2008-07-02

「カンフー・パンダ」 Kung Fu Panda 功夫熊貓

Odoru0207083 娘と一緒に映画「カンフー・パンダ」"Kung Fu Panda"を楽しんで来た。これはドリーム・ワークス・アニメーションが生んだ傑作!であった!

CGアニメが出来てから、数々の映画を観て来たが、これは感心するほどの出来映えだった。ともかく、面白い、笑える、絵がいい、キャラクターもいい。アクション・シーンもスピーディでいい。大人も子供も男の子も女の子も絶対楽しめる映画だと思う。うちの11歳の娘も大満足であった。もちろん親父のぼくも。

2008年の今年は、中国でのオリンピック・イヤーなので、数々の便乗映画が作られてきたが、この作品はその中でも最高レベルのものと思う。

タイトルバックは、あたかもマカロニウエスタンかと思わせるようなアニメで、ちょっと座頭市も連想させる。それは夢のシーンで、主人公のパンダがカンフーの達人となり悪い奴をやっつけるのだ。が、実際のパンダのポーくんは、カンフーなんか出来ない麺屋の息子で、親鳥(←パンダのお父さんが鳥!)から後を継ぐことを期待されている。山頂のお寺で、ドラゴン戦士を選ぶトーナメントがあると聞き、街中の人間が見守る中、戦士の虎、ヘビ、鶴、猿、カマキリが戦う最中、会場に落っこちてしまったポーは、なんとドラゴン戦士に選ばれてしまうのだった…。

冒頭のアニメが、CGに変わってからは、夢のような世界が展開する。ぼくは本当にこの「映像」を好きになったよ。DVDが出たら絶対買おうと思ってる。

ぼくらは英語版で観たのだが、主役のポーをジャック・ブラック。彼の師となるヨーダのようなマスターをダスティン・ホフマン、女性の虎戦士をアンジェリーナ・ジョリー、猿をジャッキー・チェンらが吹替えるという豪華版。AMC Cinemaというアメリカ系のシネコンで観たのだが、ついこの間までは、パンダのポーが「携帯切れよ!」と呼びかけていたのだった。

広東語の吹替え版もジャッキー・チェンが参加している。広東語題名「功夫熊貓」。香港でも評判もよくヒット中である。

「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」は、結局3回映画館で楽しんだけど、この映画もまた観たくなっちゃったなぁ…。この夏は面白い映画が多くて大変。忙しくて(笑)

Kung Fu Panda (2008) 功夫熊貓

93mins

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2008-06-30

「デフェネトリー、メイビー」(原題)DVD definitely, maybe

映画「ラブ・アクチュアリー」「ブリジット・ジョーンズの日記」の製作陣が送るラブ・コメディ「デフェネトリー、メイビー」"definitely, maybe"をDVDで観た。日本での公開がいつなのかわからないので原題のまま記すが、ちょっとわかりにくい題名である。邦題は何になるんだろう?

先日シンガポールからの帰路、機内で「ジャンパー」を見てとっても不快な気分になったので、口直しと思いこのラブコメを見始めたら意外にハマってしまったのだが、着陸準備のため映画の途中で止めなければならないはめになり、香港へ戻りHMVでDVDを買って来て続きを観たのでした。つまりそのくらい面白かったのだ。

結婚した人の約4割が離婚する現代、子供と別居してる父ウィルにとって、火曜日と金曜日は特別な日。その日は10歳の娘マーヤを学校に迎えに行けるのだ。その日もお気に入りのプレイリストの曲を聴きながら学校へ行くと、他の保護者たちが騒いでる。「なんで突然性教育の授業をしたんだ!」と。自分の娘もご多分にもれず「私はアクシデントで生まれた子なの?」と聞いてくる始末。「違うよ」と否定するうちに、父は娘のベッドで、過去愛した3人の女性の事を語り始める…

父親が娘に語りかけるという手法をとりながら、3人の内誰が一体母親なのか?という興味を持たせる展開が面白い。パパの"ラブ・ストーリー・ミステリー"の結末はいかに?

ラブコメをおっさんのぼくが褒めるのもなんだかな、と思うが、この映画を薦める理由は、大概のラブコメは女性が主人公なんだけど、これは30代半ばの普通の男が主人公なんである。娘に「パパは幸せそうじゃないから、幸せになんなきゃ」と言われ、背中を押される。まだ絶対(definitely)遅くはないよ。そして、たぶん(maybe)ハッピー・エンディングがあるよ、と

娘を演じるのは、「リトル・ミス・サンシャイン」の眼鏡かけて太ってたアビゲイル・ブレスリン。パパの恋愛談を聞くうちに、結果的にセラピストのような役割になっていく過程が面白い。

父親の話は、1992年から始まるのだが、ウィスコンシン州からニューヨークに来たのが、ビル・クリントンの選挙事務所で働くためという設定が笑える。クリントンが選挙に勝ち、大統領となりモニカ嬢と「不適切な関係」となり、といった具合に現実にあった事と同時進行していくのでその辺りも面白いのだ。

主役のライアン・レイノルズは、なんとも憎めない30代男を好演。エリザベス・バンクス、レイチェル・ワイズ、アイラ・フィッシャーの3人が昔の恋人として登場。
舞台がクリントン事務所なので、民主党のリベラルな奴らの会話が面白い。恋人もインテリなので会話が洒落てていい(脚本・監督アダム・ブルックス)。レイチェル・ワイズが唄う「アイヴ・ガット・ア・クラッシュ・オン・ユー」もムウドがあって好し。

機内で観たときも既に日本語吹替になっており、今回ぼくが香港で買ったDVDも日本語吹替・字幕がついていた(←パッケージには表記なし)。もう既に公開・販売する準備は出来ているのだ。主役が男性ということで、日本ではウケないかも知れないので配給会社は二の足を踏んでるのかな?と思う。一種の中年クライシスのコメディなのだが、ラブコメは若い女性がターゲットだから、男が主人公だと宣伝もし辛いのかも知れない。映画としての出来は結構良いので、何とかなんないかなと思ってるのだが。

definitely, maybe (2007)

Dolby 5.1 surround
2.35: 1 Aspect Ratio
111mins
Region 3

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2008-06-28

「ウォンテッド」 WANTED

Odoru062708 映画「ウォンテッド」"WANTED"を観てきた。面白かったぞ!これは。
香港でも6月27日アメリカと同時公開になり、初日に行ってきた。予告編を見て面白そうと思っていたが、予想以上の出来の良さだった。

物語を簡単に書くと、上司(太った女性)に小馬鹿にされ、彼女も同僚にヤラれちまってるという、ヘタレなサラリーマンが、自分の父親が"正義の"暗殺団員だったことを告げられ、その組織で鍛えられ、殺された父親の復讐を遂げようとするが… というもの。

プレッシャーに弱くいつも心臓がドックドックなっちゃって、精神安定剤が手放せない男のところへ、突然やってくるアンジェリーナ・ジョリー。「あなた、謝りすぎよ」と言われて、また「すみません」という男。そこから、いきなりスーパーマーケットでの銃撃戦→カーチェイスとスパートするんだけど、こっちの心臓もドックドックなっちゃう凄さだ!

いきなり拉致られる気の弱い男。それから6週間で、彼の人生は様変わりするのだが、組織のボス、モーガン・フリーマンのところで鍛えられるシーンも面白い。
肉がぶら下がったところで、太った肉屋に包丁で切られる。椅子に縛られてボコボコにされる、アンジェリーナ・ジョリーにもいたぶられる。見てて痛いが、ロシア人が管理する石の風呂に入ると回復するのだ。そして元気になったら、またいじめられる主人公…。

だんだん男らしくなり、強くなっていく様が、格闘家を育てる日本のスポーツ根性ものみたいである。インドアだけでなく、ニューヨークの地下鉄の上でも戦わされ、またケガをして風呂に入る主人公。

ホント漫画だなぁ、と思って見てたら、これってコミック・ノベルが原作なんだってね。それで、納得。撃った弾と弾が当たってグシャっとなったりするシーンなど絵的にとっても面白いのだ。振り回すようにして銃を撃つと、弾丸がカーブして当たったりするんだもの。

Odoru2706082 彼女を寝取った同僚を、パソコンのキーボードで主人公がぶん殴ると、ボードのキーがスローモーションで空中に舞い、「F」「U」「C」「K」 「Y」「O」…で最後の単語が同僚の抜けた歯で「U」となるなど、ユーモアもたっぷりで笑える。

アンジェリーナ・ジョリーは、「トゥームレイダー」の頃と違い、お姉さま、というか女王様の貫禄で、若いあんちゃんを鍛えに鍛えていく。腕と背中にタトゥーを入れ、銃をぶっ放す。このかっこよさと色っぽさは、ファンにはたまらんもんがあると思う(笑) ボンテージで、地下鉄の屋根にぺタッと張り付いたように寝るシーンは、ホントセクシーだったよ。

また新しい、面白い映画が出てきたなぁ、って感じ。VFXも凄くって、スローモーションを多用する映像も見るものを飽きさせない。1時間50分があっという間だった。ソビエト生まれの監督のティムール・ベクマンベドフは強烈なハリウッド・デビューを飾ったと思う。主役のジェームズ・マカヴォイはどっかで見たっけなぁ、と思ったら 「つぐない」に出てたんだな。その前は「ナルニア国物語」で胴体は人間だが身体は鹿という役をやってた。脇役でテレンス・スタンプが出てるのも嬉しい。

気が弱い男が、じつは才能があって強くなる話って、男は弱いからね。日本でも受けると思うよ。それに鍛えるのがアンジェリーナ・ジョリーで名前がFOX(きつね)だかんね(笑)

こういうのを観て日本のビジネスマンもストレス解消したらいいと思う。もう難しいことを考えずに、ポップコーンを食べながら楽しめる映画だ。面白かった!Jolieee Good!

WANTED (2008)

110mins

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2008-06-24

「ハプニング」 The Happening

Odoru240608 M・ナイト・シャイマン監督の新作映画「ハプニング」"The Happening"へ行った。
アメリカでの評価は今一つだったので、どうかな?と思ったが、期待通り?大したことなかったな(苦笑)。

ナイト・シャイマンという「冠」がなければ、興行的な価値もなく、凡作として処理されていたと思う。せっかく監督の名で客を呼べるのに、このところ一作毎に評判を落としている感じでもったいないなと思う。
ま、企業でも人でも「成功体験」があると中々冒険が出来なくなってしまい、変わることが出来ない。ナイト・シャイマンもあの「シックス・センス」という大大成功があったので、そこから抜け出せないでいるのかも知れないね。ちと残念。

(以下ネタバレあり)

ニューヨーク、セントラルパークを風が吹いて行く。ベンチに座った若い女性二人。一人は本を読んでいる。もう一人が遠くで悲鳴を聞き、何かおかしいな?と感じ、公園の周りの人々の動きが突然止まった時、本を読んでいた女性は何度も何度も「えっと、どこ読んでたっけ?」と尋ね、ハシのような髪留めを抜き、自分の首へ突き刺す…。工事現場では、ビルの屋上から、労働者たちが次々に身を投げる。まるでゾンビにでもなったかのように…。
その頃、フィラデルフィアの科学教師であるエリオット(マーク・ウォールバーグ)は、授業で最近科学的理由がわからないが、ミツバチが姿を消していると話していた。そこへ教師の緊急召集があり、校長からセントラル・パークでテロリストのガス攻撃があったので、子供たちをすぐ帰宅させるようにと指示が出る。
家に帰ったエリオットも、妻(ズーイー・デジャネル)と、同僚の数学教師(ジョン・レグイザモ)と娘と一緒に列車に乗って安全な地へと脱出を計るが、車内の客の携帯電話の映像では、その方角の人々も被害にあっていることがわかる。途中で列車を降ろされてしまったエリオットたちは、より安全な地帯を捜してさまよい始めるのだった…

上映時間91分の本作だが、えらーく長く感じてしまった。主人公たちは、どこへ逃げて良いかもわからず歩き始める。そこで出会う様々な人と情報交換して、どの方角へ行くべきかを手探りで捜していくが、徐々に人が減って行き、田舎へ田舎へと行き最後に行きついた一軒の古い家で、また怖い体験をする羽目になる。

その家で主人公たちが一晩泊めてもらうところがこの映画の一番怖いところで、ここだけクリープ・ショウとなる。TVもラジオもない田舎の家で一人で住んでいる老婆(ベティ・バックリー)が不気味だ。

それまでは、なんで人々がバタバタと死んでいくのかがわからないまま主人公たちは、自然の中をただ走る、逃げるで、不思議なのは、死体が転がってるのが見えるという近距離にいるというのに主人公たちは"その病気"に感染しないのだ。

ぼくが凡作と書いたのは、最後までこの現象は何だったのかの説明がないからなのだ。
結論めいたものとして、テレビでの科学者の私見として「結局自然現象はわからんつーことですわ。これは世界に対する警告だよ、警告、あっはっは」じゃぁね。

結論を観客に委ねて考えさせるだけの材料も与えてくれないので、余計に欲求不満が残るのである。新人監督ならまだしも、もうベテランになっているナイト・シャイマン監督なので余計不満に思うのかも知れない。

そういう意味で、ぼくには「ハプニング」はノー・ハプニングでした。

The Happening (2008)

91mins

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2008-06-18

「ロスト・ジャーナル・オブ・インディ・ジョーンズ」 THE LOST JOURNAL OF INDIANA JONES (インディの"失われた"日記)

緊急発刊!である。「これは、ヘンリー"インディアナ"ジョーンズJR博士が、1957年に南米で紛失し、その後ソビエト軍により発見され、長らくKGBにより保管されていた日記である。ロシア連邦諜報機関の所有する貴重品の中でも最も価値のあるものだ。この中には、ジョーンズ博士が少年時代に出会った"アラビアのロレンス"や"ルーズベルト大統領"のことや、成人してからの残忍なカルトやナチ、クリスタル・スカルの王国での冒険など、1908年から1957年までの約50年間の記録が記されている。ジョーンズ博士のスナップ写真、スケッチ、新聞記事、博士の解説、個人的な考えも描かれており、これは20世紀の最も驚きに満ちた冒険の記録なのである」

うーむ、興奮したなぁ、この本をシンガポールの紀伊国屋で"発見!"したときは。
赤いゴム付き革張り(イミテーション)のノートの中身は、過去ジョーンズ博士が常に持ち歩き描き続けた日記である。幼少時代の初めての冒険から、クリスタル・スカルのスケッチまで、手描きならではの味わいのある絵と解説で、まるで本当の考古学者の手帳を見てるように楽しめる「偽・日記」なのだ。ルーカスフィルム・リミテッドにまたやられた、って感じ。これは買ってよかった。インディ・ファンなら絶対に楽しめまっせ!

欧米の国へ行くと、このようにゴムがついてる白紙のダイアリー帳というかノートをよく売っている。その使い方は自由で、スケッチブックにしてもいいし、日記にしてもいい。この「インディの日記」が泣かせるのは、TVシリーズ「アドベンチャー・オブ・ヤング・インディ・ジョーンズ」の第一回目で、父ヘンリーが息子(インディ)に「これからお前が見たこと、感じたことを記していきなさい」と言って渡すダイアリー帳によく似ているところなのだ。

つまりこれは、父に言われたインディがその生涯の冒険を綴った記録といっていい。そういうものを本にしようというところが面白いではないか。しかも南米ペルーでロシア人が拾ったというのもニヤリとさせるしね。手描きならではのインクのしみや汚れ、セロテープの古さ加減、わざと破ったページなど、今ではコンピュータでいくらでも描けるのだろうが、そのこだわった編集の仕方がファンには嬉しい。もうこれは、どんなに褒めても実際に手にとって見てもらうのが一番である(上の写真をクリックするとAmazon.com で少しだが写真が見れる)。日本での出版はどうなのか?わからないが、洋書屋さんで一辺見てみておくんなはれ!

というわけで、日本では先行上映も始まり、いよいよ公開(6/21)が迫った傑作娯楽映画「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」。聞くところによると、この映画のパンフレットは凄いらしい。TVシリーズ時からインディのおそらく日本では初めての詳細なエンサイクロペディアが載っているようだ(ヘンリー"インディアナ"ジョーンズJRの履歴書)。これを読んで、この本を見るともっと楽しめると思うよ。

では、皆さん19年振りの「インディ・ジョーンズ」を楽しまれんことを!

"The Lost Journal of Indiana Jones"  by  Henry Jones Jr. 

Publisher: Pocket (May 6, 2008) 
Price: US$25.00

【関連】

「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/indiana_jones_a_b93d.html

「インディ・ジョーンズ・トリロジー」http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/dvd_the_trilogy_4810.html

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2008-06-17

「ジャンパー」 Jumper

ヘイデン・クリステンセン主演の「ジャンバー」"Jumper" をシンガポールからの帰路、機内上映で見た。シンガポール航空は、映画だけで80本もあり選ぶのに迷うほどだが、往路に「ヒトラーの贋札」というアート系のドラマを見たので、帰りは軽いものがいいと思いこれにした。が、はっきり言って見なきゃよかったよ、なんじゃこれは!?

彼女(レイチェル・ビルソン)にあげたスノーボールを拾おうとして、氷の張った池に落ちてし まったディビッド(クリステンセン)は、もがき苦しむうち公立図書館にテレポートしてしまう。そOdoru170608_4 れ以来この特殊な能力を使い、彼はありとあらゆるところへジャンプするようになる。銀行へ行き金を盗み、その金で家を出てニューヨークへ住む。毎日優雅に遊び、例えばサーフィンをして、その後スフィンクスの頭のてっぺんで日向ぼっこをしたり。だが、ある日その能力を知っている組織が彼を殺そうと追っていることを知る。彼はもう一人のジャンパー(ジェイミー・ベル)と共に戦いを挑むのだった…

主人公は、もーともかくやりたい放題。盗んだ金で、どこへでもジャンプして遊んでる。長年憧れてた彼女をローマへファーストクラスで連れていき、コロッセオに観光に行くが閉館時間だと言われるとキレて、ジャンプして鍵を開け彼女を入れてやる。中では追っ手と格闘になり、大切な世界遺産を壊しちゃうんだよな。イタリア警察に捕まるがすぐに逃げるし、もう一人のジャンパー(←こいつもあんま頭よくない)とも東京にきて渋谷やお台場で喧嘩するし、もうわがままし放題なのが見てて不快になったよ。だから、追っ手のサミュエル・L・ジャクソンの「いつまでもこのまんまでいられると思ったか?報いを受けるのは当たり前だ」という言葉の方が当たってると思っちゃうんだよな。もちろん、報いが殺しというのは?ではあるけど。

若い人たちは、こんな能力があれば、あんなことも出来るこんなことも出来るとドラえもんみたいに想像して、いいなぁ、と思うかもしれない。映画は夢なのでそういう楽しみ方もいい。だが、絵的に面白いからと言って、世界遺産を傷つけたりするのはどうかと思う。それに、主人公は冒頭、ニュースで家ごと流されそうになっている画面を見ても何も行動を起こさない。こんな能力があればそういったいいことにも使えばいいのに。そーゆーところもあった方が少しは好感が持てたのにな。主人公は、5歳で母親が失踪し父親と荒れた生活をしていたとか同情する設定でもあるが、大人の観客からみるとやはり自分勝手が過ぎると思うのだ。

かのダース・ベイダーを演じたクリステンセンである。彼はその後もダーク・サイドから抜け出せていないのだな(笑)。それとも、これは世界中を我が物顔で闊歩 するアメリカという国を風刺しているのか?もし製作者の意図がそうならこの不快さも一定の理解は出来る。もしそうでないなら、"Jumper 2" も企画されているみたいだが、もうぼくは見るつもりはないのであしからず。

Jumper (2008)

88mins

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2008-06-16

「ヒトラーの贋札」 Die Fälscher (The Counterfeiters)

Odoru150608 シンガポール行きの機内上映で「ヒトラーの贋札」"Die Fälscher" を観た。日本では既に公開が終わってる(2008年1月)が、香港では5月末に始まり、「行こうかな」と思ってたのでちょっと得した気分であった。

今年のアカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞したオーストリア映画。英語題名は"The Counterfeiters" つまり「偽造者たち」という意味。欧米の評論家には凄く高い評価を受けているので期待して観たのだった。

物語は、第二次大戦後、とある男がモンテカルロへやってくるところから始まる。泊まったホテルのセーフティボックスへ大量の現金を入れ、背広を新調し、カジノへ行き、粋な女とベッドを共にする。すると女がこう叫ぶ「あなた、ユダヤ人なのね!」。世界的に名を馳せていた贋作師サリー(カール・マルコヴィクス)は、戦中ナチの収容所へ投獄される。そこでは、有能な印刷工や美術学校生などが集められ、完璧な偽物のイギリスのポンド札作りを命ぜられる。収容所内の他のユダヤ人とは破格の待遇で偽札作りに励む男たち。だが、やがて自分たちがナチに手を貸していることにジレンマを感じて行く…

自分は技能を持っているために、ふかふかのベッドに寝られるが、家族は収容所で明日をも知れぬ思いで暮らしている。偽造用の見本で運ばれて来たパスポートの中に、アウシュビッツにいる自分の娘のものがあるという過酷な現実を突きつけられ男たちはもがき苦しむ。主人公のサリーも同じ収容所内の友人とその家族のために自分の持てる力を最大限に使うが、現実は残酷な仕打ちをするのだ。

イギリス経済を混乱に陥れるために、実際に行われたこの「ベルンハルト作戦」をユダヤ人当事者の目から、その舞台裏を描いた本作は、見応えのする映画であった。ぼくは、この歴史的事実を知らなかったので、余計に興味深かった。というか、知らない人の方が多いのではないかな?そういう意味では現代史の勉強になると思う。

欧米の批評家のウケがいいのもよくわかる。彼らの中にはユダヤの人も多いのだろうし…。この作品は、ナチの残虐性一本やりでもなく、収容所内のユダヤ人の正義だけでもなく、両サイドの人間による骨太のドラマであった。
役者も、主演のカール・カルゴヴィクスなどドクロを連想させるが、たたずまいもよくうまいし、他の出演者も同様だ。撮影も、一種独特のドキュメンタリー・タッチのような映像で(突然ズームがかかる)、音楽もハーモニカとギターの音色がせつなく響き、一級品の映画だと思った。

惜しむらくは、飛行機の中で観たこと。これは、劇場でみるべきやったな、と少し後悔した。せわしなく食事をしつつ、キャビンアテンダントに「ビール・プリーズ」とか言いながら、英語字幕を追っかけるのはちょっとね(笑)
こういう一種アート系は、騒がしい機内では不向きだな、と思った次第。

Die Fälscher  (2007)
The Counterfeiters

99mins

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2008-06-14

「インクレディブル・ハルク」 THE INCREDIBLE HULK

Odoru130608 香港でも公開になった映画「インクレディブル・ハルク」"The Incredible Hulk" へ行く。6月12日から公開になったのだが、同じ日にM・ナイト・シャマランの新作「ハプニング」"The Happening" も始まり、どっちにしようかと迷ったが結局こっちにした。ナイト・シャマランのは評判が今イチで、こっちは前回のアン・リー版「ハルク」('03)と比べるとかなり良いらしく”「バットマン・ビギンズ」のように蘇った「ハルク」”と評判がよかったからだ。

ぼくはそのアン・リー版は、じつは観ていない。公開当時のあまりの評判の悪さに腰が引けたのだ。ま、その失敗が、アン・リーにとっては次の「ブロークバック・マウンテン」の高いモチベーションへ繋がったのだから、それはそれでよかったのかもしれない。やっぱ、マーベル・コミックに対する「愛」はアメリカ人じゃないとわからない部分もあったのだろうと思っている。

(以下、めちゃめちゃネタバレあり)

で、今回の「ハルク」だが、はっきり言って面白かった。ぼくのように「超人ハルク」のことをよくしらないおっさんでも。
Odoru1306082 IMDBによると、主演のエドワード・ノートンは脚本を読んでから、自ら書き直しを行ったという。冒頭のタイトル・バックで、軍事施設でハルクとなったブルース・バナー(ノートン)が彼女であるベティ(リブ・タイラー)を傷つけ、別れなければならなくなった理由が短いショットの積み重ねで明らかにされる。これも、ノートンが「観客は既にどうやってハルクになったのかを知っているので」と考え、映画は最初から逃亡先のブラジルでスタートしいきなりスパートするのだ。

ブルースは、興奮して心拍数が200を超えると目が緑色に変わりハルクに変身してしまう。自分の感情を何とかコントロールしたいために教えを乞うブラジルの道場主を、あんとあのヒクソン・グレーシーが演じている!(日本では、船木戦の前にもさんざん見せた、お腹をへこませる呼吸法を見せながら教えを説くが、香港の観客は、おそらく初めて見たのだろう、劇場内に感嘆の声が聞こえた)。

ベティとブルースの関係、それを知りながら、ハルクの力を軍事目的に使いたいベティの父サンダーボルト将軍(ウィリアム・ハート)。職業軍人のプロ中のプロで、自らの肉体をハルクのように改造してでも闘いを挑むブロンスキー(ティム・ロス)。ラスト、ニューヨークのアポロ・シアター前の闘いは、ハルクの肉体的な痛みと精神的な痛みが両方伝わって来る「名勝負!」だった。

最後の最後に、えっ!?という出演者がいる。…それは、「アイアンマン」のトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)だ!同じマーベル・コミックのからみと、監督のルイ・レテリエ(「トランスポーター」)が「アイアンマン」の監督をしたかったということで実現したカメオ出演のようだ。アメリカや香港では、「アイアンマン」(←超面白い)は既に公開されているので、ウケてたよ。日本では、「インクレディブル・ハルク」の方が公開が先なので、ちょっと残念ですな。

おびえたような表情で、ハルクになることを恐れるブルースを演じるエドワード・ノートンがいい。上でも書いたように脚本も書き直した位だから、その入れ込みようがわかるだろう。だから、本作はエドワード・ノートン版「ハルク」と呼ばれることになるでしょうな。

ベッドで結ばれそうになったブルースとベティだが、興奮すると心拍数が上がるのでセックスできないという場面が一番ブルース(ハルク)の苦悩を感じたよ!てなわけで、ハルク・ファン(←ホーガンではない)、コミック・ファン、格闘技ファンにもお薦めの今回の「ハルク」でした。

【関連】「アイアンマン」Iron Man ↓
http://nobuyasu.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/iron_man_7f68.html

THE INCREDIBLE HULK (2008)

113mins

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2008-06-10

「冒険者たち」 DVD 40周年アニバーサリー・エディション プレミアム Les Aventuriers

アラン・ドロンで続けます。映画「冒険者たち」"Les Aventuriers"はおそらく日本の中年以上の年齢の人にはたまらなく懐かしいフランス映画の一本ではなかろうか。

この40周年記念盤DVDは、昨年('07)発売されたもの。何度目かのリリースだが、レストアされた美しい映像、ドロン=野沢那智の吹替えもついている、まさに現時点での完全版である。

ぼくが初めてこの映画を観たのは、70年代(毎度おなじみ)TBS系「月曜ロードショー」だった。解説の荻昌弘さんが「これは映像の"詩"です」と話していたと記憶している。

Odoru10060834_2 凱旋門の下を小型飛行機で通過したら25万フラン貰えるという話に乗ったマヌー(ドロン)。だが、その話はでっちあげで、あげく免許も停止される。エンジン作りに精を出すローラン(リノ・ヴァンチュラ)は、テストでエンジンが燃え失敗する。鉄の芸術家のレティシア(ジョアンナ・シムカス)は、個展での評価の低さに失望する。そんな失意の3人は、コンゴ動乱の際行方不明になったという財宝探しへ出かける。海上でギャングと撃ち合いになり、流れ弾でレティシアは命を落とす。彼女の故郷を訪れるロランとマヌー。そこで、彼女が話してくれた海の上の要塞へ案内されるが、そこへもギャングがやってくる…

いくつになっても、夢を追っかけている純粋な少年のようなマヌーとローラン。そんな二人と意気投合するレティシア。3人の愛情と友情の間の関係は、大人のくせに10歳くらいの子供同士のようだ。男2人はレティシアに対するプラトニックな思いを持ったまま、突然の別れを突きつけられる。彼女の故郷で見つけた要塞のような島で、また夢を追いかけようとした矢先、2人に悲しい別れがやってくる。

青春(というにはリノ・ヴァンチュラは年をとりすぎてるが…)時代がいつまでも続くと思ったら大間違いで、いつかは理想や夢を追っかけたりすることを諦めなければならない。それが現実で、そうやって人はわかったようなふりをして「大人」になっていく。
この映画がウケたのは、その非現実な世界で、主人公たちが「冒険者」となるが、大人になりきれないまま悲劇的な結末を迎えるという、その現実の「甘さ」と「苦さ」を感じることが出来るからではないか。

飛行機、車、コンゴの青い海、要塞島、レティシアの青いビキニ!と見所いっぱいのロベール・アンリコ監督の60年代の傑作の一本。フランソワ・ド・ルーペの甘い旋律がいつまでも耳に残る、映像詩とはこの映画のことをいうのだという見本。

好きだったレティシアを潜水服を着せて海に沈める美しいシーンは何度観ても詩的でそしてせつない。
…だが、あえて書くが、沈んでく潜水服は途中から中は空になっているのがわかる。初めてTVで観たときから?と思ったが、このことに触れた文章はぼくは見たことがない。名作の中の「汚点」なので、言うのは野暮で、言ってはいけないタブーなんだろう。
(これと「パピヨン」のラスト、椰子の実の浮き袋を下でささえる潜水夫の姿は、逆の意味で印象に残っている。どっちも「見てはいけないものを見た」って感じで)

ジョアンナ・シムカスは、その後、あのシドニー・ポワチエと結婚し、芸能界は引退したも同然になっている。娘のシドニー・ターミア・ポワチエは、「デス・プルーフ」のジャングル・ジュリアだ。彼女がキレイなのはお母さんゆずりやね。

アラン・ドロンは、この年(1967年)に、3本の映画が公開されている。本作と、「サムライ」、「悪魔のようなあなた」だ。売れっ子だったとはいえ多出演である。当時32歳の彼は、この映画と「サムライ」のような役をよく演じ分けたと今になって思うのである。ドロンって結構やるなぁ、と。

LES AVENTURIERS (1967)

Monaural
2.35: 1 Aspect Ratio
113mins
Region 2

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2008-06-07

「サムライ」 DVD クライテリオン・コレクション LE SAMOURAÏ

アラン・ドロン映画の中で、傑作と名高い「サムライ」。「さらば友よ」を観てからまた観たくなり、棚から出して鑑賞した。このクライテリオン版は、毎度ながらレストアも素晴らしく、買ってよかったと思ったDVDの一本なのである(このかっこいいカバーアートを見よ!)。

若い人には、もうアラン・ドロンも知らない人が多いだろうし、ましてジャン=ピエール・メルビル監督なぞ「誰それ?」なのだろう。だが、彼こそフランスが生んだ素晴らしい映像作家の一人であり、この「サムライ」は彼のベストといっても過言ではない傑作なのである。
このDVDのブックレットに転載されているジョン・ウー監督の文章には、「メルビルは私にとって神だ」とまで書いてあるのだ。

物語はとてもシンプルだ。一人の孤独な殺し屋ジェフ・コステロ(アラン・ドロン)が、殺しをやり遂げ、警察に追われ、そして死んで行く。
タイトルバック。シンプルな部屋のベッドに横たわるドロン。真ん中に鳥かごが置いてあり、小鳥が「ピー…ピー…」と鳴いている。トレンチコートを着て、帽子をかぶりつばに手をかけ、表に出て行くドロン。車を盗み、それを闇ガレージに持って行きナンバープレートを変えて、拳銃を受け取る。それから彼女(ナタリー・ドロン)のアパートへ行って会話を交わす。それまでの10分間、なんのセリフもない。

つまりメルビルは、<映像という言語> "Visual Language of Cinema"で語ろうとする作家なのだ。この「サムライ」は、日本の侍のようにストイックな生き方をしている孤独な殺し屋の物語なので、ドロンは寡黙である。無表情で、冷たいブルーの目で相手を見つめ、白い手袋をして拳銃を撃つ。トレンチコートの襟を立て、ポケットに手を入れ街を歩く。フィルム・ノワールの一本である本作は、ドロンの主演、メルビルの演出で、前述のジョン・ウーの文章にあった表現を借りると、品のある「紳士が作ったギャング映画」の傑作となった。

細部にこだわった演出、その世界観はかつての日本映画の影響を受けていると評論家ルイ・ノグエイラも語る。セットの一つ一つの色調、アンリ・ドカエのカメラワーク、全てがシンプルかつスタイリッシュだ。

この映画の撮影中、メルビルの所有するパリのスタジオが火事で焼失するという悲劇が起きる。メルビルは保険をかけていなかった。幸い死傷者は出さなかったが、ドロンの部屋のセットにいた小鳥は犠牲となった。大きな精神的な苦痛の中、メルビルは本作を完成させる。全編をつらぬく、冷たいが哀しいムウドは、ひょっとしたらこの惨事も影響しているかも知れない。

ジョン・ウー監督の映画で、必ず出てくる「鳥」のシーンは、メルビルの影響なのだろう。ひょっとしたら、「サムライ」の小鳥への弔いなのかな?と思った。
それ以外にも、ウー監督の「サムライ」の影響は大きいと思う。トレンチ・コートしかり、ジャズしかり…。

このDVDは2005年に発売されたもの。ハイ・デェフィニション・デジタル・トランスファーによるレストア。メルビルの本を執筆した、ルイ・ノグエイラ(Melville on Melville) ギネット・ヴィンセンデュー (Melville: An American in Paris) のインタビュウ。メルビル、ドロン、フランソア・ペリエ、ナタリー・ドロン、カティ・ロジェの公開当時のテレビ出演時のインタビュウ集、予告編付き。

ぼくが初めてこの映画を観たのは、中学生の頃、TBS系「月曜ロードショー」だった。中学生に、こんな静かな映像美の映画が面白いはずがなく、退屈だったのを覚えてる(解説の荻昌弘さんはメチャ褒めてたけど)。今は、こんな素晴らしい芸術作品 (Work of Art) はないと思う。年をとるとはこういうことだろう。DVDの時代になり、本のように、若い頃観た作品を再度味わえるのは本当にありがたい。自分でこの名作が所有できるというのも嬉しい時代だとしみじみ思う。

面白いエピソードを一つ。1963年にメルビル監督からオファーがあったドロンだが、アメリカでの仕事を理由に断った。帰国後、メルビルを自宅に招いたドロンは、脚本を読み上げるメルビルに尋ねた「10分ほど立つが、セリフがないのか?」「気に入った。で、題名は?」メルビルが「サムライ(Le Samouraï)」と答えると、ドロンは、黙ってメルビルに自分のベッド・ルームを見せた。そこは、日本の刀が飾ってあり、全体が侍の家のような荘厳な日本式の部屋だったのだ。こうして、ドロンの主演が決まったのである。

LE SAMOURAÏ (1967)

Monaural
1.85: 1 Aspect Ratio
105mins
Region 1

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