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2008年5月

2008-05-29

「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」 Shine a Light

Odoru280508 映画「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」 "Shine a Light" へ行く。香港では5月15日から公開になった。

2006年秋、ニューヨーク、マンハッタンのビーコン・シアターで行われたローリング・ストーンズのライヴをマーティン・スコセッシ監督が記録したもの。2008年ベルリン映画祭オープニング作品である。

ぼくは1960年生まれで、団塊の世代のちょうど次の世代になる。だからローリング・ストーンズはリアル・タイムで知っているわけでもなく、正直ファンでもない。そんなぼくだが、この映画を観た帰りがけ、HMVでサントラ盤(2枚組)を買ってしまった。それくらい面白かった。ラストあたりは劇場で足踏みをしながら観ていた自分が居た。

ストーンズのファンでもない自分が、この映画を観に行こうと思ったのは、ひとえに監督がマーティン・スコセッシだったから。あれは、もう23年も前だが、会社の独身寮にいた時、先輩の解説付で、ザ・バンドの解散コンサート「ラスト・ワルツ」('78)を観て、そのカメラワークとカッティングの妙をとても覚えていたからだ。今回は、スコセッシ自身もファンであるローリング・ストーンズのコンサート・フィルムと聞いて劇場へ足を運んだのだ。

(ストーンズ・ファンで、映画を観るつもりの人は、以下ネタバレがあるので、読まないで公開まで待った方が楽しみがあっていいかもね)

このコンサートは、2006年の世界ツアー「ア・ビガーパンツ…」(←すまん)もとい”ア・ビガー・バン”ツアーの際にニューヨークで行われたものだが、キャパ 2,800人と小ぶりな劇場でのコンサートだけにあたかもスタジオ・ライヴの様相だ。観客席にも移動式のキャメラを設置し、数十台のキャメラが縦横無尽に動き、ストーンズ・メンバーの一挙手一投足をとらえる。

冒頭、ロンドンで、このコンサートのミニチュア・舞台セットを見て 肉じゃが、もとい、ミック・ジャガーがあれこれ文句をつけている。ニューヨークでは、スコセッシがミックが文句を言っていると云われ肩をすくめる。曲目もどれにするか?ツアー中に交渉を重ねる二人。飛行機の移動中も、ミックは、スコセッシの「曲目の提案」を見せられ苦笑する。コンサートの前日まで曲目が決まらない。「で、1曲目はどれなんだ?」。コンサート・スタッフと映像スタッフ、ストーンズ・メンバーの綿密な話し合いと喧騒の中、ついにコンサートの幕が開く。

前説は、なんと、クリントン元大統領。それが終わると、スコセッシのブース内の声が響く。「オッケー!最初の曲 (First Song) だっ!」

「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」でミック・ジャガーが登場。怒涛のライヴの幕開けだ。今風のコンサート・ビデオを見慣れている人間からすると、え?そうくるか!というカメラワーク。さすがスコセッシだ。(真正面からとらえず、横からのショット)
とても63歳(当時)とは思えないミックの張りのある声。40年以上も世界のロック・シーンの頂点に立ち続けた男のたたずまい。凄い!

途中3名のゲストが登場。ジャック・ホワイトと「ラヴィング・カップ」を。クリスティーナ・アギレラ(←超セクスィー)と「リヴ・ウィズ・ミー」を。極めつけは、ブルースのバディ・ガイと「シャンペン・アンド・リーファー」を歌う。バディ・ガイのギターが渋い。演奏後、キース・リチャーズが自分が弾いていたギターをその場で渡すという感動的な場面も。

「スタート・ミー・アップ」から、アンコールの「サティスファクション」が終わった時の、キースがギターのネックを持って舞台にへたり込んでる姿が印象的だ。
コンサートを終えた面々が舞台裏へ行くと、カメラはまたスタッフたちを映し出す。スコセッシがまた居て、指示を出している、「上だ、上を撮れ!」と。カメラはニューヨークの夜景を映し出し、そして…。

名実ともに、現代のロック・グループ最高峰の、おそらく<最後の>コンサート・フィルム。「ウッドストック」「エルビス・オン・ツアー」にも関わったスコセッシにしても、おそらくこれが最後の、コンサートの記録映画となるだろう。
スコセッシ(66歳)をはじめ、ミック・ジャガー(65歳)、キース・リチャーズ(65歳)、ロン・ウッド(61歳)、チャーリー・ワッツ(67歳)。こんな元気な不良オヤジ、もとい、不良老人たちが かつていただろうか? あんな年のとり方が出来たら男として幸せだろうな、と思わせるかっこよさ。

途中、昔のストーンズのインタビュウなどがはさまれる。中に、ミックへの、日本のフジテレビあたりの女子アナのバカな質問もあり、西洋人の観客の多かった劇場内で失笑を買ってたよ。

ひとつ気になったのは、コンサート舞台の最前列に金髪のイイ女たちが陣取っていること。"絵的"にいいので、「仕込み」だと思うが、これを見てるのも楽しかったな(笑)

とまれ、劇場の大音響とでかい画面でこのコンサート・フィルムを観れたのは幸せだった。DVDになればいつでも観れるが、臨場感は映画館ならでは、だからね。
中環 (Central) のIFC Cinemaで観たのだが、客の年齢層はやっぱり高くて、白髪や はげオヤジ、ムームーみたいなの着たおばちゃんたちが多かったけど、よくクーラーが効いてる場内が少しだけ「熱く」なった気がしたよ。

ストーンズ・ファンは、マストやね。おそらく、コンサート・フィルム史上に残る傑作。いつかじゃなくって、「今」観とかないと後悔するぞ!

Shine a Light (2008)

122mins

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2008-05-27

「黒い絨氈」 DVD THE NAKED JUNGLE

「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」を観て思い出した映画がもう一本ある。それがこの「黒い絨氈」"The Naked Jungle"だ。主演は先頃亡くなったチャールトン・ヘストン。それに美貌のエレノア・パーカー。製作 ジョージ・パル。監督 バイロン・ハスキン。1954年のパラマウント映画である。

今回の「インディ~」の舞台は中南米。ジャングルとアマゾン川だ。この「黒い絨氈」の舞台もアマゾン川上流。そして、「インディ~」に出てくるでっかい軍隊アリのようなものがこの映画にも登場するのじゃ。
「黒い絨氈(じゅうたん)」とは、上空から見たアリの大群を意味する。マラブンタと呼ばれるアリたちは、幅3キロ、長さ30メートルにも渡る広範囲で進軍しながら、周りの全てのものを食い尽くすのじゃ!

物語は、1901年 エレノア・パーカー扮する25歳のジョアンナが、アマゾン川を上り、ヘストン扮する農園主ライニンジャンの元へ嫁ぐところから始まる。花嫁は、花婿のことを何も知らずに嫁いで来たのだ。広大なココア農園を一人で築きあげたライニンジャンは、強大な権力を持ち、一人よがりで粗野な男だった。実は、ジョアンナは結婚歴があり、そのこともライニンジャンは気に入らない。彼は、全てものが新品でないと気が済まない性質なのだった。二人のギクシャクした関係は続くが、やがて広大な農園をマラブンタと呼ばれるアリの大群が襲ってくるのであった…

ぼくが初めてこの映画を観たのは、80年代、日本テレビ(確か深夜の90分枠)の映画劇場だった。ヘストンの声を納谷悟朗さんがやっていた。マラブンタが農園を襲うところも大して迫力があるわけではなく、パニック映画としても、決して盛り上がる映画ではない。
だが、この映画のDVDが発売された時に、ぼくは走って買いに行った。それくらい好きなんである。たまに、大した映画じゃないけど、妙に<好きな映画>ってあるものだが、この映画はぼくにとって、そーゆー種類の映画なんである。

明らかにセットとわかるジャングルや川で、明らかにドーラン塗った原住民たちとマラブンタに戦いを挑むヘストン。まだ「ベン・ハー」にも「十戒」にも出てない若く初々しいヘストンと、ジャングルであんな美しいわけがないエレノア・パーカー。50年代のB級映画ではあるが、そのテイストがいいんだなぁ…。

好きなセリフもある。粗野なライニンジャンだが、実は読書家でもある。ジョアンナと歩みよるきっかけになる寝室での会話で、フォンテーヌの詩を引用してこう言う。

ライニンジャン「男には三つの顔がある。自分が思っている自分、他人が思っている自分、そして本当の自分だ」

ジョアンナ「今のあなたはそのうちのどれ?」

ライニンジャン「最後のだ」

この日本製のDVDは日本語吹替がついている。ヘストンを納谷悟朗さんがやっていないのが残念だが(磯部勉さん)、パーカーは田島令子さんなので、まぁいいか。金曜ロードショーの2時間枠で放送した時に、録り直したものだと思う。

決して人に薦められる映画じゃないけど、この映画を好きな人とはぼくは友達になれるな。そんな映画である。
前述の「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」は、(少しだが)これに似た匂いがする。だから気に入ったのかな?と今は思っているのだ。

THE NAKED JUNGLE (1954)

Monaural
4: 3 Standard Size
95 mins
Region 2


2008-05-26

「世紀の謎・空飛ぶ円盤地球を襲撃す」DVD (カラーライズ版 スペシャル・エディション) Earth vs. the Flying Saucers

映画「世紀の謎・空飛ぶ円盤地球を襲撃す」"EARTH VS. THE FLYING SAUCERS" のカラーライズ版DVD(アメリカ盤 2枚組)が今年('08) 1月発売された。

ぼくは3ヶ月ほど前にこのDVDを当地香港のHMVで購入してたのだが未見で、棚の肥やしと化していたのだが、先日「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」を観て、これが観たくなったのであった。
なぜ観たくなったのか?は今は書かないでおくが(日本の公開前なので)、この作品が1956年に製作されて、今回の「インディ~」の設定年が1957年なので、「納得がいく」ことがあったのだ。スピルバーグは明らかにこの映画の<あるもののデザイン>を意識していたのだろうな、と思った。

本作品のレイ・ハリーハウゼンの特撮の素晴らしさは以前から聞いていたが、この空飛ぶ円盤は、ティム・バートンも特典映像で指摘しているように「個性」がある。コマ撮りで、円盤の表面を右回転、裏面を左回転させて動きを出す工夫をしたとハリーハウゼンが語るように、シンプルなデザインの円盤が現実味のある動き方をするのだ。1950年代の骨董品のようなロー・テクでも(しかも低予算!)これだけ面白い映像が出来るのである。荒野を走る車の前や後に現れる円盤や、ワシントンのモニュメントはじめ建物を円盤が壊すシーンは古さをあまり感じさせない素晴らしい出来だと思う。

今回この作品はカラーライズされているが、これが結構良い。以前このブログで書いた「プラン9・フロム・アウター・スペース」('59)のカラーライズを担当したレジェンド・フィルムズ社によるもので、違和感なく最後まで見れる。円盤の放つ緑色の光線も、あたかも元々その色だったかのように思えるから不思議だ。
(High-Defでのリマスター。音も5.1chにレストアされている。)

物語は、地球侵略を狙う宇宙人が、ロケット工学のマーヴィン博士(ヒュー・マーロウ)と妻のキャロル(ジョーン・テイラー)を通じて地球とコンタクトを図り、人類の無条件降伏を要求するが… というもの。

日曜の午後、子供も遊びに行って、一人で家に居て観るにはちょうどいい映画だった。昔は「お昼のロードショー」といってこういったB級SF映画をTVでやってたものだ。子供の頃、こたつでプラモデルを作りながらよく観ていたことをぼくは思い出した。

このDVDの特典映像の中に、"The Hollywood Blacklist and Bernard Gordon" という30分ほどのビデオが収録されているのだが、ここではアメリカ映画の中で暗い歴史として残っている「赤狩り」の話が聞けて興味深かった。
本作品の脚本を書いたバーナード・ゴードンは、50年代 共産主義のブラックリストに名前が載っていた為、映画公開時にはレイモンド・T・マーカスという偽名でクレジットせざるを得なかった。このDVD発売に際し、ソニー・ピクチャーズは全米脚本家組合からの要請を受け入れ、クレジットの名前をバーナード・ゴードンに差し替えた。
現在でも、かような作品は多数あり、脚本家組合はクレジットされた名前の差し替え作業を続けているのだと。
だが、IMDBによれば、ゴードン自身はこのことで雑誌のインタビュウに答えた際、「40年遅かった。自分のキャリアはブラックリストに載ったことで潰され、この腐れタウン(ハリウッド)で働く自由も奪われた」と語ったのだと。
名誉を回復するだけでは、救われないこともあるのだな、と思った次第。

EARTH VS. THE FLYING SAUCERS (1957)

5.1 Dolby Digital
1.85: 1 Anamorphic Widescreen
83 mins
Region 1

Earth vs. the Flying Saucers (Color Special Edition)
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Sony Pictures Home Entertainment 2008-01-15
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2008-05-23

「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」 Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull

Odoru220508 観たぜ!映画「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」"Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull"。香港では、アメリカと同時公開だったので、初日(5月22日)に行って来た。期待して観に行ったが、期待通りの面白さだった。

畳み掛けるハラハラドキドキの、アクションに次ぐアクション。ユーモアあふれるセリフ。これぞ、アクション・アドベンチャー(冒険活劇!)の代表格。19年振りでも、シリーズならではの醍醐味が満喫できたよ。

冒頭、パラマウント映画のロゴの山が、小さな砂山に変わったと思ったら、中からかわいいビーバーみたいなネズミ(?)が出てくる。その上を疾走する、オープンカー。そのままタイトルバックとなる。曲はエルビス・プレスリーが歌う「ハウンド・ドッグ」だ。
本作の時代は、1957年。今までのシリーズが、30年代だったので、それから随分時間がたっているということをいきなり認識させられる。

だから、インディ最初の登場シーンでも、「やっぱ老けたな…」と思うが、時間がたっていることがわかれば、納得できるという仕掛けになっているのだ。

前3作は、第二次大戦の時代だったので、敵役はナチスだったが、50年代だから、冷戦時代のソビエトに変わる。今回のインディ最大の敵は、女性エージェント、スパルコだ。冷酷で、美しく、そして強いスパルコを、ケイト・ブランシェットが堂々と演じている。「エリザベス」では、これぞクィーンズ・イングリッシュ!というキレイな英語を話していた彼女が、今回はロシア語訛りの英語を話している(←またこれが上手いんだ)。

今回インディとコンビを組む若者マット(シャイア・ラブーフ)は、ハーレー・ダビットソンにまたがり革ジャンを着て帽子をかぶって登場する。明らかにマーロン・ブランドの「乱暴者」('53)だ。神殿の中に入っても、コームで髪を直して、50年代の若者の雰囲気をよく出していた。

2005年 アメリカ映画協会の生涯功労賞を受賞したジョージ・ルーカスのパーティで、氏を讃えるスピーチをハリソン・フォードがした時、「早く『インディ・ジョーンズ4』を撮ってくれないと、ショーン・コネリーが老けちゃうよ」と笑わせていたのを思い出すが、今回、父親のヘンリー(ショーン・コネリー)は写真のみの登場であった。

そのハリソン・フォードも、老けて、颯爽とした色気もあまり感じさせず、走るのも大変そうだった(笑)。ま、そうであっても、娯楽映画としての出来はやはり標準作以上だと思う。前3作と比較するのは、上にも書いたように時代設定が違うのだから野暮だろう。インディ第2章と思えばいい。

ストーリーをあまり書くと、ネタバレになり、スピルバーグ監督が、かん口令を出していた意味がないので、ここでは、箇条書きでヒントだけランダムに書いておく。公開まで待ちたい人はここからは読まないでください。

・タイトルのクリスタル・スカルとは、そのまま水晶の(透き通った)頭骸骨という意味。
・今回の冒険の舞台は、中南米。アマゾン、インカ帝国 …。
・ナスカの地上絵は「神」が見るために描かれたといわれている。

・50年代は、アメリカの砂漠で原爆実験が行われていた。
・「レイダース/失われたアーク(聖櫃)」で出会ったマリオン(カレン・アレン)とインディの運命的な再会。そして…
・マットの母親はマリオン。ということは?

・インディの大嫌いな蛇は、ロープ代わりに使われる。
・映画「黒い絨氈」('54)ばりのアリの襲撃。
・最後は、スピルバーグの往年の「好み」になる。(←へー、そーくるかー!これって考古学か?というオチ) これは賛否あるかもね。

てなことで、ぜひ映画館で楽しんでくだされ!CGも凄いから!
ともかく、こんなに面白くって、しかも「楽しい」映画ってめったにないよ!

あ、あと前3作の内「レイダース/失われたアーク(聖櫃)」を観て復習しておくといいかもね。

Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull (2008)

124mins

【関連】 「インディ・ジョーンズ・トリロジー」 DVD ↓
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/dvd_the_trilogy_4810.html

「ロスト・ジャーナル・オブ・インディ・ジョーンズ」(インディの"失われた"日記)
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2008-05-20

「ビー・カインド・リワインド」(原題) BE KIND REWIND

ミシェル・ゴンドリー監督、ジャック・ブラック主演の映画「BE KIND REWIND」へ行く。

Odoru2005081 邦題がまだ決まってないようだが、直訳すると「巻戻してご返却下さい」という意味。そうこれは、レンタル・ビデオ・ショップが舞台のコメディなのです。

ニュー・ジャージーのパセーイクにある古ぼけたビデオ・ショップ「BE KIND REWIND」、ここで働くマイク(モス・デフ)と、キャンピング・カー暮らしのジェリー(ジャック・ブラック)は仲の良い友達。ある日ジェリーは、自分の脳を溶かすと信じて止まない電気プラントを壊そうとするが、反対に電流を浴び体内に磁気を溜めてしまう。
その身体で、ジェリーがビデオ・ショップに現れたものだからさぁ大変。全てのビデオが磁気のせいで消えて観れなくなってしまったのだ。
オーナー(ダニー・クローバー)から留守を預かるマイクは、オーナーの友達で常連さんのおばあちゃん(ミア・ファロー)から「ゴースト・バスターズ」を観たい、と言われ一計を案じる、「自分達で撮っちゃえ!」と。
JVCのVHSビデオがそのまま入る古いカメラを引っ張り出してきて、学芸会のような衣装を着て、安い手作りSFXで、ジェリーと共に街の中でロケをして、リメイク版「ゴースト・バスターズ」を撮影してしまう二人。
それが意外にウケてしまい、以来、町民を巻き込んで、数々の名作映画を”リメイク”していくのだが、遂には、著作権保護の執行官(シガニー・ウェーバー)が店に来てしまう騒ぎとなる…

芸達者なジャック・ブラックとモス・デフが、リメイクする映画を撮影する様を繋いでいく場面が面白い。画面横に原題で題名が次々に現れ、画面上にはチープな撮影風景が映る。
「2001年宇宙の旅」「ラッシュ・アワー2」「ロボ・コップ」「キング・コング」「シェルブールの雨傘」「ドライビング・ミス・デイジー」…

ミア・ファロー演じるおばあちゃん宅には、5人の黒人の子がおり、彼らが「ゴースト・バスターズ」を観て、店に来て「なんだこれは?」と凄み、マイクたちは止むに止まれず「実は、ス、スェーデン製でして…」と言ってしまう面白いシーンがあるのだが、もう既にYouTubeでは、"Sweding"とか "Sweded Movie" といって素人が、チープなパロディ映画を作ってアップロードするという現象が起きているので笑ってしまう。

Odoru2005086 ここまで書くと、この映画はかつての名作映画へオマージュを捧げるパロディ映画みたいな印象を持つかも知れないが、さにあらず。実は、この作品は、一人の黒人ジャズ・ミュージシャンに捧げられた賛歌なのである。
そのジャズ・ミュージシャンとは”ファッツ・ウォーラー (Fats Waller) ”(写真)という、1920~40年代前半に活躍したピアニスト&歌手である。(彼は作曲もしており、代表曲は、「Ain't Misbehavin'」、「Honeysuckle Rose」など。)
映画「ストーミー・ウェザー」('43)にも出演しており、人気を博したが、39歳の時、慰問中に移動中の列車内で早世したのだ。

(以下、ネタバレあり)

ビデオ店のオーナーは、マイクにこう言う。「この店がファッツ・ウォーラーの生まれた場所だ」と。マイクはそれを誇りに思っており、ジェリーと二人で、店の前の壁に大きな似顔絵を描き、吹き出しに「ファッツ・ウォーラーは言った『Be Kind Rewind! (巻戻してご返却ください)』」と書いたりしていた。
やがて、それが事実ではないと知らされるが、マイクは”リメイク版スェーデン製映画”がもう作れないとわかった時に、彼のオリジナル脚本による「ファッツ・ウォーラー物語」を撮影することを決意するのだ。

ラスト、ビデオ店の中で白いシーツに映し出される、ファッツを演じるマイクの姿。ジェリー及び町の人々の<名演技>。それに合わせて流れるピアノの調べ…

ミュージック・ビデオで名を馳せたミシェル・ゴンドリー監督だけあり、ここは感動的だ。心温まる素敵なラストであった。

この映画のスピリットあふれる "スェーデン製" 予告編 (Sweded Trailer) がYouTubeで見れるが(下↓)、監督一人だけ出演!のチープさで笑える。映画を観る前も、観てからも楽しめます。

http://www.youtube.com/user/BeKindMovie

Be Kind Rewind (2008)

101mins

B001OF640K僕らのミライへ逆回転 プレミアム・エディション [DVD]
ジェネオン エンタテインメント 2009-03-06

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2008-05-19

「ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌」 DVD 辣手神探 Hard-Boiled

Hard Boiled (Two-Disc Ultimate Edition)
Hard Boiled (Two-Disc Ultimate Edition)

「シューテム・アップ」('07)を撮ったマイケル・デイビス監督が、ジョン・ウー監督の「ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌」('92)にインスパイアされ、「シューテム〜」の脚本を書き上げたことは以前このブログに書いた。
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/dvd_shootem_up_1771.html

Odoru1905081_2 ぼくはそのジョン・ウー作品を観てなかったので、観たいなと思っていたら、当地香港のHMVでHK$69(約1,000円)で売ってたので、さっそく買ってきた。

おおー!これは香港版「ダイ・ハード」だな。
のっけから、早朝飲茶の食堂での大銃撃戦。ジョン・ウー監督の毎度おなじみ<鳥>たちがいる中、スローモーションを多様した場面が続く。 セリフなしで、チョウ・ユンファの銃撃の相手を務める悪役は、日本の俳優(芋たこなんきん)國村隼 ではないか!

相手を検挙せず、いきなり殺しちまったので上司に叱られるチョウ・ユンファ。中国からの銃の密輸に関与する香港組織の内偵を進めていたというのに…
その組織のニヒルな殺し屋に扮するのはトニー・レオン。実は、彼は警察から極秘裏に送り込まれたスパイだったのだ!

そう、これはかの香港映画の傑作「インファナル・アフェア」(無間道)の元ネタだったのである。
組織のボスはアンソニー・ウォンとこれまた「インファナル〜」とダブる。

今回そのことがまず驚きではあったが、それ以前に、これは映画として面白いわ。
香港映画の割に製作費がかかってる感じだし、アクション・シーンのジョン・ウーの演出がとてもいい。ラスト、病院内での銃撃戦もありえねー!シーンが続くが、これはこれで面白かった。

Odoru1905082 軟弱なイメージだったトニー・レオンもかっこよく、男を上げた感じ。にやりと笑う表情がいい。
タイトル・バックで、チュウ・ユンファはクラリネットを吹いている。そのジャズ・バーのマスターがジョン・ウーというのもご愛嬌。

この映画の製作された1992年というと、香港が中国に返還される5年前。当時の香港人は、返還後の香港が中国共産党一党独裁政治により、自由が無くなるのではないかと不安にかられていた。劇中も、儲けた金で、香港を棄てて海外へ行こうというセリフが何度か出てくる。実際、カナダやアメリカ、シンガポールへ移住した人も多かったのである。
だが現在では、好調な中国経済という背景の元、返還後10年を経て、香港人は「中国化」を受け入れている感じがする。中国側の50年という長いレンジでの移行期間及び一国二制度の設定という寛容さが受け入れられたということなのだろう。
そういう歴史的な事実もこの映画の中に内包されており、時に映画はその時代を、あたかも瞬間冷凍したかのように見せてくれることがある。昔の映画を観る楽しみはそういうところにもあるのだ。

うーん、やっぱりジョン・ウーだな。貫禄だ。銃撃戦に華があるし、芸術的でさえある。マイケル・デイビスがどんなに頑張っても、この映画は超えられない。「シューテム・アップ」は、これに比べればやっぱり”拳銃ごっこ”だと改めて思ったよ(笑)

このDVDは、リージョン・オールでしかも日本語字幕付。得した気分でした。ただ、画質は良くない(レストアされてない)。画質にこだわるならクライテリオン版もあるみたいだからそっちがいいでしょう。

HARD-BOILED (1992)

128mins
DTS, Dolby Digital 5.1 Surround
16: 9 Anamorphic Widescreen
Region All

2008-05-17

「ハレンチ学園」 スビズバ DVD-BOX!

ハレンチ学園・ズビズバDVD-BOX
ハレンチ学園・ズビズバDVD-BOX

正直、買った自分が恥ずかしい(笑)映画 「ハレンチ学園・ズビズバ DVD-BOX」である。

春休みに日本へ一時帰国した際、有楽町駅前の書店で「映画秘宝」を立ち読みしていたら、浦山珠夫さんの文章で、「ハレンチ学園」のDVDが発売されたことを知った。
その足で、銀座の山野楽器へ行ったら、このボックスがあったので衝動買いしてしまったのだ。
子供にばれないように(苦笑)トランクへ入れて持ち帰り、これまたばれないようにこっそり観た。

1968年 集英社から新しい漫画雑誌「少年ジャンプ」が創刊され、直後から連載された永井豪の「ハレンチ学園」は、それまで少年誌にはタブーだったエッチな漫画で、小学生のぼくらは衝撃を受けた。一応ギャグ漫画だが、十兵衛(柳生みつ子)が、小学生とは思えない色っぽさで、ホント毎週楽しみに読んでいた。

その「ハレンチ学園」が映画になると聞いて、一体主演の十兵衛は誰がやるの?と思ったら、聞いたこともない女優の"児島みゆき"だという。はじめてグラビアで写真を見た時に、漫画のイメージぴったりで魅せられてしまった。

地元の田舎の映画館へ「ハレンチ学園」が来たとき、喜び勇んで(笑)友人を連れ立って観に行った。映画はともかく、児島みゆきはともかくキュートだったのだ。

あくる日、学校へ行ったら、5年生当時の担任(女性)が、「昨日『ハレンチ学園』を観に行った人は手をあげなさい!」と血相を変えて怒ってる。おそるおそる数人の仲間と手をあげたら、即刻「廊下へ立ってなさいっ!」と言われたのだった。
休み時間になり、女の子たちがクスクス笑ってた。恥ずかしかったなぁ、と遠い昔を思い出した。

(注:当時「ハレンチ学園」は社会問題と化していたのだ)

そんな思い出(?)があるので、このボックスは22,050円(高ーっ!)もしたが買ってしまったのである。

このボックスに収録されているのは、以下の4本である。

①「ハレンチ学園」 (1970) 82分

ハレンチ学園 [DVD]
ハレンチ学園 [DVD]

②「ハレンチ学園 身体検査の巻」 (1970) 85分

ハレンチ学園 身体検査の巻 [DVD]
ハレンチ学園 身体検査の巻 [DVD]

③「ハレンチ学園 タックルキッスの巻」 (1970) 83分

ハレンチ学園 タックル・キッスの巻 [DVD]
ハレンチ学園 タックル・キッスの巻 [DVD]

④「新・ハレンチ学園」 (1971) 82分

新ハレンチ学園 [DVD]
新ハレンチ学園 [DVD]

おまけとして"ハレンチ学園  <モーレツ!> フォトブック"がついている(児島美ゆきインタビュー付)。
★全作品予告編付 ★高画質デジタルニューマスター仕様

まぁ、映画の出来は、はっきり言って B級を通り越して、「C級」である。
安い製作費で、脚本もなってないし、ギャグもさえない。バカバカしい映画である。出演者も、第一作は先生役として、当時人気のTV「ゲバゲバ90分」の出演者が顔を揃えているが、2作目以降は、先生の顔ぶれも<それなり>になる。

当時あんなにドキドキしながら観た映画だが、約40年もたってみると、(当たり前だが)ちっとも興奮しない。スカートめくりのパンツのデカさ、ブラジャーの色気のなさは今となっては微笑ましい。
女の子の裸のシーンも殆どなくって、あの当時のTV(「時間ですよ」や「コント55号の裏番組をぶっとばせ!」など)の方が過激だったような気もする。
だから、「こんなんで立たされたのか!?」と当時の先生を訴えたくなった(笑)

4作とも、永井豪原作の漫画とはコンセプトが違い、生徒VS先生(+PTA)という図式となっている。全共闘世代と思われる製作スタッフは、このナンセンス映画に名を借りて世の不条理を訴えていたのかと、中年になった自分は気づかされたのでした。

【…それにしても、今回、銀座界隈を歩いて気づいたのは、山野楽器もそうだが、ビックカメラ、HMVとDVDの売り場面積がどんどん狭くなってることだ。日本では、DVDのセル市場も大分細くなっているのかな?】

HARENCHI Gakuen Series (1970 - 71)

Monaural
16: 9 Scope Size
Region 2

サントラ盤も同時にズビズバ!

B00134101K ハレンチ学園(実写映画版)オリジナルサウンドトラック
サントラ
インデックス ミュージック  2008-03-26

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2008-05-15

「マッド探偵」 DVD 神探 Mad Detective

Mad Detective
Mad Detective

ジョニー・トー&ワイ・カーファイ共同監督の香港映画「マッド探偵」(神探 Mad Detective)をDVDで観た。
この作品は、昨年のヴェネチア映画祭でコンペティション部門に出品され、今年の香港フィルム・アワードにもノミネートされていた。なので、面白そうかな?と思い、DVDを購入したのである。

主演は、ラウ・チンワン。日本ではなじみが薄い俳優だが、昨年香港フィルム・アワードで主演男優賞をとった実力のある俳優である。中年で、顔はあんまりよくないが、演技がうまいのは確かだ。

物語をDVDの裏面の解説を基に書いてみる。(以下、ちとネタバレあり)

最近連続しておきた強盗殺人事件に、行方不明になっている警察のピストルがからんでいた。銃の持ち主のウォング刑事(リー・クォックラン)は、 容疑者を追う山中で姿を消した。彼の同僚で長年行動を共にしていたチ・ワイ刑事(ラム・カートン)は無傷のまま署に戻ってきた。

捜査を 担当する調査官ホー(アンディ・オン)は、この難事件の解決には、数年前に気がふれてしまい、退職したかつての上司で、有能な犯罪プロファイラーで あったブン(ラウ・チンワン)の助けが必要だと考えた。彼は、潜在意識中にある欲望や感情など、人のインナー・パーソナリティを見ることが出来るという特 異な才能を持っていた。

やがて、初めてチ・ワイと接触したブンは、チ・ワイがウォングを殺したと見抜く。精神分裂病患者の元刑事が、妄想や迷い、虚虚実実のからみあいの中から真実の答えを捜し出して行く…

題名に"マッド"(Mad)とつくように、このブン刑事のプロファイリングは、変わっている。吊るした豚を切り裂いたり、スーツケースに自分を入れてもらい、階段から落とさせたり…。
ついには、上官の送別会の席上、自分の右耳を包丁で切り取り、餞別として差し出してしまう。それで、警察を解雇されてしまうのだ。(ゴッホか?こいつは!)

劇中、捜査を進める中で、犯人チ・ワイの中に、実は7人の人格があることがわかる。つまり多重人格だ。

映画の中では、その7人の人格が画面に出てくる。若いクールな美人女性もいれば、気の弱い太った中年男性もいる。それぞれが、会話をしながら、犯人は行動していく。

キャメラは、主人公の目に見える世界と現実の世界を行き来する。
18ヶ月も遅々として進まなかった捜査が、"マッド"刑事が来てから進展するが、それでも登場人物たちのいらいらがつのり、次第に袋小路に追い込まれていく様が、現実と精神世界を行き来するうちに浮き彫りになる。

こうやって書くと難解なものを想像するかもしれないが、そんなことはない。それは多分ストーリーが単純とも思えるほど、難しいものではないからだろう。

ジョニー・トー監督らしいスタイリッシュかつスマートな映像。ラストの雑居ビルでの鏡張りの部屋での銃撃戦は、登場人物が歩き、鏡にはインナー・パーソナリティーが映るという面白い演出がなされている。

有能なエリート捜査官ホーも、実は内面はいつもおびえてる弱々しい男の子(←インナー・チャイルド)である。
人間誰しも持つ、内面の人格。誰もが無自覚のまま大人になっているということか。

特異な才能を持ち、有能だが気がふれてしまった「悲しい」元刑事。今はいなくなった妻(ケリー・リン)の幻想と会話し食事をする男… やっぱりちょっとせつない話だったよ。

日本では、昨年の東京国際映画祭で上映されたが、一般公開は難しいのだろうな。ジョニー・トー&ワイ・カーファイ監督の面白い試みだとは思うけれど。

Mad Detective (2007)

91mins
Dolby Digital 5.1 Surround
16: 9 Widescreen
Region All

Mad Detective Mad Detective
Cheng Siu-keung

Mei Ah  2008-02-12
Sales Rank : 46378
Average Review 

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2008-05-12

「野良犬」 DVD クライテリオン・コレクション

今年は黒澤明監督没後10年ということで、NHK BS で全作品の放送をしているようだが、その中で「野良犬」が放送されることを知り、無性に見たくなってしまい、HMVでクライテリオン・コレクションを買って来た。

ぼくはエラそうなことを言ってるが、まだ数本、黒澤映画で観てないものがあり(初期の作品)、この「野良犬」もその中の一本だったのだ。何度かTVで放送されたし、家にはビデオテープもあったのだが、なぜか「観れて」なかったのだ。(自慢じゃないが、黒澤に限らず、買ったり、録ったりしてるけど観てない映画はまだまだあるのだ<爆>)

面白い面白いとは聞いていたが、これは超オモロイ映画だ。Not Only ストーリー But Also キャメラが凄くいい。本当に傑作である。

戦後の東京。暑くうだる日。新米刑事・村上(三船敏郎)は、バスの中でスリにあい、拳銃のコルトを盗られてしまう。弾は7発入ったままだ。その後、その拳銃を使った事件が起きる。必死になって、銃の行方を追う村上。一緒に捜査するベテラン刑事・佐藤(志村喬)。ちんけな女スリから得た情報で、銃の売買をやっている焼け跡の闇市でのおとり捜査を経て、刑事たちは徐々に犯人に近づいて行く…

日本で初めての本格的なサスペンス映画であり、刑事物と呼ばれるジャンルを作った名作。黒澤明9本目の作品である。

クライテリオン・コレクションはレストアに力を入れていることが有名で、今回も充分鑑賞に耐える綺麗なレストアになっている(絵も音も)。これは2004年に発売されたもので、特典映像に東宝版に収録されている「創ると云う事は素晴らしい」( It's wonderful to create!) も入っているが、レストアは東宝版と違う。こっちの方がいいとの噂も聞くが、東宝版を持ってないのでわからない。

レストアされたモノクロ画面の中に、戦後復興期の東京が紛れもなくある。冷房のない時代の東京のむし暑さを見事に表現しているし、闇市、後楽園球場の川上哲治、ナイトクラブでのショウ等々、当時の時代背景が作品に厚みをもたらしているといえる。

闇市を、三船が軍服を着て銃の売人を捜すシーンは、後で調べたら8分39秒あり、その間まったくセリフがない。ここのモンタージュは素晴らしい。その他にも、志村喬が女(千石規子)を取り調べる時の、ワンカットでタバコを吸うシーンや、犯人が宿泊しているホテルでの電話のやり取り、その緊迫したシーンで使われる陽気なポルカなど、映像技巧的にめちゃ面白いフーテージがてんこ盛りである。

当時16歳の淡路恵子(これが映画デビュー)は、「自分は踊りがやりたくてSKDに入ったのになんで映画に出なきゃなんないのよ!」とずっとふてくされていたのだと。だが、それがかえってよかったため、その後出演依頼が殺到し、大女優となった。人生、何が幸いするかわからない。

劇中、いいセリフがあった。盗まれた拳銃で事件が起き、いたたまれなくなった村上は上司の中島警部(清水元)に辞表を提出する。辞表を破り捨てて中島はこういう。

「不運は、人間を叩き上げるか、押しつぶすかのどちらかだ。君は押しつぶされる気か?心の持ち方次第で君の不運は、君のチャンスだ。なぜこの事件を担当させてくれ、と言わないんだ!」

こうして、村上はベテランの佐藤刑事とコンビを組む事になるのだ。

野良犬が、狂犬になるか、まともな犬になるかは、どんな時代にあってもその人間のこころざし一つなんだ、ということを教えてくれる。現代においてもそのことは何ら変わらない。

映画を志す青年は、Must See だね。脚本、構成、撮影技法、演技、音楽の使い方等、全て映画の教科書のようだ。本当に面白いし、楽しませてもらった。ぼくは、この年になるまでこの映画を観てなくて、かえってよかったかも、と思った。その面白さを堪能できたから。

千秋実扮するナイトクラブの男が、刑事を前に、踊り子のハルミ(淡路)を評してこう云う

「おとなしいんですが、おとなしい娘ほど強情なもんでしてねぇ…」

これも名セリフだな。実感としてわかるよ(笑)

Stray Dog (Nora Inu) (1949)  The Criterion Collection

122 mins
Black & White
Monaural
1.33: 1 Aspect Ratio
Region 1

Stray Dog - Criterion CollectionStray Dog - Criterion Collection
Asakazu Nakai

Criterion 2004-05-25
Sales Rank : 26724
Average Review

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2008-05-11

「スピード・レーサー」 Speed Racer

Odoru0905081 香港では、5月8日から公開になった「スピード・レーサー」(Speed Racer)へ行く。
「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟が作った「マッハGoGoGo」と聞くと行かねばなるまい。映画館へGo!だった(←すまん。ベタで)。

最初のワーナーブラザーズのロゴから、バックが万華鏡のようにきらきらしている。もう、全編原色を使ったサイケデリックな(←言い方、古い?)場面がバンバン続く。色が目に痛いくらい鮮やかだ。

尊敬する兄をレース中の事故で亡くしたスピード・レーサーは、レースで確実に実績を重ねていた。ある日、彼のスポンサーになりたいとロイヤルトン産業の社主が訪ねてくる。家族思いのスピードは、家族で力をあわせてレースに出場している現在のやり方を重んじ、スポンサーの申し出を断る。それに怒ったロイヤルトンは、彼の今後のキャリアを潰しにかかろうとするが…。

アメリカで日本のアニメ「マッハGoGoGo」("Speed Racer") は人気があるとは聞いていたが、主人公の名前がスピード(名)レーサー(姓)というのは驚いたよ、あんま強引で(笑)。日本の名前はたしか三船剛だったからな。

冒頭、貧乏ゆすりが激しいレーサーの後ろ姿が映る。その揺れる足が子供の足に変わる。担任の教師が、「お宅のお子さんは自動車レースの事以外は全く興味がありません」と親に怒ってる。
その間も、教科書に描いたパラパラ漫画のように、主人公はレースに出ている自分を空想する。そのシーンで、ぼくは思わずニンマリした。というのも、かかる音楽が「マッハGoGoGo」だったからなのだ!

その主題歌のメロディは、劇中も何度か登場し、一番鳥肌ものだったのは、エンド・タイトルの冒頭で、日本語のまんまかかるところだ!

風も震える ヘアピンカーブ♪ 怖いものかと ゴーゴーゴー♪

調べてみたら、「マッハGoGoGo」は1967年4月から1968年3月にかけてフジテレビ系列で日曜午後7時から放送されていた。ぼくが小学校2年生の時である。ほとんど毎週見ていた覚えがある。だから歌もソラで歌える。
その主題歌を、このトシになって、外国の映画館で聴くとは思いもよらなかった。

この映画は、そういった、リアルタイムで昔のアニメを楽しんでた人と、このアニメのことなんか全く知らない人では評価が大きくわかれると思う。

はっきり言って、2時間15分は長すぎるし、物語が案外複雑で最初の1時間以上も説明に費やされるものだから退屈する(ぼくの前に座ってたインド人らしき若いカップルがいちゃいちゃし始めたくらいだ)。レースシーンも、未来のサーキットはスペース・マウンテンのような、ジェット・コースターみたいなもので、CGは凄いのだが、レース展開が少しわかりにくく高揚感があまりない。

若い人は、ウォシャウスキーだから「マトリックス」のような形而上学的なものを期待するかもしれない(ぼくは「マトリックス」は現代の「不思議の国のアリス」だと思ってるけど)。だが、これは日本のアニメ、いや60年代当時の言い方でいうと"まんが映画"の実写化なんである。

Odoru0905082 荒唐無稽なスーパーカー。二枚目の主人公。素敵な両親。従順なカノジョ。"三枚目な"弟とチンパンジー。(「デアデビル」のような)謎のレーサーX。忍者。30年代風のギャング。中継している世界中のTVアナウンサーの顔々…

タツノコ・プロの"まんが映画"のテイストを持ちながら、アメリカで実写化するとこんな感じになるんだということなのだろう。必ずしも成功しているとはいえないが、オリジナルに思い入れがある人間にとっては、嫌いになれない映画である。

主役のエミール・ハーシュ、カノジョのクリスティナ・リッチは「アニメ顔」だと思う。韓国の人気歌手Rain、真田広之(出演シーン、少ない)も頑張ってる。

観終わった時、今度、銅鑼湾の韓国カラオケで「マッハGoGoGo」を歌おう!と思った。たぶんおねえちゃんたちに「ナニコレ?」と言われるんだろうけど(笑)

マッハ ゴーゴーゴー♪

Speed Racer (2008)

135mins

2008-05-08

「ミラクル7号」DVD 長江7號 CJ7

チャウ・シンチーの新作「ミラクル7号」(長江7號 CJ7)をDVDで観た。

この映画は、香港では、今年(2008年)の1月31日という、旧正月のヒットしそうな映画が出揃う時期に、香港映画の代表格として拡大公開された。
ぼくも子供たちを連れて行こうと思ったのだが、子供たちが首を縦に振ってくれなかったので、劇場で観ることはあきらめ、DVD発売を待っていたのだった。

チャウ・シンチーの映画は、見終ると、おいしいB級グルメを食べた時のような満足感がいつもある。決して高級料理ではないところがいい。だから彼の映画は「憎めない」ものが多いと思う。

今回も、ご多分に漏れず、チャウ・シンチー・ワールド炸裂なのだが、この作品は、父子の愛を描いた、泣かせる一品であった。

妻を亡くし、息子を一人で育てている父親(チャウ・シンチー)は、息子のディッキー(シュー・チャオ)を私立学校へ通わせるために、昼夜問わず、日雇い労働者として働いている。寝る所が一畳ほどしかないバラックへ住む父子だが、寄り添って仲良く日々を過ごしていた。ある日、いつものようにゴミ捨て場で生活用品を拾って帰ろうとした父親は、宇宙船が飛び立つところに遭遇し、そこに残された緑色の物体を拾って家に帰る。そのドッジボールのような球は、実は宇宙から来た小動物だったのだ。ディッキーはこれをCJ7と名づけ、ランドセルの中に入れて学校へも持って行くのだった…

Odoru0805082 ディッキーは、CJ7に「ドラえもん」のように、何でもしてくれることを夢見るが、実際は何も出来ない(宇宙から来たのに!)というのが可笑しい。

チャウ・シンチー映画は、CGを駆使して、「んな あほな!」というオーバーな描写が<売り>だが、今回も子供の喧嘩のシーンなど、腕をつかんで投げたらハンマー投げみたいに飛んでいっちゃったりと、大げさで笑える。

父子の設定が、母親がいなくて、貧乏で、なのに息子は私立へ行かせるなんて、まるで「(父親は)日本一の日雇い人夫ですっ!」と青雲高校で言い放った、「巨人の星」の星飛雄馬じゃん、と思ったよ(笑)

個人的に、ぼくも妻を亡くし、この父子のように子育てをしているので、後半(ネタバレになるので書かないが)、身を切られるような辛い展開があり、泣けた。

このディッキー役のシュー・チャオが、表情豊かで、本当によくって、泣かされて、いい子役の男の子だなぁ、と思っていたが、実は女の子!と聞いてびっくり。

上映時間84分のシンチー・ワールド。ベタな設定と、新鮮味のあまりない物語だが、愛らしい(ちとチープな)CJ7と、父子の話はきっと貴方をあったかな気持ちにしてくれると思う。ぼくは、正直「観てよかった」と思ったよ。

最後に、香港らしいネタを一つ。
知り合いの香港人とバーで飲んだときに、その知り合いの奥さんが、チャウ・シンチーの幼なじみだと話してくれた。
で、「どんな奴だったって言ってた?」と聞いたら、一言「変な奴だった」と。

なるほど、だから彼の映画は面白いんだ、と話を聞いて納得したのでありました(笑)

長江7號 CJ7 (2008)

5.1 Dolby Digital
2.40: 1 Aspect Ratio
84mins
Region 3

2008-05-05

シナトラ/アット・ザ・ムービーズ CD Sinatra At the Movies

フランク・シナトラの映画で使った曲を集めたコンピレーションアルバムが4月に発売されたので紹介しよう。Frank Sinatra "At The Movies".

正直あまり「イカして」ないモノクロのアルバムジャケットだし、何枚かシナトラのアルバムを持っている人には余り目新しいものではないだろうが、(おそらく)レストアされたキレイな音で、主に50年代のキャピトル時代のシナトラの歌声が楽しめる。

映画のタイトルを挙げると、

「地上(ここ)より永遠に」('53)、「夜の豹」('57)、「カン・カン」('60)、「走り来る人々」('58)、「ヤング・アット・ハート」('54)<未>、「愛の泉」('54)、「ダニー・ウィルソン物語」('52)<未>、「見知らぬ人ではなく」('55)、「波も涙も暖かい」('59)、「激突のガンマン」('56)<未>、「最后の接吻」('58)、「抱擁」('57)、「下町天国」('47)、「The Tender Trap」('55)<未>、「Higher and Higher」('43)<未>

アット・ザ・ムービーズとはいえ、「野郎どもと女たち」、「ナイスガイ・ニューヨーク」、「上流社会」や「踊る大紐育」等からのものは入ってない。そういう意味では全てを網羅したものではないが、キャピトルの中での選曲としてはナカナカではないかと思う。

個人的に嬉しいのは、「夜の豹」の "I Could Write a Book" と "The Lady is A Tramp" が収録されていること。ぼくは、このリタ・ヘイワース、キム・ノヴァクとの共演作がシナトラ映画の中で一番彼らしくて好きなのだが、サントラ盤を長年捜しているのに、まだ買えずにいるものだから…

ぼくは、このCDを車の中や、リビングで聞いている。やっぱ、飽きないよな、シナトラは。彼のボーカルを聴いていると、"ボーカル"も一種の楽器のような気がしてくる。この声はワン・アンド・オンリーの特別な音色の楽器のように思える。ホント聴き心地が良い声だ。The Voice と呼ばれて当然だと思うよ。

聞き慣れた曲が多いが、セレクトされた20曲が「映画」というくくりで一枚に収められてるので、これはこれで良いかなと思ってるのでした。

SINATRA AT THE MOVIES

Sinatra At the Movies
Sinatra At the MoviesFrank Sinatra

Capitol 2008-04-15
Sales Rank : 100412

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Nothing But The Best Classic Sinatra: His Greatest Performances 1953-1960 A Voice in Time: 1939-1952 Frank Sinatra - The Golden Years Collection (Some Came Running / The Man with the Golden Arm / The Tender Trap / None but the Brave / Marriage on the Rocks) Classic Sinatra II

2008-05-02

「アイアンマン」 IRON MAN

Odoru02025081_2 香港は5月1日が休み(労働節)だったので、映画「アイアンマン」"Iron Man"へ家族で行った。

15歳の息子が休みでシンガポールから帰ってたので、この映画は息子向きかなと思って行ったのだが、いやいや、これは大人の鑑賞にも充分耐える見事なコミック・ヒーローものだった。
「アイアンマン」の漫画の知識がなくても大丈夫(ぼくもなんにも知らなかった)。「トランスフォーマー」にノレなかった"大人"の映画ファンもこっちは見れるはずだ。

トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は、米軍へ最新鋭の武器を納入する会社のCEO。父亡き後会社を相続した大金持ちだ。彼は、大酒飲みでプレイボーイだが、MITを卒業し、数々のハイテク武器を開発した天才技師でもある。この日、彼は友人の軍人(テレンス・ハワード)と自家用機でアフガニスタンに降り立つ。砂漠で新型ミサイルのデモンストレーションを行ない、ジープでの帰路、テロリストの攻撃にあい、重傷を負い捕虜となってしまう。トニーは同じ捕虜の医者(ショーン・トーブ)のお陰で一命を取り留めるが、テロリストたちは彼に新型ミサイルの製造を強要する。彼らは、依頼のあった武器を作っていると見せかけて、トニーが自ら身にまといテロリストと戦える”鉄のよろい”を作ることにするのだった…

ロバート・ダウニー・Jrという、ハリウッドではビッグ・ネームとはいわないが、実力派がなぜこんなヒーロー物に出たのか不思議だったが、見て納得した。
Odoru02025082 これは単純な勧善懲悪の物語ではなく、なぜトニー・スタークなる男がアイアンマンになったのか?なろうとしたのか?を描いたものだったから。
ダウニー・Jrだから演じられたアイアンマン。劇中のセリフで「私はヒーローのタイプではない。だが…」というのも彼だから説得力がある。彼だからこそ、アイアンマンが人間臭く魅力的に見えてくる。彼はアイアンマンに「魂」を与えたといっても過言ではないだろう。

ダウニー・Jrは凄く良かったし、他の出演者も、秘書のペッパー役のグウィネス・パルトロウ、同じ会社の重役のジェフ・ブリッジズ、軍人のテレンス・ハワード等々、ヒーロー物とは思えない布陣でとても良いキャスティングだ。

監督のジョン・ファヴローは、あの傑作「スウィンガーズ」('96)に出てた奴じゃん!だからこんなに洒落たユーモアのある映画なんだと納得。

この映画の見所はやっぱりCGである。工業高校や理工学部の学生など、エンジニアを目指す若者は絶対見るべし。アイアンマンの製造過程は一見の価値あり、だぞ。

おっさんのぼくは、「鉄人28号」を連想したなぁ。やっぱ、男の子はこーゆーロボット物というか、機械物って結構見てて楽しいものだ。
この映画は、軍産複合体や現実のアフガンの問題もあり、大人には面白いが、小さい子にはちと難解だろう。実際うちの10歳の娘には難しかったようだ。
エンディングで、聞きなれたロックの旋律が流れてるな?と思ったら、プロレスの「ロード・ウォリアーズ」が入場する時にかかるやつだった!懐かしい!(けど曲名知らず)

映画の後、広東料理を食べに行く予定だったので、娘も連れて行ったのだが、映画が始まって10分くらいで、(一瞬だが)ちと激しいベッド・シーンがあった。あららら、娘と顔を合わせて目がテンになった。アメリカでもPG13だったので、親としてちと反省しました…

帰りがけ、息子がポスター(IRON MAN)を見て、「アイロンマン」と読んだ。「それじゃぁ、クリーニング屋さんじゃん!」と皆で一緒に笑った夜だった。

IRON MAN (2008)

126mins

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