2012-02-02

第18回(SAG)全米映画俳優組合賞 2012 18th Annual Screen Actors Guild Awards

2012年の第18回全米映画俳優組合賞の授賞式 "18th Annual Screen Actors Guild Awards" の模様が、当地香港でもFoxMoviePremiumで生中継された(2012年1月30日)。過去3年ほど香港でも放送がなかったので今年はありがたかった。

SAG Awards はアカデミー賞の前哨戦の1つ。この賞は、組合に所属する俳優が投票して決める賞なので、監督賞や脚本賞などはない。劇映画とTVの演技賞で、最優秀作品賞に代わるものが、ベスト・アンサンブル賞である。

そのアンサンブル賞を受賞したのが映画「ヘルプ 心がつなぐストーリー」。ぼくはこの作品を観て、SAG賞をとるんじゃねえ?と予想していたので当たってうれしかった。(プレゼンターはブラッド・ピット)
壇上にはキャストの面々がならび、代表してヴィオラ・デイビスが、「人種差別や性差別という汚点は黒人や女性だけのものではなく、私たち皆で背負うものです。そして、私たちはそれを変えることができるのです」と述べた。

主演女優賞もヴィオラ・デイビス(ヴァイオラと発音してたな)。助演女優賞もオクタビア・スペンサーである。この「ヘルプ〜」は本当にキャストの妙があったからねぇ。二人とも次のオスカー・レースの上位に上がったと思う。

主演男優賞は、「アーティスト」のジャン・デュジャルダンが受賞。フランス語訛りの英語で「私は悪い生徒でした。授業中いつも夢をみていました。ですが、夢を見続けていてよかったです」とスピーチした。

助演男優賞は、「人生はビギナーズ」のクリストファー・プラマーが受賞。今年82歳で、先日のゴールデングローブ賞に続く受賞はよかったと思う。ぼくはまだ観てないのだが、高齢の同性愛男性を演じているのだとか。我が家では、"ミスター・エーデルワイス"(「サウンド・オブ・ミュージック」)と呼んでいたのだが、印象が変わるよね(笑)。

アンサンブル賞候補の映画は、出演者たちが出て来て映画を紹介するのだが、「ファミリー・ツリー」では、ジョージ・クルーニーと娘役のシェイリーン・ウッドリーが登場。クルーニーは主演男優賞もとれず残念。

可笑しかったのは、「ブライドメイド」の3人(クリステン・ウィグ、マヤ・ルドルフ、メリッサ・マッカーシー)。酒を片手にあらわれ、「みんなでよく飲んだわね。飲みほしてから"スコセッシ"と言って」と笑わせる。スコセッシとは、〈巨匠〉監督マーティン・スコセッシのこと。その後の受賞者スピーチでは、皆が「スコセッシ!」と云いだす始末(笑)。

他のアンサンブル賞ノミネートは、「アーティスト」「ミッドナイト・イン・パリ」だった。

今年の生涯功労賞は、メアリー・タイラー・ムーア。日本では、「普通の人々」の母親役くらいしか馴染みがないかも知れぬ。いつもながら渋い人選だ。アメリカでは自分のTVショウもあったほどの人である。プレゼンターがディック・バン・ダイクだったのが嬉しかった。

TV部門は馴染みがないのでよくわかりませぬ。ベスト・アンサンブルは、「BOARDWALK EMPIRE」でした。

詳しくはオフィシャルHPで → here

さあ、次は2月13日の英国アカデミー賞(BAFTA)である。香港では同じチャンネルで放送されるので、楽しみである。

てなことで、スコセッシ!

18th ANNUAL SCREEN ACTORS GUILD AWARDS

02-Feb-12-Thu by nobu


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2012-02-01

「コクリコ坂から」(紅花坂上的海) From Up On Poppy Hill

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香港でも春節の2012年1月19日から公開された宮崎吾郎監督の新作ジブリ映画「コクリコ坂から」(広東語名:紅花坂上的海)。旧正月の休日に中二の娘と行って来た。

高度成長期、1963年の横浜を舞台に、高校生の純粋な恋物語が綴られて行く。原作は少女漫画、テイストは往年の日活青春映画。だが、これは大人のオトコが観ても感動できる名品だったのである。

亡き父を想い、海の見える家から、毎日安全旗を掲げる主人公・海(声:長澤まさみ)。それを見てタグボートから返礼する俊(岡田准一)。同じ高校に通いながらも知らないもの同士が、やがて運命の糸で結ばれて行く。新聞部、生徒会、学生集会…。60年当時の高校生たちは、青臭い哲学を語り、大人たちに反抗する強い意志も持っていた。

出会った若い男女は、自分たちの出自に戸惑い、悩む。だが、それでも自分の気持ちに素直に生きようとする。その清々しいこと。そして、父親の船員たちの、その男の友情の素晴らしいこと。絵も美しく、音楽も物語同様テンポよく進む。劇中流れる 坂本九「上を向いて歩こう」の自転車の二人乗りのシーンがいい。二人が肉屋でコロッケを買うのもいい(笑)

当地香港の満員の劇場では、皆大笑いをし、そして静かな感動に包まれていた。映画が終わってエンドロールで一人も席を立たなかったのが何よりの証拠(こんなこと当地で初めての経験だった)。日本人でよかった。そして、もう若くない年齢でこの映画を観てよかったと思った。素敵な逸品である。

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と、ここまでは、ぼくが映画を観た当日、facebookに書いたもの。ここからは、もうちっと感想と余談など。

「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」ポッドキャスティング、2011年8月4日の「映画コクリコ坂からの不思議な謎を探る…」で聞いていたのだが、この作品は娯楽映画研究家・佐藤利明さんが語るように、ホント「日活青春映画の新作」のようであった。

海ちゃんは吉永小百合、俊くんは浜田光男ではないか。石坂洋次郎原作の青春映画のそれにとても近い。プロデューサーの鈴木敏夫さんが云うように「基本は『青い山脈』」である。

だからだろう、時代設定だけではなく、我々世代にはとても懐かしい映画になっているのだ。これがぼくがこの映画を気に入った理由の一つである。

海ちゃんのヒロインの話から、このポッドキャストでは、宮崎駿監督の作る映画のヒロインは、モデルは芦川いづみじゃないのか?という話になり、これには思わず膝を叩いた。面白い話である。興味のある方はぜひ聞いてみてほしい(→ 鈴木敏夫のジブリ汗まみれ Podcast)。

一緒に行った中二の娘は、日本公開時おばあちゃんと横浜で観ていて、2度目の鑑賞だったのだが、「今回の方が感動した」と話していた。香港の観客はよく笑う。 日本ではみんな真面目に見てて笑い声がなかったのだと。ぼくはラスト近くで涙がこぼれた。正直、こんなにイイと思ってなかった。

今になって思うと、坂本九の「上を向いて歩こう」は、明日を感じることの出来る時代の応援歌だった。カルチェラタン(英語ではLatin Quarter)存続のために、高校生の男女が立ち上がる。あの当時の若者たちが持っていただろうバイタリティを、日本人はどこに忘れてきてしまったのだろうか。東京から横浜へ戻る電車の窓から見える高度経済成長の足踏み。それを見つめる海の顔(ここは名シーンだ)。これは現代に生きる日本人へのエールである。

企画・脚本の宮崎駿さんが、2011年3月11日の大震災17日後に行ったこの映画の製作記者会見で、涙ながらに語った「この映画が(被災された)多くの人たちに何かの支えになってくれたらと思っています」という強い思い。それを充分感じることの出来る映画だった。宮崎吾郎監督の今後に期待している。

「コクリコ坂から」(紅花坂上的海)香港版予告編

From Up On Poppy Hill (Japanese Version) (2011)

Directed by Goro Miyazaki
Starring Masami Nagasawa, Junichi Okada, Keiko Takeshita, Yuriko Ishida
Duration 95 mins

01-Feb-12-Wed by nobu

 

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