチーのオーバーなテイストがあるのかと思ったらそうでもなく、全体的におとなしめの感じ。ラクロスの試合も「少林サッカー」ほどの大げささはないし、ラスト、クライマックスの格闘も意外な終わり方で、これもおとなしい印象を与えた理由の一つだろう。
この映画のテーマは、少林寺拳法とは相手を倒す武器ではなく、身を守り心を鍛えるための武術でなくてはならない、というもので、だから、主人公は個人技の少林拳では得られないチーム・メイトをラクロスを通して作り、人間としても成長するのだ。
それがあるからこそ、ラストの闘いで、ダークサイドに身を落とさず、相手の心の本来持っていたピュアな心に触れ、勝ち負けではない、穏やかな気持ちにさせることが出来たのだ。

結局、根っから腐ってない人間は改心できるという性善説がある映画なので、カンフーであっても暴力的な印象を与えない。なので、子供(女の子)も安心して観れる作品だった。そういった意味では、大人には物足りない映画であろう。アクション映画を観に行ったら、精神世界の結末になるわけだから。香港では$50(約750円)で観れたのであまり腹も立たないが、日本の料金だと損した気になるかもね。

ナイナイの岡村がよかった。「待っとたでぇ」はかっこいい、とさえ思った。シンチー映画の常連のラム・ジーチョン及びキティ・チャンは、「ミラクル7号」(←泣かせる)にも出演。シンチーとフジテレビのコラボだな、これは。

香港の映画館では、めずらしく、エンドクレジットが終わるまで皆席を立たなかった。こんなことは香港へ来て初めてだった。ただ、土曜の午後だったのだが、観客数はまばらだったな、太古城(Taikoo)の映画館では。

日本と香港の合作映画を、香港の映画館で、日本の少女たちと一緒に観るというのは、これはこれで面白いことだなと思った。彼女たちが成長して、この映画をまた日本で観る機会があった時に、「香港で観たんだよな、コレ」と思い出すこともあるかも知れないと思うと、よい思い出になったかもと思う。

「少林少女」 Shaolin Girl (2008)

108mins

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