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2008年1月

2008-01-30

第14回映画俳優組合賞(SAG)授賞式 14th Annual Screen Actors Guild Awards

Odoruscreenactorsguildjpg_3 香港でも第14回映画俳優組合賞(14th Annual Screen Actors Guild Awards)授賞式の模様が1月28日にStarWorldで放送された。

今年はゴールデングローブ賞授賞式がキャンセルになったので、この授賞式はよけい楽しみにしていた。

日本では、見た事がなかったのだが、当地へ来てからは毎年見ている。これは映画俳優組合の俳優たちが自分たちの投票で、その年の演技賞を決めるというものなので、監督賞や撮影賞といったスタッフへの賞はない。最優秀も作品賞ではなく、最優秀キャストの作品はどれか?という趣旨のものなのである。

受賞者には、二つの仮面を手に持った「アクター」と呼ばれる像が送られる。だから、プレゼンターは、"Actor goes to ..." と発表するのだ。

昨年は、最優秀キャスト賞が「リトル・ミス・サンシャイン」に送られ、「ザ・クィーン」で最優秀主演女優賞を受賞したヘレン・ミレンは、「私が最も頂きたかった賞です」とスピーチした。

さて、今年はどうなったか?この組合が出来て75周年なので、さぞ盛大か、というとそうでもなかった。俳優だけなので、絵的にはいいが、案外地味な授賞式なんである。

受賞者とスピーチは公式サイトで見れる。

http://www.sagawards.org/14_awards_accept

このなかで、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」で主演男優賞のダニエル・デイ・ルイスは、後半のスピーチは先頃亡くなったヒース・レジャーのことに言及し、彼の功績を讃えると共にこの賞を彼に捧げると話し、大きな拍手を受けていた。

助演女優賞は、ベテランのルビー・ディー。「アメリカン・ギャングスター」のヤクザな息子を叱りとばす母親役さながらの貫禄だった。

嬉しかったのは、主演女優賞のジュリー・クリスティ。今回「アウェイ・フロム・ハー」で、アルツハイマーの老女の役で大評判らしいが、相変わらず美しく、スピーチの終わりに「えーっと、他にもまだお礼を言わなきゃいけない人がいるかもしれませんが、まだ役が抜けきれてないもので…」と言って笑いをとっていた。

今年、生涯功労賞(Life Achievement Award)を受賞したのは、チャールズ・ダーニング。「スティング」「狼たちの午後」「トッツィー」なんかでお馴染みのバイプレイヤーだが、渋い人選である。
バート・レイノルズから像を受け、「50年前は映画に出るのが夢だった…今その夢の中に生きられたことに感謝します。」とスピーチした。
(ちなみに、去年の生涯功労賞はジュリー・アンドリュース。プレゼンターはディック・バン・ダイクだった。)

そして、最優秀キャストは「ノー・カントリー」が受賞(最優秀助演男優賞もこの作品のハビエル・バルデム)。ヒゲのないジョシュ・ブローリンは案外ハンサムだ。平成のハワード・キールやね(笑)

TVドラマ部門は、「ソプラノズ」ばっかりだったよ。
女優賞のプレゼンターで、ミッキー・ルーニーが登場。さすがに長老なので、スタンディング・オベーションで迎えられていた。
いつまでたっても元気である。15年くらい前(?)に、ぼくは彼の自伝「Life is too short」を読んだが、あれは "Life is too long" の間違いじゃなかったのか?と思ったよ(笑)

さ、来月のアカデミー賞はどうなるか?開催されるのか?も含め、お楽しみはこれからである。

14th Annual SAG Awards

2008-01-28

「クローバーフィールド/HAKAISHA」 Cloverfield

Odorucloverfield 話題の「クローバーフィールド/HAKAISHA」(Cloverfield)へ行って来た。凄いぞ!これは!
香港でも米国と同時期1月17日から公開されてて、早く観たかったのだが、息子と行きたくて、彼の英検受験が終わるまで待ってたのだ。

一言で言うと、莫大な製作費をかけた「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」だ。映画が始まるといきなり、テストパターンが出て、このビデオは米国国防省に保管されているものだとわかる。次は、セントラルパークを見下ろす高価なマンションの一室で若い男女がいちゃいちゃしているビデオになる。何だこれは?手持ちカメラなので手ぶれがひどい。そして次は、日本へ仕事で行くことになったお兄ちゃんのために弟たちがアパートでサプライズ・パーティを開いているビデオになる。相変わらず手ぶれがひどいが、一部始終を録画するということで、カメラはパーティに来た面々を映して行く。寿司や日本酒もある。ん?これは怪獣映画と聞いていたが、違うのか?と思わせ始めた途端、ドーーーーーン!という音で、遠目に見えるニューヨークの高層ビルが爆発する。何が起ったんだ!?パーティにいた面々が外へ出てみると、今度は大爆音と共に空中から何かが飛んできて道路へ転がる。なんと自由の女神の頭の部分じゃないか!!!何なんだ!?一体何が起ってるんだ!?

とまぁ、こうゆう風に手ぶれのひどいビデオで、正体不明のモンスターにニューヨークが壊され、人々が逃げ惑う姿が、一般市民の視点で映し出されるわけだ。正直、手ぶれのビデオ画面が延々続くので、観終わった後、乗り物酔いに似た状態になってしまった(息子も)。家に戻り、少し横になったよ。
チケット売り場に「注意: この映画はとてもリアルに撮ってあり、心臓に病気がある方はご注意ください、云々」と書いてあり、その意味がわかったよ。凄い迫力のある映像が他にもあるのだ。言わないけど(笑)

もう書きたい場面が色々あるのだが、ネタバレになるからやめる。ともかく大画面でこの映像を体験した方がいい。どうやって撮ったんだろうな?と息子と車の中で話しながら帰った。かつてない視点から怪獣映画を作っているところが面白い。加えて、爆音、射撃砲の音、ジェット機音など音響もすんばらしい迫力。

ニューヨークが舞台なので、ハリウッド・ゴジラを思い出したが、出来は歴然である。こっちの方が数段良い。
ただ、Rotten Tomatoの批評の中に、怪獣自体が食い足らないので、家に帰って「グエムル -漢江の怪物-」を見直した、というのもあり、ちょっと気持ちが分かったのも事実だが…。

日本での公開は4月とのこと。公開時はまた第二の「ポリゴン事件(ポケモン)」にならないようにと願ってる。去年の「バベル」もあったしね。酔い止めの薬を飲んで行きますか?(笑)

Cloverfield (2008)

85mins

「クローバーフィールド/HAKAISHA」 DVD のレビューはこちら!
                               ↓
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_fb52.html

2008-01-26

「君のためなら千回でも」The Kite Runner

Odoruthekiterunnerjpg 香港では1月24日から公開になった「君のためなら千回でも」(The Kite Runner)へ行く。

原題の"The Kite Runner"とは、アフガニスタンでやる子供の遊びのこと。凧同士で喧嘩をして、糸を切った方が勝ち、落ちた凧は誰がとってもいいので、その凧(kite)を追っかけて子供が走る(runner)ということなのだ。
現在アフガニスタンでは、タリバン圧政のため、凧揚げも禁止されている。子供の遊びさえ奪われているという現実。そのことも込めた題名なのである。

日本語の題名は「君のためなら千回でも」(←わからなくもないが、もうちょっとマシな邦題なかったのかな?)。日本では2月9日から公開と聞いた。

物語は、現在のサンフランシスコで新しい本が届いたばかりの作家アミールに祖国アフガニスタンの恩人から一本の電話がかかるところから始まる。「国に帰って来い」そう言われたアミールは過去を回想する…。子供の頃のアミールの家は裕福で、プール付きの邸宅に住んでいた。そこの使用人の息子ハッサンとは同じ位の年ということもあり大の仲良しだった。気の弱いアミールとしっかりしたハッサン。二人はいつも一緒に凧揚げをしたり、映画に行ったりして楽しい日々を送っていた。街で年上の悪い奴らにからまれてもハッサンが助けてくれる。が、ある日ハッサンはその悪い奴らにいたぶられあげくレイプされてしまう。それを目撃したアミールは何もすることが出来なかった。その気まずさからアミールはハッサンを避けるようになる…。
1979年ロシアのアフガン侵攻により、父と共にアメリカへ亡命したアミールは故郷でのハッサンとのことが心の傷となっていた。その償いの為にも彼はタリバン圧政の祖国へ行く事を決意する。そして首都カブールで会った電話の主から、過酷な現実を耳にすることになるのだった…

正直、泣けた。亀裂の入ってしまった男の子同士の友情、父と子の愛情、戦場と化してしまった故郷…そして救い。

泣きのパートは色々あるが、父親としての自分は、アミールの父が他人のために自ら縦になりロシア兵へたてつく場面や、裕福だったアフガニスタンの生活から、ガソリンスタンドで働かざるを得ないアメリカでの生活の中、カレッジを卒業した息子とバーへ行き、他のお客さんにも酒を振る舞う姿に胸打たれた。その後、アミールがアフガニスタンへ戻り、"真実"を知る事になり、ハッサンからの手紙を読むシーンも感動的であった。

映画とはいえ、現在のタリバン独裁政権下で犠牲になっているアフガニスタンの悲惨な姿が映し出される。地雷やおもちゃ爆弾で足がなくなった子供たちが過酷な環境で生きているのは観ていて辛い。

ここで描かれていることは、アメリカのご都合主義と独善的な正義感と言えなくもないが、やはり圧政に苦しむ人々が地球上にいるということは事実であり、そのことは知っておいていいと思う。そういう意味でも今観ておく映画の一本といえよう。

タイトルバックがセンスが良くていい。最近は、タイトルバックどころか、タイトルさえ出ない映画が多いが、音楽と文字だけだが、美しい。

子供の頃の主人公たち二人が映画館で観る映画が「荒野の七人」。スティーブ・マックイーンとチャールズ・ブロンソンのことを語る二人は微笑ましい。
アミールの父の買った新車がムスタングで、「『ブリット』のマックイーンだ!」とハッサンが興奮する場面も、同世代のぼくには「わかる、わかる」という感じ。
アフガニスタンにもまたこうやって子供たちが映画を楽しめる日が早く来る事を願ってやまない。

The Kite Runner (2007)

128mins

2008-01-22

「エリザベス:ゴールデン・エイジ」 Elizabeth: The Golden Age

Odoruelizabeththegoldenage 1月17日に香港でも始まった「エリザベス:ゴールデン・エイジ」(Elizabeth: the Golden Age)を観た。

前作「エリザベス」は、主役のケイト・ブランシェットが、エリザベス女王になるまでの話であったが、今回は女王になってから、スペインとの戦争を勝利に導き、真の君主になるまでを描く。

どこまでが本当なのかはわからないが、ヨーロッパの歴史を勉強するには最適な映画だと思う。無敵といわれたスペインの艦隊がなぜイギリス沖で負けてしまったのかがよくわかる。このクライマックスの戦闘シーンは、CGもあるが、(まぁまぁ)迫力もあり面白く観れた。

スペクタクル編になったお陰で、前作の荘厳な美術と、映像美は薄くなり大味になった感は否めないが、逆に映画としては見応えのする楽しめる作品になっている。

主役を演じるケイト・ブランシェットは、今や押しもおされぬ実力派トップスターとなり、その実年齢も併せ、今回エリザベス女王を演じるのはベストのタイミングといえよう。彼女は、君主になったが故の人間として、リーダーとして、そして一人の女として苦悩する姿を見事に演じている。ラスト・シーンで赤子を抱いてこちらを見ている場面は、神々しささえ漂う。彼女にとって、そして彼女しか演じられないまさに"はまり役"ではないだろうか。

クライヴ・オーエンが冒険家の役で登場。新世界を発見して、女王の名をとりヴァージニアと名づけたと嬉々として報告する。そして女王を女として苦悩させる男性を演じる。長老役のジェフリー・ラッシュ含めみんな上手い。ある意味、シェイクスピア劇を見ているような感じ。

この映画は、出演者が話す英語がとてもキレイで聞きやすい。正統派ブリティッシュ・イングリッシュと言えよう。女王の英語はそのシニカルなジョークも含め、"クイーンズ・イングリッシュ"なのだろう(ケイト・ブランシェットはオーストラリア人で、監督のシェカール・カブールはインド人だが…)。

リーダーの孤独…。これはなった人間にしかわからないもの。まして英国の女王として君臨するためには相当の重圧があっただろう。スペインからの攻撃、身内の裏切りにも合い、だから女として誰かにすがりたいという切々とした感情もあるが、それも見事に打ち砕かれ、ヒステリーを起こし、それでも前に進んでいかなければならないという現実の辛さ。

そしてその感情も何もかも乗り越えた時、彼女は本当の意味で君主になる。英国の母となり、女王となるのだ。そのために犠牲にしたものも多いにもかかわらず、それでも I am myself と言える強さ。リーダーとはかくも尊敬に値するものなり、である。

Elizabeth: The Golden Age (2007)

114mins

2008-01-19

「ヘアスプレー」 Blu-ray 2-Disc Shake & Shimmy Edition

昨年末から我が家でブームが続いている(笑)「ヘアスプレー」(HAIRSPRAY)だが、DVDに続いてBlu-ray(米国版)まで買ってしまいました。

このBlu-ray, Shake & Shimmy Editionは2枚組、1枚目はHi-DefならではのDiscである。

冒頭「ウエストサイド物語」を意識したという、バルチモアの空撮場面を観て、DVDとBlu-rayの美しさの違いがはっきりわかった。雲の色も微妙に違うって小四の娘が言った。彼女はDVDで少なくとも20回以上はこの映画を観てるので、ぼくよりも「通」なのでした(笑)。
Blu-rayだとこの映画がこだわっている「原色」が際立ち(そしてそれは明らかに60年代テイストである)、踊りのキレも変わって見えるから不思議だ。フジカラーだからか?(笑)

何でこの映画はこんなに楽しいのだろう?と思ったので自分なりに考えて分析してみたのだが、曲がいい、踊りも楽しい、キャストもいいというのは誰でもわかると思うが、上映時間約1時間57分中、歌って踊る場面が合計約1時間15分。つまり3分の2がミュージカル・シーンで、曲と曲の間(つまりドラマの部分)が平均約2分40秒と短いのであった。だからテンポよく飽きないで観れる。特にラストのコーニー・ロリンズ・ショウの場面からエンド・クレジットまで約20分は殆どノン・ストップでご機嫌なナンバーが続く。子供でも字幕なしで充分楽しめるのはこういうことなんだろう。

このBlu-rayには、本編でカットされたミュージカル・ナンバー "I Can Wait"も収録されている。デモにより捕まった面々を思い、トレーシーが一人で歌うスローナンバーである。歌ってる顔に様々な場面がオーバーラップするという、60年代風に編集されたフーテージなのだが、上述のテンポという面を考えるとカットされてもやむを得ないなぁ、と思わされた。曲も詩もいいんだけどね。

特筆すべきは、特典の"Behind the Beat"これは解説とメイキング画像(レコーディング風景、ダンスのリハーサルも)が本編スクリーン下に同時に現れる。凄いね、容量の多いBlu-rayならではである。

続いて2枚目である。特典映像の入った、この2枚目のディスクをPS3に差し込んだら「地域が違うのでご覧になれません」とテロップが出た。何かの間違いだろう?と思ったが、よく見たら、これはBlu-rayではなくDVD-ROMじゃないか!詐欺じゃねぇか!と思ったよ。ま、確かに 2-Disc と書いてる(2Blu-ray Discではなく)ので間違いではないんだが… 外側には書いてないので不親切な標記である。日本版はまさかと思うが、一応気をつけた方がベターかも。

この"DVD"の中身は、「ロング・ジャーニー・オブ・ヘアスプレー」(80分)「ヘアスプレーのルーツ」(40分)削除されたシーン集(9分)予告編である。

このBlu-rayは、「ヘアスプレー」ファンはマストだね。何度観ても楽しめます。これでまた、うちの娘はあと何回観るつもりなのだろう…? (笑)

You can't stop the Beeeeeat!

HAIRSPRAY (2007) 2-Disc Shake & Shimmy Edition

1080p High Definition
2.35: 1 Aspect Ratio
DTS HD 7.1 Surround
117mins

ヘアスプレー(2枚組) [Blu-ray]ヘアスプレー(2枚組) [Blu-ray]

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2008-01-17

「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」

Odorububbleego フジテレビの土曜プレミアムで1月12日に放送された「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」をソニーのロケフリから録画して見た。

本作品は昨年の3月に、香港で開催されたインターナショナル・フィルム・フェスティバルで上映されたのだが、広末涼子、阿部寛の舞台挨拶があったものだからすぐに売り切れ、その後当地での劇場公開及びDVDの発売を待ったが、それもなく、ぼくは今日まで観れずじまいだったのだ。
その頃、たまたま見た当地のケーブルTVのインタビュウで広末涼子、阿部寛、馬場康夫監督が出てて、インタビュアーの香港人のつたない日本語と(敬語をよく知らないのか)タメ口に近い質問にも誠実に答えていて、日本人としてとてもエライと思ったので、余計この映画を見たくなった(?)のでありました。

映画は、2007年3月、借金取りに追っかけられキャバクラで働くまゆみ(広末涼子)が、財務省の役人 下川路(阿部寛)に頼まれ、洗濯機型のタイムマシンに乗り、バブル時代、1990年の東京へ行くというもの。その年に行く理由は、バブル崩壊の引き金になった同年3月の大蔵省通達「総量規制」を撤廃する命を帯びてその時代へ行った母(薬師丸ひろ子)を捜すためなのであった…

結論から言うと、えらく楽しめる映画だった。だが、これは観る人を選ぶ映画だなぁ。
バブルの時代、そしてその時の東京を知らないと正直笑えるところは少ないだろう。
タイム・トリップした1990年の大蔵省の役人は、ソフト・スーツを着て六本木ディスコのVIPルームへ行く。自宅は夜景が見えるメゾネットタイプ。高級ワイン、シャトー・ラトゥールを飲み、巧みにオンナを口説くのだ。
学生たちは卒業祝いで竹芝で船上パーティを開き、女の子たちは太い眉毛にソバージュでボディコンを身にまとい、Boys Town Gang の "Can't Take My Eyes Off You"(君の瞳に恋してる)なんかで踊っている。

いやぁ、六本木スクエアビルや森永LOVEの再現など、ほんと懐かしいし可笑しい。携帯電話も弁当箱みたいだったし、ティファニーのオープンハートなんか何個買ったかな?なんて(笑)。万札を見せてタクシーを止めるというのは本当だったし、特筆すべきは、ラモスが出てきたこと。あの頃まだ読売クラブ時代のラモスは俺でさえ2、3回六本木で見たもんな(笑)だからメチャクチャリアルなんである。

これは、馬場監督以下、遊び人のホイチョイ・プロ、フジテレビ、電通といったギョーカイの人間で当時遊んでて今は偉くなった人たちが面白がって作った映画としか思えない。彼らにとっての「Always 三丁目の夕日」なんであろう。

映画自体はSFコメディなので、後半は特に荒唐無稽になってしまうが、それはそれ。「私をスキーに連れてって」の時から若大将シリーズにも似た、垢抜けた東宝プログラム・ピクチャーのような映画を作ってきたホイチョイだもん、これでいいのだ!(←言い方、古)

英語の題名が洒落てて「Bubble Fiction: Boom or Bust」という。タランティーノの「パルプ・フィクション」のもじりで、韻を踏んでいるところもいいね。

特筆すべきは、広末涼子のかわいさである。子供産んだ女性とは思えない(笑)。20代前半の役だが、まったく無理がない。やっぱ彼女は凄い女優さんですなぁ(拍手)。薬師丸ひろ子を若返らせて角川映画時代のショートカットにするなんて、作り手の人間の「趣味」としか思えないよね(笑)。けど俺も(同年代で)わかるから許す(←キッパリ)。

Bubble Fiction: Boom or Bust (Bubble E Go!! Taimu Mashin wa Doramu-Shiki) (2007)

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2008-01-15

昨日のゴールデングローブ賞 65th Golden Globe Award

昨日の第65回ゴールデングローブ賞授賞式だが、香港でもStarWorldで放送予定だったのだが、中止になったのでやむなく、アメリカン・ミュージック・アワード2007をやってました。それはそれで楽しめるのだが、やっぱり見たかったな、授賞式。例年、テレビの前でMoet & Chandonのシャンペンを冷やしてタキシード着て見てるので(←うそ)。

(受賞作はここ)
         ↓
http://www.goldenglobes.org/news/id/87

ミュージカル・コメディ部門の「スィーニー・トッド」は香港ではまだ公開されていないのでわからないが、ドラマ部門の「つぐない」は先日観たばかりなので受賞は納得できた。

Odoruatonement3 ゴールデングローブ賞は、「ハリウッド外国人映画記者協会」に所属する会員によって決定されるので、インテリ好みで高尚な作品が選ばれやすい。去年の「バベル」もそうだったが、一昔前ならとうていハリウッド資本では製作されなかったような、(インディーもののような)良作を選ぶ傾向にあると思う。

そーゆー意味で、「つぐない」は見事なイギリスの文藝作であり、芸術作品としても一級品なので、選ばれるのは当然と思った。

さて、次は6週間後のアカデミー賞である。昨年11月5日からの脚本家組合のストが長引けば、当然影響は出るだろう。これは、ネット配信の映画等の脚本料の分配がなされないというのが大きな原因だと聞いているが、まだまだ時間はかかるかもね。

候補になるだろうと予想されているのは、「つぐない」「スィーニートッド」「ノー・カントリー」「There Will Be Blood」「アメリカン・ギャングスター」「マイケル・クレイトン」等と言われているが、本命といわれる「ノー・カントリー」対抗馬の「There Will Be Blood」は共にウルトラ・バイオレンスらしく、監督がそれぞれ、コーエン兄弟とポール・トーマス・アンダーソンと聞くと、ヴェネツィア映画祭かいな?と思っちまう。

一昔前なら大ヒットした風格のある大作がオスカーを受賞したもの(「ベン・ハー」「ウエスト・サイド物語」「戦場にかける橋」「ゴッド・ファーザー」)だが最近はほんと小ぶりになっちゃって、あんまし誰も見た事のない作品が選ばれる傾向にある。昨年の「ディパーテッド」なんて、香港では評判ぼろぼろやったけどね(←「インファナル・アフェア」(無間道)の方が10倍良いから)。
そういう意味では最近のアカデミー賞受賞作はあんまりみんな覚えてないのとちゃうやろか。

大作ばかりがいいわけではないが、ハリウッドのお祭りなんだから、ドーンと派手にやってほしいね。さぁ、今年はどうなるか(受賞作も開催も)?

2008-01-12

「マイ・ブルーベリー・ナイツ」 My Blueberry Nights

Odorumyblueberrynights香港が誇る映像作家、王家衛(ウォン・カーウァイ)監督の新作「マイ・ブルーベリー・ナイツ」(My Blueberry Nights)へ行く。当地では1月3日から公開中。昨年のカンヌ映画祭オープニングを飾った作品である。

シンガーソングライターのノラ・ジョーンズが初めて映画に主演したことでも話題になっており、ポスターもかっこ良かったので期待して観に行った。広東語の題名は「藍苺之夜」。

ニューヨークにある古いカフェ。小さなカウンターでは、今日もオーナーのジェレミー(ジュード・ロウ)が忙しく働いている。その店に来たエリザベス(ノラ・ジョーンズ)は彼氏に他のオンナが出来て失恋したばかり。彼氏の部屋の鍵をオーナーに渡して「来たら返しておいて」と言って出て行くが、やっぱり誰かと話がしたくて閉店間際の店に帰ってくる。オーナーは彼女の話を聞いて、売れ残りのブルーベリー・パイを出してあげる。二人が打ち解け始めたある日、エリザベスは何も言わず旅立つ。

アメリカ大陸を横断する旅の途中、エリザベスはウェイトレスやバーのカウンターで働き、様々な愛の形を見る。奥さんに逃げられ、アル中になった警官の男(ディヴィッド・スタラザーン)。その呪縛から逃れない悲しい妻(レイチェル・ワイズ)。病気の父親に対する想いを正直に出せないギャンブラーの女(ナタリー・ポートマン)…。

やがて、エリザベスは、旅先からジェレミーに手紙を出す。「あなたのブルーベリー・パイは世界一」と…

ウォン・カーウァイ監督がアメリカで、こんなに豪華なキャストで撮った映画だが、正直言ってぼくにはいささか退屈だった。物語も平坦だし…洒落たカメラワークのラストシーンのために2時間弱付き合わされた感じ。

相変わらず愛に傷ついた「痛い」面々が登場するが、ぼくは年齢的に中年男性なので、アル中になった男の話は理解はできる、が感情移入は出来なかった。やはりあまりに女々しすぎるのである。

ウォン・カーウァイのファンなら「恋する惑星」を連想するだろう。トニー・レオンの役がジュード・ロウ、フェイ・ウォンがノラ・ジョーンズだよね。何か、監督の今までの作品を舞台をアメリカで、キャストを欧米人で撮ったという印象である。

独特のスタイリッシュな映像は健在で、夜のニューヨークの高架を走る電車、誰もいない信号機など、ウォン・カーウァイらしい画面は随所にある。だが、ぼくにはカリフォルニアの青い空は彼には似合わない感じがした。出来れば次回作はまた香港で撮って欲しいな。

香港を代表する監督となった王家衛だが、当地では思ったほど人気がなく、ぼくは「2046」「愛の神、エロス」そしてこの作品と香港の映画館で観たが、いつも客入りはもう一つだった(「それぞれのシネマ」もだが、あの短編「君のために9千キロ旅して来た」もこの映画と同じく"距離"にこだわったものだったな)。
香港人と話したら「わけがわからない」「面白くない」「なんで欧米で評価が高いのか理解出来ない」というのが一般的な王家衛(ウォン・ガーワイ=広東語読み)の評判みたいなのである。

2年前(2005年)の3月、湾仔のコンベンションセンターで開かれたノラ・ジョーンズのライヴ。ぼくも聴きに行って楽しんだが、今考えるとあの時にウォン・カーウァイも来てて、彼女を主役にと考えたのかな?なんて想像しているのでした。

音楽をライ・クーダーが担当し、ノラ・ジョーンズの新しい歌も使われている。色んな面で豪華な布陣なんだけどね…今回の映画は王家衛にしてはわかり易いが、ぼくには面白みはあまり感じなかった。去年のカンヌ以降評判が聞こえてこなかったのはこういうことやったんやね。好きな監督だけに今回は残念である。

My Blueberry Nights (2007)

95mins

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2008-01-11

「ラスト、コーション」 DVD (色・戒)

Lust, Caution (Uncut NC-17 Special Edition) DVD - Chinese Subtitle Only
Lust, Caution (Uncut NC-17 Special Edition) DVD - Chinese Subtitle Only Tony Leung

Edko Video (hk)  2007
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アン・リー監督の傑作「ラスト、コーション」(Lust, Caution 色・戒)のDVDが昨年12月21日に香港で発売された。
この映画は当地では9月26日に公開になったのだが、大ヒットし、ぼくの事務所近くの映画館では今年1月9日までやっていた。しかも強気の入場料$85で(通常は$60~$70。ハリウッドの大作でも$80)。こんなロングランは香港では珍しい。

このDVDは昨年末購入していたのだが、中身が中身だけに(香港ではカテゴリー3:18歳以下鑑賞不可。DVDも同様)家族が起きているときには観れず、年末年始は子供が冬休みで夜更かしするもので、なかなか観れなかったのだ。家族が寝静まってからこっそり観るなんて、中学か高校の頃、親が寝てからTVの「11PM」見た時以来だよ(笑)

ただ残念ながら、このDVDには英語字幕が付いていない。通常香港で販売されるDVDは必ず英語字幕が付くのだが、この作品に限り無い。おそらく海外での販売を規制するための措置だろう。
ぼくは映画館で英語字幕で観てるので、そんなに困らずに観れたのだが。アメリカ盤は2月に発売になるそうなので、そちらを待っていてもよかったかなとも思った。

日本占領下の上海、香港を舞台に、日本軍の政府組織で働くイー(トニー・レオン)に近づいていく女スパイ、ウォン(タン・ウェイ )。彼の愛人となり、組織の仲間と彼の暗殺を企てるが…
大学の演劇仲間たちの強い母国愛が故に引き起こされる悲劇を描く、2時間38分の堂々たる大作である。

美術、音楽、演技、映像と全て素晴らしい。スケールの大きさはびっくりするほど。香港・九龍サイドのチムサーチョイの町並みを再現したセット場面では、劇場内がざわついたのを覚えている。

過激なベッドシーンのため、中国本土ではカットされたヴァージョンが公開されたと聞く。日本ではどうなるのだろう。ボカシが入るんだろうか。
香港でも、トニー・レオンのお宝が見えるということで(一部で)話題になったほど。
まぁ、この映画はそこばっかり話題になるが、物語上必然の重要なシーンなので念のため。

トニー・レオン、タン・ウェイ共に体当たりの演技で注目を集めているが、彼女が想いを寄せるハンサムな青年役、ワン・リーホンのもどかしいばかりの演技も良かった。彼は台湾のシンガーなのだが、この大役を見事に演じきっている。

本DVDは、劇場で公開されたものと同じフル・ヴァージョン。2枚組で、特典映像は、予告編、TVスポット、スティル・ギャラリー、スタッフ・キャストのフィルモグラフィー、インタビュウ、撮影風景の映像(なぜか?音無し)が収録されている。
このうち、インタビュウは、アン・リー監督、トニー・レオン、タン・ウェイ、ワン・リーホン、ジョアン・チェン等が答えているのだが、全員流暢な英語で話している。映画では広東語、上海語を喋っていたので皆語学は堪能なんだね。

公開されてすぐの頃、タクシーに乗っていたらラジオからこのサントラが聞こえてきた。香港の夜景を車窓から眺めながらこの音楽を聞くと、切なくなるが、香港へ今居るんだなとしみじみ思ったものである。

日本では2月2日に公開になるそうだが、映画館でぜひこの名作を堪能してくだされ。

(レビューは以下にて)
    ↓   
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/lust_caution_b90f.html

色・戒 Lust, Caution (2007)

158mins
DTS, Dolby Digital 5.1 Surround
16: 1 Aspect Ratio
Region 3

ラスト、コーション スペシャルコレクターズエディション [DVD]
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2008-01-08

「つぐない」 Atonement

Odoruatonement_2 「プライドと偏見」のジョー・ライト監督の文芸作「つぐない」(Atonement)である。香港では昨年末12月27日から公開されている。
今年のゴールデン・グローブ賞に最多7部門でノミネートされているというので観に行ったというのが正直なところだが、観てよかった。確かに良い出来の映画であった。

戦争の足踏みが聞こえ始めた1935年のイギリス。郊外の邸宅へ住むブライオニー(シーアシャ・ローナン)は、タイプライターで小説を書くのが好きな少女。姉のセシリア(キーラ・ナイトレイ)は、その家のハウスキーパーの息子ロビー(ジェームズ・マカヴォイ)と恋仲なのを知っている。ある日、家族や親戚が集まっている時に事件が起き、そこでブライオニーはついてはいけない嘘をついてしまう。そのことにより人生を狂わされてしまうロビーと姉…

純真だが、小説好きの少女が犯した過ち。そしてそれは取り返しのつかないことになってしまう悲劇。”少女”であるが故の微妙な乙女心であるにしても彼女の心にも一生残ってしまったぬぐいきれない傷…

映画は、罪を犯した者、傷を負わされた者、双方を描くことにより根源的な人間の罪深さ、そして贖罪を描く。

なんか、こうやって書くとえらい重苦しいものに思うかもしれないが、そんなことはない。美しい映像、(原作もいいのだろうが)見事な脚色&演出で観るものを引き込んでいく。奥深い映画である。

映像表現の素晴らしいところは随所にあり、例えば、少女時代から成長し戦時中に看護婦になったブライオニー(ロモーラ・ガライ)は、まばたきをあまりしない女性になっている。そのために彼女はちょっと特殊な娘なのではないか?という印象を観客に持たせるのだ。その表情のアップにタイプライターを打つ音が重なる箇所は彼女の辛い心理状態を表現する見事なシーンだ。

兵士となったロビーがフランスの浜辺で、イギリス兵士たちの間をぬって歩くシーンはなんとワン・カットで、戦争の傷跡を見せつける。その他、病院でのおびただしい数の傷ついた兵士たちも、戦争の悲惨さを見せる静かだがとてもインパクトのある演出だ。

そしてその兵士たちの「傷」を見せることにより、ブライオニーやセシリアたちの「傷ついた心」を映像として観客に印象付けることにもなっている。

Odoruatonement2_3 一昔前のベタな宣伝文句なら「全女性必見!」という言葉を使うだろう。ぼくは男なので女性心理の奥底まではわからなかった。女性ならばもっと切実に、嘘をつく側、つかれる側の気持ちがわかるのではあるまいか。

キーラ・ナイトレイが美しい。彼女のキャリア中(おそらく)美しさの頂点に近いところでこの映画に出演したというのは、ある意味歴史の必然かも知れない。
晩年のブライオニーを演じるヴァネッサ・レッドグレーヴが素晴らしい存在感と演技で締め、映画をより厚みのあるものにしている。

最後に一つだけ余計なお節介を。"CUNT" という英語の意味を知ってこの映画を観るといいよ。日本語の字幕でどう出るかわかんないから。重要な単語なんだよ、変な意味ではなく。全女性必見!(←但し14歳以下は除く)

Atonement (2007)

123mins

2008-01-06

「オーガスト・ラッシュ」(原題) August Rush

Odoruaugustrushjpg 子供たちを連れて「オーガスト・ラッシュ」(August Rush)へ行ってきた。
冬休み最後の日曜日、いつも遅くまで寝ていた子供らを早く起こして朝一番の回へ連れて行った。眠そうにしていたが、次の日からもっと早く起きなければならないので、慣らすのにちょうどいいかなと思ったのである。
朝一番の回へ行くと、値段が安くて(HK$40=約600円)空いてて良いのだが今回は満員だった。

主演は「チャーリーとチョコレート工場」の男の子フレディ・ハイモア、共演は「M:I:3」のケリー・ラッセル、「マッチ・ポイント」のジョナサン・リース・マイヤース、それにロビン・ウィリアムズ。音楽ものの心暖まる映画である。

田舎の孤児院で、耳に入る全ての音が音楽に聞こえる、音に敏感な男の子がいた。彼は両親が迎えにくる事を待ち続けているが、願いはかなわない。
ー11年前、若き女性チェリスト、ライラとロック・ミュージシャンのルイスはとあるパーティで知り合い一夜を共にする。連絡先を知らない二人はそれから会えずにいたが、ライラは妊娠していたことを知る…
男の子はついに孤児院を抜け出し、ニューヨークへ行く。そこで拾われたヒッピーな男にストリート・ミュージシャンとして街でギターを演奏させられ、お金を稼がされるが、音楽を通して、家族を結ぶ運命の糸は互いにたぐり寄せられていくのであった…

映画の出来は正直そこそこである。もっと感動で盛り上げることも出来るのに、あえてしなかったのか、演出がヘタなのかはわからないが、観終わっても何も残らない。ロックやクラシックの演奏場面も(かっこいいところもあるんだが)高揚させるまでには至らず、もったいない感じ。ストーリーは誰が見ても読めてしまうので、もっとベタな演出でいいから泣かせる方へ持って行った方がスッキリしたかもね。

「オーガスト・ラッシュ」とは主人公の男の子に付けられた芸名みたいなもので、元々はトラックに書いてあった看板”August Rush to the Beach”を見たロビン・ウィリアムズが付けた名前なんである。

そのロビン・ウィリアムズが演じるヒッピーな男は、町で子供を拾っては、ベッドと食事を与えそのかわり小銭を稼がせるずるい男。黒いウエスタン風の服装と帽子は「ピノキオ」に出てくるキツネと、「チキチキバンバン」の子供を捕まえる怖い男を連想させる。

子供にはいいかな、と思ったが「結婚してないのになぜ子供が出来るの?」という疑問から、10歳の娘には意味がよくわからなかったようで、純粋にファミリー向けとは言えない映画だったよ(笑)
日本公開はいつか知らないが、小さいお子さんと観る時は気をつけた方がよごさんすよ。

August Rush (2007)

114mins

2008-01-05

「アメリカン・ギャングスター」 American Gangster

Odoruamericangangstar 香港では1月3日から公開中のリドリー・スコット監督の新作「アメリカン・ギャングスター」(American Gangster)へ行く。
デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウの二大アカデミー賞スターの競演。広東語の題名は「犯罪帝国」である。

冒頭、後ろ手に縛られた男がガソリンを頭からかけられ命乞いをしている。黙って葉巻を加え、その男に火をつけ銃で殺すデンゼル・ワシントン。そして タイトル・バック「American Gangster」。
1968年ハーレム、黒人街の顔役の運転手を真面目に15年勤めたフランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)は、主人の死を境に自分で麻薬販売に手を染める。自らベトナムへ乗り込み、ルートを開拓し、安価で良質な麻薬を売りさばき、瞬く間に巨万の富を得る。一方、仕事は真面目にこなすが私生活では女たらしの刑事リッチー・ロバーツ(ラッセル・クロウ)は妻と離婚裁判で闘争中。同僚の死をきっかけにそれまで想像もしなかった黒人による麻薬組織解明に果敢に挑んで行く…

期待はしていたが、それに充分応えてくれる面白さ。2時間38分飽きずに観れる。
実話を基にした物語なので、時系列に進行していくのだが、1960年代後半から1970年代前半までのアメリカ、ニューヨークのムウドを再現していて、所々「フレンチ・コネクション」を思い出した。マジソン・スクエア・ガーデンでのモハメッド・アリVSジョー・フレイジャー戦の再現など当時を知る人には懐かしい場面も。

この映画で使われている音楽はすごく良くて、黒人社会を描くシーンでは必ずソウルフルなナンバーや、サッチモなど、黒人音楽が使われている。フランクが家族と教会から出てくる時に流れる「アメイジング・グレイス」の使い方など、曲の成り立ちを考えると見事だ。

主役のデンゼル・ワシントンは常にエリート・ビジネスマンのように高級なスーツを着こなすが、いつキレるかわからない恐ろしい男を堂々と演ずる。イタリアン・マフィアも一目置くまでにのし上がるのだが、彼はまるでベンチャー起業家である。ベトナムのジャングルへ単身乗り込み、麻薬生産のボスと直接交渉し大量発注する。輸送は米軍兵士の遺体を運ぶ軍用機を使う。つまり運賃はタダなのだ(買収した兵士はいるにせよ)。そうやって良質なブツを安価で売りさばき、瞬く間に大金をつかむのである。
かたやラッセル・クロウは女好きのしょぼい刑事だが、勉強意欲も正義感も強い「仕事が出来る」プロフェッショナルな男を演じる。仕事さえ出来れば私生活は乱れててもいいんだよ、という役を演じられるのは彼だけかもね(笑)「3:10 To Yuma」の悪役だがかっこいい姿を見たばかりなので、余計不格好に感じたが、なんだかんだいって安心して観ていられる役者である。さすがだ。

この映画は、フランク・ルーカスというアイデアマンが(ある意味)実業家としてのし上がって行く物語が骨子だが、「商売は誠実にやれ」とか説教たれるのを聞くと、もしギャングではなく他のビジネス・フィールドへいたら、彼も今頃ウォール街をのし歩いていたかもなと思わされる。上昇志向の強い起業家を志す人に(これもある意味)お薦め(?)の作品である。

同じ系統の「スカー・フェイス」よりも品がある分ぼくは気に入った。アカデミー賞狙えるかもね。特に監督のリドリー・スコットは実績からいってそろそろ貰って当然だと思う。ノミネートされるといいですな。

American Gangster (2007)

158mins

2008-01-03

「3:10 To Yuma」DVD

ラッセル・クロウとクリスチャン・ベール主演によるウエスタン「3:10 To Yuma」をDVDで観た。じつは期待して待ってたのだが、待てど暮らせど香港では公開の予定もなく、Hong Kong RecordsでDVD見つけた時、すぐに買ってしまったのだ。ま、お正月だしね!(←ただの言い訳)

悪名高いアウトロー、ベン・ウェイド(ラッセル・クロウ)とその一味は駅馬車を襲い現金を強奪した。たまたまそこを通りかかったダン・エヴァンス(クリスチャン・ベール)と二人の息子は、そこで息も絶え絶えの男を助け町へ連れて行く。その町で一味と離れ一人酒場へいたベンは保安官に捕まってしまう。ベンを絞首刑にするためにはユマへ連れて行き裁判にかけなければならない。その町には鉄道がなく、ユマ行きの汽車は3日後の午後3時10分に遠く離れたコンテンション駅から出る。そこまでの護送のボランティアを募ると、金に困っていたダンは報酬$200でその仕事を引き受ける。ダンの一行は町を発つが、ベンの仲間のギャングは、ベンを取り返すために行方を追って来る。果たしてダンたちはベンを無事にユマ行きの汽車に乗せる事が出来るのであろうか…?

Odoru0301083 久しぶりの西部劇だが、これは面白かった。DVDの表紙に"「許されざる者」以降のベスト・ウェスタン!"と書いてあるがあながち嘘ではない。
極悪非道のベンと、南北戦争で片足に名誉の負傷をした"英雄"であるダンが、その駅までの行程で徐々に打ち解けたような、そうでないような微妙な関係になり、そこで報酬$1,000で「俺を逃がせ」と買収されそうになるという心理戦が展開される。敵がいっぱいで無事にユマまでこのならず者を送り届けれるのかというスリルと、この心理戦の両方のサスペンスがあり、ハラハラして観た。

これは元々1957年に製作された西部劇「決断の3時10分」(3:10 to Yuma)のリメイクである。アウトローのベンをグレン・フォードが、堅物のダンをヴァン・ヘフリンが演った。ぼくは未見だが、今回は逆に未見でストーリーを知らなくてよかったと思った。

ラストは、息子を持つ父親として、男として涙が出た。詳しくは書かないが、男なら感動出来るはず。古いと言われるかも知れないが大人の男に観て欲しい映画だ。

敬虔なクリスチャンで堅物を演ずるクリスチャン・ベールも、怖い男だが、引き込まれるような魅力があるアウトロー役のラッセル・クロウも素晴らしい演技である。男たちの背負ったものの重さ、辛さ、しんどさも「わかるわかる」という感じ。
その他、ベンを取り返すために追っかけてくるギャングの仲間チャーリーを演じるベン・フォスターが<蛇>のような冷たい表情で印象に残る。冒頭の襲撃される駅馬車で一人生き残るじいさんを、なんとピーター・フォンダが演ってるんだぜ!これだけでも観てよかったと思った。
「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」のジェームズ・マンゴールド監督。やるなぁ。

これから色んな映画祭等、徐々にその名前が出てくるであろう「3:10 To Yuma」。覚えておいてください、いい映画だから。日本公開時はぜひ映画館で!(←俺も観てぇよ!けどいつやるんだ?)

3:10 To Yuma (2007)

122mins
2.40: 1 Aspect Ratio
Dolby Digital 5.1 Surround
Region 1

2008-01-01

My Best 3 Movies/DVD 2007

2007年にぼくが観た映画とDVDのベスト3を書いてみよう。ベスト10が書けるほど映画観てない(?)ので。3本だけ(笑)

【ベスト Movie】

1.「ラスト、コーション」
2.「デス・プルーフin グラインドハウス」
3.「パンズ・ラビリンス」

1位はアン・リー監督の傑作。2位の「グラインドハウス」は去年本当にハマった。今年3月発売の日本版DVDはUSAヴァージョン収録と聞き買うつもり。3位は映画でしか描けない素晴らしいダーク・ファンタジー。

【ベストDVD】

1.「ホット・ファズ」
2.「ブレード・ランナー」5枚組 Blu-ray
3.「七人の侍」クライテリオン・コレクション

1位は英国盤だが、本編の面白さもさることながら、特典映像がてんこ盛りで本当に凄い。ここまでサービス精神旺盛のスタッフ・キャストに敬意を払って。2位は「ファイナル・カット」のBlu-ray映像にマイった。特典も約9時間の究極のコレクション。3位の「七人の侍」は東宝版とは違うリマスターらしく映像も素晴らしく特典も面白い。
次点は「スタンリー・キューブリック・コレクション」Box Setかな?。

以上、マイ・ベストでした。今年もよろしく!


Odoruquentin_4  


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