« 2007年6月 | トップページ | 2007年8月 »

2007年7月

2007-07-30

『ゾディアック』 DVD ワイドスクリーン・ヴァージョン

デヴィッド・フィンチャー監督の新作『ゾディアック』をアメリカ盤DVDで観る。(アスペクト比 2.35:1。5.1ch サラウンド)
香港でも、まだ公開中なのに、HMVなどでも店先に並んでいるものだから、忙しさにかまけてDVDを買ってしまった。

このDVDには、特典映像も何もなくて、なんでだろう?と思ったが、MenuのPreviewをクリックしたら、ジャーン!『ゾディアックディレクターズ・カット2008年発売フィンチャー監督はじめ出演者たちによる音声解説他、特典映像満載!乞ご期待!だって… なんじゃそら!… やられたよなぁ、パラマウント映画には…日本でこのDVDが発売されるときも気をつけなはれよ、皆さん!

ま、そうはいっても、映画は面白かった。現代サスペンスの第一人者のフィンチャーだが、今回は事実に基づく話なので、時間軸に沿って、丁寧に映像を繋いで行く。役者の演技も申し分ないし、DVDで観ると、その音作りの緻密さに感心する。サスペンスを盛り上げるのはやはり音である。2時間37分の長尺だが、引き込まれて観た。

1969年、アメリカ、サンフランシスコ近郊で実際に起きた"ゾディアック"事件。犯人は、数名の男女を殺した後、地元の新聞社へ犯行声明と奇怪な記号を送りつける。その解明に躍起になる、警察とメディア。これは、その後10数年に渡り、その犯人探しによって人生を狂わされた男たちの物語である。

フィンチャー演出は、血がドバー!とかのモロではない、じわじわと迫る怖さがある。今回も物語が進むにつれ、セリフ一つで「怖い」と思わせるものがある。観た人はわかると思うが、あの地下室のシーンは、主人公みたいに走って逃げたくなっちゃうよね。

劇中にも出てくるが、『ダーティハリー』('71)がこの事件を下敷きに作られたものだということを知っていれば、ラスト近く「ハリー・キャラハン」と警部(マーク・ラフェロ)が漫画家(ジェイク・ギレンホール)を呼ぶセリフも意味をなすのである。

やっぱ、ディレクターズ・カットも買っちゃうかもな?俺(汗)

Zodiac (2007)

B002BS0298ゾディアック 特別版 [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ 2009-07-08

by G-Tools

2007-07-29

『ブラックブック』 DVD

ポール・バーホーベンが祖国オランダで撮った『ブラックブック』。英国盤DVDで観た。アスペクト比2.35:1。ドルビーデジタル、DTS。

1944年9月、ドイツはオランダを占領。ナチに家族を殺されたユダヤ人のラヘル(カリス・ファン・ハウテン)は、レジスタンス運動に協力。自らナチ上層部のムンツェ(セバスチャン・コッホ)の愛人となり、本部へ入り込み諜報活動を行う。レジスタンスの失敗から、仲間が次々と殺され、自身も危険な目にあうが、裏切り者のレッテルを貼られ、逃亡を余儀なくされる。やがて、終戦となりオランダも開放されるが、ラヘルはそこで驚くべき真実を知ることになるのだった…。

様々な伏線がからみ合い、ラスト、ブラックブック(黒い手帳)へたどりつくサスペンスフルな構成が見事。今まで、第二次大戦中、ナチ=悪、レジスタンス=正義、という当たり前と思われていた図式が、必ずしもそうではなかったということに驚かされる。

主役のカリス・ファン・ハウテンは、正に体当たりの演技で、頑張っている。自身で歌も歌っているし、あそこの毛を金髪に染めるシーンもある。あと、収容所で半裸で大量の汚物をかぶるところは、大変だったと思う。実際、特典映像のバーホーベンのインタビュウで、「彼女は嫌がった」と語っているが、そらそーだろ、と思うよ。
特典映像では、カリスへのインタビュウもあるが、実際の彼女は、赤毛のロングヘアーのチャーミングな女性である。1976年生まれというから、この映画を撮っている時は20代後半か?英語、独語、仏語もOKみたいだから、これから注目の女優である。

久しぶりに大人の鑑賞に耐える面白い映画であった。
特典映像は、バーホーベンへのインタビュウ(約13分)。カリス・ヴォン・ホウテンへのインタビュウ(約22分)。オリジナル予告編である。
日本版も発売になるようだが、イスラエル語、オランダ語、ドイツ語、英語で話してるので、日本語の字幕(もしくは吹替)で観たら楽だろうなー、と思ったよ。

Black Book / Zwartboek (2006)

B0019R3MBWスマイルBEST ブラックブック [DVD]
Happinet(SB)(D) 2008-07-25

by G-Tools

2007-07-28

小津安二郎 "LATE OZU" DVD クライテリオン・コレクション - Eclipse Series 3

Eclipse Series 3: Late Ozu (Early Spring / Tokyo Twilight / Equinox Flower / Late Autumn / The End of Summer) (The Criterion Collection)
Eclipse Series 3: Late Ozu (Early Spring / Tokyo Twilight / Equinox Flower / Late Autumn / The End of Summer) (The Criterion Collection)

参院選の在外選挙へ香港の日本領事館へ行った(7/23)帰り、中環のHMVを覗いたら、発売されたばかりのクライテリオン版小津安二郎の5枚組があった。HK$620(約9,300円)もしたが、小津さんの映画である。買った。BOXであるが、DVDはナロー・ケースに収納されているので、3.5cmほどの幅で、場所をとらなくていい。収録作品は、以下の通り;

『早春』 Early Spring (1956)
『東京暮色』 Tokyo Twilight (1957)
『彼岸花』 Equinox Flower (1958)
『秋日和』 Late Autumn (1960)
『小早川家の秋』 The End Of Summer (1961)

http://www.criterion.com/eclipse/eclipse_3.asp

今回は、クライテリオンのDVDトランスファーの解説がないので、おそらく松竹、東宝のマスターを使用していると思う。(全作品=アスペクト比 1.33:1 音声 モノ。特典はナシ)

蓮實重彦著「監督 小津安二郎」で、小津さんにやっと間に合った世代の人間である僕は、このLATE OZU(小津・後期)の作品群の方が好きである。初期のサイレントもいいのであるが、カラーになってからの作品も素晴らしい。
どの作品も何度も観ているが、年を重ねて観るとまた違った味わいがある。名作というのはそういうものだ。
いつも小津さんの映画を観終わると、「日本人で良かったなぁ」としみじみ思うのである。例えて言うと、旨い酒と、美味しい懐石料理なんかをいただいた後の、満足感のある、気分のいい感じとでも言おうか。
海外で生活していると、DVD屋で、小津、黒沢、溝口、最近では北野武の映画がずらりと並んでるのを見ると、嬉しいものである。その中でも小津さんの映画は、そのスタイルのみならず、僕ら、日本人には心底わかる「品の良さ」がある。世界に誇れる日本の至宝である。

クライテリオン・コレクションのカバーアートはいつもセンスが良くて好きだ。今回も、薄い緑を基調とした、シンプルなカバーである。小さく、各作品のスチルが並んでいるのだが、その中の一枚は、『彼岸花』の"赤いやかん"なのだ。こういうところが、「わかってるなぁ」と思わせるところなのである。

ところで、里見弴は、「さとみとん」と読むんですね。今まで「さとみじゅん」だと思っていた。英語字幕で初めて知った…ハズカシー。

LATE OZU - Eclipse Series 3 - Criterion Collection

2007-07-27

『スパルタ総攻撃』 DVD

『300』のメイキングで、原作者フランク・ミラーが元ネタだと話しているのが、この『スパルタ総攻撃』である。原題は、"The 300 Spartans"(300名のスパルタ軍)という。
ストーリーは、ギリシャに侵攻してきたペルシア大軍に、レオニダス王が300名のスパルタ軍で迎え撃つが、最後、テルモピュライにおいて全滅してしまうという史話。
製作は、20世紀フォックスで、シネマスコープである。1962年当時としてはスペクタクル大作扱いだったのだろうと推察する。
だが、監督:ルドルフ・マテ(←知らん)、主演:リチャード・イーガン(←知らん)で、映画としての出来は、大したことはない。
当時は、当然CGなどないので、全て人海戦術。大量の兵士たちが、大自然の中で、ワーと出てくるのだが、如何せん戦闘シーンの演出がヘタでちっとも盛り上がらないのである。が、ラスト、スパルタ軍が弓で打たれるところは少し切ないものがあった。
『300』との一番の違いは、スパルタ軍が鎧をつけていること。『300』のように、裸で、ストロング・スタイルの黒パンツをはいて、お腹の四角いお餅のような筋肉は見せつけない。だから、「そっち系」の人には受けないと思う。
ま、興味がある人はどうぞ。

The 300 Spartans (1962)

2007-07-25

『300 (スリーハンドレッド)』 DVD スペシャル・エディション (2枚組)

(Approved by Amazon.com)

映画『300(スリーハンドレッド)』のDVDが、香港で7月10日('07)に発売された。
フランク・ミラー原作のグラフィック・ノベルを、ザック・スナイダーが監督。
ペルシアによる降伏を拒み、わずか300名の軍勢で、100万のペルシア大軍と戦った、スパルタ軍の誇りある戦いを、CGを駆使して、圧倒的な迫力で描く。
もうこの手の映像は、「(フランク・)ミラー・スタイル」と呼んでいいのではないか。ロドリゲスが撮ろうが、スナイダーが撮ろうが、フランク・ミラーものは、センスの良い、"動く絵"になるのだ。
このDVDの本編は、アスペクト比 2.40:1の美しい映像と、素晴らしい音!我が家のYAMAHAのアンプが高らかに鳴った!(パッケージには、Dolby Digital、SDH って書いてある)。
「スパールタアァァーン!!なんじらの職業は何だーッ?」
「ホゥー!、ホゥー!、ホゥー!」って、ところもすんごい音!

メジャースタジオ(ワーナー)なので、日本版もたぶん同じ仕様になると思う。このDVDはお薦めである。

簡単に「特典」を書いておく。
音声解説:ザック・スナイダー(監督)、カート・ジョンスタッド(脚本)、ラリー・フォン(撮影監督)
The 300- Fact or Fiction? :
 歴史家、作家、監督たちによる歴史的事実と映画の検証。
・Who Were The Spartans?:
 俳優達はどうやって大昔のスパルタ軍の役作りをしたか。
・Frank Miller Tapes:
 雑誌編集者、監督たちや本人によるフランク・ミラーの創造性やグラフィック・ノベルについて。
・Making of 300:
 メイキング・オブ・『300』
・Making 300 in Images:
 撮影風景を、初日からクランク・アップまで、スチル写真の早回しで見せる。
・Deleted Scenes:
 カットされた3つのシーン。ザック・スナイダー監督による解説付。
Webisodes:
 撮影現場、スタッフ、出演者たちのインタビュウ。

ちなみに値段は、HK$169(約2,535円)でした。ホゥー!

300 (2007)

2007-07-22

『ザッツ・ダンシング!』 DVD

(Approved by Amazon.com)

映画『ザッツ・ダンシング!』のDVD (Region 1) が今月(Jul/'07)発売された。あの『ザッツ・エンタテインメント』のジャック・ヘイリー・ジュニアが、ジーン・ケリーと再び作ったアンソロジーである。今回は、MGMのみならず、RKO、20世紀フォックスなどの映画会社のダンス・シーンも入れてダンスの歴史をひも解いていく。

ホスト解説は、ジーン・ケリー、サミー・ディビス・ジュニア、ライザ・ミネリ、ミハイル・バリシニコフ、レイ・ボルジャーの5人。
本DVDの特典映像のインタビュウでジーン・ケリーはこう語る。「この映画の意義は、子供たちにダンスのスタイルを見せてあげられることだ。映像で見れば一目瞭然だから。」そう、この映画はダンスを志す若い人にこそ観てほしい映画である。

ビル・ボージャングル・ロビンソン、フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース、ジーン・ケリー、ニコラス・ブラザーズ、エレノア・パウエル、シャーリー・マクレーン、ジョン・トラボルタからマイケル・ジャクソンまで、正にダンス・ダンス・ダンスである。

まぁ、そうはいっても、正直言って映画の出来は60点くらいなんだよなぁ…興行的にもパッとしなかったためか、日本では、LDにもDVDにもなっていない。僕は輸入版のLDを持っていたが、トリミングのダメダメ皿だった。今回のDVDは、嬉しいことにレストアされワイド・スクリーン(2.35:1)になり、音声も5.1chサラウンド!になっている。

この映画のハイライトは、ビル・ボージャングル・ロビンソンや、『オズの魔法使い』の案山子(レイ・ボルジャー)のカットされたシーンかも知れない。けど、僕にとってのハイライトは『遥かなるアルゼンチン』のニコラス・ブラザーズであった。これを上回るのは、(『ザッツ〜』シリーズで使ったものを除けば)パラマウント映画『ブルー・スカイ』('46)でのフレッド・アステアの(最高のタップ!)"プッティン・オン・ザ・リッツ"があるじゃないか、と思っているが、残念ながらここには入ってない。これが入っていればこの映画の評価もあと10点上がっただろうに、とマジで思う。これぞ、That's Dancing!! なのに。

この映画の功罪は、もしこの映画がなかったら、『ザッツ・エンタテインメントPART3』はもっと充実したものになったはずだ、と思わせるところだろう。
今回のDVDは日本でも発売してほしいなぁ。ワーナーだから、もし、980円になったらとってもお買い得感があると思うけどね。

That's Dancing! (1984)

2007-07-21

『グリース』映画 DVD 2枚組 コレクターズ・エディション

(Approved by Amazon.com)

ジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン・ジョンの傑作青春ミュージカル映画『グリース』である。(広東語では「油脂」と書く。そのまんまやね。)

このDVDは、2006年秋に発売されたシングアロング版で、僕が持っているのは香港ヴァージョン "2-DISC Rockin' Edition" である。アメリカ発売版は、"Rockin' Rydell Edition" (=上のカバーアート)という。

店頭で見つけたとき笑ったのは、このDVDには、トラボルタたちが着てた皮ジャンが着せてあったこと(下の写真)。ここまでされたら買わざるを得ない。これで我が家に、2枚目のDVD「グリース」がコレクションされることになったのであった(LP、CD、LD、ビデオも入れると、いくつこの映画に関連したものがあるのやら…)。

初公開時、この映画は評価が決して高いものではなかった。だが、僕は映画館で観て、あまりの面白さに3回観に行った。
当時18歳の僕は、オリビア・ニュートン・ジョンのファン(←この映画はホントにかわいい)というのもあったが、ディスコでもよく曲がかかっていたので、踊りも見たくて行ったのだった。

そんな僕にとって、今回のヴァージョンで感涙ものだったのは、特典映像の"25th Anniversary DVD Launch Party: Memorable Moments" である。15分ほどのビデオだが、2002年に25周年記念DVD発売パーティでのミニ・ライブの模様を収録してあるのだ。オリビアが、「愛すれど悲し」を歌い、トラボルタを呼び、「ウィ・ゴー・トゥギャザー」を、最後は当時の出演者たちが舞台に上がり「想い出のサマー・ナイツ」を大合唱する。

何か、同窓会で、昔の友人に会ったような、懐かしくて嬉しいものがあった。僕のように青春時代にリアルタイムでこの映画を好きになった人、当時ディスコで踊ってたような人には、この映像だけでも充分価値があると断言する。鳥肌もの!だぜ。

もちろん、売りのシングアロング(歌詞が色が変わっていって一緒に歌える)も楽しいし、その他の特典も、カットされたシーン集、インタビュウ等。画像もワイドスクリーン 1.66:1、音は5.1chになっている。
どうせ買うならこの一枚である。日本でも売ってくれーっ!

Grease (1978)

Greasecover




Greasecover2









B000GBEWHA Grease (Rockin' Rydell Edition)
Allan Carr
Paramount  2006-09-19

by G-Tools

2007-07-19

『ザナドゥ』 DVD

(Approved by Amazon.co.uk)

最近、Softbankのキャメロン・ディアスのTVCMで、映画『ザナドゥ』の曲が流れている。40歳前後の世代がターゲットなのかな?この前は、ノーランズの "I 'm in the mood for dancing"が流れてたからな。
1981年当時、この映画"XANADU"が公開されるちょっと前まで、六本木に同じ名前のディスコがあった。僕らは「キサナドゥ」と呼んでいた。今考えると、経営者が読み方を間違えたのか(?)と思うが、当時は有名なディスコだったので、逆に『ザナドゥ』と読む方が違和感があったのだった。
本作は、『グリース』で大成功した後のオリビア・ニュートン・ジョン主演。脇をあのジーン・ケリーが埋めるというので、当時オリビアのファンだった僕としては、見ざるを得ない(そんな大儀な!)映画として勇んで行った。が、劇場はスカスカで、早々に終わったと記憶している。
映画としても面白いものではなく、唯一見れたのはジーン・ケリーの、『いつも上天気』で見せたような軽やかなローラースケートと、オリビアと踏むタップ・ダンス(オリビアの顔は引きつってたが)くらいであった。
1985年、American Film Institute がジーン・ケリーを表彰するパーティで、オリビアも挨拶して、「私もジーン・ケリーと踊ったのよ!」とはしゃいで話してたけど、「あんたは踊ったうちに入らん!」とTVにつっ込んだのを思い出す。
このDVDは、2004年発売の英国版。アスペクト比 1.85:1、サラウンド。特典は、予告編のみ。HMVのセールで買った。
ジーン・ケリー最後の"ひと踊り"なので、持っておく価値があるというものである。

Xanadu (1980)

2007-07-17

『最後の航海』 The Last Voyage

踊る大香港 が贈る、"たぶん誰も知らない映画シリーズ"第一弾!今回は『最後の航海』である(←第一弾でいきなり「最後〜」かよ!)。
香港のTCM(Turner Classic Movies)にて放送されたので録画して観た。このTCMは、テッド・ターナーが自ら創設したCNNを高値で売り逃げた後に、MGM等の名作映画の権利を買い漁って作ったもの。24時間アメリカの古い映画を放送してくれるので、僕的には貴重なライブラリーと化しているのだ。

さて、『最後の航海』である。豪華客船に乗船した若夫婦と娘。エンジンルームの爆発で、客室に大穴が空き、奥さん(ドロシー・マローン)の足の上に大きな鉄骨が乗って動けなくなってしまう。船は沈んで行くが、彼女は動けない。パニックになった船内で、旦那と船員たちが彼女を助けるべく必死に行動する…、という話。
小さな娘と奥さんを助けるべく、旦那(ロバート・スタック)がとっても頑張るのだが、なかなかスリリングな作りになってて、古い映画だが意外に面白いのだ。
エンジン・ルームや、沈む時の甲板のシーンがえらいリアルやな、と思ったら実際の客船(S.S. Ile de France)をスクラップする前に撮影したのだそうだ。船関係の会社の人間(俺)から見ると、映画的矛盾もあるが、それはそれ。映画として楽しめる作品になっている。この年のアカデミー効果賞も受賞した、(小さな)パニック映画の快作である。

僕がこの映画を初めて観たのは、35年以上前、TBS系の月曜ロードショーであった。当時はまだ我が家は、白黒テレビだった。今回観て、カラーだったんだな、と思った。
まだ小学生だった僕は、父や姉とこの映画をハラハラドキドキしながら観たのを思い出す。その二人はもうこの世にはいない。自分にとって懐かしさと共に思い出深い作品なのである。

The Last Voyage (1960)

(アメリカではDVDが発売されている。)

B000HEWEF8The Last Voyage
Hal Mohr
Warner Home Video 2006-10-24

by G-Tools

(Approved by Amazon.com)

2007-07-15

『リオ・ブラボー』 DVD 2-DISC スペシャル・エディション

(Approved by Amazon.com)

今年('07)は、ジョン・ウェイン生誕100年。アメリカでは記念で数々のDVDが発売されているようだ。その中の一つがこの2枚組の『リオ・ブラボー』である。
特典映像は、ハワード・ホークスが自身の作品を語る2001年TCM製作のドキュメンタリー"The Men Who Made the Movies"(約55分)。ピーター・ボグダノビッチ、ウォルター・ヒル、アンジー・ディキッソンなどが『リオ・ブラボー』を語る"Commemoration: Howard Hawk's Rio Bravo"(約33分)。アリゾナのロケ地を訪ねる"Old  Tucson: Where the Legends Walked"(約9分)。ジョン・ウェインの予告編集"Wayne Trailer Gallery"。付録で、撮影時の白黒スナップ8枚。
本編(アスペクト比 1.85:1)の音声解説は、ジョン・カーペンター監督、評論家リチャード・シッケルが担当。カーペンター監督は、『リオ・ブラボー』へオマージュを捧げた『要塞警察』"Assault on Presinct 13"('76・未)があり、リチャード・シッケルは雑誌"TIME"で長年批評を書いている映画史に精通した評論家なので、ある意味最強の布陣である。
ホークスもジョン・ウェインも当時スランプで、この映画の成功で息を吹き返した。当時評価の高かったゲーリー・クーパー主演の『真昼の決闘』がホークスは大嫌いで、この映画を製作したというのも痛快な話だ。
この映画の面白さは、誰もが認めるところ。酔いどれのディーン・マーティンも、若いリッキー・ネルソンもいい。誰にもお薦めできるウェスタンの大傑作。特に男の子は一度は見ておく映画の一本である。

Rio Bravo (1959)

2007-07-13

マイケル・ブーブレ/コール・ミー・イレスポンシブル CD Micheal Buble/Call Me Irresponsible

(Approved by Amazon.com)

日本での人気はよくわからないが、香港のレコード・ショップでは、結構目につくところへ飾ってあるマイケル・ブーブレの新譜である。
このカナダ生まれのにいちゃんは、僕は、シナトラ亡き後、ジャズ・ヴォーカルのホープと思っている。ハリー・コニックJRの失速から、長らく聴けるヴォーカリストがいなかったが、やっと出てきてくれたという感じ。
シナトラの凄みはないにせよ、やっぱ、やんちゃな感じがないと男のヴォーカリストはよくない。ハリー・コニックJRの線の細さに比べると、マイケル・ブーブレの方がずいぶんと”遊んでる”雰囲気を匂わせてていい。
この「コール・ミー・イレスポンシブル」は、彼の3枚目のアルバムで、オーケストラをバックに彼のちょっと硬ーい感じのボーカルが楽しめる。パンチの効いたメル・トーメってとこかな。
ベッドサイド・ミュージック(←そんなのあんのか?俺が考えたんだよ!)の名曲 "Me & Mrs. Jones" にも果敢に挑戦しているが、何しろ硬いので、ちょっとね(笑)
タイトル曲は、シナトラがリプリーズ時代に録音したサミー・カーンの曲。直訳すると、「無責任と呼んでくれ」って、植木等(古っ!)を連想させるが、これをタイトルにしたところが買いである。
これからも、誰かさんみたいに、ファンクなんかに行かずに、ジャズ・ヴォーカルとして頑張ってほしい。年を重ねるに連れてよくなっていくことを期待してる。

Michael Buble / Call Me Irresponsible

コール・ミー・イレスポンシブル
コール・ミー・イレスポンシブルマイケル・ブーブレ

WARNER MUSIC JAPAN(WP)(M) 2007-07-25
売り上げランキング : 45083

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
イッツ・タイム(初回限定盤) マイケル・ブーブレ レット・イット・スノウ マイケル・ブーブレ(初回生産限定) Sings Totally Blonde

2007-07-12

『トゥルー・ロマンス』 DVD ディレクターズ・カット

Trueromance

『グラインドハウス』を観て、『トゥルー・ロマンス』を思い出した。この作品は、タランティーノの初脚本を、トニー(トップガン)スコットが監督したもの。監督がタランティーノではないので、暴力描写がもう一つ迫力がタランティーノなんていうと、44マグナムで撃たれそうだが、その分純粋なラヴ・ストーリーとして良い出来になっている。

なぜこの映画を思い出したかというと、主人公の若い男女が出会うのが、ソニー千葉(千葉真一)の三本立!をやっている、グラインドハウスっぽい映画館なのである。上映作品は、"Street Fighter"(『激突!殺人拳』'74)、"Return of Street Fighter"(『殺人拳2』'74)、"Sister Street Fighter"(『女必殺拳』'74)である。こんなの観に行く若い女がいるか?(ちなみに、"Street Fighter"は、アメリカで初めて暴力描写でX指定を受けた映画である。)
脚本のタランティーノの音声解説によると、25歳当時の彼は女とつきあったこともなく、ここに描かれた女は、自分の夢だったのだそうだ。

コミックショップで働くクラレンス(クリスチャン・スレイター)が、映画館でアラバマ(パトリシア・アークェット)という娼婦と知り合う。彼らは愛し合う関係になり次の日に結婚する。彼は、彼女のために娼婦の館へ行くが、誤って元ヒモを撃ち殺してしまう。彼女の私物が入っていたカバンをやっとの思いで取り返してきて、カバンを開けてみたら、そこには大量のコカインが入っていた。ギャングを怒らせた彼らは、そのカバンを持って逃走する… という話。

ラストシーンは、当初の脚本では、クラレンスが銃撃戦で死に、アラバマが一人で、泣きながら、ホテルを出て、紫のキャデラックを運転して、メキシコのボーダーへ行き、車をおいてヒッチハイクするために手を上げるところで終わる(このDVDに収録されている)。
タランティーノは、当時、劇場公開されたハッピーエンド版を、ハリウッドのご都合主義と思い拒んだ。だが、監督のトニー・スコットに、「私は、この二人が好きになったんだ。だから殺すのはしのびないのだ」と言われ変更を承諾した。結果的に、この終わり方の方がよかった、とタランティーノもこのDVDの音声解説で認めている。

この2枚組DVDは2002年発売のアメリカ版。本編(デジタル・リマスター。Wide Screen, DTS, Dolby Surround 5.1)の他に、監督(トニー・スコット)、主演(クリスチャン・スレーター)、脚本(クェンティン・タランティーノ)の3種類の音声解説。監督の900枚以上の絵コンテを画面下における Story Board Track。カットされたシーン集。(上述の)もう一つのエンディング。デニス・ホッパー、バル・キルマー、ブラッド・ピット、マイケル・ラパポートの出演シーンの(自身による)音声解説。予告編。DVD-ROMの脚本… とてんこ盛りの内容。

劇中、父親役のデニス・ホッパーに「あなたは何もしてくれなかったじゃないか!」とクラレンスが悪態をつくセリフは、タランティーノが実際に、育ての父親(実の父親には会ったことはない)に言った言葉なんだそうだ。そういう意味でも、タランティーノが若い時代に描いた、とてもピュアで私的な作品と言えよう。

True Romance (1993)

2007-07-10

『シン・シティ』DVD (3-DVD RECUT: EXTENDED: UNRATED)

ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー、(一部タランティーノ)監督の傑作『シン・シティ』のコンプリートBOXが日本で発売された(6/22)。ここ香港では、DVDの内容がほぼ同じものが、2006年の旧正月頃に発売されていた(このカバーアートはUSA版)。僕はHMVのセールで、HK$239(約3,585円)で買った。
中身は、本編(16:9, Dolby Digital 5.1, DTS)、特典映像集、そして特筆すべきは、本編中のそれぞれのエピソードを繋いで独立した話にしたリカット・ヴァージョン (Recut, Extended and Unrated Version) である。これは以下の通り、4つの話になっている。

1. The Yellow Bastard (約47分) ブルース・ウィルス
2. The Customer Is Always Right (約8分)  ジョシュ・ハートネット   
3. The Hard Goodbye (約41分) ミッキー・ローク
4. The Big Fat Kill (約45分) クライヴ・オーウェン

劇場公開版もよかったが、この独立したヴァージョンもすごく楽しめる。こうやった方が、コミックを読んでる感じでいいと思うけどな。
今観ても、白黒・ハイコントラストの映像の面白さったらない。それに出演者の豪華なこと。上述の他にも、ベニチオ・デル・トロ、イライジャ・ウッド、マイケル・クラーク・ダンカン、ブリタニー・マーフィ、デヴォン青木、etc
映画冒頭の赤いドレスの女 マリー・シェルトンは、『プラネット・テラー』に、黒人女兵士 ロザリオ・ドーソンは、『デス・プルーフ』にそれぞれ出演している。
けど、この映画の一番の収穫は、なんといっても、ジェシカ・アルバだね。

特典映像の緑色のセットで撮影されたフーテージを見て、本当の意味で、映像を画面に「描く」時代になったのだな、と思った。あと、ロドリゲスのタコスのレシピも参考になった。

来年公開予定の "Sin City 2" も期待大ですな。

Sin City (2005)

2007-07-08

『グラインドハウス / プラネット・テラー』(原題) 監督 ロバート・ロドリゲス

Planetterrorhk_1 観たぜ !ロバート・ロドリゲス監督『グラインドハウス/プラネット・テラー』(原題)。
『デス・プルーフ』を先に観ちゃったので、アメリカ公開時の『グラインドハウス』とは順番が逆になっちゃったけど、ま、どっちを先に観てもええやろ、というノリがグラインドハウスっぽくていいではないか。(なんか文章が変?)
いやぁ…脳がちょっと溶けた感じである。これは、映画を<映画>として楽しめる賢明な諸氏にしかお薦め出来まへんな(笑)。

以下、チョイネタバレ

まずは、一本予告編が入る。題名は『マチェーテ』"Machete"。ダニー・トレホ扮するメキシカンのスナイパーが、上院議員の暗殺犯に仕立てられ報復する、みたいなもの。わざとフィルムの色を赤茶けた感じにして、安っぽさを出している。でかいナイフを投げてみせるトレホ。池みたいなところで裸の女二人をはべらせて、入れ墨だらけの裸を見せるトレホ。この予告編もロドリゲス監督のもの。

そして、アメリカの昔のフィルムで「この映画はX指定です」と断りが出て、『プラネット・テラー』が始まる(ここ香港でも18禁である。ちなみに『デス・プルーフ』は違っていた)。
物語は、アメリカ軍の細菌兵器により、街中の人間がゾンビと化し、人々を襲ってくるという極めて単純なもの(だが、ラストはちょっと大げさ)。
ゾンビが人を引きちぎり、頭から足から内蔵から喰いまくる。ゾンビを銃で撃つと、頭から腕から腹から血が飛び散りバラバラになる。もうド派手なB級スプラッターだ。
タイトルバック、踊り子のチェリー(ローズ・マッゴーワン)のエロティックダンスがなかなかのもの。奇麗な足を見せてくれるが、ゾンビに足を喰われてしまう。膝から下が無くなった彼女は義足の代わりに機関銃をさして、回し蹴りのようにしてゾンビを撃ちまくる。
冒頭から、裏切り者の●玉を切ってコレクションする科学者(ナヴィーン・アンドリュース)が登場。
街の人々が続々と運ばれて来てゾンビと化す病院の医者(ジョシュ・ブローリン)とその妻(マリー・シェルトン)は夫婦仲が悪い。妻はレズで、彼女の彼女(ステイシー・ファーガソン)もゾンビに頭の中身だけ喰われて運ばれてくる。妻の方は注射のプロで、ミニスカートのガーターベルトのところに注射器を挿している。
軍隊の悪い将校をブルース・ウィルスが演じる。その部下でスケベな変態中年をクエンティン・タランティーノが演じているのだが、まあ、呆れるほど気色悪くて、エグい殺され方をする役を嬉々と演じている(大丈夫かいな、彼は…?)。

主人公チェリーを助ける男(フレディ・ロドリゲス)。彼は銃とナイフの使い手である。チェリーと男はいい雰囲気になり、いざベッドへ入ると、フィルムはブツブツ切れ、最後はフィルムが燃えて、「次のリールはありません。ソーリー」と出る。で、唐突にゾンビとの決戦の場面になる。つまり、70年代の映画館では、こんなことがよくあったのだということを再現しているのである。画面に傷を入れまくったり、サントラにノイズが入っていたり、当時のグラインドハウスでの映画上映の雰囲気はこんな感じだったのだろう(日本の場末の映画館も似たようなものだったので、懐かしく思い出した)。
チェリー役のローズ・マッゴーワン、保安官役のマイケル・パークスなどは『デス・プルーフ』にも顔を出している。安手のB級映画は、出る人が殆ど一緒やったということだろう。

ともかくインテリや良識あるまともな奴は観るな、と言わんばかりのエグい無茶苦茶な映画である。映画というものを芸術と思っている人などには絶対受け入れられないだろう。
これは、それでも「映画」である。あくまで想像上のもの。映画の中で起こることは全て非現実的なのだ。ここで起きている唯一の現実は、B級映画が好きで好きでたまらない幼稚な大人たち(ロドリゲスとタランティーノ)が映画の中で遊んでいるということだけなのである。そのことを理解しないで観に行くと不快な思いをして帰ることになる。君も一緒にその世界で「遊べる」かどうか?それは君自身が思い、感じること。そういう意味で、僕には面白かったのである。

GRINDHOUSE: Robert Rodriguez's Planet Terror (2007)

2007-07-06

『バニシング・ポイント』 DVD ワイドスクリーン・エディション

『グラインドハウス/デス・プルーフ』を観てから、『バニシング・ポイント』を、も一回観たいなと思ったので、銅鑼湾のHMVへ行ったら、棚に表向きで並んでた。多分、担当者が『デス・プルーフ』を観て、目立つように並べたのだと思う。
このDVDは、アメリカ版だが、A面はU.S.ヴァージョン(98分)。B面はU.K.ヴァージョン(105分)が収録されている。アスペクト比 1.85:1。特典は、リチャード・C・サラフィアン監督の音声解説。予告編とTVスポット、である。
デンバーからサンフランシスコまで、白色のダッジ・チャレンジャーを15時間で運べるか、という賭けをした男の話。警察に追われながら、白いダッジに乗った"ラスト・アメリカン・ヒーロー"コワルスキー(バリー・ニューマン)は、アメリカ西部を突っ走る。
1960年代終わりから、70年代にかけてのアメリカン・ニューシネマは、ドラッグ、ベトナム戦争の後遺症といったテーマをよく扱っており、この映画もご多分にもれず、主人公はベトナム帰りの元警官。正義感が強い立派な警官だったが、今はドラッグをやり車の運び屋をやっている。
ラスト、自らブルドーザーに突っ込んでいく時に一瞬見せる笑顔。この笑顔があったから、そこはかとない無常感が出て、余韻を残すいいラストシーンになっている。
久しぶりに観たら、ヒッピー、ドラッグ、ラジオのDJなど当時の風俗がよく描かれていた。西部の空の色まで70年代に思えた。
タランティーノは『デス・プルーフ』で、「今の映画のカーチェイスはCG全盛で面白くない。昔の映画を見ろ、全部本当にやってたんだぜ」みたいなことを出演者に言わせている。
この映画のカーチェイスは今観ても結構面白い。やっぱ生は違うね、という感じ。
ダッジ・チャレンジャーのエンジン音が耳に残る。映画館で観たら迫力が違っただろうなと思った。

Vanishing Point (1971)

え?日本版は吹替えがついているのか?水曜ロードショーでやったときのなら、欲しいな。
それにしても…「ヴァニッシング・ポイント」だよね、ほんとは。

2007-07-04

香港のDVD事情

04072007034_2 今日はちょっと香港のDVD事情など。
日本では、DVDを買いに行くとリージョン2のものしか売っていないが、香港のDVD屋では、全てのリージョン(Region 1, 2, 3 PAL & NTSC)が販売されている。それはHMVのような大手販売店に行っても同じこと。
DVDプレーヤーも、リージョンフリーのものしか売ってない。僕が持っているパイオニアとJVCの録画プレーヤーもリージョンフリーである。
香港のリージョンは「3」 である。香港製のDVDは中国語の字幕がついて売られている。
値段は、新作で、Region 3のものがHK$100(約1500円)前後で、Region 1や2はだいたいHK$200(約3000円)かそれ以上する。
ただ、香港は資本主義が徹底しているので、売れないソフトはすぐ値段が下がる。定価の何割引きという商売ではなく、すぐにセールと称して安く売ってくれる。だから、高いときに買ってると損した気にもなるのだ。

香港はまだVCDと呼ばれる、ビデオCDも棚に多数ならんでいる。
こちらは、新作でもHK$50(約750円)くらいで、リージョンもないし、中国語の字幕もあるので、(画質はともかく)ニーズがあるのであろう。

数年前までは、中国本土から入ってきた、海賊版DVDをよく見かけたものだが(新作でもHK$30 約450円)、最近は取り締まりが厳しく、香港内ではあまり見かけなくなった。
映画館でも、ビデオ撮影を厳しく禁じており、映画上映中も係員がチェックに来るのでちょっと煩わしく感じることもある。
日本でもやっているかわからないが、海賊版撲滅キャンペーンのCMにアーノルド・シュワルツェネッガーとジャッキー・チェンが共演していた。

最近、HMVなどでも、HD DVDやBlu-Ray Disc を見かけるが、まだまだ棚の一部で、普及しているとまではいっていない。
どちらがシェアをとっていくか消費者の一人として気にはなるが、ここ香港へいる間はあまり心配していない。
もう既に韓国LGのコンパチを宣伝しているので、たぶんこれが主流になっていくのだろう。
香港人は、リージョン・フリーのプレイヤーしか買わないように、HDだろうがBlu-Rayだろうが、どっちもかからないと買わねえだろうから。

ここ香港は、中国返還10年たっても、いまだに雑多な国際都市である。DVDひとつとっても、何でもありというのは面白いし、パワーを感じるな。

2007-07-01

『復讐するは我にあり』 DVD クライテリオン・コレクション

なぜかこのところ『復讐するは我にあり』をもう一回観たいな、と思っていたので、事務所近くのHMVで発見したときは即買いだった。

初公開の頃、僕は大学生で、映画館で観たがあんまり好きになれず「今村昌平ってのは、映画監督という隠れ蓑があるから世間は何も言わんけど、あれはただのス ケベ親父やで」と友達に話してたのを思い出した。それくらいベッド・シーンがリアルだったのだ。特に小川真由美のそれは、布団の隙き間から出てくる匂いまでわかるような熱いねっとりとしたものに思えた。

今回ほぼ三十年振りに観た。やっぱり好きになれない映画ではあった。けど、面白かった。Fukushuusuruwawareniari

嫌いな理由は、主人公が救い様のないヒドい男で、そういう奴が嫌いというただそれだけのことなんだけど。
しかし、映画としての出来はすんごく良い。マーティン・スコセッシが大好きなのもよくわかる。今村昌平監督は「うなぎ」なんていうユルい映画ではなく、この映画でこそ評価されるべきではないか?と思う。

原作は佐木隆三の同名ノンフィクション(その原作者が、女を買いそびれて怒って帰る客で出演していたのは忘れていた)。今村昌平はもう一度独自取材をして、自分の主観も入れて、この脚本を書いたとのこと。

自由奔放にやりたい放題の男(緒方拳)、敬虔なクリスチャンであるが故に自分の感情を抑えようとする父(三国連太郎)。男は脈略もなく人を殺す。父親は息子の嫁(倍賞美津子)から言い寄られても拒み続ける(←このシーンも凄い)。己のオスとしての本能を剥き出しにする男、オスの本能を無理矢理押さえつけようとする父。

ラスト、刑務所での親子の最後の面会時、息子は「あんたを殺せばよかった」と父に言う。父は息子の顔につばを吐く。父は初めて、自分の感情をあらわにする。最後まで打ち解けなかった親子だが、息子は最後に父に感情的になられて嬉しかったのではないか?と思ったりした。父に対する反発。それが主人公の内なる、秘めた動機だったとも思えるのだ。

しかし、この素晴らしい白熱のシーン(つまりつばを吐くところ)は三国連太郎のアドリヴだったというのは驚きだ。今村監督自身が特典映像のインタビュウで話していた。俳優同士が競い合った結果としてこんな名場面が生まれたのだから、この映画はその意味でも成功だったのだろう。

画像、音声はクライテリオンだけあって、とても奇麗で素晴らしい。付属のブックレットではオリジナルネガからMTIのデジタルレストレーションを使ったと書いてある。発売日が2007年5月15日だということを考えると、松竹のデジタルリマスター版とは違うヴァージョンかもしんないね。

英語題名: VENGEANCE IS MINE (1979)

« 2007年6月 | トップページ | 2007年8月 »

2017年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ