「イースタン・プロミセズ」 Eastern Promises
デヴィッド・クローネンバーグ監督の新作「イースタン・プロミセズ」へ行く。今回も「ヒストリー・オブ・バイオレンス」に続き、主演が”アルゴラン”(←ロード・オブ・ザ・リング)ことヴィゴ・モーテンセン。共演が、(ぼく好みの)ナオミ・ワッツと聞けば行かねばなるまい。止めてくれるな、おっかさん、と走って行ってきた。
ロンドン、ある夜、まだ14歳の妊婦が急患で運ばれる。帝王切開で子供は助かったが母親は亡くなる。看護婦アンナ(ナオミ・ワッツ)は残された赤ちゃんの身元を探ろうと母親のバッグに手を入れると、そこにはロシア語で書かれた一冊の日記が入っていた。その中に小さな手がかりとなる、ロシアン・レストランの名刺を見つけ、バイクで訪ねてみることにするアンナ。玄関先に、オーナーの黒塗りのベンツの運転手ニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)や、出来の悪い息子(ヴァンサン・カッセル)がいたりするが、店内に入るとやさしそうなオーナー(アーミン・ミューラー・スタール)が事情を聞き「自分がその日記を訳してあげるから、明日持ってきなさい」と言ってくれる。だが、その温和なオーナーの裏の顔は、じつはロシアン・マフィアのボスだったのだ…
クローネンバーグにしては、ストレートでわかり易く、ある意味「良い」映画である。らしくないといえばらしくないが、この映画に関しては「これでいい」って感じ。全編ロシア訛りの英語とロシア語が飛び交い、ロンドンのダークな部分の雰囲気もとてもよく、上質な(ちょい)ハードボイルドっぽいマフィア映画である。
だが、暴力の描写は相変わらず見てて「痛い」。モーテンセンが、サウナ風呂で襲われるシーンは、素っ裸のモーテンセンがナイフを持った男二人に突然切りつけられ、イタタタ。それで格闘してタイルの床に投げられたりしてこれも痛い痛い。モーテンセン、全裸「まる見せ」で戦うが、だから余計に痛みが伝わってくるのだ。
前半、殺した男の死体を海に投げ入れる前にモーテンセンがその男の指をペンチで切るシーンがあるのだが、その時、劇場でぼくの前に座ってた白人の若い女性が席を立って、二度と帰ってこなかったよ。イタタ。
ナオミ・ワッツは30代のワケあり未婚の女を演じて、あまりキレイっぽく撮られてないが、文句を言わないのが偉いと思う。(ま、それでもキレイなんだけどね、ハハハ)
ダメな息子のヴァンサン・カッセルは思った通り上手いし、父親でボスのアーミン・ミュータン・スティールの醸しだす雰囲気も味わい深い。
モーテンセンは今回は渋いというより、全身刺青を入れ、凄みがあるマフィアを演じる。独特なムゥドのあるいい役者になったよね。
そういえば、最近ロンドンでは、プーチンを批判し亡命したロシアの元幹部が毒殺されるという事件があった。この映画を観ると、こーゆーロシアン・マフィアが事件に関与してるんじゃなかろうか?と思ったりする。そういう意味でも「旬」な映画と言えようか。
Eastern Promises (2007)
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