映画 1950年代

2014-05-14

『ゴジラ』 "Godzilla" ('54) Blu-ray クライテリオン・コレクション + "Godzilla, King of the Monsters!"('56)

ゴジラ (1954年) ~GOZILLA~ (Blu-ray) (PS3再生・日本語音声可) (北米版)

ハリウッド版ゴジラが、当地香港では、いよいよ明日(15-May-14)から公開となる。なので今夜はクライテリオン盤『ゴジラ』"Godzilla"で予習(復習?)である。

オリジナル版『ゴジラ』('54)は語り尽くされているが、やはりこの作品は歴史的にも貴重なものだ。1954年ビキニ環礁での水爆実験で船員が被爆した第五福竜丸事件を基に、水爆実験により出現してしまった〈怪獣〉ゴジラ。この世界的に有名になったモンスターは、原水爆実験に対するアンチテーゼの象徴だった。広島・長崎の原爆を受けた日本人だからこそ、その〈恐怖〉を巨大な異形のクリエイチャーとして表現できたのだろう。

いつもクライテリオン盤のレストアは目を見張るものがあるが、この『ゴジラ』に関しては、現存するポジからの修復で、傷も多すぎるため、相当キレイにはなっているのだが、残念ながらそんなに驚くようなものにはなっていない。ぼくは東宝版を持っていないので、比較は出来ないが、白黒のコントラストのシャープさも、同じクライテリオンの『駅馬車 』などと比べるとたいしたことなく感じてしまう(←黒澤明の『用心棒 』のレベルが凄かったから、期待が高すぎたのかもね)。

このディスクには、特典映像として当時大ヒットしたアメリカ公開版ゴジラも収録されている。今回は、ちょっとこの話をしてみよう。
題名は"Godzilla, King of the Monsters!" ('56)。日本では『怪獣王ゴジラ』(海外版)として公開された。監督・編集は、テリー・モース(Terry Morse)。オリジナルの映像に、新撮りの場面を繋いで作った作品で、アメリカでは長らくこれしか公開されなかったため、これがゴジラだと思ってる人も多いらしい。(ぼくが知ってる限り、2005年に公開、2006年に"Gojira"と明記されたDVDが出たのがアメリカでは最初と思う)

B000FA4TLQ Gojira / Godzilla, King of the Monsters
Classic Media  2006-09-05

by G-Tools

焼け野原の東京。ガレキの中、傷だらけで倒れているアメリカ人がいた。ユナイテッド・ワールド・ニュースの特派員スティーブ・マーティン(レイモンド・バー)だ。カイロへ行く途中、立ち寄った東京で地獄を体験してしまった。それはゴジラの出現である。かつぎこまれた病院で、数日前を回想するスティーブ。
東京で大学時代の友人、芹沢博士(平田昭彦)に会うことを楽しみにしていたが、空港で警備官(フランク岩永)から原因不明の船の失踪を知らされる。大戸島で山根教授(志村喬)や娘の町子(河内桃子)との取材途中、ゴジラの出現に立ち会ってしまったスティーブ。ゴジラが東京へ上陸して暴れるが、人間はゴジラをおさえる術をもっていない。唯一この国を救えるのは、芹沢の作った秘密兵器”オキシジョン・デストロイヤー”しかなかった。だが、芹沢はこの兵器を使うことはためらうのだった。

ゴジラの特撮シーンは全部残して、ドラマ部分を英語に吹替えるだけでなく、レイモンド・バーの取材を通して見せるという作り方は、字幕に頼らず映画を楽しませるということからもいいアイデアと思う。だが、それがためにオリジナルが持っている〈深み〉と反核思想などは置き去りにされている。(本田猪四郎監督のオリジナルがいかに良いかもよくわかる・笑)

素晴らしいゴジラの特撮は円谷英二の手によるもの。その技術は当時世界的に高い評価を得た。「『キング・コング』('33)みたいな映画を作る」という円谷の夢が、キング・コングの国の人間を驚愕させた瞬間である。

ぼくの世代からすると、レイモンド・バーは、TV「鬼警部アイアンサイド」だ。車椅子の名警部がスタスタ歩くと違和感を感じてしまうなぁ(笑)。役名のスティーブ・マーティンも今ならつけない名前だな。「サタデー・ナイト・ライヴ」になっちゃうし(笑)。なんで羽田空港の警備の人間が、アメリカ人通訳として一緒に取材に行くのか?とか、まぁ、ツッコミどころは多々あるが、これはこれで楽しめるものになっている。

特典映像は、他に(新撮りの)主役の宝田明、ゴジラの中にいた中島春雄、特撮スタッフの入江義夫、開米栄三、映画評論家・佐藤忠雄のインタビューもある。
これが映画初主演となった宝田明は「ゴジラはぼくのクラスメイトです」と語る。「ゴジラはその後世界的にビッグ・スターとなり、ぼくはスターダストですが」と洒落たことも話されていた。

佐藤忠雄は、原爆の恐怖は、原子爆弾だけでなく、原子力発電所の恐怖でもあった。それが想像以上に大きなものだったということを表現したこともゴジラの意味だった、みたいなことを話している。これが2011年の震災後に行われたインタビューだというのも〈意味がある〉のである。

さあ、明日が楽しみだ。てなことで。

GODZILLA (1954)
96 Minutes
Black & White
In Japanese with English Subtitles
Monaural
1.37: 1 Aspect Ratio

14-May-14 by nobuyasu

B005VU9LKE ゴジラ (1954年) ~GOZILLA~ (Blu-ray) (PS3再生・日本語音声可) (北米版)
CRITERION COLLECTION  2012-01-24

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B00ISOKPYG ゴジラ(昭和29年度作品)【60周年記念版】 [Blu-ray]
東宝  2014-06-18

by G-Tools

2014-04-03

「ダイヤルMを廻せ」3D版 at 香港国際映画祭 Dial M for Murder in 3D

Odoru0304142

今年2014年の香港国際映画祭(The 38th Hong Kong International Film Festival)にて、アルフレッド・ヒッチコック監督作品「ダイヤルMを廻せ」3D版"Dial M for Murder in 3D"が上映されたので行って来た(28-Mar-14)。

この映画祭では、3回上映されたが、チケットは早々に売り切れていた。会場のThe Grand Cinemaへ行ってみると、自由席なもんで長蛇の列。一番後ろの席を確保出来たが、一番大きな劇場が満員になっているのは壮観。何度も観た映画だが、3Dは初めてである。今はBlu-rayで気軽に家庭で3D版が鑑賞出来る時代だが、やっぱり大画面で見れるのは嬉しい。

映画が始まる。あわてて3Dグラスをかける。いきなり Alfred Hitchcockの名前が浮き出てる。「おおー」と思ったが、そこからはあまり3Dを感じさせない場面が続く(苦笑)。古い映画なので仕方がないが、そこはそこ、趣を楽しみましょう。劇中、一番3Dの効果が出ていたのが、グレース・ケリーがデスク上で首を絞められ、腕を画面に向かって伸ばしハサミを取るところ。ポスターにも使われた有名なシーンだが、ここ以外は、天井からの視点で撮ったり、電気スタンド越しに撮影して工夫しているが正直たいしたことなかった(笑)。

この映画の製作された1954年頃は、TVが普及してきて、映画界も新たなアイデアが必要だった。そのために作られたのが3Dである。ぼくの記憶では、日本で3Dと呼ばれるようになったのは、ディズニーランドが出来てからくらいで、昔は「立体映画」と呼んでたような気がする。で、当時の「立体映画」は劇場でくれるメガネも紙製で、左右に赤と青のセロファンを貼っただけのチャチなものだった。そのせいで目が疲れるからという理由なのだろう、たった105分の本編途中で「休憩(Intermission)」の文字が出た(今回は当然休憩ナシ)。現代のサングラスのような"立体メガネ"は当時と比べるとホントよくなってるね(笑)

ストーリーはミステリー・サスペンスなので、多くは書かないが、妻マーゴ(グレース・ケリー)の不倫を知った夫トニー(レイ・ミランド)が、妻を殺害しようとするというもの。前半は夫トニーが大学の同窓生スワン(アンソニー・ドーソン)を使って、完全犯罪の計画を話す場面が大半で会話劇、妻を襲うところから計画が狂い始めるという展開になるのだが、ぼくが驚いたのは、観客の大半は香港人だったのだが、今回の上映は広東語の字幕ナシ。なのに、後半、レイ・ミランドの犯罪にほころびが出始めた頃から観客が笑う笑う。「おれコメディ見に来てたっけ?」と思うほど。つまりみんな英語がわかるってことだよな。あらためて「あーこれがホントのグローバル、国際都市ってもんだよな」と感心した次第。

前半、ヒッチコックが一場面出た時もあちこちで笑い声が起きていた。「みんな映画をよくわかってるあるねぇ」と嬉しくなった夜でした。グレース・ケリーもちょーキレイだったし(笑)

Dial M for Murder in 3D (1954)

Directed by Alfred Hitchcock

Cast: Ray Milland, Grace Kelly, Robert Cummings, Anthony Dawson, John Williams

Duration: 105 mins

03-Apr-14-Thu by nobu

2012-08-03

「東京暮色」TOKYO TWILIGHT 小津安二郎 [DVD] クライテリオン・コレクション

Odoru 0308122

先日13年振りとなるシグナル10(香港の気象台が出す台風警報。10が最高ランク)が出た日。早く帰ったので、何かDVDでも見ようかとばんやり考えながら、お風呂につかり週刊新潮(2012年7月26日号)を読んでたら、先ごろ亡くなった山田五十鈴さんの追悼記事で、小津安二郎監督の「東京暮色」のことが書いてあった。

ぼくは小津さんの映画が好きで、戦後の作品は全て見ているのだが、この「東京暮色」だけはずっと観る気が起きなくて、LDもDVDもあるのに今まで観たことなかったのだ。なぜ観なかったかというと、まず相当暗い作品だと知っていたので、観るのにテンションをあげなければいけなかったこと。それに前作「早春」でこの世のものとは思えない美しさの(きんぎょ役の)岸恵子がフランス人と結婚するために、主役が有馬稲子に交代になったと聞き及び、なんか観る気がなくなってしまっていたのだった。

そんなかんだで初見となった「東京暮色」。外は大荒れの天気。風がビュービュー音を立てている。雨もドラムを叩いてるほど。結果この暗いドラマを観るのにふさわしい環境と相成ったわけである(笑)

銀行員の父(笠智衆)は、都内雑司ヶ谷の一軒家で次女の明子(有馬稲子)と暮らしている。そこへ、評論家のもとへ嫁いだ長女の孝子(原節子)が2歳の娘と戻って来てしばらく暮らすと言う。「夫はノイローゼなの」と父に告げる孝子。

明子は大学を出て英文速記の勉強をしているが、最近大学生のボーイフレンドが自分を避けるのを感じていた。その理由は、子供を身ごもってしまったから。けんちゃんというそのカレシは優柔不断で、あげく「ホントに俺の子か?」みたいなことを云いだす始末。親にも兄弟にも話せず、一人悩み胎児してしまう明子が痛ましい。

明子がまだ幼少の頃、父と母が離婚した理由は、母が父の海外赴任中に他の男とデキて満州へ行ってしまったから。その母(山田五十鈴)が、なんと今東京へ戻り、麻雀屋のおばさんとして他の男と暮らしているという。とあるきっかけで、そのことがわかった明子は、自分の血は真面目に生きる父のものではないのではないか?と母に問いただすが、母は「あなたはお父さんの子よ」ときっぱり云う。精神がアンビバレントな状態の中、明子はラーメン屋でカレシに会う。その彼の心ない言葉で、彼女は表に飛び出し、電車にひかれてしまう。

危篤状態の明子は父と姉に「死にたくない…」と言って息をひきとる。葬式の後、姉の孝子は、母親の麻雀屋へ一人出向き「明子が死んだのはあなたのせいよ」と一言告げて帰る。
傷心の母は、男(中村伸郎)と一緒に北海道へ行くことを告げる。出発の日、母は明子のための花を持ち、孝子のいる家を訪ね、別れを告げる。東京駅の夜行で、窓を開け、孝子が来てくれるのを待つ母。けど孝子はついに現れない…。

なんとも救いのない映画だ。モノクロ、2時間20分の本作は、陰影の深いライティングで、女性の心に秘めた心情を冷たく描き出す。明子を演じる有馬稲子は、いつもセーターを着て最後まで笑顔を見せない。

上でふれた週刊新潮にも書いてあったが、山田五十鈴は、我が娘である嵯峨美智子と親子の縁を切ってから、ついぞ仲直りをしないまま人生を終えた。この映画の役と実人生が重なるというので、週刊誌がネタにするわけである。

ぼくがこの映画を観て、男として勉強になったのは、女性は「大事なことは云わない」ということ。男はもろいものだから、何でもしゃべっちまう。けど女性は、おそらく子供を産むというDNAが備わってるので、耐える力が強いのだろう。ぐっとこらえてしまうのだ。映画を観ていて「もっと話してしまえば楽になるだろうに」と思う場面が何度かあった。

だが、ひょっとして、それこそが小津安二郎が、映像で表現したかったことなのかも知れない。一人ラーメン屋でコップ酒を前にうなだれる有馬稲子の後ろ姿。喪服の原節子が母に対してたった一言セリフを云うシーンの迫力。傷心の山田五十鈴が熱燗を飲むシーンのわびしさ。モノクロゆえの光と陰、絶妙なコントラスト。人間の孤独を描く小津安二郎の目はいつもキビしい。

小津さんの映画では、シングルファーザーがよく出て来るが、この作品の父親は、女房を寝取られたかっこわるい男。母がいなくなったので、余計に愛情をそそいだつもりの次女が、寂しさゆえに男に愛情を求めてしまったという現実の前に父はなす術もない。個人的な話として、ぼくも男手で娘を育てているで、こればかりはどうしようもないことなのだろうかと考え込んでしまった。

これは小津安二郎版「エデンの東」。ジェームス・ディーンを(あの頃の)岸恵子に演らせようとした小津さんの心意気は理解できる。だが、結果的にこの作品は、有馬稲子でよかったのかも、と思う。くせっ毛を何度もブラシでとかしながら原節子と話す有馬稲子は、幸薄く、か弱い女で、観ていてつらいものがあったからな。

ラスト、原節子演じる孝子は、子供のために夫のもとへ帰り「もう少し頑張ってみる」という。それがこの映画のせめてもの救いだ。一人になった笠智衆演じる父親はまた元の生活に戻る。朝が来て、会社へ行く。孤独をかみしめながら…。

ぼくが持っているDVDは、米国クライテリオン版「LATE OZU」に収録されているもの。だが、映画の前にSHV(松竹ホームビデオ)のロゴが出たので、マスターは日本のと同じものだろう。傷も少ないプリントなので、これが採用になったのだろうと想像している。

「東京暮色」Tokyo Twilight (1957)
Directed by Yasujiro Ozu
141 minutes
Black and White
1.33:1
Monaural

03-Aug-12-Fri by nobu

B000OPPAF6 Eclipse Series 3: Late Ozu (Early Spring / Tokyo Twilight / Equinox Flower / Late Autumn / The End of Summer) (The Criterion Collection)
Criterion Collection 2007-06-12

by G-Tools

2011-04-10

「生きものの記録」 I LIVE IN FEAR [DVD] (現代への警告・水爆の恐怖におびえる男)

生きものの記録<普及版> [DVD]

黒澤明監督の今から56年前の映画「生きものの記録」は、東日本大震災による福島第一原発の事故が起きている今観ると余計にその怖さが伝わって来る。

「水爆」を「原発」と変えて映画を観ると、この主人公の気持ちがリアルにわかるのだ。

物語は、水素爆弾の恐怖に苛まれた初老の男が、全財産を投げ打ってブラジルへ家族共々逃げようとするのだが、資産めあての家族は父親をキチガイ扱いし、家庭裁判所で準禁治産者にしようとする。そしてラスト、男は本当に精神を苛まれ、精神病院に入りそこで初めて平静になる。

主人公の男・中島(三船敏郎)は、家庭裁判所でこう云う。

「死ぬのはやむをえん。じゃが、殺されるのはイヤだ」

彼は鉄工所を経営し、それなりの成功を収めている。だが、水爆の恐怖におびえ、秋田県に土地を購入し、地下式家屋(つまり核シェルター)を作るが、それでも不安が消えず、ブラジル移住を決意するのだ。

「わしは被害妄想かもしれん。じゃが、水爆は現にあるんじゃ!」

ラスト、自ら鉄工所に火を放ち、精神病院に入った時、医者(中村哲郎)はこう云う。

「私はこの患者をみるたびにひどく憂鬱になって困るんです。こんなことは初めてです。狂人というのはみんな憂鬱な存在には違いありませんが… しかし、この患者をみていると、なんだかその…正気でいるつもりの自分が、妙に不安になるんです。
狂っているのはあの患者なのか? こんな時勢に正気でいられる我々がおかしいのか…」

見舞いに訪れた家裁での調停委員(志村喬)に向って、病室の中島は「その後、地球は大丈夫か?」聞く。そして、窓から見える太陽を見て「大変じゃ!地球が燃えとるぞ!」と半狂乱になり映画は終わる。

この映画が製作された昭和30年代は、水爆実験が繰り返されていた。それなのに平然と生きていることが果たして正常なことなのか?という難しい問題定義である。なので黒澤映画としては記録的な不入りだったという。

だが、その云わんとしていることは、50余年を経て現代の我々に対する警告だったというのがよくわかる。

水爆の恐怖は、その後原子力発電所というものにカタチを変え、人々に不安を与えるものだった。だが、日本政府・官僚・電力会社・財界・御用学者・マスコミなどの長年にも渡る「原発啓蒙活動」とも云える情報操作で我々国民は、「原発は安全である」という神話を覚え込まされてきた。

今回起きたのは「1000年に一度」の震災である。「絶対安全」「絶対安全」と言い続けて来たインテリの人々は、地震・津波の後、何と言ったか?答えは「想定外」だと。アホか!!。

どちらがこの映画の主人公だったんだ!?震災は天災だったが、原発事故は人災である。

「反原発」はイデオロギーとして毛嫌いされる傾向があるが、これは子供たちの未来を思うと本当に考えなければならない大問題である。

ぼくが持っているDVDはクライテリオン版(北米盤)だ。英語の題名は、"I LIVE IN FEAR" 直訳すると「私はおびえながら生きている」。

今、日本をはじめ世界の人々が原発事故の行方を注視している。一体なぜこんなことになったのか?一体誰が悪いのか?そのことはよく検証しなければならない。なぜなら今まさに "WE LIVE IN FEAR"  だから。

一刻も早い事故の終息を心から願っている。

I LIVE IN FEAR (RECORD OF A LIVING BEING) (1955)

10-Apr-11-Sun by nobu

B000XPSC0C Eclipse Series 7 - Post-War Kurosawa Box - Eclipse from Criterion (No Regrets for Our Youth, One Wonderful Sunday, Scandal, The Idiot, I Live in Fear) (1980) (The Criterion Collection)
Eclipse from Criterion  2008-01-15

by G-Tools
B002LHGI3S 生きものの記録 [Blu-ray]
黒澤明
東宝ビデオ  2009-12-18

by G-Tools
B000VJ2DP0 生きものの記録<普及版> [DVD]
東宝  2007-12-07

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2011-04-04

「ぼくの伯父さん」 Mon Oncle [DVD] ジャック・タチ

ぼくの伯父さん [DVD]

日曜日の午後、久しぶりにのんびりと家にいた。ぼくの寝室にあるDVDの棚を眺めながら、中一の娘と、今回の東日本大震災被災地へ届けたい映画は何か?と二人で言い合った。
寅さん、チャップリン…?父はやっぱり「サウンド・オブ・ミュージック」じゃないか?というと、娘は「ロシュフォールの恋人たち」がメチャ楽しくていいという。社会的なものや暴力的なものは絶対ダメ。結局今は明るく希望のある映画がよかろうという話になった。

第二次大戦時、日本では戦意高揚映画ばかりが作られていたが、当時敵国だったアメリカではテクニカラーの楽しいミュージカル映画が量産されていた。それらは「エスケープ・ムービー」と呼ばれていた。戦場に夫を送り出した家庭では、妻や子供たちが夕食後映画を観に行く。その時に選ぶ映画は、楽しい夢の世界。過酷な状況から一瞬でも目をそらすことができるものが必要だったのだ。

NHKのニュースで、福島の映画館が営業再開したというニュースを見た。地震で映写機が壊れてしまっていたのだと。映画館で映画を観る。そんな当たり前なことが、当たり前に出来る日が早く来ればいいと願っている。日本の映画関係者は被災地にどんどん良質で楽しい映画を届けてほしいなと思う。そんな支援もあると思うのだが…。

そんな話をしながら、娘と何か観ようとDVDの棚からチョイスしたのがフランス映画「ぼくの伯父さん」"Mon Oncle"である。パッケージを見せたら、娘が「あ、知ってる」と。それはそうだ、この映画のポスターをぼくは家に飾っているのだから(笑)。

80年代だったか、キネ旬で、たしか日野康一さんだったと思うが、この映画のリバイバル時のレビューで「友人の結婚式をキャンセルしてでも観に行け」と書いてあったのを思い出す。それくらいイイということなんだろうが、その表現が面白くて覚えているのだ。

監督・脚本・主演のジャック・タチの最高傑作であろう本作は、これといったストーリーがあるわけではない。セリフもほとんどない。自由奔放に生きるユロ伯父さんと少年の家族の日常をスケッチしていくコメディだ。ちょっと古い映画だし(1958年製作)、娘にはどうかな?と思ったが、何の心配もなかった。どんどん映画に引き込まれて行くのがわかった。

冒頭、数匹の犬がフランスの街を走り回る。そしてそれはやがて悪ガキどもが同じように遊んでる姿と重なる。少年の暮らすリッチでモダニズムにあふれた家のおかしさ。地位も金もない伯父さんの持つ何ともいえない魅力。このユーモアと少しばかりの皮肉に満ちた映像世界はハマるとクセになる。絵と音で笑わせるタッチがたまらないのだ。少年の家の魚のかたちの噴水や、父の経営する工場の秘書のハイヒールの〈音〉だけで娘も大笑いしていた。

約10年振りだろうか、この映画を観たのは。いつ観ても思うが、これは休みの日の午後にまったりと観るのに最適の映画だ。見終わった後ほのぼのとした気分になる。震災後、ぼくも日本人の一人として心を痛めていたが、気分が少し楽になった気がする。13歳の娘も「いいねぇ〜、これは」と(しみじみ)ばあさんのような言い方をしたのが可笑しかった。

残念ながら、今のところ日本では店頭でDVDは気楽に買えないかもしれない。だがこれも化学薬品ではない「癒し薬」のような映画の一本である。何年かに一度観ると穏やかーな気持ちになれる。ぼくはこのタイミングで観たのはなんかよかったな、と思った。TSUTAYAかなんかで見かけたら観てみたらと思います。

Mon Oncle (1958)

A Film by Jacques Tati

04-Apr-11-Mon by nobu

B00017YXU0 ぼくの伯父さん [DVD]
ジェネオン エンタテインメント  2004-02-27

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ジャック・タチの世界 DVD-BOX ジャック・タチの世界 DVD-BOX
ジャック・タチ

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2011-01-17

『上流社会』 [DVD] High Society ビング・クロスビー/グレース・ケリー/フランク・シナトラ MGMミュージカル

上流社会 特別版 [DVD]
上流社会 特別版 [DVD]

年末から忙しい日々が続いてて、日曜日(16-Jan-11)も朝から娘が塾へ行くわ、息子はシンガポールから友達つれて来てるわで、お父さんはバタバタしていた。

塾から帰った娘と、夕方からお茶を飲みながらDVDで映画を観ようということになり、選んだのはMGMミュージカル映画『上流社会』"High Soceiety"('56)だった。理由は、トランペットやってる中一の娘がルイ・アームストロングが大好きで、去年から「観たい」と言いながら観れてなかったからである。

冒頭からサッチモの軽快な歌声が聴こえてくる。物語の始まりだ。
ルイ・アームストロングと彼の楽団が専用バスで到着するのは、作曲家ヘヴン(ビング・クロスビー)のニューポートにある邸宅。彼らはジャズ・フェスティバルに出演するためにやってきた。
隣の邸宅に住む富豪の娘トレイシー(グレース・ケリー)は、デクスターの元妻だが彼は今でも未練があった。明日はその元妻の2度目の結婚式だ。彼女は聡明で美しいのだが、完璧を求め過ぎ人を思いやる心にかけていた。
結婚前日、トレイシーの邸宅に、取材のためゴシップ記者マイク(フランク・シナトラ)とカメラマンのリズ(セレステ・ホルム)がやって来る。
その夜に開かれた結婚記念パーティで、泥酔したトレイシーは意気投合したマイクとともにパーティを飛び出してしまうのだった…。

本作は、ブロードウェイの舞台劇から1940年に映画化された『フィラデルフィア物語』(ケイリー・グラント、ジェームズ・スチュアート、キャサリン・ヘプバーン主演)のミュージカル版リメイク。

グレース・ケリーが、モナコ王妃となったので、これが最後の出演作品となった。彼女のクール・ビューティさもこの映画では際立つ。見とれるほど美しい。(ちなみにエルメスのケリーバッグは彼女の名をとったもの)
True Love号というヨットでビング・クロスビーと歌うシーンがあるが、二人がデキてたという話を知って見ると、キスシーンも本気っぽく映る(笑)

ビング・クロスビーとフランク・シナトラの初共演も話題となった。当初、二人で歌うシーンはなかったが、撮影終了前に急遽追加されたという。今観ると、このシーンがなかったらこの映画はハイライトがないままの凡作となっていたと思う。この歴史的なクルーナー二人のデュエットはお互いをけなし合うジョークも入った楽しいものとなった。

使われた楽曲はコール・ポーターのもの。ルイ・アームストロング楽団による’High Society Calypso'に始まり、クロスビーとシナトラのデュエット'Well, Did You Evah!'、シナトラがケリーに歌う'You're Sensational'、ヨットの上での'True Love'、シナトラとホルムの'Who Wants to Be a Millionaire?'、それにクロスビーとルイ・アームストロング楽団による(超楽しい)'Now You Has Jazz'など。

今観ると、MGMミュージカルでも、"踊りなし"ミュージカルなので、ちと退屈する人もいるかも知れないが、これは大人の目線で見ると(全盛期の)ビングとシナトラ、それにサッチモが演奏する場面だけでも充分価値がある映画だ。稀代のエンタティナーに、超美貌のケリーがからむ。まさに古き良き時代の豪華な<銀幕の世界>って感じ。

グレース・ケリー扮する主人公のトレイシーは、プライドが高く上流社会の淑女らしくふるまってはいるが、酒を飲むと前後不覚になり、口説かれると弱くて、前の夜のことなど何も覚えてない。困ったお嬢さんだが、こんな娘は現実世界にも多いよな(笑)、よくこんな役を王妃になる直前にケリーは受けたよなと思わされたのであったとさ。

とまれ、娘も楽しんだようでよかった。サッチモが演奏するたびに「目が飛び出そう!」と心配してた娘の言葉に笑ったお父さんでありました。

HIGH SOCIETY (1956)

Directed by Charled Walters
Cast: Bing Crosby, Grace Kelly, Frank Sinatra, Celeste Holm, Louis Armstrong
111 mins

Aspect Ratio: 1.85: 1
Stereo
Region 2

17-Jan-11-Mon by nobu

B000DZJJHW 上流社会 特別版 [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ  2006-01-27

by G-Tools
B0015FGCI8 High Society
Warner Home Video  2008-05-13

by G-Tools

2010-09-09

iPad アプリ 映画『雨に唄えば』『巴里のアメリカ人』日本語吹替え・字幕版 "Singin'in the Rain" and "An American in Paris" English / Japanese dub version (iPad App)

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映画好きのぼくが iPad を買った大きな理由は、好きな映画をバンバン入れて持ち歩きたいからである。

iPhoneでも既に映画を持ち歩いているが、画面の小ささが物足りなかった。iPadは画面も大きくなり手軽に映画を楽しむにはとても便利だ。

これで、いつでもどこでも映画を楽しめる環境が整ったのだが、日本のiTunesではまだ長編映画を販売していない(アメリカのiTunesのラインナップはスゴいのだが)。
2010年10月から映画配信が始まるとの話も「映画秘宝」で読んだが、一本3,000円前後と聞き、(83円と)円高の今、アメリカとの差が益々大きくなるなと思っている。

そんな中、おもろいアプリはないやろか、とiTunes検索をしていたら、あんとMGMミュージカル映画の金字塔『雨に唄えば』"Singin' in the Rain"('52) 『巴里のアメリカ人』"An American in Paris"('51)を発見したのである。

「ええ?アプリで!?」とまず驚き、「日本語吹替え」と書いてあり、「はぁ?」とまた驚いた。年寄りを脅かすんじゃないよ(笑)、と思いつつ、まず『巴里のアメリカ人』(800円)をダウンロードしてみることにした。

このソフトを販売しているのは、表参道出版。正直聞いたことなかったので、パブリックドメインの画質もヒドくて、表記の「日本語字幕&日本語吹替え」も「ほんとかなぁ…」と思い3分間もの長い間腕組みして考えたが、思い切ってiPadの画面から購入した。

そしたら、ダウンロードに時間がかかること、時間がかかること…。1時間かかってもまだ終わらない。途中で他のアプリを動かしたらいつの間にかダウンロードが切れて、またやり直しである。アチョー。

結局この映画2回観れただろ!くらいの時間でダウンロードが終わり(はぁはぁ)、さっそくアプリを開いてみた。
…はっきり言ってセンスの悪い扉である(汗)。それでも気を取り直してスイッチを押した。

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誰の吹替えかわからず、ぼくが知ってるのは70年代の月曜ロードショーでのジーン・ケリー=江守徹のヴァージョンと、80年代のTV朝日の深夜放送版しか知らないが、これ新録りであった。役者の名前はクレジットがないのでわからない(Wikipediaにはケリー=佐久田修とあった)。
ワーナーの正規版には吹替えがついてないので、これはこれで楽しめる。画質はまぁまぁで、iPodの画面で観るには悪くない。

チャプターも切られてなく、リジュームもついてない。自分でレバーを動かして画面移動する。音声もオリジナル通りモノラルだ。だが、吹替えで観れること、スタンダード画面(1.33 : 1)がiPadの大きさにぴったりなことがわかり、『雨に唄えば』も購入することにしたのである。
前回の反省を踏まえ、macbookでダウンロードしたら、30分ほどでダウンロード出来た。

こっちは「日本語字幕版」と「吹替え版」が別々に売られている(それぞれ700円)。ぼくは(当然)吹替え版をチョイスした(笑)。この映画も、TV東京のジーン・ケリー=愛川欽也版と、ゴールデン洋画劇場版しか知らないが、このiPad版も新録りであった(ケリー=堀川りょう)。

『雨に唄えば』の方が、画質がまだマシな感じ。笑ったのは、歌の時にも字幕が出ないトコロ(『巴里のアメリカ人』では出た)。ま、もう何十回も観てるので、ぼくには字幕なしでも問題ないけどね。初めて観る人には不親切かも。

こちらも、ワーナー正規版では吹替えがない。Blu-rayはまだ出てないから、ゴールデン洋画劇場版を使うしかないでしょう!なんならビデオありまっせ!

思えば、小・中学生の時、この映画をテレビで観てから、劇場を追っかけ追っかけ何度も観たこの二本の傑作ミュージカル映画。
ぼくの人格形成に明らかに影響を与えた映画をiPadでいつでも眺められるのは(正直)嬉しい。ぼくにとって、「心の栄養剤」だからね、『雨に唄えば』と『巴里のアメリカ人』は!

(このシリーズは他にも『ローマの休日』『第三の男』『カサブランカ』などがある。)

iPad App 『巴里のアメリカ人 (An American in Paris)』 日本語吹替え・字幕版(English)』

iPad App 『雨に唄えば (Singin' in the Rain)』日本語吹替え版
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09-Sep-10-Thu by nobu

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2010-08-22

『黒いオルフェ』 クライテリオン・コレクション [Blu-ray] Black Orpheus (Orfeu Negro)

Black Orpheus (The Criterion Collection) [Blu-ray]
Black Orpheus (The Criterion Collection) [Blu-ray]

暑い夏に見たくなる映画も数々あれど、この音楽映画『黒いオルフェ』も外せない一本である。タイミングよく今年(2010年)8月17日にクライテリオン・コレクションからブルーレイが発売された(DVDも)。ので、思わず買ってしまった。たぶんその時、熱中症だったのだろう、ぼくは(笑)

名作とは何度観ても味わい深いもの。今から半世紀も前の映画だが、今や<古典>となったこの映画、今でもその輝きは失せていない。というより今でもサンバのように熱く燃えている。

今回のクライテリオン版の喜びは、リストアがまた素晴らしいこと。主人公の住む、リオデジャネイロの丘の上から港をのぞむ風景はみとれてしまう美しさ。
このBlu-rayの特典映像に収録されているフランスのドキュメンタリー 『Looking for “Black Orpheus” (「黒いオルフェ」を探して-ブラジル音楽をめぐる旅-)』 の中にリストア前の本作品の場面が出て来るが、黄色味がかったその映像と、このリストア版の差は歴然である。
音声も、モノラルだが、圧縮せずにリストアしたという。この映画のキモは音楽である。その音に対するこだわりも嬉しい。

ギリシャ神話「オルフェ」の物語を、現代に置き換え、リオのカーニバル前夜からの数日間に起こる悲劇を、強烈なサンバのビートとボサノヴァのブラジル音楽に乗せて描く。1959年カンヌ映画祭グランプリ、1960年アカデミー外国語映画賞受賞のマルセル・カミュ監督の傑作。

Black Orpheus - O.S.T. (Exp)
Black Orpheus - O.S.T. (Exp)

今回、2010年新撮りの特典映像で、ジャズ歴史評論家のゲイリー・ギディンズ(Gary Giddins)氏などのインタビューで初めて知ったのだが、この映画が公開された1959年当時は、音楽を担当したアントニオ・カルロス・ジョビンは、ジョアン・ジルベルトとサンバに代わる新たなブラジル音楽を模索中で、ボサノヴァという言葉はまだ使われてなかったのだと(”Bossa Nova”は、ジョアン・ジルベルト自身のアルバム「想いあふれて」で初めて使われた)。

この映画の後、アメリカでジャズ・メンを中心としてボサノヴァ・ブームが起こり、そのサウンドは50年後の現在では、当たり前のリズムとして世界中で親しまれている。
この『黒いオルフェ』は、ボサノヴァを世界に広めたという意味でも、(音楽史的にも)歴史的なものと云える。

名手ジャン・ブールゴワン(『ぼくの伯父さん』)による見事なカメラ・ワーク。特にワン・カットで次々とサンバを踊る人々を撮った映像など、サンバのリズムに乗り素晴らしいワーク・オブ・アートになっている。

製作・監督のマルセル・カミュ以下フランス人スタッフ、オール黒人キャストにより、ブラジル・ロケで撮影された本作品。まだ未見の方は(もちろん久しぶりに観る方も)ぜひこの素晴らしいリストア版でご覧になってほしい。日本語字幕はないが(英語字幕)、ブルーレイなら日本のプレーヤーでもかかるからね。

ルイス・ボンファとアントニオ・カルロス・ジョビンの名曲「カーニバルの朝」「フェリシダージ(悲しみよ、さようなら)」のメロディがいつまでも耳に残る。暑かった夏の終わりに観るには最適の映画ではないだろうか、この名作『黒いオルフェ』は。

Black Orpheus (Orfeu Negro) (1959) The Criterion Collection

Directed by Marcel Camus

107 minutes
Color
1.33: 1
Monaural

22-Aug-10-Sun by nobu

B003N2CVOK Black Orpheus (The Criterion Collection) [Blu-ray]
Criterion Collection  2010-08-17

by G-Tools

『黒いオルフェ』を探して-ブラジル音楽をめぐる旅- [DVD]
『黒いオルフェ』を探して-ブラジル音楽をめぐる旅- [DVD]

黒いオルフェ(ポルトガル語版) [DVD]
黒いオルフェ(ポルトガル語版) [DVD]

2010-02-09

『ローマの休日』 Roman Holiday (TVB Pearl)

Odoru0902106

今週(2010年2月8日~)の香港の地上波Pearlでは、バレンタインデーがあるためか、スポンサーの化粧品メーカー、ランコム(LANCOME) 75周年記念番組として、毎夜恋愛映画を放送している。

ラインナップは、『ローマの休日』"Roman Holiday"('53)、『卒業』"The Graduate"('67)、『愛と哀しみの果て』"Out of Africa"('85)、『プリティ・ウーマン』"Pretty Woman"('90)、『恋人はゴースト』"Just Like Heaven"('05)、『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月』"Bridget Jones The Edge of Reason"('04)、『プリティ・プリンセス2 ロイヤル・ウェディング』"Princess Diaries 2 Royal Engagement"('04)と続く。

昨夜(2月8日・月)9時半から、たまたま観た『ローマの休日』であったが、またまたオードリー・ヘプバーンにみとれてしまった。

ウィリアム・ワイラーの不朽の名作だが、初主演したオードリーの美しさ、かわいさは絶品である(アカデミー主演女優賞受賞)。今回久しぶりに観て、主演の二人が良いからこの映画が名作たりえてると改めて思った。

オードリーだから架空の国のお姫様といわれても違和感がない、それどころか、この夢物語がリアリティを持つ。そして、相手役のグレゴリー・ペック。特ダネ狙いの安い新聞記者役だが、ラスト、誠実な男として描かれても彼だからこそ、このキャラが成り立つのだ。

現在のように膨大な製作費を出さなくても、脚本の良さ、演出の良さでこれだけ面白い映画が作れるのだ。女の子の誰もが好きな「シンデレラ・ストーリー」(貧しい娘がお姫様になる)の逆ヴァージョンのこの物語(たった一日の切ない恋)が今でも宝石のような輝きを保つのは、一流のスタッフ・キャストが集結したということだけではなく、白黒映画だったからというのもあると思う。白黒だとクラシック感もあるし、それだけで「これは夢物語」と見る側が意識できるのだ。

1953年のこの映画。ぼくは、70年代にテレビで初めて観た。確か「ゴールデン洋画劇場」だった。その時の吹替版でDVDが発売になった時は、即買いだった。

当時どのオードリーの映画もアテていた池田昌子さん。そしてグレゴリー・ペックは「ジェット・ストリーム」の城達也さん。この最強の吹替えは、この映画の持つ「品格」を決して損なわない。

ローマの休日 製作50周年記念 デジタル・ニューマスター版 [DVD]
ローマの休日 製作50周年記念 デジタル・ニューマスター版 [DVD]

ローマに行った時、ぼくもジェラート食べて、真実の口で手が抜けないフリをして遊んだっけ。

ぼくの田舎の親友Yちゃんは、中学の頃、この吹替えのテレビ放映をテープに録音し、何度も何度も聞いて、ラストの「新聞記者の皆さんです」のトコロ(「シカゴデイリーニュースのヒッチコックです……アメリカン・ニュース・サービスのジョー・ブラッドレーです」)を声マネしていた。それがわかるのは学校中で俺だけ(笑)。けったいな思い出である。

昨夜一緒に観てたカノジョが、オードリーのことを何度も(なぜか)ジュリア・ロバーツと言い間違えて二人で笑った。これも新たな『ローマの休日』の想い出である。名作は何度観ても飽きない。

Roman Holiday (1953)

Directed by William Wyler

09-Feb-10-Tue by nobu

2009-11-20

『北北西に進路を取れ』 50周年記念スペシャル・エディション [Blu-ray] North by Northwest (50th Anniversary Edition Blu-ray Book)

North by Northwest (50th Anniversary Edition Blu-ray Book) [Blu-ray]

アルフレッド・ヒッチコック監督の傑作映画『北北西に進路を取れ』"North by Northwest"(1959)が製作50周年を記念し、ブルーレイとなって発売された。

日本では2009年12月9日にBlu-ray、DVD共発売予定だが、ぼくが買ったのは北米盤のBlu-ray(2009年11月3日発売)。いやぁ、これは買ってよかったなぁ、と思える代物だったのだ。

Odoru2011097 まず、標記はされてないが、日本語吹替・字幕があったこと。ぼくが持ってるのはプレステ3(日本製)なので、ディスクを挿入したら、すぐに日本語になった。もちろん、吹替のない部分は字幕が出る。特典映像も全て日本語字幕付。

ワーナーの北米盤は、クラシック映画はブック形式になってて、今回も44ページに渡るパンフレットのような解説書(カラーで写真も豊富)がついている。『ダーティハリー』や『西部開拓史』の時にもこのブログで書いたので、ご存知のムキもあろうが、このブックレットを眺めてるだけでも映画ファンは嬉しい気分になるのだ。
(日本ではアマレーケース入りなので、このブックレットはついてない。)

数あるヒッチコックの「巻き込まれ型サスペンス」の中でも、その展開の面白さ、テンポの良さではピカイチのエンタテインメント作品。

ニューヨークのプラザホテルで、ある男と勘違いされ拉致された広告代理店社長ソーンヒル(ケイリー・グラント)。連れて行かれた郊外の豪邸で初老の男(ジェームズ・メイソン)たちに尋問にあうが、拒否すると殺されそうになり、あげく殺人犯にまでされてしまう。逃げるソーンヒル。逃走中に知り合ったイヴ(エヴァ・マリー・セイント)の助けも借りながら真実を突き止めようとするが、そこには意外な事実が待ち受けていた…

Odoru2011092 次から次へと目まぐるしく変わる展開。2時間16分の間、いささかも飽きさせないヒッチコックの正にプロ中のプロの演出。こういう映画を観ていると、映画って、ホント "Motion Picture" (動く絵)だなと思わされる。CGなどで観せるのでなく、よく出来た脚本と演出でこれだけ面白い映画が出来るんだというお手本。

映画史に残る、テキサスの荒野で飛行機に追われ、逃げるグラントのシーンや、ラシュモア山の歴代大統領の頭像を逃げるシーンなど、何度観ても面白く、今観ても古臭くない映像の連続。ヒッチコック映画の中でもベスト5内に入るだろう。ソール・バスのタイトル・デザイン、バーナード・ハーマンの音楽も秀逸。

邦題は『北北西に進路を取れ』だが、原題は "North by Northwest" で、実際こんな英語はない。「北北西」は英語で "North Northwest"。「北西微北(北西と北北西の中間)」は "Northwest by North" という。英語圏の人間でも、この地理用語はこんがらがるようで、この映画の題名は主人公がそれだけパニくって困惑している様を表現したものと聞いたことがある。
(途中、主人公たちが乗る飛行機がノースウエスト機というのもシャレが効いてる。)

主役のケイリー・グラントの洗練された大人の身のこなし。殆ど全編グレーのスーツにグレーのネクタイという衣装なのだが、多少白髪がある頭にこれがかっこいいのだ。

相手役のエヴァ・マリー・セイントのブロンド美女(ヒッチコックの好み)のセクシーなこと。高校の頃、初めてこの映画をTVで観た時、そのとんがったおっぱいが目に焼き付いたのを覚えてる(笑)
今回久しぶりに観て、彼女が列車食堂でソーンヒル(グラント)を口説くシーンがよかったなぁ。「買った本が退屈だから、食後はヒマなの…」と誘ったりして、その会話の粋なこと。

Odoru2011096 ジェームス・メイスンと、マーティン・ランドーのクールな悪役と、演技陣も充実している。(この男二人がホモだと匂わせるのも1959年当時は珍しかったんじゃないか)

ヒッチコックらしいユーモアもたっぷり。ラストシーンは、寝台車のベッドでケイリー・グラントとエヴァ・マリー・セイントのカップルがキスをする場面だが、その後列車がトンネルに突っ込むシーンで終わる。賢明な皆さんはこの意味がわかるでしょう?(笑)

映像特典も充実してる(約209分)。「ケイリー・グラント:名優の肖像」 「ヒッチコック・スタイル」 「メイキング」 「不朽のラブ・サスペンス」 それに「スチール・コレクション」と「予告編集」。

2009年新撮りの「ヒッチコック・スタイル」(約60分)は、その名の通り、彼の映画的技法を紹介するもの(というよりこの手のビデオでよくある「ホメたたえる」スタイル)だが、語り手が凄い。マーティン・スコセッシ、ギレルモ・デル・トロ、ウィリアム・フリードキン、カーティス・ハンソン等々。映画を志す若者は、ぜひ観て勉強してほしいビデオだ。

Odoru2011098 「ケイリー・グラント:名優の肖像」(約90分)は、グラントの生涯を綴ったドキュメンタリー。これがとても興味深いものだった。
洗練された都会的でスマートな姿形からは想像できないほど不幸だった幼年時代。英国生まれの彼はボードビル一座へ加わり、ニューヨークを訪れる。そのまま米国へ残ったアーチー・リーチ青年(グラントの本名)は、ハリウッドへ渡り映画デビューの際、ケーリー・グラントと名乗る。以後、彼は生涯に渡り”ケーリー・グラント”を演じ続けたのだった。

私生活では、何度も結婚・離婚を繰り返したが、離婚のたびに親友ランドルフ・スコットと暮らしていたため、ホモ疑惑もあった。だが、このドキュメンタリーでは、3度目の奥さんが「とんでもない!だってあたしたちファックしてたもん!」と答えてたよ(笑)

個人的に勇気づけられたのは、彼は61歳で28歳のダイアン・キャノンと4度目の結婚をし、62歳で初めての子供を授かった(上の写真)。その後、5度目の結婚は、80歳の時、あんと47歳も年下の女性と結婚したのだ。50手前のあっしもまだまだ頑張れるかな?と励まされた次第(笑)

North by Northwest (50th Anniversary Edition Blu-ray Book) (1959)

Directed by Alfred Hitchcock
136 mins

Dolby Digital TrueHD 5.1, Dolby Digital 5.1 Surround
Aspect Ratio 1.78: 1


(Special Futures)
Commentary By Screenwriter Ernest Lehman
Music-Only Audio Track
New 2009 Documentary Reveals The Master's Touch: Hitchcock's Signature Style
Acclaimed Feature-Length Career Profile Cary Grant: A Class Apart
Explore In Depth The Movie's Innovations And Influences In The New North By Northwest: One For The Ages
Vintage 2000 Documentary Destination Hitchcock: The Making Of North By Northwest
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