「ミラクル7号」DVD 長江7號 CJ7
チャウ・シンチーの新作「ミラクル7号」(長江7號 CJ7)をDVDで観た。
この映画は、香港では、今年(2008年)の1月31日という、旧正月のヒットしそうな映画が出揃う時期に、香港映画の代表格として拡大公開された。
ぼくも子供たちを連れて行こうと思ったのだが、子供たちが首を縦に振ってくれなかったので、劇場で観ることはあきらめ、DVD発売を待っていたのだった。
チャウ・シンチーの映画は、見終ると、おいしいB級グルメを食べた時のような満足感がいつもある。決して高級料理ではないところがいい。だから彼の映画は「憎めない」ものが多いと思う。
今回も、ご多分に漏れず、チャウ・シンチー・ワールド炸裂なのだが、この作品は、父子の愛を描いた、泣かせる一品であった。
妻を亡くし、息子を一人で育てている父親(チャウ・シンチー)は、息子のディッキー(シュー・チャオ)を私立学校へ通わせるために、昼夜問わず、日雇い労働者として働いている。寝る所が一畳ほどしかないバラックへ住む父子だが、寄り添って仲良く日々を過ごしていた。ある日、いつものようにゴミ捨て場で生活用品を拾って帰ろうとした父親は、宇宙船が飛び立つところに遭遇し、そこに残された緑色の物体を拾って家に帰る。そのドッジボールのような球は、実は宇宙から来た小動物だったのだ。ディッキーはこれをCJ7と名づけ、ランドセルの中に入れて学校へも持って行くのだった…
ディッキーは、CJ7に「ドラえもん」のように、何でもしてくれることを夢見るが、実際は何も出来ない(宇宙から来たのに!)というのが可笑しい。
チャウ・シンチー映画は、CGを駆使して、「んな あほな!」というオーバーな描写が<売り>だが、今回も子供の喧嘩のシーンなど、腕をつかんで投げたらハンマー投げみたいに飛んでいっちゃったりと、大げさで笑える。
父子の設定が、母親がいなくて、貧乏で、なのに息子は私立へ行かせるなんて、まるで「(父親は)日本一の日雇い人夫ですっ!」と青雲高校で言い放った、「巨人の星」の星飛雄馬じゃん、と思ったよ(笑)
個人的に、ぼくも妻を亡くし、この父子のように子育てをしているので、後半(ネタバレになるので書かないが)、身を切られるような辛い展開があり、泣けた。
このディッキー役のシュー・チャオが、表情豊かで、本当によくって、泣かされて、いい子役の男の子だなぁ、と思っていたが、実は女の子!と聞いてびっくり。
上映時間84分のシンチー・ワールド。ベタな設定と、新鮮味のあまりない物語だが、愛らしい(ちとチープな)CJ7と、父子の話はきっと貴方をあったかな気持ちにしてくれると思う。ぼくは、正直「観てよかった」と思ったよ。
最後に、香港らしいネタを一つ。
知り合いの香港人とバーで飲んだときに、その知り合いの奥さんが、チャウ・シンチーの幼なじみだと話してくれた。
で、「どんな奴だったって言ってた?」と聞いたら、一言「変な奴だった」と。
なるほど、だから彼の映画は面白いんだ、と話を聞いて納得したのでありました(笑)
長江7號 CJ7 (2008)
5.1 Dolby Digital
2.40: 1 Aspect Ratio
84mins
Region 3
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